PandoraPartyProject

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シーズンテーマノベル『蒼雪の舞う空へ』

蒼雪の舞う空へ

 空から降り注ぐ雪は白く、積もる度に蒼を抱く。
 頬を伝う雫は静かに落ちて、直ぐさま冷たくなった。
 雪の夜は音も無く、ただ、鼓動だけが耳の奥で響く。
 郷愁の記憶と共に呼び起こされるのは、もう聞く事のできない声。
 悴む指先を大きな手のぬくもりが包み込んだ。そんな思い出。
 声を思い出す度に、遠く儚く消えて、傍に誰も居ないと悲涙する。

 しんしんと、降り積もる雪は、痛い程に冷たかった。

シーズンテーマノベル『蒼雪の舞う空へ』

『青の尖晶』ティナリス・ド・グランヴィル
「あ、すみません。お見苦しい所をおみせしました。
 少し両親のことを思い出していて……こんな『雪』の日でも二人の『ぬくもり』があったから寒くなかったんです」
『青の尖晶』ティナリス・ド・グランヴィル
「イレギュラーズさんには『雪』の日の思い出はありますか?
 よかったら、教えてください。こんな寒い日には大切な人の『ぬくもり』が恋しくなりますから」
シーズンテーマノベル『蒼雪の舞う空へ』
商品 説明
対応商品一覧
  • 1人テーマノベル
  • 2人テーマノベル
  • 3人テーマノベル
  • 4人テーマノベル
  • 5人テーマノベル
発注可能クリエイター
  • ゲームマスター
  • ノベルマスター

基本価格 100RC~

商品概要

 本商品は『キーワード』を指定して発注するSSとなります。
 シナリオコンテンツでは描ききれないお客様のストーリーを『キーワード』を添えてゲームマスター、ノベルマスターに発注することができます。

 『キーワード』がいずれか一つは含まれていれば内容はどの様なものでも構いません。
 季節もキーワードさえ含まれていれば無視しても構いません。
 また、発注時にキーワードを必ず指定する必要もありません。

 今回のキーワード:『』『ぬくもり

日程

・受付:11/18~12/12の8:00
・締切:1/15
・公開:順次公開

プレゼント

本商品の受注が確定したキャラクターには『称号』が配布されます。
本商品の受注が確定したキャラクターには後日、記念アイテムを配布いたします。
※本キャンペーンでは発注した分だけ配布されます。(SSを二つ発注した場合、二つアイテムが配布されます)

景品詳細
アイテム 性能
ゆきひとひら 種別:アクセサリ
レアリティ:ハイクオリティ
補正値性能:-
フレーバー:最後の冬に舞う雪星は、可能性の欠片と共に、手のひらへと溶け消える。使用時、パンドラ+1回復。
称号 内容
蒼雪の舞う空へ 種別:称号スキル(※称号スキルとしての配布は、後日となります)
フレーバー:誓いに『正しさ』があるならば、背を押す何かが、つかみ取る力を湧き上がらせるでしょう。
サンプルSS:『White sorrow』
(NPC:ティナリス・ド・グランヴィル (p3n000302)

 ――朝の静謐は、小鳥さえくちばしを閉ざして、さながら祈るかのように。
 寒々しい緑青(ろくしょう)に覆われた、少女の像が跪いている。
 頭には雪の薄いヴェールを纏い、足裏だけが銅色の肌を覗かせていた。
 奇跡にあやかりたいと、人々が撫でて行くのだそうだ。
 聖女ラナの旅程――その終わりの地は、今は小さな公園となっている。

 それを横目に。
 誰かが踏み固めた雪の上を、ティナリスもまた厚底のブーツで踏みしめた。
 真新しい雪の下に小石でもあったら、コートの裾を汚してしまうだろうから。
 この程度で転ぶような鍛え方はしていないが、わざわざ無為な危険を冒す質でもない。
 水をすくうように両手を寄せて、息を吹きかける。手袋でも持ってくれば良かったと、ティナリスは自分自身の浅はかな癖に、なぜだか少々むっとした。

 この道を何度歩いたことだろう。
 小雪の粒は徐々に大きくなり始め、周囲の音をすっかり閉ざしている。
 しんと、しんしんと。
 ただ雪の降る道を、当てもなく進む。
 そして幾度も座ったことのあるベンチへ。
 そっと雪を払って腰を下ろした。
(雪でウサギを作ったっけ)
 それは母との思い出。
(雪球を背中にぶつけたんだっけ)
 それは父との思い出。
 母の微笑みも、父の困ったような表情も、家族の団らんも、ぬくもりも。
 全て過ぎ去った、過去の記憶に過ぎない。
 喪われたものは二度と戻らず。
 追憶はいつも寂しさと諦念と共に在る。
 それすら歳を経る毎に、淡くなり、おぼろげになり。
 いつかは忘れ去ってしまうのかもしれない。

 ……さみしいな。

 死んだと思っていたティナリスの父は、あの場所に居た。
 穢れた聖遺物の中で、その清らかな魂は傲慢な滅びと戦い続けていた。
 なんと強い人なのだろう。
 なんと気高い人なのだろう。
 なんと哀れな人なのだろう。
「……私、は――」

 ――聞け、ティナリス。
   私はもう死んだ身だ。
   この身体は敵のものとなるだろう。
   必ず討て。決して生かしてはならない。
   お前なら出来るな?

 きっと父からの最後の頼まれごとになるのだろう。
 その前は、ほら。だってもう、そんなことすら思い出せないのに。
 腰の剣柄に触れようとして、冷え切った指先が空を切る。
(佩いてなかったんだった)
 小さなことに気が滅入る。
 最近何もかも、間違えてばかり居る気がしてくる。
 けれど、それでは駄目なのだ。

 ――ねえ、お父様。私頑張るね。

 貴方を斬り、必ず討ち果たしてみせます。

 その呟きは、誓いは、約束は。
 ティナリス自身の耳にすら届かず。
 ただ、降りつのる雪の中へ溶けていった。

(キーワード:雪、ぬくもりを使用しています)(SS執筆:もみじ

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