PandoraPartyProject


安楽浄土
――豊穣に在りし常世穢国。
旧き帝が魔種として頂点に立っていた大地の事件は、終焉を迎えんとしていた。
闘争を狂い求めた帝たる『干戈帝』は神使らの奮戦により敗れたものの生き残り。
つまらぬ治世と称された帝たる『常帝』は神使との語らいの果てに、己が理想に殉じ。
……そして狂気の果てに常世穢国へと付いた百合草 瑠々(p3p010340)は、姿を消した。
彼女がどこへ行ったのか。その足取りは掴めていない、が。
瑠々が主と称えた――『正眼帝』なる者、は。
「瑞。うん、ありがとね。随分と――無理をさせちゃった」
「……私は何という事はありません、それよりも」
「うんうん――もう一度だけでも、逢えて良かった」
怨霊化身とまで言われる狂気の果てに到達していたものの。
激戦の果てに――その身が蕩ける狭間にあった。
語るは瑞神。この豊穣の国を遥か古代より見据えてきた神霊。
『正眼帝』偲雪ともまた、知古の間柄であった……尤も、再びの別れに至ろうとしているが。偲雪は元々死人であり、プラック・クラーケンの命を賭した奇跡により狂気が払いのけられただけの状態。全てが解決し、彼女の本体とも言える者が消失すれば、正しき道理として――消え去る定めであった。
その時が、間近に迫っている。それだけの事。
だけど――
「――なあ、偲雪さん!」
風牙は、言いたい事があった。どうしてもその前に伝えたい事が――
「あんた、何度もオレに『お友達になりましょう』って『共に歩みましょう』って誘われたなあ。あんときゃ突っぱねたけど、さ――」
一息。そして。
「今度はこっちからお願いする! 偲雪さん! オレと友達になってくれ! 共に、みんなの幸せのために頑張らせてくれ! その想いを、願いを、オレにも引き継がせてくれ!!」
「風牙――」
「分かったんだよオレ、オレ……ああ、クソ、ちくしょう。もっとさ、もっと言いたい事があるんだけどさ。クソ、もっと早く考えとけば……!」
風牙の喉奥から零れる言葉は、とめどない。
すぐ、消えちまうんだよな。そうだよな。だって死んでるのが本当なんだもんな。
――もっと話をしたかったな。話したいこといっぱいあるんだぜ。巫女たちのこととか!
だけど、ダメだ。話したい事が多すぎて、溢れて消えて、何から話せばいいのか。
おかしいな、喉の奥が枯れそうだ。
墓参り、するよ。あんたのあんたの墓前でこの国のこれまでとこれからを、いっぱい話すから。毎年、ちゃんと墓参りして、そのたびに報告させてもらうぜ、もちろん吉報ばかりだ。そうなるに決まってる。そうならないなんて嘘だからよ!
だから、だから……!
「友達、ね。うん! いいよ、約束だよ!」
「ああ――絶対だ、ありがとうな!」
ゆびきーりげんまーん! ふふ、約束、だよ。
「瑞様……これが最後の時です。お言葉があるならば」
「――ええ、ありがとうございますアルテミア。ですが」
「私ならば……伝えたい事は伝えました」
ですので、とアルテミアは祈りを捧げよう。
彼女は間違った事を強行したけれど。
せめて彼女の魂が安らかに眠る事を願うぐらいは――罪ではない。
……更に、ルル家は言葉よりも先に握る。偲雪の手の平を。
消えていく……温もりが消えていく中、最後まで想いを伝える為に。
「約束します。いつか必ず皆が笑い合える国を、世界を作ります」
きっとすぐに為せる理想ではありません。拙者の人生では足りないかも知れません。
しかし……もし拙者が駄目でも拙者の子供が。
子供がなせなければ孫がその想いを継いでいきます。
そうやって世界は少しずつ紡がれてきたのです。
そうやってこの国は貴方の想いと共に歩んできたのです。
そして今――良くなってきているんです、この国の未来は。
「だから、ずっと見守っていてください」
「ふふ、ふ。そうだね。ルル家。ルル家なら……きっと出来るよ……
ルル家の子供、かぁ――家族、かぁ――皆の未来を、見たかった、なぁ」
「偲雪ちゃん……!!」
「……眠れ優しき帝よ。お前の抱いた夢は、きっといつの日にか叶うと信じろ」
クロバも言を紡ごうか。短く、しかし死神にしては優しすぎる……意が込められながら。
「めぇ……偲雪さまはもう充分、頑張りました、よ。
……どうか、お休みください。とっても、とっても、頑張りました、ね」
「えぇ本当に。本当によく、頑張りましたね。
皆を困らせるようなことは……もうやってはだめですよ。
次は……次があるなら、きっと覚えていてくださいね」
更にメイメイも握りしめよう。かつて……メイメイは彼女の手を取れなかった。
魔種である者の誘いであったから。けれど、今は違う。
手を伸ばして、掴んで、連れて行こう。夢の果て、旅の終わりの場所へ。
偲雪さまが安らげる……地へと。
なればマリエッタは偲雪の頭を撫ぜるように。
駄々をこねていた子供をあやすように――優しく、言葉を零そう。
「……どうか安らかに。この森はきっとそう言う場所ですから」
「全部終わったら――花ぐらいなら供えてやるさ。あぁ安心しな」
「……往くべき所へ往けるように祈ろう。それぐらい、良いだろう?」
次いで慧に三毒、そしてアーマデルも言の葉を紡ごうか。
ここももとはきっと静かな、眠りにつくのに相応しい森だった筈。
過ちの夢、ここから出すことは許せないけれども。
此処でゆっくりと瞼を閉じるのは……誰にも許される事であろう、と。
「偲雪さま、俺、貴女に会えて良かった。幸せだったよ」
「イーハトーヴ……イーハトーヴは、いつも、いつまでも、優しい、ね」
「……優しいのは、偲雪さまだよ」
傍に至るイーハトーヴ。彼は……戦った。
この国の終焉を望む彼女と、狂気に突き進む彼女。
どちらも俺が友達になりたいと願った『偲雪さま』なら――
戦う事がきっと、友達のためにできる、今思いつく限りの最善だったから。
……ねぇ偲雪さま教えて。
貴女の見たい景色を。貴女の安息の景色を。どこに、あるのかな。
「見たい、景色……」
「まって、偲雪さん。行かないで。まって。ここにいて」
瞬間。駆けつけてきたのは――シキ、か。
待って。待つんだ。いかないでほしい。
シキは偲雪を抱きしめよう。だって、おかしいよ。
いらないものをポイして『きっとハッピーエンド』なんて私は認めない!
御免だ、そんなの! だって全部全部含めて――偲雪さんでしょう!?
――わたしと君は友達だ。
――君はひとりじゃない。
――もう二度とひとりにはしたくない!
「いっしょにいるよ。だから、偲雪さんもいっしょにいて……!
瑞、ずい! お願い、わがままだけど力を貸して……!」
「……シキ」
いなくならないように。強く、強く。抱きしめる。
あの日取り零したモノを――ようやく握れた気がするんだ。
その身体を。その手を。だからもう少しいておくれ。ねぇ、偲雪さん……
だからお願い、偲雪。
生きて、私と一緒にいて。魔種としての君は死んだ。人として間違った君は死んだ。
だから――!!
「ダメだよ、シキちゃん。その願いはきっと、あなたを殺しちゃう」
だけど。そんなシキの身体を……暖かな手が包み返した。
奇跡は命を懸けねばならぬ。結果として生き残る事はあるかもしれないが、しかし。
偲雪自身が拒絶した。だって――
「シキちゃんには、こっちに来てほしく無いなぁ」
「偲雪……!」
「まだだめだよ。もっともっと、ずっとずっと年を取ってから……じゃないと……」
シキちゃんと一緒に生きれる未来は、とっても楽しみだけど。
皆言ってたじゃない。この世は今を生きている人達で繋いでいく者なんだ。
私も――そう思う。
狂気が失われた今、私もきっとそう思うから。
シキちゃんを連れて行く訳にはいかない。
「シキちゃんも皆も、ずっとずっと昔に会いたかったな。でもそれはきっと私の我儘だよね」
「……偲雪様。私は……貴方が叶えられなかった笑顔溢れる国を、より多くの力を借りて残してみせます。必ずや。いつか貴女に胸を張ってご報告出来るように」
「おやすみ、偲雪殿。もしも……次に会えたなら俺もキミとゆっくり話がしてみたいな」
「そうだね……もしもまた、いつか会えたなら……」
星穹にヴェルグリーズが言を紡ぐ、が。もう偲雪には……皆の顔が見えなくなっていた。
まだ皆そこにいてくれているのかな。ありがとう、ね――
故に看取る。リュコスは、今度こそ。
本当はもっとお話ししたかった。もっともっと触れ合って、もっと一杯お菓子も食べて……
でもあんなに優しい偲雪が一人で死んでしまって……それがずっと心残りだった。
お別れする運命は変えられないけど。
けど、それでも。
「今度は一人じゃない……よね。一緒だよ、此処にいるよ」
「うん……ぅ……ん……リュ……ス……」
声が聞こえなくなっていく。命が消えていく。
――でもきっとそれが正しいんだ。
現世に迷い続けた霊魂が、正しい道へと帰っていく――
ねぇ、偲雪。やさしい王様……
「今度こそ『さよなら』は」
届いたよね。
これからずっと旅に出る。
ずっとずっと旅に出る。
帰ってこれない旅かもしれない。もう二度と、誰にも会えないかもしれない。
だけど、もしも。
もしも次があるのなら。もしももう一度この世界に生れ落ちる事があるのなら。
またいつか会おう。
常世の果てがあるのなら。
もう一度みんなに会えるのなら。
旅が終わった時に、きっと――きっと。
きっと暖かな世界が広がっていると、信じているから。
※『<仏魔殿領域・常世穢国>』の事件が解決しました――
※『双竜宝冠』事件が望まない形の進展を見せたようです。
各地でアベルト派、パトリス派、フェリクス派が武力衝突を開始し、市中にも被害が出ているようです……
※R.O.Oのエラー領域『ORphan』での事件が終結しました。
境界図書館から行なう異界渡航の準備を始めたようです――
※烙印の後遺症には個人差があることが判明しました 。
※天義騎士団が『黒衣』を纏い、神の代理人として活動を開始するようです――!
(特設ページ内で騎士団制服が公開されました。イレギュラーズも『黒衣』を着用してみましょう!)
これまでの覇竜編|ラサ(紅血晶)編|シビュラの託宣(天義編)
トピックス
トピックス
でーすーよーねーザーバ君はねーもうねー。そういう所だぞって。
私もう殿方のそういう所が好きなのかそういう殿方が好きなのかわからなくなってきました。
いい夢が見れそうなので、私も中座いたしますねー。
うん、半分言ったね。(くすり) まあでも、膿自体はもう出ないくらい、出し尽くしてる気がするね?
ザーバさは...あの人もやっぱり根っこは脳みそ鉄帝だから、最前線で軍人やってるのが充実した人生なんじゃないかぁ?
うん、紙袋さんはお休みだね。またね。
せいぜい膿を出し尽くし、ザーバ君に楽な余生か充実した人生が来ればいいのに。
覇竜は住まう人々が精強なのか、割と楽観というかそういうことができてる気がします。
仕事に縁があったら足を伸ばしたいですねー。
でも後方で救護活動専念してくれる人は、マリオンさん達みたいな戦場組にはありがたいと思います。
戦いに専念できるのと周囲の人的被害考えながらとだと、戦いやすさが全然違うしね。
ラサは少し不安だけど、鉄帝は暫くは安心かな?
お家騒動に絡むけれど、国が弱ってるから幻想に攻め入れないだろうし。
ちゃっちゃと片付いてくれるのが望ましいけど、その結果ろくでなしが跡を継ぐっ事態だけは避けて欲しいかな。
他地域の魔種がナワバリ広げてきたらアレですけれど
(むにゅむにゅ)てってーとラサは安置だと良いんですけどねー。帳が降りてくる関連があるやもですが、どうせ後手を踏みますので如何とも。
あとお貴族のお家騒動はちゃっちゃか片付けていただきたいものです。みねうち的には。
いずれにせよ、私は決戦で救護活動するだけですねぇ。
ドンパチ能力はほとんど持っていないのです。
なので少しお菓子でも摘まんで、死なずにお話ししようとマリオンさんは思います。
はい、どうぞだね。(二人にドライフルーツの小袋手渡し)
ええ、初めましてマリオン。死ぬには勿体ない夜ですね……?(キリッ)
ラサでひたすら救護活動したり。
進んでるって言うか、混迷してるかって言うかだけどね。
今日は男性モードで、こんぱんわの初めましてだね。
過去との! 耐え難き! 断絶が!
水着浴衣のキャンペーンも始まって、いよいよ夏だわね。
どこから冷房を利かせるか人によると思うけれど……クーラーの作動確認はちゃんとしたかしら?酷暑の時期になってから壊れてました…は辛いのだわよ。
早めに確認しておきましょうね。……これ先月くらいに言っておくべき内容だったかも。
レベルキャップ開放につきまして
本日、レベルキャップを解放し、獲得経験値増加を行いました。
・レベルキャップを88→89に上昇しました。
・闘技場レベルアップ可能レベルを85→86に上昇しました。
・基礎獲得経験値を5100→5300に上昇しました。
・R.O.Oには変更はありません。
以上、宜しくお願いいたします。
<月だけが見ている>の一部シナリオの公開日変更につきまして
<月だけが見ている>一部のシナリオにつきまして、運営都合上の理由により、公開日を延長させて頂きます。
・<月だけが見ている>決戦シナリオ
・<月だけが見ている>EXシナリオ
お客様にはご迷惑をおかけし申し訳ありませんが、公開まで今暫くお待ちいただけますと幸いです。
以上、よろしくお願いします。
サポート推薦機能、NPCのサポート参加につきまして
本日、以下の機能が追加されました。
・サポート枠が解放されているシナリオである場合、サポート推薦出来る機能の追加
・サポート枠が解放されているシナリオである場合、NPCがサポート参加可能な機能の追加(PCがNPCをサポート推薦も可能)
つきまして、今後のシナリオにてNPCがサポート枠として同行している場合があります。
また、シナリオでNPCが最初からサポート枠として同行している場合もあります。なお同行している場合、NPCのシナリオ履歴に参加履歴が表示されます。
以上、よろしくお願いします。
レベルキャップ開放につきまして
本日、レベルキャップを解放し、獲得経験値増加を行いました。
・レベルキャップを87→88に上昇しました。
・闘技場レベルアップ可能レベルを84→85に上昇しました。
・基礎獲得経験値を5000→5100に上昇しました。
・R.O.Oには変更はありません。
以上、宜しくお願いいたします。
機能追加につきまして
本日、以下の機能が追加されました。
・プレイング投稿時「重症、烙印」などの状態である場合、表記される機能(プレイング最終投稿確認画面においても、その当時に「重症、烙印」状態であった場合、表示が記録されます)
以上、よろしくお願いします。
能登地方の地震につきまして
本日、能登地方を中心とした一帯において強い地震が発生しました。
本件に纏わる事情でゲームプレイやクリエイター活動に支障をきたす場合は運営までご連絡下さい。
可能な範囲で弾力的対応を行いますので、くれぐれも身の安全や生活等の事情を最優先して頂くようお願いいたします。
以上、宜しくお願いいたします。
機能実装につきまして
本日、以下の機能が実装されました。
・「イクリプス全身図」「反転全身図」に「関係者イラスト」と同様の詳細記述機能を追加。
・「第二参照画像」機能の実装。
「第二参照画像」とはイラスト発注時に指定できる、基礎となる参照画像以外に、参考としてもう一件だけイラストを指定できるシステムです。
本来参照画像として指定出来ない「アイテムアイコン」や「イクリプス全身図」「反転全身図」「おまけイラスト」、更には「他PCのイラスト」といったイラストも、第二参照画像であれば指定出来るようになっております。(他者の非公開イラストは指定できません)
第二参照画像を指定する際にはID指定が必要です。IDとはイラスト画像URLの「https://rev1.reversion.jp/illust/illust/●●」←こちらの最後の数字がIDです。
詳細はアトリエルールも更新されておりますので、ご覧ください。
以上、よろしくお願いします。
新イラスト商品「イクリプス全身図」の実装につきまして
本日、以下の商品が実装されました。
・「イクリプス全身図」の実装
キャラクターの『もしも』の全身を描画した全身画像です。それは貴方の全力を出した姿だったり、或いは何かしらの病に犯された特異な姿だったりするかもしれません。そういった姿を想定して発注が可能です。
基本的には反転全身図と似ていますが、本商品は「旅人(ウォーカー)」も発注可能です。
詳細はマニュアルもご覧ください。
以上、よろしくお願いします。
まだ暑さもピークにはなっていない所が多いかしら?暑さがピークになる前に、衣類やお部屋の準備をしたりアイスを買っておいたり。
来ると分かってる季節の変化には早め早めに準備していきましょう。