PandoraPartyProject
帰らずの森

覇竜領域デザストル。
伝承にも詠われし『竜』の棲まうその場所は人類未到の地として謳われた御伽噺の舞台であった――
帰らずの森
これまでの『覇竜』編
ギルドローレットに所属するイレギュラーズ達は伝承と謳われし竜種との『接触』経験がある。
滅海竜リヴァイアサン、『渦潮姫』、『怪竜』ジャバーウォックを始めとした六竜達。
あの絶望の海域で、練達上空を襲った未曾有の被害で、そして『深緑の木々』の傍で――
竜種達は確かに外の人間にとっては伝承の生物であったが、覇竜領域内に棲まう亜竜種達にとっては恐ろしき隣人であろう。
特異運命座標としての縁が結ばれた彼等は、ローレットのイレギュラーズ達の仲間入りを果たし、自らが棲まう『領域』での活動を開始したのだった。
『Jabberwock』
R.O.Oでの動乱を経た練達に突如として飛来したのはジャバーウォックと六匹の竜種であった。
『想像』の塔主、Dr.マッドハッターが観測し続けた伝承の生物『竜種ジャバーウォック』達は一つの目的の下、練達を訪れたのだ。
それは内部的な問題で打撃を受けた練達を陥落させんとする冠位魔種の策略である。裏で手を引いている『冠位暴食』ベルゼー・グラトニオスにはそうせざるを得ない事情があった。
その事情に理解を示した者、気紛れに付き合った者、事情は様々であろうがジャバーウォックと竜達は練達の街を蹂躙した。
竜種の襲来という未曾有の事件に見舞われた練達。幸運であったのはこの国が混沌で一番の技術力を有していたことだろう。内在した不穏因子を除外した後、本調子ではないが『防御障壁』などでの時間稼ぎは可能であった。
その時間稼ぎと都市全域をモニタリングできる技術力を駆使し、直ぐに対応指示を下した塔主達は自らだけでは対処不能と判断する。
ならば――R.O.Oの動乱を鎮め、『滅海竜』リヴァイアサンとの交戦経験のあるイレギュラーズこそが頼みの綱だ。
甚大な被害を齎したが竜種の撤退を促すことを叶えたイレギュラーズ達。
しかし、竜の影はまだ見え始めたばかりなのであった。
『タレイアの心臓』
深緑が茨に閉ざされた。大樹ファルカウを中心に『眠り』に着いてしまったこの国は『冠位怠惰』カロン・アンテノーラの権能下に存在している。
裏口と言わざるを得ないが、妖精郷から橋渡をし、深緑内部(アンテローゼ大聖堂)に辿り着いたイレギュラーズ達は、呪いを撥ね除けながら遂に大樹ファルカウへと進軍した。
待ち受けていたのは練達で襲い来たあの竜種達である。
『冠位怠惰』カロンの協力者であった『冠位暴食』ベルゼーは『やむにやまれぬ事情』があるとしてイレギュラーズの前に立ちはだかった。
その理由も、只の彼の私情である。冠位魔種という存在ではあったが、男は人間的な深い愛情を有している存在であった。
自身が共に過ごした存在に情を抱き、其れ等の幸福を祈って止まない。それは竜種や魔種だけではない『亜竜種』達とて同じであった。
――覇竜領域に棲まう同胞(亜竜種)達を傷付けたくはない。
だが、冠位魔種である以上は、自身達が担当した『エリア』を陥落させ自らの手中に収めねばならない。
ベルゼーは覇竜領域を手にしなくてはならなかった。無論、竜種という存在が大きな障害である事には違いない。
男は竜種の中でも特別な血統となる天帝種『バシレウス』との協力関係、もしくは、父代わりであった。其れ等の協力があれば覇竜領域の攻略も難しくはあるまい。
だが、亜竜種を愛してしまった男はどうしようもなく、彼等の平穏と幸福を祈ってしまったのだろう。
故に、深緑は竜種達の侵略を受ける事になる。
小さきイレギュラーズ達の決意、そして、命を欠けた『玲瓏』の主の一撃が、『娘を思う母の愛』である事に気付き、ベルゼーは竜達と共に撤退する。
その後行方知らずではあるが、その時に『一人の竜種』との決別を行ったと言う――
- 深き森より微睡みを
- 縺れる麻糸
- 招かれざる『魔法使い』
- 天蓋を覆う影
- ある里の娘の夢
- 巨樹の『竜域』
- 竜獄の大樹
- 竜影の空
- 母の愛
- 蒼穹の視る先
- The Return of the King
- 幼年期の終わり
[深緑編全top log]
用語・地名
用語
- 『竜種』
-
覇竜領域に住まう混沌世界の最強種族です。
亜竜などとは根底からして異なる存在であり、いずれもが強大な力を宿しています。
最近の調査によって竜種の中に、また幾つかの区分がある事が判明しています。
- tips!
- 竜種分類について
神代種『ガラクシアス』を始め、天帝種『バシレウス』、将星種『レグルス』、明星種『アリオス』の分類がある事が判明しました。
詳細は種族一覧もご覧ください。
参考シナリオ:調査シナリオ『帰らずの森ピュニシオン』
地名
- 『ピュニシオンの森』
-
覇竜領域に存在する広大な森です。
前人未踏の地とも呼ばれており、イレギュラーズはR.O.Oで一度進軍したことがありますが、かなりのデスカウントを稼いだ場所です。
竜種も幾らか縄張りにしているらしく、近くに住まう亜竜種でさえも奥は把握出来ていません。
登場人物(ベルゼー、六竜『天帝種』)
- 『煉獄篇第六冠暴食』 ベルゼー・グラトニオス
-
原初の魔種の生み出した七罪の大魔種。『暴食』。
その存在とは相反して本人の気質は穏やかそのもので、情が深い。特に亜竜種達は『同胞』と呼び、竜種達を我が子のように慈しむ。
亜竜集落『フリアノン』の成り立ちにも深く関わり、亜竜種達に助言を齎す旅の人として親しまれていました。
直接話したことがある者は少ないでしょうが『里おじさま』の存在は誰もが知る者でしょう。
献身的であった男は亜竜種達の幸福だけをただ、切に願っていましたが――
- イラストレーター:キリタチ
- ジャバーウォック
-
天帝種『バシレウス』。ベルゼーが拾い育てた竜種。非常に奇怪な外見をしていますが、ベルゼーに対しては忠誠心を絶やしません。
『練達』へと襲い征き、イレギュラーズの幾つかの奇跡を含めた反撃により撃退されました。
手負いとなったジャバーウォックは深緑に姿を隠していたようですが……。
- イラストレーター:烏墨コウ
- 『蒼穹なる』メテオスラーク
-
人間の尺度からすれば対軍、超巨体と呼んで良い青い竜種。天帝種『バシレウス』
高い知性を持ち、どちらかと言えば慎重派ですが、『興が乗る』と本来の闘争心の高い気質が表に現れます。
誇り高い竜であり、強きものを好みます。
大昔『暴風』なる勇者と相対し、彼を気に入ったからだそうな。
- イラストレーター:佐東敏生
- 『薄明竜』クワルバルツ
-
重力を操る権能を有している竜です。天帝種『バシレウス』の一角です。
非常に高圧的な言動が多く『竜』という個体として在りの儘に振舞っている様に感じられます。
竜と言う生まれながらの強者としてあり続けたが故か、己が生が安寧とし過ぎていて――だからこそ自らの生存本能を駆り立たせ、生の実感を与える『痛み』を好むという一面を持ちます。
其れが故にこそ己に『痛み』を与えたイレギュラーズに強い興味を抱いています。
- イラストレーター:たぢまよしかづ
- 『金嶺竜』アウラスカルト
-
霊嶺リーベルタースを居所にして居た天帝種『バシレウス』。
大きさは頭から尻尾まで20メートルほど。二百五十歳程度。竜としては若く小型です。
人語を解し、極めて高位の魔術を無詠唱で行使します。
人(亜竜種)のように変化する際には、幼い少女の姿をとります。
イレギュラーズと二度の交戦を経験し、イレギュラーズを認め、竜と対等の存在だと考えるようになりました。
そして父祖と慕うベルゼーに、永久の果てに待つ自然な滅びを待てないかと問いただします。
しかしあくまで冠位暴食たらんとするベルゼーの意思を知り、離反しました。
続く夏の海や浮遊島などでのイレギュラーズとの交流で、徐々に打ち解けてきています。
- <Jabberwock>金嶺竜アウラスカルト
- <タレイアの心臓>Die Tür in den Sommer
- <夏祭り2022>夏めくアクアピアノ
- <Scheinen Nacht2022>独立島のシャイネンナハト<咬首六天>
- イラストレーター:あきやま菜摘
- 『白翼竜』フェザークレス
-
八対の光の比翼を持つドラゴン(少年竜)です。天帝種『バシレウス』
人の姿を取る時は可愛らしい一対の光翼を生やしています。
ジャバウォクと共に練達へ来襲し、おしり(逆鱗)を穿たれ逃げ帰りました。
- イラストレーター:冬在
- 『地竜』ザビアボロス
-
年若い小型の竜であり、自身を『若輩』と称する竜です。天帝種『バシレウス』
とはいうものの、その心中には竜種としての傲慢さが存在しないわけではありません。
練達戦では、戦闘経験の不足さと、人間を軽く見ていた為、手痛い反撃を受けて撤退。
深緑での事件では、『焔の嘆き』シェームの館に滞留し、人間についての観察を行っていました。
あくまで観察者のつもりでしたが、群長であるベルゼ―の指示に従い、この度イレギュラーズ達の前に姿を現します。
なお、人間態の時は自身をザビーネと名乗っていますが、これは一種の気まぐれなのかもしれません。
- イラストレーター:稲咲
登場人物(亜竜種(ベルゼー側))
- 白堊(はくあ)
-
亜竜集落フリアノンに生まれ落ちた里長代理の一族の娘。
『里おじさま』ことベルゼーとは懇意にしており、竜種であった事が判明した者達とも交友が深かった人物です。
- イラストレーター:佐東敏生
登場人物(亜竜種)
- 珱・琉珂
-
亜竜種の少女。亜竜集落フリアノン里長を代々務める家系『珱』の直系血族。
幼少期に里長であった父・珠珀と母・琉維を『事故』で亡く、里長に就任しましたがに、まだ年若いが故に『里おじさま』の助言の元、幾人もの『里長代行』と共にフリアノンの統治管理を行っています。
珠珀と縁の深かった『里おじさま』ベルゼー・グラトニオスが父代わりとして琉珂の教育に携わり、親子同然に育ちました。
覇竜領域の知識は全てベルゼー仕込みであり、天真爛漫で好奇心旺盛な性格も『オジサマ』の教育方針だと言います。
深緑にて、心の拠り所でもあった『オジサマ』が『冠位魔種』と知って以降、亜竜種達を導く立場である己と『父を再び喪う恐怖』に苛まれながら活動して居ます。
「もしも、オジサマが本当に悪い人で、亜竜種を……。
いいえ、この世界の誰かを傷付けるなら、私は『フリアノンの里長』として――」
- イラストレーター:茂野