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シナリオ詳細

<タレイアの心臓>Teller of Meteo

完了

参加者 : 58 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●蒼穹に轟く
「……だよな」
 彼方の空を睥睨し、半ば諦めたように呟いたのは新道 風牙(p3p005012)だった。
「『どうせこうなるって思ってた』」
 彼女の大きな瞳が映すのは青い巨影。太陽を遮るかのように世界に影を落とす不沈艦――
 イレギュラーズが相対してきた『六竜』の中でも一際巨大にして苛烈な体躯は忘れよう筈も無い鮮烈だ。

 ――蒼穹なるメテオスラーク――

(……成る程、流石にトカゲの親玉。『テンプレ』なのです)
 肩を竦めたヘイゼル・ゴルトブーツ(p3p000149)は確かにこの手の連中を『知っている』。
 誇り高いそれは今一度、再戦を期して呪茨からの解放に沸く深緑の空を目指したのだろう。
 彼女にテンプレと謗られようと、屈辱は濯ぐべきものである。
 古今東西『この手の連中』の行動原理なぞ変わるまい――
「冗談じゃないぜ」
「……ええ、きっと『冗談じゃない』わよね」
 サンディ・カルタ(p3p000438)の言葉にイリス・アトラクトス(p3p000883)が幽かな苦笑を見せた。
 セフィロトの防衛戦では他ならぬ彼等が奇跡を起こした。
 あのクリストのバックアップを受けたパーティは針の穴を通すかのような、細い糸の上を渡り切るような。
 そんな見事な芸当を見せてあの竜に痛打をお見舞いしたものだ。
 しかしそれは想像するだに――再現性のある状況ではない。
「今度は――奇跡には頼れませんわね……!」
 ヴァレーリヤ=ダニーロヴナ=マヤコフスカヤ(p3p001837)の言う通り。
 あの戦いではクリストと彼女自身が胸に抱いた愛(きせき)が大きくモノを言った。
 しかし、今回の戦いでそれを望む事は出来まい。
「正直、勝てる目ってどれ位あるんスかね?」
「そんなもの――やってみなければ分かりませんわよ!」
 佐藤 美咲(p3p009818)の言葉にヴァレーリヤが気を吐いた。
「でも、やるしかないのではなくて!? ここで敗れれば深緑は――」
 しかし、蒼穹の支配者はイレギュラーズの気持ちを知ってか知らずか悠然と笑う。

 ――急くな。囀るな。ましてや気負うな。
   気負うのならば、この俺に対してだけにしろ。
   ……俺はあくまで貴様等と戦いにやって来たのだ。
   理解しろ、人間達よ。この俺はその森も、幻想種共にも――
   ベルゼーの思惑も、ましてや猫畜生の都合なぞ何ら興味は無いのだ。
   そう。この俺はただ、お前達だけに会いに来たのだから!

「サービス精神旺盛じゃねーか」
 リズリー・クレイグ(p3p008130)の口元が幽かに綻んだ。
 成る程、かの竜の行動原理は彼女にとって余りにも分かり易い。
 恐らくあれにとっては魔種の企みも些事に過ぎないのだろう。
 あれは己の魂を揺さぶる戦いを期待しているだけなのだ。名にしおう竜にそこまで買われたなら――戦士としては名誉に尽きよう。
 メテオスラークの出現もベルゼーの差配によるものに違いあるまいが、彼は職務に忠実足り得まい。
 ならばこの時、この瞬間を食い止めたならば――目は残る。
 為すべきはよりシンプルに尖り、不可能にも思える課題を否が応なく押しつけている。
 即ちそれは。
「あの竜を食い止めて――出来たら押し返す、か」
 恋屍・愛無(p3p007296)の言葉に集約されよう。
「……出来るかな」
 出来るかは分からない。
 しかしやらなければいけないのは確かで――同時に彼女はこの絶望に幾らかの光明を見出していた。
「あン、誰に言ってんだ?」
 振り返った愛無の視線の先で燃えるような赤毛が揺れていた。
「……ディルク様!?」
「ああ、そうだよな。それでこそのアニキだぜ――」
 目を丸くしたエルス・ティーネ(p3p007325)の一方で、ルカ・ガンビーノ(p3p007268)がニヤリと笑う。
(……まぁ、『そう』よね)
 ラダ・ジグリ(p3p000271)は合点する。
 ラサ傭兵商会連合は原則的に損得で動く事が多いが、その唯一に近い例外が深緑にある事を知っている。
 この戦いはその深緑を死守するものである。『盟約の主たるエッフェンベルグの男がそこに居ない事など有り得ない』。
 赤犬の精鋭を引き連れたディルクは確かにこの不可能状況における頼もしい援軍であった。

 ――話は十分だな。他所もそろそろ盛り上がる頃だろう?

「……うむ、うむ!」
 大きく――大きく首肯した咲花・百合子(p3p001385)の瞳の中には無数の星が瞬いていた。
 戦いが始まるのだ。決して凪を知らぬそれが。蒼天の嵐の如き喰らい合いが――
「――この戦い、必ずや。必ずや『共に』満足するものとなろうぞ!」
 何と素敵な瞬間だろう。何と素晴らしい瞬間だろうと――彼女の美貌は実に華やかに咲き誇る!

GMコメント

 YAMIDEITEIっす。
 出す気なかったんですが寂しかったのでつい。
 以下詳細。

●依頼達成条件
 メテオスラークに味方側を壊滅させられない事

※対抗出来る戦闘能力を喪失した時点で『壊滅』と判定します。
※壊滅せず<タレイアの心臓>の情勢が決定的に変化した時、状況次第で展開が決定します。

●戦場
 蒼穹の下に広がる荒野です。
 迷宮森林の外郭より外。但しメテオスラークの進行方向には迷宮森林、ひいてはファルカウが存在します。
 巨大敵の的と相まって戦いやすい空間ですが、攻撃を受ける場合もそれは同じです。

●『蒼穹なる』メテオスラーク
 左目付近に傷を持つ青い巨竜。人間形態を取っている他六竜個体と異なり、戦闘開始時点では本来の姿を維持したままです。
 非常に頭のいい竜であり、戦闘能力も六竜の中では頭幾つも飛び抜けています。(ジャヴァウォックはまた別です)
 武人気質で異様に誇り高く、かつて戦った人間との思い出から『人間が好き』です。
 好きといっても優しくしてくれるというよりは種族として過小評価していない、むしろ認めているという方向です。
 かつての好敵手を思い出すかのようなイレギュラーズの奮闘が余程お気に召したようで、態々参戦しました。
 彼が敢えて荒野での迎撃を受けるのは、イレギュラーズが過剰に深緑の運命やらファルカウを気にして戦えば己の最高の時間に集中しないだろう、と見越しているからです。
 ぶっちゃけカロンもベルゼーもどうでもいいです。
 尚、彼は『地上戦に付き合います』。
 空戦がメテオスラークの本当の恐ろしさなのですが、だっておまえら飛ぶと強くないじゃん。
 何もかもが規格外に強靭です。
 更に自分の性能を戦いに応じて組み替える器用ささえ持ち合わせます。(前回の戦いでは高速機動からの封殺を序盤は受けましたが、『手品』に対抗する為、己のスピードを跳ね上げ、途中からそれを完封しています)
 能力詳細は以下。

 ・自己改造EX(能力値が状況に応じて本人の意志で組変わります)
 ・オートヒール(一定間隔で自動的にダメージを修復し、状態異常を回復します)
 ・バリアフィールド(防御力超強化)
 ・爪牙(広範囲・連撃・超威力)
 ・撃風
 ・レーザーブレス
 ・フルマーク・ビット(全周超範囲攻撃・威力中)
 ・EX 外砲メテオスラーク(※絶対に撃たせてはいけません!)

●ディルク・レイス・エッフェンベルグ
 ご存知赤毛の傭兵王。
 自称『世界最高の傭兵』。「俺に勝てる奴なんて存在しねぇよ」。
 超強気で自信家、攻撃力が異様に高く視野も広いです。
 彼は配下の『赤犬の群』二十人と共に参戦し、適当に色々戦ってくれます。
 して欲しい事がある場合はプレイングに書けば聞いてくれる場合もあります。
 当然ながら、聞かない場合もあります。

●Danger!
 当シナリオにはパンドラ残量に拠らない死亡判定が有り得ます。
 予めご了承の上、参加するようにお願いいたします。

●決戦シナリオの注意
 当シナリオは『決戦シナリオ』です。
<タレイアの心臓>の決戦及びRAIDシナリオは他決戦・RAIDシナリオと同時に参加出来ません。(EXシナリオとは同時参加出来ます)
 どれか一つの参加となりますのでご注意下さい。

●『夢檻』
 当シナリオでは<タレイアの心臓>専用の特殊判定『夢檻』状態に陥る可能性が有り得ます。
 予めご了承の上、参加するようにお願いいたします。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はCです。
 情報精度は低めで、不測の事態が起きる可能性があります。

 敵はメテオスラーク一体のみです。
 彼は配下も連れていないし、小細工も一切しません。
 皆さんは小細工してもいいし、しなくてもいいです。
 何人で挑もうと何れにせよ竜はそれを不満には感じないでしょう。

 頑張って下さいです。
 以上、宜しくお願いします。

  • <タレイアの心臓>Teller of MeteoLv:55以上完了
  • GM名YAMIDEITEI
  • 種別決戦
  • 難易度VERYHARD
  • 冒険終了日時2022年06月07日 21時55分
  • 参加人数58/50人
  • 相談8日
  • 参加費50RC

参加者 : 58 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(58人)

アルプス・ローダー(p3p000034)
特異運命座標
ヘイゼル・ゴルトブーツ(p3p000149)
旅人自称者
ラダ・ジグリ(p3p000271)
灼けつく太陽
志屍 志(p3p000416)
天下無双のくノ一
サンディ・カルタ(p3p000438)
金庫破り
グドルフ・ボイデル(p3p000694)
マルベート・トゥールーズ(p3p000736)
饗宴の悪魔
イリス・アトラクトス(p3p000883)
光鱗の姫
シルフォイデア・エリスタリス(p3p000886)
花に集う
ヨハン=レーム(p3p001117)
おチビの理解者
咲花・百合子(p3p001385)
白百合清楚殺戮拳
ヴァレーリヤ=ダニーロヴナ=マヤコフスカヤ(p3p001837)
願いの星
ゴリョウ・クートン(p3p002081)
ディバイン・シールド
フルール プリュニエ(p3p002501)
夢語る李花
マニエラ・マギサ・メーヴィン(p3p002906)
記憶に刻め
オリーブ・ローレル(p3p004352)
鋼鉄の冒険者
天之空・ミーナ(p3p005003)
貴女達の為に
新道 風牙(p3p005012)
よをつむぐもの
久住・舞花(p3p005056)
氷月玲瓏
新田 寛治(p3p005073)
ファンドマネージャ
すずな(p3p005307)
信ず刄
エッダ・フロールリジ(p3p006270)
フロイライン・ファウスト
白薊 小夜(p3p006668)
永夜
マリア・レイシス(p3p006685)
雷光殲姫
茶屋ヶ坂 戦神 秋奈(p3p006862)
音呂木の蛇巫女
ルチア・アフラニア・水月(p3p006865)
鏡花の癒し
ソア(p3p007025)
愛しき雷陣
カイト(p3p007128)
雨夜の映し身
彼岸会 空観(p3p007169)
ルカ・ガンビーノ(p3p007268)
運命砕き
恋屍・愛無(p3p007296)
終焉の獣
回言 世界(p3p007315)
狂言回し
エルス・ティーネ(p3p007325)
祝福(グリュック)
日車・迅(p3p007500)
疾風迅狼
伊達 千尋(p3p007569)
Go To HeLL!
ニコラス・コルゥ・ハイド(p3p007576)
名無しの
ロロン・ラプス(p3p007992)
見守る
小金井・正純(p3p008000)
ただの女
長月・イナリ(p3p008096)
狐です
リズリー・クレイグ(p3p008130)
暴風暴威
長谷部 朋子(p3p008321)
蛮族令嬢
一条 夢心地(p3p008344)
殿
鏡禍・A・水月(p3p008354)
鏡花の盾
観音打 至東(p3p008495)
マッチョ ☆ プリン(p3p008503)
彼女(ほし)を掴めば
フリークライ(p3p008595)
水月花の墓守
只野・黒子(p3p008597)
群鱗
蓮杖 綾姫(p3p008658)
悲嘆の呪いを知りし者
幻夢桜・獅門(p3p009000)
竜驤劍鬼
アルヤン 不連続面(p3p009220)
未来を結ぶ
コルネリア=フライフォーゲル(p3p009315)
慈悪の天秤
ルナ・ファ・ディール(p3p009526)
ヴァルハラより帰還す
郷田 京(p3p009529)
ハイテンションガール
ヴィリス(p3p009671)
黒靴のバレリーヌ
佐藤 美咲(p3p009818)
無職
シオン・シズリー(p3p010236)
餓狼
百合草 瑠々(p3p010340)
偲雪の守人
玉ノ緒月虹 桜花(p3p010588)
神ではない誰か

リプレイ

●蒼穹を穿つI
 爆発的なトルクが機械の獣の咆哮となる。
 全身がバラバラになりそうな位の『錯覚』はアルプス・ローダーなる速力の暴力装置が齎す副作用のようなものである。
(ああ、最高にご機嫌だぜ――!)
 だが、『だからこそ』意味は重く、深くなる。
 乗り手(千尋)の事を全く無視した性能は、最強最大なる敵に向かい合うには好都合。
 生命体としてのステージが違うというのなら、規格外の無理無茶をぶつけてやる事は合理的と呼ぶ他なかろう。
「行くぜ! アルプスちゃん!
 ゼッテー振り落とされねぇからよ! もっと、もっと――アゲてくれよな!」
 背に乗せた千尋の言葉に猛烈なエンジン音がブォンと肯定を返事を返した。
 一陣の雷撃の如く荒野を切り裂き、戦場に君臨する竜に先鞭をつけるのは――自分達以外では有り得ない!
「――前回と同じ手品ですが速さは段違いでしょう?」
 荒野をスマートな車体が跳ぶ。
 目前、鼻先に肉薄した『敵』――少女の声を発したアルプスの言葉に迎え撃つ竜(メテオスラーク)は大笑した。
 誰よりも早く巨体に到達したアルプスの『ノック』は敵が反射能力を有していない為の確認である。
 スピードに全てを傾けたアルプスの実戦闘能力は決して高くない。その行動は正確性と無縁で、何もかもが上手く行く事等期待出来よう筈もない。
『だが、スピードのみに特化したアルプスは唯一つの行動だけを完璧に遂行する事が出来る』。
 連鎖行動をもって仲間達の攻勢を引っ張り上げる事は『ただそれのみに特化した』アルプスの絶対的な自信であった。
(――メテオスラークは能力改造で此方反応を超えるか、それとも反持ち防御特化するか。
 何にせよ行動速度で上回られる事で受ける不利を無視しないならある程度パターンが限られましょう。
 そのリソースを縛る事で少しでも全体の予測と負担を軽減してみせます――)
 アルプス・ローダーの誇りにかけても簡単にそれを無力化させない。

 ――破られた手段を重ねる辺り、執拗で実に良い!
   そうさな。やはり、跳ね返されたならそれ以上の能力(ちから)で臨まねば!

 鏑矢の如きアルプスが唸りを上げれば、当然その『自己犠牲』を受けた仲間達も黙っては居ない。
「――って、え、ちょ、これめちゃくちゃ速くない?
 これは気分がアガるってものよ。さあ、竜退治を始めましょうか!」
 アルプスを『運転』した千尋は言うに及ばず、黒靴のヴィリスも同様に素早いステップを踏んでいた。
「ふふ、これで終わりじゃないのよ? 私の踊りはまだまだ続くの――」
 予め連携を確認していたヴィリスは手始めの『崩し』だ。
 爆発的な手数は流麗に危険な技を刻みつけ、メテオスラークの構えを削る。
「いい機会だぜ。今日からずっと――俺の名前も覚えておけよ! 『悠久-UQ-』の伊達千尋様の名前を、な!」
「ハァー! クリスタラードもヤバかったけどメテオスラークもマジヤバくね!
 とりまチェキっとこ……ってそんな状況なワケあるかー! だはははは!」
「正直、お前に『人間』が認められてるの嬉しく思ってんだよなあ!」
 ヴィリスの足癖の悪さ(ジャブ)を従えて、渾身の一打を放つのは千尋であり、秋奈であり、風牙であった。
「そんなお前の信頼に応えたく思ってる自分に腹立つ!
 ああもう、メテスラ! お前もっぺんオレらを認めたなら――
 たまにはオレらの側で戦えよな! それか寿司と天ぷら奢れ!」
 表情に力を漲らせ、半ば友好さえ感じさせる調子で風牙が気合を吐き出したのはメテオスラークが余りにも『さっぱり』した敵だったからに違いない。
「まぁ、土台合理的ではない。戦線の撹乱と戦力の分散に――他のように幾分か手勢を連れてくれば良かっただけだ。
 それ以前に空戦を申し込まれたなら、我々(イレギュラーズ)に勝ち目等ありますまいに。
 しかし、貴方はそれを良しとしない。愉しくはないのでしょうねぇ。ならば、風牙さんの気持ちも分かりますよ」
 早々に喰らいつく手練達を前に如何にも満足気なメテオスラークを眺め、寛治は半ば呆れたように呟いた。
(生憎とその『正々堂々』は真似出来そうにありません。
 しかし――この魂は識っているような気がするのですよ。貴方と『暴風』との戦いをね――)
 寛治の悪意(ふうさつ)が傷を帯びたメテオスラークの左目、死角を伺うように銃弾の軌道を引く。
 一点に注意を向ける事が難しい多角攻撃であってもメテオスラークの看破を逃れる事は難しかろう。
 しかし、前回の戦いと同じくそれは『雨垂れ石を穿つ覚悟』そのものである。
「ぶははははッ! 多勢に無勢とはこの事だな! しかし、今回は勘弁して貰おうか!?
 オメェさんも抜かない、こっちも抜かない――そういうタイプって分かってるんでなあ!」
 応戦の構えを見せたメテオスラークに『小さな体』が立ち塞がった。
(……ま、何処まで保つかは正直自信はねぇけどよ!)
 ゴリョウの役割はアルプスを起点にする連鎖の猛攻を守り抜く事だ。
 例え封殺を中心にした妨害さえ通用しないにしても、『アルプスに合わせてメテオスラークが能力を書き換えるならば、それは弱体化に他ならない』。
 ならば、その時間を一瞬でも引き伸ばす事はタンクであるゴリョウの出来る最良と呼ぶ他は無いだろう。
「メテオスラーク。恐ろしき巨竜。
 ……果たしてこれだけの数で抑えられるのか、いえ、抑えねばなりますまいね……」

 ――うむ、俺は強大だ。実に強大だ。故に許すぞ、『全ての手段』をここに集めよ!

「うふふふ、素晴らしい、とても素晴らしい経験値を獲得出来そうだわ!
 さぁ、挑むわよ! 挑むわよ!」
 正純の呟きに竜が嗤い、イナリが笑った。
 メテオスラークが狂気じみたイナリの酔狂をどれだけ本気にしたかは知れない。
 唯、その竜は挨拶代わりの猛攻――些か加減の無さ過ぎる攻め手を受けても目を細めるように上機嫌であった。
「アンタが魔種と何の関係もなく、戦を楽しみたいだけの奴だってんなら……
 戦の後に酒を飲み交わしたいもんだな。『お互い生きてりゃな』!」

 ――カカ。それも良かろう。
   娘、俺は喜んでいるのだぞ? 貴様等は『本質的に強い』。
   唯の戦力であれば、生物学的な事由であらば魔種共の方が骨はあろうがな。
   あんな塵共を俺は決して好まない。あんな連中に正面で当たる意味を見れない。
   貴様等だ。あくまで貴様等なのだ。この俺が唯の一でここに在る意味はな!

 言葉を受けたミーナが「上等だ」と笑みを零した。
「偉く買われたもんだな」
 グドルフは言葉を鼻で笑ったが――
 しかしその表情には険がなく、声色は常日頃の斜に構えたものではなかった。
 むしろ本当に楽しそうに、腕をぶして斧を握り直す。
 それで指し示すようにしてあの頼りになる――豪放磊落な顔で言い切るのだ。
「小細工一切無し、裸一貫単騎たあ――こりゃあ、気持ち良い野郎だぜ。
 お望み通り、こっちも真ッ正面からカマしてやらあ!
 ハナッからフルスロットルだ、遅れンじゃねえぞッ! 温いトコ見せるなよ、テメエもだ!」

 ――ああ、蛮勇よ。心地良い!
   数も、術も、人なる身にの叡智も。
   俺はいちいち貴様等が好ましい。その貧弱な肉体で、蒼穹を穿たんとする意志こそが愛おしい。
   次はどうする? 何を見せる。
   この俺の外砲を『二度』も破った貴様等は――この俺をどう満足させてくれる!?

「ああ。こないだは、アツかったよな、楽しかったよな、また闘りてえって思ったよな――アタシもさ。
 巡って来たこの機会、柄にもねぇが神様に感謝したい位の気分なのさ」
 攻防にも微風のように堪えないメテオスラークに犬歯を剥き出したリズリーが応じる。
 メテオスラークは遥かな過去を語る。メテオスラークは前回を語る。
 しかしながらリズリーは『今回』の主演を譲る心算が無い!
「他の奴はどうだか知らねえが、アタシはただ、闘争のためだけにここに立ってる。
 遠慮はしねぇし、要らねえよ。簡単に倒れやしないさ。戦士の本懐、極上の刹那を一秒でも長く。
 それで限界も何もはっ倒して――『やきもち』に白黒をつけてやるよ。
 さあ、闘ろうぜ。アタシは『ベルゼルガ』の戦士、リズリー・クレイグ!
 アタシの名を! 生き様を! 刻みつけて行きな!」

●蒼穹を穿つII
 かくて始まった戦いはまさに深緑の命運をかけるものである。
 状況が混迷と最悪を極めているのは、七罪カロン・アンテノーラの怠惰なる企みが竜達を深緑の戦いに引き込んだ事に起因する。何れも一筋縄では行かぬ竜種達は魔種『如き』の命を受ける存在ではないが、それを仲立ちするもう一人の大魔種ベルゼー・グラトニオスの存在が状況を不都合に変えていた。魔種らしからぬ善性を抱くベルゼーは知己のある覇竜領域の代わりに深緑戦線への関与を強めており、この意向は結果として深緑での戦いを大いなるものへと変えたのである。
 迷宮森林、ファルカウ付近――
 深緑の存亡を左右しかねない戦いは各地で既に火の手を上げていた。
 一方で今日、この場のイレギュラーズ――五十八人もの精鋭戦力が相対するのは『蒼穹』の異名を持つかの青竜という訳であった。
(……偉容。
 リヴァイアサンは規格外にしても、ジャヴァウォックといいメテオスラークといい。
 生物としてのステージの違いは一目瞭然だわ。
 そんなものが戦いを望んでくるなんて。練達での一戦、随分と気に入られたものね――)
 舞花はふと考えた。
(梅泉達なら好みでは無いと言いそうだけれど……
 ……ふふ、分からないでもないけど、この期に及べば寄り好みも無粋だわ)
 薄い唇に三日月を浮かべ。
「こうまで望まれるなら本望です。
 ――誇り高き武の竜。人の技、人の意地、御覧に入れましょう……!」
 水月、月花――麗しく剣を構える月下美人は意地と誇りを一歩も退かぬ!
(御久方振り、という程でも無いのでせうが……
 深緑の危機だと云うのにまるで私闘だとは。全く双方共に度し難いですが……)
 半眼で巨影を眺めたヘイゼルは前回の戦いの当事者だ。
 練達で生じたセフィロト攻防戦でイレギュラーズに一杯食わされた彼は深緑の命運も、カロンの企ても、ベルゼーの意向も全て関係なくこの場に参戦している。
 故にイレギュラーズにとっては幸いというべきか、荒野の戦いは直接たちどころに深緑に被害をもたらすものではなかった。
(まあ、これはこれで分かり易いし時間が稼ぎやすい分、悪くは無いのです)
 ヘイゼルの納得は合理的であろう。
 深緑を滅ぼそうという動きとメテオスラークのそれは大いに異なる。
 付き合わされるのは変わらないし、彼女等が敗退すれば良い結果を招く筈もないのは変わらない事実ではあるのだが……
 竜は傍迷惑極まりなくても然したる悪意を持ち合わせておるまい。
「相手したくないけど……みんないるからなぁ。実際、日本人だからこういうの気にするんスよね」
 口ではそう嘯いて美咲が肩を竦めた。
 一度対戦経験のある彼女は尚更、本気でそう思うならば戦いを選ばない選択肢もあった筈である。
 それでもこの場に居る彼女は露悪的な善性であり、何時もと同じように惚けた言葉は本人の思う『彼女らしさ』を演出する事は出来ていない。
 果たして、イレギュラーズは援軍の『赤犬の群』も含めた百人近い大戦力を前後左右の四つに分けていた。
 先程『いの一番』にブチ当たり、正面から華々しい戦いの号砲を展開した千尋達が『前』。
 先の美咲は左翼に位置している。
「猫畜生――成る程、深緑にいる冠位か。
 上手くやったなら情報の一つも欲しい所だが、正直に話す事はあっても――口を割らせる余裕もない相手ときた。
 ……知っての通り今忙しいからまた今度にして欲しかったんだがね」
 嘆息混じりに嘯いたラダ達は右翼の担当。
「正直言って――早すぎんだろ。再戦!
 ……まぁ時間稼ぎってんならサンディ様の得意分野だし――リアもシキも何か佳境で大変そうだ。
 命のリレー、やってやろうじゃねえの!!!」
 後方は気炎を上げたサンディ等が押さえている。
 回り込んだイレギュラーズは馬鹿正直に荒野に君臨するメテオスラークを包囲していた。
 それぞれに可能な限りの戦力を配置し、彼に集中攻撃を加えんとする流れは合理的な必然だったと言えるだろう。
「竜種ね……ラドバウで戦ってる連中じゃあるまいし、命を懸けて強敵に挑むなんざガラじゃねえんだが……
 たまにはこういうのもワルかねえさ!」
「かはは! この戦い自体、熱烈なラブレターって訳だ!
 いやぁ燃えるねぇ。そういう奴は大好きだ。だからちゃーんと返答してやらねぇと、な!」
「あちこちで騒ぎがあって忙しい時に……!
 構ってちゃんですか、貴方は!!!
 竜種には矮小な我が身でしょうが……全力で叩き斬ります! 出来るだけ手早くです!」

 ――さあ! 小さき爪を立てよ、その牙が脆くはない事を証明せよ!

 小細工は苦手で手管もない。
 だが、嘯いたシオンの意気も、真っ直ぐ極まりないニコラスも、綾姫の愚痴じみた苦情でさえも。
 恐らくはメテオスラークの望む『最高』だったに違いない。
 轟音は突風のように戦場を駆け巡り、猛烈な戦いが始まった。
「近くで見れば正しく『圧巻』の一言だね。いやはや、実に美しい獣だ」
 感嘆の声を上げたマルベートがその薄い唇を赤い舌でぺろりと舐めた。
『鏑矢』連中はお手本通り、教科書通りだ。後方より素早く距離を詰め、激しく仕掛けたのはソアの雷撃に『引っ張られた』一団だ。
「全く、竜種との交戦たぁ、こんな経験が何度もあってたまるかってんだ。
 ……だが、どんなに傲慢なお客様でも舞台に『引き摺り込む』のが一流の役者だってな。
 笑いたきゃ手品と笑えよ。演者ってのはお客様を欺いてナンボの商売だからな!」
「竜との戦い。何と恐ろしく、心躍る戦いでしょうか――
 生憎と非才の身、未だ道半ばの拳ではありましょう。
 貴方の望む勇者には事足りますまい。
 されど、非礼を承知でこの一時。お手合わせ願います、メテオスラーク殿!」
 カイトの呪式が金色に瞬けば、裂帛の気を吐き出した迅の一撃が宣言通りメテオスラークの巨体を強か叩く。
「小細工、させてもらうっすよー。『扇風機』に出来る事なんてたかが知れてるっすからねー」
 更に前方に気を取られていたこの時こそが好機とアルヤンの狙撃が竜を封じんと唸りを上げる。
 最高の士気を誇るローレット屈指の精鋭達は先鞭をつけた仲間に負けじとそれぞれに出来る最高を叩きつけるのみ。

 ――見慣れた手品だが、付き合ってやるも吝かではないな!

 空間を揺らして大笑するメテオスラークはその動きを一先ず封じられたとて、焦りの色は見せていない。
「まぁ、それはそうか。これは見事な位にアンフェアなbetだね」
 契約の悪魔(マルベート)に見立てに間違いはないだろう。
 メテオスラークは驚く程に愚直にフェアである。しかし悲しむべき事にその存在はそれを余りある程にアンフェア過ぎた。
(――下手に動き出されたらその瞬間に勝負がつきかねないって。まるで風車に挑む騎士のようだね)
 皮肉な物語を思い出し、マルベートは冷笑した。
 誰かをそんな場面に突き落とすのは楽しいが、演者が自分ならそうもいかない。
『元よりこれは圧倒的な手数をもって、取り得る手段の全てをとって不可能をこじ開ける戦いに過ぎないのだ』。
 唯、それでも――
「ジャバウォックに続き、竜と闘う機会がまたやってくるなんてね。
 そうやって余裕見せて――上等じゃない。相手が何でも、簡単に落とさせはしないわよ!」
 意気軒昂に意地を張るヒーラーのルチアを見れば、
「――お姉さま、守りの方は任せます!」
 更には可愛い――本当に美味しそうな位に可愛い、ソアに頼まれればマルベートとて『吝かでは無い』。
 饗宴の悪魔は奈落の王の魔性を抱き、『お互い様に不運な竜』に同情する。
「さあ、ソア。守りは私に任せて思う存分牙を振るうと良いよ。
 共に偉大なる捕食者の肉を剥ぎ取り喰い破ろう!」

●蒼穹を穿つIII
「メテオスラーク……おにーさん?
 飛ばないのはありがたいけれど、それで楽しいの? 本当は空を飛んで、全力を出したいんじゃない?」
 フルールの問いにそれは笑った。

 ――唯の滅亡を与えるなら、それが手早いがな。
   俺が望むのは『戦い』なのだ。分からぬか、娘?

(……は。竜が空を飛ばない、などというのは、私にはごく異常な事態に思えますからね。
 かの竜――メテオスラークの心中で、どのような協定が友誼が妄執が油断が興懐が結実しているかは存じませんが)
 油断なく事態を睥睨する至東は相手の『フェア・プレイ』を十割信じる程、お人好しな性格をしていない。
 イレギュラーズの同時多発攻撃は前後のみに留まらなかった。
 先鞭の正面、続いた後方。更に城塞の如きメテオスラークの防御に楔を打たんとこの至東を含めたイレギュラーズが右翼に展開し己の役割を果たしている。
「――こっちは『ここ』が始まりだ!」
 右翼から負けじの気炎を上げたルナに続き、彼を起点としたグループが攻め手を繰り出し始めていた。
 盾役にイリスを備えたこのチームは堅牢なる盾だけではなく、期すべき刃をも備えている。
「正面衝突する柄ではないがね、私は竜種相手に引くような女になどなりたくないんだよ」
 相変わらず冷めた調子に『珍しく』幾分かの熱を燻ぶらせて――全力の黒顎魔王を叩きつけたラダにルナがニヤリと笑みを浮かべた。
「――ふふ、この様な大舞台でお二方と刃を並べられるとは。光栄です」
「ええ、ええ! 小夜さん、空観さんと一緒で心強い事この上ないです!」
 昂ぶるのはラダのみに非ず。
 何れも鋭き刃を備えた『戦乙女』。
 屍山血河を踏み越えて、いざこの地に参上する――空観にすずなも同じ事。
 更にこの闘争の充実を更に大きく跳ね上げる『盲御前』――
「すずな、私を信じて踏み込みなさい」
 ――たおやかなる小躯に薊の魔性を乗せる小夜が薄く笑えば、今ここに居ない『あの』剣鬼も嫉妬しよう。
「その速さ、人の身にはあまりに遠い。
 けれど人とは遠き強さに夢見る者。故に『追い付ける』。
 それもこれも人の業よね――」
「――小夜さんを信じなかった事なんて、ありませんよ!」
「メテオスラーク。気高き竜、己が力を信じる者よ! 貴方のような傑物と出会えた事を心より感謝致します!」
 小夜、すずな、そして空観が連携良く小気味好い、見事なる剣劇を展開する。
『噛み合う相手』との闘争に三人三様の剣はいよいよ鮮やかに冴え渡り、

 ――やるではないか!

 メテオスラークは嬉しそうにその首を、視線を動かした。
「暴食の竜といえど御託を並べねば食事もできぬか」
 一方でそんな竜の言葉を愛無は敢えてせせら笑った。
「『食事会』だってのに『主菜』が口喧しいのも面倒だ。どうせもてなしてくれるなら――もっと『滾る』言葉をかけてくれ!」
 ……イレギュラーズの封殺が長い間機能しない事は知れていた。
 種の割れた手品の本命はそこにはない。あくまでそれはメテオスラークに高反応を強いるアルプスの罠である。
 状況を無視し切れない彼は果たしてその能力値をアルプスの妨害に対応出来るそれへと変えざるを得ない。
 能力の総合値が同じなら、アルプスの相手をする事はまさしくリソースの無駄であろう。
 故にゴリョウはアルプスを守るし、
(ここを何とか食い止める――!)
 摂理の視より運命を穿つ弓兵――桜花は大凶手としての役目を果たさんとし。
 イレギュラーズ達は同様に反応を引き上げて目の大きくない封殺の牽制を続けている。
 四方八方より、メテオスラークに対しての僅かにでも多いプレッシャーを望んでいる!
「――まだまだ私も『反応が足りないようです』――」
 想定内とは言え、初めて見る光景にアルプスは思わず息を呑んだ。
 自分より速く――遂に『外された』反応値がメテオスラークの最速の反撃を生み出していた。
「来るぞ……!」
 美咲からの連動を受け、左翼で攻勢を続けていたイレギュラーズにマッチョ ☆ プリンの警告が飛ぶ。
「だが、メテオスラークよ! 想定を超える事に置いてそう簡単にオレを……俺達を超えられると思うなよ! 」

 ――囀りよる。だが『許す』ぞ。俺の期待を裏切るなよ、特異運命座標共!

「はー! 何よ、この現場! 貰うもん貰えねぇと割に合わないっての!」
「バトルが楽しいなどというのはゲームの中でだけ。
 とても笑えない性分で――これは文字通りの貧乏くじ、ですか?」
 悪態を吐いたコルネリアが目を見開き、瑠璃は僅かに苦笑した。
「成る程、合理的です。死角も何も関係なく――全周を焼き払うお心算か」
「あー、はいはい! 成る程ね。そりゃあ浮いてりゃ尚更コイツ無敵だわ!
 ……わざわざこっちに合わせて飛ばないなんざ全くうぜぇサービスだ。
 そうでもしてくれねぇと敵わないと分かってても、その余裕が気に食わねぇっての!」
 戦い慣れた瑠璃とコルネリアの判断は的確だった。
 二人の視界の中に無数に現れた光の球はどう甘く見積もっても戦場全体を覆い尽くすだけの『雨』を降らすように思われた。
 つまりそれはメテオスラークが碌な狙いもつけず自身に集る全てのイレギュラーズを破壊しようとしている事実に他ならない。
 並の相手ならばそんな『雑』な攻撃に遅れは取るまいが、強大な竜種を相手に希望的観測は到底持てまい。
 しかし、怯まない。
「竜の厄介な攻撃手段の大半は、口から吐く何かじゃろ。これは――まだまだ」
 夢心地は死を間近に見据えながらも、その飄々とした余裕を崩していない。
「この威圧感、呼吸が止まってしまいそう……でも、やるしかありませんわね」
 言葉程殊勝ではない――張りのあるヴァレーリヤの声にエッダが「ええ」と頷いた。
「驕れる強き者は多いが、驕るに足る強き者は稀なもの。
 元より多勢で圧倒出来る程度の竜に興味は無い。
 その力、不沈の城郭に敬意を表し――全力で打たせて頂くであります。
 我が名、エーデルガルト。祖の名はスノッリ。フロールリジと帝国の名に於いて、いざ尋常に――!」
「では一つ、付き合う事にしようかの!」
 相手が攻めるならば、こちらも攻め返すのみだ。
 例え個で劣ろうと。此方にはヴァレーリヤ、エッダ、夢心地――もっともっと多数の『意志』がある。
 可能性を蒐集し、運命を呑み喰らう獣の軍勢が在る――
 炸裂する光弾と無数に迸る閃光、一軍さえも瞬時に消し飛ばしてしまいそうな暴力的な光の奔流の中をエッダは敢えて踏み込んでいた。
 傷付かぬ訳がない。痛まない訳がない。それでも一歩でも先へ、少しでも先へ。握りしめた鉄拳を、雨垂れを叩きつけんと彼女は吠える。
「あああああああああああ――ッ!」
「シスターには少しはしたないかも知れませんわね。ですが、『御免遊ばせ』!」
『友軍を、自身の危機を救うのはその役割を負ったもの』である。
 今この瞬間に誰かが死ぬかも知れない。友人が消し飛んだ可能性さえ否定出来ない。
 だが、自身と同じようにそれを救わんとする者が居る。必ずこの戦場に残されている。
「――どっせえーーい!!!」
 故にヴァレーリヤは汗と血、埃で汚れながらも己の全力で肉薄する事を優先した。

 ――貴様には『借り』があったな、娘!

 必殺絶対の外砲を『跳ね返された』のはメテオスラークにとってもかなりの予想外だったらしい。
『それ』を覚えていた事にヴァレーリヤは安堵し、同時に唇を歪めた。
「メテオスラーク。先の戦い、覚えていない訳でなくて安心しましたわ。この多勢を相手に――もう一度アレは堪えるでしょうね!」

 ――試してみるか? その身体で今一度!

『完全なるシュペル(デウス・エクス・マキーナ)』は一度だけの切り札だ。
 当然ながら挑発めいたハッタリを打ったヴァレーリヤに外砲をかわす手段は無い。
 だが。
「――させないよ!」
 凛然と声を張ったマリアはその一言を看過出来る者ではない。
「マリィ!?」
「任せて、ヴァリューシャ!
 ……メテオスラーク君!
 君は私のことを知らないと思うけど、私は『君に会いに来たんだ』。
 ヴァリューシャが世話になった分――何倍にもしてぶっ飛ばしてやる……!」
 無数の光弾から放たれる文字通りの砲撃の雨の中、マリアのしなやかな身体が躍動した。
 空を引き裂き地面を割る暴威を神掛かった反応で避け切って、雷装深紅を纏うマリアが弾丸の如くメテオスラークの脚部に一撃を突き刺した。
 雷閃葬華は彼女が愚直に磨いた彼女の技。敵が不沈艦であろうともマリアに出来るのはリソースを奪い続ける事だけだ。
(彼もバカじゃない――削りを『加減』したって無駄だろう? それに私は――)
「――手加減が下手なんだ」

 ――この俺に『手加減』だと? 愉快な冗談だ。実に、実に笑わせるッ!

 珍しい獰猛さを見せたマリアの笑みにメテオスラークが僅かな苛立ちを見せた。
 撃風を放ち、閃光の吐息を同時に繰り出す。馬鹿げた火力と馬鹿げた手数を束ねればそれは確実な破滅そのものとなる。
「折角――あたし達人間を認めてくれるなら……こっちは絶対に油断はしない!」
 だが、立ち塞がった朋子が狙われたマリアの盾になる。
「……ッ……!?」
「あ、たしは――あたしは! 一秒でも長く立ち続けて皆の盾になる!
 今だけは――防御こそがあたしにとって最大の攻撃だ!!!」
 強烈なまでの強靭さを誇る朋子であっても、一撃の後に晒した姿は無惨なものだった。
 全身は焼け焦げ、切り傷は無数。無惨なる状況で彼女が死ななかったのは偏に運命に愛されているからに他ならない。
(……だから、たのんだ)
 遠のく意識。揺れる視界。
 声にならない朋子の声に頷いたのは決して一人だけでは有り得ない――

●蒼穹を穿つIV
「メテオスラーク! 生半可な攻撃は全て否定してやるぜ!
 本気を出しな――天つ光輪は我と共にある!」
 勇壮とヨハンの声が響き、力を帯びた彼の奇跡が絶望的な戦場を癒やしていく。
(――化け物がッ!)
 内心だけで悪態を吐いたヨハンはそれでも『前』から視線を逸らさない。
「ドラゴンとかマジでバカだろ」
 そんなヨハンの傍らで彼を何とか支えるのが瑠々だった。
「……まあいいや。殺してくれるなら何でも……と、言いたいが。
 どうも死ぬのは今日じゃない。死にたがりにゃ珍しいが……今回は生きて戻らせてもらうぜ!」
 瑠々を中心に二重のシールドが輝きを増し、薙ぎ払う暴威をまた防いだ。
「ここで死ぬ気はないが、死線を潜る位はな。いやはや……
 竜種を殺さば、か。多くの犠牲を払わなければならないな。
 そんな運命はとても承服出来ないけれど――クリスタラードも含めてお礼参りは済んでいない」
 ヨハンを中心に堅い支援を展開する一団を支えるのはマニエラの支援であった。
「どんなにやられたって――ルチアさんだけは守ります!」
「……っ……!」
「ですから、心配しないで、ルチアさんはそちらを――!」
 決死の鏡禍がいよいよ力を振り絞り、ルチアと共に決壊寸前の状況を食い止めんとする。
「ン。皆ノ身体 心ヲ裏切ラセハシナイ……
 戦イ続ケラレルヨウ 継戦支援。フリック 役目。必ズ果タス……!」
 フリックの奮闘を受け、右翼が辛うじて力を取り戻す。
 状況はいよいよ加速し、一瞬毎に何もかも姿を変え続けている。
 最早何処にも安全も余裕も無く、戦いは誰にも予断を赦さぬ局面を作り出していた。
(正直深緑の情勢とか全く知った事じゃないが、たまにはこうやって強敵と戦うのも悪く無い。
 何より、赤犬が参戦するとなれば――『アイツ』の恋路は良い暇潰しだ。
 何としても生き残って、今後も続けて貰わないとな――)
 広い視野で広域を支援する世界は視線の端にエルスティーネの姿を捉えていた。
「敵が強者であればある程――劣勢であればある程……それが竜であるならば、尚更心が燃えてくる!
 ……そう思いませんか、ディルク様!」
「へぇ、言うねぇ」
 もう半分以下になってしまった『赤犬』と共に総攻撃を続ける彼女は「今日は、言います!」と強気の顔でそう言った。
 普段ならば「百年早ぇよ」と笑われる自称1500歳をこの時ばかりはルカが援護した。
「そりゃあそうだ。これは俺の夢でもあるんですよ。何せ相手は『ドラゴン』だ――」
 憧れ続けた存在、それも考え得る、人の御し得る『最強格』。
 ディルク・レイス・エッフェンベルグの伝説をも超える『対戦相手』だ。
(生憎と『外砲』を見せてくれとも、これで終わりでいいとも言えねえよ。
 夢より大切な女が出来ちまったもんでな――)
 だが。
「――俺は夢を越えて、奇跡の先に行く!!!」
 全力全開のルカは雷撃よりも鋭い切れ味を『かつての夢』へと叩き込む!
(滅海竜の時もそうでしたが――恐ろしくない筈がないのです。
 あの竜は土台人智の及ぶような相手ではありません。まともに敵う筈がないのです。でも――)
 肩で息をするシルフォイデアもまた、痛む足で戦場に立っていた。
「――それでも、人には一片の勇気を振り絞って立ち向かわなければならない時があるのです!」
 凛と言い切った彼女は幾度目か仲間を賦活し、絶望的な戦線を支えていた。
 イレギュラーズ側の戦いは見事で、十重二十重に用意した手管は確かにメテオスラークに奏功していた。
 だが、現実として『それ』は悪夢めいていた。
「全く、益体もないのです――」
 涼やかな美貌に珍しい疲労の色を滲ませたヘイゼルが肩を竦める。
 規格外の暴力が一番厄介な事は承知していたが、これはいよいよ本格的過ぎた。
「ざけんじゃないわよ、邪魔なのよアンタ!
 人間サマはあちらこちらで忙しいんだから、空気読めってのよ!」
 ボロボロになりながらも簡単に倒れるような性質ではなく、京が悪態を吐き出した。
「ホンット、アンタみたいなヤツって大嫌い!
 まるで兄貴みたい――自分が闘いたいからってだけで周りの全部ぶち壊す!
 闘いに来たって? 力を認めてるって? そりゃ光栄ね、反吐が出るわ!」
 猛烈な不満を帯びた蹴撃が城塞よりも堅い竜の巨体に突き刺さる。
「――チッ!」
 鋭く舌を打ったオリーブが短い気合を吐き出した。
 鋼鉄の冒険者の繰り出す決死の至近戦は――無骨なる長剣は執拗にメテオスラークの脚部に傷を刻み続けていた。
 踏み潰されればお終いの覚悟の戦いは刹那毎に運命を試すような辛辣さを帯びていたのに。
 彼は怯まず鱗を砕き、それに熱き血潮を噴出させ続けていた。
「お互いに化け物同士だとは思っていたけれど――」
 流石のロロンも辟易したように呟く。
「――これって正直どうなのさ。軽く『十発』は入れたんだけど」
 継戦能力と破壊力には自信がある。
 ぷるるーんぶらすたーがこれだけ『ブン回って』――それでも、堕ちる気配すらないメテオスラークは化け物(ロロン)さえも苦笑させる。

 ――効いていない訳ではないのだぞ?
   もし、効いていないなら俺は貴様等をとうの昔に消している。

 猛烈なる攻めを真正面から受け止めて、それでも愉しそうに笑っている。

 ――実に素晴らしい時間だ。実に、良い時間だったが。

 効いていない筈は無いのだろうが、それさえをも愉しんでいる。

 ――名残惜しいが、そろそろ終いの時なのだろうなあ!

 唯、圧倒的な城塞は自身に集る勇者達との時間を存分に味わいながら、最後の時間を測っているようですらあった。
「……怖えな。こんな強え生物がこの世にいるのか。
 でも面白え。この命を燃やす感じ、最高だぜ!」
 イレギュラーズは既に半壊に近い状態だった。
 トドメを待つかのような戦場でメテオスラークの声に僅かばかりの『惜しみ』を感じた時、獅門は無意識の内に笑っていた。
 これ程の戦いはそう経験出来るものではあるまいと確信する。
 これ程の戦いは『この程度で』諦めるに不似合いだと奮い立つ。
「嗚呼、嗚呼――貴殿との戦い、忘れた時は無かったぞ!
 この戦いは寝ても覚めても、生涯忘れる事は無かろうぞ!
 さぁ! 故に、故に最期まで――この生命燃え尽き果てるまで! 満足いく戦いにしようぞ!」
 感極まってそう叫んだ百合子が渾身の白百合清楚殺戮拳を繰り出した。
 メテオスラークからすれば受けるのは二度目、心地良く好ましい『痛み』だ。
 以前より腕を上げたその猛攻に恐らく彼は目を細めていた。
 百合子の叩きつける想いに満腹を超えて満足して、強大なその腕で彼女の身体を叩き落とした。
 地面に跳ねる美少女の身体が動かなくなっても。
「……………!」
 地に伏せた百合子の指が幽かに動き、土を掻くように。
 無意識の内にも立ち上がろうとしているのを認めているから――『弱い』とせせら嗤うような真似はしない。
 美少女の『恋』は情熱的で、触れれば火傷する燎原の炎のよう。
「戦況を分析するに――奥の手は?」
 半ば冗句めいて分かっている答えを問い掛けた黒子に寛治が肩を竦めた。
「強いて言うなら」
「言うなら」
「根性とか、ですかねぇ」
 前方の狙撃手と右翼のコントローラ。
『頭脳』二人の顔合わせは乱戦が陣形すらをも滅茶苦茶にした証左だ。
「まぁ、勝負はこれからという事で」
「そうしとこう」
 勝ち目なんて最初から無かったに違いないけれど――それでもイレギュラーズはここに在る。
 誰一人諦めず、歯を食いしばって――ここに在る!

 ――果たして、物語は終局を迎える。

「――ここまで。ここまで私が立っていられたのは私だけの力じゃない。
 朋子君が庇ってくれなかったら倒れていた。皆が攻め続けてくれなかったら好機なんて無かっただろう。
 でも私は立っている。最後の力を振り絞って! 雷撃は蒼穹を穿ち抜く!」
 諦めず猛攻を加えるイレギュラーズと共に、ボロボロのマリアが宣言した。
「限定解除――『モード・ヴァルキュリア』!」
 全身を青い炎が包む。『勝てる筈のない敵』に持てる意志の全てが叛逆した。
 これが最後とマリアが飛び込む。相変わらず余裕を見せて、真正面から敵を受け止めるメテオスラーク目掛けて。
 青天の霹靂が轟音を響き渡らせる。限界以上に引き上げられた『性能』が唸りを上げ、過去最大の乱打が巨体を襲う。
「あああああああああああああああああ――ッ!」
 雨垂れ石を穿つなら、外砲は運命を撃つ事能わず。
「――私の勝ちだ!」
 それはメテオスラークを倒すには遠く及ばず、彼の振るう予定だった『外砲』を止めたに過ぎないけれど。
『奪われ続けた結果のリソースの不足』は心底愉快。メテオスラークは大いに笑った。

 ――いいや? 俺は分かっていたぞ、雷の子。
   貴様の狙いも、持てる力も、思惑も。
  『分かっていて受け続けたのだ。万が一、億が一を焦がれていた。
   俺は確かに貴様等が我が外砲をもう一度避ける事に期待さえしていたのだ』
   手段問わぬこの一興。扉を開け、終焉を回避したのは貴様等の所以なれば。
   元より、魔種共の――ベルゼ―の都合で始めた戦争なぞ。
   外砲を『二度』食い止めた勇者を消すには余りに眠い舞台に過ぎぬ!

 メテオスラークの青い翼が風を起こす。
 纏わりつく傷だらけのイレギュラーズを軽く吹き飛ばし、それは頑なな誓いを破り空へ到る。

 ――だらしのない魔種共が敗れたようだ。
   決着の付いた舞台は俺にも貴様等にも不足だろうよ。
   故に、此度は貴様等に譲ってやろう。
   より強く、より鋭く。その刃を研ぎ澄ませ、何時か俺の脅威となるがいい。
   貴様等が――運命を喰らう獣(とくいうんめいざひょう)なら!

成否

成功

MVP

マリア・レイシス(p3p006685)
雷光殲姫

状態異常

アルプス・ローダー(p3p000034)[重傷]
特異運命座標
ヘイゼル・ゴルトブーツ(p3p000149)[重傷]
旅人自称者
ラダ・ジグリ(p3p000271)[重傷]
灼けつく太陽
志屍 志(p3p000416)[重傷]
天下無双のくノ一
サンディ・カルタ(p3p000438)[重傷]
金庫破り
グドルフ・ボイデル(p3p000694)[重傷]
マルベート・トゥールーズ(p3p000736)[重傷]
饗宴の悪魔
イリス・アトラクトス(p3p000883)[重傷]
光鱗の姫
シルフォイデア・エリスタリス(p3p000886)[重傷]
花に集う
ヨハン=レーム(p3p001117)[重傷]
おチビの理解者
咲花・百合子(p3p001385)[重傷]
白百合清楚殺戮拳
ヴァレーリヤ=ダニーロヴナ=マヤコフスカヤ(p3p001837)[重傷]
願いの星
ゴリョウ・クートン(p3p002081)[重傷]
ディバイン・シールド
フルール プリュニエ(p3p002501)[重傷]
夢語る李花
マニエラ・マギサ・メーヴィン(p3p002906)[重傷]
記憶に刻め
オリーブ・ローレル(p3p004352)[重傷]
鋼鉄の冒険者
天之空・ミーナ(p3p005003)[重傷]
貴女達の為に
新道 風牙(p3p005012)[重傷]
よをつむぐもの
久住・舞花(p3p005056)[重傷]
氷月玲瓏
新田 寛治(p3p005073)[重傷]
ファンドマネージャ
すずな(p3p005307)[重傷]
信ず刄
エッダ・フロールリジ(p3p006270)[重傷]
フロイライン・ファウスト
白薊 小夜(p3p006668)[重傷]
永夜
マリア・レイシス(p3p006685)[重傷]
雷光殲姫
茶屋ヶ坂 戦神 秋奈(p3p006862)[重傷]
音呂木の蛇巫女
ソア(p3p007025)[重傷]
愛しき雷陣
カイト(p3p007128)[重傷]
雨夜の映し身
彼岸会 空観(p3p007169)[重傷]
ルカ・ガンビーノ(p3p007268)[重傷]
運命砕き
恋屍・愛無(p3p007296)[重傷]
終焉の獣
回言 世界(p3p007315)[重傷]
狂言回し
日車・迅(p3p007500)[重傷]
疾風迅狼
伊達 千尋(p3p007569)[重傷]
Go To HeLL!
ニコラス・コルゥ・ハイド(p3p007576)[重傷]
名無しの
ロロン・ラプス(p3p007992)[重傷]
見守る
小金井・正純(p3p008000)[重傷]
ただの女
長月・イナリ(p3p008096)[重傷]
狐です
リズリー・クレイグ(p3p008130)[重傷]
暴風暴威
長谷部 朋子(p3p008321)[重傷]
蛮族令嬢
一条 夢心地(p3p008344)[重傷]
殿
鏡禍・A・水月(p3p008354)[重傷]
鏡花の盾
観音打 至東(p3p008495)[重傷]
マッチョ ☆ プリン(p3p008503)[重傷]
彼女(ほし)を掴めば
フリークライ(p3p008595)[重傷]
水月花の墓守
只野・黒子(p3p008597)[重傷]
群鱗
蓮杖 綾姫(p3p008658)[重傷]
悲嘆の呪いを知りし者
幻夢桜・獅門(p3p009000)[重傷]
竜驤劍鬼
アルヤン 不連続面(p3p009220)[重傷]
未来を結ぶ
コルネリア=フライフォーゲル(p3p009315)[重傷]
慈悪の天秤
ルナ・ファ・ディール(p3p009526)[重傷]
ヴァルハラより帰還す
郷田 京(p3p009529)[重傷]
ハイテンションガール
ヴィリス(p3p009671)[重傷]
黒靴のバレリーヌ
佐藤 美咲(p3p009818)[重傷]
無職
シオン・シズリー(p3p010236)[重傷]
餓狼
百合草 瑠々(p3p010340)[重傷]
偲雪の守人
玉ノ緒月虹 桜花(p3p010588)[重傷]
神ではない誰か

あとがき

 YAMIDEITEIっす。
 誰一人手を抜く事無く、プレイングとても頑張っていたと思います。
 成否に関わらず正直死人が出ると思っていたのですが、そうならなかったのは奮闘が故でしょう。
 このシナリオはメテオスラークが『外砲』を撃ったら『壊滅的被害』が出るシナリオです。(PPPで防御の場合、最良最少の『犠牲』と思われます)
 メテオスラークはその外砲を撃てなかった事実を皆さんの『運命』と見做して退きました。
 深緑戦線自体が魔種(竜種)側の勝利ならばいざ知らず『自分がどうにかしてやる気は皆無』だったのも幸運だったと言えます。

【シナリオ時、任意の1Tだけ全ての副能力値が1・5倍になります。この効果は50%の確率で次ターンに継続します。】【携行時、シナリオ終了で消費】

 しっかし、すげえもん持ち込んできたなあって思いました。
 アルプスデバフも滅茶苦茶効いていたのですが、今回はMVP妥当でしょう。

 シナリオ、お疲れ様でした。

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