シナリオ詳細
<タレイアの心臓>炎の嘆き、怨毒の竜嬢
オープニング
●決起
大樹、ファルカウ。その下層――。
一気呵成となだれ込む、英雄たち。ローレット、イレギュラーズ。
深緑を襲う異変へと相対し、大将首たる怠惰の七罪をとらんと欲する、英雄たちの群――。
その英雄たちを眼下に見下ろしながら、大樹の枝に、その三人はいた。
一人、赤髪の男――シェームと名乗る、炎の嘆き。
一人、ブラック・ウィドウ――ザビーネと呼ばれた、亜竜種と思わしき女。
一人、赤き少女――リナ・イグニスと名付けられた、大樹の嘆き・オルド種。
「なるほどのう、炎を使ったか。ありゃ、焔王――フェニックスか。いや、冬の王に対しては、確かにいい対抗策じゃろう」
ははは、とシェームは笑う。
「しかし、自ら森を燃やす可能性をぶち込むとはのう! いやいや、これは笑える。中々に豪胆な連中じゃ!」
隣に佇む女は静かに嘆息した。
「今のところは、予定通り――ですか」
「莫迦な。予定なんぞは立てておらんかったわ。儂がやっておるのは試しじゃ。ずっとずっと――奴らが世界を救える力を持って居るか、深緑の民を託すにふさわしいか、それを試していただけじゃ」
はん、とシェームは鼻を鳴らした。
「儂は、激情があってもファルカウより生まれたモノじゃ。故に、深緑の民にそれなりの愛情くらいは持っておる――笑うな、儂はマジじゃ」
「失礼」
こほん、とザビーネが咳払い。
「カロン、ちゅうたか。あれは異常じゃ。無害そうな顔をして……恐ろしい力をもっておる。
七罪――なるほどのう、奴らを倒すには、奇跡でもおきんと無理じゃろう」
「故に、私は無益だ、と」
ザビーネが言った。
「自死すべきなのです。目の前にどうしても越えられぬ壁があり、その果てに苦痛の死が待っているのなら――苦痛なく、意識なく、私の毒で死すべきなのです。死とは救いであり安らぎなのですから」
「それを見極めるために、貴様(きさん)は学びに来たのじゃろう。
じゃが、趣旨変えか? なんぞ貴様、前線におる?」
「非常に簡単な話です。
それが群長の意思なればこそ」
ほぅ、とザビーネは吐息を吐いた。黒く歪む、毒のブレス。
「それを吐くな」
シェームが制した。
「ふん、ちったぁ殴り合いをせい。そんなじゃから、貴様はひょろっちぃんじゃ。
それに――毒をまき散らしてみぃ。結果として、深緑を制圧したい長とやらの意思もパーじゃろうが」
その言葉に、ぴくり、とザビーネは眉を動かした。
「……確かに。若輩故に、思い至りませんでした」
「貴様はあれじゃな、応用のきかん奴じゃろ。
ケツを強く打った友人に、そのまま椅子をすすめてはおらんか? そういう場合はクッションを布け。
……まぁ、ええ。眷属は呼んでおるのか」
「虎の子を、一人」
「じゃあ、そいつと一緒におりゃあええ。たまには正面から殴り合いをせい、殴り合いを。
そうしたら少しは――わかるかもしれんぞ。生きる意思持つものの、強さっちゅうもんが」
「なるほど」
ふむん、とザビーネは頷いた。
「えーと、むずかしい話はおわったか!?」
と、リナがぱたぱたと手を振った。
「あたしはどうしたらいい!?」
「貴様は好きにせぇ」
ほえ、とリナが言った。
「いいのか?」
「もとよりそのつもりで回収したんじゃ。貴様は元は、使い捨ての試練の道具のつもりじゃったが……どうも名前を付けたもの好きがいたようじゃな。それで、存在がより固着した。名づけとは、呪いのようなものじゃ。その者のありようを決めるような」
「わかんないぞ! つまり、好きにしていいんだな!?」
「そうしろと言っとるじゃろ」
呆れたように、シェームが言った。
「よろしいですか?」
ザビーネが呆れたように言う。
「おう、やっとくれ」
シェームが言うのに、ザビーネは頷いた。そのままひゅう、と呼気を鳴らすと、どこからともなく飛来した、黒く恐ろしい外見をした黒いワイバーンが、3人の間へと飛来し、その背を差し出した。
「参りましょう、シェーム様」
「おう。所で、今更なんじゃが――」
シェームがバツが悪そうに頭をかいた。
「貴様の名前、ザビーネであっちょったか……?
ザビ……までは確実に覚えちょるんじゃが……」
ザビーネが嘆息してみせた。
「……ザビーネで結構です。本当に、興味のない相手の名前は覚えないのですね」
ぴょん、とザビーネが、ワイバーンの背に飛び乗る。シェームとリナが続いて、その背に飛び乗った。
●最終試験
「これは――」
シャルレィス・スクァリオ(p3p000332)が、辺りの様子を確認しながら声をあげた。
辺りは不思議なほどに、不気味に静まり返っている。別のエリアでは激しい戦闘の音が響いていたが、しかしここは――あまりにも静かだ。まるで眠りに陥っているかのように。
「眠りの茨は解き放っても、幻想種の皆の眠りは解けてないんだね。皆、まだ眠ってるんだ……」
シャルレィスの言葉に、仲間達は頷いた。実際、ここファルカウの他のエリアでも、多くの者たちが眠ったまま動けずにいるのだろう。
「先に進もう! このまま、敵のリーダーの所まで……!」
シャルレィスがそう声をあげた刹那、一陣の暴風のような風が、イレギュラーズ達の身体を打った! それが、巨大な何かが羽ばたくが故の風圧だと築いた刹那、低い天井を滑る様に、一匹の黒き亜竜が、滑空! イレギュラーズ達の頭上を舞う。黒のワイバーンはその背を傾ける――同時、三つの影が、イレギュラーズ達の前に飛び降りた。
「あら、随分と派手めなご登場で」
ゼファー(p3p007625)が、ゆっくりと槍を構える。仲間達も、一斉に武器に手を伸ばした。ワイバーンの背より降り立った、三つの影。すなわち、シェーム、ザビーネ、リナ、だ。
突如現れた、幹部級の敵と思わしき存在。未確認の亜竜種もいるようだが、臨戦態勢に入って当然だろう。
剣呑な雰囲気が、ピリピリと張りつめる――シェームがぱちん、と手を叩いた。
「ようきたのう。知らんものも居ると思うので、自己紹介と行くか。
儂は、シェーム。いわゆる『大樹の嘆き』に属するものじゃ」
にぃ、とシェームは笑った。
「いやいや、まっこと、よく来た。艱難辛苦をのりこえ、様々な戦いを乗り越え――ああ、来るならば、貴様らじゃとおもっとった」
じろり、と見やるは、かつてシェームと、その眷属と相対した者達――。
「そうだね。でも、あなたの『試し』も、そろそろ飽きてきたところかな?」
アリア・テリア(p3p007129)が、身構えつつそういう。かつて、アバター、そして夢の中でシェームと相対したことがあるアリアだが――そのどの時とも違う、苛烈なる炎のような、熱を伴った圧力を感じる!
「ここで姿を現した――という事は、ここが最終試験の会場、となるでしょうか?」
アリシス・シーアルジア(p3p000397)が、うっすらと笑いながら言う。呵々、とシェームは笑った。
刹那、轟、と、シェームの身体に炎が宿る。強烈な炎が、辺りに壊滅的な熱量を吹き走らせる。
「そうじゃな。最終試験と行くか。なぁに、いつも通りじゃ。
戦って、倒せ。ただし――少々残念じゃが、敵は儂だけじゃない」
「ザビーネ、と申します」
静かに――隣にたたずむ、亜竜種の女が言った。胡桃・ツァンフオ(p3p008299)が、目を細めた。
「……あやつ、人じゃないの。もっと、力強い……そうか、そなた、竜なのね」
「ええ、ええ。如何にも」
ザビーネが一礼をする。ぞわり、と、悍ましい黒き怨念めいた圧力が、イレギュラーズ達の肌を撫でた。それだけで、肌をピリピリと焼くような――とてつもない猛毒を受けたような錯覚を覚える。
「この度は、皆々様の活躍を見学するつもりでしたが――ええ。
このように喉元迄攻め込まれたのならば、ええ、私のような若輩でも、迎撃に出なければならぬは道理」
「……竜、って、もしかして……練達で暴れたって言う……?」
ユーフォニー(p3p010323)が、ハッとした様子で声をあげる。確かに、練達で姿を見せた竜は、深緑の方へと姿を消したというが……!
「……この感じ、この音色……とても恐ろしいイメージ……!」
ユーフォニーが、緊張にその手を強く握りしめた。
「何がザビーネだ。その臭い毒の気配……覚えているぞ、ザビアボロス!」
アルヴァ=ラドスラフ(p3p007360)が叫ぶ。ムスティスラーフ・バイルシュタイン(p3p001619)が、ひそかに眉をひそめた。
「……遭遇する可能性は、確かにあった。竜の姿を見たという時から……でも、こうして君と遭遇するなんてね」
「ええ、此方も。驚いております。
ムスティスラーフ様。貴方に傷つけられた目は、今もこうして」
そう言って、ザビーネ=サビアボロスはやけど跡となった右目を撫でた。
「治そうと思えば、治せる傷です。我ら竜種の生命力ならば、容易い事。ですが、私はあえてこの傷を残しておきました。何故だかわかりますか?」
「知らない」
イルミナ・ガードルーン(p3p001475)が奥歯をかみしめた。
「興味もない。イルミナが今思う事は一つ――千載一遇。この場で、ハンクさんの、エレナさんの……皆の仇、獲らせてもらうッス!」
「藪をつついたらドラゴンが出てきたわけデスか!
キャヒヒ、大物のご登場ってわけだ!」
ばさり、と音を立てて、黒きワイバーンがイレギュラーズ達の背後をふさぐように降り立った。
「その子は、ネーレマリス。私の眷属にあたります」
ザビーネが言う。
「退路は塞がせていただきます。
群長からは、深追いはせず、手傷をおったら撤退するよう仰せつかっておりますが――」
そう言って、ザビーネは、右目のやけど跡を愛おしそうに撫でた。
「ええ、二度とは、二度とは。
このような失態は、おかしませんとも」
ぞわり、と、イレギュラーズ達の皮膚が粟だった。強烈な、怨毒の波動がザビーネから放たれ、それをうけたネーレマリスが、まるで増幅器のようにその毒素をまき散らす。
「全力とはいきませんが。私の強みはこちらですので」
「というわけだぞ!」
と、リナ・イグニスが声をあげた。そのまま、ゆっくりとイレギュラーズ達の方へ向かい、ゼファーの横に立つと、にっこりと笑った。
「あたしはぜふぁーの味方になるからな!」
「……はぁ?」
と、ゼファーが目を丸くした。
「今の流れで?」
「そうだぞ!」
「どうして?」
「好きにしろって言われたからだぞ!
ざびーねは強いぞ! あたしもケンカしたいぞ!
あと、ありあ・てりあたちにも、名前をもらったか恩返ししたいぞ!
あと、ぜふぁーともまたケンカしたいぞ!
あと」
「ああ、もういいわ」
ゼファーがそれを制した。仲間達に視線を移す。
「大丈夫。たぶん、だまし討ちするおつむはないわ」
「そうだぞ! しんじてほしいぞ!」
仲間達も頷いた……シェームが腹を抱えて大笑いする。
「そうかそうか! まあええ。好きにしろと言ったのは儂じゃ。悪いが面倒を見てやってくれ。
さて、準備は良いか? ま、ここまで来たんじゃ、まさか逃げ帰るつもりはないじゃろ」
三方、シェーム、ザビーネ、ネーレマリス……三つの強敵に囲まれる形になったイレギュラーズ達。
この窮地を突破しなければ、深緑の奪還はままなるまい!
さぁ、武器をとれ! 炎の嘆きの最終試練を突破するのだ!
- <タレイアの心臓>炎の嘆き、怨毒の竜嬢完了
- GM名洗井落雲
- 種別決戦
- 難易度HARD
- 冒険終了日時2022年06月07日 21時45分
- 参加人数59/50人
- 相談8日
- 参加費50RC
参加者 : 59 人
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参加者一覧(59人)
リプレイ
●亜竜、舞う
その黒き翼が、深緑の神樹の腹の内を飛ぶ。
嗚呼、その恐ろしく輝く黒の翼を見よ!
漆黒にはばたく翼は、まさに毒竜のそれか!
舞い降りた怨毒の眷属、ネーレマリスは、その口の端から紫色のブレスを吐き出し、我らイレギュラーズを睥睨した。
「亜竜……間違いない。とんでもない奴だ……!」
警戒するようににらみつける白虎。その手は、僅かな恐怖に震えていたか。仕方あるまい、亜竜種よ。汝らはほんのひと時前まで、我らの餌に過ぎなかったのだ。
「馬鹿にして……怖い事は怖い。でも、負けない!」
白虎の言葉に、仲間達は頷く。
「狂った龍共が、力による支配もここまでだ。鱗を一つ残らず剥ぎ取ってやる」
告げるイルマが、その対物ライフルを構えた。静かにポイント。
「奴の弱点は、機動力と防御だ。ふん、硬そうな鱗の割には、大したことがないらしい」
「じゃあ、皆で一斉に攻撃すれば……勝てる!」
白虎の言葉に、頷いたのは子墨だ。
「力は強大、相手にとって不足なし。
腕がなるぜ。撃ち抜かせてもらう。
さぁ、ここからが正念場だ。気合入れて、世界を救っちまうか!」
その言葉を、まるであざ笑うかのように、ネーレマリスは吠えた。そして息を吸い込み、その口から強大な、紫のブレスを吐き出す!
強烈な毒のブレスが、瞬く間に視界を覆った。子墨が舌打ち。
「煙幕も兼ねてやがるのか!」
「怯むな。機動力もそれほどでなく、どうせあれだけの巨体であるならば――」
ダーク=アイが声をあげる。その眼に、強烈な魔力の奔流を輝かせ!
「撃てば当たるであろう。
それに、プライドの高い彼奴のこと。地に這う我らはさぞや不愉快であろうよ!」
放たれた魔力砲撃が、強烈な閃光となって毒のブレスを切り裂く! それは今まさに飛び立たんとするネーレマリスの足を焼いた。それはまだ、僅かなダメージにすぎぬ。しかし、ネーレマリスの怒りを買うには充分すぎる一撃であった。
「はっ……見てますわね!? それは結構。
彼方の試練莫迦も見てるかしら!?」
リドニアが高らかに声をあげる。その手を鋭く振るい、その戦意を表すように。
「なーにが最後の試練ですの。竜に与して、状況分かってらっしゃいます!?
ま、いいですわ! どんな思惑があろうと、やることはシンプル。
撃って撃って、全部を撃ち抜く! でなければ、あの人に顔向けできませんわ!」
「後ろは任せて! 攻撃はできなくても、皆の傷を少しでも癒すことはできる!」
ミソラが声をあげた。その手に、聖なる祈りの光を輝かせながら!
「この綺麗な深緑は、あたしの大事な人の血をつないだ場所でもあるの。こことはちょっと違うけれど……それでも、あたしはこの森を奪わせたくはないわ。
あたしに出来ることは少ないかもしれないけれど……それでも、絶対にあなたたちにあげたりはしないんだから!」
「あてにしてましてよ! さぁ、一斉攻撃、開始ですわ!」
リドニアの叫びに応じ、イレギュラーズ達が一斉に攻撃を開始する! 銃、弓矢、魔力。様々な遠距離攻撃が空を切り、ネーレマリスの身体に突き刺さった! ぐおう、とネーレマリスが雄叫びをあげる。だが、この程度は蚊に刺されたにも等しい。一撃二撃で落ちるほど、覇竜の空の王者を名乗るものは伊達ではないのだ!
ネーレマリスは僅かに宙に飛ぶと、その巨大を振り回して、尻尾をで大地を薙ぎ払った! 抉れた大地が破片をまき散らし、礫のようにイレギュラーズ達を狙う!
強烈な、砲弾のような一撃が、イレギュラーズ達の身体を叩いた。回避したもの、受けきったもの、或いはかすめたもの、直撃したもの。多くのイレギュラーズが戦場にいる以上、その全てを記載するつもりはない。ただ、一言いうならば――未だ被害、微小なり。
「さっせ、ないっ!」
蛍は叫び、あれはたてた大地をかける。その手につなぐ、もう一つの手。珠緒のそれと共に、ネーレマリスに迫る!
「援護はボクが!」
「攻撃は、珠緒が」
二人は頷き合うと、一気に飛び出した。「信じてる」それだけのエール。それだけが、珠緒の身体に力を生み出す。
「ネーレマリス。怨毒の亜竜。ここで潰えてもらうのです」
珠緒がその手を振るう。血液の刃が、桜花の花びらのように解き放たれた! 無数の刃が、ネーレマリスの鱗の隙間に突き刺さる! ぎゅおおお、と悲鳴を上げたネーレマリス、その肉体に使途土日がにじみ出る。
「その強大な生命力で回復されたら困りますからね、封じさせてもらいます。
同じ負なれど、あなたとは違う力。痛みは充分でしょう!」
紫色のオーラを二刃に纏いながら、響子がその刃をネーレマリスの肉体に突き立てる! 注がれた負の力が爆発し、ネーレマリスの鱗を吹き飛ばした。毒の血液が、大地に垂れてじゅう、と音をたてる。
「なんと、禍々しい……!」
響子は僅かに眉をしかめると、再度の斬撃をくわえて退避。ネーレマリスが身をよじるをの避けつつ、刹那、後衛メンバーの一斉射撃がネーレマリスに突き刺さる! 強烈な爆発と、衝撃! これだけの攻撃を浴びせれば……!
いや、まだだ! ネーレマリスはその身体を震わせると、鬱陶しそうに身震いをした。まだまだ、彼の亜竜の生命をとるには至らない! ネーレマリスはあざ笑うように息を吸い込むと、再び強烈な毒のブレスを吐きだした――。
●生きるべきか死ぬべきか
「理解しがたいものです」
ザビーネ=ザビアボロスは特に感慨を抱いた風もなく言う。その眼は、自身の敗北などは一切考えていない。傲慢。高慢。しかし、それこそが彼女が竜であることの証左であり、竜という絶対上位種なら持ち合わせて当然とも言おう、生命としての格の違いからくる絶対的な自信であった。
「あなた達の敗北は必定。仮に、ええ、仮に。若輩故に、私とネーレマリスが敗北を喫したとしても、群長、他の竜、そして冠位魔種が控えているはず」
何故です、とザビーネ=ザビアボロスは首をかしげる。
「理解しがたい。どうせ死が待っているのに、何故もがき苦しむのですか。
ああ、死にたくない、というのなら尊重しましょう。
ならばなぜ、カロンめのたくらみを阻止しようと等」
「痛みなく死ねても魂が残る。
未練があれば亡霊となり、遺された者を見て苦しむ。
俺が今、混沌で死んだら大切な息子二人の姿すら見れない。
だから苦痛を呑み込んで未来を、明日を掴み取りたい!
安らぎを押し付けるな! 強要するな!」
ウェールが叫ぶのへ、ザビーネ=ザビアボロスはふぅん、と鼻を鳴らした。
「貴方は、練達という都市の時もそうでしたか。
理解しがたいのです。貴方も。そして、そのような理解しがたい感情から生まれる、力も」
ザビーネ=ザビアボロスは自然体のまま立ちはだかった。
構えも、武器をとる必要もない。
竜とは、超然としたものであり。
竜とは、超越したものであるのだから。
「此度は怨毒は封じましょう。どうせ貴方たちには効かないでしょうし。
ええ、ええ。それでは、どうぞ。存分に、足掻いて見せてください。
その上で死ぬのでしたら、満足なのでしょう?」
「ぜふぁー、きをつけろ!」
リナ・イグニスが声をあげる。
「あいつ、まじでなに言ってるかわかんないんだぞ! きいてると頭いたくなる!
生きてた方が、けんかも出来て、肉とかいうのもたべられて楽しいんだぞ!」
ぐるる、と唸るリナに、ゼファーは笑った。
「ああ、お馬鹿さん。あなたちゃんと、シェームの眷属なのね」
くすり、と笑いつつ。
「妙な巡り合わせに思うところは無きにしも、ですけど。
同じ船に乗った以上は付き合って貰うわよ」
「ふね? 船は水のうえにうかぶんだぞ? なんでふね?」
「うん? 船ってのは例えよ。た、と、え!
いい? あなたは好きにしなさい。私たちも好きにします。
殴れるタイミングで殴って、避けれるタイミングでよけなさい。
あなたなら勝手に合わせられるでしょう? こっちも勝手に合わせるわ」
「好きにしろってことだな! いいぞー!」
たんっ、とリナが踏み出した。同時、その片手に炎爪が巻き起こり、強烈な炎の斬撃が、ザビーネ=ザビアボロスへと襲い掛かる! ザビーネ=ザビアボロスはこともなげにその手を掲げると、まるで鋼鉄でも殴りつけたかのように、強烈な反発音が鳴り響いた。
「かたいッ!」
「なるほど、ミニマムだけど、確かに竜だわ!」
ゼファーが跳躍。リナの攻撃の好きをついて放たれる斬撃を、ザビーネはよけるまでもなく、その手で振り払った。
「この姿は仮初。加減は無用ですよ?」
「そのようだ!」
ウェールが叫び、迅雷の如き速度でザビーネ=ザビアボロスへと迫る! その速度を残したままの一撃! だが、ザビーネ=ザビアボロスはそれを突き出した手一本で止めて見せた! イレギュラーズの、全力を込めた一撃を、その細腕一本で――。
「御戯れを」
まるでなでるように振り下ろすと、ウェールが地にたたきつけられた。
「ぐ、ぬぅっ!」
呻きつつ、力を込めて立ち上がる。そのまま振るったナイフのようなカードは、ザビーネ=ザビアボロスはの皮膚を傷つけることも能わない。
「貴方は知っているはずです。数をそろえたとて、私に勝てない」
「勝てるさ」
ウェールが言った。
「俺『たち』ならばな」
その背後から、ルブラットの放つ暗器が宙を裂いて飛び込む! ザビーネ=ザビアボロスはそれをこともなげにつかみ取ってみせると、その掌に僅かに血がにじんだ。
「さぁて、我が毒、如何なものかな?」
ルブラットとが言うのへザビーネ=ザビアボロスは顔色を変えるでもなく、嘲笑するでもなく、当然だ、とでもいうように言葉を紡いだ。
「若輩なれど怨毒を扱う身。この程度の毒等は清水に等しい」
「結構。ますます貴方を解体し、調べてみたくなった」
再び放たれる暗器を、ザビーネ=ザビアボロスはその手ではじき落した。同時、飛び込んできたアーマデル・弾正の二人が、息を合わせて飛び込んできた。
「やるぞ、弾正。今回は口中も総排泄腔も狙えなさそうだが――」
「問題ない。当てにしているぞ」
二人の蛇剣が、唸る毒蛇のごとく鎌首をもたげ、振るい降ろされる! イレギュラーズ達の連続攻撃をいなし続けてきたザビーネ=ザビアボロスだが、この時初めて、回避行動をとってみせた。と言っても、僅かに後方へと跳躍したのみだ。
「……その言いよう。フェザークレスと相対したのは貴方たちですか」
「そうだ。悪いが、今回も撃退させてもらう」
弾正と肩を並べて立つように、アーマデルが刃を構える。
「お前は俺たちを見下している様だ。それが驕りだという事を、教えて見せる」
「ふふ。
驕っているのはどちらか」
嘲笑するようなその言葉を遮るように、弾正とアーマデルは跳んだ。二人同時、蛇剣を振り下ろす! 鞭のようにしなるそれがザビーネ=ザビアボロスを捉えたと思った刹那、ザビーネ=ザビアボロスの姿が掻き消えた! 上昇! 背の翼を翻し、跳んだのだ!
「さて、怨毒は封じられていますが――」
すぅ、と息を吸い込む。成龍が声をあげた。
「ブレスです! 回復を厚く!」
同時、人の吐息とは思えぬ量の暗黒のブレスが、周囲を包み込んだ! その吐息だけで血が抉れるほどの衝撃! いや、重要なのはブレスの勢いではない。そのうちの含んだすさまじいまでの毒素!
「やはり、とてつもないほどの毒……! 速やかに回復を! これをほうっておいては負けは必定!」
「なんという……! これが、竜のブレス……!」
雪莉が僅かに震える体をおして、回復術式を編み上げる。紫煙の毒の中では、消え入りそうな光だが、しかし灯台のように確かに仲間達を導く光でもある。
「大丈夫です……落ち着いて、押し返しましょう」
テルルが勇気づけるように、そう言った。もちろん、テルルだって恐ろしい。だが、ここでくじけるわけにはいかないのだ。諦めない。それは、ザビーネ=ザビアボロスとは真逆の思想であり、イレギュラーズ達は諦めないからこそ無数の奇跡を起こして見せた。
「だから……私たちは、絶対にあきらめず、皆を支え続けましょう」
「……! はい! 私たちも可能性を紡ぐもの。竜を超える可能性だって……!」
二人が回復術式を編み上げる。紫煙のそれに包まれながら、それでも光は強く輝く。
「この光……確かに、受け取った!
相手が竜種であろうと知ったものか! ここまで来たのだ、負けてなどいられるか!
この試練を乗り越え、私達を認めてもらうためにもな!」
沙耶が叫び、紫煙の中を飛んだ。低空を飛ぶザビーネ=ザビアボロスへと向けて、死角からの一撃だ――それを、ザビーネ=ザビアボロスは翼で受け止めた。
「竜に死角があるとでも?」
「はは、ないかもね。でも、その翼は使わせた!」
沙耶が叫んだ瞬間、飛び込んできたのは、リナだ。
「ありあ・てりあ! きこえるな! リナがけんせー? するぞ!」
強烈な炎の塊になって、リナがザビーネ=ザビアボロスへ突撃する! 翼をガードに利用していたザビーネ=ザビアボロスは、その一撃をよけるのに、無理矢理に身をひねる羽目になった。
「その程度で……違う? 避けさせられた? 私が? 竜が?」
それは、リナの力ではない。これまで攻撃を続けてきたイレギュラーズ達、戦線を支えていたイレギュラーズ達、その全ての力が、想いが、此処に竜に『身をひねらせる』という結果を生んだ。体勢を崩させた。後は――。
「まかせて、リナちゃん! アリシスさん! 行くよ!
シェームに見せてあげようじゃない、彼が見せたかった光景を!」
「ええ、可能性と希望の光景。
共に手を取り、困難に立ち向かう姿を」
アリシスの指先から放たれた光が、浄罪の刃を生み出し、紫煙の中を奔る! アリアを導くようなその光を追って、アリアは跳んだ!
「ザビーネ=ザビアボロス! あなたにも見せてあげる!」
「可能性が、越えられぬはずの壁を越える姿を」
くっ、とアリシスが手を握った。ひときわ速度をあげて、浄罪の刃が跳ぶ! ザビーネ=ザビアボロスは、それを手で受け止めた。受け止めざるを得なかったのだ。つばぜり合いのように、その手の中で刃は勢いを止めなかった。ザビーネ=ザビアボロスが顔を歪めた刹那、アリアの全力の、それこそ自身のみを危険にさらすような一撃が、凝縮した魔力と共に叩き込まれた! 避けられない。ザビーネ=ザビアボロスがその衝撃に地にたたきつけられる。強烈な衝撃が、常人相手なら確実に生命の危機を迎えるほどのダメージである事を物語っていた。
だが、倒れたザビーネ=ザビアボロスは、五体満足で、呆然と、空を見上げていた。
「受けた……これほどの一撃を? 一度ならず? 二度までも……?
驕りか。驕っていたのか、私は。
それとも、可能性……人の持つ。これが……?」
そう呟き、ザビーネ=ザビアボロスは立ち上がった。その目に恐ろしいものを映して。
「シェーム様が貴方たちに執着する理由は、今理解できました。
ふ。ふふ、ふ。試し、ですか。面白い。では私も試しましょう。
貴方たちがどこまで足掻き、潰える事なく走れるのか」
ぞわり、とイレギュラーズ達の肌が粟だった。恐ろしいものと遭遇したのだ、という本能的な恐怖が、その身体を震わせた。それはリナ・イグニスとて例外ではなかった。
「これより貴様らが相対するは、世界生命の王者と知れ。
今だこの身若輩なれど、その末席に立つは怨毒の地竜ぞ。
可能性を嘯くならば、見事生き延びて見せよ、我という災厄から」
それは、一段、力の加減を解放した、竜の威圧であった。
●炎の試し
「やっておるな……ザビーネめ、じゃぁから貴様(きさん)は若輩なんじゃ」
ぼりぼりと頭をかく、シェーム。その前には、多くのイレギュラーズ達が、その武器を構えていた。
「儂が他の戦場に乗り込むのを警戒しとるな?
当然、そうする。見とるだけっちゅうんは性に合わんしな」
「それも試練って奴デスか」
わんこがぐるる、と吠えて見せるのへ、シェームはにぃ、と笑った。
「半分そうじゃが、半分は趣味じゃ。
おお、直接会うのは初めてじゃな。会いたかったぞ、わんこ。
それに、ハハハッ、これほどの勇者たちとはな! とても良い」
何か愛おしいものを見るような目で、シェームはイレギュラーズ達を見た。
「声を聞いた時から、シェームさんは何をしたいんだろうってずっと考えていました。
大切なものを守るためだったんですね」
ユーフォニーがそういうのへ、シェームは苦笑した。
「儂は不器用でな。何せ炎じゃ。燃やす事しかできん。
儂が触れれば、この森は燃えてしまうじゃろう。
じゃから、誰かに託すことしか思いつかんかった」
「シェームさん、間違ってますよ」
ユーフォニーは笑った。
「炎だって、優しく誰かを温めることはできます。
本当に、不器用なんですね。
シェームさん。試しが終わったら、今度は私が教えてあげます」
「何をじゃ」
「誰かの手をつなぐための、温度」
シェームは笑った。
「それは楽しみじゃ……じゃが、それもカロンを倒せるほどの可能性を、世界を救うほどの可能性を、儂に見せてからにせい!」
業! 炎が巻き起こった。全力ではないだろう、だが今ここで試練としての炎は、その力の一端を、確かに此処に見せつけたのだ。
「シェーム……絶対にその試練、乗り越えて見せる!」
シャルレィスが叫ぶのへ、シェームは頷いて見せた。
「おう、貴様には期待しとるぞ。
まだ道半ばなれど、貴様が果たして勇者となれるか」
「そんなのわかんないし、自信はない!
私はただ、護りたいもののために剣を振るうだけ!」
シャルレィスが叫ぶ。
「あなたをこの場所から、絶対に動かさない!
皆を守る! それが私の戦いだ!」
「よう言った! 来い、19人の勇者たちよ!」
この戦場に集いし19にん、それが今現在の最大戦力であり、最高戦力だ!
ぼう、とシェームの炎がひときわ燃え上がったのに応じるように、イレギュラーズ達は駆けだした。シェームが戯れるように腕を振るってみれば、爆炎が吹きあがり、世界を薙ぎ払う! イレギュラーズ達はその炎の中を突っ切り、突破!
「なぁるほどのう、頭は悪そうなのに随分と考えるものじゃな!」
ニルが飛び込み、拳をぶつける。シェームは己の手でそれを受け止めて見せる。
「お前はもっと単純なタイプじゃろ……こういうのに夢中になる様な、な。
お主に其方に行かれると妾も他の者も困る故、もう少し一緒に踊ってくりゃれ!」
『ったく、どいつもこいつも人外様はえらそーなこと言っちゃってさぁ。
人間を舐めるのもいい加減にして欲しいもんだね!』
Tricky・Starsの虚が、手にした霊刀でシェームに斬りつける。その斬撃は、シェームの身体から伸びた炎が受け止めた。
「ほうか? 貴様は――」
シェームは、そこまで言って、む、と唸りつつ、
「いや、なんでも。すまんのう、人外ちゅうだけあって長く生きとると、こうなるんじゃ!」
シェームが腕を振るう。虚、そしてニルが振り払われるのへ、合わせて二人は後方へ跳躍。
『ったく、むずかしく考え過ぎなんじゃねぇの?』
「かもな! 頭は悪いが、性分じゃ!」
「思惑がいずれにあれど、今はここで足を止める!」
レオナが飛び出し、そのナイフをひらめかせた。斬撃が、シェームの肌を切り裂く。血の代わりに、炎が噴き出す。
「冷血というのはきいたことがあるが、焔血とはな!」
「珍しいか? 貴様も中々やるな、儂に傷をつけたか!」
シェームがレオナを殴りつける。咄嗟に掲げた手に、手痛い衝撃が走った。僅かに顔をしかめながら、しかしレオナは不退転の決意で以って、その場に踏みとどまる。
「……! 踏みとどまるか!」
「当然! です! 此処が正念場ですからね!」
ウテナがロスカと共に飛び込む! ロスカがくあ、と雄叫びをあげ、その口中に炎を巻き上げた。
「シェームさん、久しぶりですね!ㅤうちの方から会いに来ましたよっ!!」
「ウテナにロスカか、よう来たな! 貴様らなら、これくらい受け止められるじゃろう!」
拳を振るうと、焔弾がウテナに向かって放たれた。
「ロスカ!」
ウテナが叫ぶと、ロスカが火炎弾を吐き出す! 衝突した二つの炎が、中空で炸裂して辺りに火花を散らせた。
「良い! やるな!」
にぃ、とシェームが笑う。同時、その火花を切り裂いて、わんこが飛び込む!
「シェーム、ようやく会えたぜ!」
「おう、貴様もきておったな! 貴様のばちばちする手刀受けて立ちたいと思っていた所じゃ」
振るわれるわんこの手刀! 雷を纏いて放たれるそれを、シェームはクロスカウンター気味に炎の拳で迎撃した! 撃ち込まれる、二者の拳。お互いの身体を衝撃が走る。
「キャヒヒ、見ていけよ、シェーム。イレギュラーズの、わんこの意地って奴を!」
わんこは足のスタンガンを起動し、そのまま蹴り上げた。ばぢん、と音を立てて叩きつけられるそれに、流石のシェームも後方へと飛びずさる。その隙を逃すわけにはいかない! 続いたのは、奈々美だ。最小の魔力で最大の戦果を。小さな紫色のハートの魔力弾が、シェームの足に突き刺さり、その焼け跡を作る!
「あ、当たった……!」
「おどおどしちょるやつじゃな。ま、貴様のような奴も嫌いではない。土壇場でひっくり返すのは、得てして貴様のような奴じゃ!」
今日意味深げな視線を向けるシェームへ、奈々美は頭を抱えて見せた。
「え、ええと、いいいの、こっち見ないで大丈夫だから!」
怯えるように言うものの、奈々美の攻撃の威力は充分だ。それに、次々と放たれるイレギュラーズ達の攻撃に、シェームも流石に足を止めざるを得ない。
「――ハハッ! ザビーネどもめに戦力を裂かれている状態で、こうまで戦うか!」
嬉し気に叫ぶシェームの腕を、レーツェルの闘気糸が絡みつく。
「ああ、ならば試練は合格って事かな?」
不敵に笑ってみせるレーツェルに、シェームもまた獰猛に笑った。
「そうせくな。もう少し戦ってみせい」
ぼう、とその腕に炎がともると、レーツェルの拘束を解いて見せた。レーツェルもまた、薄く笑う。
「いいさ、やってやろうじゃないか。楽しめそうだ。
ワタシ達と遊んでもらうぞ?」
「おうよ!」
シェームが、ずだん、と足を地面にたたきつける。破砕された大地、その欠片に炎がまとわりつき、炎の砲弾となって辺りをぶち抜く!
イレギュラーズ達が身構え、迎撃する隙をついて、シェームはゆっくりと歩き出す。
「儂も少しだけ本気を出すか。往くぞ、勇者たちよ」
その身に炎を纏わせ、シェームが駆ける――立ちはだかるのは、雨涵だ!
「やらせない……!
覚悟しろ……お前が相手にするのは、強くて格好いい仲間達と、竜より怖いドラゴニアだ!」
増加装甲で殴りつけるように、雨涵は突撃! シェームの足を止めるべく、打撃を繰り出す!
「ドラゴニアか……儂の知らん種族じゃ。
そうか、貴様のような奴らとも、縁をつなげられるのか、人は!」
敬意を持って迎撃するシェーム。増加装甲を殴りつけると、雨涵の身体に衝撃と痛みが入った。
「負けない……!」
きっ、と睨みつける、雨涵。
「良い目じゃ!」
シェームが笑う。
「じゃあ、ボクの踊りも見てもらおうか!」
ヒィロが挑発を重ね、その刃でもってシェームへと躍りかかる。
「おう、来い、来い!」
「――もちろん、ボクだけじゃないけどね!」
「私とも踊ってもらうか、シェーム」
続く美咲の攻撃こそ、本命だ! 隙をついた斬撃が、シェームの身体を切り裂いた。吹き出す炎。だが、まだ敵は健在!
「ボクたちの連携に!」
「耐えられるなら、耐えてみるといい!」
二人の連続攻撃が、シェームを押す。同時、
「はいポーズ! 視聴者たちのためにもそのまま動かないで欲しいねー!」
紅璃が持つaPhoneから放たれた雷撃が、シェームの身体を穿った。
「妙な機械を使う……!」
吠えた刹那、リーディアの放つ銃弾がシェームの身体を穿つ!
「攻撃の手を止めるな、撃って撃ちすぎるという事はない!」
「りょうかーい! 取れ高必要だしね!」
紅璃が叫び、リーディアと共に攻撃を続行する。足を止められたシェームに、アンバーの放つ黒顎が、その身体に食らいつく!
「此処より先へ進ませるわけにはまいりません!
全力をもって応対させていただきます!」
ぱちん、と指を鳴らし、再びの黒顎を召喚するアンバー。放たれたそれがシェームに食らいつくのへ、
「例え一人一人が微力だとしても、私達が束ねに束ねた力をもって!
シェーム! あなたを退かせて見せますとも!」
叫び、黒顎による攻撃を続行する。
「シェームッ!
お前は、宇宙保安官ムサシ・セルブライトが止めるッ!
止めてみせるでありますともっ!」
立ちはだかるムサシ! レーザーブレードを振るい、魂の叫びをあげるその姿に、シェームは嬉しげに笑った。
「いいのう! 貴様のような奴は好きじゃ!」
爆発するように打ち合うレーザーブレードと、炎の拳。
「どんな試練であろうともっ!!! 自分達は乗り越えるッ! そのために、ここにいるんだっ!」
苛烈にぶつかり合う仲間達へ、アザー・T・S・ドリフトの号令が飛ぶ。
「ここで足を止めます! 他の戦場へは、絶対に行かせてはなりません!」
「おう! 儂にできることは少ないかもしれんが、絶対に! この身に変えても!
シェームめを足止めしてみせるぞ!
友軍を含めても勝機は薄く、しかして放置する事も出来ぬとあれば、儂ら総力でその足を引くしかあるまい!
……無論、捨て奸になる気は毛頭ないがのぅ!」
鶫が叫び、シェームの前に躍り出る。
多くの種族が、一丸となって、問題を解決すべく手を取り合う。力を合わせる。
その光景を、どこかまぶしく感じながら。
苛烈な攻撃が、炎の嘆きの足を止め続けていた。
●亜竜殺し
さて、戦いは加速していく。ネーレマリスと決死の交戦を続けていたイレギュラーズ達は、戦いの趨勢を自らに引き寄せ始めていた。
イレギュラーズ達の攻撃に、ネーレマリスが悲鳴を上げる。
「流れはこっちにあるはずだ! 諦めずに攻撃を続けるんだ!」
トウカが叫び、木刀による一撃を加える。その打撃がネーレマリスの鱗を破砕し、肉を穿った。
「……お前達の目的が何であれ、仲間を傷つけるのなら……!」
「竜の眷属とて、怯みはしない!」
フィノアーシェが、ボロボロの体をおして懸命に斬撃をくわえる。フィノアーシェだけではない。多くの者が、傷ついていた。回復手が足りないわけではない。相手の攻撃が、それを上回ることがあっただけである。だが、皆がその傷をおして、ただ前を向いて戦っていた。
「ブレスの毒は効果で無効化できるとは言え、流石にそれ以外の一撃一撃も重い……!」
ネーレマリスとて、ただやられているわけではない。反撃はチェレンチィの身体を傷つけ、体力を奪う。
「如何に強力な亜竜といえども、何処かに弱点はあるはずです。そこを狙い撃てれば……!」
「逆鱗とかっすかね!? 或いは、無ければ強引に作り出すっす!」
浩美が声をあげた。
「硬い鱗だって、剥がしてしまえば後は皮膚が見えるものっす!」
「ならば、ひたすら攻めるのみ、だ!」
狛斗が声をあげ、突撃! 鱗を引きはがすべく、その拳を叩きつける。ネーレマリスが痛みに身をよじり、狛斗を振り払った。
「ハッ、ざまぁみやがれってんだ……! 後は頼む!」
その言葉を合図に、イレギュラーズ達の最後の猛攻が始まろうとしていた。
「ヴュルガー様、わたしも攻撃にうつります!」
「頼みます、プラハ! 畳みかける!」
ヴュルガー、そしてプラハ。銃と、魔術。二つの銃弾が、砲撃が、ネーレマリスの剥がれた鱗、その皮膚に突き刺さる! ばぢばぢと音を立てて、肉が焼ける。一歩一歩、死へと近づく。
「藍珠、見えますか? あそこです」
ずどん、とライフルをうち放ちながら、紫琳が叫ぶ。その銃弾が狙うは、あらわとなった皮膚。
「心の臓腑があるならば、あの場所が最も近い。
あの場所を集中攻撃できれば……!」
「マジか、姉さん、懐に飛び込んであそこ斬って来いってのか。
ああ、いいさやるよやる、やらなきゃ終わらないからね!」
藍珠が叫び、跳躍。紫琳の援護を受けながら、接敵! あらわになった皮膚に、斬撃を喰らわせた。ぎゅおおお、とネーレマリスが断末魔の悲鳴を上げる――。
「ちっ、殺りそこねた!」
藍珠が叫び、飛び跳ねる。僅かに、残った命を、ネーレマリスは繋いでいた――だが。そこに飛び込んできたのは、アクセルの魔力砲撃だった。
「諦めないで! 一斉攻撃だ!」
指揮杖を振るうアクセルに、仲間達は頷いた。最後、ギリギリのところでの、決死の大反撃! イレギュラーズ達の飽和攻撃が、この時ネーレマリスに突き刺さり――やがて、ぎゅおう、と悲鳴を上げて、その巨体を地に沈めることに成功したのであった――。
●地竜迎撃
「ネーレマリスが……やられたのですか」
ザビーネ=ザビアボロスが僅かに驚いた様子を見せた。此方の戦場は既にギリギリの状態である。だが、ザビーネ=ザビアボロスは強大な竜種であり、元より困難な道であることは承知の上。
「追い詰められたか? 竜よ」
一晃が叫ぶのへ、ザビーネ=ザビアボロスは頭を振った。
「いいえ。私が健在なれば、貴方たちなどは」
「それが驕りだ、竜よ……。
毒を以って慈悲とは、思い違いも甚だしい。その毒は羽虫に触れず速やかに殺す殺虫剤と等しき物よ。怨毒の竜、貴様の本質は触れる覚悟もなく殺すだけの傲慢溢れ怠惰に溺れし怠け者よ!」
一晃の斬撃を、ザビーネ=ザビアボロスはその腕で振り払った。続く繧花が、紅蓮の手甲で殴り掛かる! ザビーネ=ザビアボロスはそれを受け止め、
「ドラゴニアですか。群長の意に従い、我らの慈悲の下息をしていればよかったものの」
「……! 君だって、人の姿をとっているじゃない!
言葉も伝えあえる……なのにどうして、見下すの!」
答えず、ザビーネ=ザビアボロスは繧花を振り払った。続くサンティールが、斬撃を繰り出す! ザビーネ=ザビアボロスが、それをその腕で受け止める。
「そうは言っても、余裕がなくなってはいないかい?」
「……うぬぼれを」
にこりと笑うサンティールに、ザビーネ=ザビアボロスは静かに視線を送った。振るわれるザビーネ=ザビアボロスの腕は、竜のそれと同等。強烈な痛打がサンティールを叩くが、すぐにその身体を聖なる癒しの術式が包み込む。
「ありがとう、エーリカ!
こわいけど……きみが、みんながいてくれるから、
大丈夫、なんとかしてみせるさ!」
「あなたの冒険譚はいつだって、『めでたし、めでたし』で締め括られるの。
語り部さん(サンティール)。安心して前だけを見ていて」
エーリカがそういうのへ、ザビーネ=ザビアボロスがふむ、と唸る。
「回復手、ですか。人の浅知恵から定石を学ぶならば、潰しておいた方がより効果的なようですね」
「させないの」
胡桃がその手を高々と掲げると、雷火がザビーネ=ザビアボロスを穿つ。
「そなたは人の可能性を信じなさすぎなの。
シェームに、いいえ、世界に可能性を示すために。
そなたにはここで退いてもらうわ、コャー」
「そうだよ……! 私たちは、絶対にあきらめない!
あなたの言う救済なんかに、のってやらない!」
イルリカの回復術式が、仲間達の背中を押す。苛烈な毒をおしとどめ、強大な敵に立ち向かうための力。その力を胸に、イレギュラーズ達は果敢な攻撃を続けた。
「……理解しがたい。どうして、どうして不確定な要素にすべてを賭けられる……!?」
「それが、人の生き方ッス!」
イルミナが、そう叫んだ。
「イルミナが人を語るのは烏滸がましいかもしれない。
でも、分かる……未来は分からない。だから! 人は歩ける! すすめる!
教えてやるッス! お前の諦観は、もはや傲慢だ!
ザビアボロス! 今度は「消えない」傷を付けてやる。
例え今、この刃が届かなくても。
いつの日か、お前を、地竜を滅ぼすのはこのイルミナだ。……覚えておけ!」
「なあ、ザビアボロス。お前の命は人間何人分に値する?」
アルヴァが、そう言った。
「お前の命も人一人の命も等価だ。驕るのも大概にしろ」
その時……ザビーネ=ザビアボロスには、彼らが酷く、おかしなものに見えた。
それは、彼女が生まれて初めて見た……ちっぽけで、弱くて――それでも可能性を捨てずに立ち上がり、立ち向かう――人間、というものだった。
「……ッ!」
ザビーネ=ザビアボロスはその腕を振るった。何か、得体のしれないものを振り払うように! 強烈な斬撃が、イレギュラーズ達を薙ぎ払う……だが! 彼らは立ち向かう! 未来を信じて!
「無理はダメですよ、アルヴァさん」
愛奈がいうのへ、アルヴァが叫んだ。
「無理しないといけないときもある」
「私はこの混沌の世情にも政治にも疎いです。この目の前の竜種が何故ここにいるのかもよく判っていません。
ですが。ここに招ばれて出来た縁を手放すような、薄情な女でもありません。
貴方は連れて帰ります。何をしてでも。きっと待っているヒトだっているでしょう?」
そう、真摯に告げる愛奈に、アルヴァは、ふ、と笑ってみせた。
「いざという時は頼むよ」
叫び、飛び出す! 仲間と共に! 仲間を伴い! 決死の反撃が、ザビーネ=ザビアボロスに怒涛のごとく押し寄せた!
ザビアボロスには理解できなかった。なぜだ。何故彼らはこうまで戦える! 何故運命にあらがえる!
「今までに会った人が毒で死にたいと願ったかもしれない。
けど、生きるの死ぬのを決めるのは一人一人違う。
少なくとも僕は生きたいと願う!」
ムスティスラーフの言葉通り。
答えはそれでいい。
彼女には、まだ理解できなかったけれど。
ムスティスラーフの放つ魔力の奔流が、ザビアボロスの身体を撃った。
強烈な一撃は、かつてのそれに比べれば威力は劣る。
だがその最後の一撃は、ザビアボロスの戦意を再び挫くには充分だった。
「一度ならず……二度までも……まだ……ッ!!」
ザビアボロスは叫び、その翼をはばたかせた。
「……ッ! シェーム様。私の役割はここまでです」
上空から声をあげるのへ、シェームは笑った。
「おう。次はもうちっと頭を柔らかくしてこい」
そういうシェームを一瞥すると、ザビアボロスは何処かへと消えていった。
勝った。
勝ったのだ。
安堵の空気がわずかに流れる中――突如として周囲に立ち込めたのは、黒い霧だった。
●続く戦い
「……この霧は……?」
ポシェティケトが、シャルレィスの隣に立ち、呆然と呟く。突如として現れた黒い霧は、酷く冷たく、酷く恐ろしいもののように感じた。
「いかん! そいつから離れろ!」
シェームが叫ぶ。
「カロンめの権能じゃ! 夢に引きずり込まれるぞ!」
「カロン……? これは、カロンの力なのね……?」
ポシェティケトの言葉に、シャルレィスはポシェティケトを護るようにその前に立つ。
「けど……まずいわ、辺りを囲まれている……」
その言葉通り、霧は周囲を巻き込みつつあった。
「シェーム、どうしたらいい!?」
シャルレィスがいうのへ、シェームは唸った。
「何人かは、即座に弾き飛ばせる……が、流石にこの人数全てを転移などできん!
カロンめ、めんどくさいにゃー、などと嘯きつつよくやる!
儂は巻き込まれんでも、貴様らはここで全滅の可能性がある!」
しかし能天気に声をあげたのは、リナ・イグニスだった。
「ならリナを使えばいいぞ」
そういって、笑った。
「リナだって大樹の嘆きだぞ! リナを力の状態に還元すれば、シェームの力と合わせて、もっとたくさんをここから逃がせるぞ!」
「たわけ。そんなことをすれば、貴様は消える可能性が高いぞ」
「ちょっとまって、それほんと?」
ゼファーが声をあげた。
「お馬鹿さん、自己犠牲とかって柄じゃないでしょ?」
うー、とリナが唸った。
「でも……なんか、ぜふぁーがこんなのでやられちゃうのは嫌だぞ。ぜふぁーはリナがけんかするんだぞ!
だから、大丈夫だぞ! リナも消えたくないってがんばるから、きっとまた会えるぞ!」
「そういう問題じゃ――」
ゼファーがそう言った刹那、リナの身体が燃え盛った。
「リナちゃん!」
アリアが叫ぶのへ、リナが笑う。
「アリア、リナってくれてありがとな! イグニスってのくれたあいつにも、伝えておいてくれ!
またな!」
リナの身体が爆散する。暖かな炎が、黒い霧をおし返すように、辺りに飛び散った。
「阿呆が! じゃが、こうなっては貴様の覚悟を無にするのも野暮というもの。
勇者たちよ! 可能な限り、ここから下層へ飛ばす!
取りこぼしはあるかもしれんが……全滅するよりマシじゃろう!
それに、貴様らなら帰ってこれるはずじゃ!」
シェームが、祈るように手を組むと、その身の内から神聖さを感じる炎が巻き起こった。
「終わったら、上層に来い。そこで最後の手合わせと行こう」
シェームがそう言った刹那、炎がはじけて世界を包んだ。二つの炎がぶつかり合い、世界が真っ白になった!
――イレギュラーズ達が次に気づいた時、ファルカウの下層に、立っていたのであった。
成否
成功
MVP
状態異常
あとがき
そして、次なる戦いへ――。
GMコメント
お世話になっております。洗井落雲です。
ファルカウでの戦い、その戦場の一つ。
そこは炎の最終試練場です。
●成功条件
ネーレマリスを撃破し、ザビーネに一定以上のダメージを与え撤退させる。
●情報精度
このシナリオの情報精度はBです。
依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。
●状況
深緑を危機から解放するため、ファルカウに突入した皆さん。下層部に存在するエリアに侵入した皆さんは、そこでシェーム、ザビーネ、ネーレマリスという敵と遭遇します。
状況はシンプルです。これらの敵と戦い、勝利をもぎ取る必要があります。
気まぐれから、敵の一人であるオルド種、リナ・イグニスが味方についてくれましたが、しかしそれで安心できるほど敵は容易くありません。特に、ザビーネは、人の姿をとってはいますが竜種。異次元の強さを誇ります。
ですが、どうも当人が言うには、あまり無理せず帰ってこい、と上司に言われている様子。
一定以上のダメージを与えれば、撤退する、という事です。
ザビーネを撤退に追い込めれば、その後仕切り直し、シェームに最大戦力で挑むことができます。とにかくこの場で最優先すべきは、ザビーネを撤退に追い込むことなのです。
同時に、ネーレマリスという亜竜も確実に撃破する必要があります。後方を抑えられている状態では、撤退も、後続を引き入れることもできません。
まとめると――シェームを足止めしつつ、ネーレマリスを撃破し、ザビーネを撤退に追い込む、という流れになります。困難な道ですが、皆さんなら達成できるはずです。
作戦決行エリアは、ファルカウ下層エリア。広大な街の広場での戦闘になります。敵は、イレギュラーズ達を中心に、北西側にシェーム、北東側にザビーネ、南側にネーレマリス、という布陣です。
●プレイングの書式について
戦場での迷子などを防ぐため、一行目に戦場の番号を、
二行目に、【グループタグ】か、同行するお仲間のIDを、
三行目以降にプレイングをお書きください。
==例==
【A】
ラーシア・フェリル (p3n000012)
がんばります!
======
●戦場
【A】対・怨毒眷属ネーレマリス
南方に布陣するネーレマリスを撃破します。
ネーレマリスは亜竜ですが、ザビーネの眷属という事もあり、単体でも非常に強力な能力を所持しています。
生命力は高く、特殊抵抗も高水準。しいて言うならば、機動力と防御技術に難があります。
吐き出すブレスは『毒』系列と『痺れ』系列をまき散らします。
多めの戦力で一気に排除してしまうのがいいでしょう。
【B】対・怨毒竜嬢ザビーネ=ザビアボロス
北東に位置するザビーネ=ザビアボロスを撤退に追い込みます。
ザビーネは竜種、混沌世界でも最強クラスの生物です。相手はワンランク上の難易度の怪物であると心得てください。
未だ年若いため、性能面では他のドラゴンには劣るようですが、それでもまともに戦って、倒せる勝機はほんの一筋。
ですが、今回はある程度のダメージを与え、撤退に追い込めばいいのです。勝ちの目はあります。
パラメーターは、全てが破格と言っても差し支えありません。ただし、攻撃面で少し穴があります。
それを補うようにBSは豊富で、『廃滅』級の毒を周囲にばらまくほか、『雷陣』級、『無常』級のBSもばらまいてきます。
最大火力を叩きつけて、速やかに撤退に追い込むべきでしょう。撤退するHPラインは、そう低くはないです。
【C】対・炎の嘆きシェーム
北西に位置するシェームを足止めします。
今回は全力ではなさそうですが、しかしただ眺めているわけがありません。
本来は、単体で決戦級の相手です。今回のように戦力が分散した状態では勝てるわけがありません。
しかし、足止めをする必要はあります。放っておいたらAorBの戦場になだれ込み、戦線を崩壊させてしまう可能性があるからです。
『炎獄』級のBSや、『懊悩』級のBS、『背水』を持った攻撃などを得意とします。
パラメーター傾向は防技高めの重量級ファイター風です。今回は守りよりのようです。その分足は遅いので、うまく足止めはできるはずです。
●味方NPC
リナ・イグニス
大樹の嘆き・オルド種。イレギュラーズ達に名前を付けてもらったり、イレギュラーズ達とまたケンカしたかったりするので、イレギュラーズ側につきました。
強力なユニットで、スピードファイター風のパラメータ調整がされています。避けて殴って動き回るタイプ。
リナは【B】の戦場に配置されています。ザビーネのHPを削る、攻撃を引き付けるなどに、多少は使えるはずです。なお、リナは強いですが、当然ながら単体でザビーネには勝てません。リナを利用し、その上でしっかりと戦力を配置しなければならないでしょう。
プレイングで指定したら、連携で攻撃してくれたりする可能性はありますが、保証はありません。何せアホの子なので……。
●決戦シナリオの注意
当シナリオは『決戦シナリオ』です。
<タレイアの心臓>の決戦及びRAIDシナリオは他決戦・RAIDシナリオと同時に参加出来ません。(EXシナリオとは同時参加出来ます)
どれか一つの参加となりますのでご注意下さい。
●『夢檻』
当シナリオでは<タレイアの心臓>専用の特殊判定『夢檻』状態に陥る可能性が有り得ます。
予めご了承の上、参加するようにお願いいたします。
以上となります。
それでは、皆様のご参加とプレイングを、お待ちしております。
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