PandoraPartyProject
戦士の輝き
壮観そのものである。志願した亜竜種の戦士たちが一同に集まり、ここヘスペリデス中継基地に並んでいた。
「クヌェ族、パルパ族、ハディ族、カッマ族――それぞれより戦士を集めた」
白い髭に顔が殆ど隠れたパルパ族の族長が列の中から現れる。他部族の族長たちもだ。
「イエローイキシア集落の部族の大半は、いまローレットの味方だ」
「クリスタラードと戦うのであれば、その支配より助けてくれた恩、今こそ報いる時である」
「敵対的であったデデ族やトイタ族たちも今は和解が成立しておる。心配は無用じゃ」
そう言われ、天目 錬(p3p008364)やリディア・T・レオンハート(p3p008325)たちは顔を見合わせる。佐藤 美咲(p3p009818)は『それはそうでしょうね』という顔だ。
一方でレイチェル=ヨハンナ=ベルンシュタイン(p3p000394)とオデット・ソレーユ・クリスタリア(p3p000282)は微笑んで彼らの背後を見やる。泉の精霊の加護が、彼らには見えたのだ。離れていても、一緒に戦ってくれるということなのだろう。
「すごいな! クリスタラードとの決着のためにこんなに集まったのか!」
熾煇(p3p010425)が嬉しそうにぴょんぴょんとはねるが、それは『七つの亜竜集落から集まったうちの一集落』に過ぎない。
「待ってくれ、俺たちもいるぜ!」
レッドレナ集落から志願した戦士達がバルバジスの頭部から作ったという戦太鼓を叩きながら前に出る。クーア・M・サキュバス(p3p003529)がほほう、と目を細めた。
「皆、出来ることをしたいの。戦える人も、そうでないひとも」
決意を込めるように言ったのはトルハという亜竜種の少女だった。バクルド・アルティア・ホルスウィング(p3p001219)が目を見開く。非戦闘員である彼女が前線に出てくるとはとても思わなかったからだ。トルハは自らに勢いを込めるようにして胸を手に当てる。
「わたしたちは、皆さんに救われました。故郷を、誇りを、生きる意志を貰いました。だから一緒に戦います。
直接戦う力が無くても、医療班として後衛テントに入れますから」
「トルハ……」
目元を咄嗟に抑え、バクルドは息を吐いた。大きくなった。そう、思う。
「驚くのは未だ早いわよ! ここには七つの集落全部から戦士たちが集まってるんだから!」
そう言って平たい胸をはる少女に、トスト・クェント(p3p009132)が思わず声を上げる。
「呉覇! 鈴・呉覇、来てくれたんだね」
「当然じゃない」
彼女の後ろにはオーシャンオキザリス集落や鈴家から集められた選りすぐりの戦士達と医療スタッフが並んでいる。
鯤・玲姫(p3p010395)と襲・九郎(p3p010307)も彼らのどこか誇らしげな様子に驚く。初めて見た時のぼうっとした様子とはまるで違うのだ。
サンディ・カルタ(p3p000438)はつい嬉しくなって声をあげた。海の底から宝珠をひとつ盗み出す冒険がついに竜殺しの軍勢にまで変わるとは。
「私達はただ生きてた。生きてただけ。そこに生きる意味と力をくれたんだもの、一緒に戦うのは当然でしょ?」
きゃは、と笑う呉覇。
そんな中で、澄恋(p3p009412)と炎 練倒(p3p010353)は列の中から女性たちが歩み出るのを見た。
「あなたは……」
「その節は、バザーナグナル様が大変お世話になりました。なんて、変な言い方ですわね」
死してなお番犬のごとく使役されていた優しき守護者。そしてそれを慕う乙女たち。
シューヴェルト・シェヴァリエ(p3p008387)は深く頷き、その後ろに続く武装した戦士達を見やった。
彼女たちはヴァイオレットウェデリア集落の戦士達だ。かつて家畜としてクリスタラードのエサとなっていた彼らはその支配から解放され、人として生きている。
そして今、人として戦おうとしているのだ。
「からの~?」
「ちゃかすんじゃないよ」
伊達 千尋(p3p007569)がビッと指を向けると、アダマス・パイロンが彼の頭をぺちんと叩いた。
彼女の後ろにはホワイトホメリア集落から集まった戦士達。彼らはみな細身ながらスタミナはあるようで、目には精強なギラつきがあった。
中でも長を務める白髭の老人が、杖を突きながら前に出る。
「わしらは永きにわたり支配と牢獄の日々にあった。解放の悲願を達成した今、同じ憂き目に遭う者が出ぬようにしたい。あのようなことは、くり返してはならぬ」
ヤツェク・ブルーフラワー(p3p009093)はフッと苦笑し、そしてプルネイラ・吏・アガネイアムへと振り返った。
「アンタも、来るのかい?」
「はい。外の世界を見せて貰いましたから。あのような綺麗な世界を、もう壊させはしません」
そこにいたのはプルネイラだけではない。
グリーンクフィア集落で支配から解放された人々が、攻め手医療スタッフにと志願しているのだ。
タイム(p3p007854)は微笑み、そして深く頷く。ルブラット・メルクライン(p3p009557)は胸にそっと手を当て、仮面の下で目を閉じた。
(ベルガモット。この民たちは、こんなにも強く生きている。きっと、生きる苦しみとも闘えるだろう)
「ここまで集まっているということは……」
ヴィクトール=エルステッド=アラステア(p3p007791)と散々・未散(p3p008200)がちらりと顔を見合わせる。
「ああ、いるぞ! ブラックブライアより黒響族! 応援要請を受けて只今推参だ!」
冬越 弾正(p3p007105)をヘッドとあおぐ彼らが進み出て、弾正とハイタッチを交わした。
郷田 貴道(p3p000401)がHAHAHAと豪快に笑った。戦士達の中には塔の最上階をかけて戦った彼や彼女の姿もある。にっこりと笑うセララ(p3p000273)。
アルティマという集落群があった。
そこはかつて、クリスタラードの『人間牧場』であった。
人々は様々な手段で飼い慣らされ、クリスタラードのエサとなるべく捧げられ続けていた。
そんな――ホワイトホメリア、ブラックブライア、ヴァイオレットウェデリア、レッドレナ、オーシャンオキザリス、イエローイキシア、グリーンクフィア――七つの集落は、ローレットの活躍によって解放され、いま戦士となって応援に駆けつけたのである。
気持ちは一つだ。
「今こそ、クリスタラードを倒そう!」
※『双竜宝冠』事件が新局面を迎えました!
※豊穣に『神の国』の帳が降り始めました――!
※練達方面で遂行者の関与が疑われる事件が発生しています――!
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