シナリオ詳細
<帰らずの森>リーティアの誘い
オープニング
●
前人未踏の覇竜領域へ、イレギュラーズが足を踏み入れてしばらくが過ぎた。
亜竜種達と出会い、仲間に加えたイレギュラーズは大きな戦いを二度経験している。
一つは練達を襲った竜との戦い。
もう一つは深緑における竜との戦い。
そうした中で、亜竜種の巨大集落フリアノンにおいて、古くから『里おじさま』として慕われていたベルゼーが、『冠位暴食』であると判明したこと。
それから――
「ピュニシオンの方で、ちょっと厄介なことが起こっててね、話を聞いてほしいんだ」
フリアノンの一角で、イレギュラーズ一行の前に立つのはスフェーンという亜竜種の女性だった。
隣で古い書物を漁っているのはケーヤという少女だ。
帰らずの森ピュニシオンは、この地に暮らす亜竜種達から恐れられる森である。
強大な竜種が住まう場所にも近いとされる、ある種の禁足地だ。その入り口は代々『志遠の一族』によって守られてきた。スフェーンが言うにはその守人達が姿を消したというのだ。
「その中にはフォス……アタシの友人もいてね」
「ご家族にしてご友人の危機という訳ね、それなら任せてちょうだいな」
「ありがとう、恩に着る」
「そんなにかしこまらなくったって、いいのよ」
アーリア・スピリッツ(p3p004400)の言葉に、スフェーンが礼を述べる。
スフェーンは志遠の一族に引き取られた娘だが、修行のために武闘派集落のペイトで暮らしていた。
そして友人の危機を知り、フリアノンまで駆けつけた訳である。
ちなみにアーリアとはちょっとした飲み仲間でもあったりして。アーリアが覇竜領域で仕事を終えた後、酒場などでたびたび顔を合わせる間柄だった。
知人以上。いや、そろそろ水くさいことは抜きに、友人の枠に含んでも互いに構うまい。
快活で優しく人好きのしそうな性格なのだが、集落ではどこか避けられているフシもある。
なぜなのか。そんな理由をアーリアは知っていた。
スフェーンは有事の一番槍であり、あまりに危険な役割を持ち、ゆえに人は『情が湧く』のを恐れる。
だから決して嫌われているわけではない、けれど一人のことが多いのだ。
それはともかくとして――
「アイツは友人なんだ」
スフェーンは言葉を切る。
「いや――『フォス』は家族なんだ。もしも困ってるならアタシが見捨てちゃだめだろう?」
「しかし余りに危険では? 見て下さい」
眉をひそめたのは書物のページを開いて見せるケーヤだ。
そこには数体の竜種について記されていた。
「竜だってこれだけではないんですよ。それに亜竜や魔物も多くて――」
「危険に殊更首をつっこみたいわけじゃないよ。ちゃんと安全は確保する、だからこうして話してるんだ」
「……」
押し黙ったケーヤの一族は古くからフリアノンの里長代行を務めている。
その末娘である彼女は、里長である琉珂を支え、彼女の頭脳となるべく育った人物だった。
かつてベルゼーに連れられたアウラという少女と出会い、その博識さに舌を巻いたという過去を持つ。
その背を追うべく、時に教わり、多くは一人で学び続けていた。
そんなアウラが伝説の竜種アウラスカルトであることを知ったのは、つい最近の事になる。
「皆さんは、『あの後』も……アウラと合われたのですよね」
その瞳にはなんともいえない不思議な感情が垣間見える。
「そうだが、意図的というよりは気まぐれや偶然とは思える」
「うらやましい……」
ベネディクト=レベンディス=マナガルム(p3p008160)の言葉に答えたケーヤの声音は、どこか寂しげに揺れる気配を伴っていた。
この儚くも健気そうな大人しい少女は、何か思い詰めていやしないだろうか。
なんだか心配にさせられる表情だ。注意深く見守ってやりたいが、はてさて。
「仲が良かったのか?」
「……そうだと、思っています」
何はともあれ、ピュニシオンに用があるのはスフェーンだけではない。
イレギュラーズもベルゼーを追う必要があった。
ベルゼーが世界を滅ぼす魔種が一角であるとするならば、練達や深緑を襲ったのはおそらく『言い訳』ではないのか。自身がデザストルを滅ぼさぬばかりか、半ば庇護に近い態度さえとっていたことへの。
だが練達や深緑がベルゼーの襲撃から守られた以上は、覇竜領域を狙う他にないのだ。
少なくとも、里長やその代行達はそのように考えている。
ならばベルゼーの元へたどり着くため、ピュニシオンを攻略する手がかりを掴まねばならない。
「とにかく行こう、だから頼む」
そう言ってスフェーンは一行を力強く見つめた。
●
昼だというのに鬱蒼とした森は暗く、時折うなり声や金切り声が聞こえてくる。
それら全てが亜竜や魔物のものに違いない。
不要な立ち入りを阻む関所を抜けた今、寄る辺はない。
なにより、いつ竜と出くわしても不思議ではない場所だ。
古い文献を調べていたケーヤは比較的安全そうな場所を選定してくれているが、それでも何があるかは分からない。情報自体は古いのだ。
とはいえ竜は気の長い生き物でもある。
文献で寝ていたとされる竜が今も寝続けているなんてことだってあるかもしれない。
そういったものは、事前に避ける事が出来ているはずだ。
だがいずれにせよ、サポートはあるが前人未踏である以上は『未知』でしかないだろう。
「あ! ちょうど良いところに! 第一人間、はっけーん! いえい!」
旅支度を調えた一行が、森の散策を始めようとした時だった。
森の中から突如現われたのは、亜竜種とおぼしき美女だ。
妙齢の貴婦人といった出で立ちである。
「ここは危険だ、というか立ち入り禁止だぞ。早く帰ったほうがいい。アタシ達が護衛するから」
「あーいえ、お構いなく。私こういう者ですので!」
眉をひそめたスフェーンの肩に女性は手を伸ばし――
「……!?」
――その手はスフェーンの肩を背中へするりと通り抜けた。
「おばけみたいなものなのでご安心ください!
私には指一本触れられません。私も同じなんですけど!
あ、というか、ちゃんと生きてます! 元気ー! ぴいーす!
だから、えっとえっと、生き霊? なので安心安全です!」
なんとも元気すぎるおばけである。
「えっと、おばけ、安心……安心、安全ね……」
アーリアが言葉の定義について思案する中、女性はにこにこと微笑み、話を続けた。
「さきほども仰っていたように、この森って危険だと思うんですよ。
ですので、道案内っていうか。偵察役? とか? に? 便利にご利用頂ければ!
森にはあんまり詳しくないんですけど。皆さん以外には見えないようにしておりますし!」
なんだか狐につままれたような話だ。
「そうだ! 私の事は……そうですね! 光――リーティアとでもお呼び下さい!」
リーティアは続ける。
「それで私ね、子供を探しているんですよ! もしどこかで見かけたら、教えてほしいなーって!」
なるほど、そういう条件か。
だが――イレギュラーズの脳裏には、一体の竜種の名が浮かんでいた。
なぜなら、それは余りにもリーティアと――
- <帰らずの森>リーティアの誘い完了
- GM名pipi
- 種別EX
- 難易度NORMAL
- 冒険終了日時2023年03月30日 22時05分
- 参加人数10/10人
- 相談7日
- 参加費150RC
参加者 : 10 人
冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。
参加者一覧(10人)
リプレイ
●
鬱蒼とした森を一歩、また一歩と進んでいく。
幻想王国ではちょっとした冒険だが、ここ覇竜領域では命がけの行軍だ。
(恐ろしいけれど、これが道を拓いていくという事……)
それは人が歴史上、文化や文明を発展させる上で何度も繰り返してきたことでもある。
こくりと喉を鳴らしたのは『蒼剣の秘書』華蓮・ナーサリー・瑞稀(p3p004864)だった。
森全体としてはともかく、このあたりの一帯は植生は巨木が多いらしく、木々の間を歩くというよりも根の間や下を歩いているというほうが良さそうにも感じる。
(まるで小人になったみたいなのだわ)
アルヴィオンの妖精や、あるいはイレギュラーズにも小さな仲間も居るが、きっといつもこんな世界が見えていることだろう。
「相変わらずどこ見渡しても森ですね……あの辺とか木でよく見えないですが」
溜息をついた『後光の乙女』ブランシュ=エルフレーム=リアルト(p3p010222)いわく、地上探索空は苦手だとのこと。いっそ空でも飛べたらと思うが、竜の餌食にはなりたくない。
「では偵察を頼もう――酒蔵の乙女よ」
呼び出した霊に『灰想繰切』アーマデル・アル・アマル(p3p008599)が先行を命じる。
「……問題なさそうだ」
ほどなく戻ってきた霊は大丈夫そうだと伝える。そして彼女なりの『対価』を受け取った。
「私、いけますよー?」
「ああ、リーティア殿を信用してない訳じゃない、これは契約による仕事の斡旋だからな」
「ははー、なるほど!」
もう一人(?)の『おばけ』、リーティアがのんびりとした様子で頷いた。
どこからどうみても亜竜種だが、思念体のような状態だ。
「ここ木の根があるから気をつけよう」
そう言って飛び越えた『魔法騎士』セララ(p3p000273)は思う。
リーティアがあまりに『金嶺竜』アウラスカルト(p3n000256)に似ていると。
そう考えているのはパーティーの一人や二人ではない。多くが同感だった。
そもそもこのリーティアとは何者なのだろうか。
単純な可能性を考えるとして。『騎士の矜持』ベネディクト=レベンディス=マナガルム(p3p008160)は仮定する。リーティアは亜竜種(ドラコニア)の魔術師であり、なんらかの事情――おそらく子供に関するものによって、この危険な森に踏み入る必要があった。そしてなんらかの偶然から、アウラスカルトは人型を取る際のモデルをリーティアかその血縁者に定めた。故に似ている。
(――いや、しかしな)
では他の仮定はどうだろう。
そもそも天帝種(バシレウス)は竜の中でも『特別な竜種の血脈』であり伝承なども多い。しかし少なくとも見聞きした伝承の中にリーティアという竜は存在しなかった。だからなんらかの事情によりアウラスカルトに似た姿を取る全くの別人であるという仮定も成り立つ。
ならば目的は何か。既にあるいくらかの報告書を読む限り、ここ帰らずの森ピュニシオンに出現する竜や魔種などはイレギュラーズを寄せ付けぬように振る舞っていると思える。
一方でリーティアは『偵察します』などと言って、協力的な姿勢を見せている。つまり態度は真逆だ。
仮に巧妙な罠であるとしても、とてもではないがそんな悪人には見えない。
(……)
首を捻るのは影の妖馬――デュースに乗る『無鋒剣を掲げて』リースヒース(p3p009207)も同様だ。
この辺りは、死者の霊が比較的多い。
あまり意味のある意思ではなく、どこか儚い絶望のようなものを感じる。
リースヒースはアーマデルと共に、手短に鎮めながら進んでいった。
それにしても、なぜリーティアなる婦人は肉体でなく霊のような姿で現われたのだろう。
友好的な存在である以上は肉体に帰還してもらう意味はないが、ともかく「おばけのようなもの」である理由自体はありそうだ。
なにはともあれ徐々に情報を聞き出し、整理していくしかないだろう。
まずは友好的に接していきたい。
「森で遭った初めての相手として、友人になってはくれないか」
「えっ、それはもう、もちろんですよ!」
なるほど、快諾か。
それはさておき。
この危険な森の調査が今回の仕事なのだ。そちらに注力せねばなるまい。
なんだか初めて深緑の迷宮森林へ足を踏み入れた日の事も思い出す。
「奇襲するリトルワームはともかく、多数で群れなすウィングコロニーには不用意に近付きたくはないな」
「同感っス。しかしダンジョン探索みたいっスね」
ベネディクトに答えた『合理的じゃない』佐藤 美咲(p3p009818)は、少しテンションが高い。
無辜なる混沌――彼女の故郷からすればゲームめいたこの世界に召喚されてから、もっとも『RPGっぽい』と感じるのが、ここ覇竜領域だった。彼女にとっては、果ての迷宮よりもよほど。
「同じようでいて違うようで、これは骨が折れそうだ」
嘆息アーマデル達は、かつて練達のR.O.Oにてこの場所へ足を踏み入れている。
あの時には死屍累々だったものだが、果たして――
「精霊の気配を感じるな、木の間から水が流れている」
アーマデルが仲間を制止し、先を伺う。
しばらく行くと濁流になっており、これは迂回したほうが良さそうだ。
おそらく先にある泉を水源としているのだろう。
「このまま動画を残して行くね」
こちらは小さなリスのファミリアーを走らせつつ、『炎の御子』炎堂 焔(p3p004727)は、片手に構えたレトロなビデオカメラを回している。
「このぬかるみは注意ですよー」
「その、そっちに回り込めないか見てみます」
ブランシュに頷き、僅かにふわりと浮きながら進む『ちいさな決意』メイメイ・ルー(p3p004460)は呼び出したファミリアーの小さな鳥を木々の枝伝いに進ませる。
「こっちなら行けそうです」
「すまない、関所守などと言っておきながら、この辺りは分からないんだ」
「全くもう、そんなことはいいのに」
申し訳なさげに振り返った案内人――スフェーンに、『キールで乾杯』アーリア・スピリッツ(p3p004400)が微笑みかけた。
「スフェーンちゃんったら他人行儀にお願いだなんて。友の友人――ううん、家族なら助けに行かなきゃ」
「ありがとう、助かる」
「……ところでこれを機にすーちゃん、って呼んでいい?」
「す、すー……!?」
「その方が呼びやすいの」
「べ、べつに構わないが。な、なら。アー……」
「ふふふ、なあに?」
「アーちゃ……アーリア」
「それじゃ何時もと同じじゃない?」
いたずらげに微笑んだアーリアに、スフェーンが照れくさそうに笑い返した。
さばさばとして見えるスフェーンだが、少し踏み込むとどこか人見知りな所が出てくる。
アーリアとの交流そのものを、スフェーンが好ましいと思っているのは間違いないと思えるのだが。やはり里での『役割』から、交流を避けられがちな点から、人慣れしていないのだろう。
けれどアーリアにとって「そんなの知らない」で問題ない。
まあ、今度酒の席で呼ばせてやろう。
この温かな交流がいつまでも続くようにと願って。
●
森を進み出し、かれこれ小一時間ほどになるだろうか。
「これでどうでしょう? アーリアさんは?」
「私のもメイメイちゃんとおんなじよ、セララちゃんはどーお?」
「みんな一致してるね、大丈夫だとおもう!」
各々のマップを覗き込んみ、頷き合う。
こうして一行はマップを取り、時に照らし合わせながら慎重に進んでいた。
戦闘を避ける方針で行軍する一行の準備は十分に功を奏している。
しかしどうしても避けがたいのが蛇のような亜竜――リトルワームだった。
なにしろ数が多いのだ。それにやはり他地域の魔物と比較して遙かに歯ごたえがある。
「透視してみたけど、こっちだと一匹、あっちだと二匹みたい」
セララが道を見比べる。
「……ワームなのか蛇なのか亜竜なのかはっきりして欲しい」
いくらかの交戦の後に、蛇銃剣で亜竜を斬り捨てたアーマデルが真顔で述べた。
たしかにな!
ともあれ一行の実力は高く、これまで怪我を負ったものは居ない。
奇襲も避けられている上に、全てすぐに片を付けられていた。
戦闘の発生自体が、単に『どうしてもそこを通らねばならない』といった場合に限られているからだ。
「しかし知性ある魂が居れば良いが、やはり動物霊ばかりだな」
リースヒースがこめかみに親指をあてる。
「あまり交戦して森自体を穢したくはないのだが」
「やはりここまで来ると死者そのものがほとんど居ないということか」
アーマデルも続ける。入り口近くには多かったが、森の奥深くまで進んできたということだろう。
「あっ! この先は植生が変わっているのだわ」
華蓮が木の根元に生えている花を指さす。
つまり別の亜竜が生息している可能性が高いと説明を続ける。
「ウィングコロニーの生息地かな?」
「なるほど、この巨大な木の根を登ればこちらには早く着きそうだが、しかし巣があると」
「そんな気がしますね、避けたほうが良さそうです」
焔の言葉にベネディクトが地図を指差し、ブランシュが結論付けた。
「高さがあるなら偵察は危険か」
「あ、あの、その。生霊的なリーティアさんはもし何かこう――」
「そうですねっ! はい!」
「これは危険よ的なものを知っていたら教えてくれると助かるような――ひぃ!」
「では見てきますねー」
「リーティアは随分器用な事が出来る様だが、それは得意分野の魔法か何かなのか?」
「はい! 私、魔法が得意なんです!」
ベネディクトの問いにリーティアは胸を張る。やはり高度な魔術を行使するということか。
そんな点までアウラスカルトと共通するか。しかし先程から、会話の中でちらほらとアウラスカルトの名があがっているというのに、リーティアは無反応だ。
一体なぜだろう。
まだ情報が少なく、考えても詮無いが。
そうこうしているとリーティアが戻ってきた。
「確かに沢山いました! やばいですね!」
「スフェーン、それにリーティアも協力感謝する。助かるよ」
ベネディクトの言葉通り、一行は二人(?)も加え、適宜役割を分担していた。
「たいした事は出来ていないが、むしろ同行させてもらっている身だ。こちらこそだな」
「いえいえーお構いなくー、ふふ」
やはり事前調査で比較的安全と思われるルートを選択出来たのも大きいのだろう。
「あとでケーヤにも礼を伝えねばな」
里で待っているであろう影の功労者にもしっかりと感謝したい。
しかしケーヤは件のアウラスカルトの知人――ケーヤの基準では友人――らしい。
「スフェーンさまと、ケーヤさまのそれぞれのお友達の方と。
リーティアさまのお子さま……手がかり、あると良いです、ね」
「助かるよ」
「そういって頂けると嬉しいですっ! ぶい!」
メイメイの言葉にスフェーンとリーティアが礼を述べる。
「そういえば、その。リーティアさん」
「はい、なんでしょう?」
「ここでわたしたち以外に、『ひと』の姿をした存在を見かけませんでした、か?」
「うーん、それは見ていないですねー」
残念だが、スフェーンの友人については手がかりはなしか。
「ともかく次にアウラスカルトに会えた時は、ケーヤが話したがっていたと伝えよう」
「そうだね」
ベネディクトにセララが頷いた。
アウラスカルトが覇竜領域から去った前後に、きちんと話は出来ていないのだろう。
出来ればきちんと話をさせてやりたいと思う。
「アウラスカルトといえば、彼女は今頃何してんでしょうね」
ブランシュが呟き、一行が頷いた。
気になる所だ。
直近で観測されたのは昨年末の浮遊島アーカーシュだが、その前は遠く海洋はシレンツィオと来ている。
普段どこに居るのかはよく分からない。アウラスカルト自体は現在はイレギュラーズにとって友好的な存在だが、そうでない他の竜も同じように潜んでいると思うと、危険は感じざるを得ない。
●
「そろそろ最終ポイントの泉が近付いてますよ」
「また植生が変わってきているのだわ」
ブランシュが一行を振り返り、華蓮が続ける。
そろそろグランハイドラなる大型の亜竜が生息しているとされる地域だ。
一行には充分な余力があり、その場合は交戦したいと考えていた。
安全を確保すればさらに森の奥へ進むルートが構築出来るはずだからだ。
「……ああ」
アーマデルはR.O.Oの出来事を思い出す。
あのときは何度も死んだ気がする。
「時に御身は、グランハイドラという亜竜をご存じだろうか?」
「グラン……あー、たぶん、はい。ちっちゃ……じゃない。ちょっとおっきめのですよね」
「戦うとすれば、それは森にとって悪いことだろうか?」
「うん、ボクもその辺が気になる」
リースヒースとセララが問う。
「んーー、皆さんが安全を確保したいってことですよね、全然大丈夫だと思いますよ!」
それを聞いて安心する。
「がぶー! ばりばりー! びびびーって、ってやっちゃいましょう!」
なんだか表現は気になるが、それはさておき。
大型亜竜の一体や二体、自然のサイクルの中では誤差だという、リーティアなりの見解は貰った。
一行は巨大な木の根に身を潜め、慎重に近付いていった。
そこには清涼な泉があり、双頭の巨大な亜竜が水を飲んでいる。
「後ろは任せてもらおう」
「ならば奇襲する」
リースヒースに頷いたアーマデルは闇の帳に身を潜め、呪術回路から魔弾の楽奏を奏でる。
地響きと共に咆哮が響き渡る。
「いくよー! んぐっ!」
セララは弾状に連なるドーナツを飲み込み、セラフのカードをインストールする。
「ギガ! セララ!」
舞い上がったセララは全力全壊――そして聖剣に雷撃を纏った。
「ミニマムブレイク! クロススラスト!」
巨木の幹を蹴り、枝の合間から肘を浅く引き、一気に二度突く。
煌めく軌跡が駆け抜け、聖剣がハイドラの巨体に十字を穿つ。
――エルフレームシステム リミット 強制解除
ブランシュが禍の凶き爪の如く、巨大なメイスを一気に振り抜いた。
さしものハイドラも、その一撃に転倒する。
突風が吹き付け、地響きと共に木がめりめりと割れた。
転んだままのハイドラが、怒りに満ちた形相で、双頭をもたげる。
泉に現われた一行に、リトルワームの数体も姿を現し虎視眈々と狙い始める。
ハイドラの口腔に光が溢れ、炎がこぼれおちはじめた。
灼熱が泉を泡立たせ――
「そんなこと、させてなんてあげないんだから」
アーリアの放つ混沌の波動が、ハイドラの巨体もろともリトルワームもを絡め取り、ハイドラはイレギュラーズへ向けて吹きだそうとした炎を、ただただ泉にぶちまける。
「す、すこしこわいですが。こういうのも、その、調べないとですもの、ね」
不安げな様子のメイメイだったが、放つ四象の術式は災厄を刻み――
イレギュラーズが猛攻を開始してから一分ほどが経過した。
「これならば問題はなかろう」
儀礼剣をかざしたリースヒースが蝶を解き放つ。
その羽音は生命への賛歌であり――温かな力がイレギュラーズに灯った。
ハイドラの破壊力のみならばさすがにたいしたものではある。
しかし次々に叩き込まれる後衛陣の妨害に、ハイドラの動きは如実に鈍っていった。
しばしの交戦で幾度かの打撃を受けた一行だったが、たちまちに傷は癒えている。
「十秒間でこれは――骨が折れまスね!」
美咲は銃でリトルワームを撃つと、そのまま転げるように第二撃、そしてハイドラを殴りつける。
「こんなの全然へっちゃらだよ!」
焔が後方へ跳ね、彼女が居た場所へ尾が叩き付けられる。
「どんな相手でも護るのだわ、その為にここへ来たのだから!」
続く鋭い爪の連撃を、華蓮はステップを刻みすべて回避してのける。
続く尾の一撃に、その祝詞――稀久理媛神の加護は華蓮の身を傷つけるに能わず。強烈な反動の衝撃がハイドラを打ち付けた。
「いけるか?」
「ブランシュ、行けます」
ベネディクトの目配せにブランシュが頷いた。
「ならばこのままたたみ込む」
「だったらこうよ」
アーリアが放つ淡い緑の衝撃波に、ハイドラは再びよろけた。
「合わせるよ、紅蓮桜!」
突進するベネディクトの槍が終焉の炎を纏い――乱れ突きが巨体を穿ち続け中、合わせた焔の突きが爆ぜ、紅蓮の花が咲く。そして跳躍したブランシュが叩き込んだメイスの一撃に、ついに巨体が沈んだ。
「お見事です! ぱちぱちぱちー! いえい!」
「いえい! あっ」
「あっ」
リーティアと焔のハイタッチがすかる。
一行が泉を調査したところ、清涼には近いが、やはり野生生物の水飲み場という不衛生はある。
しかし目立つ目印であることと、森の奥へ進む近道にはなろうと結論付けることが出来た。
深緑の迷宮森林めいたこの迷いやすい森で、ある種のランドマークにはなり得るだろう。
それから一行は先程とは多少違った道順で引き返すことに決める。
帰路の時間もあるし、そのあたりで成果としては充分だからだ。
●
洞穴のようになっている木の根元をくぐり抜けて行くと、鱗を生やしたイタチのような、奇妙な生き物が逃げるように駆けていった。あれも小型の亜竜だろうか。
焔が疎通を試みると、返答はどこか抜けた「うわあー」といった雰囲気だった。うわあて。
華蓮は、ああいった脅威とは思えない生物も、この過酷を生き抜いているのかと感心する。
再び森へ出れば、そこは狭い空間のようになっていた。
辺りを伺うと、他にも似たような小さな動物の姿が見える。
だがそんな生き物が居るということは――
「あの生き物の習性的に、ここならけっこう安全そうなのだわよ!」
おそらく非常に狭いため、大型のものが多い亜竜から隠れやすいのだろう。
「では、そろそろ休憩にしましょうか」
「無茶しすぎは良くないスもんねー」
ブランシュと美咲が提案し、一行は賛同した。
美咲は思い出す。
なにせ遭難しようものなら――
――いいか佐藤、サバイバルではタンパク質の不足が問題となる。
食べやすいものは事前に覚えておけ。おすすめなのは――
(タンパク質……う……)
報告書から食事シーンを削ることになってしまう。
何はともあれ、かれこれ五時間は歩いているから、『安全地帯』が確保出来たのは嬉しい。
――そんな時だった。
「あのー……」
「……?」
「そのずっと持ってらっしゃるそれ。それって、なんですか?」
リーティアは焔が持つビデオカメラを指さした。
「これはビデオカメラ! 映像が残せるんだよ!」
「え、すごいですね! これも残るんですか? ぴーすぴーす!」
「おばけ……って、映像残るのかな?」
「それはー……どうでしょう、私おばけですもんね。あ、でも生きてはいますよ!」
「生きてるなら安心安全だね! いえーい!」
「いえい!」
早くも焔のほうは、打ち解けているようだ。なんだかノリが近い気がする。
(や、やっぱりまたおばけって言いましたよね)
「お、おばけ……竜種の住む森、は、不思議なことが沢山、です……」
「――ひぃ!」
おばけという単語にブランシュが後ずさり、メイメイが首を傾げ、アーリアが硬直した。
ブランシュは、非科学的現象を信じたりはしない。だが怖いものは怖いのだ。オバケ、コワイ。
「安心安全です、ぴーす」
「ととととにかく仲良くしましょう」
「はい、もちろん! いえーい!」
「所でリーティア殿の探す子供とは、どんな子なのだろうか?」
教えて欲しいとアーマデルが尋ねる。知らねば気付いても分からないのだから。
「ええ、私も気になるわ」
ようやく慣れてきたアーリアも続ける。
やはり友人の伝手でトレーニングに来てくれた竜種の子に似ているような――いや、まさか。
「それが、実はこの目で見たことはないんです……」
「見たことがないというと?」
「あー……えっとえっと。卵から孵ったあとのことは、知らないという意味ですね」
リースヒースの問いにリーティアが答えた。
「そもそも、リーティアは結局何者なんだ? 差支えが無いなら教えてくれないか」
「あー、うーん。そうですねー。差し支えはないんですが、信じてもらえないかなーって」
「たとえば、どういうことだろう?」
ベネディクトが問う。
「今からすごく変なことを言います。あやしいとか思わないでくださいね?」
いや、すでに十二分に怪しいが。
「もし、もしもですよ?」
「……」
「天帝種(バシレウス)の竜で、六竜……あっ、今は五竜かもしれませんが」
「……」
ブランシュと華蓮が目線を合わせた。
「リーティアというのは人に紛れるときの名前で、実は『光暁竜』パラスラディエって言ったら」
「――っえ!?」
スフェーンが目を丸くし、イレギュラーズは全員が顔を見合わせた。
「そんなこと、皆さん、絶対に信じませんよね?」
●
僅か数秒ほどの沈黙が流れた。
リーティアは「ほらほら!」「ですよねー!」などと手をばたばた始める。
「それって私には信じる理由があるのだわ」
「華蓮さんの言う通り、ブランシュもそう考えますよ」
「えっ!?」
「……ね、リーティアさん」
「はい」
「私達が貴女の子の居場所を知っているとしたらどうする?」
「えっ、願ってもみません!?」
アーリアが話を切り出すと、リーティアは食い気味に迫ってきた。
恐怖心がないわけではないけれど、アーリアは真摯に言葉を続ける。
「えっと、冗談ですよね?」
「いいえ。貴女は、アウラスカルトちゃんの母――竜種、なのでしょう?
私は、竜種は恐ろしいけど――手を取りたいとも思っているの」
「え、はい、あの。嬉しい、ですが、えっ!?」
「えっと。ボクの友達にドラゴンのアウラスカルトって子がいるんだけど」
気を動転させた様子のリーティアに、セララが説明する。
天帝種の竜で、金髪にあの角。
姿が似ており、アウラスカルトという名であると。
「ボク達は友達なんだ」
「まさか、竜と人とが、ですか!?」
「うん!」
それに「リーティアとも友達になりたい」と続けた。
「アウラスカルト……ああ、リーティア氏って入管ロリドラゴンの関係者スか!」
美咲が思わず手を打ち合わせた。
入島審査ひっかかりドラゴンなんて他に居るまい。
それにしても親子揃って年上なのに、ずいぶんと若く見えるものだ。
「あーっ!」
焔が立ち上がる。母娘であまりにテンションが違うから気付かなかったが、確かに良く似ていた。
「アーカーシュでも会ったことがあるよ」
「アーカーシュ」
「精霊都市レビカナンていうと分かったりするかな?」
「あー、レビカナン。まだあるのですね」
「確かに御身によく似ている。私も外の祭等で見かけたが、自身の意志できたと聞き及んでいる」
しかし正真正銘の古竜か。
アウラスカルトは二百五十歳ほどと聞くが、自身は老竜を名乗っている。
だが天帝種所以の力と、当人のプライドに拠るものであり、この分だと実際は若輩ということだろうか。
「私、会ったことあるので、写真みせまスよ。この娘で合ってますか?」
リースヒースの言葉に頷いた美咲が写真を見せると、リーティアは目を見開いた。
そして慌てた様子で手を伸ばし、指が何度も空を切る。
だから美咲は見やすいように裏返して突き出した。
「……きっと、間違いありません」
リーティアは唇を震わせ、優しげな表情のまま瞳を潤ませた。
「そうですか……娘なのですね。そしてアウラスカルトと呼ばれているのですね」
それから一行を振り返る。
「えー、こんな背がちっちゃい……そんなに似てますー?」
いや似てる似てる。
しかしなるほど、ベネディクトは得心いった表情で腕を組んだ。
三百年近く前――ちょうどアウラスカルトが卵の間に姿を消したとされる先代六竜の一体『光暁竜』パラスラディエの子が、アウラスカルトだったのだろう。
会いたいという理由は、リーティアの表情を見れば一目瞭然と言える。
紛れもない『母の顔』だからだ。
ただ一目会いたいという一心なのだろう。
「んにしても、仮に竜種ならなんでわざわざ霊体なんスか?」
美咲が問う。強力無比な竜ならば実体のほうが便利そうではないか。
「……それは、えーっと、色々と」
答えづらいのだろうか。
「では、その。リーティアさまはどちらから、いらしたのです、か?」
「……」
「本当のお身体は、ずっと遠くにいらっしゃるのかな……そちらはご無事、なのですよね?」
「…………」
メイメイは少し心配している。
こうする理由が何かあったのではないかと思えてならない。
「すみません、お答えしづらい話だったかもです」
「そんなことないですよ! 大丈夫、大丈夫ー! あ、これは! うれし涙ですっ! いえい!」
目元を拭ったリーティアが微笑んだ。
「それより、アウラスカルトはどんな子なんでしょう!? 会えたりしますか!?」
やはり気になるのはそこだろう。
しかし自身の事については、『はぐらかした』かとベネディクトは感じた。
それから一行は和気藹々と一時間ほど話し込んだ。
「これ食べてやりましょうか」
美咲が謎肉のハンバーグを作っていた。
森を荒らす気はなかったのだが、殺してしまったものは勿体ないという理屈だ。
軟骨を混ぜ、小さめにして串に刺してじっくり焼く。
「あ、それ美味しそうですね。いいなあ」
食べたい者は食べる感じで、火を囲みながら談笑する。
淡泊だがなかなかに美味しく、一人また一人と手を伸ばしていく。
味は鶏つくねにそっくりだった。
リーティアはごく最近目覚めたらしく、かれこれ三百年近くの出来事を知らない様子だった。
だからセララは何冊もの漫画を使って解説してみせた。
大量召喚のこと、世界各地での冠位との戦いのこと。
「ついに世界が、滅びに抗おうとしているのですね……」
リーティアが一番驚いていたのは、リヴァイアサンを鎮めたことだった。
「まさに特異運命座標ということですね、皆さんに出会うことが出来て本当に幸運です」
そして僅かな緊張が走ったのは練達を襲撃した際の事件のことだ。
一行はあまり話したがらなかったが、リーティアがどうしても聞きたがったのだ。
だがリーティアは割とあっけらかんとしており、やはり彼女が竜であることを思い知らされる。
他には時間の尺度や価値観などがだいぶ異なっていると感じることも多い。
食いつきがよかったのは先程の焔のビデオや美咲の写真、あとはセララの漫画だった。
特にアウラスカルトのものについては何度も見返し、「うわあ可愛いですねえ」とか「わー生意気そう」などと、始終嬉しそうに眺めているようだ。
いっそ渡してやれないのが残念とすら思える。
「それ漫画って言うんですね、いいですね! 記念とかにもなりそうですし!」
「そうだよ! ねえ、もしいつか本体? と会ったら渡せるかな?」
「……」
「……?」
「……はい! よろしくおねがいします!」
なぜ一瞬、黙り込んだのだろう。
「あ、そうだ!」
それはともかく。
「伝えたい事もあるだろうし、アウラちゃんにお手紙を書いてみない? ボクが代筆しても良いよ」
「それは是非! お願いします!」
それから手紙をしたためた一行は、そろそろ帰路につく時間となっていた。
「私はここでいったんお別れとなりまーす!」
「えへへ、お世話になりました。リーティアさまにまたお会い出来たら嬉しいです」
「はい、こちらこそ手紙までありがとうございます。また是非!」
「いっぱいおしゃべり、いつか安全な場所で生身で会えた時にでもしようね!」
「……えっ。あっ、はい。もちろんそうしたいのは山々です!」
「じゃあ約束のゆびきり!」
――は、すり抜けるから上手くは出来なかったけれど。
焔とリーティアは無理矢理わちゃわちゃと小指を重ねて振り合った。
針の所は『槍』だったけれど。
リーティアと分かれた一行は、地図を確認しながら里へと帰還した。
「……」
「必ず見つけてみせるわ。だからまた呼んで。ね」
「頼ってばかりだな、アタシは」
「いいのよ、そんなこと。そんなに言うなら奢ってもらっちゃうんだから」
「分かった、じゃあそういうことで! アー……アーリア!」
「んもう、どっちだっていいわよ」
友人の手がかりがなく、少し寂しげな様子のスフェーンだったがアーリアは約束する。
さてアウラスカルトをどうやって探そうかと考えていた時のことだった。
ベネディクト達は、すぐさまケーヤへ礼を述べに行こうと探したが――
胸が焦燥感に苛まれる。
今日という日への、その影なる功労への、感謝さえ伝えられていないというのに。
――ケーヤの姿が、どこにも見当たらなかったのである。
成否
成功
MVP
状態異常
なし
あとがき
依頼お疲れ様でした。
うーん、なんという戦力の安定感。
割とそこそこ危険な森だったはずなんですけど。
MVPは……
理由はそのうち分かるかもしれません。
それではまた皆さんとのご縁を願って、pipiでした。
GMコメント
pipiです。
ピュニシオンの森を探索しましょう。
●目的
ピュニシオンの森のマッピング。
一定の範囲を探索しましょう。
●フィールド
鬱蒼とした巨大な森の一角です。
イレギュラーズは一度R.O.Oで進軍したことがありますが、かなりのデスカウントを稼いだ場所です。
方向感覚を迷わせるような、代わり映えのない風景。強力なモンスター。
生い茂った草木は名もしらぬようなものが多い、前人未踏の地です。
非常に危険です。
木の根などで足場は悪く、暗く鬱蒼としています。
どこにどんなモンスターが潜んでいるとも知れません。
様々な地形を想定し、慎重に索敵しながら調査して下さい。
道中、おそらく清涼な泉に出くわすと思われるのですが、泉は生命を育む場でもあります。
強力なモンスターの縄張りかもしれません。
●エネミー
積極的に排除するか、それともどうにかやり過ごすことを狙うか。
皆さんにお任せします。
『亜竜』グランハイドラ×1
頭を二つ持つ、十五メートルほどの、翼のない大きな亜竜です。
強烈な火を吹く他、強力な双爪や尾による連続攻撃を仕掛けてきます。
パワフルで比較的鈍重です。
泉に生息しています。
『亜竜』ピュニシオンリトルワーム×??
硬い鱗と鋭い牙を持つ、三メートルほどの、翼のない亜竜です。
蛇のように木などに巻き付いており、獲物を奇襲する習性があります。
強力な牙や尾による連続攻撃を仕掛けてきます。
単体で行動しますが、森の中に多数生息しています。
『亜竜』ウィングコロニー×??
鋭い牙と爪、大きな翼を持つ、二メートルほどの細身の亜竜です。
多数が同じ場所で活動する習性があり、連携して獲物を狙うのが厄介です。
鱗などは硬いといえば硬いのですが、比較的俊敏なタイプです。
●NPC
・舜・恵耶(ケーヤ)
フリアノンに住む、亜竜種の博識な少女です。
アウラスカルトには何か強い思いをもっているようです。
皆さんのために古い文献を引っ張り出して情報をくれました。
・志・思華(スフェーン)
森に消えた友人を探しているようです。
修行に明け暮れているため、なかなか強いです。
・リーティア(?)
おばけを名乗る、謎の女性です。
快活で明るく、社交的でおしゃべりです。
思念体のような状態で、互いに触れることは出来ません。
なぜか非常に好意的と思われ、偵察役を買って出たいと申し出ています。
子供を探していると言う話です。
また容姿は六竜が一体『金嶺竜』アウラスカルト(p3n000256)を思い起こさせます。
一体何者で、ママラス何なのか!?
●Danger!
当シナリオにはパンドラ残量に拠らない死亡判定が有り得ます。
予めご了承の上、参加するようにお願いいたします。
●情報精度
このシナリオの情報精度はDです。
多くの情報は断片的であるか、あてにならないものです。
不測の事態に備えて下さい。
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