PandoraPartyProject

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『霊喰晶竜』クリスタラード

 あるところにドラゴンがいました。
 将星種『レグルス』級のドラゴンの彼は、名前をバシリウスといいます。
 彼は、ピシュニオンの森から内側だけが自分の世界でした。
 強い亜竜は沢山いましたが、彼と遊んでくれる存在は皆、彼の暴力の前には壊れてしまうものばかりでした。
 一緒に遊んで(戦って)くれる相手は、どんどんいなくなっていきました。
 彼は強い強いドラゴンであるだけに、ひとりぼっちだったのです。
 そんな彼のもとに、ある人々がやってきました。
 ローレット・イレギュラーズと呼ばれた彼らは、バシリウスが殴っても、蹴っても、思い切り振り回しても壊れませんでした。
 そんな人間は初めてでした。
 彼はとってもとっても、うれしくなりました。
 もっともっと、人間を知りたくなりました。
 近づいて話してみれば、人間はいろんなことを知っていました。
 音楽や、ダンスや、ボードゲームやカードゲーム、小さくておいしい食べ物。
 暴力しか遊び方をしらなかった彼に、新しい世界を開いてくれました。
 そして教わったのです、これが『友達』というものだということを。
「すごい、すごい! 僕にも『友達』ができたんだ! パパとママに教えてあげよ! クリスタラード様にもご報告しなくっちゃ!」
 スキップしながらの帰り道。
 報告のために訪れた広大な巣穴の奥で。

 パパとママがクリスタルに囚われ、衰弱していました。

「…………え?」
 レグルス級のドラゴンであるバシリウスのパパとママは、どういうわけか亜竜のワイバーンです。クリスタラード様がこの二人がパパとママだと言って会わせてくれて、自分のお世話をしてくれた、立派な立派なパパとママでした。
 ご飯を沢山とってきてくれたパパも、巣穴をいつも守ってくれたママも、今は青い顔をして七色のクリスタルの中に閉じ込められています。
 クリスタルの中心には、焼いた亜竜の肉を喰らうクリスタラード様がいました。
「おう、帰ったか。バシリウスよお」
 手に肉を持ったまま立ち上がって、ゆっくりと歩いてきます。
 まるで巨大な壁が迫るような圧力に思わず後退しそうになって、その時初めてからだががちがちに硬直していると気付きました。それが恐怖ゆえだと、直感できました。
「『お友達』、だあ? センスねえこと言ってんじゃねえよ。クソゴミ人間どもと俺ら竜種(ドラゴン)が対等なわけねえだろうが。あ?」
 動けないバシリウスの肩を、がしりとクリスタラードは掴みました。
 クリスタラードは六竜と呼ばれる天帝種『バシレウス』級の存在です。圧倒的な暴力と、圧倒的な破壊力がクリスタラードにはあるのです。たとえドラゴンといえど、逆らうことができないほどの。
 めきめきとバシリウスの肩に手が食い込み、痛みにうめき声をあげるのを無視してクリスタラードは歯を見せて、笑顔を作りました。
 両目を見開いた、まるで威圧のような笑顔でした。
「テメェは利用されてんだよ。テメェを倒せねえからって友達ヅラしてよお、守護領域を越えようとしてるだけなんだよ。そんなこともわかんねえんだなあ、テメェは。仕方ねえなあ」
 びきびきと音をたてて、クリスタルがバシリウスを覆い始めます。
「や、やめて、クリスタラードさま」
「テメェはそのお友達ごっこでこの俺様を裏切った。テメェはもういらねえ。あのパパとママ『もどき』と一緒に、俺様の餌になってろ」
 ※覇竜にて動きがあるようです――


 ※幻想と海洋に降りて来ていた帳の調査報告が続々と行なわれているようです――
 ※天義騎士団が『黒衣』を纏い、神の代理人として活動を開始するようです――!
 (特設ページ内で騎士団制服が公開されました。イレギュラーズも『黒衣』を着用してみましょう!)


『双竜宝冠』事件が望まない形の進展を見せたようです。
 各地でアベルト派、パトリス派、フェリクス派が武力衝突を開始し、市中にも被害が出ているようです……


※豊穣長編:『<仏魔殿領域・常世穢国>』の事件が解決しました――
※ROO長編:※R.O.Oのエラー領域『ORphan』での事件が終結しました。
 境界図書館から行なう異界渡航の準備を始めたようです――

これまでの覇竜編ラサ(紅血晶)編シビュラの託宣(天義編)

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