PandoraPartyProject

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Jabberwock

Jabberwock

 罅割れる音がした。
 天を覆うセフィロトドーム。中央統制システムマザーの存在により快適さを追求した旅人達の都市国家を覆ったのは黒き影であった。
 曇天の雲よりも尚、黒々とした色彩を落とす其れは巨大なる飛龍の形をしている。
 キュウ、と高く鳴き声を響かせたワイバーン達さえも小型に思えるほどの強大さ。
 天を見上げた者は、誰もが息を呑んだ。その脳裏にはくっきりと死という捉えようのない気配が過る。

「来たか……!」
 叫んだのは『実践の塔』佐伯操であった。その声を聞き、『探求の塔』カスパールは直ぐ様に後方を振り返る。
「どうなさいますか、『マザー』!」
 モニターへと釘付けになっていた『想像の塔』Dr.マッドハッターは「ついに、彼が……」と呟いた。
 それ以上の言葉は出る事は無い。彼ら三人はこの都市国家の『大いなる母』の言葉を待つだけだ。

「――至急、イレギュラーズを集めて下さい」

 彼女の声音にはシステムらしからぬ焦燥が乗せられていた。
 消耗した彼女の代わりに兄のクリストが協力者となるが、其れだけで容易に勝利を確信できる存在ではあるまい。

 識別名:Jabberwock――

 通称を『怪竜』と呼ぶ其れは無数の竜とワイバーンを伴って此の地までやってきた。
 隣接している覇竜領域を思えば、それが観測されたことは可笑しくはない。
 謎だらけの混沌で物語の生き物が実在しただけに他ならぬのだ。
 現にセフィロトはその圧倒的な科学力でジャバーウォックを観測し続け、R.O.Oでは覇竜領域の再現まで行って見せた。
 個体だけでも上位存在と呼ぶべき其れをクラリスが警戒し続けたのには何も竜種であるからというだけではない。
 それは『冠位魔種』らしき気配を伴っていた。
 その男が知性を有した竜に「ベルゼー」と呼ばれた事も、その気配が冠位魔種相応であったことも。
 セフィロトは観測し、データとして全てを記録してあった。

 其れだけ注意深く観測し続けた相手だ。
 その観測情報がロストしたのは『Project:IDEA』――通称をR.O.Oと呼んだ問題の余波でのこと。
 再度観測出来た時にはもう遅い。
 ジャバーウォックはセフィロトに向かって真っ直ぐに向かってきている。
 意思を持っての行動である。
 知性ある竜は何らかの目的を――否、その様な推測で語らずとも一つしか理由はあるまい――この国を破壊するべく飛来した。

 『怪竜』ジャバーウォック。
 そして、連なるは『蒼穹なる』メテオスラークを始めとした竜種達。
 『薄明竜』クワルバルツ
 『白翼竜』フェザークレス
 『金嶺竜』アウラスカルト
 『霊喰晶竜』クリスタラード
 『地竜』ザビアボロス。
 其れ等に引き連れられるように暴力的に、破滅的にこの国を蹂躙せんとするのは無数のワイバーンであった。
『実践』の塔主、佐伯 操は希望ヶ浜地区での応戦を。
『想像』の塔主、Dr.マッドハッターは最前線での補佐を。
『探求』の塔主、カスパール・グシュナサフは中央統制システムへの殿を。

 R.O.Oの時とは異なる外部的要因。
 だが、これを見過ごせばこの国は一面の焦土に化すことだろう――

ジャバウォックを陣頭に竜種と亜竜の軍勢が練達へと襲撃しました!
 ローレットに大規模依頼が舞い込んでいます!
LIMITED QUEST『The Hunting of the Snark』が開放中です!

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