PandoraPartyProject

シナリオ詳細

Tower of Shupell

完了

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

一条 夢心地のヤぴによる4人トップピンナップ
マルベート・トゥールーズのヤぴによる4人トップピンナップ

●『神』への挑戦
「まぁ、簡単な依頼にはならないよ」
 ローレットに集められた多数のイレギュラーズを前にした時、『蒼剣』レオン・ドナーツ・バルトロメイ(p3n000002)は何時もより幾ばくか真剣な調子でそう言った。
「オマエ達に頼みたいのは或る『塔』の攻略だ。
 どれ位訳知りかは知らないが――その顔を見る限りじゃ何人かは聞いてるな?
 そう、御存知の通りだ。オマエ達が挑むのは混沌の歴史の根源、創世、御伽噺そのものだよ」
 Tower of Shupell――
 それは『スターテクノクラート』の異名を持つシュペル・M・ウィリーの拠点である。
 練達の首都であり、練達そのものでもある『セフィロト』からそう遠くなく。天を突き、聳える塔が持ち主の性格と等しく傍若無人に存在しているのは混沌の住民には知られた話だった。
 同時に彼は禁忌であり、常に世界の治外法権でもあった。
 混沌は彼の存在に干渉しない。同時に彼が何をしようとも干渉『出来ない』。過去にはならず者や有力な軍隊が塔に攻め寄せたという記録が残されているが、彼等は例外なく忽然と歴史から姿を消してしまった以上、やはり『塔』はそういう場所でしか無かった。
「間違いなく混沌最高の天才だよ。いや、天才なんて言葉じゃ片がつかない。
 神ならぬ神と言い換えても良い。恐らくアイツに不可能な事なんて死体を生き返らせる事位のもんだから」
 ローレットにとっては特殊な装備を用意してくれる人間、といった印象が強いが、レオンの言葉はそれ以上だった。
 物事を茶化しがちな彼が直接依頼をもってきて、大真面目な顔を崩さないなら言いたい事は知れている。
「……R.O.O――いや、『ネクスト』事件解決の為だよな?」
「ああ。確証はないが、奴ならこんな状況にも手が打てるだろう。
『真相を既に知っているのか、それとも対処が可能なのかは知れないが』。
 何れにせよ、空振りがない事だけは断言出来る。それがシュペルだから」
「……随分信用してるんだな」
「信頼はしてないけどね」
 この切り返しだけは如何にもレオンらしく、肩を竦めた彼は小さく嘆息した。
「問題はそこなんだ。アイツは兎に角変わり者で性格が悪い。
 悪いと言うか……まぁ、何だ。兎に角面倒くさい。
 ……そういや、オマエ達。ネクストでは竜域に挑戦してるんだろう?
 アイツの出方は不明で、今回の『塔』が冗談で済むのか、その竜域より危険なのかすら『分からない』。
 規格外が過ぎるのは碌でもないもんだ」
「……マジかよ」
「大マジ。遊ばれるのか、殺しに来るのかどうかも分からん。
 ついでに言うなら素直に協力を願ってもまず言う事は聞かないし、望む結果は得られないだろう」
「……だろうな」
「それで、必要なのが――」
「――『塔』の攻略、と」
「その通り」
 レオンは頷いて説明を足した。
「アイツは天上天下自分に並ぶ者が無いと確信しているからな。
 まず、話を聞いて貰うには『最低限』聞く価値がある人間だと証明する必要がある。
 ご自慢の『塔』を超えて会いに来れる人間ならまさにお誂え向きって訳だ。
 話が分かり易いだろう? だから、オマエ達には『塔』を攻略して貰う必要があるんだ」
「つまり、これはローレットを挙げての挑戦だ」とレオンは言う。
 曰く総力戦で『誰か』が届けばそれでいい、と。
「成程ね。でも、確かレオンはもう攻略済みなんだろう?」
「なら、アンタが話せば」。そう言いかけたイレギュラーズに苦笑したレオンは首を振った。
「アイツは『塔』を超えた人間の願いを『面白ければ』叶えてくれる。
 だが、それは一回限りのパスポートだ。俺はもう力を借りちまってるからね」

 ――ローレットに協力しろ。混沌の神託をぶっ壊すギルドだ。絶対退屈はさせねぇからよ?

「……ま、そういう訳だ。だから資格が残ってるのはオマエ達だけ。
 ただ、悪い事ばかりじゃねぇぞ。今言った通りだ。
 もしお目通り叶い、願い事がお眼鏡に叶ったなら――条件はキツイが不可能は殆どない。
 素直に叶えてくれるかは別として『そういう事』だ。
 まさに神代の冒険の英雄譚みたいなもんで――頑張りがいがあるってもんだろう?」

●プレイヤーキラー
 幻想北部商都サリュー。
「実に愉快な展開じゃないか!」
 執務室の机に頬杖を突いた上機嫌極まるクリスチアン・バダンデールの地獄耳はこの日、最高に耳寄りな情報を掴んでいた。
 それは言わずと知れたホット・ニュース。
 Tower of Shupell――混沌の『聖域』にローレットが挑む大作戦の話であった。
「上で待つ『神』は万能だと聞く。
 ローレットにつまらない願いを叶えさせるのは退屈だし……
 ここは一噛みしたくはならないかね?」
「誰ぞに頼るのは嫌いでな。そう興味はないが?」
「いいや、嘘だね。それは単なる手段と目的の順序問題だぜ。
 君が君の願いを叶えたなら、闘争は永遠のものになるだろう!?
 君はこの世の混乱の為に、或いはその先に待つ『君の世界』の為に私を手伝っているのだろう?
 なあ、そうだろう。バイセン!」
 何時になく興奮し、熱っぽい雇い主(クリスチアン)に死牡丹梅泉は辟易した。
 言い出したら聞かない男である。子供のように無邪気に残酷極まる行為を『やり切る』男なのだ。
 その好奇心が向く先には大抵碌でもない未来が降りかかる。
「……まぁ、良い。それで何じゃ。主はわしにちょっかいを出せと言う心算か?」
 梅泉とて、毎度顎で使われる趣味はないのだ。
 あのイレギュラーズと一戦交えるのは吝かではなく。
 吝かではないから――何だかんだで『お使い』をさせられているのは否めないのだが。
「いいや、違う」
 だが、この日のクリスチアンの言葉は何時もと少し違っていた。
 こんな時、大抵彼は「任せるから遊んできたまえ。私を楽しませてくれたまえよ」等と言うのだが……
「今回は君にお使いを、じゃない。私も行くからね」
「――ほう?」
 眠たげだった梅泉の目が開く。
 チェスのクイーンのように滅多な事では動かないクリスチアンが重い腰を上げるのは滅多に見れるものではない。
「……じゃが、構わんのか? ローレットに堂々と敵対しても」
「何を言っているんだ、バイセン。敵対なんてとんでもないよ。彼等と遭遇するのは偶然さ。
 彼等が伝説の塔に――神に挑むのと同じように、偶然我々もそうするに過ぎない。
 更に間の悪い事に私達は独自の情報を得ているんだ。
『塔を攻略出来るのは一組だけ』。意味が分かるかい?」
「陰湿な主らしいな」
 梅泉は呆れた調子で溜息を吐いた。
 クリスチアンは出会ったイレギュラーズに例えばこんな風に言うのだろう。

 ――塔を攻略出来るのは一組だけなんだ。だからこの場は我々に譲って貰うよ?
   もし、譲ってもらえないなら……そうだ、ここはフェアに勝負といこう!
   勝っても負けても恨みっこなしで、ね!

 承諾する筈がない。結果として物別れするのだから『やむを得ず排除せざるを得ない』と言いたい訳である。
「そういう訳だから、急いで準備をしよう。
 留守番は……今回は時雨に任せよう。私、君、たては君、それから小雪君。
 チーム・サリューだ。素晴らしい。
 いやあ、私もデスクワークには飽き飽きしていたんだ。
 たまには運動をしないとこの身体も鈍ってしまうというものだからね!」
 相変わらず上機嫌のクリスチアンを半眼で眺め、梅泉は考えた。
(成る程、この男の底は知れない。見極めるも良き機会じゃろう。
 さて、イレギュラーズには災難じゃが、乗り越えてこそ『勇者』といった所か――)

●『神』
 一体何時ぶりの出来事か。
 酔狂の気まぐれと、愚者の蛮勇。
 それを除けば『塔』を望む者等多くはない。
 ましてや本気で攻略を目指す等――天に唾する方が『マシ』であろうというものだ。
「一つ前は『蒼剣』か。その前は『あの女』。その前は――アイオンだっけ?」
 実際問題、混沌の長い歴史の中でも『塔』を踏破した者等、数える程も居ないのだ。
 だが、どうも、ローレットと――オマケが『塔』を目指しているのは本当のようである。
『散発』と違うのはローレットが本腰を上げた以上、『攻略』を重視してくる事は間違いないという点だ。
「ま、経験者(レオン)の考えそうな事ではある。
 ……しかし、まったく。どいつもこいつも俗っぽい。
 小生に謁見しようというのに、実に嘆かわしい限りだな?」
 混沌の全てを見通し、全治を気取る――『スターテクノクラート』は皮肉に口の端を持ち上げていた。
 練達の三塔主から協力を要請されたのは随分前の出来事だが、当然そんなものは一蹴した。
 そうしたら今度はこの通りである。自分の『お気に入り』をてこに話を進めようという事なのだろう。
「……………ま、良いか」
 時間は売ってもなくならない位に余っていて。
 代わり映えしない長閑には些か飽き飽きしていたのは事実である。
 何年振りにか――それも迷い込むレベルではない。
『塔』に挑むに最低限礼儀の整った連中が大挙して押し寄せるなら、これはシュペルにとってもいい娯楽であった。
「……うむ、レオンの所の連中ならこんなものか?
 いや、もう少しか? それともやり過ぎか?」
 彼は空中に生じた青い魔力のコンソールを素早く打鍵する。
 その一打ごとに『塔』の内部は姿を変え続けているのだ。
 元より外から見える姿は仮初のようなもの。
 無限に引き伸ばされ、自由に再構築される内部空間は彼のみに許された至高の幻想そのものである。
『塔の見た目、外から見える高さに意味は無く。実際問題一度足を踏み込めばそこには別の世界そのものが広がっている』。
 シュペルに言わせればシステムを介して『混沌』をコピーしたR.O.O等、玩具に過ぎない。
「良し、一先ずはこれでいい」
 塔を訪れる稀人であるレオンの顔を思い浮かべ、シュペルは作業に『一先ず』ほんの少しの手心を加えた。
 先の保証はしないが、一層から全滅してはいよいよ退屈であるし、何より。
 彼が自分のルールを理解しているのに満足した。お願い事を二回されるのは好きじゃない。
「何人が会いに来る事か――」
 恐らくローレットはレオンの指揮で実に効率的に『攻略』を目指す事だろう。
 それに、ダークホース。『おかしな連中』のお手並みも見物するには愉快だった。
「――尤も、期待はしないがね」

GMコメント

 YAMIDEITEIっす。
 Tower of Shupellのてっぺんでもやしと握手!
 非常に特殊なラリーです。以下を読み込んでご参加下さい。

●依頼達成条件
・Tower of Shupellの攻略

※ローレットの誰かが達成すればOKです

●シュペル・M・ウィリー
 混沌において神に最も近しい人間。
 魔術王であり、鬼才のアーティファクトクリエイター。
 性格は面倒くさくて傲慢。塔を登って会いに行きましょう。

●Tower of Shupell
 練達の『セフィロト』近郊に存在する塔。
 シュペル・M・ウィリーのアトリエとされており伝説そのものです。
 外から見えるのは高い塔の姿ですが、実は内部は一つの別世界になっておりあらゆる変化が生じます。
 塔は登るものですが下る事もあれば、別の事態も生じ得ます。
 またレオンは外見に関係なく空間は無限に続き、何もかもを内包していると言っています。
 塔を攻略した人間は(シュペルが気に入る話なら)願いを叶えてもらえるそうな。

※本人的に面白くない事願うと不機嫌になって叶えてくれない場合もあるそうな。

●チーム・サリュー
 幻想北部商都サリューを支配する一党。悪人です。
 クリスチアン・バダンデール、死牡丹梅泉、紫乃宮たては、刃桐雪之丞からなる四人パーティ。
 所謂プレイヤーキラーであり、プレイヤーチームにランダムでエンカウントする場合があります。
 エンカウントした時、どうなるかは不明です。

●第一層『星彩迷宮アリアドネ』
 Tower of Syupellに足を踏み入れたパーティはその瞬間、それぞれ全く別のポイントに強制転移させられます。
 入り口は同じでも全く別の場所。そしてそれは無限を感じるような大迷宮です。
 シュペル側が一応『手加減』してくれているのか、同チームのメンバーは固まって転移しますが、それぞれのパーティの開始ポイントはバラバラです。
 恐らくは『迷宮をクリアする為のゴール』が存在するものと思われ、ゴールに到達した人間は第二層へ移動出来るものと推定されます。
『星彩迷宮アリアドネ』は大迷路の形状をしており、道中には様々なトラップや、番人(経験者であるレオン曰くシュペル・ナイトと称される彼の駒)が存在しています。
 シュペルがどれ位『本気』かは不明ですが、忘れてはいけないのは彼にとっては冗談程度の事でも他人には重篤な結果を及ぼす可能性は低くない事です。
 死亡判定を含むその他様々な判定が状況上生じ得る事を忘れないようにして下さい。
 制限時間やゴールまでの距離は不明(かつ単純に『配置運』にも左右されると考えられる)ですが、中長期の対応が強いられる可能性は高く、単純な戦闘力のみでの解決は容易くないと考えられます。
 ギフトや非戦スキル等、効果があるものはありますが、塔主は混沌最高の『気分屋』かつ『反則』です。
 尚、レオンはこの迷宮を経験した事はありません。「俺の時の第一階層とはどうせ違うから当てにならない」との事。

 シナリオ結果(返却状態)には以下のステータスが存在します。(ハッキリと記載されます)

【クリア】:現階層をクリアし次階層への参加権を得た状態です。おめでとうございます。次階層をお待ち下さい。
【継続】:返却結果を『オープニング』と捉え、その状態に追加のプレイングをかけて下さい。(チームのプレイングが揃わない場合、プレイングの内容等によっては追加の結果が来ない場合があります。その場合は下記の【脱落】と同様の扱いになります)
【脱落】:現階層にてクリアに失敗しチームの脱落が確定した状態です。残った人を応援しましょう!

●特殊な備考
 Tower of Shupellに参加するルールと心構えです。
 全て守られていないプレイングは有効としない場合があります。

・攻略者は必ず四人のチームを編成して下さい。
・チームメンバーは一行目に【】でくくったチームタグを記入して下さい。(例:【特攻野郎ローレット】)
・本シナリオは『ノックアウト形式』です。第一層を攻略成功したチームのみが第二層以降の参加権利を得ます。第二層以降のルールも同じです。最新層で攻略成功しなかったチームは(不参加も含めて)以降層では自動的に不採用になります。
・特に悪い所がなかったとしても脱落する時はします。そういうものだとご理解下さい。
・PVPではありません! 誰かが届けば皆がOKです。自分が落ちても次の誰かに託す気持ちで応援しましょう!

●情報精度
 このシナリオの情報精度はEです。
 無いよりはマシな情報です。グッドラック。

●Danger!
 当シナリオにはパンドラ残量に拠らない死亡判定が有り得ます。
 予めご了承の上、参加するようにお願いいたします。

 以上、宜しくお願いいたします!

※2021/07/15追記
 各チームの攻略状況を公開しています!
https://rev1.reversion.jp/page/shupelt_challenge

  • Tower of Shupell名声:境界20以上完了
  • GM名YAMIDEITEI
  • 種別ラリー
  • 難易度HARD
  • 冒険終了日時2021年10月01日 23時15分
  • 章数5章
  • 総採用数397人
  • 参加費50RC

第1章

第1章 第1節

夜乃 幻(p3p000824)
『幻狼』夢幻の奇術師
ジェイク・夜乃(p3p001103)
『幻狼』灰色狼
ミルヴィ=カーソン(p3p005047)
夜に一条
ヤツェク・ブルーフラワー(p3p009093)
陽気な歌が世界を回す

●星彩迷宮アリアドネ(輪舞)
 どれだけ覚悟をしていたとして、いざ目の前にして見れば驚きを隠せない事はあるものだ。
 その場所は確かにそんな風であり、話に聞いていたのもまた確かだったが、正直な感想は殊更に否む類のものでもあるまい。
「どう考えても……」
「ああ……」
『子供達のお姉ちゃん』ミルヴィ=カーソン(p3p005047)の言葉に苦笑い混じりの『陽気な歌が世界を回す』ヤツェク・ブルーフラワー(p3p009093)が頷いた。
「『外から見た床面積を恐ろしい程に超えてるな』」
 創世と神の塔――即ちTower of Shupellに挑む事になったローレットのイレギュラーズは事前に『経験者』であるギルドマスターのレオンから注意を受けていた。曰く「全ての常識が完膚なきまでに通用しない。一階層がそれぞれ異世界を形成していると言っても過言ではない」そうで、その言葉を額面通りに受け取るならば『外から見えた建物の景色』等、何の慰めにならないのも道理であろうが……
「これなら『願い』も期待出来るんだろうな!
 じゃ、今の望みは、一番上から地上と星々を眺めるってトコだ。何せこの『塔』だからな。
 そりゃあ、さぞかしいい景色だろうよ!」
「俺の願いは、妻と笑顔が耐えない幸せな家庭を築く事。
 …だが、シュペルに頼むものじゃねえな」
「ん、ん! ……コホン!」
『『幻狼』夢幻の奇術師』夜乃 幻(p3p000824)が咳払いをしたのはさて置いて。
 ヤツェク、そして『『幻狼』灰色狼』ジェイク・夜乃(p3p001103)が嘯きたくなる程度には滅茶苦茶である。
 塔の扉を開くなり意識が遠のき、気付けば暗い石造りの通路に投げ出されていた。
 恐ろしい程長く続く直線の向こうには幾つもの分かれ道があり、『これ』が大迷宮の類である事を知らしめている。
 つまり、恐らく塔主はこう言っているのだ。「勝手に攻略しろ。さもなくば迷い死ね――」。
「偵察入れた方が良いかもね。マッピングはばっちりやるよ!」
 頭に浮かびかけた『感傷的な願い』を一先ず振り払ったミルヴィがファミリアーの鼠を通路の奥の闇に放つ。
 反響(エコーロケーション)による探査は空間が捻子曲がっているのか出鱈目で彼女に酷い頭痛を与えるに終わったが、やるべきを揃えて来た【輪舞】は元よりある程度の長期戦も想定している。
「……この大迷宮を僕達だけで解くことは不可能。やはり、協力戦と参りましょうか」
 彼等の探索は始まったばかり。
 幻の言葉は尤もだ。離れて飛ばされた以上は『味方』と合流出来れば悪い結果にはならないだろう……


結果:【クリア】
特殊結果:【アシスト】(更に一チーム、この場合【輪舞】と合流出来たチームが【クリア】しやすくなります!)
※同じ手は必ずしも採用しない為、ご注意下さい。

成否

成功


第1章 第2節

赤羽・大地(p3p004151)
遺言代行
セレマ オード クロウリー(p3p007790)
性別:美少年
エルシア・クレンオータ(p3p008209)
自然を想う心
楊枝 茄子子(p3p008356)
羽衣教会会長

●星彩迷宮アリアドネ(ヤ羽)
 果てしなく続く迷宮の殺風景な『有様』に辟易しながら溜息を吐く。
「今――いや、これから起こる全ては。
 稀代の天才が一方的に有利な化かしあい。つまりクソゲーって事なんだろうな」
『性別:美少年』セレマ オード クロウリー(p3p007790)のうんざりしたような調子は強めの実感が篭もっていた。
 迷宮攻略のお約束と言えばマッピング、壁の向こうを見通す透視なんてものはお約束中のお約束だが……
 少なくとも理解しているだけで三回。突然パーティは転移させられたし、壁はカンニングを拒否するように透視でも向こうが見通せない。
 試してはいないが、『物質透過なんてしようとしたら何をされるか分からない』。
 塔の教える事実は神秘はより強き神秘に簡単に打ち負かされるという事である。
「あの私、何でこんなにも偉大な美少年やら会長さんやらに捕まってるんでしょうか赤羽さん……」
「さア……?」
 人生万事塞翁が馬とは言うが、結果的にこうなったという事はこうなるべきだったという事である。『自然を想う心』エルシア・クレンオータ(p3p008209)の言葉に肩を竦めた『未来を、この手で』赤羽・大地(p3p004151)自身にも『こう』なった理由は良く分からない。
「シュペルもやべぇ奴とはいうガ……
 殴っても蘇る美少年……無尽蔵の教祖……殴ったらクソ強いが殴られたらクソ弱い女……こっちもクソ程尖ってねぇカ?
 ツーカ、実は来て欲しくないんじゃねぇカ……?」
「でも皆さんの指示に従えば、私にも上手くやれるような気がしてきますね!」
 大地の指摘にはキッチリとエルシアも含まれているのだが「まあ!」とニコニコ笑うエルシア自身が理解しているかは定かではない。
 ともあれ、【ヤベー奴らと赤羽大地】――つまり、【ヤ羽】。この大地以下、セレマ、『羽衣教会会長』楊枝 茄子子(p3p008356)、エルシアの四人パーティは既にこの迷宮でかなりの時間を費やしていた。
 外の世界とこの世界が同じ時間の流れを生じているかは定かではない。
 体内時計で正確な時刻を把握する事は難しかろうが、最初に足を踏み入れてから数時間以上が経過した事は確実だった。
「大丈夫! 大丈夫!
 みんな会長についてこーい!ㅤ会長はバネチくんについてくからね!」
 しかしながら良く言えば前向き、悪く言えば脳天気な茄子子の明るさは陰湿な迷宮での救いであった。
 彼女の――パーティの目の前にはまた二つの道が分かたれていた。
「うーんと……こっちだね!ㅤ多分! え? 何でって――天啓だよ、天啓!」
 振り向いた茄子子は悪びれず、至極元気なまま拳を握った。
「絶対攻略するからね!ㅤ待っててねシュペルくん!」
 迷おうとどうしようとリソースは売る程残っている。只々粘り強いパーティはどんな長丁場でもへこたれない!


結果:【クリア】

成否

成功


第1章 第3節

カティア・ルーデ・サスティン(p3p005196)
グレイガーデン
冬越 弾正(p3p007105)
長頼の兄
鵜来巣 冥夜(p3p008218)
冷めない熱
アーマデル・アル・アマル(p3p008599)
霊魂使い

●星彩迷宮アリアドネ(巫ア隊)
「……このパーティ名を選択した者は前へ出ろ、怒らないから」
「一流のホストはプリンセスと話を合わせる為、常に情報のアンテナを立てている物……
 ……という訳でR.O.Oのアーマデルさんにあやかり、チーム名は『巫女みこアーマデル隊』略して巫ア隊という訳です!」
「ああ。怒らないと言ったな? それはそれとしてまぁ、いいから――ちょっとしゃがめ」
「だって! 巫女アーマデルが……見だか゛った゛んだい゛!」
 やり合う『ホストクラブ・シャーマナイト店長』鵜来巣 冥夜(p3p008218)、『霊魂使い』アーマデル・アル・アマル(p3p008599)がやり合う所に『Nine of Swords』冬越 弾正(p3p007105)が首を突っ込み、頭をガクガクと揺さぶられている。
「どういうパーティ名なの! ……まあ、(僕には関係ないから)いいけど」
 明らかに一歩下がってしょうもないやり取りを続ける面々に嘆息する『グレイガーデン』カティア・ルーデ・サスティン(p3p005196)含めて、【巫ア隊】の四人もまた、シュペルの迷宮の一部に飛ばされ、和気藹々(?)とその攻略を続けていた。
「しかし、流石に『天才』の仕事なんだろうね」
 常に気を張り詰めているのは難しいが、迷宮が鉄火場である事は間違いない。
 パーティは遊んでいるようでそうふざけている訳ではないのだ。
 冥夜はアーカイヴァ―としてこの迷宮に挑み、弾正はやがて現れる番人に用心をぶしている。
 アーマデルは迷宮探査の為に酒蔵の聖女、神威六神通と手段の持ち込みに余念がない。
 尤も、透視や透過の類が『ねじ伏せられる』のも空間が捻子曲がり他所に繋がるのも今更の話ではあるのだが。
(……天才で、プライドが高ければ高いほど、譲れない部分が出てくるだろう。
 柔軟で懐が広いと受け入れて妥協してしまう部分を、妥協せず貫く強さがプライドで――
 それは才能を支えて後押しする強さであり、可能性を縛る呪いでもある)
 カティアの沈思黙考は確かにシュペルの一面を捉えていたかも知れない。
「……例えば、同じ仕掛けを使い回さない、とかね」

 ――ならば、何れは攻略出来る――

 ……いや、確かにカティアの思索は正しかったと言える。
 問題はシュペル・M・ウィリーなる男が『まるで使い回さなくても物量で圧殺出来るクリエイターだった事』だけだった。


結果:【脱落】

成否

失敗


第1章 第4節

ヨハナ・ゲールマン・ハラタ(p3p000638)
自称未来人
ランドウェラ=ロード=ロウス(p3p000788)
黄昏夢廸
ベルナルド=ヴァレンティーノ(p3p002941)
鳥籠の画家
Tricky・Stars(p3p004734)
二人一役

●星彩迷宮アリアドネ(YK)
「やきうの時間だオラー! 俺は狙ったタマは外さない炎の打者、虚!
 こっちの眼鏡はバントこそ最強だと思ってる稔君だ! 行くぜ頂点、目指すはメジャーの大舞台!」
「YAMI売り巨神軍(ヤミウリタイタンズ)っ!!! ファイオー!
 チームで一緒にスポーツするから実質野球ですよねっ! ヨハナはボールやりますですよっ!」
「ヨハナがボールなら……受け止める捕手が必要だぜ。
 文系の根性ナメんな、どんな変化球で来ても根性で受け止めてやる。四十肩だから加減はして欲しいがな!」
「野球か! ならば僕は観客席に行こう!
 いやあ、『ちょっと傷も痛むし』……観戦もたまにはいいものだな!」
『二人一役』Tricky・Stars(p3p004734)から始まり、『自称未来人』ヨハナ・ゲールマン・ハラタ(p3p000638)、『束縛は鋭く痛む』ベルナルド=ヴァレンティーノ(p3p002941)、『黄昏夢廸』ランドウェラ=ロード=ロウス(p3p000788)……
 迷宮を彷徨った彼等が少し開けた部屋の空間に到達した時、そんなノリに走ったのは疲労の為せる技だったかも知れない。
 いや、ヨハナ以下の集団であるから極普通の通常営業だったかも知れないが。
 ともあれ、星彩の名を冠する迷宮は彼等にも容赦ない耐久の時間を強いていた。
 意地の悪い迷宮は代わり映えのしない風景を、気の抜けない鉄火場を常にパーティに強いていた。
『時折、腹を抑えるランドウェラの顔色が悪いのは壁の透過を試みたからだ』。
 イレギュラーズの勘の良さで辛うじて引き返す事が出来たのは幸いだった。
 彼は危うく壁に飲み込まれ吸収される所だったのだ。引き剥がすように身を捩った結果が剥がされた体の重傷だった。
「じゃ、33-4を目指して頑張るということでっ!」
「おー! 34号特大ホームランじゃー!」

 おおおおおおお……!

「あ、歓声ですか! ランドウェラさん一人サラウンドで頑張りますね!」
「そんな元気ないよ……?」
「はへ?」
 ランドウェラの返答にヨハナ、Trickyが首を傾げる。
 そんな二人に悲しいお知らせをしたのはベルナルドだった。
「悲しいお知らせなんだが」
「はい」
「――お前達の後ろ、つまり俺の正面、通路の奥から何か来た!!!」
 身の丈は三メートルを超える魔法の甲冑の『何か』。
 そう言えば、迷宮にはシュペル・ナイトなる番人達が居るらしい……


結果:【脱落】

成否

失敗

状態異常
ランドウェラ=ロード=ロウス(p3p000788)[重傷]
黄昏夢廸
Tricky・Stars(p3p004734)[重傷]
二人一役

第1章 第5節

ノリア・ソーリア(p3p000062)
半透明の人魚
シキ・ナイトアッシュ(p3p000229)
優しき咆哮
サイズ(p3p000319)
カースド妖精鎌
クラウジア=ジュエリア=ペトロヴァー(p3p006508)
宝石の魔女

●星彩迷宮アリアドネ(火廣金)
「アリアドネか。それならゴールまで糸を繋いでおいて欲しいものだけどね」
 肩を竦めた『物語の終わりに』シキ・ナイトアッシュ(p3p000229)が小さく溜息を吐いた。
「先は長そうだ。迷路ってのはこうも続くと退屈だね」
「退屈を感じられる程に平坦ではない気もするがのう」
「……物は言いようだ。気も持ちよう。
 私はシュペルに会いたいから会いに行く。理由はシンプルだけど、だからこそ登り切ってみせるよ」
「ああ、塔に登る理由なんて単純じゃな。単純には単純であるが……
 とりあえず腕試しも兼ねて登る、じゃとシュペル的に面白くないからアウトとかされそうじゃし。
 なんか考えておかんとのう……不老長寿による精神の磨滅対策とか知るかボケで終わりそうじゃけど……」
 滅入るばかりでは解決はしない。涼やかに言ったシキにクラウジアが相槌を打った。
「う、うう……い、いたいですの……」
「うむぅ……」
 頭に絆創膏を貼った『半透明の人魚』ノリア・ソーリア(p3p000062)が頭を押さえる姿を見るに、彼女はつくづく塔主のひねくれを疑わずにはいられなかった。
 迷路を手っ取り早く攻略する方法は『真っ直ぐ行く事』だが、ノリアが『頭をぶつけた』のはそれが理由である。
「あ、危うく食べられてしまう所でしたの。
 食べられるのは仕方ないけれど、どうせならゴリョウさんに美味しく召し上がって頂きたいですの><」
 厳密に言えばそれは『生きるか死ぬか』の大事だった。まるで野獣の大口のように変化した『壁』からノリアが逃れる事が出来たのは、偏に彼女が恐ろしく頑丈であり、食材適正(おいしそう)な割に食えない魚だったから、に他なるまい。
「……と、とにかく。危険を、未然に、見つけますの。
 大丈夫……火も、毒も、対策しましたし、立派に、先遣隊の役目を、果たしてみせますの!」
 流石にもう一度透過を試すような愚かはせず、空中を泳ぐノリアは暗い通路の先を照らしていた。
「シュペルは――妖精郷にある『虹の架け橋』を作った、んだよな」
 攻略が大変である事は疑う余地もないが、『カースド妖精鎌』サイズ(p3p000319)には確かな理由があった。
 誰にも届かない高みにいる彼の力を以てすれば、彼の知恵を借りる事が出来たなら。
(……妖精女王の悲しい定めの連鎖も断ち切れるのかも。ならば俺は全身全霊で塔を登るだけだ!!!)
 強い想いは時にチャンスを引き寄せる。
『会いに行きたいから会いに行く』でも『悲しい運命を打破する為』でもシュペルはまるで頓着すまいが。
 少なくともクリアは時の運である。【火廣金】の四人に運命の女神は、
「おお、これは僥倖じゃ!」
「だね。ラッキー! 無事? 生きてる?」
 曲がった先から現れた。その笑みは【輪舞】――ミルヴィの顔をしていた。


結果:【クリア】
特殊結果【アシスト(輪舞)】消費!

成否

成功

状態異常
ノリア・ソーリア(p3p000062)[重傷]
半透明の人魚

第1章 第6節

秋月 誠吾(p3p007127)
虹を心にかけて
リュティス・ベルンシュタイン(p3p007926)
黒狼の従者
アカツキ・アマギ(p3p008034)
焔雀護
ベネディクト=レベンディス=マナガルム(p3p008160)
特異運命座標

●星彩迷宮アリアドネ(黒狼)
「うーむ、何が何でも迷わせてやろうといった感じじゃのう」
 多数のメモ書きを残す地図を眺めながら口元をへの字にしているのは『焔雀護』アカツキ・アマギ(p3p008034)だった。
「見ての通り……見る影もなく、じゃな。
 内部であらゆる変化をする塔か……マッパーアカツキの出番かと思ったが苦労させてくれるのう」
 への字の口元に続くのはハの字の眉である。
 他多数のパーティと同じようにアカツキの参加する【黒狼】も彷徨いの迷宮で骨折りを余儀なくされていた。
「元から『蒼剣』クラスでなければ最上階には到達出来ない場所らしいじゃないか。
 挑む権利を得た時点で満点だ。後はまぁ――出来る事をやり切るばかりだろう」
 アカツキの背中をポン、と叩いたのは『黒狼の勇者』ベネディクト=レベンディス=マナガルム(p3p008160)である。
 彼の抜群の方向感覚は不定期的に組み変わる迷宮をしても誤魔化せない。
 少なくとも一方角を目指すという意味においては揺れる事もブレる事もないだろう。
『その方向』にゴールがあるかどうかは全く別の問題として。
「罠にかからないよう、敵に見つからないよう……か。責任重大じゃん」
『Mors certa』秋月 誠吾(p3p007127)は壁に描かれた『全く意味不明な文字』に目を細め、何時襲い来るか分からない悪辣なトラップに気を配りながら通路を行く。避けられたものもあれば、そうでないものもある。
「……止まれ!」
 目を見開いた誠吾の鋭い声にパーティは咄嗟に足を止めていた。
 左右に道の別れた行き止まりの壁に文字が殴り書かれている。

 ――足元を見ろ

 唯の文字だというのに吐き気さえする邪悪とプレッシャーが満ちていた。
 これまでのものとはまるで違う。全ての呪いを煮詰めたような、膨大なまでの『魔力』。
 冷や汗を垂らした誠吾は静かに言う。覚悟を決めて、言った。
「……俺が見る」
 視線をゆっくりと下に下ろす。ひりつく肌、揺れる世界。
 すぐ先の床に目を落とせば――

 ――言っただけ

「……」
「……………」
「……はあ。やはり、『そういう』塔であるという事なのでしょうね」
 クールに冷静沈着に『黒狼の従者』リュティス・ベルンシュタイン(p3p007926)は思わずへたり込んだ誠吾に代わりそう述べた。
「驚かすのじゃ!」
「ちょっとお待ち下さい」
 プリプリ怒り大股で前に進みかけたアカツキの肩をリュティスは引っ張った。
 彼女が訝しがるより早く目の前の空間に小石を投げれば――
「――うわぁ」
 思わず誰かが呟いた。
『言っただけ』の筈の床が大口に代わり、飛び込んだ石を見事に噛み砕いて虚空に消えていた。
「ご覧の通りです。基本的に信じず、全ての体重をかけないように動きましょう。
 何時如何なる場合であろうと、周囲の警戒を怠らず、奇襲への備えはお忘れなく」
「ああ。最後まで油断は出来ないな……分かれ道か、左右、取り敢えずどちらに行くのが良いと思う? 皆」
 この期に及んでも怯みはしない。
 行く先にゴールがあると信じて、ベネディクトは――【黒狼】は先を急ぐ。


結果:【クリア】

成否

成功


第1章 第7節

鶫 四音(p3p000375)
カーマインの抱擁
恋屍・愛無(p3p007296)
獏馬の夜妖憑き
ジョージ・キングマン(p3p007332)
絶海武闘
シルキィ(p3p008115)
繋ぐ者

●星彩迷宮アリアドネ(黒白)
「神にも等しいクリエイター。どんな味がするのだろうな――」
 戦いの呼吸の中、激しさを増す律動の中、『名を与えし者』恋屍・愛無(p3p007296)は鋭い動きで閃く斬撃を掻い潜る。
 髪の毛の一筋だけを斬り散らした死の颶風さえ心地よさそうに、しかし対照的に不機嫌に愛無は言った。
「――だっていうのに前菜があんまり出しゃばるなよ」
 ペンを片手に地図を書いた『カーマインの抱擁』鶫 四音(p3p000375)、(理不尽な変形によって途切れてしまったが)来た道に糸(アリアドネ)を垂らした『繋ぐ者』シルキィ(p3p008115)、物資をきちんと用意してきた『絶海武闘』ジョージ・キングマン(p3p007332)や敵や罠への警戒を常に怠らず、構えに備えた愛無自身の力もあり、【黒白】は順調に迷宮を進んでいたのだが。
 戦闘を避けたかった今回に限って、いよいよ不運なものに出会ってしまう事もあるものだ。
「俺が引きつける!
 ……魔術王の塔、永劫の迷宮。これは、攻略しがいがあるというものだ。
 神に近しいその顔を見ずに終わるのは勿体ないというものだろう?」
 パーティの不運は『広い部屋』に突き当たってしまった事だった。
 これまでにもシュペル・ナイトと呼ばれる門番は何度か出現したが、この部屋で彼等が出会った個体は桁違いであった。
 サイズにせよ、能力にせよ――少人数での手に負えるレベルを超えている。
 恐らくはこれはシュペルが用意した『行き止まり』だ。
 彼はイレギュラーズで遊ぶように迷路を設計している。そして遊んでいる以上、GameOverも用意されている。
「あの子との思い出を形にしてもらって――シュペルさんには直接お礼を言いたいと思ってたし」
 但し、それにパーティが従ってやる義理はない!
「止まって――!」
 気を吐いたシルキィが双刃陽炎――生命力を乗せた魔力糸、その炎撃で巨影を斬る。
 魔獣の型を成す黒い甲冑が焔に揺れた。二メートルはあろうかという大剣の切っ先が愛無から逸れ、ジョージの方へ向いていた。
「伝説の塔に挑むなら――こんな苦難もまた楽しい物語になりそうですね。
 ええ、どうせなら最後まで見届けられるよう頑張りましょうか。
 どうせなら……最後まで見届けられたらいいんですけどねぇ?」
 目前に迫る危機にさえ飄々とした余裕の顔は崩れない。
(……しかし、これは中々。確かに生きて帰るのも簡単ではない塔ですねぇ)
 悪辣は悪辣を知るものだ。
『カーマインの抱擁』鶫 四音(p3p000375)の口元に浮かんだ三日月は塔の本質を示している――


結果:【脱落】

成否

失敗

状態異常
鶫 四音(p3p000375)[重傷]
カーマインの抱擁
恋屍・愛無(p3p007296)[重傷]
獏馬の夜妖憑き
ジョージ・キングマン(p3p007332)[重傷]
絶海武闘
シルキィ(p3p008115)[重傷]
繋ぐ者

第1章 第8節

レイチェル=ヨハンナ=ベルンシュタイン(p3p000394)
蒼の楔
ヒィロ=エヒト(p3p002503)
激情の踊り子
藤野 蛍(p3p003861)
比翼連理・護
桜咲 珠緒(p3p004426)
比翼連理・攻
美咲・マクスウェル(p3p005192)
あの虹を見よ
アリア・テリア(p3p007129)
いにしえと今の紡ぎ手
カイン・レジスト(p3p008357)
数多異世界の冒険者
天目 錬(p3p008364)
陰陽鍛冶師

●星彩迷宮アリアドネ(創世塔・桜ノ杜)
「ひえー。これが塔の内部……こんな空間、どんな物語にもないよ!」
 確かにこの場所は『希望の紡ぎ手』アリア・テリア(p3p007129)に悲鳴じみた声を上げさせるような迷宮だった。
「力を合わせて人智を超えた魔人の塔の攻略、ね。ふっふっふ、これは燃えるよね!」
 確かにこの場所は困難程に燃え上がる『数多異世界の冒険者』カイン・レジスト(p3p008357)をその気にさせるような迷宮だった。
 しかし伝説の試練、混沌の穴倉をしても幸運に巡り合う機会はある。
「職人の極致、シュペルの済む塔か。
 あいつの存在は俺にとって、混沌に『来れた』中でも最良だが――」
「ああ。何が何でも――シュペル先生に絶対会いに行くンだ、俺は。
 或いはそうとまで言い切る『陰陽鍛冶師』天目 錬(p3p008364)や、塔主に個人的事情から並々ならぬ情熱を燃やす『蒼の楔』レイチェル=ヨハンナ=ベルンシュタイン(p3p000394)に運命の女神がほんの少し味方したと言えるのだろう。
【創世塔】の面々が努力も虚しく迷いに迷い、それでも進撃を続けどれ位経った頃だっただろうか。
「――あら!」
 陰鬱な塔に似合わぬ良く通る女性の声は曲がった通路の先から響いていた。
 四人の視線の先には今声を発した『比翼連理・護』藤野 蛍(p3p003861)以下三人の姿がある。
「こりゃ、ツイてるな!」
 消耗を抑えるよう立ち回り、これまで探索に注意を払っていたレイチェルは思わず声を上げていた。
 この迷宮において見知った顔に――【桜ノ杜】の四人に、逆に言えば【創世塔】の四人に出会ったのは互いにとって最高に近い幸運だった。
「こうして皆で力を合せて探検するの、なんだかワクワクしちゃうね!
 ボク一生懸命頑張るから、困難を突破するのをちょこっと楽しんじゃってもいい? えへっ!」
 こんな時に、と言ってしまえばそれまでだが、正直を言えばそう言った『激情の踊り子』ヒィロ=エヒト(p3p002503)の気持ちも良く分かる。
「呼び名は様々聞くけど、実際、魔術王の塔ってなんかもう響きからしてワクワクよね。
 ……ワクワクはいいんだけど、するんだけど。流石に意地悪過ぎて手詰まり感もあったのよね。
 でも、これで状況も変わるかな?」
 同じようにパーティの探索に尽力した『あの虹を見よ』美咲・マクスウェル(p3p005192)は頷きながらも、この合流には感謝せずにはいられなかった。
 別のパーティ丸々一つ分の情報を得られる意義は大きい。
 姿を変えるアリアドネ、気に入らないものを否定するアリアドネはやはり生命体のような迷宮だった。
「情報を総ずるに、やはり塔の内部は、主の意思ひとつで自在に変化する世界なのですね。
 一部でも模倣できれば、仮想世界に穴を開ける程度はできるかも知れませんが――
 ――それを簡単に許す塔主ではないでしょう。今は解析よりは探索、頂上を目指すべきでしょうね」
『比翼連理・攻』桜咲 珠緒(p3p004426)が言い、カインが大きく頷いた。
「果ての迷宮やファルベライズの遺跡とも違う超大規模ダンジョンだもの。
 一つのパーティじゃ手に余る位――もう、攻略し甲斐があり過ぎるからね。
 勿論、個人的にも――ローレットの為にもね。さぁ、気張って行こうか!」
「ええ。解けと難題を出されたなら、己の全力をかけて答えるのが学生の本分よね。
『皆』の数が倍になったなら、尚更心強いわ。改めて『皆』で力を合せて百点満点を目指しましょ!」
「じゃ、ゲームオーバーにならないように――どかーんと行こう!」
 蛍が、そしてヒィロが腕をぶす。
 通路の奥の部屋からは行く手を阻む、シュペル・ナイトが姿を見せる――!

結果:【クリア】

成否

成功


第1章 第9節

わんこ(p3p008288)
倫敦の敵
コルネリア=フライフォーゲル(p3p009315)
慈悪の天秤
澄恋(p3p009412)
花嫁キャノン
郷田 京(p3p009529)
ハイテンションガール

●星彩迷宮アリアドネ(愚連隊)
「シュペル様の家庭訪問と聞いて推参!
 塔の内装を旦那様との新居の参考にしたく!」
 こんな新居じゃ旦那も泣いて逃げ出そう――いや、逃げられまい。
 確信犯か「アリアドネ……蜘蛛巣状ですかね?」と嘯いた『花嫁キャノン』澄恋(p3p009412)に、
「迷宮かぁ、シュペルさん中々良いシュミしてるじゃない!
 なんだかテーマパークに来たみたいでテンション上がってきたよー!
 ゴールへ向かって進撃じゃーい、あっはっはー!」
 底抜けに明るくテンションageてきた『ハイテンションガール』郷田 京(p3p009529)、
「なにこれぇ、つくづく常識ってぇのが薄れていくわねぇ、この界隈。
 アタシの悪辣さを世に知らしめてって願お――ぶち抜いていくぜ!」
 発言一つで最早冗句として完結している『慈悪の天秤』コルネリア=フライフォーゲル(p3p009315)、
「さぁて、愉快痛快登頂会と参りマショウカ!」
「景色はちゃんと覚えつつ移動シマス、これでもロボ!!!」と念を押す『シャウト&クラッシュ』わんこ(p3p008288)……
【愚連隊】の一行は見ての通り面白おかしい探索を続けていた。
「やはり、こういう場所です。全周に放射状に広がる迷宮で――中央には強敵が居るとか」
「あー、迷路よりは蹴っ飛ばせば済む相手の方がやりやすいわ!」
 千切れたロープに辟易しながら澄恋が言えば、京はそうであってくれと願うように両手を合わせるポーズを取った。
『生きている迷宮』は刻一刻とその姿を変えている。効率探索の為に垂らしたロープも何処かで組み替えられた通路にでも切られたのだろう。
「いちいち記憶と食い違う辺り、これ相当意地悪デスヨ!」
 全く以って通路を完全に記憶しているわんこが堅く実証出来る所である。
 AIM PRIMALによるドローンでの偵察は或る程度奏功していたが、先行きを見通すに関しては限界がある。
「制限時間がわからない以上、此処に長居はしたくないのよね――」
 コルネリアが小さく嘆息した。
 彼女の嫌な予感は良く当たり――果たして。

 おおおおおおお……!

 望まない長期戦を余儀なくされたパーティはやがて侵入者を除外せんとするシュペル・ナイトに遭遇する事になる。
「こうなれば是非もなし! 戦(や)りマスヨ!」
「ま、分かり易いって事で――」
「――か弱い乙女に手を出す不届き者にはお仕置きです!」
 一丸となったパーティがいざ強敵に相対する――!

結果:【脱落】

成否

失敗

状態異常
わんこ(p3p008288)[重傷]
倫敦の敵
コルネリア=フライフォーゲル(p3p009315)[重傷]
慈悪の天秤
澄恋(p3p009412)[重傷]
花嫁キャノン
郷田 京(p3p009529)[重傷]
ハイテンションガール

第1章 第10節

ノア・マクレシア(p3p000713)
墓場の黒兎
ネーヴェ(p3p007199)
うさぎのながみみ
有栖川 卯月(p3p008551)
お茶会は毎日終わらない!
雑賀 才蔵(p3p009175)
アサルトサラリーマン

●星彩迷宮アリアドネ(兎社)
 どこまでも、呑み込まれてしまいそうな大迷宮。
 ――されど、呑まれるわけにはいきません

 成る程、抜群の方向感覚を示す『うさぎのながみみ』ネーヴェ(p3p007199)の言う通り。
 果て無きアリアドネに挑む【兎社】の面々は実に巧みであった。
「うーん、どっからどう見ても大迷路だね。ゴールが見えないとはこの事だ」
 屋内では効果が限定的になると言わざるを得ない広域俯瞰こそ不発に終わったが、『お茶会は毎日終わらない』有栖川 卯月(p3p008551)の持ち前の直感と幸運はこんな場所だからこそ役に立つ。
「……何があるかわからない。警戒して、警戒し過ぎても損は無い、よね?」
【兎社】は決して弱い訳ではないが、そう特別戦闘が得意な訳ではない。だが、パーティが効率よく、そして長く迷宮に居座れたのは彼女等の、そして『鼻の利く』『五郎さんと一緒』ノア・マクレシア(p3p000713)や『アサルトサラリーマン』雑賀 才蔵(p3p009175)、それぞれの力と協力による所が大きいと言えただろう。
「……しかし、かなわんな。耳鳴りがする」
 苦笑交じりの才蔵が小さく零した。
 アリアドネ内部で音を聞く事は可能だが、『反響』を聞こうとすれば別だった。
 空間が捻じ曲がっているのか、そういう風に出来ているのか――出鱈目な反射と出鱈目な接続はそういう探索を拒否しているかのようだった。
「塔だからといって…必ずしも登るわけでは、ないのでしょうか。
 星彩迷宮……星の、彩り? 天井か、壁に何かある……とか?」
 ふと呟いたネーヴェの言葉が『気に入った』のかも知れない。
 彼女の見上げた天井が暗く染まり夜空の星のように幾つも光が瞬いた。
 見ての通りである。この塔では塔主の気に入らないものは悉く通用せず、気に入るものは肯定される。
 そんな探索の中、暫し――
「……!」
「ああ。足音だ」
 ――ノアと才蔵がコツ、コツと響く幽か過ぎる足音を捕まえた。
「確か、敵もいるし……なんなら、中に入ってる人が全員味方とは限らない、よね?」
 やや不安気なノアの言葉が揺れて揺蕩う。
 どうするか?
 仲間との合流ならば、これは好機である。
(どうしようもなく迷ったら直感勝負――!)
 幸運にも【兎社】は長く探索を行う事が出来た。
『それは間違いなく、卯月の幸運と直感のお陰でもある』。
 だが、100%の幸運は無く。運命は必ずしも素直な表の目を引く訳ではない――
「……おや! 今日、初めての大当たりだ!」
 ――【兎社】が出会ってしまったのは【チーム・サリュー】。
 愉快気なクリスチアンの口元は嗜虐的に歪んでいる。
「不運じゃな、主等は」
 この最初の遭遇は如何ともし難く、早々と抜刀した梅泉はタダで逃してくれる心算は無いらしい。
「……っ、うさてゃんがヒラやるんだよ! 死んでも死なせないんだから!」
 ならば、せめてもこの場だけは、命ばかりは防ぎ切らねば!
「――兎は、飛び跳ねるもの。逃げるもの。さあ、わたくしと踊りましょう……!」

結果:【脱落】
特殊結果:
 【チーム・サリュー】(プレイヤーキラー)とローレットが初遭遇を果たしました!
 【チーム・サリュー】と遭遇した場合、パーティが一定以上のレベルに満たない場合、自動的に脱落します。
 一定以上のレベルに到達している場合、確率で【継続】判定が生じる場合があります。

成否

失敗

状態異常
ノア・マクレシア(p3p000713)[重傷]
墓場の黒兎
ネーヴェ(p3p007199)[重傷]
うさぎのながみみ
有栖川 卯月(p3p008551)[重傷]
お茶会は毎日終わらない!
雑賀 才蔵(p3p009175)[重傷]
アサルトサラリーマン

第1章 第11節

ウィズィ ニャ ラァム(p3p007371)
私の航海誌
三國・誠司(p3p008563)
一般人
橋場・ステラ(p3p008617)
斬城剣
蓮杖 綾姫(p3p008658)
断ち斬りの

●星彩迷宮アリアドネ(烈火)
「さあ、Step on it!  記念すべき第一歩目です!」
『私の航海誌』ウィズィ ニャ ラァム(p3p007371)の言葉は始まりであり、彼女の冒険史に刻まれる新たな一歩だった。
 文字通り【烈火】の勢いを持つパーティは惑いの大迷宮でも破竹の進撃を続けていた。
 それは多数の偵察(つかいま)を放つ事が出来るウィズィの探索能力、
(願いを聞いていただける……
 記憶を取り戻す、ではかの方にはつまらない願いでしょうけど――)
 塔の先に一縷の希望を得た『断ち斬りの』蓮杖 綾姫(p3p008658)の索敵能力、
「さてさて! 何処まで行けるかね? 何処までも頑張ってみますか!」
『一般人』三國・誠司(p3p008563)の確実な罠対処の為せる技であり、
「……折角、拾った命ですからね」
 何よりもつい先程、信じられないようなファインプレーで【チーム・サリュー】(みしったあくま)の接近を聞き取り、見事に回避せしめた『花盾』橋場・ステラ(p3p008617)のお陰であった。
 見事なチームプレーは奏功し、【烈火】は長く、そして確実に迷宮の奥へと進んでいた。
 焦れる時間には違いないが、地歩を固め確実なマッピングを果たし、少しずつ先へ進んでいく。
 変化する迷宮だからと諦めれば脱落するのみだ。摩耗せず地道に重ねる事こそが、まさにアリアドネに垂れた糸である。
 やがて現れたシュペル・ナイトが彼等を阻もうとするも――
「こっちのが分かり易いな。つまり大筒(これ)で吹っ飛ばせばいいって事だろ!」
 まさに破壊的な威力を誇る誠司が強烈な一撃をお見舞いし、
「時間をかける訳には参りません!」
 後衛に立った綾姫の励起・黒蓮がまとめて複数の敵を薙ぎ払う。
「こんな所で――」
 敵の注意を纏めて引き付けたウィズィが強かに打たれるも、不敵に笑った。
「――簡単に、引っ込む訳にはいかないんです!」
 頭に載せた名誉にかけて、大きな、重過ぎる冠にかけても!
「連携を崩さず――この調子で『圧倒』しましょう!」
 探索だけには終わらない。
 戦いになっても水を得た魚のようだ。まさに【烈火】は侵略する事火の如く。
 彼等の勢いはまだまだ止まる気配はない――

結果:【クリア】

成否

成功


第1章 第12節

イーリン・ジョーンズ(p3p000854)
天才になれなかった女
アト・サイン(p3p001394)
観光客
レイリー=シュタイン(p3p007270)
白騎士
フラーゴラ・トラモント(p3p008825)
進撃のラッパ

●星彩迷宮アリアドネ(ルサルカ)
「こいつがシュペルの塔か、観光客が踏破するには相応しい……
 ……………って言うかさ」
 3メートルの棒で壁や床をつつき回し、飛び出した槍に舌を出した『観光客』アト・サイン(p3p001394)は言った。
「……こういう場所でいきなり脱落とかするとだよ。僕の場合、アイデンティティに関わるって言うか。ねぇ?」
「司書?」と水を向けられた『天才になれなかった女』イーリン・ジョーンズ(p3p000854)が肩を竦めた。
「其は四人で一つ、しかし一つは四人の為に――進みましょう。
 振り向かず『次の道』を求めて、ね」
「優等生め」と毒吐いたアトの後ろを『恋する探険家』フラーゴラ・トラモント(p3p008825)がついて回っている。
(不謹慎かも知れないけど……アトさんカッコいい……
 このメンツで塔登れるの嬉しい……ワクワクしてる…
 だからこそいい結果残したい……!)
 恋する乙女は今日も力強く、場所はローレットの昼下がりでも、何時か歩いた街角でも、星彩迷宮であろうとも関係ないらしい。
「この面子に入れるなんてね。有難いって言うか、身が引き締まるって言うか――」
 無闇やたらに手慣れた調子で『ダンジョンアタック』するアトとイーリンを眺め、『ヴァイスドラッヘ』レイリー=シュタイン(p3p007270)が呟いた。
 捨て目が利き、丁寧に罠という罠を解除するアトに、しきりに鼻を鳴らし危険も異変も嗅ぎ分けるイーリン。
 持ち前の本能で周囲を警戒するフラーゴラ。そう言うレイリーも過酷に強くサバイバルに長けているのだから迷宮探索には十分だ。
 探索は続く。ずっと続く。
 どれ位の時間が経ったのか、体感だけで理解するには難しい。
 制限時間が存在すると思われる『塔』ならば、焦る気持ちも沸こうというものだが――
「――良し、休憩!」
 アトはへらりとした態度を何一つ変える事は無くハッキリキッパリ言い切って床に腰を下ろしていた。
「……アトさん、大丈夫?」
「平気よ。私達、進んでる方だと思うし。休める時に休まないと大抵負けるわよ」
「お師匠先生……!」
 イーリンの言葉を受けたフラーゴラがいそいそとシャボンスプレーを用意し始めた。
 身体を清潔に保つのは大切な事だし、何より彼女は(好きな人を隣に置いた)女の子である。
 そんなやり取りにふっと肩の力を抜いたレイリーが笑った。
「私が見張る。護る事が私の役割、『こういうの』は任せて。それが私がここにいる意味よ」
 肩の力は抜けていても、その眼光は鋭く。
 油断する事無く通路の奥をねめつけている――

結果:【クリア】
特殊結果:【休息十分/くさくない】(チームのテンションが微妙に上がります)

成否

成功


第1章 第13節

クロバ・フユツキ(p3p000145)
セララ(p3p000273)
魔法騎士
ユーリエ・シュトラール(p3p001160)
優愛の吸血種
長谷部 朋子(p3p008321)
蛮族令嬢

●星彩迷宮アリアドネ(聖剣騎士団イチゴ味)
「うーん、正直良く分かりませんね……」
 床、壁、天井――辺り一面に刻まれた『何かの文字』を眺め、『優愛の吸血種』ユーリエ・シュトラール(p3p001160)は溜息を吐いた。
「いえ、実は一部は分かるんです。
『これを解けばこの先で圧倒的に有利になる』のは間違いないのですけど……
 読めたのはそこだけと言うか、もうちょっと正しく言えば『読ませたいのはそこだけ』と言うか」
 解読のスキルを持つ彼女の柳眉はハの字になっている。
 成る程、そんな事を言われれば粘りたくはなる。惜しい気もする。
 だが、彼女が『それ以上を読ませる気がない』と判断したのは塔主の性格的に全く正解だろう。
 何せ、相手は混沌一の大天才だ。シュペルがその気でないなら、誰にもそれを解く事等出来よう筈もない。
「何だかとんでもない塔だね。ネアンデルタール人的にもこれは酷いと思うよ!」
『蛮族令嬢』長谷部 朋子(p3p008321)の実に彼女らしい評価に『ただの死神』クロバ・フユツキ(p3p000145)が苦笑した。
「全くだ。苦労させてくれるというか――色んな意味で。
 まぁ、ゆっくり休ませてくれる気はないみたいだし――」
「――ボクは結構楽しいけどね!」
 相変わらず屈託のない『魔法騎士』セララ(p3p000273)にクロバはもう一度苦笑した。
【聖剣騎士団イチゴ味】の面々はローレットでもかなりの武闘派である。
 戦闘力の高いパーティだが、ひっきりなしに出現する強敵は彼等にもかなりの疲労感を与えていた。
 罠に対処するセララ然り、抜群の『眼』で先を見通さんとするクロバ然り、蝙蝠での偵察を図ったユーリエ然り、「地図は探索の基本だよ」とネアンデルタールに似合わない(失礼)方向感覚と器用さを発揮してマッピングをする朋子然り。
 当然ながらこのパーティも迷宮に挑む術は心得ていたのだが、彼等は他と比べても断然戦闘回数が多い……
 その理由は、
「大丈夫。きっと前に進んでるよ!」
 力強く小さな胸を張るセララの言であった。

 ――階段を上がる足音があればその方向へ。戦闘音については戦闘が激しく、かつ多い方向が正解ルートだよ。
   シュペルは試練を避ける者を先へ進ませないでしょ?

 成る程、一理ある。
 セララの言葉に納得してしまった面々はかなりのハードモードを進んでいるという訳だ。
「じゃ、精々どんどん――苛烈に行くとしますかね」
「……ストップ!」
 諦め半分、上等だ半分にクロバが言った時、超聴力で耳を澄ませていた朋子が待ったをかけた。
「……」
「……………」
「……多分! 近くに梅泉居た!」
「よし、避けよう!」
 セララの断言にパーティが頷いた。
 彼等にあるは蛮勇ではなく――合理的な戦闘志向である!


結果:【クリア】
特殊結果:【FOE】(次以降5返却の間【チーム・サリュー】との遭遇率が上昇します!)

成否

成功


第1章 第14節

ヨタカ・アストラルノヴァ(p3p000155)
断片の幻痛
武器商人(p3p001107)
闇之雲
エル・エ・ルーエ(p3p008216)
ふゆのこころ
ヴェルグリーズ(p3p008566)
全てを断つ剣

●星彩迷宮アリアドネ(戯塔)
「――見つけた!」
 実に気が滅入るような迷宮探索の中で確かな光明を見たのは『全てを断つ剣』ヴェルグリーズ(p3p008566)だった。
【戯塔】の面々が不運な事に無限回廊の如き通路に囚われてしまってからかなりの時間が経過していた。
 幾ら進んでもまるでループしているかのように――実は本当にしていたのだ。
 それに【戯塔】が気付けたのは、『ふゆのこころ』エル・エ・ルーエ(p3p008216)のファインプレーによる。
「……うぅ、やっぱりです。
 エル達は同じ道を進んでいると思う、です……」
 床や壁にチョークで印をつけていた事が奏功していた。
 確実に前に進んでいる――それも直進している筈なのに三十分してエルの印にお目にかかる道理はない。
 直進を錯覚させるような仕組みがあるか、転移でもさせられているか、空間が捻じ曲がっているか――
 ファミリアーの偵察や情報探索をした結果、確率が高いのは三つ目であると思われた。
 動かない景色はさしもの『闇之雲』武器商人(p3p001107)にも「困ったねぇ」とあまり困っていなさそうな呟き声を漏らさせる程だったのだが――
 ヴェルグリーズの捨て目が役に立った。回廊の中の不自然――或いはトラップの起点を看破するに到ったのである。
「成る程、大変な場所だ。これはいよいよ一チームでも多く上へ目指せるようにしなければな」
 鈍く輝く床を『戦場のヴァイオリニスト』ヨタカ・アストラルノヴァ(p3p000155)が叩けば、今までにない選択肢が現れた。
 無限に続く回廊からの脱出口が別の方向へと伸びていたのだ。
「休憩も程々に取りたいけど、素直に休ませてくれるかな、これ」
 ヴェルグリーズは留まれば罠に襲われるのではないかと考えた。
 それに何より通路でかなりの時間をロスしている。残り時間も気にかかる……
「いや、急ごう」
「……正直、ここからが正念場だねぇ」
 ヨタカが通路を行こうとするより先に武器商人がさっと前を進む。
「エルも、まだまだ頑張ります!」
 ファミリアーに前後の警戒を任せたエルが意気込んだ。
 星彩の迷宮は探索者達に優しくない。塔は【戯塔】『で』戯れた。
 それを嫌と言う程に知る事になる道程はまだ始まったばかりであった――


結果:【脱落】

成否

失敗


第1章 第15節

アンナ・シャルロット・ミルフィール(p3p001701)
フロントライン・エレガンス
コゼット(p3p002755)
ひだまりうさぎ
シラス(p3p004421)
竜剣
アレクシア・アトリー・アバークロンビー(p3p004630)
希望の蒼穹

●星彩迷宮アリアドネ(塔竜門)
「うーん、シュペルさんかあ……どんな人なんだろうね?」
 無限にも思える迷宮には自然光が差し込まない。
 アリアドネの内部は向こうがその気なら何か魔力のような灯りが点っていたし、向こうにその気がないならば時に暗闇に包まれる事もあった。
 酸素は十分で窒息するような環境にはないようだが、空気の流れが存在しているかどうかは実に疑わしい。
 つまる所、迷宮内に真っ当な植生がある事は有り得ないのだ、本来は。
「……何となくすごい人なのはわかるけど……一度会ってみたいな!
 そのためにも頑張って登らなきゃね!」
『希望の蒼穹』アレクシア・アトリー・アバークロンビー(p3p004630)の声がこの瞬間だけは華やいでいた。
【塔竜門】が迷宮内の小部屋に到達した時、そこは庭園のように緑に茂っていたのである。
 そんな空間が存在する理由は分からないし、シュペルの意図も不明だが、アレクシアにとっては動機を新たにする理由にはなったようである。
「うんうん。シュペルさんには前に靴を作ってもらったんだ、ずっと愛用してるんだよ。
 いっかいお礼言いたかったんだよね」
 パーティの先頭を行くのは『ひだまりうさぎ』コゼット(p3p002755)。
 大抵の人間より危機直感に優れ、忍ぶにも適している。斥候役の彼女の耳はこれまでにも敵・罠・味方・緊急事態――四つ目は余りあって欲しくはないのだが――器用にぴこぴこと動いて後続する仲間達に状況を伝達していた。
「最悪の試練、ね。
 何が起きても冷静に対処しましょう。踏破者がいる以上、不可能ではないのだから」
「大変なトコなのは間違いない。
 でも、レオンは登り切ったんだろ? ――それも一人で」
 マップを片手にコゼットに続いた『舞蝶刃』アンナ・シャルロット・ミルフィール(p3p001701)に『竜剣』シラス(p3p004421)が応じた。
「『燃えるぜ』」
 何者でもなかったシラスは時間をかけ、血の滲むような努力で今の彼になった。
 先行きがどれ程に困難でもそれは彼の歩みを止める理由にはなるまい。
 同道するのがアレクシアなら尚更である――
「まぁ、同感ね」
 アンナからしてもこの未知への探求は少なからず興味をそそられるものである。
 組み上げた【塔竜門】はローレットの中でも有数といっていい戦力で『優勝候補』の一つであろう。
 誰が勝ってもいいとはいえ、出来れば頂上を見たいと思うのは当然で――
「――成る程、次の当たりは主等か」
「はずれです。うちの殺したいのはここにはおらんし」
 ――故にアンナは『彼等』にだけは遭遇したくなかったのだが。
 パーティが気を付けていたとしても、向こうがやって来る事もある。
「……は!?」
「どうやら、ワープ床を踏んでしまったみたいだ」
 雪之丞の言葉にシラスはもう一度「は???」と声を上げた。
「悪いね、君達。どうも、君達の冒険はここまでかな!?」
「そんな簡単にっ……!」
 クリスチアンの言葉にコゼットが思わず声を上げた。
 出会ってしまったのは最悪の中の最悪、試練ならぬ最悪だ――!


結果:【継続】(上記リプレイに対して再度プレイングを掛けて下さい)
   高確率で【脱落】しますが、【クリア】になる場合もあります。
   三日の間プレイングが再送出来る状態になります。
   チームメンバー全てのプレイングが揃わない場合は不採用及び【脱落】となります。

成否

成功


第1章 第16節

キドー(p3p000244)
最期に映した男
咲花・百合子(p3p001385)
白百合清楚殺戮拳
フラン・ヴィラネル(p3p006816)
青と翠の謡い手
伊達 千尋(p3p007569)
Go To HeLL!

●星彩迷宮アリアドネ(伊達)
「アリアドネたあ気の利いた名前だな」
 山のようなトラップを搔い潜り、終わりの無い迷宮を突き進む。
 そろそろとした忍び足と持ち前の『小物なる豪胆さ』をもって先を行く『最期に映した男』キドー(p3p000244)は額に浮いた汗を手の甲で拭った。
「だが俺らが進むのは出口じゃねェ、ってトコだな!」
 後方に出したハンドサインは今回の探索に関して入念に打ち合わせた特別製。
「ううむ、何だかまだるっこしいのである!
 ぴゃーっと走って一番に攻略……ん、やっぱりキドー殿より先に進んじゃダメ? わかった!」
 基本的には『待て』が大の苦手なドーベルマン、シベリアンハスキーじゃなかった『白百合清楚殺戮拳』咲花・百合子(p3p001385)はうずうずと爆発の時を待ちわびているようである。
「叶えたい願いは…今のとこないけど!
 でもなんか、てっぺん目指すのって楽しくない?」
「ま、何とかと煙はじゃねぇけど、男に産まれたからにはテッペンってのはな。グッとくるしな」
『青と翠の謡い手』フラン・ヴィラネル(p3p006816)に『Go To HeLL!』伊達 千尋(p3p007569)が頷いた。
 そんな千尋の頭の中に「男とかそういうの関係ないわよ! 女だってそうよ!」とジェンダーにやや煩そうな例の声が響いている。
「アルバニアネキ! わ、わかったよ! チーム皆と――俺頑張る!」
 キドーを含めた【伊達】の面々にも疲労がない筈は無かろうが、まだ意気軒高と上を目指している状況だ。
「でもちょっと思ったんだけど」
「うん?」
 ふと声を漏らしたフランに百合子が小首を傾げた。
 幾度かの休憩で食事係も勤めたフランに素直に懐いている(?)雰囲気がある。
「……何か、思ったよりずっと平和じゃない?」
「そういや、そうだなァ」
 前を行くキドーが振り返らずにそう言った。
 決して大変な事態が無かった訳ではないのだが、致命的なものには出会っていない。
 最悪の試練とまで称される塔のイメージ程でないのは事実である。
「うーん、luckyって事でイイんじゃね?」
 千尋の言葉に面々が「うーん、そうか」と頷いた。
 いや、口笛を吹いた彼の事を思い、彼の事を考え――実際納得してしまったのだ。
 伊達千尋。それはαとΩを、光と闇を内包する、存在そのものがギャンブラー……
 必ずうまく行く保証はないが、今日は今の所上手く働いているようだ。丁半博打はお手の物――


結果:【クリア】

成否

成功


第1章 第17節

グレイシア=オルトバーン(p3p000111)
知識の蒐集者
ルアナ・テルフォード(p3p000291)
絶望を砕く者
鬼桜 雪之丞(p3p002312)
白秘夜叉
炎堂 焔(p3p004727)
炎の御子

●星彩迷宮アリアドネ(1爺3孫)
「ここは本当に――ええ、腕試しには、ちょうどいい場所ですね」
 小型のシュペル・ナイトの残骸を一瞥した『白秘夜叉』鬼桜 雪之丞(p3p002312)は人心地をついてそんな風に呟いた。
 遭遇戦は突然に、そして何度も起きている。
 完全な前衛、【1爺3孫】の盾として敵の猛攻を受け止める彼女に休まる時間は少なく。
 恐ろしい程に強靭でタフなその立ち姿にも幾らかの披露の影が差すのは致し方ない事と言えた。
「しかし――レオン様も挑んだ塔。その頂上の景色は、気になるところです」
「一番上まで登ればシュペルさんのところに行けるんだね。何が起きるかわかんないけど
 実力と運試し、この先も色々ありそうで楽しそう!」
 目を丸くした雪之丞の一方でこの『絶望を砕く者』ルアナ・テルフォード(p3p000291)の方は全く無邪気そのものだった。
 命の危険を目の前にしながら『それさえ楽しめてしまう』のは彼女が勇者であるが故か。
「頂上に至れば、願いを一つ叶えられる可能性がある塔だ。
 褒美が大きいならば代償も必然と大きくなろう。
 尤も人間が真に欲する望みは、他者に託すようなものではないのだが――運試しを兼ねた腕試しと言う考え方は悪くない。
 何が起きてもおかしくはない故、慎重に……まぁ、そうのんびり出来ないのも確かなのだが」
 一方で『魔王』――『知識の蒐集者』グレイシア=オルトバーン(p3p000111)の方はそんな彼女を認めながらも嗜めるようにそう言い、
「一番の願いかー。ぱ、ぱ、パルスちゃんのコンサートのアリーナ席が……
 だめ? じゃあリアちゃんと一緒に遊ぶとか!
 え、ちがう? よくわからないけど、一番上まで登ればいいんだよね。
 よーし、頂上目指してがんばろー!」
 拳を「おー!」と突き上げた『炎の御子』炎堂 焔(p3p004727)とルアナに「うむ、元気で結構」と苦笑する。
「……中々大変ですね」
「ああ。そちらも」
 雪之丞の言葉にグレイシアは頷く。
 パーティの戦闘力は高く、これで意外と真面目に探索もしている。
 焔の方向感覚は抜群だし、勇者は鍵開けが出来るものだ。
 グレイシア本人は迫る危機に耳をそばたてているし、雪之丞の式神は何より頼もしい。
「あ、あっちに新しい部屋があるよ! 鍵開けて、ルアナちゃん!」
「任せて!」
 グレイシアの心配は苦労性の持つ癖のようなものだ。
 パーティは意外と強かで、孫のような三人は想像以上に頼もしい。


結果:【クリア】

成否

成功


第1章 第18節

マルク・シリング(p3p001309)
新道 風牙(p3p005012)
よをつむぐもの
リンディス=クァドラータ(p3p007979)
夜咲紡ぎ
ハンス・キングスレー(p3p008418)
運命射手

●星彩迷宮アリアドネ(黒狼疾駆)
 ――何が起こるか分からないからね。慎重に行こう。

 まさにマルク・シリング(p3p001309)の忠言は正鵠を射抜いたものになっていた。
『何が起きるか分からない』というのは想像力の外の事態を指し示したものだ。
 まさに今、【黒狼疾駆】の直面する事態はそういった状況そのものであると言えた。
「これこそ、星見の時――その前の前菜(アペタイザー)といった所ですか?
 ならばこれこそ可能性への超克を成し、伝説の暇を潰す時でしょう!」
「黒狼隊分隊、黒狼疾駆! 行くぜ!
 諦めるなんて柄でもなんでもねーからな!」
『砕けぬ蒼翼』ハンス・キングスレー(p3p008418)の言葉に『よをつむぐもの』新道 風牙(p3p005012)が気合を見せた。
 彼等が直面したのは『トラップボックス』である。
 素晴らしい連携と探索でむしろトップクラスに順調な探索を続けていた彼等だが、唯一運だけが悪かった。
 足を踏み入れたその部屋はシュペルが趣向を凝らした『傑作』である。
 当然、マルクはファミリアーによる先遣を行ったのだが、パーティが足を踏み入れるまでは全く異変は存在しなかった。
『最悪の可能性を言うならば、この部屋はシュペル自らが操作している可能性がある』。
「また来ますよ!」
 マルクの警告にパーティは身構える。
 部屋の扉は閉じている。周囲から次々と出現する敵に、致死性のトラップ。
 先は見えず終わりは見えず、閉じ込められたまま彼等は長い間『耐え忍ぶ事』のみを余儀なくされていた。
 しかしながら、マルクは思う。
(かの方はクリア不可能なゲームなど好みますまい)
 元より唯殺したいだけならば閉じ込めた上で壁でも床でも圧縮してしまえばいいのだ。
 その程度塔の神には造作もないだろうし、良くも悪くも『誰もが彼の前では塵芥』である。
 それ如きを時間をかけて嬲り殺すような趣味もなかろう。
「つまり、クリアは可能だって事!」
 新たに出現したシュペル・ナイトを風牙の一迫彗勢――裂帛の気合が叩き伏せた。
 何かがある筈、それは『夜咲紡ぎ』リンディス=クァドラータ(p3p007979)にとっての力の見せ場であった。
 彼女の目は暗闇を見通し、微かな変化も完全に記憶している。
 解けないパズルのように部屋が組み変わっても法則性さえ見い出せば、これがゲームならば活路はある!
「ローレット、そして黒狼の旗の下――
 この力束ね、この難関さえ超えましょう!
 そして今、この瞬間にしか有り得ない――我等の物語を記録していくのです……!」
「ええ、まだまだこれから! 僕が在る限り、気力を尽きさせはしませんよ」
「強敵相手、困難相手。我ながらついてませんけど、『劣勢』は慣れてますからね」
 ハンスにせよ、マルクにせよ、そしてリンディスにせよ。
 長期戦への備えが強いのも救いで、
「――っしゃあ!」
 故に風牙の鋭さは鈍らない。
 果たしてこの部屋に当たったのが【黒狼疾駆】以外ならば終わっていたかも知れない。
 しかし、彼等は――


結果:【クリア】
特殊結果:【キーボードクラッシャー】(シュペルがキーボードを壊した為、致命的トラップが発動した他1チームが救済される場合があります)

成否

成功


第1章 第19節

辻岡 真(p3p004665)
旅慣れた
シューヴェルト・シェヴァリエ(p3p008387)
竜食い
トスト・クェント(p3p009132)
微睡む水底
御子神・天狐(p3p009798)
ワイルドフォックス

●星彩迷宮アリアドネ(ゆるふわ)
「たとえここがどういう場所であれ――」
 厄刀を存分に振るい、その斬撃、金属の悲鳴で敵影を裂く!
「――Tower of Shupellがどんな難関であろうとも。
 僕は皆を守る剣にして盾。やるべき事は変わらない――!」
『貴族騎士』たる『竜食い』シューヴェルト・シェヴァリエ(p3p008387)のノブレス・オブリージュは敢然と強敵に立ち向かう。
「デカァァイ! 説明不要なのじゃ!
 どんな頭しとったらこんなもん作れるんじゃ。
 塔も、この敵も同じじゃ! 半分位香川県に寄越しとくのじゃ!」
 反撃に振り下ろされた槍斧が床を叩き割る。
 ぞっとしない威力に何とか逃走した『最高の一杯』御子神・天狐(p3p009798)が抗議めいた声を上げる。
【ゆるふわ】のパーティが出会った身の丈五メートル近い大型のシュペル・ナイトはこの探索における彼等にとっての最大の難所となっていた。
「……凄いよねぇ、こんなことができるひとがいる、ってことがもう」
「叶えられるもんなら叶えたい願いもある事だし。
 登れるものなら最上階を見たいトコだが――」
 しみじみ言った『微睡む水底』トスト・クェント(p3p009132)に『旅慣れた』辻岡 真(p3p004665)が肩を竦めた。
 真はパーティを支援し、トストは主にフロントに立つシューヴェルトを支える動きを見せていた。
 暴力的な敵の威圧に【ゆるふわ】がこれまで耐えてこれたのは偏に連携と粘り強さによるものだろう。
 痛めつけられてもシューヴェルトは引かず、
「これでも喰らうのじゃー!」
 僅かでも勝機を見い出さんと天狐は『馬鹿げたスピード』をぶっ放し、振り回す!

 おおおおおおおお――!

 咆哮を上げる機神の姿が次々と変化する。
 文字通り幾度も『変型』するそれはその度に圧倒的に威力を増していた。
 絶望せよ、砕け散れと激しくパーティを攻め立てる。
 だが、それでも――諦めない。諦めて得られるものがないならば、あくまでパーティは立ち向かうのみ。
「……命だけは大事に、ね」
 真の言う通り、勝利は何も塔を上がる事のみではない。
 誰も死なずにこの局面を切り抜けられたなら、それは勝利と呼ぶ他はないではないか!


結果:【脱落】
特殊結果:【変型】(シュペル・ナイト(ボス)が強化されました)

成否

失敗


第1章 第20節

ンクルス・クー(p3p007660)
鋼のシスター
フリークライ(p3p008595)
水月花の墓守
グリーフ・ロス(p3p008615)
抱き止める白
Я・E・D(p3p009532)
赤い頭巾の断罪狼

●星彩迷宮アリアドネ(紅玉)
 ――敵も罠も、どうぞお任せください。簡単には倒れないつもりですので。

 字面で表わせば淡々としながらも何とも頼もしく、同時に強気な発言である。
 しかし、成る程。『白き不撓』グリーフ・ロス(p3p008615)の言葉は全く【紅玉】というチームを表すのに適した風情であった。
「強さだけが昇る条件ならそんなつまらない事は無いからね。
 きっと塔主もそんな退屈なのは望んでいないよね。
 だから、わたし達が本当の冒険者の姿を見せてあげる――」
 こちらも超がつく程に強気な『赤い頭巾の悪食狼』Я・E・D(p3p009532)である。
 彼女を除けばイレギュラーズでは比較的珍しい秘宝種(レガシーゼロ)のみで構成されたチームは最初から超長期戦への備えを果たしていた。
「この冒険に創造神様の加護がありますように……
 これだけのダンジョンの攻略! わくわくするね♪
 ……シュペルって人も凄い人みたいだし会ってみたいなぁ」
 常人ならば疲労困憊は免れまいが、『鋼のシスター』ンクルス・クー(p3p007660)の調子にも余裕がある。
「フリック 誰カト冒険 主以来。コレガ 血 騒グ? ワクワク」
 機械然とした『水月花の墓守』フリークライ(p3p008595)から感情の機微を読み取るのは難しいが、彼等が最初にアリアドネに足を踏み入れてから早くも数日が経っていたが、音を上げるような者は居ない。その兆候は見られない。
 それはヒーラーとして機能するフリークライの存在もさる事ながら、
「どの道兵站は不要なのです。向こうが駄目と言うか、こちらがめげるまでは探索を続行する事にしましょう」
 マッピングをするンクルスにパーティの足を止めたグリーフが言った。
 実に見事な手際で巧妙に設置された罠を『処理』した彼の言の意味する所は【紅玉】には食事も睡眠も不要であるという点であった。
 全員が全員、そういう体質をしている。疲労回復や集中力を取り戻す休憩こそ必要なれど、我慢比べの局面でこれ程強いものは少ない。
 聞き耳、捜索、兎にも角にも器用に様々な役割をこなすЯ・E・D等は戦闘も見事なものだった。
 グリーフやンクルスが食い止め、フリークライが支え、Я・E・Dが薙ぎ倒す。
「でも問題は――時間の方だよね」
 へこたれないパーティだが、Я・E・Dの気がかりはその点である。
 アリアドネは深く無限に続く。正直焦れるも確か不安も確かだったが――
 結論から言えば【紅玉】はこれから更に数日後、一層の挑戦者の中では『一番遅く』ゴールに辿り着く事になる。


結果:【クリア】

成否

成功


第1章 第21節

夢見 ルル家(p3p000016)
離れぬ意思
ドラマ・ゲツク(p3p000172)
蒼剣の弟子
善と悪を敷く 天鍵の 女王(p3p000665)
レジーナ・カームバンクル
リア・クォーツ(p3p004937)
願いの先

●星彩迷宮アリアドネ(乙女同盟)
「正直、私はそんなにフィールドワークが得意な方ではないのですが……」
 代わり映えしない迷宮の景色にほんの少し眉を顰めた『蒼剣の弟子』ドラマ・ゲツク(p3p000172)が呟く。
「シュペル・M・ウィリー。その伝説の持つ叡智にはとても、とっても興味があるのです!」
『師匠』に聞かれれば罰走不可避の発言ではあるがさて置いて。
 叡智の捕食者は未知を好む。こんな迷宮とあらば――そして誰かの頼みであるなら参加しない理由もないのであった。
「スターテクノクラートが手掛けるダンジョンね。
 どうにも良い予感はしないけれども。やるからには全力なのだわ」
 壁や床の傾斜、何らかの仕掛けが施されていないかにも気を配り、マップを片手に『レジーナ・カームバンクル』善と悪を敷く 天鍵の 女王(p3p000665)が嘆息した。『奈落の底の歩き方』は手慣れたモノで、怪しい場所を見逃すまいと気を張っている。
「稀代の錬金術師殿のダンジョンですか。
 願いを叶えてくれるかも――なんて言うなら、尚更厄介なんて言葉では言い表せなさそうですね!
 願いはありますが! それも全ては登りきっての事! 頑張りましょう!」
「別にシュペルに興味は無いけれど、今後その人の協力が必要ってんなら会いに行ってやろうじゃない。
 首洗って待ってなさいよ、スターテクノなんとか!」
『離れぬ意思』夢見 ルル家(p3p000016)に言葉に『願いの先』リア・クォーツ(p3p004937)が応じた。
【乙女同盟】は名の通り『誰かに恋する乙女の集団』なのだが、そのふんわりネームに相反して非常に実戦的なチームであった。
 捨て目が利き精霊と疎通可能、更にはギフト(インソムニア)で殆ど眠らないドラマ。
 有効ではなかったが透視の魔眼を持つ『アビスウォーカー』レジーナ。
 五感が尋常ではない程に研ぎ澄まされるちょっと宇宙忍者っぽいルル家。
 先頭を行く鍵開け役。やたら頑丈で「あたし失敗しないから」なリア・クォーツ。
 恋も与太も失敗しまくっている気はするが、炎上が日常なら大した問題ではないのだろう。
「何かキレそうな気がしたんだけどそれは兎も角」
「どうかしたの?」
 うーんと首を傾げたリアにレジーナが問いかけた。
 レジーナからしてもこの迷宮の踏破は愛しい人に褒めて貰えそうだから重要なのだ。
「いや……何かさ……」
「ひょっとしてさっきの?」
 合点したルル家が問うと歯切れの悪いリアが頷いた。
「ああ、リアさんの顔を見るなり咽た声がしてどこかへ行ってしまった!
 リアさんの気迫に命の危険を感じ――ビックリしたんでしょうね!」
 ドラマが少しだけ冗句めいるとリアはいよいよ渋面をした。
 中型の敵だからこのパーティが勝てない事は無かっただろうが、こんな清廉で可愛いシスターを見て逃げ出すとは世も末だが、そもそも一体どうしてだ? そもそも機兵が咽るって何なんだ?
 理由はさっぱり分からなかった……


結果:【クリア】

成否

成功


第1章 第22節

日向 葵(p3p000366)
紅眼のエースストライカー
プラック・クラケーン(p3p006804)
救海の灯火
アルヴァ=ラドスラフ(p3p007360)
隻腕の射手
ボディ・ダクレ(p3p008384)
龍成の親友

●星彩迷宮アリアドネ(飛脚)
「伝説に挑むってか、面白ぇ。
 いっちょシュペルってヤツのツラでも拝みにいくっスか――」
 不敵に笑った『紅眼のエースストライカー』日向 葵(p3p000366)が強かに鋭く疾い一撃を叩き込む。
「――『伝説』ってからにはそう一筋縄ではいかないって事っスね!」
 比較的順調な探索を続ける【飛脚】が大問題に遭遇してしまったのは暫く前の事だった。
「大変な状況じゃああるが――レオンさんも攻略した塔。つまり攻略すりゃ文字通り『伝説』に近づける訳だ……!」
 意気軒昂なる『救海の灯火』プラック・クラケーン(p3p006804)が敵の猛攻に抗じるように前に出た。
 遭遇してしまったシュペル・ナイトは『大型』のもの。
 それも彼等は知る由も無いが、当初形状より姿を変えより強力に進化したものである。
 賢明なプラックは『人助けセンサー』を実に上手く逆利用していた。
 近くに何処かのチームが存在しているかどうかを感知出来れば――それも彼等に危険が迫っているかどうかを知る事が出来れば、その逆張りをする、迂闊に近付かない事で危険を避けられるという寸法である。勿論、必ずしも仲間の危急を無視する訳ではないが塔の攻略はチーム毎である。『誰かが届けばいい』のだからプラックの判断は実に合理的で素晴らしい。
 ……とは、言え。
 二つ以上の危険が近くに存在していた時、不運に遭遇してしまえばそれまでだ。
『恐らくは』【チーム・サリュー】は回避したが、シュペル・ナイトは避けきれなかったという状況である。
「こうして集えたのも縁ですからね。何としても頂上の景色を見たい所ではありますが――」
 これまでにも探索の方面で、罠の対処やマッピングで活躍を見せてきた『激情のエラー』ボディ・ダクレ(p3p008384)が呟いた。
 アリアドネの塔主の意地悪さを考慮するに、そう簡単に逃してはくれないだろう。
「……っ、チッ、気をつけるっス!」
 かなり手練の葵からしても手に余る。
 やはり『大型』は四人で受け切るには相当に困難な強敵だ。
「――残念だけど、まだ無茶振りを聞いて貰ってもないんだよね」
 敵の意識を嘯いた『元騎士』アルヴァ=ラドスラフ(p3p007360)が強烈に引き付けた。
「いや、違うな。これは是非とも叶えて貰いに行こうじゃないか」
 だが、先の長さもさる事ながらこの行き止まりをどうにしかしない事には始まるまい。
 差し当たって叶えて欲しい願いは、全員の帰還である――


結果:【脱落】

成否

失敗

状態異常
プラック・クラケーン(p3p006804)[重傷]
救海の灯火
アルヴァ=ラドスラフ(p3p007360)[重傷]
隻腕の射手
ボディ・ダクレ(p3p008384)[重傷]
龍成の親友

第1章 第23節

サンディ・カルタ(p3p000438)
横紙破り
ニコラス・コルゥ・ハイド(p3p007576)
名無しの
オニキス・ハート(p3p008639)
八十八式重火砲型機動魔法少女
白夜 希(p3p009099)
死生の魔女

●星彩迷宮アリアドネ(明日の風)
「分かっちゃいたがとんでもねぇ技術だな」
『名無しの』ニコラス・コルゥ・ハイド(p3p007576)の声は感心を通り越して呆れるものだった。
 飄々とした余裕は何時もと変わらず、ニヒルな雰囲気にも変化はない。
「だが『良くも悪くも』だ。やることは変わらねぇ。上に進む。それだけだ」
 探索を続ける程に襲い来るトラブルと敵の圧力を受けているのは【明日の風】も例外ではない。
「混沌最高の天才……どれほどの技術と知識を持ってるのか、気になる。
 まだ手札が沢山あるのか、あるんだろうね。なんにせよ、この塔を登りきらないと分からないけど……」
 小型の機獣を呟いた『八十八式重火砲型機動魔法少女』オニキス・ハート(p3p008639)の火力が『吹き飛ばした』のはつい先程の話だ。
 しかし連日に渡る探索は罠に対処する彼女の神経をかなりジリジリと摩耗している。
 爆発的な戦闘局面が危険なのは確かだが、一戦二戦に勝利した位で終わるのならば苦労はない。
「……こりゃ、敵わないぜ」
『横紙破り』サンディ・カルタ(p3p000438)からすれば水を得た魚のような現場かも知れない。
 彼が上手く聞き耳を立て、ニコラスが小技を利かせて戦闘を回避した事もあったが、普段の依頼とはやはり全く毛色が違う。
「ま、それだけやりがいもあるけどな、って……」
「……分かれ道だ」
 慎重に先に進む【明日の風】の前に左右に分かたれた運命が現れた。
「占ってみようか」
 マッピングも担当する『死生の魔女』白夜 希(p3p009099)が幽かに笑った。
 当たるも八卦、当たらぬも八卦の世界だが――『魔女』らしく彼女の得手の一つなのである。
「うん。最悪かも知れない。そっち死神、そっち悪魔。それも正位置――それなら悪魔のがマシ?」
 あくまで占いは占いであるが、信じるのであれば行き着いたこの道は中々のものであるらしい。
 まだしも『塔』等出ていないだけマシなのかも知れなかったが。
「判断はニコに任せるよ」
「ね、リーダー」と水を向けられたニコラスが自身の顎を撫でた。
 何とも心苦しい選択を迫るものである。
 攻略もそうだが、そう言われれば勝てるか勝てないかの判断こそ命になろう。
「そうだな。『死神』はぞっとしない」
「会った事あるけどな、それは確かにそう思うぜ」
 ニコラスにサンディが応じ、オニキスが「あるの!?」と目を丸くした。
「――じゃ、悪魔か。悪魔位倒さないとどうせ先には進めまい」
 腕をぶしたオニキスに「頼りにしてるぜ」と呟くが、それはまさに本音としか言いようがなかった――


結果:【脱落】

成否

失敗

状態異常
ニコラス・コルゥ・ハイド(p3p007576)[重傷]
名無しの

第1章 第24節

アルプス・ローダー(p3p000034)
いわしアイドル
エルス・ティーネ(p3p007325)
竜首狩り
ロロン・ラプス(p3p007992)
ぷるるん! ずどん!
一条 夢心地(p3p008344)
殿

●星彩迷宮アリアドネ(四天王)
 人生の格言に『人を見た目で判断してはいけない』というものがある。
『能ある鷹は爪を隠す』という言葉もある。
 即ち外見から受ける第一印象等というものは――あてになる場合も多いが――あてにならない事もある、という事である。
「すごい! 良く分からないけれど、何はともあれすごい勢いだわ!」
 思わず歓声を上げた『竜首狩り』エルス・ティーネ(p3p007325)の表情が輝いている。
【四天王】なるチームは御存知最速違法バイク『二輪』アルプス・ローダー(p3p000034)、異界からの恐怖、明らか尋常ならざるスライム『無垢なるプリエール』ロロン・ラプス(p3p007992)、世界的スポーツ祭典のオープニングでサンバしてそうな『殿』一条 夢心地(p3p008344)にエルスを加えた混沌の坩堝であった。

 ――チンタラやってたら陽が暮れてしまうわ。
   ババーンと往くぞえ、良いな? アルプス! エルス! ロロン!

 ――ヨシ。即席パーティですし適当に目星を付けたゴールを最短コースをごり押しする感じでいきましょう!

 白塗りの男と違法バイクの結論は実に速やかであり、ロロンは「じゃあ、せめてボクは便利屋でもやるね」と簡単に頷いた。
「よくわからないけれどサリューとは極力会いたくはないわね……
 やっぱり、時間をかけると良くないから最短ゴリ押しも意外といいのかも……」
 エルスは当初はその恐るべき勢いに困惑を見せていたが、見ても分かる通り探索する中で朱に交わって朱くなっている。
 赤くなるのは本望だろう、きっと。エルスさんといえばワロスさんですし。
(最短ルートを目指す以上、罠にも気を付けないとね。
 危ないのはボクが罠対処しておけば見た目酷いことにはたぶんならなさそうかな……お約束はともかく)
「いぇーい」とハイタッチするアルプスと夢心地を半眼で眺め、ロロンは案外冷静だった。
『わかりやすい』という意味で【四天王】の意思は実に素直に統一されている。同時に彼女が水を供給したり、罠に対処したり、エルスが暗闇を見通したり、夢心地は方向感覚に優れていたり奇跡的な天啓を得る事があったりと実はパーティとしてそう悪くなかったりもするのだ。
「やはり反応! 反応はすべてを解決する……!」
 目の前を塞ぐすべてを反応するアルプスは何時もと何も変わらなかったが、まぁそれはそれとして。
 愉快なパーティに持ち前の幸運が働いたのは決して単なる『まぐれ』ではないだろう――


結果:【クリア】

成否

成功


第1章 第25節

エクスマリア=カリブルヌス(p3p000787)
……私も待っている
イルミナ・ガードルーン(p3p001475)
蒼騎雷電
黎明院・ゼフィラ(p3p002101)
夜明け前の風
華蓮・ナーサリー・瑞稀(p3p004864)
嫉妬の後遺症

●星彩迷宮アリアドネ(チームK)
(う、うう……と、兎に角色々起きるし、正直ぞっとはしないのだわ……!)
 未知の集合体、意地悪な奇跡、混沌の中の混沌――
 星彩迷宮はかの天才、シュペル・M・ウィリーの作り出した不条理の極みである。
 長い探索を続ける【チームK】の先頭を行く『嫉妬の後遺症』華蓮・ナーサリー・瑞稀(p3p004864)の瞳は緊張と興奮、疲労で少しばかり潤んでおり、彼女――そして仲間達――が切り抜けてきた困難の大きさを知らしめている。
(……でも、皆への嫉妬を自分の新しい力にする為!
 私の恋を一歩前へ進める為にも、私はこの塔に挑まなくてはならないのだわ!)
 恋する乙女の燃えるような決意(こじんてきじじょう)はさて置いて。
「スタートが複数なら、ゴールは迷宮の中心、と考えられる、が……
 或いはゴール自体、移動していても、おかしくない。なにせ、作者が作者だ。ろくな事は起きないだろうからな」
 幼気な容姿に反する乾いた嘆息を漏らした『雨上がりの少女』エクスマリア=カリブルヌス(p3p000787)が、代わり映えのない陰鬱とした迷宮の風景を半眼で眺めている。
「他のチームの一つでも見つけられれば大分違うのだが……
 疲れてないか? まま」
 周囲の様子をつぶさに探るエクスマリアに華蓮は「大丈夫なのだわ!」と小さく胸を張った。
 彼女からすれば再生も充填もお手の物で――戦闘を除いたとしても根気の良い性格は地道な攻略に向いている。
 多くのチームがそうであるのと同じように【チームK】の探索も粘り強く苦戦を余儀なくされるものとなっているのは間違いない。
「叶えたい願いがイルミナにはあるッス!」
『蒼騎雷電』イルミナ・ガードルーン(p3p001475)の目の前にぶら下がった餌は大きい。
 対策は立ててきたし、出来る手段は用意した。気力も目的意識も十分だ。
「……何とか上を目指して、出来れば一番になれたらいいッスよねぇ……」
「ああ。だが、こんな事を言うのも何だが――
 正直を言えば、私は例の『願い』そのものより、この難関に挑む事自体が魅力的かも知れないな。
 未知の場所を調べ尽くすのが私の本懐だから」
 期待半分不安半分に零したイルミナに『夜明け前の風』黎明院・ゼフィラ(p3p002101)が応じた。
 やはり他の多くのチームと同じようにローレットでも強力なメンバーを備えた彼女等はこの位ではへこたれない。
 しつこく迷宮の解析を繰り返し、全く期待通りの結果は得られてはいないのだが――むしろゼフィラは跳ね返される事それそのものを楽しんでいるふしがある。
「成る程、悪辣なトラップだ。殺しに来ている」
 時折見かけるとても笑えない罠も真顔の彼女にかかればいいスパイスなのかも知れない。
「さあ、元気出して行くッスよ!」
 イルミナの明るさと前向きさは暗い迷宮の中では確かに救いで、パーティはしなやかにそしてほんの少し和やかにこの困難に相対している。


結果:【クリア】

成否

成功


第1章 第26節

ラダ・ジグリ(p3p000271)
剣砕きの
マルベート・トゥールーズ(p3p000736)
饗宴の悪魔
セリカ=O=ブランフォール(p3p001548)
一番の宝物は「日常」
ソア(p3p007025)
雷虎

●星彩迷宮アリアドネ(饗饌)
「うーん……」
 愛らしい顔に乗った形の良い眉がハの字になっている。
「見れば見るほど、広い塔だよね。
 ……シュペルさんはこんな場所に一人で寂しくはないのかしら。
 何でも出来るならボクは真っ先にお友達を作るのになぁ」
『雷虎』ソア(p3p007025)の言葉は聞く人が聞いたら泣いてしまうものかも知れない。
 世の中には友達を作るのが極端に苦手な性質の人間も少なくはなく、恐らくこの塔の主も例外ではない。
「……逆に興味がわいてきちゃった、お話してみたいな」
 だが、その先に続いた結論は確かな救いだったかも知れない。
 救いを求めているかどうかは別問題として、救いである事は間違いないだろう。
「願いを叶える塔らしいからね。変わり者が住んでいるものだ。
 まぁ、私はと言えば……願いは叶える側だったから特に思いつかないのだけど……
 挑戦自体は嫌いじゃないよ。勿論、仲間との探検もね」
 ともあれ、この『饗宴の悪魔』マルベート・トゥールーズ(p3p000736)をはじめとする【饗饌】の四人もまたこの数奇な塔を探索中だった。
 先頭を行くマルべートは罠の対応と荒事になった時の『盾』を受け持っている。
 言うまでもなく彼女の後ろを行くソアは中距離アタッカーのスペシャリストだ。
 極めて戦闘に優れたチームは、単純な戦闘での妨害をものともせずに進んでいる状態である。
「此方も願いなどないが、やってみろよと目の前で煽られれば……
 そうだな。舐めるなと言い返したくなる性分でな」
「それは賛成。悪魔は試すものでなければ」。『剣砕きの』ラダ・ジグリ(p3p000271)の言葉にマルベートが頷いた。
 ラサ出身のラダは取り分けこういった『冒険』に手慣れている所がある。
 如何な強敵への耐性があるパーティでも戦って結論が出る話でなければ彼女の備えも重要だった。
(この塔にみんなが……だったらわたしがやる事は……!)
 そしてそれは一人決意を燃やす『一番の宝物は「日常」』セリカ=O=ブランフォール(p3p001548)も同じである。
 ラダ辺りに任せたらとてつもなく簡素に「食べれればいいだろう」が出てくる可能性も否めないが、気の利くセリカは簡素な携行品を主体にした食事の中でも一手間を加え、疲労と精神衛生の回復に一役を買っている。まさにこの辺りは『ヒーラー』の面目躍如といった所か。
(別に美食も流行り物も嫌いではないのだが――)
 まぁ、ラダさんはガールズトークも出来てしまうが、そこはそれ。話の都合的にそうしておこうというやつだ。
「んーっ、そんなこんなでお腹すいてきたっ!」
 大きく伸びをしたソアに「そろそろ休憩しましょうか」とセリカ。
 考えてみたらこのチーム、虎やら悪魔やら大食ガールが多そうだ……


結果:【クリア】

成否

成功


第1章 第27節

ムスティスラーフ・バイルシュタイン(p3p001619)
黒武護
黒影 鬼灯(p3p007949)
零れぬ希望
バルガル・ミフィスト(p3p007978)
酔狂者
金枝 繁茂(p3p008917)
 

●星彩迷宮アリアドネ(渡世)
 叶えたい願いがある――
 そんな人間は決して少なくなかろうが、『HOSHOKU-SHA』ムスティスラーフ・バイルシュタイン(p3p001619)にとってその絶大なる誘惑は断ち切るには難しく、跳ね除けるには些か甘美を帯びすぎるような響きであった。
「まぁ、結局は――最後までクリアしないと意味がないんだけどね!」
 狭い通路に縦列になった敵陣――シュペル・ナイトを大きく胸を膨らめた彼の口から吐き出された緑の閃光が貫いた。
 渾身苛烈なる一撃は絶望的な破壊力を帯びた彼の必殺技である。
「……うーん、堪えないな」
 だが、それでも残った敵影に感心半分、呆れ半分の声が漏れる。
【渡世】の探索はまさにクライマックスを迎えようとしていた。
 ゴールの正確な位置は分かりようもないが、より強力な敵との遭遇は迷宮の『守備』を感じさせるものだ。
 逆説的に強力なジャマーがあるならば、目的地が近いと考えられなくはない。
「章殿、絶対に――俺から離れないでくれ」
「ええ! もちろん!」
 愛しい『嫁』の存在もあり、避けられる戦闘は避けるにこした事のないと考えた『零れぬ希望』黒影 鬼灯(p3p007949)もこの期に及べば是非もない。
 中衛で撹乱に、急襲に立ち回る彼の楔が厳しい戦闘を支えている。
「CQCQ、こちらエージェントハンモ、なんつってね☆
 それじゃあチーム【渡世】本気でスパート開始しちゃいますか!」
 支えると言えば『魅惑の雄っぱい』金枝 繁茂(p3p008917)も重要だ。
 主に回復支援役を持つ彼は中長期戦を余儀なくされる戦いにおいては要の存在であると言える。
 道中は殿役を務め、ムスティスラーフの老巧の知を受けて周囲の探索を行ったのだが、こちらは上手くはいなかった。但し、『より精度を高めたが故に聞こえたもの』も無かった訳ではない。ねじ曲がった空間の音の乱反射はエコーロケーションを適切に機能させなかったが、何かの『チャンネル』があったが故にか。気の所為かも知れないが、繁茂は少し高めの男の『愚痴』を聞いたような気がしていた。

 ――意外と落ちないじゃないか。面倒くさい。ああ、手加減しすぎたか? いや、小生は完璧だ。加減もそれは同じはず――

「がんばれ♡ がんばれ♡
 シュペルナイトって男かな? ああ、もっと時間があればなぁ……♡」
 不穏な呟きを放つ繁茂の動向は別にして。
「危険相応の塔、しかし足踏みしては進めません。ここが正念場という事になりましょうね……!」
 気を吐いた『影』バルガル・ミフィスト(p3p007978)が一撃をお見舞いした。
 敵の隙を突き、戦闘を展開しながら次なる通路へ飛び込んだ。
 そこで――一瞬だけ遅れて気付く。
(これは――)
 確かな違和感は危険の直感となって彼の背筋を舐め上げた。
 冗句では済まない危険な『何か』の発動――発動した、かに思われたのだが。
「……はて、気の所為だったのでしょうか」
 いや、確かにそれは良かったのだが――バルガルはほんの少し釈然としない。
 彼の知る由もないが、それはシュペルがキーボードをぶっ壊したタイミングと前後している……
「おっと! 良く分からないけど、戦いの方は洒落にならないよ! 圧力が強い。押し返さないと――!」
 ムスティスラーフの声に余裕がない。鬼灯も厳しく前に出るが、敵に増援。また増援。これは中々……
 成る程、致死性の罠といい、彼等のルートは困難だった。


結果:【脱落】
特殊結果:【キーボードクラッシャー】を消費!(但し皆無事でした)

成否

失敗


第1章 第28節

リュカシス・ドーグドーグ・サリーシュガー(p3p000371)
無敵鉄板暴牛
古木・文(p3p001262)
柴犬さんのお散歩マスター
イーハトーヴ・アーケイディアン(p3p006934)
秋の約束
葛籠 檻(p3p009493)
とりかご

●星彩迷宮アリアドネ(七夕組)
(おっと、危ないね――)
 先行した『秋の約束』イーハトーヴ・アーケイディアン(p3p006934)が後方の仲間にサインを出した。
 彼が見せた手は『グー』の形に握られている。少しの時間を置いて手は開き、『パー』に変わる。
 つまりそれは『敵発見』故に『そこで待機せよ』とこんな具合だ。
「目指すは迅速果断な特殊隠密部隊、なんてね?
 安心して背中を預けられる頼もしいメンバーだよ」
「忍者みたいに進むぞ、七夕組! みんなで頑張ろうネ!」
「奇策は誰かがやる、ならば正道を突き進むのみ。
 いやあ不躾ではあるが『たのしみ』であるぞ!
 で、あれば慎重に……」
『踏み出す勇気』古木・文(p3p001262)の言葉に『無敵鉄板暴牛』リュカシス・ドーグドーグ・サリーシュガー(p3p000371)が応じ、『愛の伝道師』葛籠 檻(p3p009493)が鷹揚に頷いた。
【七夕組】は相対的に見れば余り戦闘に特化したグループではないが、探索に面々がかなり気を払い、特にリュカシスがエネミーサーチを上手く機能させた事もあって、かなりの戦闘を回避し――恐らくはと言う前置きは否めないが――アリアドネの深部へと到達しようとしていた。
「特にさっきは肝が冷えたからネ……」
 珍しく苦笑交じりのリュカシスに一同が頷いた。
 塔に問題が山積している事は承知の上だが、【チーム・サリュー】の気配を捉えてしまった時には状況を疑ったものだ。
『不運な事に時同じくあの問題児達が塔の攻略に乗り出したのは決して歓迎出来る事態ではない』。
「でも、どっちみち方針は変わらない。
 可能な限り塔の情報を集めながらゴールを目指そう。
 攻略は中~長期になるだろうから不必要な消耗は避けたいしね」
「可能な範囲は支えるけど……それは確かにそうだね」
 文の言葉にイーハトーヴが頷いた。
 爆発的な戦闘力がなくても連携と機転で深部まで来れたのは僥倖だった。
 このまま上手く危機をかわして、次なる階層にたどり着ければそれは確かな勝利であろう。
「……む、しかし、これは。些か」
 だが、力と知恵と技、そして時の運。
 その全てを試す塔を越えるか否かは人智及ばざる運命に頼らざるを得ないのも事実であった。

 ――『どうする』?

 仲間達に水を向ける檻の問いはハンドサインに変わっていた。
 敵はまだ此方に気付いていないが、恐らくは『強敵』が行く手に居た。
 番人のようにその小部屋の空間から動かないそれは明確な守護者である。
 最悪な事に、雰囲気から感知する限り実力的に【七夕組】の勝ち目はかなり薄い。
 それでも力押しか、それとも迂回か。
 されど、迂回には時間が掛かる。正直時間切れは濃厚になる――
 二者択一だが、パーティの決断は当然ながら力押しを選ばない。
 結果は分からねど、やり方は色々ある。
 たとえ時間切れになったとしても――徹底は武器だ。
『そういう戦い方』を貫けば、万に一つの幸運を拾える局面もなくはあるまい――


結果:【脱落】

成否

失敗


第1章 第29節

アンナ・シャルロット・ミルフィール(p3p001701)
フロントライン・エレガンス
コゼット(p3p002755)
ひだまりうさぎ
シラス(p3p004421)
竜剣
アレクシア・アトリー・アバークロンビー(p3p004630)
希望の蒼穹

●星彩迷宮アリアドネ(塔竜門II)
(そんな簡単に、ついでみたいに!
 今までの苦労をなかったことにされるなんて、なっとくできないよ!
 だから――だから! いくらでもあがいてやる!)
『ひだまりうさぎ』コゼット(p3p002755)の心拍が早鐘を打つ。
 吐き気さえ伴う強烈なプレッシャーは目の前の会ってはいけない者達から放たれているものだ。
「ツイてないだなんて言わないぜ。
 アンタ達がここに居る理由は知らないが、居るなら当たるのが早いか遅いかの違いだけだ」
『竜剣』シラス(p3p004421)の言葉にクリスチアンは「そうだね」と微笑んだ。
 実際問題「どうして?」と問う事は愚かだろう。
 理由こそ知らないが、クリスチアンとその一行、即ち【チーム・サリュー】と【塔竜門】がかち合ったのは確かなのだから。
 そして彼等はローレットの他チームと違って決して友好的ではない。それを隠すような連中でもない――
「ま、覚悟せい。主等なら多少は楽しめようよ。
『主等なら』いい子にやり合うなら、命位は残るやも知れぬぞ?」
「それって結局加減も何もしないって意味だよね!?
 あなた達は強いかもしれないけど、勝手に終わりって決められるのは好きじゃないな!」
「うむ。ではやり合うか」
「……断らせないよね?」
 抗議めいて、それから対抗心を顕にした『希望の蒼穹』アレクシア・アトリー・アバークロンビー(p3p004630)に梅泉は満足気に頷いた。
(初対面でもわかる。どう料理するかしか考えていない目。
 心の底から気に喰わない――簡単にそれが出来るって思われてる事もね)
 そんなやり取り一つ一つが口惜しくて。『舞蝶刃』アンナ・シャルロット・ミルフィール(p3p001701)は皮肉に唇を歪める。
「――いつか終わるにしても、貴方達の手にかかるのだけは御免だわ」
「――たては!」
「分かってます!」
 アンナが言葉を終えるのと梅泉の鋭い声は同時だった。
 準備はきちんと整えておくものだ。『こんな事もあろうかと』煌めいたのは制御不可能なるブリンクスター。
『キワモノ』で『玩具』だが、逃走という意味で『カッ飛ぶ』これに勝るものはない。
 但し、ただ使えばとてもこの敵からは逃げ切れない。恐ろしく速く鋭い敵の先手を打ち、可能な限りの距離を取るには。
「――ッチ! 猪口才な――!」
 敵陣で最速の紫乃宮たてはさえ『千切る』アンナの反応速度が不可欠だった。
 連鎖的に動き出したパーティは『来た道』を全力で引き返す。通路には彼等が看破した罠もある。
 幾つもの分かれ道もある。『ワープ床で飛んできた連中には初見のもの』だ。
「急いで。油断は出来ないから……!」
「追いつかれたらたまんないよ!」
 だが、アレクシアやコゼットの言う通りだ。
『ずる』が通用するのは一度だけで、連中は恐ろしく足も早い。
 稼いだ距離を活かし、振り切らねば待つのは脱落のみなのだ。
(第一層からこれは……たまらないな)
 だが、シラスは自分でも知らない間に――薄く、薄く笑っていた。


結果:【クリア】
特殊結果:【疲労】(休む時間は殆ど無くパーティの集中力がかなり低下した状態です)
     【対策済み】(【チーム・サリュー】に今後、同じ手は通用しません)

成否

成功


第1章 第30節

アリシス・シーアルジア(p3p000397)
黒のミスティリオン
ルカ・ガンビーノ(p3p007268)
竜撃
雪村 沙月(p3p007273)
月下美人
笹木 花丸(p3p008689)
可能性を連れたなら

●星彩迷宮アリアドネ(天つ風)
「シュペル・M・ウィリーが住まう塔……『スターテクノクラート』……
 この手の人物は得てして似たような工房を構えるに至るものなのでしょうか?」
 塔内部の構造はまさしく深淵である。
 そこに使われているであろう技術も第一層の迷宮を構築している素材も、それが人智に可能な事なのかどうかすらも――人並みよりは大分博識である自信がある『黒のミスティリオン』アリシス・シーアルジア(p3p000397)にとってもさっぱり理解の埒外であった。
「まぁ……正直その辺りは良く分かりませんが」
 穏やかで楚々とした語り口、たおやかな外見に反するように『月下美人』雪村 沙月(p3p007273)の声は硬質で質実剛健の色を帯びている。
「何れにせよ、腕試しには丁度良さそうですね。
 せっかくの機会と言いますか――頂上までいけば大分楽しめそうな場所ではあります」
「うーん、確かに! 噂に聞いてた塔って感じだし!
 レオンさんの話では誰かが攻略出来ればって事だけど……どうせなら辿り着いてみたいよね?
 その為にも力を合わせて頑張っていこう!」
『人為遂行』笹木 花丸(p3p008689)の屈託のない言葉に仲間達は頷いた。
【天つ風】の四人はローレットでもかなりの腕利きに当たるチームである。
 戦い慣れた彼等は探索でも十分に力を発揮している。アリシスの魔眼は未知を看破し得る力を持ち、その戦略判断は適切である。後方警戒に睨みを利かせる沙月の一方で先頭先導は花丸が務めている。罠への対処も含めて彼女は冒険に手慣れていた。
「目指すは一番乗りだ……ってな。
 勇者王やレオンの旦那も登りきったっていう塔に挑めるたぁな!
 こいつぁ『冥利に尽きる』って話だぜ?」
 そしてもう一人。花丸と並んで幾つもの罠を『踏み潰した』のは如何にもこんな仕事に慣れている『竜撃』ルカ・ガンビーノ(p3p007268)である。
(……いや、悪い訳じゃねぇんだが、兄貴の名前が無ぇのはちょっと、いや大分悔しい感じはするんだけどよ)
 勿論それが不満だという訳ではないのだが、蒼剣と赤犬の相棒関係はラサに縁深過ぎるルカにとっては特に重要な話である。
 しかしながら、塔を攻略すればいい土産話が出来るのも確かである。『兄貴』は目を丸くして褒めてくれる事であろう。
「……ま、ケ・セラ・セラだ。
 だがよ、最初っから負けてたまるかよ!」
 探索を続けるパーティの行く手に数体のシュペル・ナイトが現れた。
 遭遇した者によってはかなりの困難になろう強敵ではあるのだが……
 無言で拳をバシッと合わせた沙月、目を細めて値踏みをするアリシス、明るく楽しく「よし!」と気合を入れるブラック企業勤務……じゃなかった花丸ちゃん。先述のルカも合わせてこのパーティを止めるには少し役者不足のようである……


結果:【クリア】

成否

成功


第1章 第31節

スティア・エイル・ヴァークライト(p3p001034)
純白の聖乙女
サクラ(p3p005004)
聖奠聖騎士
久住・舞花(p3p005056)
月花銀閃
彼岸会 無量(p3p007169)
帰心人心

●星彩迷宮アリアドネ(桜花紅月)
「――――はっ!」
 裂帛の気合が閃光の如き斬撃に乗り、目の前の機兵を引き裂いた。
 硬質の材質さえ何ら問題にする事はなく文字通り斬り散らした『聖奠聖騎士』サクラ(p3p005004)の呼吸は乱れていない。
「お見事です」
 淡く微笑を浮かべた『帰心人心』彼岸会 無量(p3p007169)にサクラは「ありがと!」と快活な笑顔を見せた。
「敵でも叩き斬れば問題ないね、サクラちゃん!
 ……あれ、何か変なことを言わされたような……」
「元より登頂者がほとんどいないというこの塔です。
 何が起きるかなんて分からないけれど、悪いものではありませんね。
 腕試し……或いは経験の場としては極上という事でもある。
 どうせ分からないのなら――『私達らしい』気楽さで参るのも良いでしょう」
 親友の活躍に『適切なコメント』を述べた『リインカーネーション』スティア・エイル・ヴァークライト(p3p001034)、流麗な美貌にやはり些かポン刀に寄った思考を展開する『月花銀閃』久住・舞花(p3p005056)……
 まさに『世界観が違う』。
【桜花紅月】の四人は実に華やかに――実に彼女等らしいマイペースで塔を進み続けていた。
 ローレットの誇る超武闘派チームである。どちらかと言えば苦労するのは戦闘以外であり――そちらはそれなりに大変な思いもしている――『物理で殴れば問題ない』系統の障害はどうも障害だと認識していないふしさえある。
「でも、シュペルさんはどんな人なんだろうね?」
「うん。個人的に聖刀を強化してくれたシュペルさんにも興味はあるんだけどね」
「……興味は尽きないけどまずはここを突破しなきゃだね! 頑張っていこう!」
 三時のおやつはなににする、位の気楽さでサクラとスティアが話をしている。
「……さて、当初はこの催し……参加する心算はありませんでしたが」
「ギルドマスター直々の依頼とあっては、達成のために参加するのも吝かでは悪くはない、とは思ったものですが」
 一方で無量と舞花のやり取りも微妙な風合いを帯びていた。
「正直を言えば、どうにも鼻を擽る馥郁たる木の花に誘われ参った次第。
 各々方も大方、その様なものでしょう?」
 無量の言葉に舞花は極僅かに苦笑した。
 成る程、仕事は仕事でそちらに興味がない訳でもないが――
 何故塔に到り、取り分け何故このチームが組まれたのかと考えるとそこには或る種の運命を感じずにはいられない。
 全く不合理的な話ながら、『匂い』がしたから――というのが正解なのだろうと舞花は思った。
 それを臆面なく口にする程、舞花は趣がない女ではないのだけれど。
「あ、そうそう! それね!」
 サクラちゃんの方はあんまりそんな感じではない。
「なんとなーく、『シュペルさん(それ)以上』の何かに出会う気がするんだよねえ!」
 本人が聞いたら怒りそうな言葉にスティアが「サクラちゃんは本当にサクラちゃんだなあ!」と嬉しそうな顔をしていた。
 頭サムライソードガール。至上の罰ゲームを大喜びで引き当てたい一行は、一先ずそれに『当たる』事はなく塔を行く――


結果:【クリア】

成否

成功


第1章 第32節

咲々宮 幻介(p3p001387)
刀身不屈
マカライト・ヴェンデッタ・カロメロス(p3p002007)
黒鎖の傭兵
マッチョ ☆ プリン(p3p008503)
甘い筋肉
只野・黒子(p3p008597)
群鱗

●星彩迷宮アリアドネ(プリン)
「これは――全く想定外で御座ったなぁ」
 同道する『群鱗』只野・黒子(p3p008597)にしみじみと言った『傷跡を分かつ』咲々宮 幻介(p3p001387)の顔には彼には珍しい苦笑が張り付いていた。
【プリン】が塔に挑み、探索を始めたのはもう数十時間も前の出来事である。
 彼等の作戦の重要な部分は(恐らくは合理性の獣と言うべき黒子の存在もあってか)実に妥当な設計がされていた。
 兎に角逃げ足が早くこれ以上のない位適任である幻介と罠等に対処する能力を持つ黒子を『斥候』に放つ。
 先行して危険を察知しそれを後続する『甘い筋肉』マッチョ ☆ プリン(p3p008503)と『黒鎖の傭兵』マカライト・ヴェンデッタ・カロメロス(p3p002007)に伝えていく。プリンは冒険への直感を正しく働かせていたし、マカライトはマカライトで周囲の状況に常に聞き耳を立てていた。
 つまり、そういう形式でこれまで実に上手く探索を重ねてきたのだが――
「……まぁ、そうとしか言いようが無いでしょうね」
 恐ろしく淡々と、そして冷静に言葉を返した黒子は緊急事態にも殆ど顔色を変えていないように感じられた。
「我々は必要な事を適切に進めていた。見失わないように注意もしていた。
 しかしながら『迷宮が突然形状を変えて、チームが分断される』なんていうのは迷路の基本からすれば常識外でしょう。
 起きない、という意味ではなくです。起きてしまったからには仕方ない、の類かと」
「ううむ、相変わらずの鉄壁で御座るな。だが、何とか合流するまで耐えて貰わねば」
「大丈夫かと」
 唸った幻介に黒子は短く応えた。
「あちらはプリンです。むしろ自分の心配をする方が適切ですね」


 果たして、黒子の言は的確であったと言える。
「オレニハ問ワネバナラヌ事ガアル……!
 ナゼ『シュペルのパズル』ハ……『ギル♂のぱんつ』ニナラナカッタノダ!」
 咆哮するプリンが敵に集られるもマカライトを守るポジションを取る彼は一歩もその場を退いていない。
 プリンは奇跡のような存在だ。こと耐久という意味においては異次元極まりない存在なのである。
(数が多い。すまんが頼む――!)
 マカライトはプリンに集る敵を狙い撃つように一体一体削り落としていく。
 かなり地道な作業ではあるが、黒子の判断通りこちらのバランスは極めて安定していたと言える。
 並のイレギュラーズなら分断された時点で『詰み』だが、プリンとマカライトはそうならない。
 ついでに言えば幻介と黒子の方も似たようなものである。【プリン】はそこそこおかしな奴等の集まりなのだ。
「……ウオオオオオオオ!」
「これは中々……しんどいな」
 だが、困難は続く。これを切り抜けられるかは流石のマカライトにも分からなかった。


結果:【脱落】

成否

失敗

状態異常
マカライト・ヴェンデッタ・カロメロス(p3p002007)[重傷]
黒鎖の傭兵
マッチョ ☆ プリン(p3p008503)[重傷]
甘い筋肉
只野・黒子(p3p008597)[重傷]
群鱗

第1章 第33節

ヨゾラ・エアツェール・ヴァッペン(p3p000916)
希う魔道士
ティスル ティル(p3p006151)
銀雀
イズマ・トーティス(p3p009471)
青き鋼の音色
キルシェ=キルシュ(p3p009805)
リチェと一緒

●星彩迷宮アリアドネ(夜空)
 ――シュペルお兄さんお邪魔しまーす!

『リチェと一緒』キルシェ=キルシュ(p3p009805)が元気よく塔に足を踏み入れたのは大分前の出来事である。
【夜空】は長く険しい迷宮での時間を実に有意義に過ごしていた。
「不思議というか……予想や常識が通用しなさそうな場所だな。
 いよいよ、興味が湧くよ。皆で根気よく攻略していこう!」
「……塔の中、本当に広いのね!
 ゴールがどこなのか……全然分からないけど、焦らないで頑張らないと!」
『青き鋼の音色』イズマ・トーティス(p3p009471)の言葉にキルシェが大きく頷いた。
「迷子にならないようにお兄さんたちの近くにいるわ!」。或る意味で力強く宣言したキルシェは荒事に関しては余り向いていないというか――経験がまだ浅い部分もあるのだが、チームのムードメーカーであり、その閃きや罠への対処能力、支援能力でパーティを支える重要な役割を果たしていた。
「願望器志望の僕としてはシュペルさんはある意味憧れ……とも言える。
『いずれ必ず、混沌の夜空にこの手が届きますように』」
「結局はまずは実力を見せろってことでしょ? いいわ。やってやろうじゃない!」
『希う魔道士』ヨゾラ・エアツェール・ヴァッペン(p3p000916)は薄く――不敵に微笑み、『幻耀双撃』ティスル ティル(p3p006151)が気を吐いた。
 これまでの探索でも山のような罠に遭遇し、時に通路はその形を変え、妨害する敵に出くわし――【夜空】は全く安穏とした道を進んでいない。
 しかし、彼等はまだまだ意気軒昂で塔主の意地悪に負けじとばかりに探索のペースを上げ続けていた。
「ちょっと先を見てきてね。……でも危ないのは駄目よ」
 ティスルが小鳥を放ち、先を偵察する。
 探索の中で取り分け利いているのは彼女の存在である。
 偵察もさる事ながら、彼女の持つ肌感(ひとだすけせんさー)はこの迷宮において最も有効なスキルの一つだったと言えるだろう。
 誰かが助けを求めているという事はそこに危険が生じているという事に等しい。
 助けに入るにせよ、危機を回避するにせよ、情報量は探索の成否に直接的に影響する。
「さっきはループしてたみたいだけど、今度は大丈夫だ」
 そして持ち前の方向感覚が頼りになるイズマも重要だ。
 アリアドネにおいては前後左右上下にいたるまで『信頼できる情報が無い』。
 先程、放り込まれた無限回廊等は違和感に気付いた彼が居なかったら『詰み』だった可能性さえある。
「……やれやれだ。まだまだ先は長いのだろうね」
 ヨゾラの視線の先には思わせぶりな小部屋がある。
 嘆息した彼だったが、表情にはまだ自信と余裕が見て取れる――


結果:【クリア】

成否

成功


第1章 第34節

ウェール=ナイトボート(p3p000561)
永炎勇狼
アクセル・ソート・エクシル(p3p000649)
灰雪に舞う翼
レーゲン・グリュック・フルフトバー(p3p001744)
希うアザラシ
節樹 トウカ(p3p008730)
散らぬ桃花

●星彩迷宮アリアドネ(鳥獣鬼)
「……こういう端っこが見えない迷宮って。
 ……………やったことはないがゲームだと通路がループしてそうだよな」
 長く、長く、長く……
 果て無い程に長く続く回廊を何時間も進んだ時。
 思わず、『散らぬ桃花』節樹 トウカ(p3p008730)はそんな素直な本音を漏らしていた。
 外から見た時の塔のサイズはあてにならないとは知っていたが、仮に人間の徒歩の平均時速――即ち時速四キロだ――で直進を続けた場合、一時間でも四キロ、仮に五時間ならば二十キロものスケールが存在する事になる。そしてそれは言うまでもなく塔の一部でしかない。
「ゴールがワープポータルとか。
 時間制限があったりしないといいが……あるのだろうな」
 実際の所、『永炎勇狼』ウェール=ナイトボート(p3p000561)の見立ては比較的正しく。
 長い進行の間で鋭敏な感覚を活かし、罠と探索を続けていた彼はやがて『仕組み』を発見する事になった。
 ゴールの形は知れないが、少なくとも無限回廊にからくりがあったのは間違いない。
 知らない間に踏まされていたワープ床が無限を作り出していたという訳だ。
「これは中々苦労しそうだね……!」
『空歌う翼』アクセル・ソート・エクシル(p3p000649)は【鳥獣鬼】の貴重な回復役である。
 長丁場を確実に強いられるこの挑戦において、彼の存在は確実に必要な楔であった。
 時間の経過につれ募る疲労と余力の減少を食い止めるのはかなり大変な仕事になるが、それでもやり切る他はないのだ。
「これは上まで行けなきゃ割にあわないっきゅ!」
 冗句めいた『希うアザラシ』レーゲン・グリュック・フルフトバー(p3p001744)の言葉にパーティの空気が少しだけ和らいだ。
「願い……叶うっていうっきゅ。
 願い……捕らぬ狸の皮算用とも言うし、今は次の階層を目指すしかないっきゅ!」
 考えてみればレーゲンの言うそれは御伽噺がしばしば好む露骨な『餌』に違いない。
 伝承歌(サーガ)は理不尽の数と同じだけ綺羅びやかな財宝を並べてくるものである。
 しかしながら、塔の『酷さ』を見るにつけ、そんな与太話も本当に聞こえてくるから性質は悪い――
「……兎に角、やれるだけやる――耐えられるだけ耐えるしか無いな」
「ああ。少しでもヒントを見つけて、何とか進む以外に無い」
 殿役、盾役のトウカは傷付き疲労しているがまだ萎える様子はなく、頷くウェールもそれは同じだ。
 こんな迷宮に挑んだからには最初から分かっていた事だ。
 上手く行こうと行くまいと、やるべきは何一つ変わるまい。【鳥獣鬼】の挑戦はまだ続く――


結果:【脱落】

成否

失敗


第1章 第35節

伏見 行人(p3p000858)
北辰の道標
アーリア・スピリッツ(p3p004400)
キールで乾杯
ジェック・アーロン(p3p004755)
龍眼潰し
御天道・タント(p3p006204)
きらめけ!ぼくらの

●星彩迷宮アリアドネ(煌星)
「いやぁ、ワクワクするね!
 今度はこうだった。次は何が来るのか、その次はもっとだろう!」
 展開される『大冒険』とは裏腹に、そう言う『北辰の道標』伏見 行人(p3p000858)の口調は楽しげでさえであり、彼が――仲間達が乗り越えてきた苦労を感じさせない位に軽やかであった。
「それが頼れる仲間と一緒なら尚更に。
 こんな時でもなければ中々使う機会もないからね。
『後ろは任せたよ、皆』とか」
 鉄火場は数多いが、気心の知れた連中ばかり集まる事はそうはない。
「目の前に壁があれば登ってみたくなる。
 分からないことがあれば知りたくなる。
 それが困難であればあるほど……そうでしょう?」
「オーッホッホッホッホ!
 その通り、その通りでございますわよ、ジェック様!
 頂上目指していざ進軍!
 わたくしがいればどんな長期戦も余裕のよっタント様ですわよ~!」
『太陽の使者』ジェック・アーロン(p3p004755)の言葉に『きらめけ!ぼくらの』御天道・タント(p3p006204)が応じる。
 そんな何時も通りのやり取りに『キールで乾杯』アーリア・スピリッツ(p3p004400)がくすりと小さな笑みを見せた。
「本当に頼もしいと言うか何と言うか……先は分からないけど、いいチームを組んだのは確かだと思うわぁ」
 アーリアが手にした『箒』で床を突付いた。
 星彩迷宮は笑えない程度にはハードだが、行人の言葉を受けた【煌星】の面々もやはり気負った風はない。
 各々は各々の役割を果たしていて――例えばタントは光源として今日もぺかぺか煌めいていたしご飯も作った。ジェックは良すぎる視力と冒険慣れを十分に発揮している。精霊との意思疎通と言えば行人だし、敵の力を看破するアーリアは状況に適切な処方箋を与える事が出来る。
 先程等は軽く足止めをして無駄な戦闘を回避できたのだから上々だ。
「疲れてない?」
 周りに目配りの利く行人はパーティの黒一点として実に頼りになる男である。
「休憩しようか。時間制限はあるだろうが――急ぐ必要はまだ無いさ」
 小部屋で車座に腰を下ろせば機敏に動いたタントがいそいそと食事の準備を始めている。
 それをすかさず手伝うジェックの姿が甲斐甲斐しく微笑ましい。
「まぁ、先行きが分からないっていうのは少しだけ心配だけどねぇ」
 人心地つくアーリアが軽く宙を眺めてからふと零す。
「……でも私、面倒臭い男って嫌いじゃないみたい。
 願い事もだけど、その顔一度位は拝んでみたいわよねぇ……」
「知ってた」
「知ってる」
「知ってましたわ!」
「……あれぇ?」
 いい感じのオチが付いたものである――


結果:【クリア】

成否

成功


第1章 第36節

オラボナ=ヒールド=テゴス(p3p000569)
同一奇譚
リサ・ディーラング(p3p008016)
スチームメカニック
長月・イナリ(p3p008096)
狐です
フィーア=U=ツヴァンツィヒ(p3p008864)
実証・実験

●星彩迷宮アリアドネ(深淵)
「ここで得られる経験値って本当に――『格別』だわね♪」
 心の底からしみじみと――ご機嫌が隠れない『狐です』長月・イナリ(p3p008096)が言った。
 イナリの在り様は特殊が服を着て歩いているようなイレギュラーズの中でも取り分け珍しい。
 経験する混沌では見た事もない不可思議は彼女の気持ちを華やがせるには十分だった。
「こんな空間を作れるなんてますますシュペルさんと握手したくなったね!」
「うんうん」と頷くイナリに『実証・実験』フィーア=U=ツヴァンツィヒ(p3p008864)は意気軒高であった。
 入塔時の転移、その直後に一早くフィーアが周囲を警戒したのはファインプレーだった。
 一歩進んだ先に設置されていた酷く意地の悪い罠の存在に気付いたのはまさに天佑だったと言えるだろう。
「でも苦労はさせてくれるっすね。気が全く抜けないと言うか何と言うか……」
 フィーアに加えて、小さく溜息を吐いた『ザ・ハンマーの弟子』リサ・ディーラング(p3p008016)の罠対処が物を言ったという所である。
 そういった小さな積み重ねが無ければ、こんな深くまでたどり着く事も無かっただろう。
 しかしながらそういった小器用な気配りだけが【深淵】の力ではない。
「依然変わらず。常に私が前に居るべきだ」
 重く深く軽く浅く――言葉一つにも混沌と相反を孕む『深淵を覗くものは』オラボナ=ヒールド=テゴス(p3p000569)こそが鬼札であった。
 多少の事ではびくともしない。
 何をどうしても死にやしない。
「ちょっと痛そうだったけどね」
 殺した所で平然と生きていそうな――規格外の生命体は執拗にして悪辣な罠や仕掛けの全てを看破出来なかったとしてもこれを踏み越える力を有していた。剣で壁に引っかき傷――目印のようなものだ――を引くイナリが幾らか冗句めいたのはこれを信頼しているのだろう。
「でも、特別な場所なのは確かだけど」
「うん。何とかクリアしないとだけど手掛かりが足りないかも」
 イナリの言葉にフィーアが頷く。
「月並みな予想っすけど、どっかに隠し通路とかあるかも知れないっすね!」
 迷宮とはまさに迷わせる為に特化した巨大建造物である。
 生きているかのように姿を変えるアリアドネならばリサの言うのは尚更で、素直に見える所にゴールへの道が配置されている保証はない。
「まだまだ。これは途上、私も途上だ」
(ええ。長期戦は覚悟の上だけど――)
 オラボナは堪えた感じではないが、イナリは顎に触れて眉を寄せた。
『解けない知恵の輪に必ずしも解法のある保証はない』。
 何とか上手く『先』を見つけられれば良いのだが――


結果:【脱落】

成否

失敗


第1章 第37節

ベルフラウ・ヴァン・ローゼンイスタフ(p3p007867)
戦旗の乙女
小金井・正純(p3p008000)
燻る微熱
ブレンダ・スカーレット・アレクサンデル(p3p008017)
導きの戦乙女
リディア・T・レオンハート(p3p008325)
勇往邁進

●星彩迷宮アリアドネ(星花)
「そう言えば聞いていなかったな――」
『金獅子』ベルフラウ・ヴァン・ローゼンイスタフ(p3p007867)がそう切り出したのは【星花】の探索がたけなわを迎えた頃の事だった。
【星花】は実戦に慣れたイレギュラーズのチームだったが、中々その運は悪かった。
 当人達はそれを正しく自覚しては居ないが、迷宮探索をするチームの中でも中々大変な道のりを歩んだ一行は相応に疲れ果て、それなりに傷付いている。
 しかしながら、そんな状況でも曇らず、むしろ金色の輝きを強めるが故のベルフラウなのだろう。
「――卿ら、願いは決めているのか?」
 Tower of Shupellの踏破に『願いを叶える』という余録がついているのは知れた話である。
 御伽噺に夢中な程可愛い少女ではなかったが、純種たるベルフラウにとっては改めて聞く必要もない位の知名度があった。
「ああ、もちろんあるさ。私は元の世界に帰らねばならない。
 ……だが本当にそれが今私の一番の願いなのはかわからないかな」
 目の前に現れた新手を油断なく見据えながら『猪突!邁進!』ブレンダ・スカーレット・アレクサンデル(p3p008017)は言った。
 その言葉通り、猪突猛進、質実剛健――実に力強い彼女に似合わぬ迷いがあった。
 脳裏を過ぎるのは大好きな恋人の顔であり、帰還が別離になる可能性を帯びるなら――乙女心を惑わせるには十分過ぎる。
「はい! お姉様! 正直、ずっと迷っていました。
 ですが、兄が教えてくれたのです。相手はかのシュペル殿、己に正直に大望を抱けば良いのだと……!
 なので、私の願いは――『この混沌と我が故郷を、自在に往復できる事』です!」
「願い、今はまだ不確かですがこの塔を踏破する頃には形になっていればいいな、と。
 皆さん、頼りになりますから。最後に笑えるように、共に頑張りましょうね」
 堂々と宣言した『勇往邁進』リディア・T・レオンハート(p3p008325)に続き『星の救済』小金井・正純(p3p008000)が淡く笑った。
 探索には随分と力を発揮した正純だが、純粋な戦闘力を見ても見劣りするような事はない。
「結局、最後は物理みたいな所がありますよねぇ……」
「ああ。なんにせよ塔を登ってから、だな!」
 そう、全ては正純やブレンダの言う通り。『不運なパーティがこの苦境を乗り越えて始まる話である』。
 前衛でベルフラウの朱旗が受け止めたシュペル・ナイトはこれまでよりも大きい個体であり、度重なる戦闘に疲弊した彼等が勝ちきれるか分からない位の威圧を持っていた。
 だが、それでも【星花】の輝きは鈍らない。
「お姉様!?」
「両手に花、これも役得だな?」
 リディアの声に不敵な笑みを浮かべたベルフラウは凛と声を張る――
「オールハンデッド! こんなものはまだ序盤、一丸にて切り抜けるぞ!」


結果:【クリア】
特殊結果:【消耗】(パーティの余力がかなり少ない状態です)

成否

成功


第1章 第38節

仙狸厄狩 汰磨羈(p3p002831)
陰陽式
新田 寛治(p3p005073)
ファンドマネージャ
すずな(p3p005307)
竜断ち(偽)
白薊 小夜(p3p006668)
盲御前

●星彩迷宮アリアドネ(四光)
「これが試練なら、基準を超える何かを示す必要がある筈。
 序盤で試すなら、迷宮踏破における最低限の何か」
 長い迷いの時間にもそれを知る『流麗花月』仙狸厄狩 汰磨羈(p3p002831)は揺らがない。
「――さしずめ、諦めぬ根気、そして持久力辺りか?
 つくづく……返す返すも『値踏み』よな」
【四光】が迷宮踏破に取り掛かってからかなり長い時間が経っていた。
 まさにこのパーティはローレットの誇る『武闘派』だが、神威六神通を使いこなす汰磨羈は言うに及ばず、暗闇を見通す『ファンドマネージャ』新田 寛治(p3p005073)も、鋭敏な耳をピンと立てた『一人前』すずな(p3p005307)も、元より生活や活動に視力を頼らない『盲御前』白薊 小夜(p3p006668)にしても。見えないものを見通し、道無き道を突き進むという意味において酷く向いた連中でもあった。
「今の私は、研ぎ澄まされてますからね……!」
「……頼りになるわねぇ。まぁ、私はさっきみたいな相手の方がいいんだけど……」
 褒めてとばかりにドヤ顔をするすずなに先程機兵を一撃で真っ二つにした小夜が応えた。
 一体ずつ確実に仕留める、口で言うのは易いが実際にやられると閉口する所はある。
「そちらは期待しておりますよ。私はほら、露払いで十分ですからね」
 マッピングや周囲の記憶は汰磨羈。『物理で仕留めるよりは乗らない』罠は寛治が対処する。
 適材適所の分業はこれに限らずチームでこなす仕事の基本であると言えるだろう。
 普通ならば順調とはならない敵を普通ではないから薙ぎ倒し、『順調』に進む【四光】にふとしたイベントが訪れた。
「……!」
「お小夜様?」
「何か、聞こえなかった?」
「……………」
 すずなの耳がピクピクと動く。
「……居ましたね」
 難しい顔をしたすずなの言わんとする所は「どうして超聴力がエキスパな私より先に気付くかな!?」である。

 ――お願い、ねえ。
   まあそっちはあんまり興味はないんだけれど。
   目はこのままで良いのよ、だってフィーネとすずなにお世話して貰う口実がなくなっちゃうでしょう?

 この有様なら、この言葉も頷けよう。
 彼女等が聞きつけたのは争いの音。その震源は、その主は――
「……いやあ、残念だなあ」
 からからと寛治が笑った。
 ――『事件』は迷宮の分厚い壁の向こうで起きている。
 ルートは完全に遮断されており、『近くで誰が斬ったはったをしていても干渉する事は不可能だ』。
『どうしてあんな連中が居るのかは知れないが、奇縁というものを疑わずにはいられない』。
「……」
「……………」
「……出逢わないに越した事はありませんからね!」
「うむ、幸運だな!」
 汰磨羈は大きく頷いて探索の先を促した。
 不運なチームよ許しておくれ。この場所から出来る事は何もない――だが、会わなくて良かったなあ!


結果:【クリア】
特殊結果:【FOE】(次以降5返却の間【チーム・サリュー】との遭遇率が上昇します!)

成否

成功


第1章 第39節

志屍 瑠璃(p3p000416)
遺言代行業
茶屋ヶ坂 戦神 秋奈(p3p006862)
音呂木の巫女見習い
ルーキス・ファウン(p3p008870)
忠義の剣
ルビー・アールオース(p3p009378)
正義の味方

●星彩迷宮アリアドネ(太陽)
「これはとんでもない不運でしょうか。それとも――」
『遺言代行業』志屍 瑠璃(p3p000416)の目が鋭く、そして大きく見開かれる。
 黒く滑る射干玉が鉄筒のような鞘を走り、文字通りの奇異なる邪剣の軌跡を描く。
 邪道の技量を止めた妖刀もまた、邪道の極み。
「――酷い幸運と言った方が正しいのでしょうか?」
「さてな」と薄く笑みを浮かべたのは死牡丹梅泉。
 先程、丁度【四光】が聞きつけた『争い』は【チーム・サリュー】と【太陽】の面々によるものだった。
「バイセン、君も幸運だな。良く見知った顔と会うものだ」
「それも綺麗所なんて羨ましい限りじゃないか」。揶揄するクリスチアンを梅泉は鼻で笑った。
 刃を合わせた瑠璃とは見知った仲である。たてはが不機嫌にしているのは良くある話だ。
「君達は願いを叶えてもらおうってやつだろう?
 残念ながら、競合だ。フィジカルにフェアに決着をつける必要があるね?
 まぁ、そんなおためごかし以前に『始まっている』訳だがね」
「混沌の歴史の根源、創世、御伽噺そのもの! な!
 Tower of Shupellだよ。練達に住む私は小さい頃から知っているよ。
 挑むなんて特別だ。『ネクスト』事件解決の為にクリアしない訳にはいかないから!」
「『太陽』っていうんですよね、このチーム。
 だったら太陽に一番近い場所……最上階まで登ろうってのは当たり前で。
 一人では難しくとも仲間と力を合わせればきっと叶うはず」
 相変わらず人を食ったかのようなクリスチアンに『正義の味方』ルビー・アールオース(p3p009378)、『散華閃刀』ルーキス・ファウン(p3p008870)が真っ向からぶつかった。【太陽】はそこまで戦闘に特化したチームではないから、敵との遭遇には気を使っていた。
 されど不可避なる出会いが確実に果たされた今となってはやるしかない。
 是非もなく乗り越えねばならぬ壁が『それ』ならば、
「さーて、まだまだウチらのターン終わってないぞ!
 堅苦しく考えんのナシナシ! やるしかないなら簡単だ」
『音呂木の巫女見習い』茶屋ヶ坂 戦神 秋奈(p3p006862)の結論は早く強く。
 前に出た彼女は確実に仕留めに来る『大人げない』紫乃宮の殺人剣を緋い無骨な刀身で受け止めていた。
「……いやあ、モテるJKは大変ですなあ……!」
「――どうやら、退いては貰えぬようだな」
「ああ。どんな敵でも引き下がる訳にはいかない。この一刀で仲間と共に道を切り開く!」
 力強く啖呵を切るルーキスにむしろ刃桐雪之丞は表情を緩めていた。
「――ハッ!」
 踏み込みから閃いた毒空木に前後して速力を帯びたルビーの一撃が閃く。

『成る程、つくづく、ローレットという連中は嫌いではない』。

(後は若が適当な所で収まってくれれば良いのだが――)
 敵陣も別に一枚岩ではない。
 クリスチアンの酷い思惑はさて置いて、『他人の塔』なぞ剣客にとっては絶対の死地には不似合いなのだから。


結果:【脱落】
特殊結果:【満足(サリュー)】(遭遇時の戦闘回避確率が暫くの間、少しだけ上がります)

成否

失敗

状態異常
志屍 瑠璃(p3p000416)[重傷]
遺言代行業
茶屋ヶ坂 戦神 秋奈(p3p006862)[重傷]
音呂木の巫女見習い
ルーキス・ファウン(p3p008870)[重傷]
忠義の剣
ルビー・アールオース(p3p009378)[重傷]
正義の味方

第1章 第40節

零・K・メルヴィル(p3p000277)
恋揺れる天華
フォルトゥナリア・ヴェルーリア(p3p009512)
挫けぬ笑顔
すみれ(p3p009752)
しろきはなよめ
ノット・イコール(p3p009887)
想いの届人

●星彩迷宮アリアドネ(塔観光)
「練達の高楼、以前から目立つので気になってはいたのです。
 混沌の史跡、例外、至宝が住む工房なれば遊覧したくもなるというものでしょう?」
 ローレットの一員として塔の攻略に馳せ参じるのも当然かと」
「危険なダンジョンとはいえ――誰かの命がかかってるなら行くしかないよね。
 ……観光とはいえ万全の準備は重要だし。気休めでも不安は少なくなるからね」
 成る程、『しろきはなよめ』すみれ(p3p009752)に応じた『テント設営師』フォルトゥナリア・ヴェルーリア(p3p009512)の言葉は確かに正鵠を射抜いていた。
 如何なる困難に挑もうと、単純な力が危機に及ばずとも、道筋に細い光を差すにそれは必要不可欠に違いない。
「この世界最高の技術者が作り出したダンジョン……
 この先もどんな未知と出会えるのか、正直胸が高鳴るね。
 願いは追々考えるとして、こんな迷宮を作り出せるなら願いを叶えるって話もさもありなんって感じだ」
 材質すら分からない迷宮の壁にぺたぺたと触れ、『想いの届人』ノット・イコール(p3p009887)。
「俺は今度シュペルにオーダーしたいのもあってな。
 事前に挨拶もしときたいし……
 願いは……そうだな。シュペルって……巨大合体ロボとか作れるかな……?」
 ノットと共に【塔観光】の前衛を務める『恋揺れる天華』上谷・零(p3p000277)は実に『男の子』らしい想像をしている。
 零は召喚されてから随分経っているから――巨大ロボットを夢見るには少し薹が立った感もなくはないが、そこはそれ。男子のロマンなんていうものは口にするかどうかの問題こそあれ、然程変わらないものなのかも知れない。
「私も願い事は未定ですが進むうちに決めれば良し。
 ……それより今日は随分と『幸運』だとは思いませんか?」
 苦行を得手とすれば長い迷宮探索もなんのその。
 罠の対処に偵察にと器用な所を見せるすみれに冒険を得意とするノット。
 回復役として確実にパーティの持久力を底上げするのはフォルトゥナリアであり、何より。
「飢えないってだけで安心感はあるよな。ちょっとだけ自画自賛だけど」
 混沌のパン屋――零は索敵だけではなくパーティの物資補給にこの上なく最適な人材である。
【塔観光】は決して力で優れたパーティではないのだが、すみれの言葉は冗談ではなく本当だったのだろう。
「よし、この調子で頑張ろうね!」
 フォルトゥナリアの言葉も頷く仲間達の表情も明るく。
 最悪の試練はどんな気まぐれか、彼等にまだ牙を剥いていない――


結果:【クリア】
特殊結果:【幸運】(パーティのクリア確率に少しのプラス補正が生じている状態です)

成否

成功


第1章 第41節

フェルディン・T・レオンハート(p3p000215)
海淵の騎士
エマ(p3p000257)
こそどろ
雨宮 利香(p3p001254)
雨宿りの
クレマァダ=コン=モスカ(p3p008547)
海淵の祭司

●星彩迷宮アリアドネ(波濤)
(まったく、入るのも精一杯、一苦労でしたね?
 大それた願い等はありませんが、無謀に命を落とされるのは勘弁ですからね。
 せめて一階層位は抜けれるようがんばりたいものです――)
『雨宿りの』雨宮 利香(p3p001254)は内心で苦笑せずにはいられなかった。
【波濤】が塔攻略を開始してかなりの時間が経過していたが、彼女が繰り返し抜けてきた修羅場は手緩いものではなかった。
 何せローレットでも名の知れた盾(タンク)である。シュペルがそれを知ってか知らないかは分からない。狙っているのだか狙っていないのだかも分からないが――いっそ特別なコースを用意されていると言われた方が納得がいく程に敵との遭遇率は高かった。
「大望はあるが、まずは彼のお眼鏡に適う必要があるようだね。
 特に油断なく、粘り強く進もうじゃないか」
 それでも探索がまだ途絶せず、パーティが脱落者を出す事無く戦いを続ける事が出来たのは、そう言った『放浪の騎士』フェルディン・T・レオンハート(p3p000215)の戦略眼と索敵能力の力も大きい。そして何より重要なのが、
「塔の中で分かっているのは、危険だという事だけですからね」
 淡々とそう頷いた『仕込みバグ』エマ(p3p000257)の存在である。
 彼女はまさにこんな現場のエキスパートだった。
 文字通り盗賊の本領を発揮した少女は恐らく一層攻略に最も向く一人であった。
「でも、正直――あんまりいいペースとは言えないわよねぇ」
「……………うむ」
 嘆息した利香に重く『海淵の祭司』クレマァダ=コン=モスカ(p3p008547)が頷いた。
 統率力のある彼女はフェルディンと並んでパーティを引き締める役でもあったが、気負っているのは見れば分かる話である。
 さもありなん。『万能の願い』なる餌は、絶望が深かった人間に程深々と突き刺さる。

 ――無理に決まっている――

(……望めるなら。そんな淡い希望だけを抱いて塔を登ろう)
 どれだけ自分自身に言い聞かせたとしても、理性を容易に裏切る心は甘美な響きを完全に否定はしてくれないものだ。
「苦しい道のりになるだろうが。我々が逢おうとしているのは、それだけの御仁という事だね」
「行きましょう。『クレマァダさんの願いを叶える為に』」
 更に出現した新手にフェルディンが得物を構える。
 普段は戦いには及び腰になるエマも短刃を構えて敵影を強く睥睨した。
「ありがとう……」
 声は幽かだが、クレマァダの心底の言葉だった。
 だが――願いは強く望む程に致命的に遠ざかる、ファム・ファタル。
 果たして彼女の感想は全く正しいものだった。

 ――ひとつだけはっきり分かる事がある。
   この塔の! 作成者は! 性格が! 悪いな!!!


結果:【脱落】

成否

失敗

状態異常
フェルディン・T・レオンハート(p3p000215)[重傷]
海淵の騎士
雨宮 利香(p3p001254)[重傷]
雨宿りの

第1章 第42節

ヴァレーリヤ=ダニーロヴナ=マヤコフスカヤ(p3p001837)
祈りの先
エッダ・フロールリジ(p3p006270)
フロイライン・ファウスト
マリア・レイシス(p3p006685)
雷光殲姫
佐藤 美咲(p3p009818)
合理的じゃない

●星彩迷宮アリアドネ(鉄腕)
「行くでありますよ、引きこもりノック!
 当然リーダーは自分でありますよね?
「は? ここは鉄帝国の理想的シスターであり、正義の体現者である私が妥当というものではなくて?」
「そうだね、ヴァリューシャ!」
「あ、私は鉄帝外からのゲストでスからね。リーダーはお任せしまス」
 ……………絶望だ。これは酷い。
「実質買収のようなものであります。抗議するであります!」
「いいえ、正義が勝ちましたわ! ねぇ、マリィ!?」
「そうだね! ヴァリューシャ!」
「では、頑張ろうでス」
『フロイライン・ファウスト』エッダ・フロールリジ(p3p006270)の抗議も虚しく、勝ち誇る『祈りの先』ヴァレーリヤ=ダニーロヴナ=マヤコフスカヤ(p3p001837)にただ幸福そうな『鋼鉄探偵の助手の相棒』マリア・レイシス(p3p006685)。オブザーバー的なゲストを気取る『ダメ人間に見える』佐藤 美咲(p3p009818)は気楽な調子であり、悲壮感はない。
 理不尽かつ悲しみの多数決によりリーダーを拝命したヴァレーリヤの采配により【鉄腕】は迷宮内を進撃していた。
「何があるか分かりませんわ。ここは慎重に進みましょう」
 冒頭の酷いやり取りはさておいて、ヴァレーリヤという女の恐ろしい所はここだった。
 罠への警戒対処、索敵、リーダーシップ。塔に入る前と後では普段と劇場版程も違う。
 ドチャクソシリアスに一切無駄のないプレイングを展開した彼女の指揮は的確であり、敵をやり過ごすに適したマリアがその異能(ドリームシアター)を使い、美咲が気配を遮断する便利なダンボールを駆使したのもあって鉄帝国らしからぬ堅実な探索を進めていた。
「必要な事を書いておけば後はアドリブ歓迎で私らしくなろうというものですわ!」
「そうだね、ヴァリューシャ!」
「……いや、ホントに。この女、こういう所あるであります」
 嘆息したエッダは付き合いが深いが故に呆れ半分感心半分であった。
 軍人たる彼女のストラテジーはむしろ参謀に向いている。
 ヴァレーリヤが劇場版なら大きな問題はないのである。
「エッダ氏、この後は?」
「索敵を済ませたら補給であります。長丁場は不可避でありますからね」
 エッダの言葉に美咲は頷いた。
『見ての通り、誰がリーダーかは置いておいて実にバランスの良いパーティだった』。
「休憩! ではお酒ですわね!?」
「そうだね、ヴァリューシャ!!!」
 それは違うだろうとマリアは言わない。
 ファミリアーで索敵し、雷装深紅を纏い雷吠絶華で敵をねじ伏せる――
 彼女の力は小首を傾げるただただ愛しいヴァレーリヤの為にこそその真価を発揮するのだ。
「でも、ちょっと待って欲しいんだけど」
 うん。
「私、『そうだね、ヴァリューシャ』しか言ってないよ! ヤミー君!」
 そうだね、ヴァリューシャ。


結果:【クリア】

成否

成功


第1章 第43節

鳶島 津々流(p3p000141)
四季の奏者
ヴァイス・ブルメホフナ・ストランド(p3p000921)
白き寓話
ウルリカ(p3p007777)
祝音・猫乃見・来探(p3p009413)
淡き白糖のシュネーバル

●星彩迷宮アリアドネ(季彩)
「シュペルさんに会えたら毛布を掛けてあげたいってずっと思ってて。
 お名前に『もーふ』って付くくらいだから、きっと毛布が大好きなんだよねえ」
 まさかそんな事は無かろうが、何はともあれ――『行く雲に、流るる水に』鳶島 津々流(p3p000141)の調子は実にのんびりとしたものだった。
 だが、気負わず、さりとて緩み無く。『山人の素養』に目鼻を利かせる津々流は探索の中でもその実力を発揮していた。
「願いが叶う塔を探索するのね!
 きっとここもステキな場所なんでしょうね……
 物語に出てくるような願いを叶えるっていう人たちって、基本的に『おもてなし』が大好きだもの!」
「私の願いは……愛を知ることです」
「僕の願いは……何だろう。『皆が癒されますように』?
 考えるのは後でもいいと思うけど」
 瞳を輝かせて言った『白き寓話』ヴァイス・ブルメホフナ・ストランド(p3p000921)に『淡き白糖のシュネーバル』祝音・猫乃見・来探(p3p009413)やウルリカ(p3p007777)が応じてみせた。
「役に立つと、良いけど……」
 来探の持ち前のギフトは【季彩】の補給の気休めにはなる。
 終わりの見えない迷宮を進む作業は、成る程、答えのない答えを探す旅に似ている。
 余りにも『問題』が胡乱とし過ぎている所為で解釈は広すぎて、即座の『正解』を求めるには難しい。
 尤もこの塔はそんな砂漠の中で砂金を見つけるような人間こそを求めているのかも知れなかったが――
「何だか、そう何て言うか」
 ヴァイスは歯切れ悪く周囲を見渡して手近な壁に触れてみた。
 良く分からない材質は硬質で僅かに冷たい触感を帯びている。
 実に無機質で、機械的な迷宮の一部に違いなかったが彼女の感想は実は逆だ。

 ――アリアドネは『生きている』かのようだ。

(……まさか、会話してくれる気はないわよね?)
 先程も来探が精霊疎通で疎通出来そうな存在を探したが、自然界と比しても異様な位にそういう存在は見当たらなかった。
 要するにこの迷宮は『彼』の作った酷く人工的な異界であるのは間違いない。だが、同時に生命的でもある。
「目指すは頭頂、行ける所まで――今は一先ず『次』に行きましょう」
 未知と謎に彩られた星の迷宮をパーティは――ウルリカは行く。
 鼻を鳴らした津々流は自身に降りてきた予感――少し有り難くない天啓を感じてはいたけれど。
 まだまだ探索が序盤である事は間違いなかった――


結果:【脱落】

成否

失敗


第1章 第44節

ガーベラ・キルロード(p3p006172)
noblesse oblige
首塚 あやめ(p3p009048)
首輪フェチ
溝隠 瑠璃(p3p009137)
ラド・バウD級闘士
ハク(p3p009806)
魔眼王

●星彩迷宮アリアドネ(元特攻B)
「オーホッホッホッホッホ!」
 迷宮に酷くけたたましく――同時に無闇に力強いお嬢様の高笑いが響いている。
「ええ、ええ!『特攻野郎』の力が必要と聞いて参りましたわ!
 元祖である私達『元祖特攻野郎Bチーム』略して【元特攻B】! 現状使える最狂メンバーで塔攻略に挑んでいるという訳です!
 ふふ! キルロード農園の宣伝の為にも……目立つように頑張りますわよ、皆様!」
 状況を非常に分かり易く要約してくれたのは言わずと知れた『noblesse oblige』ガーベラ・キルロード(p3p006172)であり、そんな彼女に率いられた(?)【元特攻B】は実に個性豊かな面々を備える攻略チームであった。
「皆様、安心してほしいのです!
 つい先日万能の魔眼(セブンアイズ)を取得しまして!
 真の『†魔眼王†』として覚醒したハクが居れば十人力、いや百人力なのですよ!」
「クヒヒ! ……私が言うのもアレですがこのチーム。ちょっとお馬鹿さんが多い駄目駄目チームですね。多分一層目で脱落です
 ですが、まあ『わたしがかんがえたしこうのザントマンさま』を作って貰う為にも塔攻略頑張らせて貰いましょうか!」
「ちょっと今、聞き捨てならない事を仰っておりましてよ!?」
『魔眼王』ハク(p3p009806)と『首輪フェチ』首塚 あやめ(p3p009048)のやり取りに思わずガーベラがツッコミを入れた。
 何処からどう見ても概ね『ボケ』に位置する筈のガーベラが『ツッコんで』いる。
 些細な事実を見るだけでこのチームの本質はよく分かり、まぁ、何て言うか……
(……今更だけどこのチーム。もしかして比較的マトモなのは僕しかいないのでは?
 ……メタで言っても言わなくても、探索に使えそうなスキル持ってるの僕だけと言う……
 なんて仕打ちだ!? ああ、でも……くっ! 仕方ない……もうこうなったら頑張って立ち回るしかないゾ……!)
 やいのやいのと楽しそうに進む彼女等はまさに『珍道中』。
 こういったチームが何だかんだで勝ち抜けてしまう、という稀によくある奇跡を祈るしか無いのが苦労性になった『ラド・バウD級闘士』溝隠 瑠璃(p3p009137)であった。
 周囲の様子を必死に探り、見つけた罠を地道に何とか対処する……
 しかし、それでも。
「ああああああああ!?」
「クヒヒ……これはなんでしょう。
 私の直感が正解を告げています。どれ、一つ試しに押してみましょうか!」
「オーッホッホッホッホッホ!」
「賛成です! この目に見えないものはないのです!」
「ああああああああああああああ――!」
 ……まぁ、世の中とは大抵にして不条理なもので、面白おかしさは担保されても。
 得てして、人生の不運は幸運の二倍はあるものだった……


結果:【脱落】

成否

失敗

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