シナリオ詳細
ローレット・トレーニングⅪ<幻想・鉄帝・天義・ラサ・覇竜>
オープニング
●五回目の夏の日差し
晴天はどこまでも高らかに。日差しは優しくも熱く。
あなたたちの戦いが本格的に始まってから、もう五年にもなるのか。記念すべき日はもうそこに迫っていて、今年も恒例の行事がやってくる。
一年に一度、記念すべき『ローレット・トレーニング』の日だ。
●幻想と、ローレットと
「というわけで! 記念日なのです!」
ユリーカ・ユリカ(p3n000003)は、ローレットに集まったみんなにそういう。五年目の、記念すべき日。幻想+ローレットで行われるのは――。
「パーティなのです!」
わーっ、と両手をあげて、ぴょんぴょんとユリーカは飛び跳ねた。ついこの間成人を迎えたばかりの彼女だが、しかし未だ、微笑ましい幼さをその心に残している。
ローレット主催のパーティが、この度ここ、ローレットにて行われる。宮廷で行われるような、豪勢なパーティとは言わないが、しかし五年の皆の働きをねぎらうような、そんな精一杯の盛大なパーティが、此処では開かれるはずだ。
「いろんな人も、顔を出してくれるはずなのです。もちろん、色々な事情で顔を出せない人は、居るのですが。
それでも、五年目の記念のお祭り……きっと、色々な人に会えるでしょう」
ユリーカが、ニコニコと笑ってそう言った。酒場も兼任しているローレットは、その大広間に多くのテーブルが運び込まれ、時期に酒や食べ物が振る舞われるだろう。会場は幻想という事で、幻想に所縁のあるものも、記念に訪れるかもしれない。
トレーニングとは言え、身体を休めるのも、トレーニングの一つと言えるだろう。始まりのこの場所で、ゆっくりと宴に興じるのも、悪くないかもしれない――。
●鉄帝のフェスティバル
「やっほー! パルスちゃんだよー!」
ラド・バウに設営された特別ステージで、パルス・パッション(p3n000070)が手を振る。そのたびに、観客席から「ぱっるすちゃぁぁぁあん!」と老若男女問わずの歓声が響いた。
ここは鉄帝。今はアーカーシュに訪れた危機に対処をしている最中だが、それはそれとして、この五年目の記念の日に、何もしない、という選択肢はあり得ないのである。
「今年も頑張ってくれて、ありがとう! ボクも精一杯、みんなのために歌うからねー!」
満面の笑みを浮かべてそういうパルス――だが、すぐに「あっ」というような顔をして、てへへ、と笑った。
「危ない危ない、このままライブ始める所だった! そうじゃなくて!
今日は鉄帝らしく、皆にラド・バウでのトレーニングをプレゼント! もちろん、ボクのライブを楽しんでくれてもいいけどね?」
パルスがぱっちりとウインクしてみせる。
「それから、ヴィーザル地方での野外訓練もおススメ! 過酷な場所だから、色々といい経験になると思うよ!」
パルスの言葉をまとめれば、鉄帝でできる事と言えば、ラド・バウでの訓練や、パルスのライブ鑑賞、或いはヴィーザル地方での行軍訓練、となりそうだ。
「今年の夏は、ぜひぜひ! 鉄帝で過ごしてみてね!」
パルスの言葉に、観客席から「ぱっるすちゃぁぁぁあん!」という声があがる――。
●天義の静謐なる夏
「ようこそ、天義へ。貴殿らが壮健で、私も嬉しく思うよ」
レオパル・ド・ティゲール(p3n000048)は、首都フォン・ルーベルグの大聖堂に集まったイレギュラーズへ、まずはそう告げた。
天義。かつて冠位魔種による大きな戦いを経て、深く傷つきながらも、復興と変革を迎えた宗教都市。
今は、アドラステイアとの小競り合いが発生しているものの、安定している内情を持っていると言えた。
「今年もぜひ訓練を……と思ったが、今年は天義も暑くてな。この猛暑だ、少しくらいやすんでみるのもいいだろう」
苦笑するレオパル。確かに、今年の夏は暑い――天義は過ごしやすい地ではあるが、それでも。
「夏には、聖人の生誕祭が行われていてな。教会では祈りを、街ではささやかだが、お祭りのような事を行う行事がある。
今年はぜひ、それに参加してもらいたい」
レオパルが言う。今年の天義では、どうやら体を休める機会が得られそうだ。
「宗教行事という事で、我々が休めるわけではないのだが……ああ、勿論、裏方として手伝ってくれるなら、ありがたく手を借りたいな。
子供たちに振る舞う菓子の準備や、聖歌隊のレッスン……貴殿らが聖歌隊を担当してくれても構わないが、仕事はいくらでもある。
当然のことながら、参加者として体を休めてくれるのも構わない。
祭も、他の国に比べれば静かだろうが、屋台などでは色々と食事を楽しめるだろう。天義式の軽食などを楽しんでもらいたい」
つまり、天義でやれることは、宗教行事への参加や手伝い、或いは祭りへの参加、と言った所だろうか。
「記念日は一日だけだ。よく考えて、参加してもらいたい」
そう言って力強く頷くレオパルの言葉を胸に、あなたはどこへ参加すべきかを、考えていた――。
●ラサの砂漠のバザール
「ようこそ、イレギュラーズの皆さん」
イルナス・フィンナ(p3n000169)がそういうのは、傭兵(ラサ)の商工会議所だ。砂漠のカラっとした暑さは、よその夏の厚さにも負けてはいない。出されたオアシスの冷水を楽しみつつ、あなたはイルナスの話を聞いている。
「まずは、五年間の皆さんの戦いに、称賛を送ります。ラサも、様々な事件から皆さんの力を借りましたからね」
例えばラサでは、ザントマンによる深緑との軋轢や、ファルベライズの事件などが起こっていた。それを解決するの力を貸したのが、ローレットのイレギュラーズだ。
「今年のラサでは、大きなサンドバザールを開催することになりました。
ラサは、商人たちの国。各国から珍しいものが集まる、まさに宝石箱のような市になるのだと、私も確信しています」
商人と傭兵の国である砂漠の国、ラサは、イルナスの言う通りに、多くの商人たちが各国と取引をし、様々な品を取り扱う。多国籍なアイテムがそろうのが、此処の特色と言えるだろう。
「皆さんが商人側として参加してくださっても構いませんよ。場所も確保しましょう。
ラサの持つ、商人国家としての側面を、今年はぜひ感じ取ってもらいたいものです」
イルナスの言葉に、あなたは頷く。ラサで楽しめるのは、サンドバザールのようだ。売る方としても、買う方としても、どちらでも好みの方に参加ができる。
今年は、砂漠の暑さと活気に、身をゆだねるのも悪くないかもしれない。あなたはそう思った――。
●覇竜の都のお祭り
「フリアノンでは、この時期お祭りをするの。夏祭り、っていう奴ね」
亜竜種たちの集落、フリアノン。ここであなた達の案内をしたのは、珱・琉珂(p3n000246)だ。あたりを見て見れば、ささやかながら町中は飾りつけをされていて、洞窟の天井まで、きらびやかな魔法の明かりで照らされていた。それは、洞窟の窓から覗く、空よりも明るく、負けないように。
「えっと、皆が活動して五年……なんでしょ? その記念も兼ねて、今年は皆にも参加してもらいたいなって」
そう言って笑う、琉珂。まだ友となって日の浅い亜竜種たちだが、しかし紡いだ絆は深いものだ。今年は共に生きる仲間として、故郷の祭りを見てもらいたい……そんな思いも、亜竜種たちにはあるのかもしれない。
「祭の開催を手伝ってくれるって言うなら、とっても嬉しいわ! 手はあればあるだけ助かるからね。
もちろん、皆はお客さんとして、お祭りに参加してもらっても構わないの。
他の国みたいに、豪勢に……とはいかないけど、フリアノンだって、負けないくらいに楽しいお祭りができるんだから!」
そう言って笑う琉珂は、とても楽しそうなものだ。そして、その楽しみを、目の前のあなたと、そしてイレギュラーズ達と過ごしたい、そういう気持が見えた。
フリアノンでの、夏祭り。小規模の屋台や、宴会場。そしてちょっとした屋台などが並ぶ、素朴ながら暖かな夏のお祭り。参加してみるのも、良いだろう――。
- ローレット・トレーニングⅪ<幻想・鉄帝・天義・ラサ・覇竜>完了
- GM名Re:version
- 種別イベント
- 難易度EASY
- 冒険終了日時2022年08月16日 22時05分
- 参加人数379/∞人
- 相談7日
- 参加費50RC
参加者 : 379 人
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参加者一覧(379人)
リプレイ
●幻想と、ローレットと
さて、幻想のローレットでは、賑やかな立食パーティが開かれている。
「見たことない料理がたくさん……。
……こほん、し、知ってるよこういうのは少しずつ、
食べきれる量だけとっていくんだろ、分かってる……分かってるよ……じゅるり」
琅・冬栴が目移りするくらいのたくさんの料理が並んでいる。
エル・ウッドランドは早速タダ飯に舌鼓をうちながら、あたりを回すと、同じようにタダ飯にあり着こうとするファーリナの姿を見かけた。どうやら元気しているらしい。
その近くでヴュルガー・オプファーが、もじもじとした様子であたりを見ている。何せ、「自分に似合う服を」とレンタルした衣装が、見事に女物のドレスだったからだ。似合う。
衣装のレンタルをギャンブルに見立てて依頼したのは、ニコラス・コルゥ・ハイドだ。ニコラスの場合は、シックなタキシード。晴れの舞台にふさわしくも、ニコラスによく似合うスタイリッシュなものだった。
「……このお菓子も、あのお菓子も、食べていいの?
じゃあ……このケーキ、貰おうかな」
アドラ・ドール・シュタイフは、大きなケーキを切り分けてもらっている。でも、どうしてだろう、誰かと分けて食べたいという思いが、心の中で膨らんでいる。
静寂 寂寥は食事の味を楽しみつつ、持ち帰りを希望していた。家に待たせている者がいるらしい。快く、シェフが持ち帰り用のお土産を包んでくれる。
その横で、トラウム・カラドリウス・キルシュトルテは給仕の手伝いをしていた。あくまでも執事であるというトラウムは、給仕の仕事をかって出ていて、見事に役割を完遂している。
「いっぱい飯食えるチャンス……」
あい・うえ男は、食事をおなか一杯に食べて飲んで、隅っこで寝ていた。となると、クッションと勘違いしたが、座り込んでやすんでいる。まさに人をダメにするクッションだったが、お腹がいっぱいだったので否定するのも面倒だった。
「うゆう、おしゃけもってけえりゅのりゃ!!」
その近くでは、酒瓶片手に座り込んで叫んでいるニル=ヴァレンタインの姿があった。そこに魔王としての威厳はない……。
「……うぅ、目の前がチカチカして、頭痛い……。
大人って、こんな凄いのを、飲んでるのぉ……?」
すっかり悪酔いしてしまった城火 綾花が、その隣で座り込んでいる。お水を飲むと良いですよ。
Tricky・Starsは、そんな倒れたのん兵衛たちを身ながら、「やはり」と天を仰いだ。酔いつぶれるのも酒飲みの宿命なのです。
テルル・ウェイレットは、今回は給仕ではなく客として料理を楽しみつつ、しかしその下を楽しませる料理のレシピを頭に中に思い描いていた。きっとテルルなら、今日食べた料理も一味美味しく再現できるだろう。
「時にユリーカの嬢ちゃんよぉ、アンタ飲める歳になったんだってなぁ……!
だったら一緒に飲もうじゃねぇかよ……!」
すっかり出来上がっているゲンゾウだが、ユリーカも一杯いただいている様だ。
「ありがとう、そしてこれからもよろしくね。ユリーカに、レオンも。あなたたちがわたしたちに力を貸してくれているのだものね」
そんなユリーカやレオンに、アーシタは礼を告げる。五年間イレギュラーズ達が戦ってこれたのは、皆のバックアップがあったからだ。
桜夜も練達から持ち込まれた日本酒に舌鼓を打っていたし、酒飲みたちはしっかりと酒を楽しんでいる様だ。
「ユリーカさんもお酒を飲めるお年ですか。
5年前は私もお酒飲めなかったんですよ。
飲めるようになって、飲んでみて。意外と要らないなってなったんですけど。えひひ」
そう言って笑うエマ。下戸ならその分、食べて楽しもう!
そんな会場で拍手が鳴り響くと、美しい歌声が響いた。ロゼ・グランテリアの歌唱が、会場に華を添えている。
そんな歌声をききながら、ヨゾラ・エアツェール・ヴァッペンは胸中で祈る。
『僕が幸せを望む皆を守れますように。
……奇跡を、起こせますように』
と。
「パーティー、パーティー、ららら!」
歌と言えば、ご機嫌なソアも鼻歌交じりに会場を歩く。美味しい食事は、どれだけ食べても飽きることはない。
「ふむ、儂がろぅれっとに入って、二年じゃが……本格的な活動が始まってから五年になるのじゃなぁ」
黒野 鶫が懐かしむようにそう言う。傾けたグラスの酒は、何か懐かしさを思い起こさせた。
「その、ショウ、お膝乗ってもいいかにゃ……?」
杜里 ちぐさがそういうのへ、ショウは少し驚いてから、快諾してくれた。ぽん、と膝にすわったちぐさが、くすぐったそうに笑った。
「私は混沌に来て体は縮んでしまったが、ちゃんと成人済だ。
合法だから問題ないだろう」
むぅ、と口をとがらせつつ、四が酒の入ったグラスを傾ける。見た目はともかく、立派に成人ずみです。
「今宵の舞をお楽しみくださいませ」
催し物はまだまだ続く。津久見・弥恵の披露する妖艶なダンスに、参加者たちから歓声と拍手がわいた。ヴィリスもそんなダンサー、いやプリマドンナの一人だ。ジャンルの違う踊りだが、不思議と息が合うのは、即興で戦えるイレギュラーズ故か。
そんな踊りに沸く会場を、萊 連理がメイドの格好で給仕を行っていた。もしかしたら、好い主人に巡り合えるかもしれない、等と思いつつ。
ヲルト・アドバライトも、給仕を行う一人だ。グラスや食器をトレイにのせて、きりっとした姿勢でフロアを歩く姿は、堂に入っている。
働いている、と言えば、嶺渡・蘇芳は厨房で活躍している。様々な料理を次々と作り出す蘇芳だが、時折フロアに抜け出しては、少しお酒をつまんでいたりする。
一方、明るい雰囲気の中、何処か静かな雰囲気でグラスを傾ける、新田 寛治の姿があった。胸中に渦巻くのは、アーベントロートをめぐる動乱のこと。未だ解決せぬ事件。
「……いけませんね、悪い酒になっている」
寛治は頭を振ると気分を変えるためにバルコニーに向かっていった。
様々な思いを抱くものが居つつも、しかし基本的には明るいパーティだ。アオゾラ・フルーフ・エーヴィヒカイト等は色々な食べ物をもぐもぐとしていたし、もこねこ みーおは、悩む人がもしいたら、猫をもふもふとさせて気分転換を促してくれている。フロアを冷やしているのはアルヤン 不連続面で、下手な冷房より涼しい扇風機らしい。すごい。
「ハァイ、プルーちゃん。カンパーイ♪」
ジルーシャ・グレイとプルーがグラスをカチンと合わせる。目を合わせた二人が、くすりと笑いあった。
「やっぱり、気楽に食べられてしゃべることのできる、ローレットのパーティの方がずっといい」
ディアナ・クラッセンはそんな風に呟きながら、穏やかな雰囲気の会場を見渡す。堅苦しい貴族社会では決して見ることのできない、ラフながら心地よい空気が、会場にはあった。
そんな心地よい会場の雰囲気に身を委ねながら、ブレンダ・スカーレット・アレクサンデルはグラスを片手に吐息を吐いた。
「ふっ……一人が久しぶり、とはな。昔は常に一人だったというのに」
だが、その感覚は悪いものではない。世界は変わるのだ。
goodmanは食事を楽しみながら、ふと見知った境界案内人の事を思い出す。何故思い浮かんだのかはわからないまま、このおいしい料理を土産に持って行こうと思っていた。
ロロン・ラプスも何処か、おちつかない気持ちだ。楽しいパーティ会場の雰囲気に中てられているのかもしれない。色々な衣装をとりながら、けれども楽しい雰囲気に身を委ねて。
「こうも賑やかだと元の世界を思い出すな……」
あたりの人の様子に微笑を浮かべながら、グラナート・メーヌリスはグラスを傾けた。
「その……情報屋の人たちだって『五周年』なんだ。準備とかもしてくれたんだろうけど、ユリーカさんも一緒に楽しもうな。その方が皆、嬉しいと思うから」
そう言ってユリーカを誘う囲 飛呂に、ユリーカはひまわりのような笑顔を返した。
「さぁ、食うぞ! 食い気全開だ!」
そういうエレンに、ライム マスカットは笑いかけた。
「エレンさんもお腹すきましたか? ふふ、私もです、特にお肉とか一杯食べたいです!」
そう言って山もりのお肉に二人はとりかかるのだ。
「何だかずっと慌ただしいけど……でも、お仕事だもんね。お互い頑張らないとだ」
メルナはヴァイス・ブルメホフナ・ストランドと近況報告などをしている。まだまだあちこちで事件が起こっており、休む間もないほどだ。
「まだまだ大変なことも多いわねぇ……。
ああ、でもこの間ね、新しい茶葉を貰ったの。また、お茶会をしましょう?」
休息の誘いに、メルナは微笑んで頷いた。
「5周年ってことはアレか、ダンナが特異運命座標になってから今日で5年ってことかよ」
そう生方・創に尋ねるのは、ティーデ・ティル・オーステルハウスだ。
「いやぁ、長いようで短い気もするねぇ、5年」
そう言って笑いあう二人が、グラスを空にする。
「えっ? 好きな料理――? うーん、そうだね……。
パエリア、とかかな。知ってるかい?
色とりどりでね、海老とかシーフードが主な事もあって……」
そう言って笑うギルオス・ホリスに、ハリエットは真面目な顔で頷いた。
「料理の練習したいし、作れそうなら作ってみようかな」
いつか食べてもらいたいと、そう思いながら。
会場の開いたスペースでは、ファッションショーのように色々な服を見せあっているメンバーがいる。どれも主催者から貸与されたものなのだそうだ。
例えば、紫桜はチャイナ風シャツのカジュアルないでたちだ。ノンフレームの伊達メガネが、オフの紫桜を演出している。男の眼鏡からしか摂取出来ない栄養がある。
燦火=炯=フェネクスは普段はその活発な印象から、再現性東京で言う所のスポーツカジュアル衣装に身を包み、普段より露出度を抑えつつ活発な印象は崩さない。やっぱり崩したくない。元気でいて欲しい。
鏡を覗き込み、少し頬を赤らめるリースヒースは、普段とは印象の異なる、白とピンクを基調としたお姫様のようなふわふわのファッション。ギャップが一番だよね。可愛い。
ストリート系の衣装に、深く帽子をかぶってみせるのはエクスマリア=カリブルヌス。普段の雰囲気とは違う、何処か活発なイメージを見せてくれる。ちょっと悪そうなのいいと思う。
澄恋は甘ロリの白いロリィタ服だ。その姿は花嫁というよりはお姫様という所か。澄恋の雰囲気にはこういうものも似合っていると思います。
ガイアドニスは、高身長ながら、敢えてのガーリッシュコーデを推したい。大きくても可愛らしい雰囲気は出せる。出せる。
エプロンワンピースのカントリーファッションな長谷部 朋子。髪もみつあみに、少しシックでおとなしめなイメージをどうぞ。ギャップを狙ってみましたがカントリーファッション好きなだけです。
形守・恩――そうだなぁ、和ゴスを推したい。やはり和の印象が強いくセクシーなため、和のイメージは残しつつ少し冒険してみようか。ゴスっぽいイメージでイメチェンしてみよう!
浮舟 帳はアラビアンな感じの、少し露出高めな感じをお願いしたい構えをとります。分かっていただけると思いますけど、パンツはハーフパンツでお願いします。
アルテミア・フィルティス……アルテミアさん、着ていない衣装あるんですか……? チア服も着てるし、ドスケベシスターもやってるし、何を着ていないのか……いや、此処は敢えての純和装はどうでしょうか? 少し明るいイメージの着物も似合うと思います!!!
いや、皆さん他にも色々ありますよ。アメスクとか着て欲しい感じもありますし、最近は地雷系も好きです。あと所謂童貞を殺す服――ほら、白いブラウスとハイウェストのスカートの――とか。ファンタジーに寄っていいなら、ちょっと露出度高めの踊り子風の衣装とかも癖です。でも皆に似合うと思う服を選んだつもりなのでイラスト作ってください。
じゃあ平常運転に戻ります。
リカ・サキュバスとクーア・M・サキュバス。二人のサキュバスは、赤ワインとチーズを嗜みながら、しかし何処か妖艶な笑みを浮かべつつ。
「これが終わったら『お食事』に行きましょう……今の私達らしく、ね?」
そういうリカに、『いつか』の事を思い描きつつ、今は頷くクーアである。
「こういうときは! 食って飲む! 飲んで食う!
で、いい気分になったら歌って踊る! ジャンプ! 回る! そしてまた食って飲む!」
そういうザハール・ウィッカ・イグニスフィアへ視線を送りつつ、
「あそこで騒いd……賑やかしいのはザハール様ですね、ぶれませんね」
休みの日くらい世話を焼きたくない、と見ないふりをする白ノ雪 此花のすぐそばで、カラフルドリンクを片手に、
「どぉしてえええぇぇぇ!
カラフルドリンクとかそういうの僕の担当じゃないでしょ、担当者どこ?!」
と騒いでいるのはカティア・ルーデ・サスティンが居たので、セレステ・グラス・オルテンシアは、
「あちらで騒いでる方達ですか? ええ、まあ……いうなれば、舎弟……でしょうか?
すみませんね、やんちゃで。まだまだきもちは若いので生暖かく見守ってあげてくださいね。そう、私も」
とか言いつつ、ごはんをパクパクしながら一連の騒ぎを見守っていた。
「しかし、ここに集った方々の大半がイレギュラーズで、この5年間、戦い続けてきたのですな……とても感慨深いものを感じます。
これからは我ら兄妹も皆さまのお力になれるよう粉骨砕身、精進してまいりましょう!」
「皆さんが歩んで来られた5年……決して平坦な道ではなかったと思います。これからは、わたしもローレットの一員として粉骨砕身がんばりますね」
そう言いながら、グラスを掲げるのは、ヴェルミリオ=スケルトン=ファロとフローレンス ポーの二人だ。
『ローレットの活躍を祝して乾杯!』
そうして、グラスがかちん、となった。
「いやー、年1回とは言えありがたいですよねー立食パーティ。
食費が浮く!!!!」
「確かになー。酒も飲めるし飯は食えるし。
食費は確かに浮く。ありがてぇ」
笑顔でそういう、エーミール・アーベントロートとベルトア・ウル・アビスリンクの姿もあった。
「私はメイドのウルツァイト〜♪(皿が割れる音)
何でもこなす完璧メイド〜♪(床が抜ける音)
今日はローレットで給仕のお手伝い〜♪(盛大にすっ転ぶ音)
さあさ美味しい料理を召し上が〜れ〜♪(クソマズ料理)」
災害だ! そんなメイドを眺めつつ、甘いものを片っ端から確保するのはフォルエスク・グレイブツリー。チーズケーキ、モンブラン、パフェ、シュークリーム、ババロアにタルト、マカロンや果物の盛り合わせ、チョコレートファウンテン。などなどなどなど。
と、他にもうっきうきなものも居て、例えばカンブリア・フェルグラン。
「パーティ大好き! お酒も好き!
普段は亜竜種の目もあって年長者としての振る舞いを求められるけど、今日はハメを外しちゃうぞ〜♪
いぇ~い♪ 乾杯!」
もううっきうき。うっきうきといえばセララもそうで、フォルデルマンに漫画とこれまでの冒険を語りに向かっている。話したいことも見せたいものも山ほどある。ゴーレムとか、アイオンも戦った四天王の話とかだ。
オトモの手乗りサイズ緋狐を頭に乗せて、アオはユリーカに声をかける。
「ユリーカくん、二十歳おめでとう。乾杯しよう? 呑める?」
もちろん、とユリーカが満面の笑みを浮かべた。
「じゃんじゃか食って飲んで騒ぐぞおめえら!!!!!!」
豪快に笑い、あちこちで目についた仲間達と飲みあかす、バクルド・アルティア・ホルスウィング。ヘルミーネ・フォン・ニヴルヘイムも一緒になってお酒を飲みあかしている。
パーティの催しもまだまだ続き、天之空・ミーナが奏でるバイオリンの音が静かに響いていた。
「給仕の方、人参スティックはありますか?」
そう言って人参スティックを笑顔で受け取るノア・ブラン。その後ろで、すってんころりんと雑賀 千代が転んでお胸アタックをしていたので、ノアはびっくりして目を丸くした。妖樹もそんな様子を観察していて、不思議気に千代を見つめている。
Melting・Emma・Loveはあたりをうろつきつつ、マッサージが必要な者から声をかけてもらっていたりする。描画 幽代参加者との世間話などをしつつ、
「私が何を描いているかだと?
見目麗しい男性があられも無い姿で喘いだり青春したり性的な事をされるお話を描いている。
ふふ、いわゆる『耽美物』だ」
とこともなげに言い放って、相手をびっくりさせていた。ちなみに近くの女性たちが色めきだった(喜びと驚きで)。
語澄 不音はといえば、どうにもびくびくしながら料理をつまんでいる。外は苦手なのだろうか。なるべ気づかれないように……ステルスご飯を楽しんでいた。
ソニア・ウィーピング・ウィローもまた、困った顔をしている一人だ。どうもご主人様から、一人パーティを楽しんでおいで、と言われたようだが……いやいや、此処が勇気の出すときだ。がんばろう。
フォーマルなドレスを着たイーリン・ジョーンズは、ペリカと酒を酌み交わしている。
「貴方、何回も言ってるけど面映ゆいだの何だの言ってないで、もっと周りと関わり合うべきよ」
そういうイーリンに、ペリカはむむむ、と唸ったりするのである。
このめでたい日に、ハビーブ・アッスルターンの頭を悩ませるのは、エリラナのことである。幻想種の愛がこんなにも重いとは知らなかった――この際素直に4人目の妻として他の3人と同様に愛してやるとしよう、そう考えたハビーブは、早速祝言の手配をするのであった。
アイリス・アニェラ・クラリッサも、満足げに食事をとっている。ディアナ・リゼ・セレスティアもその近くにいて、ドレスで着飾り、何処かしゃんとした雰囲気だ。対照的に、カレン=エマ=コンスタンティナはいつもの格好で、散歩気分で参加している。どれも正解だ。フォーマルでも、そうでなくても、ローレットは懐深く受け入れよう。
リウィルディア=エスカ=ノルンは、ガブリエルににこやかに挨拶。これで参加していた貴族や重鎮とはどれだけ挨拶を交わしたことか。ノルンの名代としての仕事だが、しかしどうにも、忙しいものだった。
コルネリアとわんこは会場の外れ、グラスを傾けつつ、言葉を紡ぎ合う。
「……わんこと姉御が出会って、大体一年半位デスネ。
思えば相当な押しかけ妹分デシタガ、わんこにとっちゃ楽しい日々デシタ。勿論、きっとこれからも!
たまにはちゃーんと言葉にシマス。大好きデスヨ、姉御!」
「もうそんなに経つのね、こんなアタシに着いてくるのはアンタくらいよ。物好きな子。
アタシも……アンタにゃ感謝してるわ、その笑顔にね」
そう言って、グラスをふたり、かちんとならして見せた。そんな二人の近くには窓があって、外の景色がのぞけるのだが、そこには、
「どうしてあたしから逃げ切れると思ってしまったんすか……?
幻介せーんぱい♡」
「コラーッ! 逃げるな、活き餌侍ー!
正々堂々、勝負しなさーい!」
「あっ、幻介さんが行ってしまわれます……私達と一緒ではいけないのですか!?」
「なんで、なんで逃げるのですよー!?
あの時の(訓練するという)約束は嘘だったって事でしてー!?」
と、ウルズ・ウィムフォクシー、リディア・T・レオンハート、エルシア・クレンオータ、ルシア・アイリス・アップルトン、この四人の麗しき女性に追っかけまわされるのは、そう、咲々宮 幻介である。
「くそっ、今日も今日とて不幸で御座るなぁ、畜生!」
そんな幻介の悲鳴が、幻想に響き渡った。
●ラサのサンドバザール
ラサ。この広大な砂の大地に広がるオアシス都市で、記念すべき日を祝うための大サンドバザールがひらかれている。あちこちに出店が並び、賑やかなそれは他国のイベントに勝るとも劣らない。
そんなたくさんの店で、ミニュイ・ラ・シュエットがウィンドウショッピングを楽しんでいる姿が見える。ロゼット=テイもそんなバザーの中で静かに――思考を敢えて停止して――歩いている。
「さて。親愛なる私の相棒。受け取って頂けますか?
些細な約束のようなものです。貴方には何かと背負わせておいたほうが、ちゃんと帰ってきそうですから」
星穹がヴェルグリーズへ、ホルダーを手渡す。好いものが買えたようだ。
「もちろん、キミからの贈り物を受け取らないなんてありえないよ。
この品に懸けてたとえどんな苦難に会おうとも帰ることを諦めない。
必ずキミのもとへ戻ってくると誓うよ、だからこれからもよろしくね親愛なる俺の相棒」
そう言って、微笑む。
恋屍・愛無は店を開いているようで、記念の砂漠の砂を売っているようだった。売り上げは如何ほどになるだろうか。
倉庫マンも、店を開いているイレギュラーズの一人だ。
「食べて良し、壁にして良しの倉庫チョコは如何ですかー!」
声を張り上げて販売する倉庫チョコは、確かに多くの人の目を引いていた。
「すみません。
青い薔薇と黒い薔薇ありますか?」
スペクターは『誰か』が欲しがっていた薔薇を購入した。『誰か』が喜んでくれるのを想いながら、商品を受け取っている。ベイク・ド・クロワッサンは、その近くで等身大のバターナイフを探していた。自分に塗るためのそれだ。此処はラサのバザール。売っていないものなどは存在しない。
サンディ・カルタも、ラサのバザールを覗いている。この暑い時期に砂漠に来る人はいないだろう、ならば掘り出し物が残っている、という思考だ。決して領地のことが心配だったり、サマフェスに負けないように美人のお姉さんが頑張っているかもしれないという気持ちがあるわけではない。
エルス・ティーネが市場を覗きつつ、少しだけ顔を曇らせた。平和なラサにも、悪徳の影は常にちらついている。人身売買を行う商人もまだ残っているのだろう。とは言え、今日は記念日だ。気持ちを切り替えると、エルスは前を向いた。
ユイユ・アペティートは、ピカピカのランプを購入してロバに積んでいるところだ。好いものが手に入ったのか、嬉しそうだ。
キドーは店先で、ファルベライズの色宝を探している。思い出に浸る時間が欲しかった。気に入った奴が、反転した。これで三度目だ、と自嘲するように笑う。
ジュート=ラッキーバレットも、バザールで骨とう品などを眺めている。目的は、運気の思いっきり上がる様な、そんなお守りだ。その近くの店で、アッシュ・ウィンター・チャイルドはむむむ、と唸っていた。お茶や茶道具を売る店だが、ほしいものをリストアップしたら予算オーバーしたようだ。
クロム・S・ハーベンスが求めるのは、イレギュラーズのパ……ではなくて、イレギュラーズが開くお店である。此方が顔を売るのもいいだろう。丁度近くでは、イレギュラーズによる、赤いもの市、が開かれている。フラーゴラ・トラモントは、垢にちなんだ様々な食べ物を売っていたし、トルテ・ブルトローゼもトマトを売りながら、「貴様らトマトを食べろ! そしてなんか健康になって余の配下となって働くことを許すぞ!」と笑っている。三國・誠司は、そんなフラーゴラのお店で、お肉を購入しているようだった。
そんな赤いもの市で、ヤツェク・ブルーフラワーは赤い布を探している。ドレスを仕立てるためのそれは、庇護対象に対してのプレゼントなのだそうだ。イラリカ ハラスも市にいて、食べ物を眺めながら、店主に尋ねる。
「この中で持ち帰れるものは? 出来るなら友人にも食べさせたい、と思う」
店主は快く、土産物として包んでくれるだろう。
水無比 然音が店先で手に取ったのは、鉄帝製のリボルバー銃だ。興味を引いたのだろう、吸い込まれるように、その銃を見つめている。値は張るが、きっと購入するに違いない。
「……いらっしゃいませ、お客様。こちらの商品に興味がおありですか?」
ルクト・ナードは、知り合いから預かった物品を商品に、店を開いていた。精一杯の接客は、客にも好感触だっただろう。
「す、すごいいっぱい、お店あるね……」
カイカと共に歩くカシャ=ヤスオカ。目が回るような人の出だが、なんだか見て回るだけでも楽しいものだ。良い思い出が増えただろう。そんな人ごみの中を、ナハトラーベは飛ぶように動き回る。目的は、美味しい食べ物。見つけ次第、購入してもぐもぐするのだ。その近くにいたティル・エクスシアは、あたりの光景に目を丸くした。ラサは初めてなのだろうか。その在り様に、いたく驚いている様だ。
アクセル・ソート・エクシルは、身体を水で冷やしつつ、バザールのウィンドウショッピングを続ける。何せ様々な意味で熱い場所だ。熱中症には気をつけて。シエル・アントレポは、そんな熱い市場を荷運び屋として駆け回っている。シエルにとっても稼ぎ時なのだ。
「ぼかぁ未知を探求する財団の一員でね。この地域の歴史に興味があるんだ、だからこの史料について色々と教えてくれないかね。なあに、お金はちゃんとあるさ」
シエルが納品したお店で、商品を見つけたエクレアが、早速の値段交渉をしている。ジュリエット・ラヴェニューの姿も近くにあって、魔法生物の作成に仕えるような魔道具を探している様だ。もちろん、ここ最近籠り気味だったので気分転換も兼ねている。
ラダ・ジグリも、市場を眺めるものの一人だ。豊穣やシレンツィオなど、新たに交易の相手が増えたラサだ、そう言った新しい掘り出し物も、見つかるかもしれない、という思いがあった。
ヴァイオレット・ホロウウォーカーは、くすりと笑いながらラサの市場を行く。良いものも悪いものも手に入れてきた、そんな場所。買い物に心を躍らせる日が来るとは、なんとも人生わからないものだ、と心地よく思った。
「さて、お前さんは儂の腕に、いくらの値段を付けるかね?」
ゲンリーが店先でそういう。ゲンリーが売るのは、自分の鍛冶の腕という、一風変わった商品だった。
「ヒャッハー! 恒例の周年のローレット・トレーニングだー!」
テンション高く休日を満喫するのはクロジンデ・エーベルヴァイン。この日のために有休をちゃんと申請しておいたのだ!
「う~んついテンションに任せて余計なものを買ってしまった気がします……」
しにゃこが苦笑する。光る石や綺麗な壺。意外と練達に持って行ったら売れるかもしれない……?
「……では店主さん。こちらを一冊くださいな、と」
キイチがそう言って購入したのは、古書の兵法書だった。使いこまれたそれは、多くの兵の力となってきたのだろう。
「わかってると思うが、堅気に迷惑はかけるなよ」
と、串焼き屋台を開きつつ、地元のダチコーたちにくぎを刺すのは、レーヴェ・ブランクだ。香ばしい好い匂いが、あたりに漂っている。その近くでは、極楽院 ことほぎが、ぼったくり商人に魔眼を利用して値引きを交渉していた。まぁ、これも一つの特権かもしれない……。
「ふむ、これらが買い得であると言うたな店主よ、なればそれらを戴こうぞ」
そういうオジヴァン・ノクト・パトリアエに、その店はぼったくりだと声がかけられた。
「ぼったくり? 何構わぬ、我が買うに値すると認めた故」
オジヴァンは動じることなくそう言った。
「これは凄い……うあ、お値段も凄い!」
と、目をしぱしぱさせる、ルカ・リアム・ロンズデールの姿も見える。古木・文はその近くで染料を探して、市場を歩いている姿があった。
「これからも武運に恵まれますように」
そう言って、プラハ・ユズハ・ハッセルバッハはヴュルガーの胸ポケットに、買ったばかりのカスミソウのドライフラワーをさしてあげた。
「ありがとう。これはお礼だ。いつでもきれいで可愛らしい君でいて欲しいからな」
そう言って差し出された石鹸を、プラハは嬉しそうに受け取った。
ピットも市場の人出の中を、軽快に進んでウィンドウショッピングを楽しんでいる。零・K・メルヴィルのパンの屋台が、その近くを通った。パンの好い香りが漂う。売れ行きは好調のようだ。
「その、迷っておりまして。率直なお薦めを伺いたいのですが、男性はお誕生日に何をプレゼントされると嬉しいのでしょう?」
ジュリエット・フォン・イーリスが、店先で店主に尋ねている姿がある。同じ店では、ルナ・ファ・ディールが『あいつ』の瞳と同じ色の、赤い宝石の飾りを見つめていた。
ミルヴィ=カーソンが店先に立つその店は、服飾品のお店だ。ミルヴィをモデルに、ファッションショーが開かれている。多くの人々が、その姿にくぎ付けのようだ。翠・帝華は、その店で色々な服をお勧めされている。可愛いですよ、と言われるたびに、びっくりする様子が実際可愛い。近くのドリンクスタンドでは、刻見 雲雀が水分補給に、さわやかな炭酸のジュースを飲んでいる。空を見上げていれば、まだまだ日は高い。いつか故郷に帰った時のための土産を探す時間はありそうだ。
フラウル・リソルド・ローエンが、たくさんの古書を抱えてうきうきとした表情を浮かべていた。掘り出し物のよい古書が見つかったのだろう。先ほどまで中々のテンションだった。
ウルフィン ウルフ ロックは、武具の買い出しに、市場を歩き回っていた。望むべきものは見つかっただろうか。武器も、情報も。
アム・ハーバーランドも、持ち前の観察眼を駆使して、掘り出し物を探している。ノニ・W・フォーゲルも、妻に似合う宝飾品を探して、熱砂の市場を興味深げに覗いていた。
「あの、この子に似合いそうなアクセサリーとかってありますか?」
リスェン・マチダが、肩に乗っているナルちゃんを指して言う。店主はにこやかに、可愛らしいリボンを差し出してくれた。
●天義の生誕祭
天義では、厳かながらも賑やかな生誕祭が開かれていた。羽目を外し過ぎるという事はないが、それでもたまの祭りに、多くの人々の顔に笑顔が浮かんでいた。
会場ではメルランヌ・ヴィーライの歌が響いている。動物たちが舞うその光景は、聖人のように荘厳で奇跡的な光景でもあった。
「……神威神楽とは、全然違う……」
そういう葬屠。国が変われば、祭も変わる。うけるカルチャーショックは、それでも心地よいものだ。
「あっ、そこのお兄さ〜ん!今すごくこのご飯食べた方が良い顔してたわ。
可愛い私に免じておひとつ買ってくださらない?」
と、店番を任されていたメルティメルトがにこやかに声をかける。
その近くの店では、ノックス・ラクテウス・オルビスも同様に店番をしていて、ノックスの場合は今日の宿代を稼ぐためのバイトのようだった。
「ご覧の通り、鍛えておりますので。お任せください、お嬢様方」
彼者誰は祭の裏方の手伝いをしていて、聖職者たちに大変重宝されたものだ。
そんな景気の好い町中を、虚気 影踏は串焼きを齧りつつ歩く。見事に迷子になっていたが、それも楽しめるほどに、街の雰囲気は良い。
対照的に、リドニア・アルフェーネがげんなりした様子で街を歩く。家に帰りたくないのだ! そんなわけで気配を消して一般人を装っている。
リエルは、天義の復興の様子に、何処か感慨深げに目を細めた。恐るべき災厄に見舞われた地だ。しかし今は、祭を開き、人々が笑顔になるほどに、復活を遂げている。良い事だった。
叶は祭の町中を行く。
「折角ですもの、恭介さんへのお土産になりそうな出店を探してみましょう」
そう言って出店のエリアに向かえば、多くの店が叶を迎えてくれた。
バク=エルナンデスは、今日は子供の面倒を見てやろうという事で、早速迷子の子供の手を引いて祭会場を行く。このまま教会の祭の運営事務局まで連れて行ってやるつもりだ。
「こういうのが続いてくれれば安心なんですがね。ね、シチ」
そんな平和な光景を見ながら、シャオ・ハナ・ハカセは目を細める。平和がいつまでも続いていけばいいと、祈らずにはいられない。
「発声練習からしましょうか。さん、はい!」
教会からは、クロエ・ブランシェットの声が聞こえてきた。どうやら、聖歌隊に歌のレッスンをしている様だ。クロエに続いて、聖歌隊の発声練習の声が響く。
聖歌隊と言えば、別の聖歌隊にはサクラとスティア・エイル・ヴァークライトの姿もあった。飛び入りという事で、参加しているわけだが、スティアは流石、堂に入った姿だ。サクラは少し恥ずかし気だったが、それでも多くの人を楽しませたいという気持で、精一杯に聖歌を紡ぐ。
教会には、視察に訪れていたシェアキムがいて、楊枝 茄子子が早速声をかけていた。
「シェアキム陛下、少しよろしいでしょうか?」
ひと時の会話を、茄子子は充分に楽しんだようだ。
「レオパル様、何か仕事はないでしょうか?」
そう聞くのはアンナ・シャルロット・ミルフィールである。生真面目に聞くアンナに、流石のレオパルも僅かに苦笑してみせた。
教会に併設されていた図書館では、マリエッタ・エーレインが読書に励んでいた。失った過去を探しつつ、新たな知識を活かせるように。
紫電・弍式・アレンツァーは、屋台で買った( ‘ᾥ’ )飴で( ‘ᾥ’ )な顔をしていた。でも、後味はすごく美味しいのだ。
ルサルカは、街の様子を見ながら、僅かに顔をほころばせた。未だ宗教の力が強いのは確かだが、以前に比べればずっと過ごしやすい街になっている。好ましい事だった。
祭のさなかに、トスト・クェントが郷愁の想いを抱いていることを、スコル・ハティは気づいた。
「……ん……探したいなら……手伝うけど、さ」
そう言って手を握るスコルに、
「ふふ、ありがとね。見つかるといいんだけどねぇ……」
トストはそう言って笑う。
テリオス=スィスィアは、故郷のラサの祭を思い出しつつ、それとは違う、でも賑やかな祭りの風景を目に焼き付けながら、街を行く。
祭の喧騒から少し離れると、冬兎 スクがドラネコさん達とピクニックを楽しんでいた。新しいドラネコさんに、名前を付けてあげないと、等と考える。
夜になれば、ベルナルド=ヴァレンティーノがアネモネの庭園で、手持ちの花火に火をつけている。ぱちぱちとはぜる火花は、その日の締めくくりに丁度良いものだった。
●鉄帝のトレーニング
さて、鉄帝では大規模なトレーニングが行われている。ラド・バウやヴィーザル地方と、様々な場所で多くの人々を見ることができるだろう。
「ウオオオオ! オレがマッチョ☆プリンダ!」
マッチョ ☆ プリンはプリンを大量に用意してラド・バウでトレーニングを行っている。ピウス・ロセウス・クニークルスも、ゆる~く(?)トレーニングを行っている一人だ。夜式・十七号はリーヌシュカを誘って、組み手を行っている。リーヌシュカも、快くトレーニングに参加してくれていた。
雪村 沙月もラド・バウで多くのイレギュラーズや闘士たちと実戦形式のトレーニングを行っている。華懿戸 竜祢もあちこちの参加者に声をかけ、切磋琢磨しているようだった。レオナもトレーニングに参加しており、自慢の手数をさらに向上させるべく思考錯誤している様子が見える。イグナート・エゴロヴィチ・レスキンは、ラド・バウでも上位の闘士に訓練を願っている。もっと強く――鉄帝を変えられるくらいに。イグナートの紳士な願いに、闘士たちは快く胸を貸してくれた。
「なあ、アンタも訓練に参加してくれよ。退屈させねえからさ」
シラスがそう声をかけたのは、ビッツ・ビネガーだ。シラスの挑戦的な瞳に苦笑しつつ、ビッツは挑戦を受け取った。記念の日だ。こう言うのも悪くはあるまい。果たして衝突の結果は――此処には記さないでおこう。
リズリー・クレイグも、コンバルグ・コングを相手に激しいトレーニングを繰り広げている。コンバルグの激しい攻撃には、同様にトレーニングを行っているオリーブ・ローレルも驚嘆するような物だった。流石の闘士、そこから学ぶものは多い。
「さあいきますわよ、えい! えい! おー! えい!! えい!! おーー!!!」
叫びながら訓練を続けるシャルロッテ・ナックルを、アンドリュー・アームストロングがしっかりとコーチしてくれている。
「訓練教官のマリカちゃん先任軍曹である!
自分の手番の時以外口を開くな!
口でファンブル垂れる前と後に“マム”と言え!
わかったか虫さんども!」
その近くでは、なんか軍服っぽい格好をしたマリカ・ハウが、トレーニングに参加していたラド・バウの闘士たちを逆にトレーニングしていた。
「リュカシス参戦!よろしくお願いいたしマス!
バトルするヒトこの指とまれー!!!(名乗り口上)」
と、片っ端からバトルと言う名のトレーニングを申し込むのは、リュカシス・ドーグドーグ・サリーシュガーだ。実戦形式のトレーニングを積むのなら、バトルロイヤルな形式も悪くはあるまい。レミファ=ソラージットの放つ強烈な砲撃が、ラド・バウを揺らした。ギリアン・ヴェガはその衝撃に身をすくませつつ、しかし先輩たちの胸を借りるつもりで突撃! 咲花・百合子の強烈な打撃と俊敏性が闘士達を翻弄し、その実力を大いに見せつけている。
「さぁ、かかってきなさい! 私はセチア。セチア・リリー・スノードロップ!
(自称)看守よ!」
そんな強敵たち相手にも、セチア・リリー・スノードロップは怯まない! コータ・ヤワンも、自身の戦法をしっかりと確立すべく、タンク役として多くの参加者たちの攻撃を受けている。
外周では、アリス・アド・アイトエムとノルン・アレスがトレーニングのためにランニングを行っていた。
「ノルンとこういうの、前に鉄帝で大会行った時以来だから、新鮮……汗で濡れたノルンもかっこいい……」
「そういえば、前に鉄帝で一緒に大会出ましたね……って、なんだか恥ずかしいです!?」
辛くとも楽しいトレーニングのようだ。
ミズキ・フリージアとアヤメ・フリージアも、激しいトレーニングを続けている。アヤメはヒーラーとして、戦術眼も養いつつ、ミズキのサポートを。ミズキは自身の長所を生かした激しい攻撃を、繰り出し続けているようだ。
「コング殿! 挑戦状よ、二人で貴方に挑みたいわ!!」
コンバルグ・コング相手に挑戦状をたたきつける、レイリー=シュタインとエレンシア=ウォルハリア=レスティーユのふたり。
「つーわけだ。相手してくれよな!」
強力な二人の挑戦者に、コンバルグは嬉しげに笑った。
「マリィ、マリィー! どこですのー!
困りましたわね。此処で待ち合わせのはずなのだけれど」
ヴァレーリヤ=ダニーロヴナ=マヤコフスカヤがあたりを見回す。約束した相手が、見つからない……そんな時に姿を現したのは、雷光殲姫専用 異能拡張兵装 スレイプニールだ。
「こんにちは。ヴァレーリヤ様。雷光殲滅姫専用異能拡張兵装のスレイプニールです。
マスターは恐らく豊穣の方かと……」
「HAHAHA、せっかくの訓練なんだからよぉ!
派手に楽しもうぜ、なぁ!
掛かってきやがれ、グレイザーども!」
郷田 貴道に、無数の闘士たちが襲い掛かる。それを的確に迎撃しながら、貴道は笑う。
「もう終わりでありますか? では次」
激しいトレーニング……というより殴られ屋のような事をしているのは、エッダだ。とはいえ、そう簡単に殴られて倒れるようなエッダではない。新たなトレーニングに、決意を秘めたエッダがラド・バウで躍る。
ジルベールの放った魔砲が、ラド・バウの大地を抉る。闘士たちを吹き飛ばし、筒、ジルベールは全力を以てトレーニングにまい進する。
シュラ・シルバーはにこりと一礼しつつ、
「あはは、確かにか弱いメイドに見えますよね。実際、皆様と比較したらそうなのでしょう。
ですけれど。
私には、砕けやしない想いがあります。それを見てから……ご判断頂いても遅くはないですよ」
そう言って笑う。
ヨシト・エイツがいるのは、救護テントだ。怪我した人々が担ぎ込まれるのを、次々と治療して回っている。鉄帝では日常茶飯事である。
「皆さん、張り切り過ぎなのです」
そういうリフィヌディオルが心配げに患者たちを見やる。とは言え、皆楽しそうに笑っていたものだから、きっと大丈夫だろう。
「ぱっるすちゃああああああああああああああああああああああああああああん!!!!!!」
炎堂 焔の声が響く。いや、焔だけではない、多くのファンのコールが響くここは、ラド・バウのパルスちゃんライブスペースだ! 焔のコールに、パルスは楽し気に手を振ってくれる。
「えっと、ぱ、ぱっるすちゃぁぁん!」
雨紅が見様見真似でコールするのへ、パルスは部隊の上からウインクひとつしてみせた。
不束 奏戯はペンライトを指に挟んで、大漁に光らせながら大きく腕を振る。認知されたい……!
「うおおおおおお! パルスちゃーーーーん!!」
大きな旗を振るうのは、ベルフラウ・ヴァン・ローゼンイスタフだ。柄にもない? いやいや、ライブとは魂の叫び、つまり秘めた己の鼓動を解放する場所である!
アウローラ=エレットローネも、歌に身を委ねながらも、精一杯ペンライトを振って応援している。
ヨハン=レームも、何となく買ったペンライトを、何となく振って見せている。そう言えば、ライブを見るのは初めてだな……なんて思いながら。
\\\\\ぱっるすちゃあぁんっ!!!/////
自分の領地から参加者を引き連れてやってきたのは、レッド・ミハリル・アストルフォーンだ。領地をあげての応援が大地を揺らせる。
「くっふふ、ROOの方では、
彼女のライブを既に楽しんでおりんすからね。
混沌側でも楽しまねば嘘というもの」
エマ・ウィートラントが楽しげに笑った。パルスのライブはつつがなく終了し、観客たちに余韻の残る中、舞台に出てきたのは、困惑した様子のハイデマリー・フォン・ヴァイセンブルクと、ゴーレム達だった。ゴーレム&魔法少女部隊による――もちろん、大盛り上がりで、パルスちゃんに負けない応援の声が響いたそうだ。
ラド・バウから離れれば、ヴィーザル地方での行軍訓練が行われている。とは言え、さほどヘビーなものではない。アライグマ獣種の住まう村では、陰陽丸が道をふさいで寝ていた。すやぁ。
「行軍ってつまりピクニックですよね! 歩こう歩こう!」
岩倉・鈴音などはピクニック気分で色々用意している様だ。まぁ、このくらいの気軽さで参加してもらった方が、楽しくていいだろう。
シャルティエ・F・クラリウスなどは真面目で、自分の守りたいもののために、必死で行軍に食らいつく。慣れない環境が、確かに力となっているのを感じる。日車・迅も行軍には参加していて、流石にヴィーザルに離れたものなのか、悠々とあちこちを歩いている。
ヴィーザルにはオウェード=ランドマスターの領地もある。そこでオウェードは、ヒューバート・クリアブルームに声をかけられていた。
「俺自身はどうも暗殺令嬢の事を好きになれないが、わかっている事は一つ!
今のお前は冷静さを失っている!」
「冷静さを失っているのはどっちかね?
まあいい……確かに今はその時ではないでは無いな……」
熱い説得に、苦笑しつつも自らを省みるオウェード。
想いはどこにあれど、訓練の日は沈もうとしていた。
●覇竜のお祭り
覇竜領域の、亜竜種たちの集落では、記念の祭りが開かれている。他の国家に比べれば、覇竜という性質上ささやかかもしれないが、それでも立派で、賑やかな祭りの光景が繰り広げられていた。炎 練倒が設計したらしいたくさんの屋台が並んでいる。
ウィルド=アルス=アーヴィンは、覇竜原産の酒を、今日は静かに嗜んでいる。
アンジェラは外界の食材などを運び込み、『働き人』として裏方で活躍していた。
「いらっしゃい、今ならトッピングが無料だよ!!」
そういうЯ・E・Dは屋台などを開いていて、シレンツィオで仕入れたタコを利用したタコ焼きを売っている様だ。
「ほら、浴衣美人の店番だぞ?」
そう言ってからかうように笑うスースァは、射的の屋台の店番をしている様子だ。
オレリアはそんな屋台の中を、食べ物を特に重点的に視線を移して歩いている。お祭りの食べ物は、どれも魅力的に見えるものだ。
「イレギュラーズ達が来るようになって色々な意味で里も変わったのう。
外の料理が入って来るようにもなったし、何よりも活気が出てきた気がするのじゃ」
そういう小鈴の両手には、たくさんの食べ物が抱えられている。
「これはチョコバナナ。原価率は最強だからオススメだ。
こっちがひもくじ。巷じゃ辺りの紐は入ってないって噂だ。
で、こっちは……」
外の文化を、亜竜種たちに教えているのは、アルヴァ=ラドスラフだ。胸中に毒竜の事を思い浮かべ、しかしらしくないと振り払う。
「オー、祭リ開いてんのカ。俺も手伝うゼ」
杏 憂炎も、祭の運営を手伝う様子だ。
望春 ばには、祭の催しものであるアスレチックに参加している様だ。俊敏さを見せつけるが、うっかり転んでしまう所も見せてみた。
「ははっ、いいな、こういう賑やかな祭は」
賑やかな光景に、祭・藍世は楽し気な笑みを浮かべていた。ふと視線を移せば、蜂八葉 黒丸が出し物の会場で、楽し気に踊っているのが見える。
シッコクは、冷たいジュースや外の飲み物を抱えて、町ゆく参加者たちに配り歩いている。
嶺 繧花は音楽を奏でつつ、空を見上げた。洞窟内の集落で花火はあげられないが、いつかこの地でも皆で花火を見られたらいいと思う。
「ロスカっ、勝手にその辺の屋台のもの食べちゃだめですからね!」
「くぁ〜(わかった)」
ウテナ・ナナ・ナインは、ロスカと共に射的の店番をやっている。ロスカが退屈気に射的の的を倒したりもするが、さておき。
浴衣にお面をかぶって、玖・瑞希が祭の町中を進んでいる。あちこちを興味深げに見ながら、楽し気に微笑んで。優雨は荷運びで祭の手伝いをしていたし、ヘイゼル・ゴルトブーツも、祭の来歴などを調べつつ、手伝いを行っている。
ジェイク・夜乃は射的で大きない狼のぬいぐるみを狙い、引き金を引いていた。
「これは……なるほど、覇竜に通う理由出来たっスね……!」
覇竜領域の果実を使ったタルトを齧りつつ、日向 葵は笑った。
アンバー・タイラントが、地元の仲間達に、祭の輪に連れ込まれていくのが見える。ゲオルグ=レオンハートは、そんな様子を見つつ、自分の屋台でにゃんたまクッキーとドラネコクッキーを売っている様だ。
彷徨 みけるはドラネコを見かけてなでていたし、リリー・シャルラハはそんな祭会場で手伝いのためにあちこちを飛び回っている。
リリア=リザイアは多くの食べ物を抱えて歩き回っていたし、ユーフォニーや李・蔚蓝たちが、祭の屋台の設定を手伝っている姿も見えた。
解・憂炎も生ハムの原木と共に祭を回っている。佐倉・望乃も、さっきつまみ食いした甘いものを、今度はお客さんとして食べたい……と屋台を巡っていた。
ライオリット・ベンダバールも、祭の手伝いとして、石材などを運んでいる姿が見られる。
「唐辛子丸々焼いて売ってるのか……」
と、屋台を覗き込みながらマカライト・ヴェンデッタ・カロメロスが驚いたように声をあげていた。
ルカ・ガンビーノも、祭の手伝いをしていたものの一人だ。ラサから運び込んだ品物や食べ物が、今はフリアノンに並んでいる。
祭の実行本部で、霞・美透が料理をしている。参加者に振る舞うためのそれだ。故郷の役に立てるのは嬉しい。
クラリス・クロシェットは祭の会場設営に精を出していた一人だ。今は休憩中だが、また仕事ができたら飛んでいくつもりだ。
風花も、祭の中、食べ物をかって歩いていたし、月季も祭の中を、楽し気に歩いている。
藤宮 美空は集落の名で食糧を運んで飛びまわっていたし、リュッケ=ギフトマッシャーも裏方として活躍している。今は同様に、食材をあちこちの屋台に運びまわっている様だ。マルク・シリングなどは、旗振り役として活躍しているようで、色々な人に頼られている姿が見受けられた。
姜 蝴蝶もまた、祭の手伝いをかって出た一人だ。その想いの根源がどこにあれ、皆が助かったことは事実だ。カサンドラも祭の会場の飾りつけをしていて、たくさんの飾りをもって飛びまわっている姿が見える。
ヴァル・ド・ルクス等は、里でとれた水晶のアクセサリーなどを配っている様子だ。
ムエン・∞・ゲペラーは、地元の料理を食べながら、これまでの戦いに想いを馳せていた。初依頼の事、深緑での戦いのこと……。
「琉珂さん! お手伝いって何をすれば良いんでしょうか?!」
そう尋ねるイチゴに、琉珂はてきぱきと指示を返し、イチゴは、はい、と大きく返事をする。
「いいわねー、竜の里のお祭りなんて。
私も龍神と呼ばれた存在だもの。こういうのは大好きよ」
そういう龍宮・巫女も、また楽し気に祭の喧騒に身を委ねている。
秦・鈴花とユウェル・ベルク。二人は法被を着て、タコ焼きの屋台を開いている。
「一番の目玉は……そう! 宝石! ふわふわの生地とガリゴリの中身できっとおいしいはず……」
「……ってこら。宝石食べるのはアンタだけ! めっ」
賑やかな屋台のようだ。
「プラーナ村名物、とかげの丸焼きはいかが~? ネタは新鮮! 焼きたて、ジューシィな、とかげの丸焼きはいかが~」
そう声をあげるのは、アルフィオーネ・エクリプス・ブランエトワルとアルフィンレーヌの屋台だ。とかげの丸焼きが、香ばしい匂いを上げていた。
『奮闘空しく膝をつく怪奇コスプレ乱射魔メイド!
そこへ流麗な機鎧を纏う女剣士が高速垂直射出され……』
そう声をあげる劉・藍珠。隣には劉・紫琳がいる。覇竜の外出の物語を聞かせている様だが、なんだかノリは紙芝居のようになっていた。
コラバポス 夏子とタイムが、迷子を見つけていた。タイムが、
「夏子さん、この子がパパとママを見つけやすいようおんぶしてあげられる?」
というのへ、
「えぇ 何かおんぶ怖……っ!
スゴい不安! 掴まれるのか!? 肩車の方が良い!?」
とびっくりする夏子である。
「なあ桜綾、こういう時って距離を取るのといっそめっちゃ近いのどっちがええと思う?
アタシは……そうやね。
後者がええかな」
朱 雪梅の言葉に、季 桜綾は慌てたそぶりを見せて、
「遠いのと遠いのどっちかってより遠かったらおかしいだろ! お前はオレの……ゲフン、ゲフン。手汗がなんだよ! あーもう!!」
「さぁみんな!お祭りは楽しんでくれてるかしら!?」
そういう紲 冥穣に、人々は声をあげて答えた。紲 六合はあたりの飾りつけをしていて、紲 煌氷も運営の手伝いをしている。紲家は皆で、祭の運営の手伝いをしている様だ。
ルーキス・グリムゲルデとルナール・グリムゲルデは、二人で屋台を切り盛りしている。串焼きの香りが食欲をそそる。マリス・テラとルルディ・グリムゲルデもエプロンをつけて、お店の手伝いをしていた。
「さー! テラちゃんと三人で頑張りましょう! えいえいおーですぅ♪」
そういう小鳥遊・鈴音に、皆が、えいえいおー、と声をあげる。資材を運んできて休憩中のラスヴィエートと一緒に、かくして素敵な屋台が開店していた。
「これは凄い祭りだな。水愛、ふらふらと歩きまわって迷子になるなよ。この人では探せない」
シャールカーニ・レーカの言葉に、秋霖・水愛は頷いた。
「レーカちゃん、レーカちゃん、すごいねぇ、お祭りだよ」
わくわくした様子の水愛に、レーカは、ふ、と微笑んで見せた。
「にゃーつまみじゃーつまみを持てーい!
祭りは良いのう無礼講じゃ無礼講じゃ」
すっかり出来上がっている七々扇・雪乃に、「そろそろ止めるべき……いや、とばっちりを食らう気がする……」と緑青・槐がぼやいている。
「はいはい、ちゃんと食わないと翌日がきついぞ」
適当につまみを渡しながら、雨乃宮・飛鳥が言うのへ、
「槐がああいうことにならないよう願っているよ」
と、白妙が槐をなでながらそう言った。
「やはり、フリアノンの料理とやらが抑えておくポイントになるかな。リュティス」
ベネディクト=レベンディス=マナガルムがそういうのへ、リュティス・ベルンシュタインは静かに頷いた。
「フリアノンの料理ですか。確かに気にはなりますね」
とは言え、あまり食べないような食材を使用したものは避けたいな、と思いつつ。
良心との思い出が胸に浮かぶ。剣 恋香はしかし、その想いを懐かしく思いつつも振り切りながら、祭の手伝いをしていた。亘理 義弘も、祭の手伝いに精を出している。大きな木材を抱えて歩いている姿が見えた。
ショゴス・カレン・グラトニーも、多くの食べ物をその腹の内に収め、なお空腹であるようだ。
メリッサ エンフィールドもドラネコちゃんと一緒に祭りを巡っている。マグタレーナ・マトカ・マハロヴァは浴衣で外の食べ物を提供する出店などを開いていた。中々盛況なようだ。
「私は祭りと言うものは儀式しか知らん! 楽しみ方を教えよ!」
「俺も夏祭りってのはそこまで経験してる訳じゃあねぇけど……。
ま、はしゃいどけばいいんじゃねーか?」
そう言い合う、小夜鳴 驟雨と五月雨 王熾の姿がある。
藤袴は、ドラネコのたまっているエリアで、ドラネコの観察をしている。果たしてドラネコとは猫なのか。
ジェラルド・ヴォルタは、ペイトにて幼馴染と会う約束をしていた。心は変わる。不変であったと思っていても。不変のものはあらず、時が変えていくものだ。
そんなわけで、今年のローレット・トレーニングも終わりを迎える。
多くの場所、多くの経験を積んだイレギュラーズ達の、また新しい明日が始まる。
成否
大成功
MVP
状態異常
なし
あとがき
お疲れ様でした。イレギュラーズ。
参加人数による『大成功』を付与させていただきました!
これからの冒険のお役に立てますように!
GMコメント
Re:versionより、五周年を記念したローレット・トレーニングが始まります。
この期に経験値やゴールドをがっぽり稼いでしまいましょう!
●重要:『ローレット・トレーニングIXは1本しか参加できません』
『ローレット・トレーニングⅪ<国家名>』は1本しか参加することが出来ません。
参加後の移動も行うことが出来ませんので、参加シナリオ間違いなどにご注意下さい。
●成功度について
難易度Easyの経験値・ゴールド獲得は保証されます。
一定のルールの中で参加人数に応じて獲得経験値が増加します。
(※今期ローレットトレーニング全ての合計人数が対象となります)
それとは別に700人を超えた場合、大成功します。(余録です)
まかり間違って1000人を超えた場合、更に何か起きます。(想定外です)
万が一もっとすごかったらまた色々考えます。
尚、プレイング素敵だった場合『全体に』別枠加算される場合があります。
又、称号が付与される場合があります。
■■■プレイング書式■■■
迷子防止のため、プレイングには以下の書式を守るようにしてください。
・一行目:パートタグ
・二行目:グループタグ(または空白行)
・三行目:実際のプレイング内容
書式が守られていない場合はお友達とはぐれたり、やろうとしたことをやり損ねたりすることがあります。くれぐれもご注意ください。
■■■グループタグ■■■
一緒に行動するPCがひとりでもいる場合は【コンビ名】といった具合に二行目にグループタグをつけて共有してください。
■■■パートタグ■■■
以下のうちから一つだけ参加することができます。
参加するパートタグを選び、プレイングに記載してください。
【ローレット&幻想】
ローレットにて開催されるパーティに参加できます。
王級で開かれるそれほどとは言いませんが、立派で豪華な立食パーティです。
ローレットの仲間達や、幻想の人々と、食事やお話を楽しんでみてはいかがでしょうか。
【鉄帝】
ラド・バウやヴィーザル地方での訓練を行っています。
もちろん訓練ですので、イージーに楽しむことができるでしょう。
また、パルスちゃんのライブも行われているとの頃で、そちらを楽しんでみるのも良いでしょう。
【天義】
とある聖人の生誕祭の日です。宗教的なお祭りがおこなわれています。
宗教行事のお手伝いをしたり、或いは参加者としてお祭りを楽しめます。
お祭りは、素朴な屋台などが並んでおり、派手ではありませんが、軽食などが楽しめるでしょう。
【傭兵(ラサ)】
サンドバザールとして、商人たちが大規模な市場を開催しています。
商人側として、販売側に、或いはお客として参加できるでしょう。
ここでしか手に入らないような品物を、お友達と探してみるのもいいかと。
【覇竜】
亜竜種たちの里、フリアノンでは、夏のお祭りが開かれています。
他国に比べればささやかですが、立派な夏のお祭りです。
開催を手伝ってあげたり、お客として参加できるでしょう。
フリアノンの料理や、ゲームなど。楽しんでみてください。
※各国家のNPCにつきましては可能な限り登場させますが【不可】の場合もございます。
特に担当GMのついているNPCについてはご期待に添えない場合もございます事をご了承くださいませ。
●重要な注意
このシナリオは『洗井落雲』が執筆担当いたします。
このシナリオで行われるのはスポット的なリプレイ描写となります。
通常のイベントシナリオのような描写密度は基本的にありません。
また全員描写も原則行いません。返却予定日も運営都合で勝手ながら数日程度変更されることがあります。
代わりにリソース獲得効率を通常のイベントシナリオの三倍以上としています。
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