PandoraPartyProject
月だけが見ている
月だけが見ている
これまでの事件のあらまし
喉から手が出るほど、それが欲しくて堪らない――
「紅血晶」が市場に流通している――この宝石はどこで産出されたかは分からないが、地下より発掘されたという。
この宝石は非常に美しく人気が高い。鮮やかなルビーを思わせたかと思えば、宵闇の気配さえさせる。どうしようもなく気を惹く、まるで魅了の呪いでもかけられているかのようでもある。
だが、流通量が絞られているのか手に入れるのも難しく、躍起になって商人達は取り合っている。
動乱の火が燻っている幻想の貴族達も証人に依頼をし、恋人へのプロポーズやプレゼントの逸品にも使われるそうだ。
だが、その「紅血晶」には不吉な噂が付き纏う――その宝石を手にした者が化け物になり果てるのである。
人の飽くなき欲求は留まることはなく、紅血晶はラサの市場で出回るようになっていた。
噂で済めばまだ良かったが、しかしファレン・アル・パレスト(p3n000188)は妹フィオナやイヴ・ファルベと共に調査を開始した。
そして生じたのは「紅血晶」の噂が事実であるという情報と――グラオ・クローネに生じた大規模な襲撃。
更にはこれらの最中に起きた騒動により、ラサ傭兵商会連合は実質的指導者であった『赤犬』ディルク・レイス・エッフェンベルグが行方知らずになった。決定権を有する者を一人欠いてしまった実情だ。
敵の手中に収まるような男ではないが、目撃情報によれば彼は『女王』と呼ばれた娘と姿を消したらしい。
それはネフェルストを襲った吸血鬼達が口にしていた『月の女王』『紅の女王』と呼ばれた女で間違いは無いだろう。
紅血晶が本来は何であるか、晶竜が何処からやって来たのか。無数の落とし物を辿り、『匂い』を覚えていた『凶』ハウザー達はとある遺跡へと辿り着く。
広大な遺跡の名は『古宮カーマルーマ』。嘗ては『夜の祭祀』と呼ばれた死と再生を司る儀式が行なわれていたとされる場所である。
遺跡内部は『夜の祭祀』が行なわれた形跡と、幾つかの転移陣が存在していた。転移陣の先に広がっていたのは――世にも不可思議な『月の王国』、つまりは敵の本拠地か。
しかし、進軍には障害がある。
転移陣に連れ込まれようとする拐かされた幻想種、転移陣から姿を現す偽命体(ムーンチャイルド)達。
月の王国の砂漠で待ち受けた吸血鬼達。彼等は等しく女王により力を与えられたとし、烙印をその身に刻まんとする――
即ち、イレギュラーズを仲間へと引き抜くために月の王国にまで呼び寄せたのだという。
烙印を身に宿せば、徐々にその肉体は吸血鬼へと転じていく。強い吸血衝動と、血液が花へと変化する奇妙な状態。涙は結晶へと転ずることだろう。
そうして身体の変化を経て吸血鬼へとなった暁には、真に砂漠の都を滑る月の王国の住民になれると『吸血鬼』等は言った。
無数の同胞を生み出し、映し鏡のような砂漠の国は大きくなって行く。
月の王国は何時しか現実に顕現しラサの全てを飲み込んでしまうだろう――
その様な世迷い言を赦してはならない。イレギュラーズは遂に『月の王宮』へと辿り着く。
用語・地名
用語
- 『紅血晶』
-
熟れた紅玉かと思いきや柘榴のような美しさに、宵闇のような光をも湛えた美しい宝石。
余りにお美しさに魅了される者が多く居ます。『魔性の宝石』や『魔石』と揶揄されることも多いようです。
手にした者は徐々に姿を変え、キマイラのように姿を変容させてしまうようです。
- 『アンガラカ』
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小瓶にはいった白い粉です。ザントマン事件で用いられた「眠りの砂」に酷似し、人の意識を奪って昏倒させる作用があります。
幻想種拉致などに利用されているようですが……。
- 『晶獣(キレスファルゥ)』
-
紅血晶を有していた者が転じる姿をファレン達はこの様に称しています。徐々に変化していきます。最初は腕や脚などが異形に転じて行くようです。
姿が獣の様に転じてしまいますが軽微な変化であれば『変化箇所を切り落とせば』人間性を取り戻せるようです。
- 『晶人(キレスドゥムヤ)』
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紅血晶を体内に摂取(砕いて飲み込むや傷口に入り込む)などした者が異形に転じた姿です。
人間の肉体を血の膜が包み込み別の生き物に生まれ変わろうとした結果……でしょうか。体内からの変化を行なうという事は、元に戻る見込みは無さそうです。
非常に趣味の悪い存在だとファレンは言います。その姿は『人間の免疫反応が過剰に起った事で変貌をした』かのようだからです――
- 『晶竜(キレスアッライル)』
-
紅血晶が埋め込まれたとっても大きなキマイラです。竜種をイメージしたもの、何だか良く分からない化け物をイメージしたものなど様々な生物です。
自我はなく、人語は有さず、明らかに『誰かが実験を行なった廃棄品』です。
傷付ければ、血の代わりに花弁が舞い散ります。檻から放たれた獣であり、『紅血晶』を体内に取り込む事で疑似生命を得たように動き回るようですが……?
- 『烙印強化兵(ルべリウス・ソーン)』
-
エーニュ(アルティオ=エルム民族主義者同盟、略称AeNU(エーニュ))の技術をラーガが盗用し、作成された『強化兵士』
ラーガに支配された晶獣であり、烙印の付与(ドーピング)で自我も曖昧となります。
内部より変化が齎されるため、元に戻る見込みは無さそうですが……
- 『吸血鬼(ヴァンピーア)』
-
紅血晶の流通に携わっている者達です。皆が「血色で美しい宝石だ」と口にするため何処かで噂のように吸血鬼と呼ばれ始めたそうです。
彼等は『月の王国』からやって来ているようです。
目的は『偉大なる純血種(オルドヌング)の姫君の為』『我らが生きる場所のため』です。
傷付けば、彼等も『血の代わりに花弁』が舞い散ります。その姿はまるで『疑似反転』――魔種を、狂人を、逸脱者を作り出す過程のようでもありますが……。
- 『純血種(オルドヌング)』
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リリスティーネ・ヴィンシュタインが元世界で分類される吸血鬼としての固有種。
『宵闇』と名付けられた異世界では始祖種(アンファング)から吸血鬼は始まったとされている。始祖種の弱点こそ、他の『種』となる吸血鬼の血液であった。
リリスティーネは『義姉』に自身の血液を少しずつ飲ませていたと言うが……?
- 『色宝』
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ファルベライズ遺跡にて発見された小さな小さな願いを叶える宝物群です。
真っ青なクリスタルや黄のマントなど、大きさや形状は様々です。どれも1つの色に染まっていることが特徴です。
願いを叶えると言われていますが、個々が持つ力は微々たるものです(かすり傷が治る程度)。
この色宝とファルベリヒトの力を駆使し、博士は暗躍していました。
地名
- 『古宮カーマ・ルーマ』
-
ラサの遺跡地帯に位置する、嘗ては『夜の祭祀』と呼ばれた死と再生を司る儀式が行なわれていたとされる場所です。
この地には魔法陣(転移装置)が存在し、その奥には『月の王国』が存在しているようです。
- 『月の王国』
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古宮カーマ・ルーマに棲まう大精霊カーマルーマによって作り上げられた精霊の異空間。聖域。
美しいラサの砂漠と、上がることのない太陽、美しい満月が特徴的な空間です。
他の生物が存在しないのは大精霊カーマルーマの心象風景なのかもしれません。
今は吸血鬼達の拠点となってしまっています……。
- 『月の王宮』
-
月の王国(砂漠)に存在した月の王宮です。荘厳な建物と、絢爛すぎるその場所は作り物めいている場所です。
吸血鬼達の拠点であり、博士の『研究施設』でもあるようですが……。
●フィールド特殊効果
月の王宮内部では『烙印』による影響を色濃く受けやすくなります。
烙印の付与日数が残80以下である場合は『女王へと思い焦がれ、彼女にどうしようもなく本能的に惹かれる』感覚を味わいます。
烙印の付与日数が残60以下である場合は『10%の確率で自分を通常攻撃する。この時の命中度は必ずクリーンヒットとなり、防御技術判定は行わない』状態となります。
- 『ファルベライズ』
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イレギュラーズが攻略したラサに存在した遺跡。
『光彩』の大精霊ファルベリヒトは、ファルベライズ遺跡群の主にして御伽噺で語られる万物の願いを聞き届ける精霊です。『伝説の怪物』を倒してその力が飛び散り、色宝になったと語られます。
博士に利用されていたファルベリヒトですがイレギュラーズの活躍によってその暴走を終了させました……が、力の残滓が持ち出されてしまっているようです。
登場人物(ラサ関連)
- ディルク・レイス・エッフェンベルグ
-
傭兵団『赤犬の群れ』を率いる傭兵。ラサ傭兵商会連合の事実上のトップ。
ローレットの『蒼剣』レオンとは若い頃に赤青コンビとして名を馳せた事もある友人で、『酔った勢いでデザストルに殴り込んだ』失敗談は特に有名。但し真偽の程は不明である。
月の女王の誘いに応じていましたが、現在は王宮内を闊歩しているようです。何処までも自由で、何処までも強い男らしい動きと言わざるを得ないでしょう。
- イラストレーター:石川優雅
- ファレン・アル・パレスト
-
穏やかな性質であるラサの商人。有力商人であり、ラサの経済基盤を支える存在である。
妹・フィオナには手を焼いており、『お兄ちゃん』といった性格をしているのも特徴的だ。
優し気ではあるがキレ者であり、商売と言えば彼という風にラサの人々は口をそろえる。
- イラストレーター:Rio
- フィオナ・イル・パレスト
-
ファレンの妹であり、商家の娘。ちょっぴりオバカな雰囲気の小悪魔ピーカン娘。
口は悪いが根っこはいいこであり、ラサのTOP達の話を『分かりやすく噛み砕く』係でもある。
少しはっちゃける癖もあるが特に毒にも薬にもならぬ存在です。
- イラストレーター:Rio
- イヴ・ファルベ
-
ラサに存在する古代遺跡『ファルベライズ』の主である大精霊『ファルベリヒト』の力で別たれた精霊。名を――心臓(イヴ)。
イレギュラーズによりファルベリヒトが斃された際に、消えるはずだった彼女を『正気に戻ったファルベリヒト』が最後の力を振り絞り精霊種とした今はただの『イヴ』
現在はファレン・アル・パレストの庇護下に存在し、ラサ傭兵商会連合にて傭兵向けの情報屋見習いを行っている。
私は、あなたの力になりたいんだ――
- イラストレーター:柊みこ
- イルナス・フィンナ
-
ディルクの副官的ポジション。
幻想種の傭兵集団『レナヴィスカ』の頭領。 頭脳明晰であり、穏やかな性質の幻想種達を統率し砂漠の弓手としてラサと深緑の親交を護って居る。
また、彼女達は砂漠に集落を作り暮らすため『砂漠の幻想種』や『はぐれ長耳乙女』と呼ばれる事も。
ディルクが失踪している今、中心的にネフェルストとラサを束ねてた。また、索敵にも適している(ハウザーには任せられない)為、先行しカーマルーマを発見しましたが吸血鬼によって烙印を受け負傷中。
烙印の影響を見定めるためネフェルストに残っていたが、ファレンと共に『紅血晶』の回収が完了した事を受け、カーマルーマでの『敵撤退阻止』を担う。
彼女は医者であった母が反転する場面を目の当たりにした。魔種となった母を殺したのは紛れもなく彼女であり、その決断に間違いは無いと考えて居るが……。
- イラストレーター:穂坂ナツメグ
- ハウザー・ヤーク
-
ラサの獣種で構成される極めて高い膂力と殺傷力を誇る獣種のみで構成された武闘派一大勢力『凶(マガキ)』の頭領。
その性質は傭兵らしい。好きなものは金、女、食べ物。好きな事は自分より弱い相手をいたぶる事、自分より強い気になっている相手に屈辱を与える事、殺す事。
基本的に即物的である為、そこまで頭が良い訳では無いが、本能的に正解を嗅ぎ分ける勘の良さには定評があり、結果として彼を良いように扱うのはかなりの難易度があると言える。
鼻を鳴らして間違いや嘘をかぎ分ける動作を頻繁に行うのだという。ディルク等には犬じゃねえかと揶揄われるが嗅ぎ分ける精度は上々である。
『パドラ』を拾い育てあげた。ぶっきらぼうではあるが、皆の助けもあり其れなりにパドラを育て上げたはずだと自負している。
『イヴ』に対して世話を焼くのもパドラが居たから、というのが大きいが――パドラの仇の真実は……。
- イラストレーター:yuga
- 『シルバーバレット』パドラ
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凶に所属する傭兵。幼い頃に両親をラーガに殺され、凶に引き取られ育てられた娘のようです。少女のようなやや幼さの残る外見だがしっかり成人している。
むさくるしい獣だらけの環境で育ったせいか、ぶさかわ系のぬいぐるみなど可愛いものにめがない。本人はクールぶって隠していますが結構バレバレ。
親の仇であると認識していたラーガが『ハウザーが仇』だと明かした事を受け、彼女は――
- イラストレーター:zero
登場人物(敵勢力:月の王国/アカデミア)
- リリスティーネ・ヴィンシュタイン
-
エルス・ティーネ(p3p007325)と同じ夜の世界の出身。エルスの義妹にあたる。
かつてリリスティーネの父はエルスを除く始祖種を皆殺しとして王位を簒奪。純血種の支持をバックボーンとして君臨した。
だが純血種は貴種といえど真の王たる始祖種には能わない。故に王位の正当性を担保するためエルスを養子とした。こうしてLillistineとErstineの二人は義姉妹となったのだ。
それは、ラサを『国』にする為に
それは、ラサの『王』にする為に
それは――
女は不敵に笑う。全ては『彼女』から全てを奪い去るため。
――あなた、リリの臣下になりなさい。
そうすれば王の騎士としての名誉が与えられます
- イラストレーター:彁
- 『剣の寵姫』エルナト
-
Lillistineと同じ世界から現れた旅人。
Lillistineの侍女であり奴隷であり、ペット。舞いの様な美しい戦いぶりから『剣の寵姫』と呼ばれている。
元来温和しい性格であり、Lillistineからは時に邪険に扱われても乱暴されても、静かに付き従っていた。
そしてLillistineの居るこの世界に召喚されたことを運命だと心から喜んでいた。
――ただそれだけの筈だった。
彼女の運命を変えてしまったのは、リュシアンと呼ばれる色欲の魔種の呼び声である。
旅人である彼女は反転こそしなかったが、狂気に染まってしまった。
追従は盲信と妄執に変わり、善悪の観念は破壊されてしまっている。
やがてこの身朽ち果てたとて、リリさまがこの世界に千年の都を築かれますように。
――リリさま。リリさま。リリさま。嗚呼、リリさま
- イラストレーター:しもふり
- 『博士』プスケ・ピオニー・ブリューゲル
-
本名は『プスケ・ピオニー・ブリューゲル』。通称としてピオニー、博士と呼ばれることが多い。
魔種タータリクス、魔種ブルーベル、魔種リュシアンと三人の魔種を生み出した『アカデミア』の主であり、ホルスの子供たちを作り出した錬金術師。旅人。
彼の目的は『人体錬成』『死者蘇生』などの錬金術師的なものですが混沌世界でのテーマは『魔種とは』『再反転』です。その為ならば多くの犠牲を孕んでも良いと考えている。
ジナイーダをキマイラへと変貌させた他、様々な魔種を産み出し、何者とでも手を組み手段を選ぶ事は考えない。
正に狂ってしまった男は、ファルベライズ遺跡群で『ファルベリヒト』の肉体に一度は同化し、分離。
その後はラサの何処かに身を潜めているようだが――
人というのは難解だ。解体(バラ)しても、圧死(ツブ)しても、真理は見えてこない。
だからこそ魅力的なのだ。さあ、実験を始めよう。全ては至るべき扉のために――!
- イラストレーター:アミジョウ
- 『大精霊』カーマルーマ
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『博士』に取り込まれている『死と再生』を司る精霊です。夜と朝のそれぞれを愛する大精霊ですが、今は力の残滓程度しか残っていません。
『博士』の内部に『力の欠片』で作った『種』を作り出しており、それが烙印を守り抜く為に利用可能だそうですが……。
- リュシアン
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ジナイーダの生家であるラティフィ家によって保護されていた傭兵の息子。
ジナイーダの護衛兼遊び相手として声が掛かり、ジナイーダには淡い恋心を抱きながらブルーベルと三人で楽しく過ごしていた。
急用がありアカデミアへと遅刻して行く日に、ジナイーダがキマイラに変化した事を知り『博士』を強く恨んでいる。
その心に付け込むように『冠位色欲』は彼に強大な力を与えたが――
『博士』の悪行を知り、野放しにしてはならないと討伐のためならば手段を選ばない。
『博士』討伐の為には力が必要だ。だからこそ、『冠位色欲』ルクレツィアに従わねばならない。
カムイグラを凶行に陥れた巫女姫の一件でも彼が反転に力を貸し、各地で魔種を増やし続けた。
少年にとって、最大の目的は平穏を崩した旅人を葬り去ることであるのだから。
- イラストレーター:よはち
- 『宵の狼』ベルトゥルフ/ブリード
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傭兵集団『宵の狼』の団長。ルカ・ガンビーノ(p3p007268)の幼馴染みであったが、今は袂を分かっている。
……傭兵団を結成したは良いが団員の手酷い裏切りを受け、目前に迫った死を受け入れられず反転した経歴を持っている。
『宵の狼』の目的は「赤犬の群れを越え、ラサで一番になる事」だった。
最早その目的だけが男を支配している。巫山戯た『赤犬』を殺すためならばベルトゥルフは迷うことはない。
そして、その狂気の源こそ『博士』がベルトゥルフに合体させた狂気の魔剣、旅人のブリードの存在なのであった。
――いいぜ、リリス。俺達の深紅の女王。進む道を真っ赤に染め上げ、あの砂の都をこの手に落としてやろうじゃないか。
- イラストレーター:42田
- 『宵の狼』ガルトフリート
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ラダ・ジグリ(p3p000271)の故郷であるラサ西部、比較的深緑に近い地域『ヴァズ』に祀られていた精霊『ギバムント』の守護者にして守人。
代々、ギバムントを祀っていたノヴァ区の遺跡を管理し、疫病の元とされていた精霊を祀り、そして封じ続けて居た存在である。
ギバムントが齎す疫病は深緑で幻想種達が罹患する『石花病』にも良く似た奇病であった。肉体を鋼のように硬くさせ、死の間際に肉体そのものを崩れさせるというものだ。
奇病を齎したのは精霊であるとされ大精霊ギバムントを祀り続けて居た――がある日、遺跡は荒れた。
誰ぞにか荒らされ、ギバムントの祭壇は破壊。その地に大精霊は存在せず、守人の姿さえ喪われていたのだ。
――我は『ギバムント』そのもの。我を封じし者達に呪いを授けん。
- イラストレーター:バビルザ三世
- 『宵の狼』ルルフ・マルス
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恋屍・愛無(p3p007296)が嘗て所属していた傭兵団『幻戯』に嘗て所属していた経歴を持つ『裏切者』
団長であったルウの在り方を酷く厭い、彼女から『幻戯』を奪い去り殺害するためにと魔物との接敵を手引きした。
壊滅した『幻戯』の中では誰が手引きしたのかは定かではないが、本来ならば遭遇するはずのない(居るはずのない)錬金モンスターとの接敵は誰ぞかが仕込んだことであると噂される。
傭兵団『凶』のハウザー・ヤークよりも尚、己こそが獣種で最強であると信じて疑わない傲慢さと強欲さを合わせて持っている。
『幻戯』に所属する前にハウザーとやりあいこっぴどくやられた事があるため、彼を恨んでいた。
全てを殺し尽くしてやるよ。テメェらは皆殺しだ。そしたらオレが最強だろう――?
- イラストレーター:シオルド
- 『宵の狼』康・有存
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覇竜領域フリアノン出身の青年。代々、フリアノンでは介護や医療を担当している康家の三男坊。
イレギュラーズがフリアノンに訪れてからと言うものの、三男坊である事もあり、自分がなんともちっぽけな存在であるように感じ取られてから堂々とラサへと出奔。
康家の家族達はどうせ直ぐに心が折れて帰ってくるだろうと追掛けることはなかった。
家族がそう感じる程に、彼は甘やかされて育った青年だった。薬剤の知識にも余りに乏しく、看護医療に関しても手際が悪い。
所謂、一族内では落ちこぼれ扱いされていたのである。
彼がラサへと飛び出した理由はイレギュラーズの一人であったエルス・ティーネ(p3p007325)に一目惚れしたことが理由である。
エルスに一目惚れた事で彼は「どうせ三男だし家にとっても何の役に立たない俺様」から「彼女のために役に立てる素晴らしい俺様」になろうと決意したのだ。
――だからこそ、彼の心は脆いのだ。彼女が、此方を向かないと分かって仕舞った、だから――
俺様はお前が好きだよ、エルス。お前に似合う男になってみせる、だからさあ――
思い込んでいた恋心を擽ったのは沢山の呼び声だった。彼の不運は身の回りに魔種が多すぎた事だった、のかもしれない。
反転後、死亡。エルスを殺したいというのは嘘だったけど、そう言えばためらいなくあの強い人は殺してくれると信じてた。
- イラストレーター:バクレツアロワナ
- ケルズ=クァドラータ
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文字録保管者を名乗る旅人。リンディス=クァドラータ(p3p007979)の兄。
『無現図書館』と呼ばれたリンディスの故郷の文字録保管者長であり、ビブリオマニア達の為に膨大な文字録(レコード)の管理を義務付けられたために、外見は文字録保管者長となった10歳前後で止まり、強い感情制御を施されている存在。
だが、召喚に伴い感情制御が外れたことにより魔種達の傍で狂気に触れるように過ごすこととなった。
そもそもに置いて、文字録保管者達は『イレギュラーズとして物語を紡ぐことは職務違反』である。故に、妹であるリンディスは職務違反を行って居ることとなり、保管者の長として処分を為さねばならないのだ。
『リンディス=クァドラータは無現図書館 規定第45条に違反しています』
- イラストレーター:壱ル
- ファティマ・アル=リューラ
-
ラーガ・カンパニーに拉致された、元幻想種奴隷。
ごく普通の少女だったが、吸血鬼となる。
おそらく『博士』プスケ・ピオニー・ブリューゲルからなんらかの『実験』を施されており、他の吸血鬼達と若干違った反応を見せるようになった。
『のどかわいたな、どうしようかな』
- イラストレーター:ノキア
- レディ・スカーレット
-
天義に古くから伝承される色欲の魔種。
ラサの吸血鬼(ヴァンピーア)とは違った意味での吸血鬼(ノスフェラトゥ)である。
月の王国へは「剣客として招かれた」と公言しているが、実際の目的には謎がある。
判明しているのは、クレイドルと呼ばれる機械様の育成機を保護していること。
推測だが、おそらく『博士』プスケ・ピオニー・ブリューゲルと何らかの盟約を結んでいるとも思われる。
『さあ、どうかしら?』
- イラストレーター:たぢまよしかづ
登場人物(参考:『商人』/エーニュ/ロウ・テイラーズ)
- ラーガ
-
幻想種拉致事件を主導していた商人。昨今様々な企業を買収しラサにて台頭していた。
裏市場にアンガラカを流し、様々な犯罪グループを通じて幻想種の拉致を行っていた。
拉致した幻想種は主に『月の王国』へと販売され、女王のおやつや博士の実験材料にされている。そのあまりとなったものは晶人に改造して売ったり臓器を取り出して売ったりととにかく金に換えている模様。
現在はラーガ・カンパニーもろとも月の王国へと入ることで傭商連合の手を逃れている。烙印を刻まれた者たちが吸血鬼と成り果てればラサは混乱の渦へと落ちる。それまで粘れば俺たちの勝ちだとばかりに……。
- イラストレーター:ウオボネ
- 【狂犬の拳】ティーエ・ポルドレー
-
エーニュ(アルティオ=エルム民族主義者同盟、略称AeNU(エーニュ))所属のテロリストです。
エーニュは幻想種の民族主義を掲げる集団で、特に『ザントマン事件』を引き起こしたラサの民を憎悪しています。
彼らは、今回の混乱に乗じ、ラサで表立った活動を始めたようです。
ティーエは、そんなエーニュのエリート部隊に所属する戦闘員。
頭領であるリッセに心酔し、彼女のためにどんなことでも行います。
- イラストレーター:7号
- アストラ・アスター
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エーニュと志を同じくする、「幻想種民族解放戦線(Harmonian National Liberation Front )=HNLF」の総統です。
エーニュと同等のテロリストと認識していただいて問題はありません。
エーニュに協力し、部下(かんじゃ)とともに活動を行っています。
アストラもまた、エーニュとともにラサで活動を開始しています。
しかし、どうも何か思惑がありそうですが……また、イーリン・ジョーンズ(p3p000854)さんとも、何らかの関係がありそうです。
- イラストレーター:あま
- 『白き悪魔』ネイト・アルウィン
-
色欲の魔種。謎の組織『ロウ・テイラーズ』に所属する序列九位『白い妖精(ファータビアンカ)』。
ラサの村マールーシアで悪魔の子として迫害されていた少年。
傷だらけの身体、焼印の痕。口に出すのも悍ましい行為の数々を受けている。その為、情緒が幼く泣き虫で癇癪を起こしやすく、ひな鳥のようにディーンへ依存している。
現在は『吸血鬼(ヴァンピーア)』にされている。
序列二位の『蒼き誓約(ブラオアイト)』ヨハネ=ベルンハルトによる実験を繰り返し施され弱体化している。
- イラストレーター:Sakura
- 『焔朱騎士』ディーン・ルーカス・ハートフィールド
-
謎の組織『ロウ・テイラーズ』に所属する序列十一位『焔朱騎士(ヴァーミリオンナイト)』。
以前の戦いではネイトに洗脳されてた。
現在は正気のままネイトの傍に居る。ネイトが成したいことを手伝いたいと思っている。
しかし、元々は善人なのでそこに苦悩が付き纏うようだ。
- イラストレーター:あやひ
- 『紅き恩寵』レイチェル=ベルンシュタイン
-
謎の組織『ロウ・テイラーズ』に所属する序列第一位『紅き恩寵(グレイスローズ)』。
レイチェル=ヨハンナ=ベルンシュタイン(p3p000394)の双子の妹。現時点では多くの謎につつまれています。
- イラストレーター:役上
- 『蒼き誓約』ヨハネ=ベルンハルト
-
謎の組織『ロウ・テイラーズ』に所属する序列二位『蒼き誓約(ブラオアイト)』。
アーカーシャの『語り部』であり、嘗ては『博士』プスケ・ピオニー・ブリューゲルに教えを受けていた過去がある。
ROO開発時に共に学んだ葛城春泥と再会。
テアドールを壊した張本人でもあり、現在はネイトを実験体にしている。
- イラストレーター:里一
烙印症状
『烙印』は進行度合い(残日数)によって症状に変化があります。
概ね以下の様な症状が出始める様です。
烙印症状分類 | ||
---|---|---|
残100 | ・傷口から溢れる血は花弁に変化している。 ・涙は水晶に変化する。 ・吸血衝動を有する。 ・身体のどこかに薔薇などの花の烙印が浮かび上がる。 |
|
残80 | 上記に加え ・『強い』吸血衝動を有する ・肉体の何処かが水晶のように変化する(水晶化) ・何故か『女王』と呼ばれる存在に焦れる感覚がする。 |
|
残60 | 上記に加え ・太陽に不快感を覚えるようになる。 ・やや『狂気』状態に陥りやすくなる。(BSのような効果) ・『強い』飢餓感を有する。 |
|
残40 | 上記に加え ・仮想反転状態(外見変化を有する) ・上述状況により、正気を保ちにくくなる。(戦闘への影響) |
|
残15 | 上記に加え ・自身が吸血鬼である事へと誉れを感じます。 ・完全に『狂気状態』へと変化する。 ・博士の『指示』に従わねばならないという強迫感 |
|
残0 | ・詳細不明…… | |
他シナリオでの取り扱い |
ラサ編(紅血晶~月の王国シリーズ)以外のシナリオにおきましては『狂気状態』でのデメリットは判定要素に含まれることはありません。 ・シナリオに含まれる要素: 外見変化(花片の血潮、水晶の涙、肉体変化及び仮想反転における外見変化)、吸血衝動、『花の烙印』、太陽への不快感等 ・シナリオに含まれない要素: 判定に大きく影響を与えるであろう狂気状態 この取り扱いにつきましては『博士(月の王国)』より大きく離れた場所に居るため狂気状態が薄れているという判断をベースにしています。(RP等のシナリオ外行動につきましてはその限りではありません) |
これまでのイベント[TOPLOG]
難易度 | シナリオ名 | GM | 予約〆切時間と備考 |
---|---|---|---|
<月だけが見ている>magna opera | 夏あかね | ―― | |
<月だけが見ている>Zuchtigen | pipi | ―― | |
<月だけが見ている>炎は自らの消え方を知らない | 黒筆墨汁 | ―― | |
<月だけが見ている>救済の理想、終わりの時 | 洗井落雲 | 21:00 | |
<月だけが見ている>救済の理想、始まりの時 | 洗井落雲 | 21:00 | |
<月だけが見ている>Vivere est militare. | 茶零四 | 21:00 | |
<月だけが見ている>君を、愛するということ | 日下部あやめ | 21:00 | |
<月だけが見ている>幸せのうた | もみじ | 21:30 | |
<月だけが見ている>造獣アンベシル | 夏あかね | 21:30 | |
<月だけが見ている>藪蛇をつつき若葉は萌ゆ | 春野紅葉 | 21:30 | |
<月だけが見ている>紅涙の睡恋花<くれなゐに恋う> | 壱花 | 21:30 | |
<月だけが見ている>愛を知れぬ女 | 春野紅葉 | 22:00 | |
<月だけが見ている>月に抗う金緑石 | 春野紅葉 | 22:00 | |
<月だけが見ている>ルビイブラッド | 奇古譚 | 22:00 | |
<月だけが見ている>黒き夜から手を伸ばす | 旭吉 | 22:00 | |
<月だけが見ている>いずれ消えゆく定めなら | 天野ハザマ | 22:30 | |
<月だけが見ている>血濡れ堕ちた羅刹の刃 | 春野紅葉 | 22:30 | |
<月だけが見ている>『M』は亡者を狂わせる | なちゅい | 22:30 | |
<月だけが見ている>傍観するアルキドゥ。或いは、地雷撤去指令…。 | 病み月 | 22:30 | |
<月だけが見ている>余が忠義は月の女王の御為に | 緑城雄山 | 23:00 | |
<月だけが見ている>砂漠に生えた森 | なちゅい | 23:00 |