これまでの事件のあらまし

　――深緑が封鎖された。

　練達へと襲来したジャバーウォックの足取りを追う中で、最も行き先として有力視されていた深緑が突如として『茨』に覆われました。
　ラサより齎されたその緊急事態では全容がまだ知れず『謎の茨による国家の封鎖』『内部に踏み込むと眠気が感じられる』『茨は侵入者を拒み、踏み入る者の命を奪わんとする』という事のみが判明しています。

　辛うじて国境線などの深緑外周部では動ける場所も存在し、巻き込まれた商人や幻想種などの救助、また事態の調査が行われる中で――姿が見られたという『怠惰の魔種ブルーベル』の存在。その結果『怠惰』が何らかのキーワードになるのではと考えるイレギュラーズ達に齎されたのは妖精郷からの連絡でした。

　――『怠惰の魔種ブルーベルが妖精が深緑に向かわないと約束できるならばラサへの出入り口を与えてくれる』

　その理由を彼女は「妖精は巻込まれただけ」「深緑には来るな、被害が出る」としています。
　魔種である彼女を信用することは出来ませんが常春の国は茨の影響もなく、平常通りであること。そして、妖精郷とラサの道が繋がれたことより、一先ずは『嘘』を吐いているわけではなさそうです。
　妖精には危害が加わらないようにと忠告した彼女の言より『妖精女王』はイレギュラーズにも深緑と繋がる『妖精の門（アーカンシェル）』の使用は許せないと告げます。
　妖精郷への直通ワープポータルが使用可能になれば深緑を襲う恐怖が侵食してくる可能性もあります。
　ですが、折角判明した侵入経路――これを喪うわけには行かないと、イレギュラーズは妖精女王と取引をしました。
　妖精達に『侵入経路』を提供して貰うかわりに、彼女達を危険から護る、と。
　妖精女王はその取引に応じ大迷宮『ヘイムダリオン』からの進行を許可しました。
　――イレギュラーズの侵入を防ぐ為にヘイムダリオンは魔種らの手で更なる罠が仕掛けられているといいます。
　妖精女王にとっては良き友人を危険に晒したくはないという思いも強くありましたが『妖精郷を救ってくれた恩人』を送り出すことに決めたのです。

＜spinning wheel＞

　かくして深緑内部へと足を踏み入れる為の試みが行われんとしています。
　妖精郷側からアーカンシェルを開き、大迷宮『ヘイムダリオン』への道を繋ぐ――
　そう、深緑への道を『直接』繋いでしまえば『茨』や何らかの敵対勢力が入り込む可能性がある故の措置でした。

　しかし大迷宮『ヘイムダリオン』は巨大な迷宮です。
　またヘイムダリオンにも敵対的な存在がいない訳でもありませんでした……
　故にイレギュラーズ達に頼まれたのは二つ。

　一つは通行ルートとなるヘイムダリオンの敵勢力の排除。
　これにより、妖精達を襲う危機を排して欲しいという願いです。イレギュラーズにとってもいざという時の避難経路になります。
　次に、ルートの果てにある『アンテローゼ大聖堂』周辺の安全確保――
　『アンテローゼ大聖堂』は上手く行けば今後の拠点の一つになりうるかもしれません。

　ファルカウ内部を目指すべく、『未だ見えぬ敵』を相手としたイレギュラーズ達の進軍は今――始まるのです。

用語

『茨』

　謎の茨です。現在、迷宮森林ほぼ全てを覆うかのように広がっています……
　一体どのような理由でこのような『茨』が出現したのかは分かっていませんが『植物』ではなく『根』も存在しない魔法に類似した存在であることが想定されています。

　またこの茨はアンテローゼ大聖堂周辺にも有刺鉄線のように張り巡らされ、少し触れるだけで傷つくこともあります。

『茨咎の呪い』

　大樹ファルカウを中心に広がっている何らかの呪いです。
　イレギュラーズ軍勢はこの呪いの影響によりターン経過により解除不可の【麻痺系列】BS相応のバッドステータスが付与されます。
（【麻痺系列】BS『相応』のバッドステータスです。麻痺系列『そのもの』ではないですので、麻痺耐性などでは防げません。）
　25ターンが経過した時点で急速に呪いが進行し【100％の確率でそのターンの能動行動が行えなくなる。（受動防御は可能）】となります。

『大樹の嘆き』

　R.O.Oで発生していた『大樹の嘆き』が現実でも発生しています。
　彼らはR.O.O同様に、周囲の全てを破壊せんとする様な行動をとっていますが……？

地名

大迷宮『ヘイムダリオン』

　深緑と妖精郷アルヴィオンを結ぶ大迷宮です。
　妖精郷アルヴィオンでかつて巻き起こった一連の事件における解決の為の通り道となった場所でもあります。その内部は複雑な神秘で満たされており、少し歩くだけでまるで別世界の様に風景が変わる事もあるとか……

アンテローゼ大聖堂

　ファルカウ麓に存在する、大樹へと祈り捧げる信仰の場所です。
　迷い込んだ旅人のケアや、冒険のサポートなどを行っているそうです。
　しかしながら現在は茨に覆われる地となっています……
　イレギュラーズはこの場所を拠点とするために、周辺に存在するモンスター達の排除を目的としています。

登場人物

『胡蝶の夢』ファレノプシス

妖精郷アルヴィオンの妖精女王。
妖精郷をイレギュラーズに救って貰った恩より、彼らを危機溢れる深緑に進ませることには否定的でしたが、現在はイレギュラーズの無事を願い『大迷宮ヘイムダリオン』への立ち入りを許可しています。
『妖精女王の宿命』により、彼女は妖精郷から出る事は出来ません。
また、ファレノプシスは全ての妖精に深緑に立ち入るべからず、『妖精の門』を使うべからずとしていましたが、ストレリチア (p3n000129)に関しては見て見ぬ振りをしたようです。

イラストレーター：pico

『虹の精霊』ライエル・クライサー

グリムアザースの吟遊詩人です。
妖精伝承に詳しいようですが、中々に食えない性格です。
どうやら『冬の王』と因縁深いようですが……？

イラストレーター：ノキア

『灰薔薇の司教』フランツェル・ロア・ヘクセンハウス

アンテローゼ大聖堂の司教。
アンテローゼ大聖堂の魔女『ヘクセンハウス』を人間種でありながら継いだ幻想貴族です。
立場ある存在ですが、ローレットが楽しそうと言う理由だけで彼らに協力しています。
今回は自分の拠点（ホーム）が襲われている事を苦慮し、行動を共にしているようです。

イラストレーター：シュマ

イルス・フォル・リオーネ

魔種の研究者である幻想種。フランツェルの旧友です。
アレクシア・アトリー・アバークロンビー(p3p004630)さんの師匠でもあり、魔術の腕には長けているようですが本人は「戦闘は得意ではない」と戦う事には否定的です。
フランツェルと共に問題解決に向けて行動しています。

イラストレーター：L

魔種陣営

魔種『ブルーベル』

ファレノプシスに『妖精が深緑に立ち入らないならばラサへの道を与える』と交渉した魔種です。
『怠惰の冠位魔種』を主人としたっており、彼に従って妖精郷から『咎の花』と呼ばれる勇者パーティーの魔法使い『マナセ』が作成し使用した『冬の王の封印』魔法道具を盗み出しました。
現時点での思惑は不明ですが、交渉の席に立っていたファレノプシスは「彼女は悪い子ではないかも知れない」と語っているようです……。

イラストレーター：小束すま

『冬の王』

勇者アイオン一行によって封印されていた伝説の大精霊です。
妖精郷での一件により解き放たれ、行方知れずとなっていました。
クオン＝フユツキと協力関係にあり、今回は敵方に与しているようです。

イラストレーター：ノキア

イヴァーノ・ウォルター

怠惰の魔種。
恋人であるエリーザ・ベルトリーニを水晶の中に閉じ込めている模様です。

イラストレーター：紺屋サキチ

『常夜の王子』ゲーラス

正体不明の存在です。
王子様みたいに優雅。おそらく古代からいる呪物です。

イラストレーター：シガラミ

『？？？』クェイス

魔種陣営に与している存在ですが、現在詳細は不明です……

イラストレーター：玻楼兎