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シナリオ詳細

<spinning wheel>その屍を超えていけ

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング


 『茨』によって封鎖された深緑。
 練達に襲来したジャバーウォックへの足取りとしての有力候補であったその地が突如封鎖された事で、困惑が広がったのは無理らしからぬ話だ。
 特に、この『茨』という物が厄介だった。『内部に踏み込むと眠気が感じられる』や『茨は侵入者を拒み、踏み入る者の命を奪わんとする』といった事象が発生しており、調査が行なわれる事となった。
 その結果、『怠惰の魔種ブルーベル』という存在が視認された事、また、『怠惰』がキーワードではないかという推察がされる。
 そして、妖精郷からの連絡により赴いたイレギュラーズが聞かされたのは、ブルーベルからの忠告と取引。
 とはいえ、イレギュラーズも、調査の結果判明した侵入経路を喪うわけにはいかない為、妖精女王と、『侵入経路』を妖精達に提供してもらう代わりに彼女達を危機から守る事を取引する。
 取引は成立し、イレギュラーズは改めて侵入経路へと踏み入れる事となった。


 通常であれば『妖精郷の門(アーカンシェル)』で直接深緑へと赴くのだが、今回は別ルートでの侵入だ。
 『妖精郷の門(アーカンシェル)』から大迷宮ヘイムダリオンへと踏み入れ、そこから更に奥――『アンテローゼ大聖堂』へと向かう。それが今回のルートだ。
 大迷宮ヘイムダリオンは『ダンジョン』であり、多くのイレギュラーズに対し、様々な風景を見せてくれる。
 彼らを迎えたこの部屋もまた、ダンジョンならではの風景を眼前に広げた。

 左右に竹林が並ぶ風景に出たイレギュラーズは砂利道を走る。周りに妨害してくるモンスターが居ないかどうか警戒するも、意外と何も出てこず、肩透かしを食らった気分で進んでいく。
 進んでいく度に左右の壁が狭まっているように見えたのが気になったが。
 そして、辿り着いたのは、イレギュラーズを阻むモノだった。
 ――――カコン
 切り口が斜めになった竹の筒が吊るされている。それが下を向いて水を流したかと思えば、再び切り口をあげて筒の尻で石を打つ。
 流れた水の先には巨大な池。長方形の形をしており、両端には先程の竹の筒――知る人が居れば「ししおどし」だと説明してくれるだろう――が、ずらりと隙間無く並んで同じ動きを見せていた。なお、水は後ろに茂る竹が前にしなった先から流れている。
 池の幅は、おおよそ二十メートル程。対岸までの距離は、おおよそ五十メートルかそれ以上のようだが、百までは至らぬようには見える。
「池なのかこれ?」
「さぁ……?」
 首を傾げるのも無理はなく。
 かといって迂回しようにも、ししおどしの後ろにはししおどし一個につき竹が一本生えており、その後ろには白い壁しかない。
 ししおどしを伝って向こう側まで行くべきか、と思案する彼らの視界に入ったのは、池の中の影。
 それは池の中を泳いでいた。それも複数。
 悠々と泳いでいる様子だが、その影が沈んで見えなくなったかと思えば他の位置に新たな影。正確な数は分からないが、五体以上はいるのはでなかろうか。
「まさか、これを渡るしかないのか……?」
「というか、あの中に居るのは何なんだ」
 イレギュラーズの一人が砂利道にあった小石を一つ拾った。それを対岸に向けて投げると、水中から巨大な鯉が飛び出し、ヘッドショットで小石を跳ね飛ばした。戻ってきた小石をかろうじて避けるイレギュラーズ。
 再び水の中に潜った鯉と入れ違いで、水中から顔を出したのは緑色の龍のような姿をした、顔だけが鯉な魚。それは池の縦の長さ程の肢体を持ち、背中に小さな羽を持って飛んでいた。体に似合わぬ小さな羽でどうやってその体を空中で留まらせているのか気にはなったが、その余裕もすぐに打ち消される。
 鯉に似た口が大きく開き、叫んだ。
 ――――ギャアアアアアア……!
 予想以上の声量を持った咆哮に、イレギュラーズの数名は耳を塞いで膝をつく。
 頭の中を掻き回されるような痛みに、自分達が何かしらの不利な状況を与えられていると理解する。
「こいつらを倒して進めってか?!」
「うまくいけば倒した体を使ってあっちに渡れるのでは?」
「それだ!」
 目の前の敵を利用してこの池(?)を乗り越えねばならぬ。
 頭の中で響く痛みを押して、イレギュラーズはそれと対峙する。

GMコメント

 誰がそのままの意味でやれといった。
 そんな訳で、「その屍を越えていけ」とばかりに、敵を倒して対岸を渡ろうという事になりました。
 いや、だって、ただ飛んで渡るだけじゃつまらないじゃないですか。はい。

●成功条件
・敵の殲滅
(オプション)・龍のような姿で顔が鯉の魚をバラバラにせず仕留める事

●敵情報
・巨大な鯉×?
 池に近付こうとすると水中から顔を出して攻撃を仕掛けてきます。池の上を飛んでいても察知して顔を出します。
 ヘッドショット(物・至・単):氷を砕ける程の力があります。【痺れ】【体勢不利】を伴います。
 ウォーターショット(物・近・貫):いわゆる水鉄砲。【猛毒】【出血】を伴います。

・龍に似た姿で顔が鯉の魚×1
 背中の小さな羽で何故か飛んでいる魚。体長は池の長さと同等。イレギュラーズに【混乱】のBSを与えています。
 咆哮(神・中・域):響き渡るほどの声量で、【混乱】を与えます。
 風の刃(神・遠・範):鱗に似た形の刃をいくつか生み出し、放ちます。【流血】を伴います。
 氷の息(神・遠・扇):【氷漬】【足止】を伴うブレス攻撃です。

●注意事項
 イレギュラーズ全員が1ターン目時点で【混乱】のBSを受けています。
 リプレイではその状態からの描写になりますので、プレイングではその辺りにご留意ください。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はBです。
 依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。

  • <spinning wheel>その屍を超えていけ完了
  • GM名古里兎 握
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2022年04月07日 15時45分
  • 参加人数8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

フラン・ヴィラネル(p3p006816)
ノームの愛娘
カナメ(p3p007960)
毒亜竜脅し
長月・イナリ(p3p008096)
狐です
水月・鏡禍(p3p008354)
守護者
ライ・リューゲ・マンソンジュ(p3p008702)
あいの為に
星芒 玉兎(p3p009838)
星の巫兎
ジン(p3p010382)
ジゼル・ベグラーベン(p3p010507)
特異運命座標

リプレイ


 姿形は龍に似て、顔は鯉。
 そんなちぐはぐな印象を受ける生物が放った咆哮を聞き、耳を塞いだイレギュラーズだが、その半数が膝をついた。
 残り半数は影響を受けず、彼らは顔を顰めるのみ。
 『毒亜竜脅し』カナメ(p3p007960)が、頭をフラフラと揺らし、呟く。
「頭がくらくらする~……」
 自分の思考が掻き乱されるのを感じる。
 回復手である『青と翠の謡い手』フラン・ヴィラネル(p3p006816)を見ると、彼女も同じように膝をついている。
 こうなると、彼女が回復するまでの間、影響を受けていない半数だけで動くしかない。
 まずは、空中に浮かぶ、龍に似た姿で顔は鯉の敵を相手取る。
 『星の巫兎』星芒 玉兎(p3p009838)が撃ち出したリリカルスターが、虹の軌跡を描いて敵に当てる。
 避けようとする敵だが、池の長さ程ある巨躯が徒となり、避けきれぬ結果となった。
「ぐおぉぉ……!」
 苦悶の声を上げる敵の視線は玉兎へと注がれる。黒い瞳に浮かぶのは怒り。
 こちらに注意を引きつける狙いは成功し、迎撃の構えを取る数名。
 敵の周囲にて生じる鱗のような物。それが幾つか生み出されたかと思えば、即座にイレギュラーズへと放たれた。
 その攻撃を防御しつつ、ジン(p3p010382)がぼやく。
「龍に似た姿で顔が鯉の魚……言っていてややこしいな。ハッキリしてくれないものか」
「なら、龍鯉魚(りゅうこいぎょ)でどうです?」
「それでいこう」
 『鏡に浮かぶ』水月・鏡禍(p3p008354)の提案に頷くジン。他のメンバー達からも特に異論は無いようで、ひとまずはそれを仮称とする事にした。
 龍に似た姿で顔が鯉の魚――――改め、龍鯉魚と名付けられたそいつの視線は未だに玉兎を捉えている。
 彼女だけに囮を任せるつもりは無い。玉兎からは距離を取りつつ、鏡禍は龍鯉魚へと声を掛ける。
「不本意ですが、餌になってみますよ。食べられるものならどうぞ、中途半端な龍さん?」
 彼の煽りは成功したようで、ギロリと睨む視線が彼に注がれた。
 「よし」と内心のガッツポーズとは裏腹に、握る拳には敵を殴る為の力を込める。
 ようやく咆哮の影響から抜け出せたフランが、右手をLの字に作って頭上に掲げる。そのまま腰に手を当てて膝を傾ければ土曜夜のフィーバータイムに見えなくも無いが、今はそんな余裕などはない。
「ちゅうもーく! しゃっきりしよー!」
 彼女の激励は、仲間の背中を押す緑の魔力。彼女のエールの言葉が響いた時、膝をついていた仲間達の手が耳や頭から離れた。
 先程まで感じていた、頭を引っかき回されるような感覚が今は無い。彼女の持つ癒やしの力が周囲を助けたのだ。
 密かに頼りにされていた回復役は、見事にその力を発揮してみせた。
 カナメをはじめとする数名が改めて武器を構える。
 空中には龍鯉魚が居るが、水面を見れば、鏡禍による煽りの余波を受けた様子の巨大な鯉が顔を出していた。
 『あいの為に』ライ・リューゲ・マンソンジュ(p3p008702)はロザリオを持ち、視線を巨大な鯉へと送る。
「人ではなくとも、戦うというのは悲しい事です。ええ、本当に」
 それは偽りの本心。その証拠に、彼女の目が悲しげなものであったのが、すぐに敵を射殺さんばかりの殺気を伴う。
 前線に立つシスターは、ロザリオに祈りを込めて撃ち出した。
 水面から顔を出したとはいえ、避けようとすれば出来なくは無い。現に、シスター・ライの放った攻撃を避けて水に潜る様子も見られた。
「中に潜る必要がありそうですね」
「ならば、行くわよ」
 『狐です』長月・イナリ(p3p008096)が、走りだす。助走を付けて池の中へと飛び込んだ彼女が目にするのは巨大な鯉が何匹か泳いでいる姿。
 水中であれば制限もかかりそうなものだが、それをものともせずに彼女は鯉に向けて殴りかかっていく。
 彼女だけが水中に飛び込んだ訳では無い。『特異運命座標』ジゼル・ベグラーベン(p3p010507)もまた、彼女の後を追う。
 情念の刃に力を込めて、襲いかかってきた鯉を斬りつける。
 彼女がこうして飛び込み、イナリと共に戦う事が出来ているのは、フランのおかげだった。
 フランが精霊に呼びかけた事で、その加護が彼女に与えられたのだ。
 その加護は彼女だけのものではない。フランが望んだ仲間達全てへと向けられた。
 彼女の支援は仲間達の背中を大いに押す結果となり、それは有利への布石となる。


 龍鯉魚が息を吸う。
 ブレス攻撃である事は明白だが、範囲を考えるとそれを躱せるかは微妙なところだ。
 結果、水中に潜った者以外はその攻撃を浴びる事となった。
 極寒を思わせる冷たい息吹。イレギュラーズに氷の攻撃が浴びせられ、足を止められる。
 それによって身体に蓄積していくダメージを、フランが回復させてくれた。
「降りる事も出来ない中途半端な龍がそこからしか攻撃できないんですか」
 鏡禍が煽る。
 龍鯉魚は、少しの間唸ったかと思えば、その巨躯を少しだけ下ろして鏡禍へと迫っていく。
 その巨躯は近付けば近付くほどいい的である。
 故に、ライは前に出やすかった。前線に立ち、盾となってその顔面を受け止める。
 その隙を狙い、横から玉兎が近付く。
 彼女の持つ剣が輝いた。強く眩く発光するそれが、「破邪」と呼ばれる聖なる術式と共に振るわれる。近付いてくる巨躯へと命中し、呻く声が部屋中に響いた。
「バラバラにしないように、というのは難しいですわね」
 ふぅ、と一息。
 先程の龍鯉魚の悲鳴に反応したのかどうかは分からないが、水面に巨大な鯉の顔が現われた。
 カナメがその鯉の動きを見るや、すぐにそちらへと向かった。
 陸に上がらないと分かるや、彼女は刀を振るう。真っ白な刃か赤黒い刃か。振るわれたのは後者の方。
「水から出られないとか、所詮は魚だね~♪」
 与える傷からは毒を流す。鯉の体内で発生した毒は、鯉の表面を少しずつどす黒いものへと変えていった。
 別の個体が顔を出し、カナメへと攻撃する。
 回避する暇も無く、鯉の口から放たれた水圧が彼女を襲う。
 勢いは強く、彼女の体が強制的に下げられた。
 ダメージもそれなりにあるはずだというのに、当人は涼しい顔。否、この表情を正確に表すならば、恍惚であった。
「この水圧っ、体に穴空きそうで……うぇへへ、最高……?」
 マゾヒストの要素を備えた少女は、恍惚とした表情を崩さぬままもう一度武器を構える。

 地上での様子など露知らぬイナリとジゼル。
 二人は迫り来る鯉の頭突き攻撃や水圧の攻撃を受け流したりしており、地上にまで様子を見る余裕が無かった。
 返す刀でダメージを返し、少しずつ敵の数を減らす。
 ジゼルが持つ情念の刃が、重みを加えて鯉の脳天を打つ。
 フラフラになった所を、イナリが肉薄して繰り出す。
 ダメージを受ける事はあるが、そうやって少しずつ返す事も増え、自分達が危なくなったら上がり、フランに回復を願う。
 そうして少しずつ進んでいき、一つ一つ確実に潰していった。

 二人が巨大な鯉と格闘している間にも、地上では龍鯉魚を相手に奮闘する声が上がっていた。
 龍鯉魚の鱗攻撃に対し、受け止めつつも反撃の隙を窺うイレギュラーズ。
 鏡禍が龍鯉魚の攻撃を受け止め、その隙を狙って他のメンバーが……という形での応酬を行なっている。
 盾となっている鏡禍には自己再生する力がある。自分自身に聖域を展開し、その中で己の傷を癒やす。
 フランからの支援を受けつつ、イレギュラーズは着実に龍鯉魚の体力を削っていく。
 鱗の形をしたものが周囲に生まれ、イレギュラーズを襲う。露出する肌からの出血を、癒やしの力が止めた。
 ライのロザリオから魔力が飛ぶ。平和への祈りとして撃ち込んだ魔力の弾は、先程と同じように龍鯉魚の悲鳴を上げさせた。
 一定以上のダメージを与える度に悲鳴が上がる。
 出来れば一息でその命を刈り取りたいが、この巨躯をバラバラにしてはならない。
 回復しては攻撃、という事を繰り返す中で、フランが仲間にかけた支援の効果が切れない内にと、再び精霊の力を借りて重ねがけをする。
 水中に居る者へ、空中の敵と戦う者へ。
 彼女の支援の下、水面に浮かぶ鯉の数は増えていた。
 時を同じくして、空中に居る龍鯉魚の傷も増えてきていた。その証左に、高度が下がってきている。
 範囲に入った所で、ジンが駆け、そして跳んだ。
 繰り出すは突き攻撃。
 狙いは――――心臓と思われる場所。
 勘で狙ったその三連突きは、運良く狙いを捉えた。
 絶命の咆哮は、今度は何の影響も与えはしなかった。
 

「せーの!」
「よいしょっ!」
 掛け合いの声を上げ、互いに綱引きの要領で引っ張り合いながら対岸に龍鯉魚を掛ける。
 思った通り、池の長さと同様のそれは、架け橋の役割となって生まれ変わった。
 泳ぐ事が出来たイナリが対岸に向かい、男手という事で鏡禍とジンがそれぞれの対岸へ向かい、両側より支えた。
 これでイレギュラーズは龍鯉魚の上を歩いて渡る事が出来る。
 龍鯉魚を架け橋として置く前に、カナメが水面を叩いてもう水中の敵が寄ってこない事を確認する。
 水面に浮かぶ鯉達を見て、「これを繋げて橋代わりに出来ないかなぁ」と独り言を呟くが、返ってきたのは肩を叩いた仲間の、首を横に振る姿だけだった。彼女の横をすり抜けて、ジゼルが軽やかに龍鯉魚に上がって駆けていく。
 ジゼルの左半身の文様は、黒から赤へ。全てを赤へと変えたわけでは無いが、それなりに赤い事から、かなりの数を屠ったと推察される。
「それにしても、やっぱり混沌って色々凄い場所なのね……。こんな生き物、元の世界では見たことがないわ」
 その上、これをバラバラにする事無く倒すという経験も初めてだった。いつもならその命を刈り取って終わりだったというのに。
 先程までの戦いを思い返しながら、ジゼルは龍鯉魚の体を踏んでいく。
 一人ずつ龍鯉魚を渡っていく中で、順番待ちの玉兎が腕を組んで頬を軽く膨らませる。
「しかし、この部屋、風流とは程遠い光景ですわね。鹿威しなんて乱立してますし、腹立たしいったらありませんわ」
「同意。竹に池に鯉と、取り合わせは良いのだがな。このような結果になった今、風流さを感じるには些か無粋としか思えん」
「本当に。……それにしても、龍鯉魚と呼ぶ事にしたコレ、中途半端ですわね、鯉の時分に竜門を尾からくぐったのかしら?」
「そこは気になっていた。何なのだろうな、コレは」
 風流さについて見を持つジンが玉兎の言葉に同調して頷く。そんな会話をする二人に割り込む鏡禍。
「滝登りした鯉が龍になるんでしたっけ?」
「私の聞いた話ではそうね」
「顔は鯉ですけど、中途半端に滝登りしたんでしょうか……迷宮って不思議ですね。
 でもせめて池にいるなら大人しく泳いでいて欲しいものです」
「だが、それだとこの浮かんでいる鯉と同じ動きになるのではないか」
「ああ……そうなるんでしょうか」
 溜息をもう一つ吐き出す鏡禍に、「ま、予想だがな」と言葉を付け加える。
「お先に」
 そう言って脇をすり抜け、龍鯉魚の上に乗って進むのはライ。彼女は足元を確かめるように、しっかりと歩みを進めていた。
(ああ…………そうですね……何といいますか……。
 屍を踏み付け踏み越えて進むのは、慣れていますよ、ええ)
 慣れている。そう、慣れているのだ。
 だが、自分は敬虔なシスターだ。表に出す事は出来ない。
 取り繕った仮面のまま進んでいくライは、到着地点にて足を下ろした。
 次に鏡禍が歩いて向かう。
 その背中に興味を持たず、イナリは水面に浮かぶ鯉へと興味を移す。
「……うーん、死体の再利用か……この鯉ってどんな味なのかしらね? いや、食べるつもりは無いけど、鯉って食べれる生き物だし……」
「普通の鯉と同じなんじゃ無いかなぁ……? 食べたいの?」
「まさか。食べたりしないわよ」
 フランの質問に対して即答するイナリ。
「そうだよね。食べる事が出来たとしても、この迷宮だし、何があるか分からないもんね」
 うんうんと頷くフラン。
 束の間の雑談タイムを楽しみながら、イレギュラーズは無事に池を渡り終える。
「行きましょう」
 誰かが言った。そして、イレギュラーズはその部屋を後にした。
 ――――カコン
 多くの鹿威しが一斉に鳴らした音が、火打ち石のように彼らを送り出した。

成否

成功

MVP

フラン・ヴィラネル(p3p006816)
ノームの愛娘

状態異常

なし

あとがき

お疲れ様でした。
なんとか龍鯉魚はバラバラにされずに済んだようです。
おかげでこのエリアは無事に突破となりました。
屍を踏み越えた先へ、どうぞ。

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