シナリオ詳細
<Stahl Eroberung・接続章>ローレット魔王城支部、爆誕!
オープニング
●ローレット魔王城支部、爆誕!
「ローレット魔王城支部、爆誕!」
一条 夢心地(p3p008344)が両手をYの字に掲げながら、壁をなんかくるーってさせる謎の仕掛けで玉座の間へと現れた。
これで皆さんは同じ文言を三回は見たことになりますね。
「魔王なき今、この城はもはや麿のもの!」
「いやローレットのものだろう。いきなり魔王になるな」
アーマデル・アル・アマル(p3p008599)が後ろからぽこんとハリセンのようなもので夢心地を軽くたたく。
ここは浮島アーカーシュ。鉄帝国のはるか上空に現れた前人未踏破の地であり、かつては魔王イルドゼギアが後詰めの城を建てた地でもある。
どうやら魔王が負けそうになった時にこの城に逃げ込んで、クローンに自分をうつすことで勇者にリベンジしようとか考えて作ったもの……だと思うが、どうやら使う前に倒されたらしい。結構悲しいエピソードである。
尚、ローレット(というかジェック)によってこの城は『エピトゥシ城』という固有名称が与えられている。意味的にも『後詰めの城』なのでピッタリだろう。
ジェック・アーロン(p3p004755)はムムムと唸って壁に描かれた絵をみつめる。
「どうやら、アーカーシュのシステムとこの城のシステムは別みたい。パトリック・アネル特務大佐がアーカーシュの管理者権限を獲得しても、この城までは操作できないってことだよね」
つまりは、大佐が島全体を手中に収め襲いかかってきたとしてもこの魔王城を拠点にすれば抵抗できるということ。
ハイペリオンが隣に並んだ。
「その通りです。この城を急いで改築しましょう。使えない設備も、持ち込んだ装置などを代用すれば使えるようになるかもしれません」
「古代のお城に現代のバッテリーを繋いで動くの?」
「そこは、『無辜なる混沌』ですから」
「便利だね……」
二人の話を聞いていた九重 縁(p3p008706)がパチンと手を合わせた。
「それなら! 私のルナ・ヴァイオレットを繋いでいくつか設備を動かしたり、似たような機材を集めて代用したりできますかね!」
「異世界から技術を持ち込んでいるメンバーはここには多いでありますから」
ムサシ・セルブライト(p3p010126)もゼータバングルを翳して見せた。
「色々なアイテムを組み合わせて、魔王城をカスタマイズするのであります!」
ルシア・アイリス・アップルトン(p3p009869)やルクト・ナード(p3p007354)たちは城のまわりを一周し、あらためて設備の充実さとそれを『使い切れていなかった事実』を知った。
「魔導機銃にゴーレム用カタパルト。結界すら張れるのか。それらを駆使されていたらこちらも危うかったのかもしれないな」
「全盛期ならともかく、魔王がはるか昔のおとぎ話になった現代ですから……仕方ないのでして」
やれやれといった様子のルクトに、『人手不足すぎるのでして』とルシアは返した。
ひとまずの問題は、ルシアたちが突入の際に破壊したゴーレムカタパルトやその他設備だろう。
修復できるものはして、交換できるものはしてしまうのがよさそうだ。
「けれど、すぐに交換できる設備が?」
「あるだろう」
ほら、と飛空艇ハンドレッド号を指さす。
改造屋ハンドレッドと武器商人ファイ。彼らにかかれば城を要塞として増築する程度の武装、すぐに揃えてくれるだろう。
アーカーシュをパトリック特務大佐が乗っ取っている今、対抗できる拠点はもはやここしかない。
完全に島の設備を掌握されるまえに、この城をまるごと拠点化してしまうのだ(そしてできれば住みやすくするのだ)!
- <Stahl Eroberung・接続章>ローレット魔王城支部、爆誕!完了
- GM名黒筆墨汁
- 種別イベント
- 難易度VERYEASY
- 冒険終了日時2022年08月09日 22時05分
- 参加人数98/∞人
- 相談7日
- 参加費50RC
参加者 : 98 人
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参加者一覧(98人)
リプレイ
●ローレット魔王城支部
「むふー。防衛拠点でもっとも重要な設備なんて言うまでも無いよね。
当然、キッチンだよ!! 食をおろそかにして勝てた戦争なんて何処にも無いんだからね!!」
『赤い頭巾の魔砲狼』Я・E・D(p3p009532)はリュックサックとキャリーケースいっぱいに持ってきた工具を使ってなにやらよくわからん機械を弄っていた。
石でできた魔法の道具らしいが、解析してみるとIHクッキングヒーターや電子レンジ、更にはフードプロセッサや回転圧力鍋といったなんとも豪華なキッチンであることがわかったのだ。
「ここをキャンプ地――いや、ゴリョウ亭とする!」
そこへ美しい筆体で『ゴリョウ亭』と書かれた檜の看板を抱えた『黒豚系オーク』ゴリョウ・クートン(p3p002081)が現れた。
魔王城にオークのコック。あまりにもハマりすぎた絵面に誰もツッコミが入れられなかった。
「こんな字面の面白いことをしているのであれば我(アタシ)としても黙っていられない。
サヨナキドリ商店街・魔王城支店を作るしかないねぇ。ヒヒヒ!」
『闇之雲』武器商人(p3p001107)は出前用の鞄を結構な数持ってキッチンへとやってきていた。鞄にはなんかポップな書体でSAYO EATSと書いてある。
彼らが目指しているのはキッチンのセントラルキッチン化及びフードコート化である。
食堂をそのまま憩いの場に改造しようというもので、武器商人はそこにしれっと支店をねじ込んだのだった。特に誰も反対しないし、案外広い魔王城のあちこちに配達してくれるなら願ったり叶ったりである。
「おいしいごはんは、だいじなのです。
きっと、がんばるためのちからになるから。
だから、戦いがはじまるまでにキッチンが素敵になりますように。
「おいしい」のお手伝いができるのは、とってもとってもうれしいことなので」
かなり大がかりなキッチン及び食堂フロアの工事を終えた所で、『おなべがたべたい』ニル(p3p009185)や『Immortalizer』フレイ・イング・ラーセン(p3p007598)が清掃に取りかかっていた。
「工事もそうだが、さんざん戦闘してるんだ。ゴミや埃、何かの残骸などが山ほどある」
フレイがフウと息をついて汗を拭うと、『復興青空教室』オラン・ジェット(p3p009057)がバックヤードにあるレバーを操作。ガコンという音と共に部屋中が明るくく照らされた。
「よっしゃ、配電工事完了! ビール飲もうぜビール!」
――なんということでしょう。魔術によって照らすシャンデリアの下には貴族の屋敷にあるような長ーいテーブルが四つほど。壁側にはゴリョウ亭やその他食品系の店舗が入り、端にはサヨナキドリの支店も。
――遥か永き時のなかで汚れきり最近の戦闘で完全に壊れかけていた薄暗いキッチンは、豪華でファンタジックなフードコートへ生まれ変わったのでした。
『亜竜祓い』アンリ・マレー(p3p010423)と『蒼き燕』夜式・十七号(p3p008363)は『SAYO EATS』のリュックサックを背負って城のあちこちへの運搬作業にあたっていた。
そのうちこれらの仕事はゴーレムに任せることができるらしいが、ゴーレム整備施設が整うまでは人力が必要なのだ。
「そういえば、あんまり設備を拡張しすぎると電力が足りなくなるよね。発電設備とか増やすのかな」
「安心してくれ。今から配達するのがその設備だ。スペシャリストも揃ってる」
戦争がおこるたび空中庭園経由でワープして数百人規模の前線兵力を叩き込むローレットだが、そのギルド構成員の全てが前線で戦うことに特化しているわけではない。
十七号はかなり前線での戦闘や、最近増えてきた部隊指揮といったものに優れているが、アンリは長い間てくてく歩いても疲れないシェルパ並の脚力を持って重いものを運搬していた。
そして彼らが到着した発電所では……。
「長老様――『見守りの樹カルマート』の力を借りれないかしら」
「霊樹から力を得るのか? そういえば深緑で見たことがあるな。あそこは火力を使わないから……」
『木漏れ日の優しさ』オデット・ソレーユ・クリスタリア(p3p000282)と『カースド妖精鎌』サイズ(p3p000319)が相談しながら巨大な発電設備の修理や増設を行っていた。
元々あったのは青白く光る巨大な多面体で、どうやら内部で魔力がぐおんぐおん循環することでエネルギーが永久に出続けるというものらしい。
とはいえフードコートや整備工場や色々な防衛設備を同時に稼働させるには相当な電力が要ることになる。
「魔王城とアーカーシュの大きな違いって、やっぱり精霊システムよね」
『決死行の立役者』ルチア・アフラニア(p3p006865)はアーカーシュ側から持ち込んだジェネレーターを据え付け、サイズにその接続を依頼していた。
直訳すれば発電機なのだが、鳥籠のような形をしたそれは内部に精霊がふわふわ浮いており、空気中のマナだか何だかを吸ってはエネルギーに変えることを繰り返しているらしい。
「幻想や鉄帝の古代遺跡にも、こういう精霊を使って稼働する遺跡をたまに見たわ。外の技術を持ち込むのもいいけど、いまここにあるものを使うとコストも少なくて済むわよね」
ルチアたちが上手くやったのだろう。『深緑魔法少女』リディア・ヴァイス・フォーマルハウト(p3p003581)が顔をあげると、屋内庭園に紫色のマジックライトが灯った。
太陽光を摸して注がれるそれは、自然の中に暮らし木漏れ日と共にあり続けたリディアが古来より受け継いできた技術であった。
「ゴーレムだけで動かしていたならともかく、こうして拠点にするなら人間用の食用も生産できないといけませんよね」
主な収穫はレリッカ村やその周辺に開拓した養殖場や牧場から持ってくればいいが、アーカーシュのコントロールが奪われようとしている今、城内だけでもある程度自給自足ができていないと危険だろう。
『星月を掬うひと』フラーゴラ・トラモント(p3p008825)がレバーを操作すると水道管に水が流れ、栽培用スプリンクラーが起動した。
「ふう……これでよし! 魔王城って案外なんでもあるんだね。トイレは勿論だけど、おっきいお風呂もあったし。ちょっとしたホテルみたい」
戦いの中で破損した水道インフラもフラーゴラが修理したおかげですっかり元通りだ。もしかしたら元の状態よりずっと快適になったかもしれない。
「整備工場の方にも水は届いてるはずだけど……」
フラーゴラが想定したとおり、ゴーレム整備用施設には水が流れ精霊力を用いた掘削や冷却に使われ始めている。
「ガワだけメカセララ、完成ー!」
『魔法騎士』セララ(p3p000273)が(ほぼほぼ手作業で)ガワだけセララっぽくしたゴーレムのパーツを組み立て、わーいといって軌道させる。
「おはようゴーレムセララ! それともジェネリックメカセララ?」
「……どーなつ」
「?」
「……どーなつ。ちょこ」
「なんかボクっぽい!」
セララがきゃっきゃしてる一方、『紅蓮の魔女』ジュリエット・ラヴェニュー(p3p009195)はぜえぜえと息を切らして背を丸めていた。
深く息を吐き、深呼吸をして胸を張る。
「これが、限界ね……」
目を開け、眼前の光景を確かめる。
そこには数え切れないほどのゴーレムが並び、その全てが戦闘可能状態にまで整備を完了させていた。
量産に充分。というより、オーバーキルである。途中で闇市に流れるくらいには。
ジュリエットが持っていた『ゴーレムをいちから作る技術と知識』はこの世界でも、特にアーカーシュのゴーレム製造においては有効に働いた。混沌肯定の範囲内に許されたということだろう。
これをちょっとずつ応用して工作機械用ゴーレムや清掃用ゴーレム、軽作業、クレーン操作、フォークリフト、その他諸々様々な特化型ゴーレムを作り作業を極限まで効率化させたのである。遺跡から持ち出した製造設備の機材もいくつか運びこんだので、この場で製造することも可能だろう。まあ材料に限度があるので、今あるぶんとあとちょっとといった所だが。
「早速割り振るわよ。そっちの重装型は警備と守備、自走砲型はエーデルガルトの警備ゴーレムと一緒に行きなさい。ここからが本番よ!」
ゴーレムによる配達が開始されたばかりの頃。『無限牛乳プリン製造機くん』社家宮・望(p3p010773)はフードコートで牛乳プリン作りに勤しんでいた。
「よ、良かったら、牛乳プリン、ど、どーぞ?お、美味しく、食べてください、ね?」
なんか手から無限にプリンが出るという、ある意味人類の夢みたいな能力を行使してどんどんプリンを作ってはゴーレムに配らせてを繰り返しているらしい。
そんな彼のプリンが城内の通路を通り配達用ダクトを通りゴーレムエレベーターを経由し――。
チーンという音をたて、『神翼の勇者』ジェック・アーロン(p3p004755)のデスク脇にある1m弱の扉が開きプリンを届けた。
お皿ごと手に取って、ジェックはプリンを口に運ぶ。
彼女の目の前にあるのは無数のウィンドウだった。
ブラウン管テレビ……というとかなり語弊のあるデザインなのだが、用は映像を投影する四角い石みたいなものがつみあげられ、魔王城のあちこちを映しているのだった。
対応する数字(古代文字で書いてある)のボタンを押しながらマイクに喋るとその場に声が届くらしく、ジェックはこの場所から作業全体の進捗を確認したり資材要求の連絡などを受け持っていた。
「私達が来た時妙に準備が良かったのはこういうことだったんだね」
「わ、わあ……」
椅子に座るジェックのうしろで、セレンディがおどおどした様子でまわりを見ていた。魔王城はアーカーシュとなにげに別システムかつ別時代の建造物なので色々新鮮なのだろう。
「緊張しないで。これからここを拠点にするんだし」
ジェックはそういって、もう一皿のプリンを差し出した。
「プリン食べる?」
「たべる」
●洒洒落落洒落絡
「わーい、魔王城を探検なの。ここが最新のアトラクションと聞いてきたの」
『ファイアフォックス』胡桃・ツァンフオ(p3p008299)が早速ほわほわーっとした様子で通路にワイヤートラップを仕掛けていた。
ローレット駆け出し時代からイレギュラーズたちを支え続けてきたスキル『罠設置』が活きるとき!
「あっ、隠し通路また見つけたの。見つけた瞬間転ぶように罠を設置するの」
「いい罠だ。よし……カズィクルをセットしよう」
『戮神・第四席』ウォリア(p3p001789)が侵入時にはあれだけ厄介だった罠を今度は端から回収、修理、ついでに鍛冶技術で上手いこと鋭利な杭つき板にするとそれをセカンドトラップとして仕掛け始めた。
決定的な足止めを、回避不能なタイミングで押しつける。実に嫌な配置であり、賢い配置だ。
「ところで……これは人間用か?」
「いや、古代獣かゴーレム用だろうな。パトリックにまだついてる人間がいるとすりゃあ筋金入りの特務派連中だけだ。罠が通じる手合いじゃねえ。それに、連中はハイリスクな魔王城にまで押しかけねえ」
『最期に映した男』キドー(p3p000244)は落とし穴(シュナルヒェンが落ちて降参したやつ)を再活用しつつ、良い具合に連鎖して放り込めるように罠の配置を整えていた。
「なるほど! ならば侵入者対策の罠はお任せくだされ!」
ジャーンジャーンという銅鑼(?)の音と共に回転式からくり扉で現れたのはそう、『陽気な骸骨兵』ヴェルミリオ=スケルトン=ファロ(p3p010147)。魔王城にいかにもいそうイレギュラーズランキングトップテン入り確実と噂されるヴェルミリオ。ちなみに元から魔王だった人達がいすぎたのでエントリーから弾かれています。思いつくだけで20人くらいいます。
「冒険の中で――かかった罠は数知れず!」
「あっそこはかかる側なんだ」
同じくランキング入り確実のキドーが葉巻ぷかぷかやってると、ヴェルミリオはすごーく丁寧にダートトラップを壁に設置しはじめた。要するに針が飛んでくる罠ね。
「おー、トラップ直したり新しいの付けたりするのか。楽しそうだな。
俺、新しいの作りたいぞ。一本道の通路でな、きちんとした手順で床とかマスを踏まないと、魔砲が通路を通過していく、とかどうだ?魔砲に近い兵器ならここにもありそうだし、ないなら若干威力が弱いのは作れそうだよな」
一方で『紲家のペット枠』熾煇(p3p010425)もなんか楽しそうに床をカラフルに塗り分けていた。行きすぎたルービックキューブにみたいな色合いになった床タイルを眺めて満足げの熾煇。
『逆式風水』アルヤン 不連続面(p3p009220)はそんな中ただただ無言で巨大扇風機を設置していた。
「いい感じに設置できたっすね。でもお母さんならもっと上手くできたっす。おそらく秒でマイニングファームとか設置できたっす」
「マイニングファームがわからないですけど多分それ神の領域のやつじゃないですか?」
キイチ(p3p010710)が魔王城に元々設置されていた凍結床をビミョーに傾けて落とし穴の横にセットすると、落とし穴の側面にもくっつけて無限落とし穴にしていた。キドーが『こいつ発想がヤベエ』という顔で見ていた。
「いやあそれにしても、僕も斬りたかったなあ魔王。いっそ今から魔王になるってどうですかね。折角魔王城手に入れたんだし。ってガラじゃないか」
あははと笑いながら振り返るとそこにいたのはさまよう鎧。ゴブリン、スケルトン、ちっちゃいドラゴン(?)、あと炎の精霊。
スゥッて視界にはいってきたアルヤンが小声で囁いた。
「お前ら全員魔王城の住人だろって思いました?」
「いま最前列にいるひとだけは魔王城イメージからかなり遠いですね」
「いやぁ!魔王城は強敵でしたね!
という訳で戦利品である魔王城をカスタマイズ出来るなんて何だかクラフトゲームみたいで楽しいですね!
私も張り切って罠を作っちゃいますよ!
ヘルミーネさんに伊吹さん、よろしくお願いしますね!」
『立派な姫騎士』雑賀 千代(p3p010694)が元気よく振り返ると、床トラップ系の機材をワゴンに積んでがらがら押してきた『凶狼』ヘルミーネ・フォン・ニヴルヘイム(p3p010212)と目が合った。
「罠の設置とかこの悪狼たるヘルちゃんにお任せなのだ!
侵入者に絶望を与えてやる恐怖の罠を作り上げてやるのだ!
よろしくなのだ! 千代に伊吹! …謎の人選だけど!」
「謎の人選?」
『酒天童子』大江山 伊吹(p3p010779)が『酒地獄トラップ』とかいう、割と神話とかでよく神様が引っかかる罠を組み立てていた。
何を隠そう伊吹こそが異界の酒呑童子。四大災厄の一柱にして大妖魔である。
「ここを以前の我が住処『大江山』の様に魔改造すればいいと聞いてな。
任せろ!面白おかしく…もとい効率よく罠だらけにしてやろうではないか!」
酒呑童子目線の大江山ってだいぶ地獄の同義語だけど大丈夫かな。むしろ大丈夫じゃないといいな。
「千代は?」
「ミサキちゃん(触手)トラップですよ!」
いい笑顔で触手をうにょんうにょんさせていた。
「乙女からかけ離れてて引くのだ」
「引く!?」
魔王城内の罠設置は順調に進んでいる。
裏口の罠を担当していた『特異運命座標』四(p3p010736)や『刑天(シンティエン)』雨紅(p3p008287)は丁度良いところで配達されてきたお弁当を開いて休憩に入るところのようだ。
「なんとも言えぬ支部名ですが、重要な場所であることは事実ですね」
「罠は作るより解除する方に向いているがまあ……」
雨紅はふと手を止め、虚空を見上げた。
「かの大佐の戦法……ゴーレムを、兵器を兵器として使う。
おかしいことではない、ですが私はどうにもモヤついてしまうので、止めたいのです」
「いいんじゃねえの? いずれにせよ大佐から皆の島、取り戻さないといけねーし」
お握りをもぐもぐやって、『点睛穿貫』囲 飛呂(p3p010030)はいい感じに複合されてループしまくったイヤーなトラップコンボを眺めた。これが上手にハマったら楽しいだろうな……などと思いつつ。
「皆様、お疲れ様です」
『群鱗』只野・黒子(p3p008597)が様子を見にやってきた。
罠(戦術)を戦略の規模で見つつ、特務派たちがゴーレムや古代獣を魔王城にけしかけた際に『一番やられたら嫌なこと』という視点から担当の割り振りや提案を行っていたようだ。
「そういえば――『紅冠の矢』というものがエーデルガルト遺跡で見つかりましたが、『デカい杭を超高空から落とす質量兵器』という構想が私の世界にありましてね……」
「?」
なんの話だろうと顔を向ける飛呂たち。ちなみにこれは通称『神の杖』。運動エネルギー爆弾のことである。アーカーシュ程度の高度からものを落としたところで迷惑な落石程度にしかならないが、高い推進力が加わったなら話は別だ。というか、もうそれはミサイルだ。
黒子は小さく首を振り、言った。
「この島に、兵器があるかもしれない……という話ですよ」
「マジノ線すら裸足で逃げ出す要塞を目標に作ってみましょうか」
打って変わってこちらは罠工場。設置する罠はそりゃもうどっかで作られているわけだが、設計したり組み立てたりする人達がやはり存在する。
『狐です』長月・イナリ(p3p008096)は罠というか全体の構想を考えては無敵要塞計画を組み立てていた。
「人手がいると聞いて来たんだけど、いやはや。此れは修繕のしがいがある場所だ……」
『結切』古木・文(p3p001262)が眺めているのは大量の魔導機銃。それもつい最近の戦いで破壊された(というかした)魔導機銃たちだ。
「こういった細かい作業や修理は好きなんだ。帰る時間になったら教えてね」
腕まくりしながら解体とパーツ交換を始める文。
その横では『不完全な願望器』ヨゾラ・エアツェール・ヴァッペン(p3p000916)が魔導機銃をなんかすごい感じに改造していた。
「猫ビィィィィム! ねこねこバズーカァァァ!
にゃあんボイスウェーーーブ!
とどめのにゃんこアイ魔砲、撃てーーーーー!
ほらすごいねこすごいねこ! やったー!」
魔王とシリアスしてた反動なんだとおもう。もしタイムリープしてもっかい魔王と戦うことになったら猫を顔に押しつけて吸わせていただろう。そして案外効いたかも知れない。
そしてふと文たちが横を見ると、円形のテーブルを囲んで『拵え鋼』リュカシス・ドーグドーグ・サリーシュガー(p3p000371)たちがなにやら相談をしているようだった。
「大砲……撃ちたいデス」
「撃ちたいですわね!」
「それも凄いビームが出るやつでありますな!」
「敵が大型の飛空艇とか島内に封印されてた巨大な秘密兵器なんかを出してくるかもしれない。対抗するためにやはり巨大な砲は必要……」
「浪漫も大事だが実用性も勿論重要だ。しっかり仕上げて行こうか」
相談にのっていたのはよりによって(というべきか)そうそうたるメンバーだった。
全てを葬り去れば勝つと豪語する――『夢先案内人』リドニア・アルフェーネ(p3p010574)。
「その名も『スーパーメチャツヨイレインボーフルカオスキャノン』ですわ!! え、だめ!?」
宇宙でビーム撃ち合ってた世界から来た保安官――『宇宙の保安官』ムサシ・セルブライト(p3p010126)。
「必殺の超火力ビームを出して一気に勝利をもたらしましょうであります!!!」
大艦巨砲主義を女体化したような魔法少女――『八十八式重火砲型機動魔法少女』オニキス・ハート(p3p008639)。
「つまり火力。火力が必要。火力は大半の問題を解決する。残りは鉄と走れる兵士だね」
理知的なふりして実はおまえ大砲とか自走爆弾ばっか作ってたよな――『陰陽鍛冶師』天目 錬(p3p008364)。
「改装新設も出来るとは大盤振る舞い。職人としての腕が鳴るぜ」
こうして思想と技術、ついでにパッションまでもが合致してしまった大艦巨砲主義者たちは設計図をあーでもないこーでもないとした結果――。
「……な、なんかすごいのが出来ましたわね」
「自分もまさかここまでとは」
「案外やればできるものだね」
「練達がどうしてああまで発展したのかちょっと分かった気がしたな」
「み、皆さん……」
リュカシスは完成したその装置を前に、目をキラキラさせていた。
どんな装置が出来たかは――本番をお楽しみに!
●空はぼくのもの
「防衛用の障壁があったなんて知らなかったのです!
もしかして知らずにぶち抜いてたのでして……?」
銃弾は飛ぶ先のことを考えない。とはいえ、『にじいろ一番星』ルシア・アイリス・アップルトン(p3p009869)はその類い希なる突破力そして『強襲殲滅力』とでもいうべき才能から結構な勢いで魔王城をぶっ壊していたわけだが、修理するのはそこまで難しくはなかったらしい。壊すのが得意な人がいれば、同じくらい造るのが得意な人もいるものだ。
「できたのでして! 魔導機銃! こういうのは得意なのですよ!」
「了解、それじゃあ据え付けちゃおう」
『業壊掌』イグナート・エゴロヴィチ・レスキン(p3p002377)はゴーレム用カタパルトの改造作業にかかりつつ、その防衛用設備にもとりかかっていた。『飛び出すためのカタパルトをぶっ壊せば楽じゃん』はこちらが前にもうった手。敵がやってこないわけがないのだ。
「カタパルトかあ。確かに射出できりゃ、高度を取るのは簡単だども」
完成した人間用のカタパルトの据え付け工事を、『航空猟兵』アルヴァ=ラドスラフ(p3p007360)は仲間達と協力しながら行っていた。飛行できる人間はやはり高所作業に有利すぎる。
「そういや、カタパルトの結界ってどの程度なんだ。できりゃそれも確かめておきたい」
「それはレール式ですか? それともケーブル式?」
綾辻・愛奈(p3p010320)は自身の発案したケーブル式カタパルトをコツンとノックしてみせた。
「……え、なんだそのケーブル式っていうのは」
「ケーブルの根本を360度回転式にしたことでゴーレムの出撃時にケーブルを張るまで加速しソケットから脱落するまでのロックを推進力の貯蓄に使用するもので――」
「わ、わかった。まずは使ってみよう」
「それなら――」
振り返る一同。
『航空猟兵』ブランシュ=エルフレーム=リアルト(p3p010222)がカタパルトによってすごい高度まで放り投げられていた。
「これ、使えるのですよ! 航空用小部隊『蒼穹』の完成ですよ! 空飛ぶゴーレムたちと一緒に戦うのですよ!」
「なるほど、戦闘機動はとれないが高速で展開できるのは魅力だな」
『蒼空』ルクト・ナード(p3p007354)はカタパルトの様子を観察すると、機材を大体手配してくれたハンドレッドとファイへと振り返る。
「これは、既存の技術なのか?」
「鉄帝には前から正式採用されていたね。ギアバジリカ戦で最前線に高速展開するために戦士を専用の大砲に詰めて飛ばすという戦術がとられた」
「既にあったのか……」
「君も勿論使えるはずだよ。それと、『あれ』にもね」
ハンドレッドがにやりと笑い、後ろに控えているゴーレムを見た。
飛行戦闘ユニットを装着したルクトにかなり近いフォルムをしたゴーレムで、ゴーレムというより手足のついた戦闘機と行った様相だ。人型をとるのを諦めたのか、飛行機から脚と手だけ生えるというなんとも奇妙な立ち方をしている。いわゆるガウォーク形態である。
「実用テストの時間はないが……ぶっつけで使えるかい?」
「たまにはそれも悪くない」
ルクトは小さく笑い、空を見た。青く広い、自分の空だ。
「魔術障壁は、こんなところでいいかしらね」
『夜守の魔女』セレナ・夜月(p3p010688)は魔王城の結界を起動させると、テスト用のゴーレムが外側から熱光線を浴びせても空中でとめられることを確認していた。
一体や二体の光線なら大したことはないが、集中されるとさすがに破られるようである。
「人間一人を覆うのとはワケが違うわね。攻撃を無効化するだけの力を全体に行き渡らせるのは無理そうだけど……」
「ごく狭い範囲にピンポイントで無効化結界を張ることで一定時間だけ攻撃を完全にカットする……ですか。素晴らしい発想ですねえ」
『遺言代行業』志屍 瑠璃(p3p000416)がパチパチと後ろから拍手を送った。
そして、増設したもう一つの機能を起動させる。
結界の更に外側に薄い膜を張り、それに触れると反応する装置である。要するに侵入を検知するだけのセンサーだ。これがあれば全方位に目をこらさなくても防衛に集中できるだろう。
●街ブラ番組があるなら魔王城をブラつくのを魔ブラと呼ぶべきだろうか
「魔王城とくら、隠し部屋なんじゃねぇのかい?
今の内にちょっくら探検させてもらうとすっかね
屋内を見慣れた家事のプロなら色々気付けるかもしれねぇ、人生がときめくお片付けの魔法を頼んだぜ?」
『怪人暗黒騎士』耀 英司(p3p009524)がサムズアップすると、『花嫁キャノン』澄恋(p3p009412)がサムズアップでそれに答えた。
「迷子にならないように今のうちから魔王城構内図とかも作れたら楽しそうですね!」
とかいいながら『花嫁御片付術!』つって巨大な石の本棚を三つ指で突いた。ホアタァという声が聞こえそうな速度で繰り出した突きは本棚を壁際まで高速でスライドさせっていうか普通に吹っ飛ばし、隠し通路を露わにする。
「nice hanayome」
さあ、早速魔王城のあちこちに見つかる隠し部屋とその改造っぷりを見ていこう。
「yahahahaha!!!
魔王だろうと何だろうと私の芸術性、グロテスクを拒絶する事は赦さぬ。重要なのはホイップクリームに塗れた現実性とカスタードクリームに仕込まれた非現実性だ。
他に欠かせないのはやはり肉たらしい壁面だろうか。素晴らしい。これは是非とも生徒に『教えたい』傑作だ。私のコレクションも僅か、置いておこう」
『混沌の母』オラボナ=ヒールド=テゴス(p3p000569)は魔王城の隠し部屋の一つをそげえオラボナっぽい部屋に作り替えていた。元の状態よりもっと魔王っぽい。
かと想えば、『華奢なる原石』フローラ・フローライト(p3p009875)は自分の部屋を1680万色に発光する照明器具を初めゲーミングチェアゲーミングデスクゲーミングマットゲーミング絨緞をコロコロ掃除するヤーツなどで一杯にしていた。
「あの戦いは全力を注ぎましたし、悔いもありません。敵対することもなく、例えば遊戯盤を共に囲むことができたなら……そういう感傷と哀悼込みのげーみんぐ魔王城、です」
その一方で『忘却の彼方』アオ(p3p007136)は一つの部屋をにゃんこで埋め尽くしていた。
「にゃんこに囲まれて回復しない子なんている? 魔王城がにゃんこだらけって斬新でしょう?
ご飯やおやつや飲み水、にゃんこタワーやにゃんこ鍋に花摘み場もね! こたつだって用意しちゃうよ!」
ここだけねこをあつめるゲームみたいになってきたアオの部屋。
こんなことすんのはアオだけか……と思いきや。
「れっつ猫さん魔王城。みゃー」
『祈光のシュネー』祝音・猫乃見・来探(p3p009413)がキャットタワーのある部屋を更に猫さん部屋に改装していた。
ていうか元からそこそこ魔王城には猫がいた。猫用の部屋と猫好きさん部屋を隣り合わせたセットにしてキャットウォークや猫ドアで繋げ、ねこと暮らす家ができあがりつつある。魔王城だけど。
徐々に魔王城が愉快なテーマパークに代わりつつあるなか、マジでテーマパークにしようとする面々もいた。
「ふむ。つまりここをハイペリオンさまランド:魔王城リゾートにすればいいんだな!」
「ハイペリオンさまランド――魔王城!?」
勇者伝説のハイペリオンが伝説っぽくいいお部屋にいたらきっとみんなの士気も上がるもんね! とガッツポーズをとるリュコス。
『太陽の翼』カイト・シャルラハ(p3p000684)と『うそつき』リュコス・L08・ウェルロフ(p3p008529)が集まり、なんかすげー設計図(というか夢一杯のらくがき)を広げた。
後ろに正座する姿勢をとっているのは大型バッテリーと化したルナ・ヴァイオレット。
『月下美人の花言葉は』九重 縁(p3p008706)はそのボディをトンと叩いて、膝の辺りに格納されてる工具やなにかを取り出し始めた。
「此処の利点は秘匿性でけが人を匿いやすい所だと思うんですよね。あとすごくワクワクします。
元々居住空間に不便はないそうですので、ベッドなんかはそちらを流用させていただきまして。食料の備蓄も置いて……」
フフンと言いながら部屋を自分用の秘密基地に改造していく。
「秘密基地に必要なもの。分かりますか。そうですね、トキメキです」
一方でカイトたちはかなりデカい庭園を確保して、ドーム状のガワを作るとハンモックや楽器を配置しはじめた。
ハイペリオンランドの中央ドームを摸した作りである。しっかり透明ドームも再現していた。
その隣にはカイトがハンモックですやすやするための部屋とリュコスがぬいぐるみやお菓子や量産型ペリオンを遊ばせる部屋を作ったりしていた。
こんな具合で各自のお部屋作りはとまらない。
『元憑依機械十三号』岩倉・鈴音(p3p006119)は部屋になにもなーい六畳一間の和室を作り、ちゃぶ台と畳と扇風機。ついでに何故か窓がありカーテンレールにちっちゃいピンチハンガーをかけていた。
「下着でゴロゴロしつつ茶を沸かして飲んだり煎餅を食べたりすることで『いつか混沌でビッグになってやろう!』と思える部屋……完成!」
一方で『刀身不屈』咲々宮 幻介(p3p001387)は自分の見つけた隠し部屋をそっと四畳半程度の茶室に改装していた。
畳を外せば囲炉裏。外界から隔絶されたそれはまさに隠れ家である。
「うむ、瞑想するにも便利そうな庵。『秘密の隠れ家』というのは男の浪漫で御座る……楽しいで御座るなぁ」
個室の改装に精を出す者も居れば、広い部屋を作ろうとする『Enigma』エマ・ウィートラント(p3p005065)もいる。
「ふむ、魔王城のリフォームでありんすか。折角なら個室も用意したいところでありんすが流石に無理でありんしょうねえ。なので小集団で寝泊まり出来るように部屋を確保していきんしょうか」
居住性を高めて複数人でのんびりできる部屋をつくるエマ。
そのま隣には『秩序の警守』セチア・リリー・スノードロップ(p3p009573)の部屋。
「まさか魔王城を手に入れるなんて……色々突っ込みたい所はあるけど
イレギュラーズの前に鉄帝人としては手伝わないとね!」
とかいって用意した部屋はまさかの留置場あるいは監獄であった。
鉄格子と最低限の生活設備。
「んまぁ敵を捕まえたりするかもだし、きっと必要になるわよね!」
「私達の秘密基地!わくわくしますわね、マリィ!
一緒に頑張って素敵なお部屋にして、戦いが終わったらトラコフスカヤちゃん達も招待してあげましょう!」
「そうだね! ヴァリューシャ! ここを私達の別荘兼秘密基地にしてしまおう! 素敵なお部屋にしなとね!」
『雷光殲姫』マリア・レイシス(p3p006685)と『祈りの先』ヴァレーリヤ=ダニーロヴナ=マヤコフスカヤ(p3p001837)が今日も幸せそうだった。
ふと見ると、なんかピラミッド状に積み上がってる酒樽。
「休憩中に飲む用のお酒でございますわっ!」
「もぅ…仕方ないなぁ!飲みすぎちゃ駄目だよ?」
やっぱ今日も幸せそうだった。
そして大酒飲みながら作業したせいか最終的に穴あきチーズみたいな部屋ができあがった。
「お酒と毛布さえあれば、案外何とかなるものでございますわー!」
「うん! 私は君と一緒ならどこだって天国さ!」
「カルト教団の構成員たる俺から言わせて貰えば、四天王はキャラ立てが重要だ。一人ぐらいは和モノがいても悪くないだろう?」
と言いつつ『残秋』冬越 弾正(p3p007105)は忍者屋敷要素いっぱいの隠し部屋を作り出していた。
「まず入口は回転扉で素人には気づかれにくい。やっと部屋に気づいて踏み入れば、床には手裏剣が投擲されるスイッチ付きよ!無論、どの畳も家主の意思ひとつで跳ね上がる。これで畳返しがし放題という訳だッ!」
「NINJA-YASHIKI! 流石だな弾正ぶれない」
『冬隣』アーマデル・アル・アマル(p3p008599)は感心しつつ掛け軸の裏にあいた通り穴に身体をつっこみ……そして嵌まった。
「……弾正」
「こ、これは……」
雨に濡れた子犬みたいな目で見上げるアーマデル。
「ということで私達の居住区を作ろうぜルナール先生!」
「うん??? 此処に俺ら夫婦の居住区を作るのか?」
苦笑する『紅獣』ルナール・グリムゲルデ(p3p002562)と微笑む『月夜の蒼』ルーキス・グリムゲルデ(p3p002535)。
二人は自分好みの部屋を作り、そこに目印をつけることにした。
「目印か…うん、いっそ壁に絵でも描いておけばいいんじゃないか?」
「じゃあ任せる」
ルーキスが後ろで見ていると、なんかファンシーな物体がペンキで描かれていった。
「よし、いつもよりはちゃんと鳥と犬が書けた気がする」
どうだ? と振り返るルナールの頬にはペンキ。ルーキスは笑って、手を叩いた。
「ここがあの魔王の元ハウスだな! 防衛設備とか丸々生きてるし、拠点としては十分だろう」
「変形機構ほしいよね! 巨大レールガンになってもいいしさー。それにだよ、巨大建造物でロボだよロボ。よくね?」
「よくない」
「よくないの!?」
『戦神護剣』紫電・弍式・アレンツァー(p3p005453)と『音呂木の巫女見習い』茶屋ヶ坂 戦神 秋奈(p3p006862)が二人並んで腰に手を当てていた。自分のっていうか、片腕は相手の。おかげで妙に前衛的なポーズになっていたが。
「ちっさいお社立てたる!!!!!!」
「えっ」
「紫電ちゃん手伝ってー! てーつーだーってー!」
「わかったわかった。まあ確かに最後のセーブポイントっぽいけどさぁ!」
そんなこといって本当にちっちゃいお社を魔王城の中に建てた二人。
ちょうど隣の大きな部屋は図書館になっていた。
「コホン」
『輝奪のヘリオドール』マリエッタ・エーレイン(p3p010534)が何かを仕切り直すように咳払いした。後ろからじーっとみてるポポッカ。
「魔王城…もといローレットに図書館を作って、知識を得る場を作る…というのはとても大事なこと。
様々な知識を備え、学ぶことで精霊さん達も今以上にもっと効率よく動けるはずです」
「この図書館は本を読む為の場所だから、二つ、ルールがある。
まず、図書館では静かにする事。読書の邪魔になるからな。
次に、本がもし破けたり、属性の力で本が汚れたりしたら正直に話すことだ」
「税金で買った本かなにかなんです?」
フラペペの呟きにスッと手を上げてこたえる『焔王祈』ムエン・∞・ゲペラー(p3p010372)。
『ドラネコ配達便の恩返し』ユーフォニー(p3p010323)はドラネコたち(主に山口さんあたり)に手伝ってもらいながら、城に運び込んだ本を棚にさくさく収め、ドラネコのソアが運んできた本のラックに手を置いた。
「この辺の風通しをよくすると精霊さんたちが過ごしやすそうですね。窓をあけて……あっ、土と草も欲しいそうです。中庭から繋げるのはどうでしょう?」
ユーフォニーの頭からはえる青い花。
「悪くないな。この辺りに仕切りを作りたいんだが……」
『黒鎖の傭兵』マカライト・ヴェンデッタ・カロメロス(p3p002007)は図書室の隣になるように会議室をしつらえていた。
「栄枯盛衰は世の常だが、支部にするとなるとなんとも言えない気持ちになるな……ラスボスの拠点乗っ取って好き放題改造するってことだし。エンドコンテンツか?」
できあがってみた図書室は天井まで何段も本棚が積み上がった渋くてかつ前衛的なもので、年季の入った木製のアンティークテーブルが等間隔に並び天井画とシャンデリアがそれを飾っている。
そんな落ち着いた部屋がある一方で、娯楽室を作る面々もいた。
「かなり広い娯楽室と遊技場はあるようだが、このままでは少々使い勝手も限られてくるか? 少人数で集まって遊べるような場所もあっていいだろう。さて、どうするか」
『シンギングトード』ガマ・グランザ(p3p010489)はそんなことを言いながらカラオケルームやダーツ場といったパリピがワンセットで遊びそうな施設を集合させていた。
案外やればできるもんで、『銀月の舞姫』津久見・弥恵(p3p005208)がそこにダンスが踊れる程度の広いステージを備え付けている。
「風雲!夢心地城をリフォームするのじゃ」
『殿』一条 夢心地(p3p008344)が勝手に名前をつけながら、コンサートステージにできるようにも改装を施している。
「いざと言う時には光と音が洪水のようにグワーー! ダンサーとシンガーがウェイウェイウェイウェイできる場所に様変わりじゃ」
その一方。
「俺達の手で魔王城をいじれるなんてワクワクするよな」
「この地には今まで縁が無かったが、私の力が役立ちそうともなれば、手を貸すのもやぶさかではない」
そんな娯楽室のすぐ隣に医務室ができあがっちゃうあたりが、ローレットの不思議なところである。
『61分目の針』ルブラット・メルクライン(p3p009557)と『カーバンクル(元人間)』ライ・ガネット(p3p008854)は協力し合って医療設備を部屋に詰め込み、重症者が出たときのためのベッドも沢山並べていた。
もし大きな戦いが起きても、ここに負傷者たちを運び込んで安全に治療することができるようになるだろう。
「ところで、魔王城という名称は今後も用いるつもりなのかね? わざわざ邪悪な名称を使い続けなくとも……」
「風雲夢心地じょ――」
「まあ、みんな喜んでるしいいんじゃないか?」
「そんなものでしょうか……」
『ドラネコ保護委員会』風花 雪莉(p3p010449)は伝声管の蓋を開きノックしてみる。
元々魔王城にあったものらしく、簡易的ではあるがいくつかの場所に声を通すことができるようだ。
繋がっているのは医務室から中枢モニタールームのみ。だが、非常時に使用するのであれば充分過ぎるだろう。
パタンと蓋を閉じる雪莉。
「それではゴーレムを使った搬送テストを始めますね。まずは……」
「『滋養強壮栄養補給の特製カレー鍋常設の臨時食堂』とか『いい感じの毛布が大量供給される仮眠室』とか『プライバシー絶対防衛線が引かれているかのようなガードの固いシャワールーム』とか『会議中のメンツにお紅茶とかお珈琲とかお魔剤(エナジーなドリンク)とかをサーブ』したりとか――!」
『刹那一願』観音打 至東(p3p008495)が気合いを高めに高めていた。実はこのうち八割くらいは仲間達が個別にゴリゴリ進めていたので結構実現しつつある。至東は残りの二割に理想を詰め込むだけでいい。
そして理想とは、往々にして表面に出る。
「あおーん! ボクこう見えて結構手先は器用なんだよ?いつも銃のお手入れをしてるからね、細かい作業は好きなんだ」
「魔王の城を支部にしちゃうなんてローレットも凄い事してるよね。これからは勇者たちの拠点として生まれ変わらせてあげなきゃ!」
『( ‘ᾥ’ )』リコリス・ウォルハント・ローア(p3p009236)と『正義の味方』ルビー・アールオース(p3p009378)が壁紙や旗をデザインしていた。
『最果てに至る邪眼』刻見 雲雀(p3p010272)はそうした壁紙を適切に配置できるように図面をかき上げているところだ。仲間達の『あれもやりたい!』の間をとる重要な作業である。
「施設の充実はとても重要だよね。拠点の快適さが今後の戦果を分けると言っても過言ではないし」
かくして魔王城にはローレットを示す旗がたなびき、でかい部屋に巨大な( ‘ᾥ’ )が描かれた。
バランスのとりかたよ。
こうして一通りの設備や個室がそろった所で、『フリースタイルスナイパー』コヒナタ・セイ(p3p010738)たちは広い安眠部屋を整えていた。
リネン室からもってきた布団をしき、交渉して安く仕入れてきたハーブをたく。
「ふにゃー……一生ここにいたい……」
「名付けて、『人をダメにするベッドルーム』」
『黄金の旋律』フーガ・リリオ(p3p010595)がフッとシニカルに笑い、そのまますぅーっとお布団のなかに入っていく。
ふかふかな寝具類とかは(驚くべき事に)魔王城に元からあって、状態がよいのでいっそのことここに集めていた。一度鉄帝国まで降りてとってくる必要がなくて本当によかった。
「あぁっ、コヒナタさんがさっそくダメなっています」
『特異運命座標』佐倉・望乃(p3p010720)が大成功ですねと自慢げに腕組みをする一方で、『悪戯幽霊』クウハ(p3p010695)は悪戯グッズをそっと仕掛けたりしていた。
「レディが作った縫いぐるみ、可愛くていいよな。なんだよ、男が可愛いもん好きじゃおかしいか?」
もしこの先の戦いを乗り越えることができたなら、ここで目一杯だらだらすればいい。
それがきっと、平和を守るということなのだろうから。
●エーデルガルトを進め
魔王城の改装が順調に進んだ一方で、もう一つの防衛拠点となったエーデルガルト遺跡には特務派の軍人たちが詰め、軍務派の人間達となにやら話し合いをしている様子だった。
「魔王城とは違うけれど、重要なものが安置されてるのよね。あれは矢? 綺麗ね。古代の武器かしら」
『夢語る李花』フルール プリュニエ(p3p002501)がそんなことを言いながらバリケードを並べていく。
『ヴァイスドラッヘ』レイリー=シュタイン(p3p007270)はその一方で、魔王城から搬送されてきた防衛用のゴーレムを配置していく。
ゴーレムに任せるのは主に警備と通報。そして時間稼ぎだ。
「お世話は任せて」
量産開発にもなにげに携わっていただけあって、レイリーの手際はかなりのものだ。
「これだけモノがあれば充分な防衛ができそうね」
『天才になれなかった女』イーリン・ジョーンズ(p3p000854)は『責める側の気持ち』になりつつ遺跡の防衛設備を整えていく。
「ペリカ! 貴方ならこの要塞をどう突破する?」
「……こうだわさ」
『総隊長』ペリカ・ロズィーアン(p3n000113)が拳を突き出すような仕草をしてから、イーリンの書いた図面に線をひく。
そしてイーリンはぺちんと額に手を当ててから図面をひきなおしていた。
なんだか二人にしかわからないような高度なチェスゲームが行われているらしく、それゆえに防衛における穴は塞がっていくわけである。
そしてもう一つの重要な案件。それは、『紅冠の矢』の存在であった。
頭を使うことに長けた特務派たちは『フロイライン・ファウスト』エッダ・フロールリジ(p3p006270)の采配によってかなりの数が配置され、トップの失態と従順によって左遷されると思っていたであろう特務派の軍人たちはここを起死回生のチャンスとみて必死に頭をはたらかせている。
パトリックに直接ついていた副官クラスのエッボ。そして裏でパトリックの利になるよう動けた影の副官にあたるオーリー・バイエルン。更には(特務畑にとっては)そうそうたるメンツが仮設テーブルを囲み顔をつきあわせているのだ。
なぜここまで特務派が頭を回すかといえば、軍務派の連中がまるで頭をつかわないせいでもある。
「矢なんだから飛ばすはずでしょ! どーんって! こう、地面とかに投げるのよ!」
「セレナさぁん……」
ミーティングをふんわり影から仕切っていた『合理的じゃない』佐藤 美咲(p3p009818)がビミョーな顔をする。
(私の素性を知りながらそれを言えるとは。…大佐のことだ。恐らく解った上で私に見せているんだ。鉄帝を敵に回すリスクを)
軍務派からはこうした脳筋な視点が、特務派からはよりグローバルな視点が提示され、エーデルガルト騎士団はその中間といった具合だ。
「クレカさん。どう想いますか?」
そんな中で、『愛知らば』グリーフ・ロス(p3p008615)は『境界図書館館長』クレカ(p3n000118)に視線をやった。
連れてきた理由は主に、アーカーシュとアーカーシャが類型種であるという視点から、アーカーシャ管理人であるクレカの意見を求めるためだ。
クレカは暫く話を聞き資料を読み終えたあとで、『よくわからなかったけど、すごいものだね』という意見を述べた。
非常に漠然とした形容だが、グリーフにはこれの意図するところがわかる。
「アーカーシャのシステムから見ても異質で、かつ強力なもの……ということですね」
となれば、やはり現実に対してなにかしらの力を行使する設備。あるいは……。
「兵器、だろうな」
『天駆ける神算鬼謀』天之空・ミーナ(p3p005003)の言葉に、古代獣『樹の角と顔』がぱちくりと瞬きをした。
「そしておそらく、これは単体で動くものじゃない。『矢』の形容が正しいなら、『弓』にあたるものがある。
そして矢は一本だけではありえない」
ミーナの言葉に、場に緊張が走った。
小さく手を上げたのはグリーフだった。
「でしたら、もう少し探索を進めてみませんか。たとえば、矢が収められていたスペースに隠された収納スペースがあるかもしれません」
「予備弾か。ありうるな」
二人は頷き、集まったメンバーと共に調査を開始。すると――。
「『紅冠の矢』がもうひとつ見つかった? そうか……やはり、あれは弾丸であったか」
軍服を纏い、帽子を深く被った『フロイライン・ファウスト』エッダ・フロールリジ(p3p006270)――いや、エーデルガルト大佐。
彼女の前には、オーリー・バイエルンが立っていた。
「貴様がこの『矢』を狙った理由は、パトリックにとって大きな利益になると踏んだため、だったな?」
「いかにも……ですが、パトリック『元』大佐が古代の文献から見つけた断片的なリストに場所が記されていたからでしかありません。重要であるという以外に、私はなにも知らないのです」
「それで、情報を知っているであろう『樹の角と顔』の捕獲を求めたと。実にやりそうなことだ」
エッダもといエーデルガルトは目を閉じた。あのいい顎をした男と盤面をはさんで向かい合い、チェスをさしあうさまを空想する。
さしずめあの手はギャンビットだ。こちらを動かすための手であり、こちらを焦らせるための手。エッダもエッダでカードをきり、手の内を先に明かすことになった。主導権は相手にあった。あったはずなのに……。
「途中で盤を薙ぎ、拳に訴えてしまうなど。つまらん旧鉄帝思想だ」
「は?」
「なんでもない。こちらの話だ」
エッダは椅子から立ち上がり、懐から一枚の手紙を取り出した。皇帝のスタンプがおされたあの手紙だ。
「情報を総合するに、『矢』をパトリックに渡すわけにはいかん。おそらくこれは切り札だ。いまここにある『二発』。これを奪われさえしなければ、相手が使うことを阻止できる。問題は相手側にどれだけあるかだが……」
「今すぐ攻め込んでこないのです。『一発』はあるとみて良いかと」
「だろうな。で、あれば……ここは『神翼の勇者』に働いて貰う場面かな」
こちらの手元にあるカードは限られている。相手の手札もまた、限られている。
出し惜しむ暇はないだろう。おそらくここが……。
「鉄帝の未来を決める勝負になる。覚悟しておけ」
成否
成功
MVP
状態異常
なし
あとがき
●魔王城に増設された部屋
・フードコートとサヨイーツ
・増設発電所
・屋内農場
・大きいお風呂
・人をダメにするベッドルーム
・図書室&会議室
・医務室(ベッド沢山)
・娯楽室(オールインワン)
・ゴーレム量産工場
・中枢モニター室
・伝声管(中枢モニター室といくつかの主要施設の間のみ)
・無数の専用部屋(詳細は省く)
●魔王城に増設された防衛設備
・大量のトラップ
・なんかすごい主砲
・飛行ゴーレム用カタパルト
・人間用カタパルト
・魔術障壁(ごく狭い範囲で攻撃無効化バリアも張れる)
・侵入検知用センサー(交戦距離にはいった対象を検知するのみ)
●エーデルガルト遺跡での成果
・防衛能力をかなり増大。
・『紅冠の矢』のスペアを発見。二発分が手元にある状態に。
GMコメント
●おさらい『エピトゥシ城』
アーカーシュにて、ローレット魔王城支部が爆誕しました。
後詰めの城というだけあって過去攻め込まれた形跡が(前回のローレットによるものを除いて)なく、クローンたちも時期の前後こそあるものの最近になって目覚めたばかりなのでそんなに割と状態のよい新築物件です。
というわけでこの『エピトゥシ城』を拠点として利用できるように改築あるいは模様替えしましょう。
主な方針は以下の二点となります。
・古代獣やゴーレムが攻め込んできた時に迎撃できるように城の防衛能力を高める。
・今後拠点として活用しやすいように過ごしやすい空間にしておく。
これに加えて、ちょっとだけ毛色の違うパートもご用意しています。詳しくはパートタグ解説で。
■■■プレイング書式■■■
迷子防止のため、プレイングには以下の書式を守るようにしてください。
・一行目:パートタグ
・二行目:グループタグ(または空白行)
・三行目:実際のプレイング内容
書式が守られていない場合はお友達とはぐれたり、やろうとしたことをやり損ねたりすることがあります。くれぐれもご注意ください。
■■■グループタグ■■■
一緒に行動するPCがひとりでもいる場合は【コンビ名】といった具合に二行目にグループタグをつけて共有してください。
■■■パートタグ■■■
このシナリオではいくつかのパートから選んで行動することができます。
実質的には他のパートの手伝いとかもリプレイ描写外でちゃんとできているものとします。
なので、一番描写して欲しいなーと思うパートをここでは選んでください。
【迎撃準備・外】
この先パトリックの支配するアーカーシュのゴーレムなどが攻め込んできた際、魔王城に迎撃設備を配置あるいは修復しましょう。
こちらのパートは魔王城の外に向けた防衛設備です。
今のところ足りていないのは以下の通りです。
・城の対空防御を固めるための魔導機銃が半数ほど半壊。一部は全壊。
・防衛ゴーレム発進用のカタパルトが全壊。
・防衛用の障壁が展開不能。修復には知恵者を何人か割り当てる必要あり。
・空きスペースがかなりあるので、その他新たに設備を建造・追加する事が可能。
【迎撃準備・中】
この先パトリックの支配するアーカーシュのゴーレムなどが攻め込んできた際、魔王城に迎撃設備を配置あるいは修復しましょう。
こちらのパートは魔王城内部に入られた際の防衛設備。主に罠とかです。
大量のトラップを設置可能です。既に設置されているものを修復し補充してもいいですし、新たに作ってもいいでしょう。
バリア床、灼熱床、凍結床、ダートトラップ、灼熱トラップ、落とし穴、アラームといったものが既に設置されています。(大半は皆さんが踏破したことで故障あるいは弾切れしています)
【設備復旧】
魔王城に攻め込んだ際に電力供給をカットしたり重要施設のいくつかを破壊したりしました。
拠点化するにあたってこのままだと不便なので、色々な設備を復旧しましょう。
発電所、物資製造所、食堂及びキッチンなどが主なポイントです。他にも細々したところが足りなかったりするので調査してみましょう。
また、魔王城内にあった『ゴーレム整備場』も故障しているので復旧することで使えるようになります。
【リフォーム】
魔王城をローレットの拠点にするべく居住性を上げましょう。
オシャレな家具を置いたり一部の部屋を自分好みに変えたり、便利な道具を運び込んだりできます。
部屋は沢山あるので自分用の部屋を作るのも良いでしょう。
ちなみにすごい広い娯楽室がありサッカーを2試合くらい同時にでき、ゲーセン並の広さの遊戯室もあります。
一応重要施設は共用とします。一個ずつしかないので。
ここの居住性をあげておくことで、次の戦いで負傷者を運び込むなどした際の回復速度、復帰率、生存率などが上昇します。
※追記:さっき確かめたら『玉座の間』がバージョン違いでいくつもありました。『玉座の間(梅)』とか『玉座の間(ハードパンク)』とか『玉座の間(ぬいぐるみ)』とかです。
【エーデルガルト】
ちょっと話は変わりますが、鉄帝軍特務派が占拠していた遺跡のひとつに『ジーク・エーデルガルト』というものがありました。
エピトゥシ城ともショコラ・ドングリス遺跡とも違うこのポイントを奪還すべく少数精鋭で挑んだイレギュラーズはその活躍によってポイントを奪還ガルトしました。
この場所には『紅冠の矢』なるアイテムが一個だけ収められており、パトリックにべったりだった特務派オーリー・バイエルンが焦って手に入れようとしたものだと推測されています。
これがどういうものかさっぱり分かっていないので、この場所から動かすことすら危険です。
更なる兵力が投入されこれが奪われるということがあれば、おそらくパトリックの利になる筈。この遺跡を防衛拠点にすべく、拠点構築を行ってください。
魔王城と同じく自由にカスタムでき、エーデルガルト騎士団の兵力も配置することが可能です。
ちなみに裏口である縦穴と水路はカンペキに塞ぐので、正規ルートでの防衛が可能です。
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