PandoraPartyProject

ギルドスレッド

足女の居る宿

灯が消えた宿

闇の帳のその向こう。
湿った石畳と酒気と汚濁の匂い。

狂おしい時間が過ぎて夜も眠りに入ったその時間。
灯が消えた宿の鍵が開いている。
扉をくぐれば水の様に張り付く闇の向こうの薄明かり。
その先で、少女のような形をした人形があなたを待ち受けていた。

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(部屋の中は外と同様に暗い。テーブルにしつらえられたキャンドルは互いの顔が見える程度の光しかもたらさない。
また、部屋には甘く爽やかな香りが満たされていたが、その香りのヴェールをはぎ取ればきっとここも外と変わらない、否、もっと濃厚な「病的に狂おしい惨事」が繰り広げらえた匂いがするのは違いなかった。)

―――。

(その部屋で、少女は水の入ったグラスの縁を指先で撫でていた。
ゆわん、くわん、と白い指先によって気まぐれにグラスが啼く)
(ぎこちなく開かれた扉。覗く顔……否、仮面に続き、大柄な身体が滑り込むように扉をくぐる。
表情は窺い知れない。いや、顔など見えずとも分かりきっている。張り詰めた筋肉が、身体を、声を震わせる。)

…………や、やあ。

(緊張した低い声。気の利いた挨拶には、程遠いか。)
ごきげんよう。
(来客に反応してか、長いまつ毛が蝶の翅の様に上下する。
少女は緩慢な動作でグラスから指を離し、それ以上の緩やかさで椅子から腰を上げた。
相手とは対照的なほどの緊張感の無さだ。
まるで、親しい友人を相手にするかのような、若しくはその様に振舞って相手との距離を詰めようとするような)

どうぞ、おかけになって。
御用があって、いらっしゃったのでしょう?

(そう丁度自分が座っていた椅子の対面にある椅子を引いて、ジョセフに示す。
闇の中では一層目立つ薄く光る蝶の髪飾り―夜光蝶セレーネ―が誘う様に揺れた。)
(後ろ手に扉を閉じつつ、仮面の下で呼吸を整える。このような時、仮面はいつでも彼の助けになった。
深く息を吸って吐く。『なにも疚しい事をするつもりで来たわけではないではないか』と、何度も己に言い聞かせる。
落ち着いた礼拝の所作に、微かな劣等感を抱きながら。)

あぁ、こんばんは。お邪魔するよ。
……実は少し、君と話してみたかった。沁入 礼拝。君という一個人に、その…………興味が湧いてな。

(軽く会釈をして、努めて落ち着いた足取りで礼拝に歩み寄る。仮面は真っ直ぐ彼女の方に向けられている。少なくとも、仮面は。
そして、促されるがまま椅子に腰掛けた。)
ま、あ。それは光栄にございます。
私の如き肉人形。人や魂ほどに輝かしくもないものですが、それに触れてみたいと仰るなんて。

(ぼうっとした表情で固定されることが多い少女であるが、薄明りの向こうで僅かに笑みの気配が濃くなる。
ジョセフが席に座ったのを確認すれば自分もまた、元居た席に戻っていく。
距離を詰めるのは後でいい。今はこのお互いが手を伸ばせば届く程度の距離で)

なにを、お知りになりたいのですか?
この時間にいらっしゃって、まさか、私の「モールド」をご覧になりたいという訳ではございませんでしょう?

(仮面の向こうの様子は知れない。
だが、本来人間の顔であれば瞳がある部分に真っ直ぐ視線を向けて問うた。)
謙遜することはない。
大切なのは人格。それを形作る思考。行動。そして、繋がり。

(軽く、安っぽい音を立てて仮面のパーツが下部へスライドし、口元が開放された。
そして口角を持ち上げ、歯牙を晒して、礼拝に笑みを返す。行儀良く並んだ白い歯列が、キャンドルの薄明かりに照らされ鈍く光っていた。)

なにを、か。そう、そうだな……。
先ず、この私について説明させて頂こう。
私は異端審問官。異端を暴き、責苦を齎し、正しき道を示す秩序の守り人。痛みで肉体を縛り、恐怖で精神を縛る。
医師が癒やすために肉体・精神を紐解くのなら、我々はその逆。破壊するために肉体・精神を紐解いてきた。

故に!(興奮した面持ちで……いや、素顔は見えない。兎に角、上体を乗り出した。)
私は君に興味を持った。君……肉人形は医師とも、審問官とも違う。しかし、肉体・精神に触れるものなのだろう?
如何にして触れる。如何にして惑わす。如何にして……誘ったのだ。
(ぱちり、とそんな音がしそうなほど大きく目を見開き、瞬いた。
段々と大きくなる言葉尻に驚き、ぽかんと開きそうになる口元を軽く指先で押さえている。
語られる内容の狂信的な熱に腹の底に冷たいものが落ちるような感覚を覚えるが、それを務めて飲み込んで)

罪人の悔悛は困難なものでございます。
なればこそ、ジョセフ様のような方が必要とされるのでございましょう。
精神と肉体の破壊など、耳にするだけで恐ろしい事でございます。
しかし、秩序を、光を守るための尊い行いであったのですね。

(そして、少女は、人形は目を伏せてジョセフから視線を逸らし)

……それは、本来、ご友人に直接尋ねられるべきことであると、ジョセフ様は理解しておられますか?
ええ、ええ。責めるつもりはございません。
大切なご友人の事ですもの。何かあっては一大事。ご心配される気持ちは十分にわかります。
ですけれど、触れて、惑わし、誘うだなんて。
「そういうこと」をお知りになりたいのでしょう?

(再び視線がジョセフへと向く、その瞳に「肉人形」に相応しい意志の希薄さ、「組み伏せやすそうな少女」の不安定さはない)
あなた、あの人を抱きたいの?

(――そこに居るのは、意思を持った女だ)
(唇が震える。
仮面は再び堅く閉じられ、直後、悲鳴を押し殺したような呻き声が漏れ響いた。)

ぐ、うう、ゔううぅぅ……!

(目が眩む。肉体が熱を帯びる。ふつふつと、血液が沸騰する音が聴こえるような気すらもする。
目の前の少女に掴み掛かり、あるいは、殴り掛かりそうになる腕をなんとか抑える。爪を立て、痛みで衝動を紛らわせながら異端審問官は思考した。
これは憤怒か。羞恥か。)

……止せ。止し給え。あまりふざけた事を言うと、私も何時まで冷静で居られるか判らないぞ。
私は聖職者だ。この身は純潔。機能を棄て去ることすらも……いや、これは未遂。阻止された。気にしないでくれ。
兎も角、私は我が友を愛している。友人としてな。断じて、断じて、そのような卑しい肉欲を友人に抱く、など、と……。

(声が震える。思考が乱れ、言葉を続けられなくなる。
どんなに口で否定した所で勝ち目などまるでない。ましてや、暴力など。軽率な問い掛けをしてしまった。その時点で。)
(来るかもしれない衝撃に備えて強く歯を食いしばった。
顔色がうかがえないという事はこれほど恐ろしいという事か。
読みにくい。
怒るのか、動揺するのか、その怒りは急激に沸騰し何処へ向かうのか、わからない。
今は、恐らく耐えた、耐えてくれた、まだテーブルに座っているつもりでいる、はず。
悟られぬように小さく深呼吸をして表情を固定する。
相対しているのはあの闇に浮かぶ赤三日月と「同じ」異形であると強く意識する)

ジョセフ様、貴方様はあの方の「特別」になりたいのですね。

(声が震えなかったのは僥倖だ。
言葉に置いて優位を取っているように見えるが、それは暴力が差し挟まれれば容易く消え去るもの。
故に、痛みの恐怖を、怒りへの怯えを見せてはならない)

……まず、私の機能に関しまして、ご説明いたしましょうか。
誤解を恐れずに言うのならば、私は安全に「神」(人)を零落させる道具でございます。
その為に、きっと、あの方が「原典」から「物語」に落とされる以上の時間と文化がこの体に。
その機能を持つ道具は無数にございますが、私が負うものはその中での「最高峰」その一角。

(嗚呼、と大げさに嘆きの声を上げ)

なのに、私をまるで無理やりその枠にはめられた少女の様に扱われた、だから、だから、私……。
誘いました。出来ると思ったので。
(「特別」。そうだ。そういうことだったのだ。
己がここまで足を運んだ理由、そして軽率な問い掛けの意味が、やっと腑に落ちた。
理解は異端審問官の精神に僅かな平静を齎した。皮肉にもそれは、その精神を強く掻き乱した相手のお蔭なのだ。)

君は……察しが良い。大変助かるよ。皮肉では無いよ。本心からの言葉だ。

(息を吐き、居直る。背凭れて胸を張り、威圧的に腕を組んだのはせめてもの反抗のつもりだ。)

なんとも、まあ、冒涜的な。
君も、君を創り出したものも、全て、何もかも。私の知識理解の範疇を超えている。積み重ねられたものが全く違う。未知の領域だ。
全く。君と出会ったのがここ、無辜なる混沌で良かった。……無論、私の故郷では君のような存在は産まれ得ぬ。我々がそれを赦さない。

(話が核心に、己が最も知りたかった領域に近づいてきた。仮面の下で唇を強く噛む。
相槌を打つべきか。先を促すべきか。邪魔立てせぬよう沈黙するべきか。主観的には暫し、客観的はほんの一瞬、逡巡する。
そしてやはり、好奇心には抗えなかった。)

……誘った……のだな。
それで、どうなった。
「神」(人)がそれを望まれたのです。
ジョセフ様の役割が正道以外の否定であるならば、私の役目は肯定。
強制する力もない、ささやかな……一時の慰めでございます。

(ジョセフの言葉から混迷にも似た怒りの気配が薄くなる。
薄暗がりの向こうで見える姿勢は未だ威圧的なものであったが、少なくとも「致命的な事態」を遠ざけることは成功しつつあるとみて良いだろう。
しかし、語る口は止めてはならない。
指先の惑わしも、視覚による誘いも今は逆効果になるに違いない。この唇、この精神のみが唯一の寄る辺。)

多足であるのが好みだと、あの大きな三日月に飲み込まれたりだのと……。
私とあの方の攻防は、些細な事でございますわね。
ええ、ええ、結論を申し上げましょう。
あの方は私に「興味」をお示しになられました。
「物語」を育むのがお好きだそうで、私に「望み」を尋ねられて。
だから私はこう言ったのです。

(もったいぶるように一拍置いて、息を整える。
恐怖をねじ伏せ、もう一度目の前の相手に向かって言葉の刃を振りかざす)

「あなたを、だきます」と。
(息を呑む。手が仮面に伸びかける。
が、抑えた。
腕を組んでおいて良かった。そうしていなければ、抑制することは難しかっただろう。暴力よりも、何よりも、この仮面への依存は強い。
どのような表情をしているのだろう。自分でも判らない。暑い。息苦しい。新鮮な空気が欲しい。仮面の口元を開放したい。
駄目だ。駄目だ。ほんの少しの隙も見せたくない。)

……されど我等『物語』は傾倒せず、物語を育む愛。筆は幾本でも在るのだ。

(聞こえるか、聞こえないか。低く、抑えた声。礼拝に聞かせたいのか、己に言い聞かせているのか、曖昧な呟き。友の模倣。)

成る程。成る程。我々……君と、私は同じだ。平等なのだ。傾倒はない。我が友は……そういうものなのだ。
だから……だから私は、特別になりたい。より多くを。より、深く……より……。
……なんと、欲深い。
そうでしょうとも。
だから、私は愛情比べがしたいのではございません。

(この宿はその特殊な用途の為に、外へも中へも音が漏れにくくなっている。
だからこそ小さなつぶやきであっても聞き取ることが出来た。
そして、それに続くジョセフの戒告のような言葉の羅列に僅かに目元を鋭くする)

真に神の愛ならば、平等でございましょう。
しかし、あの方は、もはや神ではございません。
――貴様の眼前に在るのは『枠に嵌まった』人間だ。
そう、ご自身で仰るほどに「人間」なのでございます。
「人間」であれば、平等など、不可能でありましょう。
平等な「愛」など、「無関心」の裏返しなのですから。

(じとり、首筋に嫌な汗が流れる。
腕組したままの相手は、以前動揺した時に晒したように仮面に触れる動作を見せない。
どの程度に揺さぶれているのか、深度が見えない。続く言葉を飲み込むか、吐き出すか。
一瞬の内に様々な結論が脳裏を過り、奥歯が小さく震えた。)

……ジョセフ様。
「物語」(神)を零落させる方法にご興味はお有りかしら?
は。
君、それは……本心からの言葉なのか?
私の機嫌を取るために、私が好むであろう、望むであろう言葉を選んで、繋げて、発しているだけなのではないか?
そうでもなければ、君の言葉は余りにも……都合が良い。良すぎるのだ。余りにも。

(しかし威圧的な口振りとは裏腹に、身体の力は抜けてゆく。筋が解ける。緊張が弛む。その次に訪れたのは、小刻みな震え。
固く組んだ腕が弛み、無骨な手がぱたりと腿の上に落ちた。)

くそ。…………いや、失礼。
しかし、枠に嵌まった人間だと、言ったのか。我が友が。
あぁ……、何ということだ。私の思い違いで無ければ、それは、元は、私の言葉だ。

(もう駄目だ。耐えられない。苦しい。暑い。
仮面に手を伸ばし、パーツとパーツの隙間に爪を立てる。手を使わずとも口元は開放できる。だが、もどかしい。抉じ開けずにはいられなかった。
俯き、普段より重く感じる仮面を、頭を両手で支え、新鮮な空気を貪り吸う。喘ぎ声が口から漏れる。抑制する余裕は最早何処にも残されていなかった。)

「物語」を零落させる方法、だと?……興味が無い訳がないだろう!!なんて、なんて罪深い。欲深い。浅ましい。情けない。だが私は、もう、抑える事が出来ん。
どう……どうすればいい。なにをすればいい。必要なものは。私にも可能なのか?
話せ。語れ。教えろ。教えてくれ。

頼む……。
(なるほど。僅かな引っ掛かりが氷解したことで、胸中でのみ大いに頷いた。
「『枠に嵌まった』人間だ。」とは、あの巨大な影の言い様として少々異質だ。
しかし、それが他の物語からの引用であるならば納得ができる。
そして、それほどまでに目の前にいる『物語』に傾倒しているのだと思えば唇の端が上がるのを抑えるのに苦心した。
脳髄に設えられた機能を使って交感神経の働きを抑制しなければならぬほどに)

「物語」を「人間」へ落としたのは、ジョセフ様。貴方ではございませんか?
手垢がついて「原典」に相応しい神秘を失い「娯楽」へと堕とされた「物語」、更に混沌によって人の法則が適用される肉体が付与されれば何れ「人間」は芽生えましたでしょう。
「精神」とは器によって変容するものです。
ですが、大規模召喚の時にあの方が「発生」したとして、「人間」という認識を持つにはあまりに早い。

(そこで一旦言葉を区切り、弄んでいたグラスに入っていた水を一口飲む。
このままでは声が枯れそうなほど乾いていた口腔を湿らせ、もう一口と望む本能をねじ伏せ、グラスを置く)

……平等の、「神」の視座を持つのは「物語」でございます。
しかし、これを切り離して「人間」にしてしまうのは不可能でしょう。
あの方は「その様に」生まれたのですから。それを変えるのは鳥を犬にするようなものでございます。
ですので、我々が行わなければならないのは「人間」の開拓です。
私は今、ジョセフ様と巡り合えた事に感謝しております。
なにしろ、貴方様こそが、私の望みの偉大な先駆けなのですから。

「零落」その第一歩は見つめる事です。
観察し、その一挙手一投足に「人間的」な意味を持たせることにございます。
今まさに、ジョセフ様が行っている事。かつて、人々があの方の「原典」に行った事。
「精神」いいえ、むしろ「在り方」というものは観測するものによってゆがめられるものなのです。
そう、人は知らず知らず、相手の瞳に映る自分を見てその様に合わせる……それが親しい人間であるならば猶更。
これは、罪深くも浅ましくもない、ごく自然な事。そうでございましょう?
……私が……落とした?

(面を上げる。そして、仮面を支えていた両の手を見る。勿論、そこに答えなど有る筈がない。
次に、薄暗がりの向こう側の礼拝を見る。姿を、挙動を、唇を。仮面の下で目を凝らす。そして耳を澄ます。何らかの託宣を受け取ろうとする者のように。
礼拝の言葉を黙して聞き、己の中で咀嚼する。ゆっくりと。残念ながら、この男は知性的な人物とは言い難い。直感的で直情的。故に狂信者たり得たのだ。)

……観測するものによって歪められる。成る……程。
私自身、少なからず、心当たりはあるかもしれない。

(そっと、右手で仮面を撫でた。
観測を阻害するもの。或いは、誘導するもの。既存の在り方を隠し、新たな在り方を再構築するために選び、身に付けた補助具。)

ごく自然なこと。つまり、私は、赦されても良い……のか。
しかし私は……単に、物語の原典を知らなかっただけだ。あれらは私の世界には存在しなかったもの。いや、過去には存在していたのかもしれない。
何にせよ、単純に無理解だっただけさ。そんな……偉大な先駆けなどと……。

(恥じ入るように仮面が俯く。
右手はなおも仮面の顎の辺りを撫で回している。しかし、その手付きはゆったりと落ち着いたものだ。精神は未だ波打っている。しかし、今現在のそれはさざ波のような状態だ。少なくとも、暴力的な衝動とはかけ離れている。)

…………礼拝殿。
では、「零落」の第二歩とは?

(再び、仮面が真っ直ぐ礼拝の方を向く。視認は出来ないが、双眸もまた同じように。)
(ジョセフが見つめる先の肉人形、沁入:礼拝はジョセフが入室してきて以来、気配を変えず、落ち着いているように装っている。
微笑みを絶やさず、しかし、唇の角度と瞳の気配で語り掛ける誘惑の手口。
それが今、ジョセフの欲望、内面を全て肯定するように暖かなまなざしを作っている)

「原典」への知識は問題ではありません。私も知りませんもの。
ジョセフ様が、あの方を「人間」と捉え、その様に接したことが重要なのです。
そもそも、「物語」とは一方通行であるもの。交流可能な存在がどうして書面の様に変わらぬままでいられましょう。
求められ、変わる。それは信頼が成せること。素敵な事ではございませんか。

(第二歩は、と尋ねられて少女は軽く瞑目した。
今までこちらが差し出すものを強請るばかりだった反応が変化してきている。
動揺が落ち着いてきたように見えるのは、欲望に向き合う呵責が少なくなってきたと見るべきか。ともかく、ここで再び惑われるのは「うまくない」。
再び瞳を開けた時には、相手と同じく真っ直ぐに微笑みを向けた。仮面の向こうの瞳と視線が絡むように。)

第二歩は「語り掛ける事」でございます。
「見つめる事」が無意識の共鳴であるのに対して、「語り掛ける事」とは意識の共有です。ジョセフ様があの方を「我が友」と呼びかける、まさにその事でございます。
二歩目まで貴方は無意識に行っておられる。だから偉大な先駆けだと申し上げたのです。

例え、そうでなかったとしても、「その様に」扱われれば「その気に」なるものでございます。
……そして、周りもまた、「その様に」扱い始めるでしょう。

(一気に言い切れば、ふう、と小さく息を吐き)

第三歩目も、すでになさっているかもしれませんね。
「秘密の共有」も。

(秘密、と、唇の前に人差し指を立てて告げた)
(仮面の下で礼拝の表情を伺う。
暖かな眼差しを、微笑みを、仮面越しに確かめ密かにほうと息を吐く。僅かに緊張が解れ、肩の力が抜ける。
しかし、直ぐにその気配が引き締まる。目の前に居るのは唯の女ではないのだ。その事を思い返し、強く意識する。
視覚的な情報という物は厄介だ。何故ならば、人間はそれに強く頼った生き物だからだ。認識の八割は視覚に頼ると言う。照明を制限された薄暗闇の中、否応なしに目の前の存在の振る舞い仕草を意識させられるこの現状。非常に厄介だ。

師は言った。異端は美しく装飾されているものだ。皮を剥げ。肉を暴け。骨を見ろ。本質は表からは見えない。
奥歯を強く噛み締める。彼にも異端審問官としてのプライドというものがあるのだ。そう簡単に絆されはしない。
事実はどうあれ、少なくとも彼はそう思っている。)

一歩目は『見つめる事』。観察し、認識し、接する。
二歩目は『語りかける事』。呼びかけ、聞かせ、扱う。

そして三歩目は……『秘密の共有』か。

(努めて冷静に、落ち着いた声色で、呼吸を整え、目の前の肉人形を見据える。二度と感情的になるものかと強く己に言い聞かせながら。
最も、強く言い聞かせねばならない時点でその決心は危うく、揺らぎやすいものだが。)

秘密の共有の有無については……そうだな。コメントを控えさせて頂こう。YESとも、NOとも言えない。
そう、秘密だからな。

ここで重要なのは、ええと……共通の意識を持つということかな?
繋がりを得、より強く感化させるということだろうか。
(ジョセフの僅かな気配の変化を読み取ってはいたが微笑みは崩さない。
沁入:礼拝にとって足が相手に致命傷を与える刃ならば、それ以外の物は刃を届かせるための業だ。
……そもそも、沁入:礼拝は初めから戦うつもりだった。出し惜しみなど一切ない。

それなのに答えをぼかされた瞬間、僅かに眉が下がる。
それは、答えが得られなかったからではない。
今までの会話から対面する相手の直情的な部分は読み取れている。
つまり、完全に心当たりが無いのなら考えるまでもなく「NO」と答えるだろうと踏んでいた。
だから、これは逆説的な「YES」だ。
そう思った時、なぜだか少しだけ申し訳なく思ったからだ。)

その通りにございます。
もう少し詳しく申し上げますと、共通の法則を作り上げることにも意味があるのです。

人に限らず生命は特別に親しい方の法則を取り入れるものでございます。
例えば、朝起きて初めに確かめるもの、靴を左右の何方から履くのか……。
秘密を共有する事で、共通の話題でお互いに口を噤む、という法則が生まれるのです。

(浅く息を吐く、真っ直ぐジョセフを見つめていた瞳を伏目がちに隠した。
唇の角度を少し下げて、物憂げ、もしくは、次に続く言葉を言うべきか迷っているポーズに変化させる。
実際は迷ってなどいない。第四歩目はこの言葉の後でなはいと告げられないのだ。)

ジョセフ様、貴方のお望みに答えてしまう前に、私からもお尋ねしても宜しいでしょうか?

(沈黙からややあって、縋る様な瞳がジョセフを見上げた。)
尋ねる?

(仮面の下で眉を顰める。
礼拝の仕草と、動作の意味を思考する。果たして額面通りに受け取って良いものか。それとも、こうやって思考し意識させること自体相手の思惑通りなのだろうか。
それとも。それとも。
考え倦ねて喉の奥で低く唸る。猜疑に陥り、思考は空回りするばかり。)

……いいさ!構わぬよ。
確かに、先程から私ばかりが尋ねるばかり。いけないな。これはいけない。
フェアではない。断じて違う。第一、御婦人を質問責めにするなどと。全く、品行方正清廉潔白愛され系ジャスティスらしからぬ!

(結局、考えに考えを重ねた末に、それらを放棄した。思考・考察・駆け引きの部類は彼が苦手とする分野。せめて表向きは何でもないことのように笑ってみせる。)

さて、尋ねたいこととは何だろう。
何でも聞き給え。良識の範囲内であれば。
ジョセフ様の愛とは、どのようなものでございましょう。
(沁入:礼拝はただそれだけ、一言尋ねてじっとジョセフ・ハイマンを見つめた。
一挙手一投足、鉄仮面の向こうの呼気ですら見逃すまいとするように瞳が細められる)
あ、愛?

(思わず「何故そこで愛」と言いかけ、慌てて口を噤む。
話の流れとしては理解できなくもない。予想しようとすれば出来ただろう。しかし、出来なかった。
不意を突かれた。それだけではなく、厄介なものを投げ掛けられたものだ。
この質問の答えは慎重にならざるを得ない。己自身を、己の魂を晒すようなものだ。少なくとも、彼にとってはそうなのだ。)

あー、うむ。愛、愛か。
世間一般の定義ではなく、私の愛……ということか。

(仮面に手が伸びる。抑えるのことすら忘れていた。それどころではないのだ。それほどに真剣であった。対峙する礼拝の存在すら、意識から薄れるほどに。
指先を曲面に滑らせる。無数に刻まれた細かな傷のひとつひとつを確かめ数えるように。精神に秩序を齎すために。)

私の愛とは……齎すことだ。
痕を。印を。愉悦を。苦痛を。
なん、て、それは。

(思わず舌が縺れる。今この鉄仮面は何と言った?
苦痛を齎し、愉悦を齎し、印を齎し、痕を齎す事が愛だと。
責苦を齎し、肉体を縛り、精神を縛る、宗教者としての聖なる行いに愉悦を感じていると?
否、愉悦を「齎す」のであるから、苦痛を与えられることが「愉悦」であると考えるのが正しいか。
だが、正しいか、正しくないかは然したる意味はない。
「罪人の悔悛」でも「秩序の維持」でもなく、「拷問」に「愉悦」を感じるのであれば、それは「背信」だ。
彼方の神がどのような教義であるかは知る由もないが、大抵の宗教とは苦痛を緩和するためのものである。
苦痛を齎す事に愉悦を感じる事、若しくはその逆が推奨されているとは思い難い)

それは、それは、お辛く、ないのですか。

(カチカチと歯の根を震わせながら、何とかその一言を紡いだ。
だって、ジョセフ・ハイマンは神を信じている。教義に忠実であろうとしてる。
その上で、愛がどうしようもなく異端だ。
テーブルの上に置いていた手のひらが、何かをこらえるように握りしめられる。
震える唇を隠す事さえ忘れて息をしてた。)

愛する、こと、それ以前に、生きること、さえ、も。

(殆ど泣きそうに上ずった声が、掠れながら暗い部屋に落ちる)
(仮面が傾ぐ。
礼拝の存在を改めて意識し、まじまじと見つめる。彼は戸惑っていた。
元よりこの少女の事を理解できているなどとは思っていなかったが、そこから更に理解の範疇を超えてくるとは思わなかった。)

なんだ、一体……。
どうしたというのだ。
何故そんなことを言う。
何故そのような声を出す。

(兎に角、宥めなくては。
人としての、聖職者としての良識が彼を動かした。「そうするべき」だという認識が思考よりも先に肉体に命令を下すのだ。
椅子から腰を上げ、礼拝が座す椅子の前に膝を付く。子供に、或いは躾けられた獣に行うように、目線を合わせて語りかける。
数え切れない程、己に言い聞かせた言葉を)

大丈夫だ。落ち着きなさい。
『私なら何も辛くない』から、いいんだ。
わた、わたしの、愛とは、考える事、です。
一秒の暇もな、なく、考え続ける、事。
今は、貴方の事を、考えています。
ここに、いらっしゃるという連絡が来た時から、ずっと考えています。

(沁入:礼拝の瞳は幼い子供にありがちな混迷というよりも、深い悲しみが色濃い。
己の傍に立ち、落ち着かせようと語り掛ける聖職者に対して、声を震わせ、体を震わせながら、言葉を紡ぐ)

嘘です。

(ヒュゥッと喉が鳴った。
吐き出したのは何の根拠もない直感だ。
息が苦しい、胸が苦しい、鼻の奥がつんと痛んで視界がぼやける)

私の事を、悪徳の道に唆す売女だと思って居らっしゃるでしょう。
その通りです。
ですが、ですが、それは誰もあの方たちの「愛」を認めなかったから。
誰も手を差し伸べることが出来ないほどに業の深い「愛」を受け止められる人が居なかったから。
だから、「私達」は作られたのです。
一時的に「愛」を受け止め、軋み歪んだ「人」を再び日常に返す為に。
「私達」の悪徳は、逸脱した方々を秩序に戻すための儀式なのです。

(嗚呼、とため息が漏れると同時に、目尻に溜まっていた水が落ちる。
沁入:礼拝の基本的な機能は受容と肯定である。しかし、その前段階に必要なものは「理解」だ。
無理解な受容と肯定は無責任であるというメーカーの意思か、それとも、沁入:礼拝の精神モデルになった人物の気風であるのか、人形はこれと決めたら思考が止められない。
今でも、指先の動きから、呼気の音からジョセフ・ハイマンという人間を読み取ろうとしている。
劇薬として用意した「リーディング」にすら指を伸ばしそうになるのをこらえて)

貴方は……

(私が「そう」せねばならない人々に似ていると、言いかけて余りの傲慢さに声が詰まった。
代りに、震える指先をそっと鉄の仮面へとさし伸ばして)

私の、示そうとした、方法では、楽になれません。
(背中が冷える。
何だ。何だ。何なのだ。意味が分からない。
考える事が愛だと?そして、この肉人形は私の事を考えていると宣った。
私の言葉が嘘だと?偽りだと?何を根拠に。この女に、この肉人形に何が判るというのだ。
判る筈がないのだ。くろがねは強く、冷たく、頑なで。あらゆるものから守り、あらゆることを隠してくれる。)

ふ……ふざけるなよ。まやかしだ。誤魔化しだ。
逸脱したものを秩序に戻すだと。
外れたものは、落ちたものは、どう足掻いても元には戻らんのだ。歪んだものは、軋んだものは、取り除いてしまわねばならんのだ。

(拳を握る。今度は抑えない。今度こそは排除する。暴力を以てして。そうせねばならない。そう判断した。

……なのに、何故。
熱が足りない。怒りが、憤りが。拳を上げることすら出来ない。『正義』を成すための『憤怒』は何処へ行ってしまったのだ。持て余す程に溢れていた熱は何処へ。
精神が、肉体が、熱を失ってしまった。くろがねの仮面のように冷たく鈍ってしまった。)

泣くな。泣くんじゃない。
何故泣く。何故だ。私を哀れんでいるのか?この、私を?
何故、この私が哀れまれねばならない。私は品行方正、清廉潔白。神に愛されている。行いは正義だ。
私、は正しい。正しいんだ。泣くな。頼む。た、頼むから……。

(冷えきった仮面に差し伸ばされた指先。
仮面を他人に触れさせるなど。あり得ないことだ。認めてはならない。我が友にすら許した事がないのに。求められた事も無かったが。
しかし身体は動かない。振り払う事など出来ない。むしろ、接触を欲していた。何でもいい。熱が欲しい。目の前の肉人形に縋り付いて、泣き付いて、その体温を感じたい。そんなふざけた考えすら浮かぶ程に。)

……せめて、教えてくれよ。
君は、どうやって、私を楽にしようとしたんだ。
どうか、たのむ。僕に教えてくれ。
(沁入:礼拝は震えていた。
もっと享楽的で、暴力的で、欲望を常識という皮膜で覆い隠している人物だと思って居た。
あの影のような異形と付き合うからには浅からぬ業を抱えているのだろうが、だからこそ多少踏み台にしたところでどうという事はない精神をしているのだろうと思って居た。

そうではなかった。
本来であれば己がこそ慰めなければいけない人を足蹴にしようとした。それも性能証明のためとはいえ、自己満足の為に。それは己の最も重要な理念に反する事だ。
もはや言葉を交わすごとに深くなる確信に体の震えが止められない。)

それでも、愛してはならない、愛されてはならない理由にはなりません。

(泣くな、という声が痛々しくて何とか涙を堪えようと試みる。
殆ど人と同じと言えど、人にはない機工を備えるが故の肉人形。意識的に涙を枯らすなど造作もない事。
それなのに。
指先が冷たい鉄に触れる。
それだけなのに。
碌に手当てもされないまま無残に残った傷跡を撫でている心地がした。
そうだからこそ。
震えそうになる奥歯を噛み締めて止めて、何度も何度も仮面越しに傷を撫でる。
そうせめて。
僅かなりとも傷の疼きが収まるようにと、二つの手のひらを使って何度も。)


(そして少し間を開けて、小さな「ごめんなさい」と、水滴が落ちる音。)

……欲望の解放です。
目を逸らさねばならぬほどの業の開示です。

だけど、それを行ったところで、きっとあなたは傷つくだけで終わってしまう。
そして、その先を、今の私には提示することが出来ません。
もっと、もっと、時間をかけて貴方の事を考えなくては。

(濡れたまつ毛が震えて伏せられる。
撫でていた両手はジョセフの頬を包み込むようにして止まり)

どうか、どうか教えてくださいませんか。
貴方の事を、どこで生まれて、どう育ったのか。悲しい事も、嬉しい事もすべて。
僕、は。いや、私は……。

(仮面越しに伝わる熱。ふたつの手のひらの温かみ。このような接触は未知の領域だ。驚愕と戸惑い。そして、僅かな期待。
仮面の下で目を伏せる。話して良いのか。明かして良いのか。慈しむように触れ、語りかけてくるこの肉人形に、巳が辿った道を、隠してきた事を。
仮面は正面に向けたまま、目線だけを動かして閉じた扉を見る。ここは『そういう』場所なのだろう。そして、目の前の存在もまた、『そういう』ことの為に存在している。
では、この者の矜持を信じよう。秘め事を秘め事たらしめてきた、この足女の矜持を。)

……僕は、天衝く壁に囲まれた神の都市で産まれた。
父母は無作為に選出された遺伝子提供者だ。名は…………あぁ、しまった。書類は故郷に置いて来てしまったのだった。
すまないな。彼らについて話せることはこれ以上無い。

故郷では、僕のような産まれの者は珍しくない。都市は囲われ、閉じられている。こういった管理・調整のやり方も必要なのだろう。
所謂、『普通の子供』と比べて境遇が劣ると感じた事はない。衣食も、教育も、教会によって過不足なく与えられた。
神の定めた規律から外れることの無いように。定められた道を歩み、自らの職務を全う出来るように。

それでも……僕は……。

(仮面が伏せられる。
ここから先を晒すには勇気がいる。自らの根幹に関わる部分。そして、内なる異端の証明である。)

僕に定めれた道は異端を暴き、罰すること。
その、分かるだろう……適性は十分だ。十分過ぎた。

ぼ、僕は……痛みが好きだ。傷付けること、傷付けられること。思い浮かべるだけで、堪らなく高揚した。これは、間違っている。誰にも晒せない。救いではなく、苦痛を求めるなんて、そんな事は……許されない。歪みだ。

(肩が震える。仮面越しに、自嘲するような笑い声が漏れ聞こえた。)

その上僕は協調性に欠ける子供だった。
集中すると直ぐに周りが見えなくなる。人の表情を読む事も苦手で、見当外れな言動で周囲を戸惑わせる事なんてしょっちゅうだった。
気が付けば皆、僕を遠巻きにしていた。当然だとも。僕だってそうするよ。

(ここで、言葉を切る。
伏せられていた仮面は再び礼拝の方へ向けられた。)
(沁入:礼拝はじっとして俯く仮面の独白を聞いていた。
時々、相槌を入れる以外は瞬きすら惜しんで変化のない金属の表面を見ている。

そして、再び面が上がった時、頬に触れていた手はゆっくりと耳の上、それから額を通り、頭を撫でる。
小さな子供に親がそうするように、優しく。)

私はジョセフ様の神を知りません。
ですが、ジョセフ様、貴方の業は同時に神の恩寵であるように思います。

(唇は薄く笑みの形をとり、目は下がり気味に細められ)

異端審問官としての有り余る適正、それを歪みであると知り、道を踏み外さぬ貴方に与えられた。
心が読めないというのも、また、同じこと。
人の憎しみを、苦痛を受け取る事がが多い道を歩まれるが故に、目をお隠しになったのでしょう。

貴方はきっと、神に愛されておられます。

(安心させるための言葉ではない。本心であった。
沁入:礼拝とは人を愛するための機構と精神を持った被造物。
目の前の人物を一時の事であっても、思いの大小にも関わらずただ全力で愛する。
それ故の、本気の言葉と偽りのない慈愛であった。)
(礼拝に頭を撫でられながら、唇を強く噛む。鼻の奥がつんと痛んだ。子供のように泣きじゃくり、縋り付きたい。しかし、それは叶わない。そんなことは自分自身が許さない。
衝動を抑え付け、思考する。もし、もしもだ。故郷でもこうやって自らを曝け出し、助けを求めていれば、仮面を被る事も無かったのではないかと。
いいや、有り得ない。思考するまでもないことだ。馬鹿なことを。そんなことは絶対に有り得ない。異端を暴き、罰する身である己が一番良く分かっているだろう。吊るされ、晒され、痛めつけられ、苦痛と屈辱の果てに唾棄すべき異端として処分されるだけだ。神は私を愛するだろう。しかし、人は私を愛さない。
ぶるりと身が震える。それは恐怖か。いや、違う。狂おしい程の昂ぶりだ。)

……ならば、私は神の愛に背いた裏切り者だな。

(呼吸が乱れる。身を焦がされるような疼き。湧き上がるような衝動。)

かつて、私は神を愛していた。信仰に身を捧げ、命すら投げ出しても良いと思っていた。
だが、今は違う。
僕は知ってしまったんだ。
(笑みを晒す。歪みきった、しかし、満たされた笑みを。)

冒涜的な物語。背徳の戯れ。そして、残酷な愛。
ありがとう。本当にありがとう。見つめ直す良い機会になったよ。君は素晴らしい。称賛に値する。

(礼拝の首元へ、傷だらけの手を伸ばす。
そして、声を発さず唇だけを動かす。『気に入った』と。)

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