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足女の居る宿

灯が消えた宿

闇の帳のその向こう。
湿った石畳と酒気と汚濁の匂い。

狂おしい時間が過ぎて夜も眠りに入ったその時間。
灯が消えた宿の鍵が開いている。
扉をくぐれば水の様に張り付く闇の向こうの薄明かり。
その先で、少女のような形をした人形があなたを待ち受けていた。

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僕、は。いや、私は……。

(仮面越しに伝わる熱。ふたつの手のひらの温かみ。このような接触は未知の領域だ。驚愕と戸惑い。そして、僅かな期待。
仮面の下で目を伏せる。話して良いのか。明かして良いのか。慈しむように触れ、語りかけてくるこの肉人形に、巳が辿った道を、隠してきた事を。
仮面は正面に向けたまま、目線だけを動かして閉じた扉を見る。ここは『そういう』場所なのだろう。そして、目の前の存在もまた、『そういう』ことの為に存在している。
では、この者の矜持を信じよう。秘め事を秘め事たらしめてきた、この足女の矜持を。)

……僕は、天衝く壁に囲まれた神の都市で産まれた。
父母は無作為に選出された遺伝子提供者だ。名は…………あぁ、しまった。書類は故郷に置いて来てしまったのだった。
すまないな。彼らについて話せることはこれ以上無い。

故郷では、僕のような産まれの者は珍しくない。都市は囲われ、閉じられている。こういった管理・調整のやり方も必要なのだろう。
所謂、『普通の子供』と比べて境遇が劣ると感じた事はない。衣食も、教育も、教会によって過不足なく与えられた。
神の定めた規律から外れることの無いように。定められた道を歩み、自らの職務を全う出来るように。

それでも……僕は……。

(仮面が伏せられる。
ここから先を晒すには勇気がいる。自らの根幹に関わる部分。そして、内なる異端の証明である。)

僕に定めれた道は異端を暴き、罰すること。
その、分かるだろう……適性は十分だ。十分過ぎた。

ぼ、僕は……痛みが好きだ。傷付けること、傷付けられること。思い浮かべるだけで、堪らなく高揚した。これは、間違っている。誰にも晒せない。救いではなく、苦痛を求めるなんて、そんな事は……許されない。歪みだ。

(肩が震える。仮面越しに、自嘲するような笑い声が漏れ聞こえた。)

その上僕は協調性に欠ける子供だった。
集中すると直ぐに周りが見えなくなる。人の表情を読む事も苦手で、見当外れな言動で周囲を戸惑わせる事なんてしょっちゅうだった。
気が付けば皆、僕を遠巻きにしていた。当然だとも。僕だってそうするよ。

(ここで、言葉を切る。
伏せられていた仮面は再び礼拝の方へ向けられた。)

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