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足女の居る宿

灯が消えた宿

闇の帳のその向こう。
湿った石畳と酒気と汚濁の匂い。

狂おしい時間が過ぎて夜も眠りに入ったその時間。
灯が消えた宿の鍵が開いている。
扉をくぐれば水の様に張り付く闇の向こうの薄明かり。
その先で、少女のような形をした人形があなたを待ち受けていた。

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(背中が冷える。
何だ。何だ。何なのだ。意味が分からない。
考える事が愛だと?そして、この肉人形は私の事を考えていると宣った。
私の言葉が嘘だと?偽りだと?何を根拠に。この女に、この肉人形に何が判るというのだ。
判る筈がないのだ。くろがねは強く、冷たく、頑なで。あらゆるものから守り、あらゆることを隠してくれる。)

ふ……ふざけるなよ。まやかしだ。誤魔化しだ。
逸脱したものを秩序に戻すだと。
外れたものは、落ちたものは、どう足掻いても元には戻らんのだ。歪んだものは、軋んだものは、取り除いてしまわねばならんのだ。

(拳を握る。今度は抑えない。今度こそは排除する。暴力を以てして。そうせねばならない。そう判断した。

……なのに、何故。
熱が足りない。怒りが、憤りが。拳を上げることすら出来ない。『正義』を成すための『憤怒』は何処へ行ってしまったのだ。持て余す程に溢れていた熱は何処へ。
精神が、肉体が、熱を失ってしまった。くろがねの仮面のように冷たく鈍ってしまった。)

泣くな。泣くんじゃない。
何故泣く。何故だ。私を哀れんでいるのか?この、私を?
何故、この私が哀れまれねばならない。私は品行方正、清廉潔白。神に愛されている。行いは正義だ。
私、は正しい。正しいんだ。泣くな。頼む。た、頼むから……。

(冷えきった仮面に差し伸ばされた指先。
仮面を他人に触れさせるなど。あり得ないことだ。認めてはならない。我が友にすら許した事がないのに。求められた事も無かったが。
しかし身体は動かない。振り払う事など出来ない。むしろ、接触を欲していた。何でもいい。熱が欲しい。目の前の肉人形に縋り付いて、泣き付いて、その体温を感じたい。そんなふざけた考えすら浮かぶ程に。)

……せめて、教えてくれよ。
君は、どうやって、私を楽にしようとしたんだ。
どうか、たのむ。僕に教えてくれ。

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