PandoraPartyProject

ギルドスレッド

月夜二吼エル

【000号室】レイチェル=ヨハンナ=ベルンシュタイン

レイチェルの部屋。

廃墟と化した館の主の部屋であるが、他の個室や客室と変わらぬ間取り。
ボロボロだった所を辛うじて住める状態まで修理した故に…歩く度に木目の床が軋む。
部屋は散らかり放題、積み上げられた本の山は今にも崩れそうな状態だ。厚手のカーテンは昼夜問わずにぴっちりと閉めきられている。

(呟き所)

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【9/10】暑い!焼ける!焦げる!糞…直射日光は嫌いだ。夏終われ早くっ!(カーテン閉めきってベッドに転がり)
【9/11】嗚呼、視えた。絡み付く黒。歪んで巣食う死。俺は死神だ。(眼鏡を外しては右の金眼を右手で強く押さえ。唇を歪めて笑みを浮かべれば尖った牙が覗くだろう。)
【9/12】Ich heißeーー(散らかり放題の机に置かれた日記。窓から吹き込む風が頁を捲る。“わたしの名前は”ーー其処から先はぐじゃぐじゃに塗り潰されていて解らない。)
【9/17】先ずは目玉焼きから始めよう…(とある日のキッチンにて)
【9/23】糞っ!照れてねぇぞ!めっちゃ嬉しいとか思ってないぞ!!すっげぇ台詞が浮かびそうなICで流石だと思っただけだからなっ!(/絵師様有り難う御座います!)
【9/24】(日記の1頁ーー「わたしは赦さない。悪鬼に堕ちてでも鏖にしてやろう。先ずは貧弱なこの躰が煩わしかった。」)
(/絵師様、ICを有り難う御座います…!イメージ台詞ピッタリで、なおかつ格好良さも織り込まれていて素敵でした!)
【10/30】ハロウィン、だな。俺は悪魔伯爵に化けるぜ?
【11/5】くく…素晴らしい姿絵を描いて貰ったぞ。絵師様には感謝が絶えん。赤の外套には竜胆が意匠されているが…彼の花に込められた意味は『正義』らしい。
【11/27】ふむ…僅かだが力を取り戻せたようだな。死霊術ーーアイツの声は未だに聞こえず、か。
【12/5】複ピンか。やりたい奴居ればネタ練りたい所。
【2/4】試しにぶちこんでみたが……これ、ガスマスクが必要そうだなァ。練達辺りに無いか?(媚薬の材料(怪しいあれそれたっぷり)のチョコをかき混ぜつつ真っ青な顔で呟き。)>依頼中の一幕
(ノックの音)
…夜食を持ってきたのだが、食べるかね?
(漂ってくるのは、肉の匂い。ステーキだろうか)
(すん、と僅かに鼻を鳴らすーー鼻腔を擽るのは食欲をそそる肉の焼けた匂い。革装幀の本…その頁を捲る指の動きが止まる。文字の羅列へと落としていた視線を上げれば、金銀妖瞳に映るのは同居人の一人である“魔剣”だ。部屋の主は口角を緩やかに吊り上げて応える。)
…おう、わりぃ。丁度腹も減ってるし、頂こう。
しかし…すっかり、オカンだなァ。
(皿を机の僅かに空いたスペースに置いた後、くい、と眼鏡を押し上げる)
仕方あるまい。
…誰かがやらないと事態が動かないのならば、私は自身が動く事を選択する。
他者の自由もまた、尊重すべき故に、コントロールできるのは自身の行動のみ…と言う訳だ。

…しかし、少しは片付けないのかね?
(周りの本の山を見渡して)
ククク、違いねぇ。
俺も他人が動くのを待つよりは自分で動く。
(手が空かなければ食事は出来ない。故に本へ栞を挟んでは山の一番上に載せ。本の山は崩れるか崩れないかの際どいバランスを保っているーーまるで混沌世界のように。吸血鬼は愉快だと言わんばかりに喉をくつくつと鳴らすだろう。)

……片付けンのは面倒だ。
何処に何があるか把握してるから問題ねぇし。
(僅かに寄るのは眉間の皺、痛い所を突かれた何よりもの証拠だ。食事へ手を付ける前に彼の座る場所を作るべく重い腰を持ち上げて。ぶつぶつ言い訳を連ねながらも本や小物、衣類と言った雑多なあれそれを退けるーー片付けると言うよりは山へ更に物を重ねているに近い。)
……場所が分かっていても、これでは回収するのが面倒ではないかね?
あの山の下など、掘り進むのには相応の労力が要るだろう。
(鉱山がごとく奇妙な形に積みあがった本の山を見て、ため息一つ)

流石にお前さんが書類の雪崩に巻き込まれ次日変死したのが発見される…と言う事態は回避したいのでな。
…お前さんがよければ、私が整理を始めるが?
(やはりお節介な魔剣は、周囲を見渡した)
……。
…ずぼらで悪かったなァ。
(図星だ。目当ての物を探し当てる些細な事ですら発掘作業の如く困難を極め。寧ろ、発掘した瞬間に本の雪崩が起きる。押し黙ったまま薄い唇をへの字に曲げ、眉間の皺が更に深まるだろう。尖った両耳は彼の溜め息を拾い上げて。)

俺はそんなヤワじゃねぇ。仮にそんな事になったら格好わりぃ。
…シグだけにやらせる訳にはいかん。俺も一緒にやる。
(本の山で潰れて窒息死した吸血鬼。生き血を啜る怪物が、本の山で窒息死ーーなんとも情けない話になってしまう。それに、同居人の彼に何から何までやらせるのは忍びない。吸血鬼は漸く重い腰を上げた。)
…そうして貰えると助かる。服や下着など、他者には聊か片付けにくい物が混ざっている可能性もあるからな。
(本を迅速にカテゴリー分けして行く。何と言うことはない。この魔剣の男もまた『研究者』である。――『資料の整理』には、慣れているのだ)

或いはお前さんには、資料貯蔵室の類が必要かも知れんな?
いわゆる「書斎」であるのだが。
(目の前に積みあがる本の山を見て、流石に目頭を押さえたくなるが、何とかこらえたようだ)

―ーいやはや、私もものぐさな方なのだがな。流石に何時かは片付けなければなるまい?
あー…うん。服とかは俺が片付ける。流石に、な。
おー…随分手際が良いじゃねぇか。
(服は未だ良いが下着は流石に気まずい。視線を宙に彷徨わせた後、彼に背を向けては重い足取りで皺になった布達を荷物の山から掻き集め。引っ張り出した服は部屋の奥のクローゼットへと押し込む。その間にも攻略されていく本の山を見ては感嘆の声を漏らすだろう。)

書斎…そうだなァ、空き部屋を整理して作るのもありか。
ーー本は良い。ヒトが実際に体験出来る物事は極僅かだからな。
…ふむ。詰め込んだだけでは通常では『片付けた』と言わないのだが…ちなみに洗濯の類はどうしているのかね?
(純粋な好奇心から聞いて見る。流石に吸血鬼だから洗濯は必要ない、などと言う奇妙な理があるとは思えないが――)

データの貯存があるのは悪くはない。ただまぁ、本は結局「人の創った知識」だ。
その中とは現実と異なる物――たとえそれが、意図的な『嘘』ではなかったとしても――が含まれている可能性があるのがな。
……洗濯は、籠が一杯になったら纏めて一気にやってる。流石にな、洗濯はするぞ?
あー…そろそろやらねぇと…。
(この吸血鬼、生活能力は皆無に等しいーー気怠そうに項へ右手を添えては一言。次にクローゼットを開けるも…その瞬間、支えを失った洗濯籠が倒れて床に中身が散乱して。)

その誤りを見抜き、取捨選択してこそだろうなァ。そう言った面で見れば…俺達みたいに時の流れから切り離されちまった身体は便利だ。実際に経験出来る数が圧倒的に違う。
(化け物と化した今、老いはヒトよりも遥かに緩やかで。昔を懐かしむ様に双眸を細めよう。)
ま、其れを除いても本は好きだ。
(ばら撒かれる洗濯物を見て自分の額をぱちっと手で叩くように覆い)
…南無三。流石に見たからには、片付けるぞ?
(頭を横に振りながら近づき)

まぁ、読むよりはやはり、「実体験」であろうな。
そういう意味合いでは、前にやった例の体験ゲーム、もう一度行って見るのも悪くはないだろうな。
ちなみにだ…
(わざとらしく、少し間を空け)
…その外気嫌い、昔からだったのかね?
(その質問は、密かに『吸血鬼の体質によらず、インドア派なのではないか』と言う疑惑を含み――)
……どーぞ。
どーせ、却下しても片付けるンだろ?つーか、マメだよなァ…。すげぇ感心してる。
(何処か不貞腐れた様子で唇を尖らせれば床にしゃがみ込み、一足先に床に散らばった洗濯物を拾い上げる。常識の欠片はあれど、自分の城と言う名の汚部屋の主に羞恥心と女らしさは無いらしい。所謂ヤンキー座りで籠へと押し込んで行く中、己の世話を焼く彼へと感嘆の声を上げるだろう。)

嗚呼…アレは愉しかったぜ。久々に血が駆け廻る感覚、リアルな痛み。緊張感は人生における香辛料、だ。
(問いの答えを探すべく思考の海に沈めば、シャツを手にしたまま手が止まる。昔日の記憶は鮮烈な感情に焼き尽くされて朧気だ。ただ、妹の姿だけがはっきりと脳裏に浮かびーーそれを元にして傍らの自分が漸く像を結んだ。)
ふむ…外で駆け回るよりは引き込もってるのが好きなガキだったな。
…かごが足りん。…溜め込むのを否定する事はないが、せめて容器を増やすか、空にする頻度くらいは上げるべきだと考えるぞ?
(色が濃い物薄い物。それを大体分別した上で、それぞれ別のかごに投擲し)
…『知識を得る為』にもそれなりの準備が必要だからな。遺跡の類に忍び込む時。一つの用意の欠如が、即座に死に繋がる故に。
(何か苦い記憶でも思い出したのか、微妙な表情を浮かべ)

…生来ならばそれもまた、仕方のない事か。
(吸血鬼のその脳内に浮かぶ像を推して知る事は出来ないが、大体の表情の変化順から、凡その思考プロセスを辿る事は可能。だがそれに突っ込みを入れるほど、この魔剣は無粋に非ず)
…が、今は夜ならば運動に支障はあるまい。少しは外に出るべきではないかね?
……善処シマス。
頻度を増やすのは…面倒だしなァ。かご、増やすか。ちゃんとやるぞ、シグの仕事を増やさねぇようにな。
(目の前には綺麗に大別された洗濯物…其処に最後の一枚、持っていたシャツを入れる。浮かべた渋い表情、ぽそりと小さな声で言葉を落としては気怠そうに自らの項に触れて。)
まぁ、悪い事は重なるもんだ。都合の良い奇跡ほど期待出来ないもんは無い。
(深く追及する事は無い。ただ、蒼と金のヘテロクロミアで彼を覗き込むーー音を連ねたその声色は凪いだ水面の様。)
…まぁ、きっとまだ最悪じゃないさ。こうしてお前は“存在”するんだから。

確かに外に出ても問題は無いが…運動、か。
ふむ…腹が出た吸血鬼も格好わりぃしなァ。もっと積極的に鍛えるべきか?
面倒臭がってもやらなければいけない事は発生する物だ。
――ならば頻度を上げるのが吉、とは思わんかね?
(籠を両肩に担ぎあげ)

――本来は最早不在になってもおかしくなかったのだがな。
…寧ろ今の状態こそが、奇跡の一種であると私は考えているさ。
孤独こそが学者の宿命だと思っていたが、こうして仲間も、出来た事だしな?
(背中を向けたままで。白衣が、扉を開けた事による風に僅かに靡いて)

別に体術で戦闘しろとは言わん。だが最低限の反応、回避の類は、あって然るべきではないかね?
つまりは頻度を上げろ、と?
あー…糞、正論には勝てん。分かったよ。
……俺もやる。
(己の項から手を離し、降参とばかりに両手を挙げて。双眸を伏せたその表情には諦めが滲む。軈て彼の背を追い掛ければカゴを一つ取り返そうと手を伸ばして。)

お、お…俺は部屋を貸してるだけだからな!別に嬉しくねーし!つーか、安眠妨害だし!いや、騒がしくねーと逆に落ち着かねぇとか無いからな?
(仲間と言う単語を拾い上げた瞬間、尖った耳が忙しなく上下に動く。弾丸の如く一息で言葉を紡げば、くしゃくしゃと髪を掻き上げた流れで金眼を右手で覆った。)
……今生きてるンだから儲けもんだ。きっと。

いちおー、元居た所ではそこそこ殴り合いは出来たんだぜ。吸血鬼の怪力頼りだったンで今はこのザマだが。
シグは…研究者の割に動けるよなァ。鍛えてンのか?
(籠が片方取られたのに驚いてわずかにバランスを崩すが、直ぐに持ち直し)
普段から行っていれば…こういった問題が発生する事もあるまいからな。
「恥ずかしい事」になりたくないのであればもう少し片付ける事をお勧めしたい。

――うむ。内容は兎も角、お前さんが俗に言う「ツンデレ」の類であり、慌てると本音が出やすいと言う事は知識として得られた。
(わざとらしくからかう様な音色からは、魔剣の男が本気か、それとも冗談でそれを言っているのかは分からない)
まぁ少なくとも、食の環境向上には私は貢献しているとは考えるな。
意外とここには、大食いの者が多いからな…

戦闘中に於いては…まぁ私は筋肉を動かしていない故にな。
剣を液体金属化して体内に分散させ、直接骨を動かしている。
…反応速度の代償として筋肉を動かしていない分、打撃力は下がるのだがな?
こう言うのは…これで懲り懲りだ…。
つーか、流石になぁ…うん。俺も…まぁ、女だし。
事故だ、コレは事故だ…。
(篭を両腕で抱えつつ、中身を見下ろす。当然ながら下着類もぶちこまれていて。現実から目を反らす様に天井を仰ぎ見た。軈て漸く精神が持ち直した頃…一番の被害者は目の前の彼だろうと、バツが悪そうに頭を下げるだろう。)
ーーいや、悪かったな…うん。

……今すぐ後頭部に強い衝撃を加えれば、その知識は消滅するか?それは余計な知識だぜ?
(空いた不自然な間。何時に無く爽やかな営業スマイル。持ち上げた右手は握ったり開いたりを繰り返していて。)
確かに…シグが居なかったら、俺達の食生活は悲惨だっただろうなァ。俺は兎も角ーージュアやゼフィ、ペリ子、レスト、ヴィはちゃんとした物を食わせてやらんと。勿論、お前にも、な。
作る事は出来ンが…それ以外の事は、な。

液体金属、か。ふむ…実に興味深い話だ。
反応、回避に拘るのは…俺の予想だと、死なない為、か?違うンなら…まぁ、良いさ。余計な詮索だったらわりぃな。
(双眸を伏せれば、月の淡い光が差し込んで影が落ちる。再び向けた眼差しはアンニュイ、だが薄い唇は緩やかに弧を描いて笑みを形造る。)
ふむ…?
(その反応は予想外だったのか、一瞬、歩みが止まり)
いや、何。普段のお前さんの反応からは、『女として取られたくない』と言うのが見て取れたのでな。故にこの反応は予測してはいなかったのだが――
(僅かながらの間を置き)
別に私は気にはせんぞ?寧ろ――
(籠の中に目をやり)
かわいいチョイスであるとは思うがな?

――残念ながら、知識は肉体ではなく本体――つまり剣の方に貯蔵されている。
故にいくら私に攻撃を加えたとて、忘却はできない。…それこそ、『ローデッド』自体を破壊しない限りはな。
(目の前の吸血鬼が実際にはそれをしない事は、この男にも分かっているのだろう。それ故のからかい)
――んー、まぁレストやジュアが作れば、味は兎も角食すこと自体には問題ないとは思うのだがな。…ペリ子はあまり厨房に立たせない方がいいと考えるが。
もう少しまともな暮らしを望むのならば、その内、この遺跡をももう少し…修繕するかね?

死んでしまえば元も子もない…と言うのは無論あるのだが。
それ以上にこの戦術は、私の職業病みたいなものでな。
…私は研究者だ。戦士ではない。故に相手を殺害する事が目的となる事は無く、目標の物を手に入れてさっさと脱出するのが最適解である事が多い。
その際に必要となるのは――相手より先に、相手を拘束して無力化する事である故な。
――ちなみに、だ。私が武器として使っている手甲も、その液体金属を体外に表出した物であるぞ?
態々見るなっ!!あー、あー、何も聞こえん!!
(金と銀の妖眼を大きく見開くーーそれはもう、眼球が零れ落ちそうな勢いで。己の耳を塞ごうとしても籠を両腕で抱える故に其れも叶わず。最後の足掻きとばかりに自棄っぱちで聲を張り上げるだろう。洗濯場へと足早に向かって。)
いや…お前の言う通り、俺は女と見られるのは好かん。だが、性別は変えられねぇだろ。

く、くそう…。消去不可なら、せめて墓まで持っていけよ?
俺もまぁ、最低限は出来るぞ?吸血鬼の舌だから味は保証せんがなァ。ペリ子は…まぁ、何と無く分かる気がする。危なっかしそうだ。
んー…確かに不便かもしれねぇが、俺はこのままで良いと思ってる。ま、他の奴が修繕してぇなら止めんよ。不便なのは事実だしな。
(木々のざわめきに風の聲、土の匂い、空の泪。何よりも天井から差し込む月明かりが心地好い。軋む床を進む歩みを止めて彼へ視線を向ける。)

ーーま、死んだら終わりだからなァ。
ふむ…俺の世界の『研究者』はインドアな奴が多いせいか、どっちかと言うと冒険者とか考古学者に近い印象だ。冒険譚とか一杯ありそうだな?
液体金属って事は、手甲以外の形も取れたりするのか?
いや失礼した。女性の下着をまじまじと見るべきではなかったな。
(わざと目を逸らしたその所作は、どこか、わざとらしくも見えて)
…然し、性別は変えられなくとも、反応は己が精神状態によって変動する。
私がドレスを着るのに特に抵抗がない事も、まぁそう言った話ではあるのだが……
そういう意味合いでは、私は未だにお前さんが精神的にも「女性」である、と考えるのだがな?

…まぁ、私はそこまで知識を喧伝する類でもない。
ただ、己が為に利用するくらいは問題あるまい?
(浮かべるその笑みにはどこか黒い物が混じっており)
改修については、私も不便にしてはいないのだがな?
…意外とそういう生活をしてきた者が多いのか、皆なじんでいるようには見える。

ふむ。その指摘は的を射ているな。
私の職業を正しく解説するのならば、「考古学者」が最も近いのだろう。
古の設備を発掘し、その運用方法を検証し、それを必要とする者へと売りさばく。
…私の生業は、そういった感じの物だな。
液体金属は無論、他の形も取れる。
…ただ、こちらに来てからはどうにも運用可能な量が減っていてな。防具としての役割を考えるとこれがベストに兼ねられる、と言う事だっただけ、である。
……俺は兎も角。一般的な貴婦人の下着を見たら直ぐ謝るンだぞ?グーパンで済まないかもしれんからなァ。
(洗濯場へ向かう足を止めては、知欲の魔剣ーー銀髪の男をヘテロクロミアの瞳はじぃっと見詰める。軈て、魔眼を眇めては溜め息を一つ溢すだろう。やはり何処か身内には甘いのだ。)
ーー心は、難しい。わたし自身、わたしが理解出来ていないとは。わたしはわたし(女)で在る事を望んで居なかった筈が…深層心理とは分からん物だ。
(「戯言だ、適当に聞き流せ」と、吸血鬼は最初に注釈する。虚空へと向けられた眼差しは氷の如くさめざめと、紡ぐ声色は抑揚が少ない。“ヨハンナ=ベルンシュタイン”は本来、そんな偏屈な女だった。次の瞬間には何時もと変わらないニヒルな笑みを浮かべて、ほんの僅かな綻びを見せた“レイチェル”の仮面を被る。)
なーんてな。俺もまだまだって事だなァ。

でも…利用はするんだな。
ま、俺はシグのそんな所も嫌いじゃねぇよ。俺も得た知識は節度を守りつつ悪用する派だからなァ。
(くつくつ、と喉を鳴らして嗤う。やはり、面白い輩だと。)
どうやらこの屋敷は変わった輩を呼び寄せるらしい。だから、不便な生活に慣れてる奴が集まるのかもしれん。

考古学者ーー浪漫があって良いじゃねぇか。古の設備…喪われた技術の発掘。夢があるし、ワクワクするだろうなァ。
ふむ。俺だけじゃなくて…シグも此方へ来て能力が落ちたクチ、なのか。旅人の中には、逆に上がった奴も居るみたいだが。
防具も兼ねる、か。同じ術師でも攻撃一辺倒な俺とは大分違うなァ。術を応用した近接戦にも強そうな印象があるぜ。
…それは十分に気を付けるとしよう。…最も、私が下着を片付けるべきが、お前さん以外に居るとも思えんが。
(くっくっく、と男は笑う。ある意味で彼女が怒らないという点に賭けた、一種の『甘え』であると分かっていても、魔剣はとにかく、目の前の吸血鬼の少女の反応が楽しいらしい)
――人の心と言うのは、そういう物だ。…ある友人の言葉に、こういう物がある。
「天候を測り、地形を図り尽くしたが、ただ人心のみは未だ測りきれぬ」 とな。
…解明の糸口が見えぬのならば、しばし放置し、更なる情報を待つのも一つの選択肢。
折角、この世界に来たのである。…思うままに生きてみるのもまた――1つの手段ではないかね?

まぁ…常人ならば、その雰囲気で既に敬遠するだろうからな。
それを突破できるのは、よほど空気が読めないか…変人か。それも納得は出来る所だ。
…まぁ安心したまえ。例の知識は、お前さんに悪戯する際程度しか使わんさ。
(大仰な身振りで、おどけてみせて)

先ほども言ったように、私の目的は殆どの場合「生存」と「相手の無力化」であり、相手を殺害する理由がないのが、この装備である理由であるな。
――推測するに、お前さんは、違ったのだろう? その術式はどちらかと言えば、相手の破壊を重んじているように見えて、な。
何事も気を付けるに越した事はねぇ。
ま、俺みたいなぐーたら女が溢れてたら…世の中回らねぇだろうさ。くりーにんぐ屋とやらは儲かりそうだが。
(三度の飯よりも知識欲、この魔剣はそんな男だ。解ってはいるが、素直な反応は隠せない。愉しそうな彼に対して腑に落ちないとばかりに…薄い唇をへの字に曲げる事だろう。洗濯場で洗濯物と格闘しながら、何処かの世界に存在すると云う商売へと想いを馳せる。)
……ふむ。
思うが侭に、か。嗚呼、そう生きる事が出来ればーー。
(一度、紡ぎ掛けた言葉を途中で止めて。所謂ーー己にとって混沌への召還は『ロスタイム』だ。脳裏を過るのは赤に染まった視界。ありふれた物語の、ありふれた結末になる筈だった。そして、混沌へ来てからの思い出の数々。人の心の暖かさ。何れ元の世界に戻れば…己がどうなるか。様々な想いを乗せた吐息は、夜の静寂にそっと落とされた。ただ、彼を含めた混沌での出逢いは『それでも幸福』だと言い切れる。故に眉尻を下げながらも微笑む事が出来て。
元の世界で待つ『終わり』が怖いーー続きの言葉を紡ぐ事は、出来なかった。人の暖かさを知ってしまった故に。彼らには、言えなかったのだ。)

空気が読めなくても、変人でも。俺は…皆が嫌いじゃねぇ。
ははは…悪戯されたなら悪戯しかえしても良いよなァ。

ーーご明察、だ。俺は恐らくシグの想像通りの存在だと思うぜ? 俺の術式は壊す為のものだ。もっと言えば…対象の命を奪う為に研ぎ澄ませた刃、だな。
…まぁ、若しも該当の知識を手に入れる為に下着を漁る必要があるのならば、私は遠慮なくそれを行うのだろうがな。
…そういう意味では、私自身がクリーニング屋になるのも一手であるかも知れんな?
(この男の場合、本当にやりかねない。それが知識の魔剣としての、彼の「性」と言う物。…この世で唯一、彼にとって或いは知識よりも優先すべき物があるとすれば――
楽しそうな目線を、洗濯を行う吸血鬼の方へと向けると、クスリと笑いを漏らした)

ふむ。自らが望む生き方への道に――障害でもあるのかね?
ならば、打ち砕けばよい。
(さも当たり前のように、魔剣は言葉を紡ぐ。彼の辞書に「諦め」と言う言葉は存在せず、ただ「回答」がそれに取って代わっていて。
幾ら間違えようが、魔剣が「回答」を放棄する事はない。それは唯、情報を探索し。状況を更新し。正答へと一歩ずつ接近していく。
誰もが自らの様に不屈である訳ではない。それは事実として記憶はしていた。だが、この魔剣にはそれが理解できなかったのだ。
壁が割れぬのならば、割れるまで撃ち続けばよい。或いは、それこそが――無限の時間を持つが故のエゴか)
――失礼した。お前さんの生き方に口を出すほど、私も偉くはないのだがな。

無論だ。悪戯はいつでも歓迎している。
…だが忠告しておこう。私の「対応」を上回るのはそう易しいものではないぞ?
(本当に楽しみにしているのだろう。それもまた彼にとっては「知識」なのだから)

それもまた、一つの戦いの形だ。
…私がそれを取らなかったのは飽くまでも「必要のない労力は使わず、他の要素に回す」と言う理論に基づいてである。
若しも例えば、街まで追跡してくるような敵が居れば、私もまた、敵対者の破壊を考慮する必要が出来ただろうな。
…お前さんは――
…需要があったのだろう?
あー、だよな。
……女に殴られてぼこぼこになった顔の整形手術だけは勘弁しろよ?女は怖いぞ。
(さも当たり前と謂わんばかりの魔剣の言葉は妙に腑に落ちる。知識欲の塊たる彼ならばやりかねない。最後は結局魔導仕掛けの自動洗濯機へ洗濯物を放り込みながら、魔剣たる彼へと向けられた双眸はーー呆れが滲んだ半眼だ。楽しそうな眼差しには戸惑いからか眉根が寄せられて。だが、嫌では無い。故に彼と同じ時を過ごすのだ。)

いいや、シグの言ってる事は恐らく正しいさ。
だがーー日陰モンの俺には眩し過ぎるってだけの話だなァ。
(世界の危機を乗り越えたとして。その先に待つ「因果応報の、終わりの運命までねじ曲げられるのか」と音になりかけた問いは寸前の所で呑み込んで。末路を納得した上で…今の日常をこのまま享受出来るのか、だ。故に閉じ籠る様にある一定の『線』を引く。彼の様に不撓不屈であれば、或いは黎明の空に昇る太陽たる彼女のように前向きあれば…全ては“if”に過ぎない。アンニュイな笑みを口許に湛えたまま双眸を伏せる。夜闇に生きる己にとっては共に羨ましい位に眩しい。)
この話は、終いだ。

まぁ、環境が違うからなァ。
だが…俺の居た世界よりも、シグの居た世界の方がずっと過酷な印象があるぜ。一部の性根は幻想並みに腐っちゃいるが…俺の世界はフツーに生きてりゃ、化物とは無縁だ。化物の存在すら知らねぇまま一生を終える。

ーー法で裁けない悪党。シグならどうする?
無論だ。
私がやる場合は、殴られないような準備を二重、三重と仕掛ける。
……その結果として、誰か他の者が代わりに殴られる可能性はあるかも知れんがな?
(呆れが滲んだ半眼…と言うのは、この男にとっては美酒に等しい。驚いた時、戸惑った時こそ、人は無防備な本性を晒し、それが彼の欲する「知識」に繋がると知っているからだ。故に、向ける目線は一瞬にして集中度を増し――)
女が怖いと言うのならば、お前さんもまた然り…ではないのかね?

――了解した。
(一度死に瀕した彼には、恐れ等なく。全ての障害は彼の前には「破壊される物」としてのみ認識され、その違いは掛かる工数の多寡でしかない。故に彼には『理解』は出来なかったが…踏み込むつもりもまた、ない。――少なくとも、今は。)

過酷か否かは見方次第ではある。
…遺跡を守る為の「危険」は遺跡に入る必要がない一般人とは無縁である。
――だが、資源が欠如しているあの世界は、弱者には優しくはない。力を持たず、他者に「必要とされない」者たちは…ただ野垂れ死ぬしかないのであるからな。
お前さんの言い方を部分的に借りるのならば、「フツーに生きる」と言う選択肢を取れる人自体、著しく少数になっていたという感覚だな。

法で裁けない悪党――
若しもそれが私に関係ない者であるのならば、私は彼らに何もするつもりはない。
――誰が、どんな標準を以て、彼らを悪と定める?
人の善悪など、飽くまでもその者の心中にしか秤が存在しない不確定な物だ。故にそれを裁くのは――エゴだと私は思っている。
(その笑みは、どこか空虚で)
だが――もしもそれが私に関係のある者に害をなしたのならば。私は「私自身の望みに沿って」彼らを破滅させる。
誰が定めた規則に沿ったものではない。私がその者たちを気に入らず、己の望みに沿ってそれを行うのだ。
…無論、万全の考慮を以て、反撃も干渉も許さない手で…な?
……えげつないな、それ。
代わりに殴られる奴が哀れだ。
(彼の代わりに殴られるであろう哀れな子羊達。名も知らぬ彼らの不運を哀れんでは遠い眼差しを虚空へと向けた。)
ーー魔剣『ローデッド』、二度は言わねぇぞ。
俺を女扱いすんな。分かったか?
(再びコンプレックスである性別へと至った話題。普段と変わらぬ声音で紡がれる言の葉。寄せられた眉根。自動洗濯魔導機械が動く低い駆動音が静寂に響くだろう。)

弱者に冷たい世界か。まぁ、どこもそうだろうがなァ。
そうか。
確かにエゴだろうなァ。だが…残された者の、行き場の無い無念や悔しさは誰が晴らす?
俺は俺自身が復讐する者であり、残された者の無念を晴らす復讐代行屋だ。
誰に何と言われようが…この道は変えん。エゴだろうが、それにしかすがれねぇ奴も居るンだよ。

お喋りが過ぎたなァ。ちょっと外に出てくる。
後は魔導機械が勝手にやってくれるさ。
(部屋とは別の方向へと吸血鬼は歩き始める。猫背を丸めてゆらりゆらりと幽鬼の如く。後ろは一切振り返らずに。)
…やれやれ…
(其のため息は、自分自身に向けた物で。
――それが他者にとって必ずしも喜ばしい物でないと知っていても、「知識」こそが己が根源である以上。どうしても踏み込むのを忍耐できない。
面倒な性だ、と自分自身を戒めながらも――)
すまんな。了解した。


――復讐する。大いに結構。
……だが、それは飽くまでも自らの決断の元行われるべきだ。
他者を題目にするべからず。他者の力を借りるとしても、己が決断を以て、己がその決断の責任を負え。
――それが、私の意見である。
(賛同する事は簡単だった。だが。体の奥底の。その魔剣の更に内側。――はるか昔に風化し、忘れ去られた筈の部分が、それを拒んだ)

――お前さんに、私の回答を正と思え、とは言わん。
……だが逆に、お前さんが問いた以上、私は仲間としてお前さんに嘘をつくべきではないと考えた。それだけの事であるな。
(立ち去る背中から目線を離し。回る機械に目を向ける。その眼にはただ、虚無が映っていた)
【○/○】(彼の前から逃げ出したあの晩。独り煙管の煙を燻らせる。己が紫煙に頼る様になったのは何時からだろうか。無念を遺した魂を空へ送るようにーー黎明の空へ細く昇る煙を見つめて。今宵も霊魂の囁きに耳を傾けるだろう。ぎり、と血が滲む程に強く唇を噛み締めて。)
…俺が過ちを犯している、そんなのとっくの昔に知っていたさ。正論で全て片付くなら、そもそも俺みたいな存在は生まれない。
(己が身を苛む飢餓感。普段は抑えていたそれ。満たされぬは身体か心かーー)
【9/14】蠍、か…確かにサーカスの時からチョロチョロ見掛けては居たが。随分と急と言うか。
(顎に右手を添えては暫く思案に耽り。)
ーーこりゃ、バックに何かありそうだなァ。
【10/23】いってぇなぁ…。やられたらやり返す…このままじゃ終われん。(氷の剣で貫かれた傷をなぞり。牙を剥き出しにして。)
昔の夢を見た。
まだ長かった髪は、燃え滓みたいな色じゃなくて。右目もこんな色じゃなかった。
幸せだった、あの頃の。

右半身が痛むのは。嫌な汗が止まらないのは。きっと、昔の夢を見たせいだ。

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ふうむ、俺に残された時間は45日か。どれだけ時間を伸ばせるかは未知数。
…死ぬのを大人しく待つのは御免だ。
(身体に染み付いた不快な死臭は幾ら湯浴みしても消える事は無く。床に水滴をぽたり、ぽたり、と滴らせながら歩く女は眉間の皺を深めて。無造作に寝台に置かれた懐中時計は刻を刻み続ける──)
【4/26】
…流石に広がって来たか。
(倦怠感に包まれた身体で自室まで戻れば、姿見の前に立ち。雑な仕草でシャツの釦を幾つかはずせば──胸元を浸食する痣が露になる。廃滅病に犯された何よりもの証拠だ。白い肌に広がる痣を忌々しいとばかりに睨んだ女は、痣が広がる皮膚に爪を立てる。)
俺は抗う。…だから、大人しくしてるンだなァ。
(痣が広がる身体には痛みが走る、故に女の息は荒く。ゆっくりと下ろされた右手の爪には赤が滲み。よろよろと死臭を誤魔化す為の湯浴みに向かうだろう。
相も変わらず、愛用の懐中時計は刻を刻み続ける──)
【6/2】
──シャルロット。
お前の願いは必ず叶える。此処でくたばるンじゃねぇぞ。
【11/11】
…大分、埃が溜まっちまったな。片付けないと。
(埃が積もる自室の惨状に渋い表情で)
【12/6】
(モップ片手に携え、腕捲りして。床をごしごし擦る)

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