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月夜二吼エル

【000号室】レイチェル=ヨハンナ=ベルンシュタイン

レイチェルの部屋。

廃墟と化した館の主の部屋であるが、他の個室や客室と変わらぬ間取り。
ボロボロだった所を辛うじて住める状態まで修理した故に…歩く度に木目の床が軋む。
部屋は散らかり放題、積み上げられた本の山は今にも崩れそうな状態だ。厚手のカーテンは昼夜問わずにぴっちりと閉めきられている。

(呟き所)

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……どーぞ。
どーせ、却下しても片付けるンだろ?つーか、マメだよなァ…。すげぇ感心してる。
(何処か不貞腐れた様子で唇を尖らせれば床にしゃがみ込み、一足先に床に散らばった洗濯物を拾い上げる。常識の欠片はあれど、自分の城と言う名の汚部屋の主に羞恥心と女らしさは無いらしい。所謂ヤンキー座りで籠へと押し込んで行く中、己の世話を焼く彼へと感嘆の声を上げるだろう。)

嗚呼…アレは愉しかったぜ。久々に血が駆け廻る感覚、リアルな痛み。緊張感は人生における香辛料、だ。
(問いの答えを探すべく思考の海に沈めば、シャツを手にしたまま手が止まる。昔日の記憶は鮮烈な感情に焼き尽くされて朧気だ。ただ、妹の姿だけがはっきりと脳裏に浮かびーーそれを元にして傍らの自分が漸く像を結んだ。)
ふむ…外で駆け回るよりは引き込もってるのが好きなガキだったな。

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