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シナリオ詳細

銀嶺の地へ 雪山であそぼう!

完了

参加者 : 151 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●冬将軍到来!
「ダイカンパなのです! 山がまっしろなのです!」
 『新米情報屋』ユリーカ・ユリカ(p3n000003)が、ぶるりと身を震わせ、ある山村から依頼があったと話しはじめる。
「幻想でも、標高の高い山にある村は、この時期、雪が降ることがあるのです。毎年のことではあるのですが、このところ強いダイカンパがやってきたせいで、村が閉ざされて困っていると報せがありました」
 村人が総出で雪かきをしても、降り続ける雪の勢いに負け、村から出られない状態が続いているという。
 報せは鳥に手紙を括りつけて運ばせるという古典的な手段を用いてなんとかローレットまで届いたが、当の村人たちは、今も一面の銀世界で不便な日々を過ごしている。
「そこで、イレギュラーズのみなさんの出番なのです!」
 村の狙いは、ローレットから大人数のイレギュラーズを招き、町から村までの雪道を固めてもらうこと。
「大ざっぱな作戦ですが、たしかに、イレギュラーズのみなさんが続々と村を訪れれば、雪も固まって道になると思うのです!」
 ただ村を訪れて欲しいという依頼ではあるが、村までの道を歩くだけで役に立てるというのなら、これほど楽な仕事もないだろう。

「雪山の生活は厳しいので、報酬はほとんど出せないとのことですが……。その代わり、村には雪あそびを楽しめる施設があるのです!」
 村まで来てくれたなら、施設や道具はいくらでも貸し出してくれるという。
「山に登っての雪すべりも楽しそうですが、雪だるまやかまくら作りも楽しそうなのです!」
 施設運営の手伝いの他にも、場を賑やかにするような提案があれば、歓迎されるかもしれない。
「単独での参加はもちろん、誘いあっての参加も大歓迎なのです! お手すきのみなさんは、ぜひぜひ村の訪問をお願いします!」
 ひとが多く訪れれば、いつもは寂れた寒村でひっそりと冬を越す村人たちも、きっと喜ぶだろうから。
 ユリーカはそう告げて、村までの地図と、村の地図を皆に配って回った。

GMコメント

こんにちは、西方稔(にしかた・みのる)です。

幻想国・山の村にて。
雪あそびを楽しむイベントシナリオです。

シナリオは、村で遊ぶところから始まります。
(村までの雪中行軍はカットします!)
当日は「快晴」。
描写時刻は「日中」のみです。


●依頼達成条件
・村へ行き、雪あそびを楽しむこと


●行動選択
【A】雪ですべる
   専用の滑走コースがあります。
   いわゆるスキー・スノーボード・ソリ等を楽しむならこちら。
   リフト的な機器が無いので、自力で山頂まで登る必要があります。
   木の板やソリなどは借りられます。

【B】雪でつくる
   専用の広場があります。
   雪だるま、かまくら等、雪でなにかを作って遊ぶならこちら。
   複数人で、大きな雪像に挑むのもアリです。
   雪かきに必要な道具は借りられます。

【C】その他
   村には暖をとる休憩場所として、たき火広場もあります。
   施設や貸し出しの手伝い、屋台など、A・Bに該当しない活動や出し物はこちら。
   (ちなみに、すべてボランティアでの実施となります)


■プレイング記述
 下記の注意を必ず守り、プレイングをご記載ください。
 守られていない場合、描写されない可能性がありますのでご注意ください。

 1行目:【行動選択】(A~Cより、アルファベットを1つ選択)
 2行目:同行者のフルネーム(ID)、または【グループ名】 ※単独参加者は不要。
 3行目以降:自由なプレイング

■同行者の呼び方にこだわる方は、フルネームとは別に、呼び方も記載してください。
 (姓 or 名 or あだ名など)

■単独参加が良い方は、その旨お書き添えください。
 (なにも記載がない場合は、ほかの参加者と会話等を行う場合があります)


★注意点
参加者全員が気持ちよく過ごせる場となるよう、マナーを守ってご利用ください。
・戦闘系スキルは使用不可。
・非戦闘スキル、ギフトは、場に適したものであれば使用可。

また、イベントシナリオは全員描写をお約束するものではありません。
その点、あらかじめご確認のうえ、ご検討ください。

それでは、どうぞ楽しい一日を。

  • 銀嶺の地へ 雪山であそぼう!完了
  • GM名西方稔
  • 種別イベントシナリオ
  • 難易度VERYEASY
  • 冒険終了日時2018年02月02日 21時50分
  • 参加人数151/∞人
  • 相談7日
  • 参加費50RC

参加者 : 151 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(151人)

スウェン・アルバート(p3p000005)
最速願望
ノイン ウォーカー(p3p000011)
時計塔の住人
リオネル=シュトロゼック(p3p000019)
拳力者
リュスラス・O・リエルヴァ(p3p000022)
川越エルフ
リザシェ・トグラフ(p3p000031)
花守
アルプス・ローダー(p3p000034)
二輪
アクア・サンシャイン(p3p000041)
トキシック・スパイクス
ラノール・メルカノワ(p3p000045)
夜のとなり
クルーレア・ヴェンシルト・アリスティーニ(p3p000082)
未来を映した瞳
十夜 縁(p3p000099)
幻蒼海龍
竜胆・シオン(p3p000103)
木の上の白烏
猫崎・桜(p3p000109)
魅せたがり・蛸賊の天敵
クロバ=ザ=ホロウメア(p3p000145)
讐焔宿す死神
ヘイゼル・ゴルトブーツ(p3p000149)
旅人自称者
メド・ロウワン(p3p000178)
メガネ小僧
如月 ユウ(p3p000205)
浄謐たるセルリアン・ブルー
エマ(p3p000257)
こそどろ
セララ(p3p000273)
魔法騎士
ヴェノム・カーネイジ(p3p000285)
大悪食
ルアミィ・フアネーレ(p3p000321)
神秘を恋う波
シャルレィス・スクァリオ(p3p000332)
蒼銀一閃
日向 葵(p3p000366)
紅眼のエースストライカー
鶫 四音(p3p000375)
カーマインの抱擁
Lumilia=Sherwood(p3p000381)
優響の音色
ウィリア・ウィスプール(p3p000384)
彷徨たる鬼火
アリシス・シーアルジア(p3p000397)
黒のミスティリオン
亘理 義弘(p3p000398)
義に篤く
郷田 貴道(p3p000401)
人類最古の兵器
燕黒 姫喬(p3p000406)
猫鮫姫
巡離 リンネ(p3p000412)
魂の牧童
リゲル=アークライト(p3p000442)
白獅子剛剣
栂瀬・なずな(p3p000494)
狐憑き
銀城 黒羽(p3p000505)
ルクスリア・アスモデウス(p3p000518)
大罪七柱
シェンシー・ディファイス(p3p000556)
反骨の刃
ジーク・N・ナヴラス(p3p000582)
屍の死霊魔術師
ロルフィソール・ゾンネモント(p3p000584)
金環蝕の葬儀屋
シエラ・バレスティ(p3p000604)
オフェリア(p3p000641)
主無き侍従
メルトアイ・ザ・ベルベットムーン(p3p000674)
蕩幻卿
フロウ・リバー(p3p000709)
夢に一途な
伊吹 樹理(p3p000715)
飴色
恋歌 鼎(p3p000741)
尋常一様
ルディアマーニ・ゾンネモント(p3p000792)
金環蝕の葬儀屋
アレフ(p3p000794)
純なる気配
口笛・シャンゼリゼ(p3p000827)
エリーゼより、貴女へ
シュバルツ=リッケンハルト(p3p000837)
死を齎す黒刃
シャロン=セルシウス(p3p000876)
白い嘘
冬葵 D 悠凪(p3p000885)
氷晶の盾
グレイ=アッシュ(p3p000901)
灰燼
ヨゾラ・エアツェール・ヴァッペン(p3p000916)
ねこ歩き
メートヒェン・メヒャーニク(p3p000917)
メイドロボ騎士
ルウ・ジャガーノート(p3p000937)
暴風
リトル・リリー(p3p000955)
緋色の翼と共に
ナルミ スミノエ(p3p000959)
渦断つ刃
スガラムルディ・ダンバース・ランダ(p3p000972)
竜の呪いを受けしおばあちゃん
A 01(p3p000990)
通称アオイ
スティア・エイル・ヴァークライト(p3p001034)
リインカーネーション
久遠・U・レイ(p3p001071)
特異運命座標
宗高・みつき(p3p001078)
不屈の
オクト=S=ゾディアックス(p3p001101)
紅蓮の毒蠍
ヨハン=レーム(p3p001117)
特異運命座標
レイン・ラディア・クレイドル(p3p001124)
勇者魔王
ユーリエ・シュトラール(p3p001160)
優愛の吸血種
琴葉・結(p3p001166)
魔剣使い
幽邏(p3p001188)
揺蕩う魂
古木・文(p3p001262)
文具屋
イシュトカ=オリフィチエ(p3p001275)
世界の広さを識る者
花園 芽依(p3p001323)
フラワーマスター
トゥエル=ナレッジ(p3p001324)
探求者
桜小路・公麿(p3p001365)
幻想アイドル
コルマ・ルコ(p3p001438)
軽薄吟遊詩人
クロジンデ・エーベルヴァイン(p3p001736)
受付嬢
ユズ(p3p001745)
狼の娘
リカナ=ブラッドヴァイン(p3p001804)
もふもふハンター
アルク・ロード(p3p001865)
黒雪
ランベール=D=ノーチェ(p3p001931)
天気輪ノ銀影
九条 侠(p3p001935)
無道の剣
グレイル・テンペスタ(p3p001964)
青混じる氷狼
リースリット・エウリア・ファーレル(p3p001984)
終焉語り
リック・狐佚・ブラック(p3p002028)
狐佚って呼んでくれよな!
ティミ・リリナール(p3p002042)
フェアリーミード
ゴリョウ・クートン(p3p002081)
黒豚系オーク
アルファード=ベル=エトワール(p3p002160)
α・Belle=Etoile
ミーシャ・キュイ(p3p002182)
ただの手品師だよ?
メリル・S・アステロイデア(p3p002220)
ヒトデ少女
天城 初春(p3p002232)
永き時を歩む最後の狐姫
ナイン(p3p002239)
特異運命座標
ガドル・ゴル・ガルドルバ(p3p002241)
本能を生きる漢
セシリア・アーデット(p3p002242)
治癒士
セティア・レイス(p3p002263)
妖精騎士
セレネ(p3p002267)
珠々祈り
メルト・ノーグマン(p3p002269)
山岳廃都の自由人
エイカ・クインクラント(p3p002341)
煌めく剣戟
アリソン・アーデント・ミッドフォード(p3p002351)
不死鳥の娘
ヨルムンガンド(p3p002370)
暴食の守護竜
リョウブ=イサ(p3p002495)
老兵は死せず
ヒィロ=エヒト(p3p002503)
咲く笑顔
ファリス・リーン(p3p002532)
戦乙女
ミニュイ・ラ・シュエット(p3p002537)
救いの翼
ティラミス・ノーレッジ(p3p002540)
どうぶつマジシャン
あい・うえ男(p3p002551)
人を堕落させし、怠惰司る魔王
アニー・メルヴィル(p3p002602)
お花屋さん
弓削 鶫(p3p002685)
Tender Hound
秋嶋 渓(p3p002692)
体育会系魔法少女
カシエ=カシオル=カシミエ(p3p002718)
tailor
エスラ・イリエ(p3p002722)
牙付きの魔女
九重 竜胆(p3p002735)
一刀繚乱
セリス・アルベルツ(p3p002738)
ギルドの王子
ネスト・フェステル(p3p002748)
常若なる器
ルーミニス・アルトリウス(p3p002760)
烈破の紫閃
仙狸厄狩 汰磨羈(p3p002831)
流麗花月
クロウディア・アリッサム(p3p002844)
ナイトウォーカー
ライセル(p3p002845)
Dáinsleif
リジア(p3p002864)
破壊の護手
フルオライト・F・フォイアルディア(p3p002911)
白い魔女
枢木 華鈴(p3p003336)
ゆるっと狐姫
コリーヌ=P=カーペンター(p3p003445)
朝比奈 愛莉(p3p003480)
砂糖菓子の冠
シルヴィア・C・クルテル(p3p003562)
ノーブルブラッドトリニティ
ミディーセラ・ドナム・ゾーンブルク(p3p003593)
キールで乾杯
棗 士郎(p3p003637)
ウロボロスの魔術師
アルズ(p3p003654)
探偵助手
華倉 月(p3p003707)
熱血漢パティシエ
コルザ・テルマレス(p3p004008)
白仙湯狐
フィオリーレ・ヴェスパタイン(p3p004059)
鎧竜
アレーティア(p3p004118)
真理を求める者
ミリアム(p3p004121)
迷子の迷子の錬金術師
リエッタ(p3p004132)
カレイド
アリーシャ・エバーグリーン(p3p004217)
色彩
ミーシャ(p3p004225)
夢棺
メル・ラーテ(p3p004228)
火砲少女
アイリス(p3p004232)
呪歌謡い
カシャ=ヤスオカ(p3p004243)
死と悲哀に寄り添う者
ラクリマ・イース(p3p004247)
冷たい薔薇
エルメス・クロロティカ・エレフセリア(p3p004255)
幸せの提案者
桜坂 結乃(p3p004256)
ふんわりラプンツェル
ルチアーノ・グレコ(p3p004260)
Calm Bringer
ロスヴァイセ(p3p004262)
麗金のエンフォーサー
神埼 衣(p3p004263)
狼少女
終月(p3p004278)
探偵
すてーき(p3p004293)
触手マイスター
アルム・シュタール(p3p004375)
鋼鉄冥土
ノースポール(p3p004381)
差し伸べる翼
シラス(p3p004421)
桜咲 珠緒(p3p004426)
二人でひとつ
ハロルド(p3p004465)
聖断刃
フユカ(p3p004485)
さよならマイハート(未遂)
安宅 明寿(p3p004488)
流浪の“犬”客
アメリア アレクサンドラ(p3p004496)
願いを受けし薔薇
ルフト=Y=アルゼンタム(p3p004511)

リプレイ

●雪の村へようこそ!
 その日、空はどこまでも青く澄み渡っていた。
 だが、ダイカンパの影響は色濃く。
 依頼のあった村に近づけは近づくほど、あたりは一面の白に覆われていく。
 整備されているはずの道も雪の下に埋もれ、一同は方角を確かめながら、慎重に村を目指した。
 ――とはいえ。
 151名ものイレギュラーズによる、大雪中行軍だ。
 厚く降り積もった雪をものともせず、早々に村へとたどりついた一同は、到着を心待ちにしていた村人たちの大歓声とともに迎え入れられたのだった。

 村の休憩場所であるたき火広場を臨みながら、フロウ(p3p000709)はぐるりと村を見やった。
「村を訪れるだけでいい仕事と窺って来ましたが、大寒波の影響下にある雪山は中々厳しいですね」
 それでも、訪れたイレギュラーズを出迎えた村人たちの顔には、笑顔が浮かんでいて。
「少々、変わった休暇だと思えばいいですか」
 気を取り直して、何をして楽しもうかと考え始める。
「そうさな。雪は馴染み深いものゆえ、これといって思うところはない。さりとて折角の機会だ。場の盛りあげくらいはしようぞ」
 『白い魔女』フルオライト(p3p002911)が場を共有する者たちを元気付けようと、単独ライヴを開始する。
 歌唱を聴き、『白き旅人』Lumilia(p3p000381)も意を決してリュートを構える。
 普段扱う、横笛とは異なった初めての楽器。
「基礎は理解していますが、まだまだ技術的には稚拙といえるでしょう。あまり恥ずかしい演奏をするわけにもいきませんから、この機会に練習させてください」
 たどたどしい指使いでつま弾けば、ゆっくりと、雪に馴染むような静かな旋律があたりに響きわたる。
 真白き少女たちへ、拍手や声援が贈られるなか。
「快晴! つまり! シャイニング! 光り輝く美の化身たるこの僕! 桜小路公麿が最も美しくなる天気じゃあないかハッハッハッハ!」
 ひときわ大きな声をあげのは、公麿(p3p001365)。
 衣服を脱ぎ払いッ!
 カッコイイポーズを決めッ!
 ヴィーナスも羨む美顔でスマイルッ!
 極めつけに、ギフト『究極的薔薇幻想(すごいばらいっぱいでる)』で、自ら背景に華やかさを添える。
 そうして、広場にあった雪だるまの横へ移動して。
「人は雪だるまを見て心癒されるだろう? ならばこの僕を見た人は心癒されるどころか心爆発するレベルさ!」
 これはこれで、賑やかしに一役買っているのかもしれない。
「いやはや寒いですね、尻尾がもうカチコチでございます」
 たき火の側を陣取った『旅芸猫』ティラミス(p3p002540)が、『夢幻のシルクハット』に手をかけ、優雅に一礼。
「全ての人々に最高級の笑顔と感動を!」
 尻尾の先までしゃんと姿勢を正すと、次々とマジックを披露しはじめる。
「それでは、私は今まで聞いた物語を話す出し物をしましょうか」
 四音(p3p000375)がそう呟けば、村人たちがこぞって周りを取り囲んだ。
「さて、どんな話が良いでしょう? 雪女、狐、傘と地蔵、さとり、もっと色々な物語も有ります。どうぞどうぞ、聞きたいものをリクエストしてください」
「『さとり』ってなんだ?」
「『雪女』ってのは、どこの地方でも居るもんなのかねえ」
「なんでもいいよ、面白い話をききたーい!」
 大人も子どもも、眼を輝かせる様子に、「ああ、なんて素晴らしい日なんでしょう」と、四音は感無量。
 オフェリア(p3p000641)は賑やかな広場の端に荷を広げ、集まった村人やイレギュラーズたちへ防寒着の貸し出しを始めた。
「誰かが楽しめる手助けをする方が、性分にあってるのですよね。皆様が楽しそうにしていれば、それを眺めているだけで、私も楽しいのです」
 村人へも、何か手伝うことがあれば遠慮なくと声をかける。
 自身は鉄騎種なので、多少の寒暖や労力は大したことではないのだ。
「あら、あら……。寒い中、皆さんお元気ねぇ」
 その隣で、カシエ(p3p002718)とガドル(p3p002241)も、ギルドの看板を掲げて店開き。
「布製品の『tailor taylor』、只今、防寒具を無料で貸出中だ!」
 髭の強面から繰りだされるガドルの笑みが、不思議な愛嬌をもって見る者の警戒を解き、あっという間に人だかりができあがる。
 次々とやってくる希望者へ、
「此方をどうぞ、とても暖かいですよ。帰る前に返しに来てくださいね?」
 カシエはひとりひとり丁寧に応対し、暖かさに表情をほころばせる人々を見守って。
「ガハハ、暖かいだろう? なんたってカシエさんの手製だからな!」
 優しいカシエのために一肌脱ごうと、ガドルはさらに声を張りあげる。

「雪がこんなに積もっているところは、初めて見たなぁ。綺麗だけど、住んでる人にとっては不便だよね」
 道具類の貸し出しを手伝っていた文(p3p001262)の言葉に、葵(p3p000366)も同意する。
 他にも何かあればと村人に困りごとを聞いてまわった2人は、建物の雪下ろしを手伝うことにした。
「やっとかねーと危ないんだよ、こういうのって」
 葵が『跳躍』スキルで高い屋根の上に登り、周囲のイレギュラーズに呼びかける。
「おーい、雪落とすから埋もれたくなきゃどくっス!」
 多くの者は、すぐさまその場を退いたが、
「ゆき、雪……雪とは、なんだ……? んん……白い、冷たい、溶け」
 ――ドサッ。
 ちょうど屋根の下でモサモサと雪に触れていた、あい・うえ男(p3p002551)の上に、ふわふわの雪がすべり落ちた。
『……誰だ、私の上になんか乗せたのは……。ああ、でも……抵抗するのも……どかすのも……面倒……』
 くぐもった声が雪山から響くも、そのまま埋まるつもりらしい。
 饅頭型の身体に雪が積もったその姿は、雪だるまに見えなくもない。
「あーあ、だからどけつったのに……」
「楽しそうで何よりだけど。遊ぶ人は、怪我しないように気をつけてね」
 見おろす葵に続いて、文が周りへ注意を呼び掛けて。
 二人そろって、行ってらっしゃいと大きく手を振る。
 雪下ろしを希望したのは、村人だけではない。
 エスラ(p3p002722)は村の周りを散策しながら、『自然会話』で木々と意思を交わしていた。
「これだけ雪が降ると、体を支えるのも辛そうね? 重みで枝が折れたら大変。気休めだけど、ちょっとだけ払ってあげるわ」
 重くのしかかっていた雪を払うと、木々はぴょんと背筋を伸ばしたようにも見えて。
「雪がやまずに大変かもしれないけれど。頑張って、冬を越してね」
 幹に触れれば、そより、葉擦れの音が優しく応える。
 同じころ、薪木集めも兼ねて、ルフト(p3p004511)も村の周囲を見回っていた。
 『自然知識』と『自然会話』を生かせば、この地域の生態や自然にしかわからない情報を知ることができる。
 冬でも採取できる食べ物や、危険な場所。
 得た情報をまとめて村長に渡せば、厳しい冬を越す一助になるだろう。
「……やはり自然は落ち着くな」
 戻ったら雪だるまでも作ろうかと、さくり、新雪を踏みしめた。

「“ただ歩くだけ”で報酬を得るのは、俺のルールに反する。他に仕事はないか?」
 ハロルド(p3p004465)が声をかければ、老齢の猟師が手招く。
「俺と来るか、小僧。雪山の獲物は手ごわいぞ」
「望むところだ。俺は感覚強化のスキルも所持しているし、狙撃銃も持参してきた。獲物を仕留めるだけなら可能だろう」
 若造が吠えおるわと豪快に笑い飛ばすと、案内してやろうと猟師が歩き出す。
 狩りへ向かうハロルドに土産を期待するヤジが飛ぶなか、ファリス(p3p002532)が薪を一刀両断するたびに、焚き火の周囲から盛大な拍手が沸いていた。
 斧使いを指南していた村人も、もう教えることは何もないと感涙している。
「ふむ、力任せに割るのではなく……斧の重みを生かして――技で断つ!」
 感覚を確かめながら幾度も斧を振りおろせば、搭を築く勢いで、天高く薪が積みあがっていく。
 もう休んだらと声をかけられるも、
「何かの仕事を手伝っている方が、私には性に合っています」
 と、次の薪木を求める。
 ラクリマ(p3p004247)は背中いっぱいに薪をしょいこみ、村の家々に薪を届けて回る。
 寒がりなのでたき火の傍で手伝いを、と考えていたのだが、村人に頼まれ断れなかったのだ。
 荷は重いが、薪を届けるたびに感謝と笑顔を向けられるのが嬉しく、気がつけばもくもくと励んでいた。
「寒いけど、今はしっかりと受けた仕事を完璧に遂行し、お金をためて、カッコいい装備を買う! それが一番の目標!」
 ぐっと拳を握りしめ、気合いを入れて次の家へと向かった。

 入れ替わり、人々が広場を往き過ぎる中。
「行って帰ってくるだけ。楽な仕事で助かるよ。……と思っていたけど、待機時間つらい。さむい。こごえる」
 たき火の側に居ながら、凍えていたのはミニュイ(p3p002537)。
 せめて大人しく火の面倒をみていようと縮こまっていると、
「うむうむ、これは聞きしに勝る素敵な場所でござりまするな! 修行の場として!」
 「まずは乾布摩擦でござろう!」と、上半身諸肌脱いだスミノエ(p3p000959)が、持参した手ぬぐいでゴシゴシし始める。
「最初は寒うござりましたが、段々とポカポカしてまいりますな!」
 半眼で見やるミニュイをよそに、スミノエはソリを借り受け、その場に居た者たちに呼びかけた。
「もしも山頂へ向かう方がいれば、ソリに乗せて引いて参りますぞ!」
「ちょうどいい、乗せてってくれ。自力で登るのはクソ面倒臭ぇと思ってたところだ」
 すぐに黒羽(p3p000505)が声をかけ、「承知!」と答えるやいなや、猛然と走りだす。
 一方、スノーボードに初挑戦すべく山頂を目指していたアリーシャ(p3p004217)は、いくらか歩き始めたところで、一枚の看板とハンドベルとソリを見つけた。
 ――『人力リフト・準備できたらベル鳴らしてね!』
 まさかと思いソリに乗り込み、ベルを一振り。
 ちりんと鳴ったが早いか、ソリが山頂へ向かって動き始めた。
 見れば、前方にロープが括りつけられている。
「ウィンタースポーツなんて久しぶりだな! エンジョイしないと損だろう!」
 途中、トレーニング代わりにと負荷をつけ、自力で登る貴道(p3p000401)の姿も追い越して。
 後方へ流れゆく景色を眺めている間に、ソリは山頂へと到達。
「ぶははっ、さぁ楽しんでいきな!」
 豪快な笑い声とともに迎えたのは、『黒豚系オーク』ゴリョウ(p3p002081)だった。
 彼がひとりでソリを引き上げていたらしい。
 アリーシャは丁寧に礼を告げ、ここまで来たからにはと腹をくくる。
「なせば大抵、なんとかなるっ!」
 勢い良く飛びだしていくアリーシャを見送り、ゴリョウは引き上げたソリを雪道にそって降ろし始める。
「山頂まで登るとなると、特に小っせぇヤツらなんかは一苦労だろうからな」
 もうひと踏ん張りするかと、足場を固め直しにかかった。

●雪ですべる
「――雪山最速伝説がこの日、幕を上げる……ッス」
 スキー板を手に山の上までホイサッサ、の勢いで登って来たのはスウェン(p3p000005)。
「上まで行けばこっちのもの、一気に直滑降で滑るッス!」
 『シフトチェンジ』のギフトを生かし、スピードが乗るほど体やストックの動かし方を繊細に変化させる。
 すると、スノーボードに乗った渓(p3p002692)が競うように滑り降りてきた。
 村に到着して真っ先に山頂へ向かっていた渓は、他の者たちが滑りに来るのを待っていたのだ。
(早そうな人がいたら競争してみたいな! そこまで本気で競う気はないけど。一番早く滑り始めて、一番早いといいかな!)
 渓は知らなかった。
 今、勝負を挑んだ男の称号が、『最速願望』であることを。
「コンマセコンドの世界まで挙動を極めて見せるッスよ! うおおお!!!」
 勢いを増したスウェンに食らいつくべく、渓も負けじと身体を傾ける。
 少し離れたところでは、スミノエのソリであっという間に山頂へたどり着いた黒羽が、村を見おろし白い息を吐いていた。
 ゴリョウの人力リフトが稼働していることもあり、後続の者たちも次々と山頂に到着しているようだ。
「特別、トリックができるわけでもねぇし、ターンとオーリーだけで気楽に滑るか」
 一面の青と白を臨み、ボードを踏みしめ、勢いよく前へ。
 見ると、鍛錬のためと自力で山頂へたどり着いたルウ(p3p000937)も、パワフルに滑降を開始!
 『風邪を引かない』スキルで薄着を保持していたルウの勇姿は、まさに『暴猛たる巨牛』バッファローそのものを彷彿とさせて。
 ルウの滑りを見た黒羽も、上等とばかりに追いあげる。
「ゆき、ゆき、すごいゆき! どこみてもゆきだらけっ!」
 雪山を登るメル(p3p004228)の肩の上で、大歓声をあげるのはリトル(p3p000955)。
「おう、リリー寒くねーか?」
「これぐらいならだいじょーぶ! メルさんもいるし!」
 頂上までたどり着いたら、いよいよ滑走に挑戦だ。
「よっしゃ、リリーしっかり掴まってろよ?」
「うん、わかったっ」
 運動神経は良い方だから何とかなるだろうと、メルは初挑戦とは思えない勢いのある滑り出し!
 一面の銀世界を颯爽と駆けぬけ、軽快にターンを決めながらリトルを見やれば。
「これたのしーな! 次はジャンプでも……」
「って、なんかはやくなってきて、わーっ!?」
 あまりのスピードに眼を回していたリトルに気づき、メルは少しだけスピートを落として。
「っと、調子乗り過ぎたな大丈夫か? わりぃわりぃ!」
「だ、だいじょうぶだよ、えへへ……」
 麓まで降りてようやく、ほっと息をついた。

「……ん? あれはどうやって滑り降りてるんだ?」
 頂上から滑り下りてくる者たちを遠目に見ていたシェンシー(p3p000556)の問いに、「あれはスノーボードよ」と、通りすがりの結(p3p001166)が答える。
「……スノー……ボード? へえ……良いな。とっさに高速移動したい時に、あの板があればできるのか。あれなら物も身軽だな。やってみよう」
 「おれにも使わせてくれ」と板を借り受け、人力リフトのベルをちりんと鳴らす。
 初心者がいきなり山頂なんて大丈夫かしらと思いつつ、その背を見送って。
 リフトは行ったばかりで、後続には村の子どもたちが並んでいる。
「……徒歩で山を登るなんて、元の世界じゃ考えられないわね」
 そっと列から離れ、自らの足で山道を登り始める。
 何人ものイレギュラーズがつけた道があるおかげで、多少は楽ができそうだ。
「寒いけど、我慢よ私! 頂上まで着いたら、思いっきり滑るんだから!」
 ぐんぐん歩いていくと、前を歩くヨゾラ(p3p000916)とフユカ(p3p004485)に追いついた。
 ヨゾラは雪遊びに向かない貴族服にソリを引き、息も絶え絶え。
「……雪山登るのも初めてだけど、意外と体力使うね……!」
 かたや虚弱体質のフユカは、全身包帯だらけ。
 こけたり、躓いたりしたら冗談抜きでヤバいと慎重に歩いており、亀のごとき歩みだ。
『オイオイ、遊ぶのは構わねぇが事故には気を付けろよな!』
 見かねた【魔剣ズィーガー】が激を飛ばすも、
「俺は重病人じゃない! ……別に無理はしてないぞ!」
 見るからに不安な2人を放って、進むこともできず。
 結が2人を叱咤激励することで、ついに3人そろって山頂へ。
 先に滑っていく結とフユカに手を振り、ヨゾラはひと休み。
 呼吸が落ちついたところでソリへと乗り込み、斜面へ!
 空を裂くように駆けおりるのが楽しく、思わず「ひゃっほぉーい!」と声をあげていた。
「あははははは、これ結構面白いひゃっ」
 うっかり強くロープを引いた際に、軌道が逸れて。
 かけていた眼鏡が、ぽーんと宙を舞う。
 同じころ。
「こんなに高い所まで来ても、まだ一面真っ白なんだな……!」
 元世界では巨大なドラゴンであったヨルムンガンド(p3p002370)にとって、眺める景色すべてが新鮮で。
 もちろん、ソリで遊ぶのも初めてのことだ。
 斜面の途中で、おもむろにソリに乗り込み。
「滑って遊ぶっていうのはどんな感じなんだろうな! 楽しみだなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ……ぁっ」
 尾を引いた声の先で、ヨルムンガンドの乗ったソリがぼすんと雪山に突っ込む。
「……速くて超楽しい」
 なにか、開眼したらしい。
 今度は雪山で跳んでみようと、再び山を登り始めたところで。
 雪に埋もれていたヨゾラを掘り返し、共に滑ろうと歩きはじめた。

 人力リフトを使い山頂にたどり着いたものの、初挑戦のスティア(p3p001034)は戸惑うばかり。
「スノーボード初めてなんだけど、だれかやり方を教えてくれないかな!」
 思いきって声をあげれば、居合わせたみつき(p3p001078)が講習をしてくれるという。
「自然を感じながら滑る爽快感、たまんないぜ!」
 スタイリッシュなスノーボードウェアを身に着け語るみつきは、まさにスティアの憧れる「恰好良い!」スノーボーダーの姿だった。
「大事なのは止まり方と転び方だよ」
「うーん、止まり方がわからなかったら、最悪こけたらいいのかな?」
「そうそう。ちゃんとお尻から転べれば痛くないから、怖がらずにガンガン行こうぜ!」
 みつきの声援を受け、スティアも一面の銀世界へ!
 続いて、みつきも後を追うべく、さっそうと斜面を滑り降りていく。
 同じくスノーボードに挑むネスト(p3p002748)は、たどりついた山頂から周囲の山岳を見渡していた。
「ダイカンパか。俺の故郷でも、冬の時期は大変だったものだ」
 頭部が植木鉢なせいもあるだろうか。
 言葉に、ひときわ重みが漂う。
「自然の脅威に怯えるだけでは気も滅入る。この機会を楽しむべきだな」
 せっかくなら眺める側も楽しめる、或いは驚くような技を試そうと、コースへ。
 『アクロバット』のスキルと、持ち前の精神で、いざ空中一回転ジャンプ!
 麓にたどり着くなり、見ていた子どもたちが一斉に集まってくる。
 雪山で育った彼らにとって、上級ボーダーは憧れの的なのだ。

 村に着くなり駆けだした犬のカイカを追いかけ、カシャ(p3p004243)は山頂にたどり着いていた。
 疲労困憊でへたり込んでいると、カイカがソリを引きながら周囲をまわり始める。
「あ、遊んで、欲しいの……? ……い、一回だけだからね……」
 一緒にソリに乗り込んで、いざ斜面へ!
 ゆるやかな傾斜だったが、あっと言う間に麓まで滑り降りてしまった。
「……ちょ、ちょっと……楽しかった、かも……」
 見れば、カイカがまた山頂へ向かう道に向かおうとしていて。
「ぼ、ボク、もうムリだよぉ~…!」
 嘆きながらも、放ってはおけず。
 カシャは愛犬を追い、再び山を登り始めた。

 起伏やら傾斜がワイルドで上級者向けな坂を選び、佇むのはシオン(p3p000103)と口笛(p3p000827)。
 位置につき、口笛がシオンを抱える形でソリに二人乗りする。
「ここ、上級者向け……? 楽しそう……。きっととっても楽しくて面白い一日になる……!」
「ええ。どうせならば、最高のスリルをご提供するであります」
「とりあえず何か危ない事があるかもしれないから、『おまじない』をしておこうかな……」
 効果のほどは、さておき。
 口笛はえいやと地を蹴った。
 ソリに乗ったことなどないが、『アクロバット』スキルがあれば、きっと、何やかんやでうまくいく筈だ。
「いえーい……どんどん加速するね……」
 地面の隆起で、ぽーんとソリがジャンプ!
「わーい……。何だか、空を飛んでる時と同じ感じがする……」
 翼を広げたシオンが喜ぶも、口笛はこの先、どうやってソリを止めたら良いのか知らず。
 無表情のまま、揃って、雪山に突っ込んだ。
 もっとも、無謀な滑りを見せたのは2人だけではない。
 鼎(p3p000741)を抱くようにソリを滑らせていたシャロン(p3p000876)も、一瞬はしゃいだ隙に木にぶつかっていた。
 腕の中の少女は、いつの間にか消えていて。
「おやおや、大丈夫かい?」
「ぶ……。無事で良かった」
 自分は雪まみれだが、うまく抜け出した鼎はなんともないらしい。
「ふふ、綺麗なたんこぶだね?」
 しかし、シャロンには頭の上に星がふわふわ浮いていて。
「ああ、天使が見える――」
「おや、目にも異常があるね、変な風に見えてるようだしね?」
 「いてっ」とこぶを押さえるシャロンをよそに、鼎が冗談さと笑う。
 医療キットをとり出し、応急処置を。
「ありがとう」
「ふふ、いつもシャロン君を手伝ってるし、この程度手慣れたものだよ?」
 今度はもう少し低い場所から滑ろうと、ソリを引き歩き始める。

「ふふんっ。軍人では雪中行軍なんて普通だったからな! この私が、華麗なる滑りを見せてやるぞっ!」
 残念オーラを放ちつつ豪語するオクト(p3p001101)が胸を張る傍らで、
「雪山だー♪ 寒いー♪ 真っ白だー♪ よし、テンション上がってきたー♪」
 ちゃんとスキー用の格好をした桜(p3p000109)が、ガッツポーズ。
「登るのは時間かかって、降りるのは一瞬なのが寂しいけど、楽しまないとだね♪」
「こうやって斜面を滑るというのは、無性に愉しいモノですわよねぇ」
 メルトアイ(p3p000674)も「ソリ遊びでも致しましょうか」と、2人と一緒に滑りだす。
 華麗な滑りを披露するべく意気込んでいたオクトだったが、イイトコロを見せようと気合が入り過ぎたらしい。
「おお、オクトさん颯爽と滑って……早速転んだー!? ……あ、ご、ごめんなさい!?」」
 転倒したオクトを避けるべく桜がターンした拍子に、思いっきり雪が降りかかる。
 雪上につっぷし倒れていれば、メルトアイが自前の触手を伸ばし絡め、
「くっ! こ、この私が何故こんな、あ、ああああ~~っ!?」
 どさくさに紛れ、ボディラインを強調するようにして救助する。
「……ふふ、何だかムラムラしてきてしまいました。身体も冷えてきましたし、皆様、暖まりに参りましょうか♪」
 メルトアイはソリの上にぐるぐる巻きのオクトを乗せると、意気揚々とひと気のない樹林へと向かった。

 【ヨハンそりの会】の5人も、競いあうようにコースを駆ける。
 もっとも、保護者的な立ち位置のシュバルツ(p3p000837)は、スノーボードを借りて4人を後方から追いかける係だ。
「操縦は衣ちゃんに任せますが、大丈夫でしょうか……転げないでくださいね?」
「私が操縦? ん。分かった」
 答える衣(p3p004263)と、少し不安げなヨハン(p3p001117)がひとつのソリへ。
「さーて滑走だー!」
 すてーき(p3p004293)の中に入ったまま、ミーシャ(p3p002182)が滑走の指示をだす。
「触手で方向を巧くコントロールして、オイラのテクニック卍を見せつけるでやんす!」
 自信満々のすてーきに、「見たか!」とミーシャが手を振って。
「……ミーシャ、ほんとに中に入ってる。すてーき削れそう」
 感心したように呟く衣へ、
「あっ衣さん前! 前!! 危ないですー!」
「……ん? えっっ!? わーーーーーーっ!!」
 脇道にそれ、樹木に激突!
「おーい? 大丈夫かお前らー?」
 『アクロバット』を使い華麗に空中トリックを決めたシュバルツが追いつき、ボードを止める時の勢いを利用して、ヨハンに雪を盛大に見舞った。
 日頃の雪辱を含めた容赦ない追い打ちに、シュバルツが悪い笑顔を浮かべる。
 もう一方はというと、
「ちょっとスピード出しすぎじゃない!? すてーきくん大丈夫!?」
「えっ、どうやって止まるかでやんすか?」
 なんと滑っている当人も、止め方がわからないという。
「こういう時こそ、ギフト【ミミックパンデミック】って、この触手はぬめぬめしてるからブレーキにならないでやんすーー!!」
「ちょっとどこ触ってるの! っていうか前! あぶない、あぶない!」
「「あーっ!!」」
 ヨハン、ミーシャ、シュバルツが駆けつけた時には。
 雪山に埋もれたすてーきとミーシャが、真っ白になって倒れていたという。

 『金環蝕の葬儀屋』である双子の兄弟。
 ロルフィソール(p3p000584)&ルディアマーニ(p3p000792)は、というと。
「ゆ・き・だ!! ねえねえルディ、凄いのだよ! 一面銀世界!」
「おいロルフ、はしゃぎすぎるな」
「私は早速遊びにいってこよう。道具? それならもう借りてあるから大丈夫さ!」
 止める間もなく斜面を登る兄を見やり、嘆息。
「どっかの旅人が歌っていたみたいだな。犬は喜び庭駆け回り。狼だけど」
 ぼやいた声は、幸い当人には聞こえなかったらしい。
「いえーい! ルディ見てるかいー!!」
 変な遠吠えを上げてはしゃぎまわる兄を横目に、ルディアマーニは雪に足跡をつけて、やり過ごそうと思い立った。
 その時だ。
「何度か滑ってきたけれど、飽きないねこれは。あ、ルディ、君暇そうではないかい?」
 急に手を引かれる。
「よし、ルディも私と滑ろう!」
「ロルフ待て、俺は行かないと、話を聞け!」
 嫌がる弟の言葉など、どこ吹く風。
「さあ、まだまだ遊びはこれからさ!」
 兄に引きずられ、ルディアマーニの終わらない遊びが今、始まる――。

●雪でつくる
「……突然に雪で遊ぶと言われても……何をすればいいのか……」
 呆然と遊び場に佇んでいた幽邏(p3p001188)だったが、
「雪! 雪だ!! テンションあがるううう~!!」
 顔見知りにバレないよう完全獣化し、大はしゃぎでぴょ~んと新雪に飛び込んでいく犬――もとい、リック(p3p002028)を見やって。
 雪遊びというものを、なんとなく理解する。
「……隅の方で……見られないように……。あたしがもってる銃と同じのを……作ってみる……」
 どこまでそっくりに作れるか。
 自分なりにこだわって作れば、楽しいかもしれない。
「お犬様! わたしも一緒に遊ばせてくださいっ!」
 アニー(p3p002602)の呼びかけに、つい条件反射で、
「犬じゃねぇ、キツネだ!」
 うっかり叫んだ後にアーッ!とリックが頭を抱える。
「喋らなきゃ、獣人だってバレなかったのにーーーー!!」
 とはいえ、アニーにとってはリックが獣人か、喋れるキツネかなんてことは、特に重要ではなくて。
「見てください! あちらの雪もふかふかです! ゴロンゴロンしに行きましょう!」
「こうなったら、思いっきり綺麗な雪にダイブして雪を満喫してやるぜーーー!」
 開き直ったリックも尻尾をぐるんぐるん回しながら、アニーと一緒に雪へタイブ!
 そのすぐ近くでは、ナイン(p3p002239)が黙々と雪だるま作りに勤しんでいた。
「ふーはーはー。雪だるまを100体作ってやったぜー」
 作った雪だるまに手を置きながらそう告げるも、実際にあったのは3体ほど。
 実際作ってみると、これが結構な重労働なのである。
「……はい、嘘々。言ってみただけー。雪遊びなんて何年ぶりかなー。というか、私って雪遊びしたことあったんだっけ?」
 記憶が曖昧だが、今が楽しければいいかと次の作品にとりかかる。
 その隣では、華鈴(p3p003336)と結乃(p3p004256)たちも並んで遊ぶ。
「ゆきだるま?」
「……結乃は雪だるまを知らんのじゃな……こう、雪玉を、こう……」
 見守る結乃の目の前で、華鈴が小さい雪だるま造りを実演してみせて。
「これが雪だるま、雪で作った人形なのじゃ」
「かわいいねっ。でも、春に溶けちゃうの勿体ない……」
 せっかく作ったのにとしょんぼりする結乃を励ますように、華鈴が両手を広げる。
「うむ。じゃから、わらわと結乃で、この辺りで一番大きいのを作るのじゃ!」
「この子のお友達? 頑張って作るー!」
 あちこちで楽し気に遊ぶイレギュラーズを見やり、アルズ(p3p003654)は思わずぴょんぴょんと飛び跳ねていて。
「怪我とかしないように気を付けてね」
 見かねた終月(p3p004278)が手袋をはめてやり、遊び道具を手渡す。
「あ、あの、僕よりも終月様の方がさむくないですか?」
 終月は軽く微笑み、自分の手袋をつけて。
 さっそく雪だるま作りにかかるも、アルズの雪だるまはどうにも四角くて。
 雪は転がすだけで良いんだよと、終月がアドバイス。
「あ、こんどは上手くできました!」
「うん、さっきよりはましかな」
 どや顔のアルズに、二人でここに並べていこうと微笑み、手分けして作業にかかる。

 また別の場所でも、【アトリエ】の7人がせっせと雪だるま作り。
「ふふーん、アタシが一番立派な雪像を作って驚かせてやるわ!」
 意気込むルーミニス(p3p002760)が大きな雪玉を作ったものの、
「これ乗っけないとダメなのよねぇ。……作り直しましょうか」
 もう一度一から、雪玉を転がす。
 皆に作り方を教えながら、愛莉(p3p003480)も着々と作業を進める。
 膝くらいの身長の雪だるまを作り、道具や廃材を使い手や顔を付けていく。
「最後にバケツをかぶせれば……完成です!」
 お手本のような雪だるまに、周囲から歓声があがって。
 隣で作業をしていたルチアーノ(p3p004260)も、黒いシルクハットにベスト。赤いマフラーを着用させた、お洒落な雪だるまを作りあげる。
「日本の雪だるまは人参を使わなかったり、アメリカのは三段式だったりと、文化の違いが出て面白いんだよね」
 みんなはどんなのを作ったのかな、と辺りを見やれば、
「よいしょ、よい……ぁっ、わぁぁぁ!」
 見よう見まねで雪を転がしていたユーリエ(p3p001160)は、転がしていた雪玉の回転に巻きこまれ、自分が雪だるまに。
「ゆきだるま。むむ……こうして何かを作って命を吹き込むのが、式神にも通じますね。…今度勉強してみましょうか。しきがみ」
 呟きながら、ミディーセラ(p3p003593)が『手下』と書いた札をぺたり、貼り付けて。
「雪だるまのモデルは……ふふ、ミディーにしてみようかしら!」
 雪のキャンパスに花の絵を描いていたエルメス(p3p004255)が、作業するミディーセラを横目に、雪を固め始めて。
「ふふ、お姉さんにしては上手くできたんじゃないかしら!」
 続いて、どや顔で雪だるまを披露するのはアリソン(p3p002351)。
 「そっくりでしょ?」とポーズを決めるが、こちらはなかなか前衛的な仕上がりだ。
 満足気に頷いた愛莉が、雪をひとつかみ。
「そして……雪と言えばコレなのです!」
 投げた雪玉が、アリソンに顔面ヒット!
「私にやるとはいい度胸ね……! この、体温で解けて硬くなった雪玉を浴びるがいいわ!!」
 手あたりしだいに雪玉を投げまくる。
 ルーミニスも先ほど作り損じた巨大雪玉を担ぎあげ、
「勝負でアタシに勝とうなんて、百万年早いって思い知らせてやるわー!!」
 盾代わりにした後に、ぶうんと放り投げる。
「炎を出せるアリソンさんなら、雪に埋もれても大丈夫そう」
 ――べしょっ。
「私は遠くで見守って」
 ――べしょっ。
 ミディーセラ、ユーリエが次々と参戦し、魔法(ドリームシアター)を使っていたエルメスが、ふと思いつく。
「雪だるまが動いて味方になってくれたりする幻も、驚くかしら!」
「いいね。僕も雨霰のように降らせて翻弄させたいな。日の光を受けて輝いて、綺麗だろうし」
 ルチアーノも小さな雪玉をたくさん作り、上空へと投げあげて。
 仲間たちと一緒に、雪まみれになって楽しんだ。

 物珍しい依頼&人助けと思ってやってきたのは、セシリア(p3p002242)とユウ(p3p000205)。
 村に到着した時点で任務は完了しているが、ここまで来たからには遊ばなくては!
「お! あれ面白そう、かまくらだって、あれ作ろうよ!」
「……セシリア、私別に遊ぶつもりないのだけど? かまくら作りなんて、何でそんな面倒な事しないといけないのよ、私ゆっくりしたいのだけど?」
「そんなこと言わないで。せっかく来たんだし、元の世界だとこんな事できなかったじゃん……」
 私1人だと作れなさそうだし、としょんぼりする様子に、
「はぁ……もう、仕方がないわね。その代わり、あなたが作り方を聞いて来てよ?」
「え? いいの!? ありがとう~! 今度またお礼するからね!」
 さっそく村人に話を聞きに走るセシリアを見やり、嘆息ひとつ。
「……我ながら甘いわね」
 ユウもしぶしぶ、雪の積もる方へ。
「こうひらけた雪原を見ると、無性に落とし穴を作りたくなるのよねー」
 クルーレア(p3p000082)は一面の雪を見渡し、スコップを手にさっそく穴掘り開始。
 もちろん遊びの落とし穴なので、誰がかかっても安全なように、深さ1m、直径1mほどに留める。
「なんなら動物でもかかってくれたら、夕飯の材料に提供するとしましょうか」
 即席とはいえフタも作って、掘り返した雪で雪だるまを作ること数分。
 小動物を追いかけていた獣が穴に落ち、さっそく夕飯ゲット!
「雪を見るとどうにもうずうずと……いや、ここはあえて逆らわず、童心に返りかまくらを作るでござる!」
 明寿(p3p004488)が慣れた手つきで雪を固めていくのを見やり、
「せっかくだから、僕もかまくらを作ってみようかな」
「私も、かまくらを作って鍋を楽しもうと思って」
 こうやって遊ぶのはちょっと憧れだったんだと告げるミリアム(p3p004121)やメルト(p3p002269)を歓迎し、3人で作業を進めていく。
 固め終わったら、次は中を掘る作業だ。
 掘る際、壁は20~30cmほどに、均一にするよう心がける。
「この掘る作業が、某は一番楽好きなのでござる……!」
 明寿に習い、ミリアムも穴掘りにかかれば、無心になって一気に作業を進めてしまった。
 メルトがさっそく中に入り、鍋をセッティング。
 鳥団子や野菜を煮込んで、鍋の仕込みを始める。
 始めてかまくらに入ったミリアムにとっては、その様子を眺めるだけでも新鮮で。
「かまくらの中は暖かい。知識としては知っていても、やっぱり体験してみないと分からないこともあるんだね」
 呟くミリアムに、明寿も頷いて。
「楽しんだ分、飯も美味くなるでござる。一人の食事より、大人数での食事の方が楽しいしな! はっはっは!」
 興味津々でかまくらを覗き込む村の子どもたちを手招き、一緒になって鍋を囲む。
「……うん、美味い」
 メルトの言葉に、おかわりの声が飛んで。
 かまくら地帯を化していた辺りを、子どもたちは巡り歩く。
 次に向かった先は、
「あ、何をするでありますか。これは雪山で遭難時に作る雪洞と言いましてでしてね……」
 一人黙々とビバーク訓練をしていた、クロウディア(p3p002844)の元だった。
 れっきとした遭難訓練なのだが、はた目にはかまくらにしか見えなくて。
 楽しそうに出入りする様子を見やり、
「……ま、楽しいのであれば何よりなのであります」
 ちょっとだけ嬉しそうに笑った。
 村にたどり着いたものの、A 01(p3p000990)は周りの人たちがなぜそこまではしゃいでいるのかが、わからない。
 ふと見やると、同じように雪原にたたずむ人影が。
「あ、あの……。キミも雪山で遊ぶの……?」
「遊ぶ……あぁ、確かみなさんそんなことを言っていたような」
 わからないなりに、見聞きしようと伺った次第ですと、珠緒(p3p004426)が名を名乗って。
 互いに自己紹介した後、わからない者たちなりに、雪山を登り始めた。
 生まれてこの方、見た事のない雪景色。
 陽光に照らされ、煌めく白を見やって、まぶしさに眼を細める。
「すごい……冷たい……綺麗……冷たい……」
「あぁ……これは、よいものですね」
 同じような感想を零した珠緒を見やり、ふっと、A 01の口元が緩んだ。

 また別の場所では、ルクスリア(p3p000518)とミーシャ(p3p004225)のかまくらが完成!
 鍋を持ちこみ、のんびりと会話を楽しむ。
「お野菜も、寒いと美味しくなるよね」
「寒いと、凍らないように甘い成分がにじみ出るという話しだったかしら?」
「おねーさんは、お肉と野菜、どっちが好き?」
 問われ、ルクスリアが真面目に答える。
「余はどちらかというとミーシャが好きかしら。あ、ジンギスカン的な意味じゃないから安心して?」
「ボクは、美味しくないよ……?」
 お鍋で暖まりはしたものの、夜になれば冷え込みそうだ。
「こんなに寒いと、夜空。きれいに見えそうだよね。おねーさん。星に詳しい?」
「うむ、魔王アスモデウスは天文学にも詳しいぞ!」
 とはいえ、この世界の天文学は勉強中。
 わからない部分は一緒に勉強しようと、夜の時間に想いを馳せる。
 また別の場所でかまくら作りを楽しむのは、鶫(p3p002685)とセリス(p3p002738)。「雪山を作って、補強用の枝をあちこちに刺して。後は、掘るだけです」
 以前にも作ったことがあるという鶫が、セリスに的確な指示を出していく。
「こんな感じでいいのかな……? 意外と単純なんだね」
 できあがったかまくらを見やり、二人で中へ。
 中は思っていたよりも暖かいと零したセリスを、
「ふふふ。こうすると、もっと暖かいわよ?」
 鶫がぎゅっと抱きしめ、頬をすり寄せる。
「わっ!? ちょっ、鶫!?」
「大丈夫よ、セリス。外からは見えないから……ね?」
「そ、外から見えないって言っても……い、一応外ではあるし……」
 ごにょごにょと零すも、身体を寄せ合えば、この寒さでは離れがたくて。
 一方、また別の場所では、外観にこだわったかまくら作りに勤しむイレギュラーズも。
「こっちは、もう少し盛った方がいいかしら?」
 指示を仰ぐリカナ(p3p001804)に、ロスヴァイセ(p3p004262)が美術スキルに裏打ちされた感覚を頼りに答える。
「そうですね。尖塔は三つに。外壁は、煉瓦風にしましょう」
 頭の中にある西洋城をイメージしながら、シルヴィア(p3p003562)の手も借りながら、仕上げていく。
 丸いかまくらが多い中、お城風のかまくらは、なかなかの仕上がりで。
「少々寒いですけど、これもまた趣がありますわぁ」
 シルヴィアが尖塔の上に座り、建ち並ぶかまくらを見渡す。
 少しひらけた場所では、【かまくら作り隊】の3人がブロック式のかまくらを作っていた。
「かまくらなんて久しぶりに作るなぁ。って、トゥエルは寒いの苦手なの?」
「防寒はしっかりするのです! イメージと違うなんて言わないでください!」
 驚く久遠(p3p001071)に、トゥエル(p3p001324)がぶるぶる震えながら答えて。
 芽依(p3p001323)の手を借りながら、次々に長方形の雪型をとっていく。
 必要な個数を積みあげていって、完成!
 早々にかまくらに入ったトゥエルや芽依をよそに、久遠は外でスノーマン風の雪だるま作りを続けている。
 この後はまた別のかまくらを作って、だれでも入れるようにするつもりらしい。
「レイ君は、なんでそんなに元気なのですか……」
 設置したこたつに埋まりながら、トゥエルがスノードロップを飾る芽依を見守る。
「トゥエルさん。屋台で、何か暖かいものをいただいてきましょうかぁ?」
 それなら一緒に行きますよと、久遠にも声をかけた。

●安らぎのひととき
 その頃。
 たき火広場は、遊び疲れた者や、小腹を空かせた者たちで大賑わい。
「遊びすぎて寒くなったり、手が冷え過ぎちゃった人のために、ギフトで温かいお湯を用意しているのです!」
 ルアミィ(p3p000321)の呼びかけに、遊びから戻った者たちが詰めかけ、次々と水桶の水を温めてわまる。
 熱々の湯呑を手にしながら、
「山奥の不便さ。それに雪ともなれば苦労は十分わかります。出来る事を、出来るだけ。お手伝いさせていただきます」
 雪のある世界からやってきたフィオリーレ(p3p004059)がしみじみ呟き、傍らに立っていた村人へ、力仕事があれば何なりとと申し出る。
 雪下ろしはどうだと問われ請け負い、ふと、問いかけた。
「時に。温泉とかは……あ、ない? そうですか……」
 しかし、イレギュラーズが提供する足湯ならあるという。
 その足湯を作ったのは、
「さ、手や足が冷えた人温まっていくといい! 湯狐お手製のお湯なのだよ!」
 『白仙湯狐』のコルザ(p3p004008)だ。
 村人の協力で集めた椅子を並べて、湯煙のたちのぼるあたりはちょっとした温泉施設のよう。
「ねぇ、これって私も使わせてもらっていいのかしら?」
 通りかかった竜胆(p3p002735)が声をかければ、
「ああ、温まっていくといい! 君もローレットからの派遣かい? 僕はコルザ、気軽にコルと呼んでくれていいのだよ」
「私は竜胆、九重の竜胆よ。呼び捨てで構わないわ、宜しくね」
 快諾に礼を告げ、椅子に腰掛けてお湯を堪能する。
「あぁ~、本当に生き返る……て、何だかオッサン臭いわね。危ない危ない」
「湯狐の湯が気に入ってくれたかい? それはよかった」
 今度どこかで、きちんとした温泉を提供しようと、新しい交流に花を咲かせる。
「羽目を外しすぎて大怪我したやつ。傷作ったり骨折したり。薄着ではしゃいで低体温症になった人、面倒みるよー。ヒールしてあげるぞー」
 たき火の側で救護にあたるのは、リンネ(p3p000412)。
 呼びかけている本人がパーカー一枚という薄着なのもあり、呼び声をあげるたびに、周囲から笑いが漏れる。
「何、その目。なんでこっち見るの」
 無自覚な本人は、どこ吹く風。
 遊び終えて凍える者たちに、野草を煎じた茶を出していく。
 たき火前で身体をほぐし、エマ(p3p000257)は依頼でもらった金貨を携え、屋台の物色にかかる。
「依頼でもらった金貨で食べ物を買えるだけ買っちゃいましょう! 暖かい飲み物とかー、お肉とか食べたいんですよねー。えひひーっ!」
「暖かい飲み物なら、あっちで色々飲めるっすね」
 同じく火の番をしながら辺りを眺めていたヴェノム(p3p000285)が、飲食の提供をしている一団を示した。
「ココアに、コーヒーに、紅茶。温かい飲み物を用意しているわ」
 呼びかけるアクア(p3p000041)を手伝い、冬葵(p3p000885)も慌ただしく休憩所を駆けまわる。
 その傍では、折り畳みの椅子を設置したイシュトカ(p3p001275)がお湯を沸かし、コーヒーを淹れていて。
「………ふむ。なるほど。なるほどね」
 見守る者たちには理解不能の感想を漏らし、まぶたを閉じる。
「『ほんのりコーヒー風の味がする牛乳』にでもするのがいいだろうかね、この場合は」
 イシュトカのコーヒーの味が気になるアクアだったが、次に目に入ったのはスガラムルディ(p3p000972)の屋台だった。
「あったかい食べ物、『おもち』を焼いてるわよ~」
「こんにちは。それ、いただいてもいいかしら」
 どうぞどうぞと、スガおばあちゃんが小皿をさし出して。
「ちゃーんと小さめにしておくから、しっかり噛んで食べるのよぉ~」
 お返しに、もし宜しければココアをどうぞと、アクアも杯をさし出して。
「あちらに、お席もあります」
 冬葵にすすめられ席につけば、ちょっとしたお茶会が始まる。
 店が集まれば、人も多く集まる。
「慌てなくても、皆様に行き渡る程度にはご用意しておりますのデ、順番にお並び下さイ」
 シチューの仕出しを行っていたアルム(p3p004375)が、『鉄腕野良メイド』にふさわしい働きで行列をさばいていく。
「熱いので気を付けて下さいまセ?」
「よろしければどうぞ、温かい紅茶もありますよ」
 同じくシチューを作っていたセレネ(p3p002267)も協力して、手作りクッキーや紅茶をふるまっていく。
「ローレットの皆様、お仕事お疲れ様でした。それに村の人々も、この地へお呼び下さり有難うございます」
 労いや感謝の言葉をかけながら、ひとりひとりに丁寧に器を渡していくのは、アメリア(p3p004496)だ。
 コーンスープに引き寄せられ、次々とやってくるお客で、人の波はいつまでも絶えない。
「手に取って頂いた方たちの顔を見ると、自分もほっこりあたたまります」
 忙しいけれど気持ちは充実していると告げるセレネに、
「お役にたてるのは幸せな事。この場に居てもいいのだと。自分の居場所があるという安心感を得られます」
 アメリアも頷き、作業を続ける。
「どんな場所でも、メイドである事がワタクシのアイデンティティでございまス」
 アルムも同意し、次のシチューの仕込みに取り掛かる。

 あらゆる料理がふるまわれるなか、『熱血漢パティシエ』月(p3p003707)は、たき火の側で焼き林檎を作っていた。
「まずは、皮付き林檎をくり抜いて空洞を作ります。底は1cmほど残してね」
 作る過程を見るのが楽しく、たき火周りにいた者たちの視線が、月の手元に釘づけになる。
 味付けは、砂糖とシナモンパウダーをくり抜いた林檎に詰めていく。
 林檎を焼く時は、アルミホイルで3重に巻いて、20分から30分じっくりと焼くように薦める。
 じっと見つめていたシラス(p3p004421)にさし出せば、
「やった、いただきます!」
 大喜びで受け取ってもらえて、月の表情もほころぶ。
 ふと見やれば、同じく焼き林檎を凝視する士郎(p3p003637)の姿に気づいて。
「……な、なんだその目は。別にワシは甘いモノが好きというワケではない。たまには甘いモノを食べてみるのも良かろう、と思ったまでだ」
 ひょいとさし出せば、おずおずと受け取り、たき火にかざし始める。
 銀世界を眺めながら食べる食事は、さぞかし美味いことだろう。
「飲み食いして温まったら、俺も少しは体を動かそうかな」
 呟くシラスの視線の先には、周囲に声をかけて回るノースポール(p3p004381)の姿。
「はいっ、これであったまってくださいね! お疲れ様です!」
 アルム、セレネ、アメリアには、シチューやコーンスープを。
 アクア、冬葵、イシュトカには、紅茶やコーヒーなど飲み物の提供を受け、預かった食べ物屋飲み物を、人助けセンサーを駆使して寒さで困っている人の元へ!
「わたしは寒いのはへっちゃらだけど、苦手な人は大変だろうなぁ。わたしにできることを、頑張ろ!」
 手や耳、鼻を真っ赤にした人々を見つけては、笑顔で品物を提供していった。
「手伝いでお腹減らしてるし、この寒さだ。温かい食事はさぞかし美味しいだろう」
 道具類の貸し出しを手伝っていたリョウブ(p3p002495)とヒィロ(p3p002503)も、ここらで一休み。
「いっぱい元気に食べてる子を見るのも楽しいねぇ。ああ、ヒィロ君、こっちのも食べるかい?」
 おもちやシチューをさし出せば、すっかりお腹を空かせていたヒィロが遠慮なく頬張って。
「誰かのために働いた後の食事ってこんなに美味しくて、誰かが隣にいてくれるのってこんなにあったかいんだね」
 リョウブおじいちゃんも笑顔かなと、こっそり顔を覗き込む。
 たき火にあたって体を休めたら、今度は二人で何をしようか?

 食事や飲み物がふるまわれる中。
 たき火の広場の隅では、初春(p3p002232)が甘酒の入った大きな壺を火にかけながら、焦げ付かないようにかき混ぜていた。
「この甘酒? というのは、どういう飲み物ですの? エイカも頂いてよろしいかしら?」
 辺りを物色していたエイカ(p3p002341)が申し出ると、
「ほれ、熱くなっておるからの、気を付けて飲むんじゃぞ」
 飲んでみればわかると、初春が木製のコップを手渡して。
 試しに口を付ければとろとろとして、体の芯から暖まる。
「とても美味しい! 冬にはぴったりですわね」
 心身ともにポカポカになったところで、お礼にエイカもお手伝いしますわと、甘酒配りを手伝い始めた。
 たき火の傍では、
「うぅ、寒い。よく皆はこんな所で遊んでられるのぉ~」
「今更雪で遊ぶって歳でもねえしよ、たき火の近くでのんびり酒でもやろうかね」
 アレーティア(p3p004118)と義弘(p3p000398)がふらり広場に立ち寄れば、『熱燗』を提供する縁(p3p000099)を見つけて。
「たき火に当たれば肌はあったまるが……体ん中から暖を取るなら酒が一番、ってな。どうだい、お前さん方も雪見酒につき合っちゃくれねぇかい?」
 意気投合した3人は、屋台で買ってきた肴をつまみながら酒盛りをはじめる。
「雪と自然と、喧騒をつまみに。温かい酒をゆっくり飲もう」
 こんな機会はそうそうないだろうからと、交わす杯も進んでいく。
 縁はそうしてサボリつつも、立ち寄る客にも声をかけて。
「っと、未成年はダメだ。お前さんはほれ、あっちの『甘酒』にしとけ」
 縁が村の子どもの背を押す横では、上機嫌になったアレーティアが『即席調合』で薬を作り始める。
「飲むと疲労がポンと取れる薬じゃ。タダなんじゃが飲んでみんか?」
 怪しい瓶に入った錠剤を取り出し、眠たげな瞳で集まった人々へ手渡していく。

 自立自動二輪車であるアルプス(p3p000034)は、たき火からやや離れたところで、体を休める。
「いやあ、道中は大変でした……タイヤを滑らせたら起きるのも一苦労ですからね。神経を使いました」
 帰りもあるのでどうしたものかと辺りを眺めていると、村人がイレギュラーズに芋をふるまってくれるという。
 『狼の娘』ユズ(p3p001745)が受け取り、たき火にかざすも、なかなかうまく焼くことができない。
「たき火で食物を温めるのは慣れが必要ですからね、手が必要なら申し付けてください」
 排熱でじんわり暖まるのでコゲにくいですよ、とアルプスが呼びかければ、半信半疑のユズが、ものは試しとエキゾーストパイプに巻きつける。
 すぐにホクホクになった芋は、母親代わりの狼・マーと一緒にぱくり。
「マー ユズ はんぶんこ」
 何故自分にはマーのような耳や鼻、牙や爪がないのかと悲しく思っていたけれど。
 ぐるっと辺りを見渡して目に入る人は皆、イレギュラーズ。
 中には、今助けてくれたアルプスのように、機械の身をもつ者もいるわけで。
「ユズ 人 で よかった かも」
 マーは不思議そうに首を傾げ、
「マー 守れる人 なりたい ユズ がんばる!」
 ぐっと拳を固めた娘に笑顔が浮かんでいるのを見やり、残った芋をたいらげにかかる。
「……雪山というのはこんなに寒いのか……寒い……」
 たき火の傍でリジア(p3p002864)がのんびり震えていると、
「一緒に、どうですか。冷えた身体も……じんわり、ぽかぽか……暖まりますよ」
 暖かい飲み物をもらってきたウィリア(p3p000384)が、はいどうぞと、ひとつをさし出して。
「あ、ありがとう」
 とっさに感謝の言葉だけを返し、リジアが冷えた指先をじんわり溶かしていく。
 そうして、にこにこと辺りを見ているウィリアを、不思議そうに見やって。
「お前は、遊びに行ったりしないのか」
「私は、のんびり……眺めてるだけで、いいんです。今日……この景色が、見られましたから」
 またこの世界での、新しい記憶ができましたと、ほんわり微笑んだ。
「んむ……やはり、私は猫だな。雪の中ではしゃぐよりも、ぬっくりと暖まっている方が性に合っている」
 もこもこと着込んだ姿でたき火に寄って来たのは、汰磨羈(p3p002831)。
 あちこちを巡り手に入れたコーンスープやおもち、芋などを頬張りつつ、
「んー、うん。旨いな、実に旨い。焚火で暖まりながらだと、殊更に格別だ」
 舌鼓を打ちながら辺りを見やれば、縁が『熱燗』をふるまっているではないか。
「いやいや、こうも旨いものが多いと、あれだ。酒が欲しくなってくるな?」
 だれが咎めるわけでもないのに、言い訳のような言葉を口にして。
 いそいそとそちらへ向かおうとすれば、
「こんにちはお嬢さん。美しい貴女の為に、どうか歌を歌わせてください」
 颯爽と現れた『軽薄吟遊詩人』コルマ(p3p001438)が行く手をさえぎり、リュートを奏で始める。
 気をひくためならば、『おべっか』を使うことさえいとわない。
 さらにギフト『ビューティーフェイス』があれば、彼女のハートもイチコロさ☆
 好きなモノが『イイ男』である汰磨羈は、まんざらでもない。
 もっとも、どこか軽薄な印象だけは、隠しきれていなかったのだが。
「御主、歌ができるのか。せっかくだ、酒のついでに歌ってくれ」
 熱燗を調達してきた汰磨羈が手を叩き、コルマの旋律に合わせて体を揺らす。
 彼女の冷えた心と体を温めるべく、コルマは体力の続く限り、歌い続ける。

「吹雪で逃げ場を閉ざされた村での殺人事件! 雪の足跡を使った密室トリック! 溶けて消えてしまう犯行道具! さぁ、どれだ? どれが来るんだ?!」
 なんて意気込んでいたのは、最初の一時間くらい。
 たき火の前で体育座りしたまま一歩も動けなくなったランベール(p3p001931)のため、アルク(p3p001865)が温かいシチューを手に戻って。
「その、……銀影、寒いの苦手なのに誘いに乗ってくれてありがとな……。俺は寒いのはある程度平気だから……」
 告げるアルクを見やり、
「そうだ、今は事件や謎よりも大切なものがあるじゃないか」
 ランベールが、『絶対温感』のギフトで自分の体温を温め、恋人を抱きしめる。
「ん、シチュー、食わせてやるから口開けろ。あと、マフラー一緒に巻いたら暖かいんじゃねえかな……」
 素直に甘えるのは難しい。
 それでも、温もりから少しでも想いが伝わればと、ともに寄り添う。
「なずなは、寒くはありませんか? 何か温かいものでも、お持ちしましょうか」
 濡れた手袋を噛んで外し、新しい手袋をはめながら、たき火にあたっていたノイン(p3p000011)が立ちあがる。
「心配してくださってありがとうございます。でも、温かい食べ物とか、あったらほしいかもしれません……」
 お優しいのですねとなずな(p3p000494)が返すも、周りの者たちが食事を楽しむ様子に、すこし興味もあって。
「毒牙を隠しているだけかもしれませんよ。はい、なにかお持ちしますね」
 すぐに戻ったノインの手には、一枚のトレーが。
 そこには、シチューと雪が載っていて。
「……ゆきうさぎです」
「ふふ、とっても可愛いです……。うさぎも、ノインさんも」
 にこにこと微笑んだなずなが、さあ一緒に暖まりましょうと、トレーを受け取った。

「私の世界では、雪が降るという事は神々の加護が失われた場所を示す物だった」
 喧騒に紛れながら語るのは、アレフ(p3p000794)。
 その土地に住む者は凍え、作物は育たず、やがて人も動物も姿を消していく。
 それでも、大人たちは折り重なるようにして子を守っていたと。
 遠い記憶をたぐりよせながら、傍らのアリシス(p3p000397)へ問いかける。
「……人は不思議な生き物だ。アリシス、君は人をどの様に感じている?」
「どう、と聞かれましてもね。少々長く生き過ぎましたが、私も『人間』ですので。そういう視点での捉え方は難しいものです」
 愚かさも尊さも、弱さも強さも。
 醜さも美しさも、色々と見てきた。
 だからこそ、一概に「こう」と言うことはできなくて。
「陰謀や我欲が渦巻く事もあれば、此処の様に、たくましく生きる人々と他人を助ける為に集まる人々も居る」
 そういう様々な在り方は嫌いではないと、答えて。
 今なお行き交う人々を見やり、目を細める。
 寒い寒いと凍えながら、それでも遊びに向かう者たち。
 それをもてなし、暖かく迎える者たち。
 今、眼の前にある情景こそがそのものなのだろうと、アレフの横顔を見やって。
 また遊びに戻ると勇み出ていく者たちの背を、見送る。

●みんなでつくろう!
「いやぁ……良い雪景色なもんだな」
 村近くの遊び場を臨み、ほかの遊び場から少し離れたところで、侠(p3p001935)が集まった者たちを前に口を開く。
「今日は大きな雪像を作ろうかなと思ってる。俺は……ドラゴンかな? 翼のある奴な」
「やるからには、全力だろ? いいじゃねーのドラゴン。観光客呼べるくらいのやったんぜ!」
 リオネル(p3p000019)が力強く応えて、デカいことしよーぜと盛り上げる。
「面白そうだしボクも手伝うよー。でも、竜種ってお話や絵画ではみるけど、実際はどんな形してるのかよくわかんないなー」
 クロジンデ(p3p001736)が言った傍で、レイン(p3p001124)が元気よく挙手をする。
「ドラゴンと聞いて! 勇者魔王レイン参上だよ!」
 『モンスター知識』があるので、ドラゴンの造形ならおまかせ!と意気込む。
「……退かした雪の処理も必要だし、雪像やら何やらを作ると言うのも、実際悪い考えではなさそうですね」
 村の周りの雪かきにもなって好都合と、リースリット(p3p001984)も協力を申し出て。
「ふふ、寒さには少しばかり強いのですよ。道具を借りて、集めた雪を運ぶとしましょう」
 アルファード(p3p002160)もお手伝いさせて頂きますと、ぐっと両手を握り締める。
「いっひひ、いーじゃん雪遊び」
 ふらり立ち寄った姫喬(p3p000406)も、ギフトを発動。
 すると、鮫系一般ヤクザの皆さんがわらわらと大挙して押し寄せて。
「野郎どもッ! お手伝いに全力投じよ!」
『ッシャァー!!』
「寒い御仁は温めよッ!」
『アタタメヤスカァー!!』
「それいけィ!」
『シャオラァー!!』
 野太い声が響き渡り、なんだか周りに居た面々にも気合が入ったようだ。
 とはいえ。
 一般人の暮らす場所であるため、今回は戦闘スキルの使用はNG。
 集まったみんなで、コツコツ雪を集めていくしかない。
「雪集めたりするのって結構重労働だよな、楽しい内は気にならないけどさ」
 猛烈に働いてくれる鮫任侠さんたちをありがたく見守りつつ、何度か雪の運搬を終えた侠がぼやけば、
「オレの領分は腕っ節だからな、序盤の雪集めから、大まかな形を整えるまではガンガン動くぜ!」
 借りてきたソリを手に、リオネルも一気に雪を運んでいく。
「……雪かき、大変ですね。これを常にやっている方達は、すごいです」
 人の役にもたち、遊びの役にもたつこととはいえ、言うとやるとでは大違い。
 これは良い経験になりそうと、リースリットも気合いを入れて運搬に携わる。
 一方、別の場所で雪だるまを作っていたコリーヌ(p3p003445)は、休憩中に大雪像作りをする一同に気づき、興味を示した。
「雪像かー。ああいうのも楽しそうだよねっと」
 ギフトで召喚した『正宗くん2号』も、その様子を見やって。
『セツゾウ ツクル ヒトデ ヒツヨウ』
「うん、そうだねー。よっし、ちょっと手伝いにいこうか!」
『オテツダイ ヤクニタツ ダイスキ!』
 お手伝いメカも、大賛成!
 細かい造形は得意だと、手を振りながら駆け寄っていく。
 一方、鮫任侠たちを大雪像作りに参加させた姫喬は、というと。
「イケメン君がドラゴン作ってるから、ちっちゃくて可愛いのにしよっか?」
「そうだね。小さくて可愛いの。作ってみる? 子どものドラゴンなんて、きっと可愛いと思うんだ」
 樹理(p3p000715)がギフトで飴を出し、これを瞳飾りにできると微笑んで。
「どーせなら、キラキラしたのでデコっちゃおうよ!」
「キラキラ。目立っちゃうの作ろうか」
 二人、悪戯っぽく顔を見合わせて。
 スコップを構え、子ドラゴン作りに取り掛かる。
 一方の大雪像現場では、塩と水を使って脆い所を凍らせるよう指示した後、レインの手が空いて。
「あとは、美術関連だから僕にできることは……。一緒にこつこつ削るだけ……。おっきいのだから背がとどかないー!」
「大きな竜ですし、しっかり固めてから削っていかねば、ですね」
 アルファードが頷き、何か足場になるものを探して来ましょうと提案。
「足場か。ちょっと待ってろ」
 気付いたリオネルがすぐに廃材をかき集めて、台座を作ってくれた。
「体力も腕力もないし、細かい部分の造形で頑張らせてもらうよー」
 クロジンデも『写真記憶』で覚えたドラゴンの旅人を想い出しながら、細かい部分の作業に励んでいく。
 9人それぞれが得意な仕事に励み、協力しあえば、陽が落ちきる前に、巨大なドラゴン像&子ドラゴン像が完成!
「すごい……!」
 凛々しくたたずむ巨大雪像を前に、アルファードがきらきらと目を輝かせる。
 一人ではない。
 大勢で力を合わせて作ったからこそ、感動もひとしおで。
「よっし、良い感じだ。皆、お疲れ! 寒い中よく頑張ったなあ!」
「一緒に頑張れて、僕も嬉しいよ!」
「私も楽しかったよー!」
 声をあげ侠が手を掲げれば、レインやコリーヌ、みんな次々にハイタッチして。
「ひゃー寒寒っ。樹理ちゃん、手ぇ貸して」
 姫喬と樹理も、手をふーふーしあって、温まる。
「頑張ったご褒美に、みんなにも、飴をあげるからね」
 樹理がそう告げれば、周囲から歓声があがった。

●いざ、尋常に!
 ほかの遊び場から少し離れた位置では、雪合戦を楽しむ者たちも集まっている。
「……雪合戦……か……こうやって……遊ぶのは……初めて……かな……」
「全力で雪合戦するよ!」
「マナーを守って楽しく遊ぶのだ。そして素敵な時間を作ろう!」
「基本的な雪合戦のルールやマナーは、シャルレィスさんに合わせます」
 グレイル(p3p001964)、シャルレィス(p3p000332)、メリル(p3p002220)、メド(p3p000178)が口々に声をあげ、決意をあらたに睨みあう。
 シャルレィスの提案で、自分以外の3人は全員敵とみなす4人戦の採用が決定。
 メドはさっそく、雪で簡易バリケードを築き、壁の影から投擲開始!
「ふっふーん、そう簡単には当たってあげないよ!」
 雪の中を転がるようにして避けたシャルレィスが、ニヤリと笑んで。
「よーし、いくよー!」
 逃げ足には自信があるからと、メリルが『逃走』スキルを使って辺りを駆けまわる。
 そこで、気づいた。
「あ、どうやって雪玉当てよう? 考えてなかった!」
 とにかく雪玉を作ることにして、数を投げればいつか当たるの気持ちで、えいやー!
 獣人の姿と狼の姿を使い分けながら、グレイルも飛び交う雪玉を軽やかに回避。
「……狼の姿で……走り回るだけでも……十分に……楽しめそうだな……」
 口数は少ないものの、ぶんぶん尻尾を振っている様子をみると、彼なりに楽しんでいるらしい。
「行くぞ、反撃開始ー!! えいえいえいえいえいえいえい!!!」
 シャルレィスの猛攻を受け、逃げ損ねたメドが顔面に一撃をくらって。
 眼鏡が落ちたとたん、空気が変わった。
「畜生、やりやがったな! もう容赦しねーぞ!」
 凶暴な性格に豹変したかと思うと、
「うおおお! 怒りの10連投をくらえー」
 作り置きの雪玉を連投するも、玉はひょろひょろと、3人とは別の方向に飛んでいく。
 眼鏡がないと見えないのだから、仕方ない。
 投げて、当てて、避けて、跳んで!
 体力が尽きるころには、4人とも雪まみれになっていて。
「いっぱい楽しめたねー」
 ぽかぽかになったとメリルが座り込むそばで、
「それで、誰が勝ちなんでしょうか」
 眼鏡をかけ直したメドが、シャルレィスを見やる。
「えーと、一番当てた人とか当たらなかった人とか? ……うん、まあ、数えてなかったんだけどね!」
 開き直って笑うシャルレィスに、
「……まあ……勝ち負けは……気にならないくらい……楽しかった……」
 獣人姿に戻ったグレイルも同意し、満足気に4人を見やった。

 ひとつの戦いが終わった、その一方で。
 辺りの遊び場から完全に隔離された場所で、【聖剣騎士団】の11人が2チームに分かれて向かいあっていた。
 チーム分けは、以下の通り。
 【チームA】は、クロバ(p3p000145)、セララ(p3p000273)、ジーク(p3p000582)、ティミ(p3p002042)、セティア(p3p002263)の5人。
 【チームB】は、ヘイゼル(p3p000149)、リゲル(p3p000442)、シエラ(p3p000604)、メートヒェン(p3p000917)、ライセル(p3p002845)、アイリス(p3p004232)の6人。
 ABチームが向かいあう真ん中にラインが引かれ、自陣地内であればいくらでも移動が可能だ。
 念のためと、他のイレギュラーズや村人を巻き込む可能性がない事をジークが確認して。
「本格的な雪合戦だとフラッグとか壁とか用意するらしいけど。流石にそこまでする必要はないかな?」
「遊びとはいえ、いや遊びだからこそやる時は全力でだ。誰が相手であろうと手加減はしないよ」
 対するメートヒェンが言い放ち、一同が頷きあう。
 団長のセララが、すっと腕を掲げて。
「雪合戦バトル、開始だよー!」
 開幕の声がするなり、11名が思い思いの場所に散開!
「団長、いきますよ~!」
 リゲルが呼びかけ、走りながら雪を手ですくい、玉入れのように軽く投げていく。
 メートヒェンは先ほど大口を叩いたものの、あまり器用な方ではないからと、雪玉作りに勤しむ。
「大量の雪玉を作る、そしてそれを山なりに広範囲にばらまく、そうしてそれを避けるために動きが制限された相手を仲間が狙い撃つ。なかなかいい考えなのでは」
 手を動かしながら思考していたところへ、
 ――ぼすっ。
「攻撃は最高のパワーだ!!」
 年甲斐もなくはしゃぐクロバが、二刀流戦術を活かして両手に構えた雪玉を次々と投げつけてくる。
「あっ、こらやめたまえ! まだ雪玉を用意している途中で、わっぷ」
「ライセルさん、手加減は無用ですよッ!」
 撃沈したメートヒェンを見やり、声をあげたのはリゲル。
 反撃したのはライセルだった。
「クロバとかジークって、大きいから当てやすそう」
 まあ、俺もそうなんだけどねと、女の子に当てないように気をつけながら全力で投げつける。
「元の世界だと第三宇宙速度で雪玉を投げてくる人も居たけど、そういうのは心配せず楽しめるからいいね」
 後頭部に受けた雪を払いながら、ジークが告げて。
 同じく頭に雪玉を受けたクロバが、援護しろ!と言い捨て、ライセルを睨みつける。
「人と会っては雪ぶつけ、神に会っては神に雪ぶつける獅子奮迅の動きを見せてやろう!」
「あ、痛い。痛い! クロバの痛いから!」
 次々に飛んでくる攻撃を身をよじるようにして避け、女性陣から遠ざかる。
 万が一にでも、流れ弾に当たるようなことがあっては申しわけがたたない。
「みんな! ここは私が道を切り開くよ~!」
 チームBの面々が声のする方を振り返れば、赤いマフラーをなびかせたシエラの姿。
 傍らには、逃げ回りつつ大きくした雪玉が!
 その玉を両腕に抱え、身体で支えながら、
「突撃いぃぃ~~~~~~!!」
 大玉を盾にラインのギリギリまで迫り、至近距離にいたセララにダイレクトアタック!
 ぱかんと割れた雪が辺りに舞って、セララの下半身が真っ白に染まる。
「わぷっ! やったなー!」
 全員反撃!と檄が飛び、セララが先頭をきって必殺の構えを発動する。
「地球のスポーツ、野球が生み出した最強のフォーム! トルネード投法を受けてみ……ひゃうっ!」
 隙だらけの構えをとっているうちに、再び顔面に雪玉を喰らって。
「力には自信がありませんが、やるからには負けませんよ!」
 命中させたアイリスが、嬉しそうに次の雪玉を投げにかかる。
「ふふふ……今宵の雪玉464号は血に飢えているのですよ……」
 勢いに乗って自分も!とヘイゼルが雪玉を投げるも、一向に当たらない。
「軍学校にいたころは、投げるものと云えば榴弾でしたから問題は無かったのですが。雪玉は爆発するようにはなりませんよね……」
 無茶なことをぼやきつつ、シエラが新たに作った雪玉を盾に、接近戦を持ちかけるべく移動を開始する。
 雪玉が飛び交うなか、セティアはひたすら超巨大雪だるま作りに熱を入れていた。
「いっとくけどこれ、地元じゃ氷の妖精的な伝説を残した人の真似だから。地元雪合戦全さぼりの実力、みせつけてあげる!」
 寒くて、ちょっとマジでパネくエモめと鼻水を垂らしつつ、頭側の雪玉を作ったところで、気づいた。
「これ、頭を乗せるの無理ですね。なにより投げられません」
 大きすぎたのだ。
 それでも、身を隠すには、ほど良い壁となっていて。
「セティアさん、どうぞ」
 傍で雪玉を作り続けていたティミが大量の雪玉を示し、自分はいったん休憩。
 寒さでジンジンする指先にはーっと息を吐きかけ、痛みを和らげる。
 奴隷だったティミにとって、こんな風に大勢で遊ぶのは初めてのことで。
 一同の賑やかな声を聞いているだけで、幸せで。
 雪だるまの影に座り込みながら、心地よさにうとうととしてしまう。
 ティミの仇(寝てるだけ)とばかりに、セティアが『統率』を発動!
「総員、巨大雪だるま後方に退避せよ! 雪玉を作る係と投げる係に分かれよ! 投げる時は斉射三連、同時に一斉に! 1つ投げる間に2個作るべし!」
 号令一下、ジークとクロバの猛攻が始まり、セララが遊撃部隊のごとく駆けまわる。
「シエラ、これは遊びという名の戦いだッ!」
 リゲルも声をあげ、シエラの雪玉をバリケードに、全員での総攻撃を開始!
 当然、司令塔たるセティアへ、雪玉が集中して。
「話せば、話せばわかりま、ぶべらっ」
 全員が全員、真っ白になるまで遊び倒した。
 見れば、いつの間にか太陽が山の端に沈もうとしていて。
 ほかの遊び場に行っていたイレギュラーズたちも、続々とたき火広場へ帰っていく。
「皆、熱いお茶を入れてきているから、一緒に飲もうか」
 メートヒェンの提案に、全員が「賛成!」と笑いあった。

●銀嶺の地で
 その晩。
 猟師と狩りに出たハロルドが仕留めた大型獣や、クルーレアの落とし穴にかかった小動物などを使って、村人やイレギュラーズを招いての大宴会がひらかれた。
 昼間に引き続き、食べ物や飲み物の提供もあり、夜空を見ながらの足湯も大人気で。
 おとなも、こどもも。
 村人も、イレギュラーズも。
 最後の一人が眠りつかれて、夢に抱かれるまで。
 たき火は、翌朝まで一度も絶やされることなく。

 ローレットからの訪問者たちが、しっかりと踏み固めて作った雪道のおかげで。
 村人たちはその後、町まで出るのにさほど苦労することなく、例年よりも暮らしやすい冬の日々を過ごしているという。


成否

成功

MVP

なし

状態異常

なし

あとがき

任務遂行、おつかれさまです。

村人たちから、ご参加のみなさまへ。
たくさんのお手伝いと、ご厚意。
そして笑い声を届けてくださったことに、心からの感謝を贈ります。

ご訪問、ありがとうございました。

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