シナリオ詳細
#RCしたひとの称号を勝手に考える
オープニング
●#RCしたひとの称号を勝手に考えるよ
「オーッホッホッホ! オーーーッホッホッホッホッホ!!
オーッホッホッホ! オーーーッホッホッホッホッホ!!
オーッホッホッホ! オーーーッホッホッホッホッホ!!
オーッホッホッホ! オーーーッホげっほごっほ!? 水! 水ぅ!」
- #RCしたひとの称号を勝手に考える完了
- GM名黒筆墨汁
- 種別イベント
- 難易度VERYEASY
- 冒険終了日時2019年01月05日 22時10分
- 参加人数100/100人
- 相談10日
- 参加費50RC
参加者 : 100 人
冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。
参加者一覧(100人)
リプレイ
●山賊は称号を考える
「よう、俺だよ……」
こちらギルド酒場。グドルフはカメラとの距離三センチの位置でにやりと笑った。
カメラを引くと……ふんどし一丁でハズレ馬券を大量に握りしめていた。
「本当なら大金持ちになってこの場の全員に酒を奢ってた筈の俺だよ。もはやイチモンもねえから、称号を考えて行こうと思うぜまずあそこで一人酒してる義弘……『キャバクラを踏み倒すと出てくる奴』だな」
「なんだと?」
ブランデーグラスを手に振り返る義弘をスルーし、グドルフは勢いをつけた。
※ここから先はグドルフのつけた称号が勝手につきます。
大きなテーブルに鉄のカップが並んでいる。
『鍋にすると美味そう』カイトはテーブルにべたーんってなったままストローでオレンジサイダーをちゅーちゅーしていた。
「あー……パンドラが回復するー……」
「わかる……ぜんぶの依頼がこうならいいのにねぇ……」
『壺焼きにすると美味そう』リリーがデカい貝殻からにゅるんと出てきてジュースをちゅーりゅーしている。
「ニートジェネレーターはよかったなぁ……またああいうの、ないかなぁ」
「「…………」」
死んだ魚みたいな目でちらりとカメラのほうを見る。
「なんだろう、すごい称号がついちゃった気がする」
「おかしいよねぇ……」
そんな二人を横目にちびちびやる『女三賊同盟第一の刺客』エマ。
「依頼といえばドノファンさんのお話が印象的でしたねえ。ほら私、説得とか苦手ですけど、脅しは得意ですので……えっひっひっひ。私はもうそのへんの山賊風情に遅れを――あっ、ヒェ!? ち、ちがうんですグドルフさんは別格! 別格ですからえひひひひひひ!」
引きつった笑いを繰り替えるエマをよしよしと慰める『淫魔が淫乱だと思うなよ!』利香。
「私はアレですねえ。『海苔弁当』っていう生命体をつかまえて食べた依頼が印象的でしたね。混沌って本当におかしな生物が山ほどいて……」
「今海洋の話しました?」
テーブルの下からヌッと出てくる『腕時計で殴る』史之。
「そう。俺が考えることといったらイザベラ女王陛下のことだからね。もはや俺のアイデンティティと行ってもいいよ」
「あっ、その状態で話続けるんですね」
「行った依頼じゃなくて、行きたかった依頼の話する? 俺はスワンボートかな」
「それなら私ホステスになる依頼行きたかったです! あれぜったいリカちゃんに似合――ハッ、今称号候補が変えられた気配が!?」
咄嗟に振り返る『東京から帰ってきてスナックを経営する系女』リカちゃん。
離れたテーブルにて。たまたま『イカダ漂流チート第二の刺客』エルと『みんなの幼なじみ枠』ヴェッラが向かい合ってコーヒーや日本酒を飲んでいた。
「印象に残った依頼、のう。ああ、秋を感じる依頼はとても良かったのじゃ。酒に映る紅葉がまた美しくての……趣があった」
「秋ですかあ……秋と言えば、ゼシュテル鉄帝国で行われた大運動会に参加したことがあるんです。借り物競走に出たんですよ。借りのある暴徒をかわしながらゴールを目指す競技で」
「わらわの知ってる借り物競走じゃないのぅ……」
目に付いた全員にテッキトーな称号を考えたグドルフ。
「さて、じゃあ俺は自分に称号をつけるか。『史――』」
文字数がつきた。
●葵子さまは称号を考える
「悠子さま、葵子さま。お茶がおいしゅうございますわね」
キャラがどっかの女学園に旅だった『武器子さま』武器商人。
彼女(?)の視線を受けて『悠子さま』悠と『葵子さま』アオイがしっとりと頷いた。
「――あれっ、俺はムーンデイズライトでお茶していたはずじゃあ!?」
「言葉遣いが悪くてよ、葵子さま」
「タイがまがってましてよ葵子さま」
うあーと言いながら強制的に服を着替えさせられる葵子さま。
「私たちの思い出といえば、ただひとつ」
「メタ女ですわね。ねえ葵子さま」
「うう…………」
両手で顔を覆う葵子さまに髪とペンを持たせると、二人は背中を叩いて送り出した。
「皆さんの称号を考えてくるのですよ葵子さま」
「しっかりやるのですよ葵子さま」
「わ、わかりましたわお姉様……っ」
葵子さまは涙を拭いて走り出した。
※ここから先は葵子さまの考えた称号がつきます
ぱたん、と『ひとり神保町』ドラマは古い本を閉じた。
「そういえば……あの魔導書をしっかりと読めずじまいでしたね。最後のあれは、なんだったのでしょう。またディオーネ図書館にもお邪魔しにいきましょうか……」
「図書館か」
『明るくなっただろう?』ウィリアムはグラスをテーブルにおいて、小さく息をついた。
「依頼の思い出が多いってのも羨ましいな。俺の思い出といえば……顔だけイケメンの孔雀が女性を襲うやつだったな。あれは……うん、放っておけなかったよな」
「おや、依頼の思い出話ですか? 楽しそうですね!」
『鉄帝のやべーやつ』灰。そして『パンツ依頼が乱舞した時も受付してたんだな』クロジンデが酒場の扉を開け、テーブルへとやってきた。
「んー……」
クロジンデは最初に浮かんだ思い出を手で払うように消すと、深緑の幻想種のことを思い出した。
「新緑のひとはねー、同じ幻想種でもラサの砂漠幻想種とは全然違う感じー。実物見るとぜんぜん違うねー」
……おっぱい。と呟くクロジンデから目をそらし、咳払いする灰。
「やはり思い出深いのは蠍との決戦でしょうか。姫騎士として参加したのです。いえ、これはとても有効な選択でして――」
灰は椅子につくと、その日の思い出をビヤグラス片手に話し始めた。
●お手伝いロボットは称号を考えない
「っておいこらガキども、群がるんじゃねぇというかなんで俺に群がる!? オメェらと遊びに来たわけじゃ……泣くな!」
小さな子供にしぶしぶ付き合って遊ぶヨシト。
その様子を横目に、スティーブンは畳の上にごろんと寝転がっていた。
「この畳、おちつくわぁ……」
「なるほどなるほど」
『( )←ここに好きな絵を描いてね』エリザベスは手帳にそのさまを書き込んでいた。観察日記と書いてある。
「ヨシト様の称号は『いいひと』。スティーブン様の称号は『こわいひと』にしましょう。ハッ、これは私が皆様の称号を考えるチャン……ス……スヤァ」
流れるようにこたつに潜り込んでスヤァするエリザベス。
持っていた称号手帳はそのままマゴノテ神父にパスされた。
※この先はエリザベスにパスされたマゴノテ神父が考えた称号がつきます
おこたに半分埋まっていた『圧倒的順応力』夕は、依頼の思い出を一通り語った後意識をこたつに持って行かれた。
「こたつごーれむとか……いいと思うんですよー」
「そうか」
「こたつビームうつんですよー」
「そうか」
淡々と返すマゴノテ神父。とりあえずみかんを剥いては夕の口に放り込んでみた。
「神父様、神父様」
同じこたつに入っていた『献身的墓守力』アイリスが袖を引く。
「猫ちゃん、おうちで飼えないかな」
「毎日餌をあげられるか」
「……なら、一緒に冒険に来てくれ、ますか?」
「冒険にも、よる」
うんうんと頷くマゴノテ神父。
アイリスはうっとりとネコの思い出に浸った。
ネコちゃんと只管遊んでもこもこしたという、そんな思い出である。依頼、だったのかな?
「神父、料理を作ってきたんだが、お口に合うかな」
『決定的主婦力』ポテトが重箱を開いていく。
「甘い物と、しょっぱいものと……あ、これは丁寧に、ありがとう」
黙って出されたお茶を湯飲みでずずっと飲むと、『将来的亭主力』リゲルと並んでこたつに入った。
「依頼の話か……思い出深いのはあの依頼だな。仲間を癒し、支える道に進むと決めて、初めて役に立てた。勿論仲間の協力や、リゲルの活躍も忘れられない」
「活躍だなんて……ははは美味しいなあスイートポテトおいしい」
こたつと嫁(?)の料理で完全に顔の緩んだリゲルである。
「未熟ですが、この混沌を駆け抜ける一筋の光と成れるよう走り続けたく思います」
先の蠍との戦いを思い出し、光の力が皆の役に立ったときのことに身震いする。
「ところで、アークライト氏」
「はい」
「いつ天義の仕事を受けるのだ」
「……受けたいんです……!」
緩んだリゲルの顔が、くしゃっと潰れた。
「都合が……あわなくて……!」
「わぁ、凄いね、畳敷きの教会だなんて意外だな……」
『タートルネックが着られない』津々流は湯飲みとお饅頭の小皿を手にほっと息をついていた。
「僕のいた世界では洋風建築が普通だったのに」
畳敷きのキリスト教会は日本には結構ある。神仏混合時代の建物に見られる特徴だ。
さておき。
「マゴノテ神父、きっとあったかい人なんだね……ああ、暖かいといえば、ソラトビサカナを思い出すな。たくさんのソラトビサカナが空を埋め尽くす勢いで泳いで行って……虹がねえ、流れているようで。とても綺麗だったんだ」
「やっぱ畳は落ち着くよな、日本育ちとしては大変心安らぐ。何よりお茶とお菓子ってのがいいよな! ありがてぇ……!」
『おにぎりもたべたいんだな』零が涙目になりながらもお茶とお饅頭にひたっていた。
「サカナで思い出した。前にイカダで漂流したことがあったんだ。俺はパンが出せるから自身はあったんだけどさ、最後は心がやられて……生きていく環境って、大事だよな」
もう漂流はこりごりだよ、と地面のありがたみにもひたる零。
『アイドルアニメの親友ポジション』スティアと『花は見えているか』シュテルンが向かい合って座っていた。
「天義、にも、タタミ?ある、した、の? 草の、床、ちょっと、落ち着く、かも? でも、きょーかい、来ると…お祈りしなきゃ、思う、しちゃう、の」
「なんだか分かる気がする。習慣だよね」
畳み部屋の奥にある壇に一旦祈っておくシュテルンとスティア。
「そういえば、ネメシスに聖なる炎の伝承っていうのがあるのは知ってる? 有難い炎を皆で回しながら祠まで持っていくお祭りなんだよ。なんだか予想していたより人が集まってきて大変だったけど、おかげで色々な人達と話もできたし、楽しかったなー!」
「…………」
シュテルンは依頼の思い出話だと察したらしく、自分の思い出を語り始めた。
「初めての、お仕事…偽物、医者、倒す、しました! シュテ、わるもの、とっても、許さない、だから……」
シュテルンなりに自分の考えや状況を語って、そしてもう一度壇に向けて祈りを捧げた。
「あとは、いっぱい、いっぱい、お祈り、した。怖い、怖い、した、人、為……魂、救ってって、お空に、祈る、したの」
「あー……なんかこう、畳でゴロゴロするのも久しぶりだなぁ」
『思い出したようにエロくなる』ミーナは畳の上をごろんごろんしていた。
「……とかやってる間にも、アレはどっかで動いてんだよな」
「アレ、って?」
『ひとりの吸血鬼』アリシアが、手にしていた湯飲みを受け皿に置いた。
「感染騒ぎだよ。人を殺すのは慣れてるが、力ない一般人を大量虐殺するのは趣味じゃねぇんだ」
端的な説明で言わんとしたことを察したアリシアは目を閉じた。
「もしかしたら殺さずに済んだかもしれない相手……か。そうね、この前戦った蠍の軍勢だって、貴族の圧制に苦しんだゆえの復讐が殆どだったわ。もっとちゃんとした統治だったら戦うことすらなかったのかもって……ね」
「過去は……」
「悔やんでも、変わらないけど」
けど。の部分に、二人は深く想いをよせた。
※途中でマゴノテ神父から称号手帳が奪われました。誰が考えたのか当ててみよう!
●王子は称号を考える
「フゥン――ハン――セイヤァ!」
武がひたすらにマッスルポーズをとるここはファストフードショップ・ルマルマ。
「ふぅ……どうでしたか? 私の筋肉! 素晴らしいでしょう! どうです? 皆さんも私と一緒に鍛えて筋肉――つけません?」
スマイルで振り返ると……そこには誰も居なかった。
「武氏の称号は……わ、わからない。初めて見た……『輝く筋肉』にしよう!」
付箋に書いてぺたっとはる『トーンいらず』クリスティアン。
「ふう。それにしてもイベントばかり参加しているような気がするなあ」
トレーを持ってテーブルへ向かうと、ふとカウンター席に座るシリアス顔の二人が気になった。
「誰だ! 今かずにゃんつったのは!?」
きょろきょろと辺りを見回す和一。孤児院に見せかけてアサシンキャンプを襲撃する依頼について語っていた筈だが、どうもここの空気に押されているらしい。
「さすが伝説のベストプレイス。場の圧がすごいネ!」
くすくすと笑うイーフォ。フィッシュなバーガー片手に周りを見回す。
たしかさっきまで『初めての騎馬戦と強敵に挑む高揚感』について話していたはず。
「ま、日常を過ごすならこっちのほうがいいかナ」
そんな二人を横目に通り過ぎ、クリスティアンは付箋にさらさらとメモ書きした。
「ど、どうしよう。書けって言われたから書いてるけど……さっきの二人の称号はええと……『右目に封印されてるなにか』『朝とか寝癖が大変そう』……でいいかな!? 大丈夫かな!?」
※ここからは王子がポテトを人質におどされて考えた称号がつきます
「ぱんつだよ」
ほがらかな笑顔で語る『帽子の中に夢が詰まってる』レンジー。
「ぱんつをかけてぱんつをおびきよせてぱんつを食べる依頼でぱんつをもらったんだ。うん、何が何だか分からないね」
説明役になったことで何か大事なものを喪ったきがするね。と笑うレンジーである。
『言うほどくっころしそうにない』シフォリィが両手で顔を覆っている。
「みなさん依頼で色んなものを喪って……『私の子供になりたいキノコは来なさい』とか言ってたんですよ、私。どうかしてました」
「私……案外まともな依頼に行っていたのね」
『絵本の外の大冒険』アルメリアが頬に手を当てた。
「私はたしか、暴れる野菜をやっつけて鍋に戻す依頼を引き受けたわね。あの時はシロネとチシャにも頑張ってもらったっけ……」
「………………」
『二人一役』TrickyStarsはこめかみに手を当て低くなっていた。
『稔クンがブサイクな顔で雑草食った回。いやマジ笑えたわ』
「マジ許さん」
「虚がアホなせいで苦戦した南方海域解放戦線」
『あれは稔クンにも責任あるっしょー?』
「俺が最強美しい称号つけてくんないじゃな」
『お前ほんと馬鹿だよな』
『大体さぁ、俺達の名前Tricky・Starsだぜ? 前に何がついても恰好悪くなるだけじゃん』
コーヒー一個を前に腕組みをして座る『案外常識人』キドー。
「俺はワンドリンクで八時間粘れるゴブリンだぜ……?」
聞いていないのに自己紹介をした。
「経験した依頼の中で印象的だったのは、ロックゴブリンのロックフェスだ。俺たちはゴブリンに真のロックを教え、ゴブリンの暴動を鎮圧した。そう、強者の余裕ってやつだ」
にやりと笑うワンドリンクゴブリン。
「思えばこの世界にはいろんなゴブリンがいるよね」
でっかいハンバーガーとポテトを前にもぐもぐする『アトリエクィーン第一の刺客』ヒィロ。
「思い出深いのはゴツゴウゴブリンかな。おかげでボクもご都合主義のなんたるかを知ることが出来て、大人の階段を上った気分だよ。ポテトいる?」
「いるぜ」
一方こちらはシリアステーブル。
『目には目を』マクスウェルと『刃には刃を』芒が向き合ってフライドポテトをつまんでいる。
「キミ、ミャラヤアラクワラピって実在すると思う? 七本足で腕が三本、ヒトに似た手指を持ち、体は透明」
「イルカのなぞなぞ?」
「ううん。正解は実在しない。眼球の中に現われる怪物を誰もが見間違えた姿なの」
「そんなの、どうやって倒すの」
「偶然にも、倒せたの」
そんな偶然が何度も続くとは思えない。
マクスウェルはどこか複雑な顔をした。
「じゃあさ、こんなのはどうかな。『魚にしか見えないディープシーを殺すのは、殺人にあたるのか』」
「思考実験みたいになってきたね?」
「少なくとも、バラした感覚は人間だったよ」
「そっか」
この世界において、殺人は、場合によっては罪にならない。
もし罪に問われなかったのに、罪悪感にさいなまれた場合。
それは自分でぬぐい去るしか無い。
●ファンドマンは商号を考える
「このような改善活動にはPDCAというサイクルが良く用いられます。ですが、驚異的なスピードでビジネス環境が変化する現代において、もう一つ押さえておくべき手法があり――」
白紙の称号バッジを大量に渡された『1000Gの賞金首』寛治はこくりと頷いて眼鏡を光らせた。
「なるほど、お任せください。皆さんのテーマにコミットしたピ――」
※ここからはファンドマネージャーが称号を考えます
『チア衣装でジャンプした所を仰望角度で』ミルキィがソフトクリームパフェをつついていた。
「ふふー、自分がプロデュースにかかわった店で食べると、抜き打ち調査みたいでなんだか楽しいね! 百乳のミルクを使ったデザートは絶品だからね!」
「確かに、こういうのも一興だね」
『夕焼けの窓辺でソファに寝そべるさまを俯瞰で』シャルロッテがくすくすと笑いながらコーヒーにミルクをたらした。
「こうしていると思い出すよ。勇者を偽る作家と共に子供を救出した依頼のことだ。今まで隠し事を暴いて不幸にしたことは多々あれど、あの事件は秘密を暴かれたことで好転したらしい。不思議な気分だな……」
「いいことじゃないですか」
遅れてテーブルへ戻ってくる『金のアクセを大量につけピンクの舞台で』弥恵。
「依頼といえば思い出します。初めて関わったパンツイーター……いえ、思えばろくでもない依頼で始まったんですね、私。、まぁちょっとドジってしまう事もありますけど、美しく凛々しく、華麗に魅せて踊ってもっと楽しませていくつもりで――」
ガッツポーズをとろうとした瞬間、手前のグラスが吹き飛んだ。
かち割れるグラス。響き渡る悲鳴。
『キャットシリーズ傭兵枠』リノはコーヒーカップの縁を薬指でついっと撫でた。
「そうねェ、最近の仕事といえば……大きいところだとやっぱり砂蠍掃討戦かしら。印象に残った人も多いだろうし、中々楽しい戦いだったしね。それにしても砂蠍の盗賊王さん、強くてイイ男だったわァ。あぁいうヒトって好きよ、下の盗賊達が妄信するのも分かる気がする」
対して、『キャットシリーズ海洋枠』イリスががたっと身を乗り出す。
「砂蠍相手は頑張ったのよ、私! 割とボロボロになったし……うーん、後はね、キハダ!キハダがおいしかった!!」
「き、はだ……?」
小首を傾げるリノに、『巨大な鳥籠に体育座りする画で』エリスタリスが別の話ですよと釘を刺した。
「思い返せば反省することしきりなのです。来年はもう少ししっかりしたいところですね……保護しにいくはずが逆に保護されたり、うっかり調査にかまけすぎて戦闘で重傷負ったり、討伐対象が逃げる事を想定してなくて失敗したり」
『ベイのブレードをベイッてする漫画の表示風』洸汰がそんな彼女の方をトンッとグーで叩いた。
「大丈夫だって。頑張ってりゃなんとかなるからなー」
そこでふと、洸汰は斜め上の虚空をみやった。
「印象に残った仕事なー? やっぱ、いっちゃん最初に受けた『瓶詰妖精』のやつー? アレもちょっち怖かったなー。恐いと言えばどっかの病院も……」
ぶるりと本能的に肩をふるわせる洸汰。
その一方で、『あえて男らしさにむせる画風で』みつきがソファ席に寄りかかって息をついていた。
「ウナ族は人間種の顔の見分けがつかねぇんで、体つきを見て俺のことも普通の女だと思ったみたいでな、嫁に来ないかとか言ってきやがった。妹の魅力が別種族にも伝わったのは嬉しいっちゃ嬉しいが、俺が嫁に行くってのは流石にな。インパクトが強すぎて、あの日のことは鮮明に思い出せるぜ……」
といいつつ、いずれ嫁に行く日も来るのではと、どうやら考えているようだ。この身体でまさかと思う一方、多種多様な事情をもつ混沌住民ならあるいはとも思う。というか、逆みつきくらいなら普通にいる。
世の中、案外わからないものである。
※ここからは急に知らないカフェ店員が称号を考えます
「不思議な特徴を持った鳥の群れを倒しに行ったの。思い返すと、あれが私にとって初めての飛行戦闘だったなあって。ちょっと墜落しそうになったりもしたけど……まあ、墜ちなかったからオッケー、だよね?」
たまたま相席した相手と思い出話を語る『エアーコンバット』ティスル。
「私、突撃癖でもあるのかなって。この鳥の時も、ああ、あと蠍との決戦の時も、けっこう無茶な突撃してたっぽいの。どう思う?」
「どう思うと言われましても」
コーヒーのおかわりを注いでいたカフェ店員が苦笑して首を傾げる。
『コンテニュー演出つき』マナにリアクションを求めるように視線を送ってくるので、マナはええとと考えてから別の話をすることにした。
「依頼といえば、パン屋さんでお手伝いをしたことがありました。魔法のかまどというものがありまして、想いを込めると味が変化して不思議とその想いの味になるというもので……。お客様の喜んでいる顔や楽しんでいる顔を見ていてとてもやりがいがありました。働いている私もとても楽しくて、また機会があればお手伝いしに行きたいなと思いましたね……」
「……依頼の思い出話ッスか?」
『意味深百合クラスタのアイドル』クローネがミルクコーヒー片手にテーブルのそばに立ち止まった。
「そうなんです。なにかありますか?」
「あんまりおもしろい話はないッスね……。それより他の人に話を聞いた方が……あ」
クローネはそれなりに見知った相手を見つけて手を振った。
おや、という顔でこちらを見る『渡鈴鳥(わたりどり)』Lumilia。
いま店に入ってきたところのようで、『Esc-key』リジアと連れ立っていた。
依頼の思い出について聞いてみると……。
「以前閉じ込められた温泉街『パステラーン・マルミーエ』はどうでしょう」
「あの時は、少々大変だったな。土砂に巻き込まれて……今思い返してみてもあの時ばかりは災難だったな。今まで共に温泉に行く機会はあったが、あのような惨事に遭遇したのはあれだけであるし」
「ご飯もスイーツも、もちろん温泉も、あんなことにならなければ、もっとゆったりと楽しみたかったです。たやすく探し出せるとは思えませんし……んうぅ」
あの時のお前は少々重かったぞと呟くリジアに、Lumiliaは顔を赤くして手を振った。
「へぇ~こんな所にカフェが出来たんだね。折角だしユウ、ティアさん入って見ようか!」
カフェの前に立ち止まった『プロの癒やし系』セシリア。
振り返る彼女に、『触ると案外あったかい』ユウと『なかのひととなかよし』ティアがちらりと顔を見合わせた。
「カフェ? うん寄って行こうか」
「そうね、外も寒くなってきたし」
開く扉。ウェルカムベル。
窓辺の明るいテーブルへ案内された三人は味の異なるクリームパフェを注文してみた。
会話は自然と依頼の思い出話へと入っていく。
「最近記憶に残っている依頼か~。聞いてよ聞いてよ麻薬を使ってる組織がいてね! 治癒に関わる人間としては本当に許せないよ! ユウは?」
「私? そうね……ソラトビサカナってのがいてね群れで移動するのだけどそれが虹と雲が川を作ってるみたいでとても綺麗だったわよ。セシリアもティアも機会があれば見に行ってみるといいわ。ティアはそういうのある?」
「『タタリ沼』の事件かな。ただの沼に人を捨てて死んでいった人達が子供の怪物やゴーストになって自殺場になってて、それを退治した感じだね。みんなしっかりと解放できて良かったよ」
やがて運ばれてきたパフェにスプーンをとるセシリア。
「折角皆でカフェに来たんだし食べ合わせっこでもしよ! ほらティアさんもユウもあ~んして!」
「楽しそう。あーんして?」
「何でそんな恥ずかしい事を!? あーもう、しかたないわね……」
ユウは目を瞑って口を開けた。
夜。時間帯によってカフェ、レストラン、物販オンリーと姿を変えるムーンデイズライトは、夜間になるとバーへと変貌する。
さすれば、『毎夜の蝶』綾女や『宵越しのパンドラは持たない』アーリアにも似合う店になる。
「お酒あるところに私あり、私あるところにお酒あり……カルーアミルク、いいわぁ」
アーリアはうっとりと頬に手を当て、思い出にひたった。
「最近印象に残ってる依頼、ねぇ。ラミアにまきつかれたいお兄さんの欲求解消のお手伝いは大変だったわぁ。世には色んな性癖の人がいるのねぇ……」
「そうね。メイド、カフェ、海の家、ホステス……色々あったけど、一番印象に残ったのはコミュニティを崩壊させる依頼だったかしら。本文を果たせる、って意味で、ね」
ローレットは何でも屋。敵を倒すだけが仕事じゃあない。
『ハーフメタルジャケット』ルチアーノと『ノースボールじゃないよ』ノースポールもホットココアやコーヒーを片手にそんな話題に花を咲かせていた。
「ルークはどの依頼でも格好良いんだけど……巨大ミミズを退治する依頼。あれがすごかったんだよ。私のことをずっと気遣ってくれて、とっても素敵で惚れ直したよ♪」
「いやあ、そんな……」
てれてれするルチアーノ。
「でもミミズは苦手だったよね」
「…………」
目をそらすルチアーノ。
「ポーはパン屋さんの依頼で手作りシマエナガパンを作ったよね。お客さんを沢山呼び込んで。僕も遊びに行きたかったな。また一緒に依頼に行けるように頑張ろうね!」
「ね!」
●暗黒怪獣デスゴリラは称号を考える
「馬鹿なー! この俺様がァー!?」
窓ガラスを割って路上へ転がり出る『不死身のやられ役』ケドウィン。
「肉と酒さえあればいい! ……肉と酒さえあればいい!」
ケドウィンは謎の闘志を燃やすと再び店――鉄帝ヤキニクバーへと突入店していった。
「うわー、たっけてー、だれかたっけてくだせー。私は美味しくねーですよー、うわー」
暴れ牛ライデンにぶん回されていた『海の漢女』マリナがいた。
「うう、セルフサービスとは聞いてましたが、まさか牛さんを倒すところからセルフとは……!」
『ペンギンの腕力は見た目の100倍すごい』コライユが口元の血をぬぐって勇敢に立ち上がった。
焼き肉店で見る光景じゃないが。
「焼き肉店でお肉を食べずして帰るなんてできません……行きましょう、みなさん! 三人でかかれば牛さん一頭くらい!」
「おう!」
「おう!」
「モウ!」
一斉に身構えるケドウィン、マリナ、コライユ、暴れ牛ジョニー。
……一斉に振り返る三人。
「「ばかなー!」」
別の窓ガラスを突き破って三人は路上に飛び出した。
ヤキニクバーはセルフサービス。超再生する暴れ牛を殴り倒し肉をそぎその場で喰う。
モツを抜かれても再生するというそのあふれるタフネスは店長こと暗黒怪獣デスゴリラ氏の愛情によって鍛えられたものだ。
「彼らは何度倒されても立ち上がります。沢山倒して沢山食べてくださいね」
「さすがは鉄帝……」
『ベビースモーカー』衣は牛を切り裂きながら呟いた。
「鉄帝でこうしえん?? に出たのが面白かった。車のボンネットの上に乗るのって結構新鮮で楽しかった。みんな元気で強いし、死なないし。ん。鉄帝はいいところ。お肉お肉……」
「タレなど甘えっ!! そんなものはいらぬっ!! ってことで塩っ!! いいお肉は塩だけで良いっていうけど酸味も欲しいからレモン汁っ!! でも、出来れば塩とレモンは勝ち取れなんてことがないとうれしいんだお!!」
『筋トレは力』ニルがその横で血抜きした刺身肉を岩塩で食べるというおじいちゃんぽいことをしていた。
「あるぇ~? ウチ、だらけるためにここに来たんだぬ? あるぇ~? 全然だらけてなひ」
「そこまで一生懸命にだらけなくとも……」
『ノリで達人になろう』クライム(p3p006190)は肉を炭火で焼きながら振り返った。
「面白かった……といっても私はそこまで面白い依頼なんぞ知らんのだが。ステラ、何か面白い話でもしてくれ」
「急ですね?」
『ここがお前の墓場だ』オーガスト。
「私思うんですよ。暗殺令嬢ことリーゼロッテさんってバニースーツも似合うって」
「おいやめろ」
「このまえの誕生日会で結構良い身体つきだと確信しました。クライムどう思いますか?」
「私に賞金がかかるようなことをするなやめろ……私はただただ蒼穹を流るる雲が如く、自由気ままにお前との暇な刻をこうして過ごせれば」
「ひらめきました。今からお嬢様とクライムで3ピンを作って挿絵に――」
「やめろ」
『おすもうで無敵』下呂左衛門がずずずとお茶をすするそばで、『山田ァ!』デイジーがお肉をはふはふしていた。
「皆で悪いパンツをたくさんやっつけたのじゃー。ブタさんとたくさん遊――タン塩! 壺とバットでたくさん汗をかいたのじゃー。つまり……今年一番楽しかったのはパンツ依頼なのじゃ。聡明な妾の機転のきいた交渉術で悪者を改心させ――その肉は妾のじゃ! もっともっと妾を褒め称えるのじゃーもぐもぐ」
『俺の冒険はこれからだ』クリストファーはそんなデイジーの食いっぷりを横目に、自分の網に肉をしいていた。
「印象に残った依頼の話? ……と言っても俺はまだ駆け出しだからなぁ。この前行ったのが初仕事だし……ああ、でもあの仕事は面白かったな。これからも色々な仕事を受ける事になると思うが、たぶんいつまでも記憶に残る仕事だと思うぜ」
といって、依頼で倒して食べた魚の話をしだすクリストファー。
肉を食いながら魚の話とな。
『メディカルサブミッション』アクセルは丁寧にメスで肉を薄切りにしていた。解剖学を修めていればその程度はできるとは本人の弁だ。
「最近印象に残った依頼……? ゾンビ病、だな」
この世界にはアクセルの出身世界常識を大きく超える病や治療法があまたに存在する。ゾンビ病もそのひとつだ。
「病気に関することや薬草に関する話があったら教えてくれれば嬉しい」
「真っ向勝負、デス!」
迫る暴れ牛へ、鋼の拳を叩き付けるリュカシス。
倒れる牛に手を合わせ、はぎ取り用のナイフを手に取った。
「最近お手伝いした筋肉弁護がとっても楽しかったんです! 言葉と拳で正義の為にを争うトコロなどまさに! 力こそパワー! でした! またいつか、正義の拳を必要とされた時には勇み馳せ参じたいです! 所でデスゴリラサン、ボクの称号どう思いますか? がんがんな漢字が沢山あると嬉し――」
「無敵鉄板暴牛」
「え」
「無敵鉄板暴牛!」
『無敵鉄板暴牛』リュカシスが二度見する横で、『トランスフューチャー』公が大人しく肉を焼く。
「おもいだすなぁ、近くのカフェで手伝いしたり結婚式を祝ったり。屋台を引きながら暴れ牛を轢いたりしたっけ……鉄帝ってホント何なんだろうね。でもこういう自称じゃなく人につけてもらえる二つ名とか結構あこがれるよね、今までの自分のやって来たことが」
「ハム男」
「え」
「ハム男!」
『ハム男』公も二度見する。
そんな彼の方を、『わたしが作りました』ゴリョウがぽんと叩いた。
「安心しろ。この依頼はあくまで『考える』だけだ。つけられたりしない。気に入らなければつけなければいいだけだ」
とか言いつつ、焼き肉と白米の組み合わせにしっかり満足している『おこめだいすき』ゴリョウ。
「しかし暗黒怪獣デスゴリラ、ヨシコさんとの結婚式以来だな」
「そうですね!」
凶悪な顔で笑う暗黒怪獣デスゴリラ氏。
「ドリー殿! お久しぶりです!」
といいながら『ウシキング』牛王は暴れ牛ドリーを一本背負いしていた。
「ブモー!」
「なるほど、テリー殿も元気そうでなにより!」
ドリーから肉をはぎつつ、牛王はちょっとしんみりした。
「私にも愛しい主人がいますが、今は離れ離れで……けれど、元の世界にいる主人を守るためにも。今は、特異点としての役目、畜生なりに頑張らねばなりません」
「ブモー!」
「元気づけてくれるのですか。ありがとうございます」
「すごい、あのひと牛を解体しながら牛と雑談してる」
『おまえもコロリバ解体してんだろ』ロクが「フレッシュミート!」とかいいながら暴れ牛を飼いたいしていた。っていうか直で食いちぎっていた。やべえこいつコヨーテかよ。
「ところで暗黒怪獣デスゴリラさん、奥さんヨシコさんっていうの? ヨシエさんっていう知り合いが秋頃結婚したんだけど……」
「ヨシコの妹ですね」
「だと思った!」
●クソザコ美少女は称号を考えることを強いられているんだ!
「依頼で最近印象に残ったことと申しますと……初犯、でしょうか。依頼上で必要に駆られて初めて窃盗を行ったのですよね。まぁ、味わい深かったと感動したのです。窃盗の初犯で盗賊王から盗んだ、と云うのは他には無い面白い経験だったと思うのですよ」
『よく知らない方』ヘイゼルがそんなことを語りながら窓をがらっと開けて入ってきた。
「ここ二階ですわよ?」
「知っていますよ?」
「いらっしゃいッスー」
洗濯物を畳む『通い妻』青雀。同じ畳もうとして丸めてしまうクソザコ美少女。
「ボク、ビューティーちゃんの家って豪邸だと思ってたんだけど……人生いろいろあるもんね。仕方無い――仕方ないで済ませちゃ行けない。なんとかしてビューティちゃん!」
大富豪で革命をしかける『きしだんの方』セララ。
「これは、ぬれてぃっしゅ。ないと死ぬから。あと、わたしポテチは割り箸で食べる派」
ポテチやコーラを大量に買い込んだ『おぱんつの方』セティアがそのへんの畳みにんべーってやる子ぺいをぺいってした。
「ごめんね、ベレレってなったやつ、とれない。子ぺい、ちゃんと謝って」
「ペイー」
「ぶひー」
「ぶひはそとにいてって、言ったのに」
早くもギュウギュウになっていくここはビューティーちゃんち。
アパートの二階にある六畳一間。キッチンと廊下と玄関が融合してるやつ。
そんな玄関の扉ががちゃこんと開き、『山で暮らせる方』サイモンがビニール袋片手に入ってきた。
「よう、借金返しきったかビューティー。弁当買いまくったからよ、一つ分けてやるよ」
「あらこれはご丁寧にー……ハッ!?」
『肉体に刻まれた天敵』戟がぬっと現われ、目をぎゅいんと光らせる。
「では挨拶代わりの」
「「待てぃ」」
『赤い方』マグナと『おおかみをかぶってる方』ジェイクが二人がかりで羽交い締めにした。
「あんたが噂に名高いクソザコ美少女か。一度会ってみたいと思ってたのさ」
「噂だなんてそんな――ん?」
「ほら見ろよ、お前をモデルにして作ったクソザコ神ZZだぜ」
「お前それ持ってきたのかよ」
完成の瞬間も見ていたマグナは目を覆った。
「まあ皆さんおそろいですわね。散らかってますけれど、どうぞ上がってくださいな」
「おう、邪魔するぜ」
「ビューティフルんちで飲み会やるんだって? アタシも邪魔させてもらうかねぇ」
便乗した形でスッとは言ってくる『デンジャラスなお方』シルヴィア。
「こういう時じゃなくても、クソみたいなホームセンター防衛戦に巻き込まれたりなんかしたら是非呼んでほしいね。そういうのに恵まれそうな星の元に生まれてそうだし」
マグナたちは狭い六畳一間にぎゅうぎゅうに座り込むと、霧の魔女やプラモデルについて熱く語り始めた。
すると。
「ほらちょっと男子ー!」
『学級委員の方』蛍が眼鏡をちゃきちゃきしながら乗り込んできた。
「女の子のお家なんだから少しは気を使いなさいよ!」
男女比が軽く半々になりつつある六畳一間に乗り込んで、蛍は男子たちを一旦引っ張り上げた。
「おい待てよ、今依頼の思い出語ってたとこなんだぜ」
「依頼……? そう言われると思い出すわね。古代華唱兵器ユニット『ECLIPSE』。あの熱い歌声には本当に心奮えたわ。世の中ラブアンドピースよ! 皆で平和の祈りを歌わない? さあ男子声出して!」
合唱コンクール会場と化したアパート二階六畳一間。
みんな引き上げお昼時。ちゃぶ台を囲んで『ちゃろ子さんの方』チャロロは中華料理をぱくついていた。
「最近の依頼かぁ……うーん。そうだ、ビューティさんたちといっしょに即興で劇をやったこともあったね」
「ありましたわねー」
「そうだったんッスか?」
人数分のご飯をおひつからよそう青雀。
「そんなこともあったわね。あっ、そういえばあたしたち、救命イカダでしばらくの間漂流したのだけれど、あたしのおかげで無事に全員で生還することができたのよ! ふふっ、自分の才能が怖くなっちゃうわね……うっ」
お魚のたべられない所を思い出してウッてなる『ビューティーライバル第一の刺客』レンゲ。
「◎★~ (≡`ω´≡)=○ ✧٩(ˊωˋ*)و✧ =͟͟͞͞(๑•̀д•́๑)」
『かおもじの方』アニーが理解できるはずなのに理解できない言語で会話に混ざり始める。
「(^▽^)」
にこやかに会話に応じるクソザコ美少女であった。
ご飯時も過ぎて夕方。
「ビューティーちゃん元気? 生きてる? また魚の餌にされてない?」
『チョメッケモンゲ像の方』エレオノーラがおせち料理の重箱を持ってやってきた。
「おせちの中でも、栗きんとんが金運アップにいいらしいので作ってきたわ」
くりきんオンリーで。
「1kgくらい食べれば借金返済商売繁盛億万長者じゃないかしらね」
「すごいですわ! 食べますわ食べますわー!」
言われるままにフードファイターとなるクソザコ美少女である。黙ってお茶を注ぐ青雀。
「借金が増えてももう心配いらないの」
ふらっと現われた『ホステスの方』鈴鹿が手土産の瓶をちゃぶ台に置いた。
「思えば、指導した初日は大変だったの。グラスを割りまくる。酒を客に浴びせかける。シャンパンタワーに頭からいく……一瞬、早まったかなとも思ったの。だけど、貴女はここまで立派な愛されキャラになったの。誇りなさい、ビューティフル・ビューティー。貴女はもう一人前の椿姫なの」
「お鈴先輩……ッ」
お鈴先輩って呼ばれてんだ。
別にそれはそれで、という顔をする『鍛冶の方』サイズ。
「ゆっくりしようとしてたけど……ぼろぼろな物を見てると修理したくなる。魔鎌故の考えかな……ちと直すか」
会話にはあえて加わらずキッチンとかを修理し始めた。
敷金はとうの昔に吹っ飛んでいるのか気にしないクソザコ美少女である。
「皆さん来てらしたのですね。お邪魔しま――ごっふ!」
『吐血の方』珠緒が入室そうそう玄関を血まみれにした。
「ああ、すみません。人口密度に酔ってしまったのです」
「構いませんわ。玄関はいつもそんな感じですわ」
「いつも?」
本人は気にしてないみたいだし、とバニラアイス狩り(?)の思い出話に花を咲かせていると……。
「ビューティーちゃんいるかしらー?」
『ビューティーのおともだち』レストが家にやってきて、戸棚からさらっとケーキを取り出して食べ始める。
「そういえば前に、おばさんは昔クソザコ神の信者を演じたのだけれど、とっても素直で良い子だなぁって。これからビューティーちゃんがどんな経験を積んでどんな成長をしていくのか、とっても楽しみなのよ」
ケーキ(1ホール)は完食した。
深夜!
「「きらめけ!」」
「「ぼくらの!」」
「「タント様!」」
「「アーンドドリルシスターズですわー!!」」
『きらめくビューティーライバル』タント、『たがやすビューティーライバル』ガーベラ、『うがつビューティーライバル』リアナ。そしてクソザコ美少女が四人そろってドリームドリルカムトゥルーボーズで叫んだ。あとめっちゃ光った。深夜に。
「お泊りセットも持ってきました故、夜通し語りますわ! あのクソザコ昔話の思い出! ほぼわたくしが主役でしたわね!」
「フフフ、ではまた金髪ドリルお嬢様軍でもやりますか? 耕す金髪――キュアガーベラ!」
「輝く金髪――キュアタント!」
「蘇る金髪――キュアビューティー!」
「穿つ金髪――キュアリアナ!」
「「懐かしいですわー!!」」
「……ん?」
ガーベラはいぶかしんだ。
「このお茶請けとキュウリ美味しいですわ!」
「でしょう? うちで育てましたのよ!」
「やっぱりわたくしのセンスって最っこ――ん?」
タントはいぶかしんだ。
「ハッ、ビューティフル・ビューティー! この前はなかなかのドリルっぷりでしたわ。けれど真のドリルはこの私! 近々また決着をつけましょう! オーホッホッホ!」
「望むところですわー! オーホッホッホ!」
「「オーホッホッホ!」」
「「オーホッホッホ!」」
四人は夜通し光って騒いだ。
不思議と苦情は来なかった。
成否
成功
MVP
なし
状態異常
なし
あとがき
みなさまお帰りなさいませ、皆様。いい具合にだらーっとできましたでしょうか。
リプレイ中、おもに皆様の名前の頭のあたりに称号が書かれておりますので、こちらをご自由にお持ち帰りください。
GMコメント
イレギュラーズの皆様、ごきげんよう!
大きな戦いもあってパンドラの減った頃合いではございませんか?
こんな時ほどだらけた時間をすごしパンドラを回復しつつ、ついでだから称号ネタでも増やして遊ぼうじゃあありませんか。
この依頼の遊び方はカンタン!
・だらけたい場所(※)
・最近で印象に残った、またはおもしろかった依頼のはなし
この二つをプレイングに書いて送るだけ!
するとどこからともなくそれらしいヤツが現われてあなたの称号を考えてくれます。
例としてユリーカちゃんの称号を考えて貰いました。
「んー……『パンツないない』か『ヘソに集約されたエロス』」
うん、期待大!
全員にプレゼントしていくとキリがないので、自主的に設定するなり心の隅に置いておくなりご自由にお使いください。
●だらけたい場所
だらけスポットは以下の六つの中からお選びください
選んだら【】ごとコピペしてプレイングの頭にはりつけましょう。わかりやすいからね。
どこでもいいと思った人は【どこでも】と書いてください。それらしいところにそれらしく行きます。
【ルマルマ】:雑なマッ○的ハンバーガーショップ。店員がろくに働かないことで有名。
【ビューティーちゃん家】:ビューティーちゃんちいこーぜ。ぼろいアパートの二階にあるから。
【天義マゴノテ教会】:マゴノテ神父が運営するきよらかな教会だよ。どういうわけか畳敷き。お茶とお菓子が出てくるよ。
【鉄帝ヤキニクバー】:自力で牛を殴り倒して肉をとるセルフ焼き肉だよ。店主の名前は暗黒怪獣デスゴリラだよ。
【ムーンデイズライト】:幻想にチェーン展開するカフェ&バー。ローレットがプロデュースしました。
【ギルド酒場】:ローレットの人たちがよくいる酒場。みんなが雑談してる場所でもある。別名街角。
●登場NPC
『クソザコ美少女』ビューティフル・ビューティー(p3n000015)をはじめ、何人かのNPCがさらっと出てきますが、(尺の都合から)特に用事が無い場合は描写からカットされます。
【アドリブ度(ふつう)】
このイベントシナリオでは描写両などの都合からアドリブ度が『ふつう』に固定されています。
けどおかしな称号をつけられることはあるかもしれない。あるかもしれないんだよ。
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