シナリオ詳細
【SHARK WARS】シャーク・スター来襲!
オープニング
●皆ご存知、シャーク・スター来襲!!
大変な事が起こった。天空より超軍事要塞シャーク・スターが攻めてきたのだ。
シャーク・スターはご存知の通り宇宙を支配している帝国、SSS(スペース・シャーク・ソサイエティ)の所有する、巨大な鮫の形をした要塞である。全身のあちこちからコバンザメを出撃させ、口からはスーパーレーザーを射出するその恐ろしさ。
抵抗軍たるイレギュラーズの諸君ならば一度は目にしたことがあるだろう。あれに家族を、友を奪われた者も多い筈だ……!
「ついにここが突き止められたのか……皆、戦うしかない! 腹を括ろう!」
ギルオス・ホリス(p3n000016)は檄を飛ばす。もはや逃げられない。戦うしかないと。
レジスタンスの意地を見せるのだ! 幸いにしてここ、レジスタンスの本部ローレットには大量の戦闘機が製造・配備されている。依頼で乗った事があるだろう? え、ない? そんな記憶ない? 気のせいだ。君は乗ったことがある。
「ご存知の通りシャーク・スターは強大だ……だが弱点はある。内部に突入し、炉心部を爆破するんだ。それでデ……シャーク・スターは崩壊する!」
「いや、ちょ、ちょっと待って。ローレットの依頼ってこんなんだったっけ……」
ん、どうした頭を抱えて? もう一度言うよ。君は戦闘機に乗ったことがある。何も問題は無い。
さぁ地下に配備されている格納庫に急ぐんだ! 既に出撃したユリーカは果敢な突撃の末、撃墜されたとの事だ……彼女の尊い意志は継がねばならない。あっ、胸の大きさは引き継がなくていい。捨てておけ。あの大きさはこの戦いに付いてこれない。
往こう、皆! 夢の様な決戦の日たる今日は――4月1日!!
- 【SHARK WARS】シャーク・スター来襲!完了
- GM名茶零四
- 種別イベント
- 難易度VERYEASY
- 冒険終了日時2018年04月12日 19時45分
- 参加人数95/∞人
- 相談0日
- 参加費50RC
参加者 : 95 人
冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。
参加者一覧(95人)
リプレイ
●えっ? 設定が各シナリオで違う?
こまけぇこたぁいいんだよ!!
「うむ、確かに気にしてはならんな――それより、これがわしの秘密兵器、THE BTOOOMじゃ!」
行くぞ、ポチよ! とギフトの鮫に声を掛けるのは潮だ。一見座布団にしか見えないが、飛行装置と戦闘用の武器を備えただけでなく、当たり判定も超神秘的な事象により小さくする為、空中戦に特化した新世代の座布団なのである! カッケェ!
「フフフ、では早速コバンザメを撃退に行くとするかのう!」
普段では味わえないスリルに天の快楽を感じながら、彼は往く――あっ! 皆さん彼は味方です! ホオジロザメの姿をしておりますが決してSSSの手先ではありません! 攻撃しないで!!?
「4月が始まって大体数時間……ついに私の名を世に轟かせる時が来ました……!」
そう! 今の私はイワシの騎士! と名乗りを上げるのはマナだ。長年連れ添った愛機たる戦闘機M・IWASIの調子は全開。SSSの者らに負ける訳にはいかない。イワシの騎士に任命してくれて、昨日の夕飯にもなったイワシ王妃の信頼に応える為にも!
「行きます! これが私の全力全開! スターライト・ブラスター!!」
市販の光線銃が、マナの行き先を光り輝かせていた!!
「あ、あれがシャーク・スター……なんて恐ろしい……!」
しかし恐れていては生き残れない。エマは半ばヤケに、やってやりますよ! と声を放ち。
「さぁ行きますよコバンザメ共――! 何匹でもかかってくるがいいです!」
ドッグファイト、ならぬフィッシュ・ファイトでエマに打ち勝てた鮫はいない。皆ご存知『イワシ食べろ』と恐れられた彼女の称号は伊達ではないのだ。いいからイワシ食べるんだよオラァ!
「決死隊の血路を開きます! ご武運を!」
空を鮫の血で染め上げ。今日も彼女はイワシを狙う!
「くそっ……! こんな時に動けねぇとはなッ」
黒羽だ。彼は地上にいる。先のイワシ宙域防衛線に置いて重傷を負った彼は、とても出撃出来るような身ではなく。
「皆――無事に帰ってきてくれ……!」
故に祈る。天を見上げて、彼らの無事をイワシに祈りつつ――
「戦闘機って何だろうね? こんなのローレットにあったっけ」
『知らん』
ティアだ。十字架に封じられし『神』と会話するは些かなる違和感で。
「んー、自分で飛んだ方が早かったりしそうだね……体の意識とリンクできないかなー?」
『それは流石にど――』
うだろうな、と続く言葉よりも早く4月1日の力がティアへと流れ込んだ!
意識が浮かび上がる。戦闘機とリンクする。全てが自在に操れる。
「おおーこれなら元の世界の経験が活かせるッ!」
超高速。音速の世界へ彼女は羽ばたく。コバンザメを蹴散らし、弾丸を放ち続け――空を駆けるのだ。
「あれがシャーク・スター……」
プティは言う。
「……あれが、シャーク・スター!!!」
特に意味はないが二回言う! やべ、何の感慨も湧かない。これが1日の魔力か!
「――嫌でも思い出すな。あれを見上げると」
ウォリアは過去に思いを馳せる。アレに腰を抜かしてこないだランチを盛大にひっくり返したことを。ハンバーグが顔面に降り注いだのは最悪だった。でもおいしかった。
今こそ恨み果たす時。メカニックのプティがチューンした空飛ぶ危険物こと量産型神風特攻無人戦闘機『シャークネード』を駆って、レーザー発射口まで突撃すれば……!
「……ん? あれ? え、無人でも動くのコレ? マジ? しかも型番『神風』って事は――」
光が瞬いた。
「わぁ見て見てウォリア君! きたねぇ花火が――って、あれ? ウォリア君? どこ行ったの?」
ウォリア君? とプティは言うが彼はもう帰ってこない。そう。彼は光になったのである――ちなみにこの大体5秒後ぐらいにプティの横に落下してきたのは秘密だ。きょーは4月1日!! かまぼこ万歳!
「くっ、遂にSSSがこの地に訪れたというのであるか……!」
いずれこんな日が来るとは思っていたが、とルクスは語り。
「シャークスターへの突入部隊を掩護する! 勇敢なりし彼らを届け、何としても落とすのであるよ!」
戦闘機など乗った覚えがないが歴戦の操縦士であるルクスに何の問題もない。若い者だけに任せてはおけないのだ。囮でもなんでも。出来得ることを彼女は行い。
「ぉぉぉぉおお! ローレットに栄光あれ――ッ!」
最後は要塞へと突撃! 弾幕を潜り抜けて華々しい特攻を、あ、だめだ撃ち落とされた!
「ハッ……ついに来たか……奴らに復讐する機会がよ」
言うは義弘だ。組の若い連中。大恩ありし親分――全てが奴らに殺されてしまった。事務所のトイレから鮫が飛び出してきたあの日の事を義弘は決して忘れない。
残された己に出来る事は何なのか、そんな事は単純だ。
「下手に生きようとか、んな事考えても仕方ねぇ――真正面からぶちかましてやるだけだ!」
効率度外視。生存度外視。戦闘機を駆り、往くッ!
「往生しやがれサメ野郎がッ……!」
最終決戦。となればやる事はただ一つだろう。
全身全霊をもっての突撃突入――それは男の花形よ!
「オレの道行きは、誰にも邪魔させねぇぜ――ッ!!」
クロバが往く! 光る剣にて二刀流。戦闘機の先端にて鮫を斬る。斬る。切り刻む!
「ついに出会えましたか――故郷を焼いてくれたお礼をして差し上げますとも」
『……そうか、大願果たせることを祈ろう』
イリュティムと呪具のアーラはさっぱり覚えはないが遂に大願の時は来たと自覚する。
システムチェック・メインエンジン、ブースター機動・システムオールグリーンッ!
「コバンザメの迎撃は先行したスペルヴィアに任せます。私達はシャーク・スターを」
視線を向けた先ではスペルヴィアも同様に出撃していて。
「あぁ、復讐の機会がやっと訪れましたね」
『……そうだな、ここまで長かった。幾年。幾何待ち続けたか』
感慨深いものだと呪具のサングィスは呟く。長年乗ったシャークブレイカーと共に。コバンザメを蹴散らした――が。
『接近経路試算完了。確定撃破対象赤。要撃破対象黄』
「はっ、画面が真っ赤ね。エースオブエースなんて目じゃないわね」
『軽口が叩けるならまだまだ問題ないな――目標地点はここだ』
イリュティム側の援護の為に。3,2,1……カウント共に射出するは特殊弾。
『スペルヴィアによる、進路確保完了。目標との衝突まで55秒』
アーラが言う。あと一分足らずでスターへと到達すると。
さぁ――勝負はここからである!
「軟骨魚類がなんぼのもんじゃーい!! 行くよ、シルフィ!!」
軟骨魚類如きが生意気なんじゃ! 硬骨魚類を代表して、イリスは往く!
複座型戦闘機に搭乗するのは義理の妹のシルフィで。
「ついにこの日が来たのですね……行きましょう。姉様」
コバンザメが複数匹襲い掛かってくるが、知った事ではない。火器管制・機関制御を担当するイリスと、操縦・ナビゲートを担当するシルフィ。双方共に長年の経験を経たプロだ。二人合わせた一機の力は、遍く総てを凌駕して。
「感じる、機体を通してみんなの希望が伝わってくる!!」
軟骨魚類を打ち砕けと皆が叫んでいる! 全てはこの宙を取り戻す為に!
「はい、姉様。これまでの全てに決着を付けるのです……一緒に。行きましょう」
アトラクトスに伝わる最終奥義。なんかHorse的なあれそれが上手く働いて形成される――虹鱗のバリアフィールドが。機体を包み、コバンザメを蹴散らして尚進む!
「どうでもいいですけど、将来的にこういうのあったらいいなー
……的設定をこんなところで披露しちゃっていいのですかぁ――!? 姉様――!」
本当によかったの!!!? さぁ合言葉を言おう! きょーは4月1日!!
「――パパ、ママ。今まで育ててくれてありがとうございました」
拾ってくれた恩をここでお返しします、とココルは言う。告げるは別れ。永遠の、だ。
コクピットの窓から両親の姿が見える。泣いている。しかしそれでも往かねばならない。今日は4月1日なのだから。己も一粒の涙を、拭って。国家の礎たるコル家は大丈夫だ。兄姉がいてくれる。だから。
「行きます!」
空へ往く。コードネーム:フェアリー。幼い姿で空を駆けるその妖精は――コバンザメを、薙ぎ払った。
「ぅ ぁ っ ょ ぃ」
瞬間。ウィルフレドの声が聞こえたが、まさか撃墜されたか!?
シャーク・スターの様相をドラマは見ていた。このような巨大建築物。無駄に超長期間を掛けて無駄に多大な予算と無駄に超高度な技術を使って作られたに違いない。そしてそのような要塞であればこそ――
「きっとまだ見ぬ……電子なシャーク書籍が一杯あるはずです!!」
フフフ。全てのシャーク叡智は私の物! と言わんばかりに、興味のないレジスタンス活動は放り投げて。戦闘機を駆り、シャーク・スターへと彼女は往く。全て丸っといただくのだッ――!
「――まさかユリーカが撃墜されるとは」
我々にとっての大きな損害だ、と続けるのはリュグナーだ。え、胸のサイズは大きくない? いやそれはそれでこの世から『希少価値』が消えてしまったという事で。
「どうであるにせよ損害だ! 許さんぞシャーク・スター! 我が機体、魚UZAの前に散るが良い! ……さて射撃はどのボタンであったか」
全然関係ないけどギョーザって美味しいよね! 数多の依頼で戦闘機に乗り続けた彼は慣れた手つきでボタンを押す。ええ――なぜかこれ見よがしに設置された、
自爆ボタンを。
――I'll be back。格納庫にて炎上確認!
戦闘機を駆り、内部に突入したエンアート。その後は警備の鮫を排除し歩き続ければ。
「……来たか。Horseは私と共にあり……」
因縁深き――黒き鮫と対峙する。巨大なるHorseの応酬は、船体の一部を歪ませ尚止まらない。ならばとDHAを振るい接近戦を仕掛けるが、これもまた互角。その内に歩まされた道のりは船体の深い所にまで誘導され。
「成程……これもまたHorseの意思、か」
精神統一。長年に渡り極めたHorseを増大。襲い掛かる黒き鮫が迫り――
瞬間。部屋は莫大なるHorseに包まれた。
「戦闘機など不要! 真の騎士は自身の身体で戦うものよ!」
皆ご存知、猫耳バニー天使ナースク水メイドたるアランは空中戦のプロであった。胸元の『あらん』の三文字がとってもキュートな彼、じゃない彼女は悩殺されているコバンザメ共を瞬く間に撃破する。さすれば。
「うぉおお! 萌えキュンビィィィイイム!!」
手で作ったハートが、ピンク色の粒子ビームで敵を薙ぎ払った。ハートを作ればビームぐらい当然出る! 今ならそうなんとか天驚拳だって――!!
「ばぁああくねつ! 勇者、フィンガー!!」
ああそっちかァ――!!
「ふふふ、私は銀河の二大勢力の裏で暗躍する銀河商人……」
両方の陣営と商売をして儲けているのはオロディエンだ。
某自治領とかあれそれ風の思惑を抱き、この最終戦争の推移を見守る。
「まだまだ泥沼にしてやるんだよー! ハッハッハ! 最新戦闘機は如何っかな――!」
しかし――全ての戦線が順調ではない。物量は向こうにあり、であれば。
「くっ! 後ろから追手が……振り切れないッ!」
囲まれる者もいるのだ。レーダーを見たセララは後方から迫るコバンザメの群れに危機を察知。
「――皆、ここはボクに任せて先へ!」
故にUターン。同胞を先に行かせ、己だけが群れへと突進する。
何をしている! という声が無線から聞こえるが。心配いらないよと即座に言葉を。無線を叩き切って。
「別に、アレを全部倒してしまっても構わないよねっ」
一度言ってみたかったんだ。いくぞシャーク・スター――コバンザメの貯蔵は十分か!
しかしそんな背後からコバンザメを撃ち落とすのは久遠で。
「卑怯? 何が? 勝てばいいのよ勝てば。だって相手は敵なんだから」
言い、空中で機体を緊急停止。即、再起動。己が技巧操縦を持って急激に落としたスピードから立て直しコバンザメの後ろに回る。後ろが卑怯などと言わせておけ。後ろを取る技術を見せつけてやるのだ――ッ!
「この任務が終わったら俺、結婚するんだ……」
リゲルは愛するフィアンセとポテトサラダを脳裏に描き。闘志を漲らせ前線へ。
ポケットには渡す筈の指輪も一緒だ。ふふ、ますますこれは死ねないな。なんてフラグ。
飛び回る。縦横無尽にコバンザメ共を叩き落とし、機体と機体の間をすり抜けて。
「ッ、しまった被弾した……!?」
エラー音と衝撃が響き渡る。先の体当たりで取り零した敵がいたか。
しかし終わる訳にはいかない。宇宙に平和と取り戻す為。
「そして、俺とポテトの幸せのために――ッ!」
咆哮一喝! リゲルは、機体諸元シャーク・スターへと突っ込んで――
皆さん今日は4月1日です。つまり魔法の力があれば空も飛べます。当然ですね。
「そう――私は魔法少女だから!」
街角を歩いていたら当然魔法少女に覚醒したノワは魔法で空を飛び、コバンザメを撃破していく。殴る。蹴る。殴る。蹴る! どこぞのすとらいくなげふんげふん如く! ノワは往くのだ!
おっとその時。あれは――貴道のダイナマイトフィスト号だ!
「HAHAHA! 銀河系最強の宇宙ボクサーの事をお忘れかNA!」
拳型の船体。それにレーザーや銃なんてせせこましいものは積んでいない。無駄だ。この船のコンセプトはただ一つ――敵をダイレクトにブレイクするためにあるのだ。イエーイ!!
「シャーク・スターなんざボコボコにしてやるぜッ!」
コバンザメの迎撃なんのその。シャーク・スターの腹へとフィスト号は直撃して。
「民の為。皆の為。世界の為……私はここで祈りましょう」
ルミは祈る。地上にて、スーパーレーザーに臆することなく。
4月1日の超神秘的事情は彼女の祈りを多分増大させたッ――!
「帰ったら続きを食べる」
――そう言って世界樹は一口だけ食べ残したステーキをテーブルに置いて出撃した。
ゲン担ぎだ。フラグではない。フラグではない! その証拠に、ほら今一機撃墜して!
「はっはー、やったのじゃ、隊ちょ」
ああ、堕とされた! 応答しろ世界樹! 世界樹――!!
「あれがシャーク・スター……でかい物だなぁ、本当に」
見るは行人だ。三機は撃墜せねばならない。地上で、その分は保障するからマシだと思ってくれと。そんな話をしたばかりなのだから。
「よし、そろそろ景気よく行こう……フェアリー1 『槍』を放つ。前に出るなよ!」
槍――それは機体前部よりせり出した、馬上槍の様な物から射出口から放つ高威力のレーザーである。連発は出来ないものの威力は絶大――総てを穿ち、道を作る。
おかしい妙だ。こんな物に触った事は無い筈。
「なのに……動かし方が理解できる……」
どころかまるで長年連れ添った愛機の様に、とアンナは不思議がる。駄目だ! 深く考えたら死ぬぞ! とにかく事実はどうあれ鮫をなんとかしないといけないのは確かで。
「――よし。さぁ行くわよ……ブリリアント・ブラスト、装填!」
吹っ切れた。余りある実家の金を無断で注ぎ込んで制作した一発数千万の黄金の光。それが鮫と爺やの胃を薙ぎ払う。所詮は庶民の鮫! 金に勝てるとでも思ったかぐぇーハハハ!
――その時。全中域に通信が響き渡った。
「マザーシップの攻撃が始まろうとしている。敵の力は凄まじく、世界が滅びるのも時間の問題だ」
オクトだ。アレを撃破するほかないと、皆を鼓舞し。
「おい、若い奴らは本部から逃がしたか?」
適当な『偵察』とかいう理由を付けて本部から離したと、長年の部下が返事をする。
「そうか。良かったぜ、死ぬのはろくでなしだけで良い――そうだろ?」
弾くはコイン。裏は不運、表が出れば幸運で。連れ添い続けた幸運のGOLDは。
「かかっ、ラッキー」
表を出した。同時。彼のいる本部は諸共スーパーレーザーの光に包まれ――
悲しい事に逃げ場は無く。前に進むより他に無し。ならば。
「ユリーカさんの敵を取る為にも頑張らないと……!」
スティアは往く。というか往くしかない。要塞の弱点を狙えば起死回生となるだろうと、そう思い。
「弱点……口からレーザー出るって事だしそこを狙ったら……」
何とかなる気はするがどうしよう。簡単に思いつくのは爆弾を乗せての特攻だが。問題は誰がやるかと言う話で。そう誰が。
「え、私!? 発案者が!?」
へへへ。って可愛く笑ってもだーめよ。
コバンザメに追い立てられながら気付けば己が一番そこに近く。あっ。あっあ――!
ちなみにそんな思考に至ったのはクィニーも同様であった。彼女の戦闘機には何か、こう機体の先端に超強力な宇宙爆弾的なあれそれが付いていて……ええ。勿論ミサイルみたいに撃ち出す事は出来ない素敵な構造で。
「皆、どうか忘れないで。この混沌を護る為に命を張った、QZっていうバカな奴がいたこと……!」
往く。一筋の流れ星となって、碌な思い出のない走馬灯が流れれば。
「みんな……どうか無事で帰ってきて……!」
同時刻。地上にいるクィニーが――ん、あれ? おっ? こまけぇこたぁいいや! とにかく彼女は祈る。皆の安全を。無事を。流れ星を見据えながら――
身重となり、イレギュラーズを引退して一年――みつきは、戦いから逃れていた。
「私も皆と一緒に戦いたいけど……駄目。私がいなくなったらこの子が……」
四か月となる我が子を見据えて。放っては置けぬと抱く力を強めれば。
――その瞬間確かにHorseの発芽を感じた。それも巨大な。己を超えんとするそれは。
「まさか……この子が『力』を発しているの!? なぜ……」
……いや、そうか。血は争えないという事か。父親を考えれば納得だ。
いけない、このままでは。早く、早く戦いが終わらねば――!
「サメ! サメ! サメ――これもきっと犯罪組織ネオ〇〇〇〇〇帝国の仕業ね!! 間違いないわ!」
センキは憤る。またお前らか! まーたこんな悪事を成しているのか、と!
許せん。得意の射撃でコバンザメを撃ちまくり。彼女は吠える。事実はどうでもいいのだ。だって絶対犯罪組織ネオ〇〇〇〇〇帝国の仕業なんだから。そうに違いないね!
恐怖を。シャーク・スターに恐怖を感じるのはメイメイだ。
「でも、わたしは……イワシの騎士です、ので……!」
それでもと己を奮い立たせ出撃する。見ていて欲しい――おとうさま、おかあさま、おばあさま、おじいさま、おにいさま、おねえさま……(中略)……ええと、あとは、えと、その……とにかく皆、見守っていて、ください、ね。
「必ずや、一撃……与えてみます……! Horseの力は……偉大、です……!」
知り合いが多いのは良い事である!
――腕の感覚が無い。違う、腕の代わりにヒレがあるのだ。ああ、そうだSSSに捕まったのだった。僕の、僕の名前はムスティスラーフ……だと思うが、それも正しいのかもう分からない。何かされていたような気がするが……
でももういいか。とにかくお腹が空くんだ飢えるんだよぉ。
『食べたい食べたい食べたい食べたい』
あの白いのが食べたい。白い、白いアレが。目の前のそれが。
美味しい。
美味しい美味しい美味しい! もっと足りないもっと食べたいもっとうまい。
『あぁ――』
悲しい助けて誰か僕を止め――
「むっちゃん、元気であるか? 吾輩、むっちゃん殿の大好物の白くて美味しい奴を一杯仕込んで待ってるのである!」
同時空へと言葉を放つはボルカノだ。仕込み始めてもう幾年か。空の向こうで勇敢に戦っているであろう彼を待ち続けて。今日も彼は白いアレの仕込みに走る。三年目は上達を感じ、七年目ともなればサメの景色も見慣れたもので
「むっちゃん殿ーがんばれーであるよー!」
今日も朝から仕込み始めて昼からは空を見上げる生活。ああ早く帰ってこないだろうか――
SSSの尖兵。サメとなって帰ってきた彼の事を、ボルカノは心の底から想っていた。
事態はよく分からない。ただとにかく袋叩きにすればよい事をメイファースは理解した。
「ですが、なぜ鮫なのでしょう? 4月1日の魔力でしょうか」
なら仕方ない。しかし敵を叩く前にまずは紅茶を一杯、だ。
「食事は軽い物で……これからは恐らく長期戦。栄養は取っておかねば」
いざという時動けない、は困る。どんな時でもクールかつエレガントが信条なのだ。成す為、果たす為。彼女は迫りくる鮫に怯える事なく紅茶の香りを優雅に楽しむ――
「きょーは4月1日! SSSめ、ここまで攻めて来るなんて……許しません!」
きょーは4月1日! トゥエルは合言葉を叫び、イワシの騎士たる誇りを胸に天へと向かう。
戦闘機で旋回。無駄な回転と無駄なビーム出力は無駄に鮫共を打ち倒し――彼女の武勇を吠えたてる。
「雑魚どもの相手は私に任せなさい!」
と、そこへ援護するべくやってくるは利香である。大量のミサイルと高速戦闘に対応した機体を駆って、コバンザメ達を次々に撃破。味方の突入の援護とする。
その活躍に釣られるコバンザメ。追え、とばかりに後ろを付いてきた連中を。
「かかったわね――さぁ、こいつを受けてみなさい!」
ありったけのミサイルをぶち込んで、爆炎を生み出した。
『ハァィ☆ 毎度おなじみ、ルアさんのハイテレパス通信じゃよ!』
家族とか友からのメッセージをハイレテパスにて送り届けるのはルアだ。
ついでにニュース番組の如く運勢とかも語れば。
『今日のラッキー星座は獅子座じゃ。炉心部を破壊できるのは、汝かもしれんぞ☆
ついでにアンラッキーは魚座じゃ!』
上から来るぞ、気を付けろ! そんな言葉と同時に撃墜された魚座がいた。
さて。そろそろ往くか。突き当りのエレベーターを下れば炉心部。破壊へと赴こう。
ん? なんで知ってるかって?
「――儂、諜報部じゃからな」
ぺろりと出した舌が、凄腕を物語っていた。
「いよいよ、なんだね」
メリルの手が震えている。戦うのは怖い。かつてシャーク・スターを初めて見た時も今も、怖い。
それでも自分は――イワシの騎士だ!
「出たなコバンザメ! 特性のDHAぱわーをくらえ――!」
DHAはイワシの騎士の力を多分引き出してくれるすごい武器だ。信じる事が大切。
戦闘機用にカスタマイズされた巨大ビームソードは鮫を切り裂きメリルを助ける。行ける。これならば、恐怖を薙ぎ払える! いざ決戦。合言葉は――きょーは4月1日ー!!
「動力部への攻撃は任せたぞ……! 露払いはこちらで行う!」
レオンハルトだ。彼はスーパーレーザーそのものよりも砲台や敵機を中心に。薙ぎ払う。
「OSがめちゃくちゃ……こんなのじゃだめ」
カタカタカタカタ――その時間、約5秒。これでよし。フルスペックを発揮できる、とセティアは画面を覗き込んで。
「セティア、行きます! コバンザメめ、よくもユリーカを……!」
おちろ! あたれ!
キュピーン!! という効果音が響くのを脳内に感じながら、次々と鮫を撃破。されば。
「……! すごいプレッシャー!」
やばいのもいるようだ。こちらに近付いてきているのか? どこからかJAZZも聞こえて。
「これが……若さ?」
白い悪魔なのか赤いあれそれなのか、もうどれなのか! セティアは戦い続ける――
その激戦を見ていたタルトは語る。
「えぇ。SSSに対して特攻を仕掛ける彼らはとても勇敢だったわ……」
群れるコバンザメを退け。シャーク・スターに肉薄するあの姿――忘れたくても二日ぐらいは忘れない。
「……もう彼らの大半とは会えないなんて、残念ね……」
ハンカチで涙を拭いながら。タルトは語った。ちなみに大体生きてるのでご安心を!
「コバンサメッ! 飛びつかざるを得ない!」
飛び回る奴らに興味を示す汰磨羈。只の釣りねこ娘たる彼女は思わず惹かれてしまう。戦闘機から伸びるマジックハンドでコバンザメを無慈悲に捕獲すれば。
「フフフ、主婦顔負けの詰め込みテクニックを見るがいい! ビニール袋、じゃないコンテナとはこーんな風に使うのだ――!!」
機体下部のコンテナを展開。掴んでは突っ込み突っ込み。ギチギチになるまで!
「コンテナ一個分では足りんな。待ってろよ貴様ら、すぐ再出撃してくるからな!」
コバンザメが怯えている。捕まった仲間は果たしてどうなる事か――
見るに、要塞に挑んでいる数は相当いるようだ。ならば、と雪之丞は思考して。
「行きましょう――ハンマーヘッドシャーク。これが最後の戦いです」
ん? おや? 最後もなにもこんなのが何回もあったろうか?
一瞬の引っかかりが彼女に芽生えるが、些細な事だろうと頭を振るい。飛翔する。レーザーとミサイルの雨あられをコバンザメへと叩き込めば。
「何故に、ハンマーヘッドと名が付いたか――その身に教えて差し上げましょう」
ドッグファイトの果てに鉄槌は往く。レーザーの彼方へ。
「これは……4月2日を取り戻す戦いッ!」
皆の明日もとい、と言葉を述べるは竜胆だ。戦闘機に乗った事ない気はするし。シャーク・スターとかそんな存在初めて知った気がするのだが――いややっぱ気のせいだろう。そんな事は無かった!
それよりもエンジンに被弾したようだ。このままでは爆発、
「枯れ木に花を――もとい、戦場に華を――」
四散した。星になったりならなかったり。4月2日はすぐそこに……!
そして水城もだ。縦横無尽に戦闘機を操り、コバンザメとの空中戦を行っていれば。
「いやー……ホント不思議やけど、こんなんいつ操縦覚えたんやろね?」
ま、どうでもええけど。と言葉を続ける。些細な事だ。気にする必要はない。それよりも戦闘に集中せねば死んでしまう――いやなぜか死ぬような気はしないのだが。
「――俺はこないところで何腐っとるんやろか」
かつて。ブーケは遥か過去に堕ちた身なれど、今の自分には過去に無い自由意思がある。
天ではなく地上を、人を。イワシを愛した一人の使途として。
=魚弱=天=イ吏=
――今。覚醒する。
Shark And Region Distribution In Neither Ensure――通称SARDINE。黒キ片翼を広げ、身を戒める鎖はとうに意味を成さず。贖罪の十字架は踏みつけて立ち上がるのだ。やばいぞこれ90年代だ! 逃げろ!
されど過去を振り返るのはアカツキだ。高校時代を野球に。アイドルとしての下積み時代……師との出会い。別れ……色々な出来事があった。まさかアイツの正体が師匠だったなどと予想外の事もあったが……
「師匠――デビルHorse細胞に侵され切れなかったアンタの意思、俺が継ぐぜ!」
師の愛機・社員ingマスター号を駆り、宇宙のアイドルは駆け抜けて。
「皆集まれ! アイドルを始める時間だ! 勇気ある限り――俺のアイドル魂は死なない!」
機体が! アカツキの身体が光り輝く! アイドルは――不滅だ!
かつてSSSに在籍していたエスラだが。周囲の熱意を感じれば、彼らに感化されSSSを離れたのは間違いではなかったと、そう思う。
「――狙撃が得意なのはそっちだけじゃないわ。スーパーレーザーには敵わないかもしれないけれど……積んできた修行の分くらいは効くはずよ」
一日が。一か月が。一年が。
重ねた月日は嘘をつかない。炸裂されるマギシュートは、数多の鮫を呑み込み撃破する。
皆さん勿論ご存知でしょう。空を自由に飛ぶ存在……鳥・飛行機・サメ。そしてKITUNE。
つまりそのKITUNE因子を身に宿す最上こそ空中戦のエキスパートなのは間違いない。当然ですね?
「いくら鮫が古来より制空権を支配する存在だとしても、KITUNEの前にはただの餌です」
かつてえらい狐も言いました。
Q:調子に乗った奴は?
A:シバけ。
「そう。シバく。シバくのです、飛んでさえしまえば後はどーとでもなります」
今なら目からビームとかも出せる気がしてきた。出ろ、ビーム。びー。びーび――出たッ!!
「うじゃうじゃと……何体落としてもキリがないわね全く!」
しかしどれだけいるのだ、とメリーは言う。燃料もあとごく僅かだ。
ペースを上げなければ――そんな思いが焦りを生んだか。片翼が被弾してしまった。
「ドジっちゃった……皆、後は任せたわよ! シャーク・スターを、必ず……!」
通信が途絶えた。まぁどうせ4月1日だ。どうとでもなるだろう。そう、別に脱出装置が壊れたってなんとかなるなる。なるなる、なるよね?
クロウディアは危機に陥っていた。スーパーレーザーに被弾したのである。
「くっ、こんな所でやられる訳にはいかないのであります……!」
胸のドッグタグを握り締め、呟く。
……教官。
それは彼女のタグではない。厳しくも、されど生きる術を教えてくれた教官の物だ。SSSに故郷の星を焼かれ、一人となって彷徨い。抵抗軍にて出会った――恩師。
「……果てよりご覧ください。必ずや奴らを殲滅してみせます!」
吠える。往く。教官の思いにこたえる為に――!!
えっ? 教官ですか? 生きてますけど何か?
戦闘機『アルミラージ3号』は窮地に陥っていた。
「えーい、ドリルホーンミサイルはっしゃ――! わーい、どーん! つぎの弾――あれ? え、もうないの? しかたないなー」
オカカは操縦桿を全身で抱きしめ操作を。逃げる。弾薬は尽きたのだ逃げるしかない!
「やいやーい、こんなウサギ一匹やっつけられないのかー、このこしぬけーぎょーかいーるいー」
んべ、と舌を出してコバンザメを引き寄せる。後己に出来るのはこれぐらいなのだから……あれ、ちょっと待ってなんか大分来てる来てる集め過ぎたかも、ああ、ああ、ああ!!
要塞が落とせそうにない? いやいや皆さん、ご安心下さい。
「こんなこともあろうかと――秘密兵器を準備してきたのです!」
言うはクーアだ。私費(総額0GOLD)で集めた108本のD・H・A!
その全てを束ねて作成した名付けて『ねこさん・くれいどげふんごふんッ!!』
とにかく超威力破壊兵器である! 問題は設置しに行く必要があるって事かな。
「へっ? 自分で作った物は自分で試せ? でもこれ設置したらですねすぐ爆発する仕様で」
特攻戦闘機に押し込まれた! 悲痛な叫びが聞こえてくるが、さらばクーアよ。君の雄姿は忘れない!
天へと祈るはMorguxだ。彼は祈る。向かった者達が帰ってくることを――
「――まぁ別に帰ってくる友も恋人もいませんがね。ええ、ホントに」
そこは気にしない方向で祈ろう。祈る。ただただ只管に彼は祈り続ける。
祈るという行為ただ一点において、己より優れる者などいないと自負し。
「フフ、仕事で祈れるって最高ですね」
闘争神Vain、闘いに赴く者達へ祝福を。
「あらあら~こまったコバンザメ達ねぇ~?」
106歳。レストの水着姿が鮫を引き寄せ、おいこら来い鮫共。何処へ行くこっちへ来い!
「あら? 106歳の水着は見苦しいって? んふふ~んふふふふ~~んふふふふふ~~」
笑顔が怖い! 戦闘機にリゾート地で着るような水着を着て、フルーツが盛られたドリンクまであるのに。何がご不満だ鮫共こらぁ! あ、やばい! ニコニコ笑顔でミサイルのフル発射が!!
「お仕置きが必要みたいね~」
んふふ~♪
彼女の名は――インダストリアル・ザインノーン社製ディテクティブ・ドロイド、アニエル=トレボール=ザインノーン。なげぇ! 長いが、その効果は電子音しか鳴らさない系のアレである。なんてこったい!
ともあれアニエルはシャーク・スターのガバガバセキリュティを突破。炉心部を目指し、友軍を共にコバンザメの弾幕をかいくぐりつつ。
「po pi po ppii」
――貴官の幸運を祈る。そう、電子音を発した。
この星の明日の為に、戦え! イレギュラーズ! 流せスタッフロール!
「やっほー! この混沌を明るく照らす、バニー系BOYの僕・参上!」
長髪、兎耳。とても愛らしいその容姿やばいこの描写だけで文字数全部使いた閑話休題! ルチアーノはジャンボシマエナガがゲットできると聞いてこの戦乱に参加した。触れた物を炎に闇へと包めば――もはやここは彼の狩場。
うさ耳ピコピコ。戦場を俯瞰できる位置取りをしていたら。
「あっ――ジャンボシマエナガ!」
見えた。シマエナガだ! いや正確にはノースポールだ!
思わず飛びつき、ぎゅーと抱きしめモフモフタイム!
「ジュリッ!!」
捕まった。いや、捕まりに行ったのか。誰ぞの戦闘機に潜んで搭乗してドタバタしていた甲斐があった。全長30センチ程度ならば潜むは余裕。いや、場合によっては敵パイロットに突撃を仕掛けもした。
「ジュリリリ……♪」
全てが終わり。ルチアーノの胸の中で幸せを噛み締めるノースポールであった。
「んー要塞のシールド固いなー。穴を開けないとー」
「トツゲキシテモ ムダジニスルダケ デスネ」
コリーヌと正宗くんはいつも通りXな翼の戦闘機に乗り込んで要塞へと接近。
しかしシールドがある。これをなんとかせねば、故にハッキングを試みて。
「ぬぐぐぐ、シャーク・コード解析に時間が……!」
「マスター! ダメデス、オトサレマス……!」
「五秒保たせて!」
無茶に応える正宗くん。シールドが――寸での所で解除されれば脱出だ!
全力トンズラあらほらさっさ――!
「さめー! こばんざめ――! たべるにゃ――!」
ぎょかいるいにゃー! と叫んでいるのはシュリエである。戦闘機など必要ない。隔絶した食欲に身を任せれば――空ぐらい飛べる! 4月1日の常識だ、とぅ!
「地上に引きずりこむにゃ――! メールシーボームにゃ――!!」
野生の力MAX。自由に飛ぶ事を忘れた鮫など相手にならない。所詮は飼い鮫か!
思い知らせてやろう。生もいいが、調理の気分。とりあえずは落として落として数をもっと揃え――んにゃ――!! 隙ありにゃ――!!
「これで、最後だにゃ――ァ!!」
そして似た様な口調で音も光も超越し、お供のちびよだかを連れたまじかる☆ヌコヨダカは往く。撃ち続けるビームはコバンザメをなぎ倒して。
「ふはーはははは! 弱い、弱いのだにゃーァ! さぁ次はそこの魚介類だにゃァ!」
もはやその目は獲物を狙う感じ。ビームのボタンをカチカチするが。
やりすぎた。ビームの出力が足りず、撃ち負けてしまい……!
「なんで、こんな、こんな所で負けてられないのにゃァああああ……!!」
落ちていく。さらばヨダカよ! キミの雄姿は忘れない!
「ううん。私は破壊神の異名を持つジェーリーなのだわ!」
今、とっても忙しいの! と自称破壊神の彼女は言う。スーパーレーザーを破壊せねばと息巻いて。
「魚介類として鮫を倒すのは心苦しいけれど、今日の私は4月1日の魔力に支配されたSSSへの反逆者! もっともっと壊してやるのだわ!」
あーはっはっは!! とジェーリーは全てを破壊する。彼女は止まらない。2日になるまで――!
「ふんっ、大したことねぇヤツらだぜ! 骨詰まってんのか!?」
タツミは圧倒する。所詮コバンザメ。雑魚は雑魚か。
「みんな俺についてこいっ! この宙域を突破するぞ!!」
ならば本命に、と。更なる群れの中心部へとタツミは進撃。
されば、あ。全方位から囲まれて。あ、弾幕が! 安置が無い! あー落とされた――!
「『ウルメ』『カタクチ』『トウゴロ』サメに食われるなよ、逆にサメを食ってやれ。
どっちが真のAce of Seafoodかやつらに見せ付けてやるぞ」
シィーフゥード! ローレットより出撃した仲間と共に、ニゲラは駆け抜ける。
チーム・ろーあんぐらーは出撃した。遅刻しかけたアマリリスはメロンパンを噛みながら家を出て。
「いっけなーい! 遅刻遅刻ー!」
私、アマリリス! 14歳! 本名はジャンヌクロードロストレイン21歳! 訳あってネクロマンサー聖女やってるんだ★ 因縁深きシャーク・スターを撃ち落とす為、大好きなあの人の下駄箱に結婚してくれって手紙を置いてきたの! きゃ!!
「よくも、よくも私の村を地図から消してくれたなァアアアア!」
「アマリリス! 落ち着いて! 星落とし、いや鮫落としは難しいよ!」
恨みと怒りと愛する人への思いとフラグを立てて彼女は駆ける。愛は混沌を救うのだから! シオンの止める声も聞こえねぇ! あれは必ず叩き落とす!!
「シャークスター……あの悪名高い、その……ええと。なんかあれそれしたあれですわね」
なんでしたっけ、と言うはミディーセラだ。アマリリスは空へと上がったが、彼女はその様をぼんやりと眺める。彼女ほどの気概はもはやミディーセラにはない。長きにわたる戦いは彼女を疲れ果てさせていたのだ。
それでもなんとか往かねばならない。ミディーの知識と、アマリリスの愛と!
そしておr……わたし、シオンの勇気で宇宙を救って見せる…!
「唸れー……! 超特大ハートビーム……!!」
これがJK三人衆の本気だー……!!
今年の覇権はおr……わたしたちの手に……! サメにドロップドロップ……!!
次週【JKよ永遠に】 また見てね……!!
「――あっ撮影終わりました? では、わたしはこの辺で失礼いたしますわ」
ミディーセラは帰る。そろそろ2日でしょう? と。うーん仕事人!!
「惑星すら破壊するとかなんとか噂されているスーパーレーザー……撃たせる訳にはいきません」
Horseと共にあらん事を――香澄は一度味方へと祈れば、戦闘機を駆る。
レーザーの動力源を破壊するのだ。鮫で出来たクリスタル。それをイワシの騎士として破壊しよう。
「はっはー! 知らないのか? あれは常にバリアで覆われているんだぜ!」
だから近所の衛星にある基地を破壊せねばならない! と、言うはロクスレイだ。
彼は『森の一族』。SSSに敵対する、なんかどっかのあそこ辺りに住んでいるフード被った二足歩行のクマみたいなアレの事である。彼らは同盟者たるイレギュラーズに全面協力してくれて。
「はっはー! 基地を爆破してやるぜー! なに? 原住民族なのに爆弾使うな? 自然大切に?
細けぇことはいいんだよ!」
今日ぐらいは吹っ飛ばすんだ! 往くぞバリア基地破壊!
「こんなもんに乗って飛ぶのは、慣れねーんだけどなー何度やっても」
自らの翼で飛ぶ方が楽だったし、と飛行スキルもないのに言うのはミーナだ。いや飛んでたし。飛行スキルなんてプラシーボだしプラシーボ。こまけぇこたぁいいんだよ!
「ま、やるからにはいっちょ、大将首ってことで……あれ、ぶっ壊せばいいんだろ?」
撃墜できるかなどとは後で考えればいいのだ。彼女は往く。紅の死神の名は、伊達ではないのだ――!
「……内部に突入すればなんとか? 簡単に言ってくれますね……」
しかしそれしかないのも確かだと舞花は自問自答する。待っていてもやられるだけなら覚悟を決めて。
「前方に火力を集中し、突破を仕掛けます……例え数で劣ろうと、我らイワシ・ナイトに勝てる輩はいないことを思い知らせてあげましょう……!」
Horseの加護があらんことを! 鮫なんぞに負けてたまるものか!
目指すは想定された進入路、格納庫辺りへ往くとしようッ――
『――防御フィールド展開します』
ティミだ。青色の円柱の培養液の中に入った型戦闘機のメインシステムたる彼女には、色々な管が繋がっている。ローレットの秘密兵器たる彼女は、攻撃を感知してバリアを展開。
しかし攻撃は熾烈だ。大型である戦闘機は狙われ、やがて被弾すれば死する船員もまた多く。
培養槽の硝子を叩く。ここから出れば、お前は死ぬぞ
「そんなの関係ない……誰も助けられないなら、存在する意味が無いです!」
強い意志が彼女を外の世界へ。往く。往かねばならない。
シャーク・スターへ。最期のこの身が砕ける前に――あれだけは破壊せねば!
「スーパーレーザーの破壊ねぇ。ま、危険な役割だが」
アタシは、いつだってそうしてきたと。シルヴィアは呟く。どうせあれを破壊できねば、レジスタンスに甚大な被害が出る事だろう。
別に世界の命運とか平和はどうでもいい。だが、魚介類にすぎない鮫なんかに負けたまま、はいそうですかなどとは――
「済まされねぇんだよぉ!! 行くぜサメ共ぉ!!目にモノを見せてくれるわぁぁぁぁァ!!」
ローレットには秘蔵の兵器がある。対シャーク・スターの新開発爆弾、ノリアがそうである。
「……せっかくなら、もうちょっとだけ、生きたかったですの」
自らで目的地に命中できる高性能。儚き花、ならぬ儚き命。己は死ぬために生まれたのだから。
「皆様、ごきげんようですの」
跳躍する。シャーク・スターへと吶喊し、撃破する為に――悲劇の人魚は、ここに伝説となった。
――なお彼女は4月2日にはちゃんとローレットにいました。え、なんで? 説明?
こまけぇこたぁいいんだよ!!
「――聞いてくれ諸君。我が栄光あるイワシ・ナイト隊はこれより炉心部の破壊を試みる」
ハロルドだ。チーム:イワシ・オーダーは長年戦い続けた戦友たちで構成されている。多分。今日の夕飯になる予定のイワシ将軍の援護を受けて、彼らはスターの内部へと突入する。その中でもハロルドは隊長として隊員を守る心算であり。
「ふっ。どこを狙っている。その程度では我が愛機『りーぜろっと』に掠り傷1つ付けられんぞ! ではイワシ・ナイト隊各員に告ぐ! 今の内に炉心部を落としてみせろ! 皆にHorseの事後のアラン事を!」
「隊長! ハロルド隊長ッ――!!」
加護じゃなくて事後でいいんですか――! 通信が切れた。ハロルドの補佐として戦闘機に乗り込んでいたヨハンは、まぁいいかと思考して。
「ふっ、まぁ危険な任務なのは承知の上。ハロルド隊長には悪いですが、僕は昇進も決まってる天才なので……ああ帰ったら早く姉さんにも教えてあげなきゃ――」
立てたフラグが速攻で回収された。コバンザメと激突し、ヨハンの機体が光に包まれ。
「くそ! 隊長の道を切り開くつもりだったのに! ええい、イワシの騎士を舐めるなよ!!」
その後から更に続くのはシグルーンだ。彼女、違った彼は愛機オフィーリアを駆り、闇色に輝くDHAを振るって鮫共を次々と切り払っていく。しかしそれが故に大量の鮫に囲まれ遂に――
「隊長、あとは、任せました。シグは……先に行かせてもらいます」
自らを笑った人魚を全て殺したあの日から、こうなる事は決まっていたのかもしれない。
振るう刃は尚も闇に包まれ――爆破の炎に包まれる。
でも多分あれだこれ。最終話のCパート辺りで生きて背中だけ見える展開だよ!
「ぶはははは! シグもヨハンも隊長も皆、いったかぁ!? 俺はまだまだ生き残ってるぜ!」
言うはゴリョウだ。彼は愛機『ボアズヴィクトリー(直訳:トンカツ)』で突っ込んだのち、敵機に背後を取られた味方の盾となるべく足止めを敢行する――援護に回るの多いなイワシ・オーダー!!
その上で、ちらりと視線を横へ向ければなんと名もなき一般兵の中で名のあるミーティア……矛盾で頭が狂う! も、なんかこういい感じに身を挺して上手い具合に味方を内部へと送り込んでいた!
「うわーん! こんな適当でも上手く行くなんて4月1日怖いよー! でもそろそろ限界! ユリーカ、これでやっとあなたと同じ所に……え、まだ早いって?」
「ぶははは! この数相手によく陽動出来てるじゃねぇかミーティア! 俺も負けてられねぇ!」
――さぁここは俺に任せて先に行けぇッ! ゴリョウは叫ぶ。こんな行動をすればリタイアしてしまうは百も承知。だが人生において一度は言ってみたい台詞を吐けるのだ、悔いは無い!
「ええいもう! ちゃばんだね! 無茶苦茶だね! エイプリルフールだしね! しかたないか!」
「そうだぜ冷静になったら死ぬぞ! 航空戦に集中しないとな!」
そう、これらは全て仕方のない事である! 決して冷静になってはいけない! 走り続けるのだ!!
カイトも己がギフトを全力活用し、風を読む。え? 戦闘機なら翼関係ないって? 何を言うんだ――戦闘機にも翼があるではないか。こまけぇこたぁいいんだよ!!
「ったく、なんだよ今日は大漁だな! 血に寄ってきてるのか? ……ちょっと多すぎるな?」
まぁダイナマイト漁しやすいと考えるか! 代々鮫を殺し、引き上げる漁師の一族に生まれたカイトが得意なのは当然航空戦。風を読み、踊る様に飛ぶ緋色の大鷹は――今宵も健在であった。
●一方その頃
「くっふっふっ! 流石のイレギュラーズ共もこの総攻撃には耐えられまいなのじゃー!」
なのじゃー! SSSの女大幹部デイジーは鞭をしならせて高笑う。やめて! シャーク・スターが興奮しちゃう! しかし反乱軍は思いの他しぶといようだ。ならば。
「かくなる上は……最大出力のスーパーレーザーで宇宙の藻屑にしてやるのじゃ!」
あ、ポチっとな。
「……ん? あれ?」
あ。後で押すつもりだった自爆スイッチと間違えた。
光が――逆流する――
●エンディング
――かくして、イレギュラーズ達の活躍により戦いは終わった。
奏でよう。詩を。
英雄の詩を。遠く宇宙へと旅立った彼らの武勇を語る詩を――その日は伝説の4月1日。
「……世界を統べていたSSSはその日、壊滅したのです」
救われた世界の人々へ送るのは『剣の英雄のバラッド』である。あの戦いで私達の世界総てを救った彼らの英雄譚を、ルミリアは語り継がねばならない。
「それが……あの人に残され、救われた私に出来る――」
唯一の、恩返しなのですから。
●完ッ!!
「――で。こんな感じで恐るべきシャーク・スターとの激戦へと赴く親友達を見守る主人公設定で執筆しようと構想しているんですが。どうでしょうかね? 親友と最愛の妻との人間ドラマを主軸に」
「いやぁ~~これはちょっと! 大体先生独身の上にぼっちじゃないですかぁ~~!」
やかましい! 推理小説家が全員殺人事件を起こした経験者ではないわ!
次回作構想を練る(売れない)小説家スリーは担当編集との殴り合いに発展。最愛の妻と親友たちの描写、削った方が良いだろうかと考えながら。それでも思う事はただ一つ。
きょーは4月1日でしたとさ!!
成否
成功
MVP
なし
状態異常
なし
あとがき
いえーーい!!! サメいえーーい!!!
ちくしょうなんだこの依頼!!!!?!!?! いや細かい事はいいんだ!!
4月1日ですものそりゃあサメぐらい出てきますよね!! いえーい!! ありがとうございました!
GMコメント
きょーは4月1日!!
シャーク・スターがついに攻めてきました。決戦です!!
疑問を抱いてはなりません。合言葉はただ一つ。きょーは4月1日!!
■超軍事要塞シャーク・スター
ご存知SSS(スペース・シャーク・ソサイエティ)の誇る超要塞。とても大きい。
防衛・地上制圧用として大気圏内用戦闘機コバンザメを大量に出撃させ
一撃必殺のスーパーレーザーも兼ねそろえる難攻不落の要塞である。
■シチュエーション
あくまで例として提示します。これ以外でもご自由にどうぞ!
【1】シャーク・スターに戦闘機に乗って立ち向かう。
【2】コバンザメとの空中戦を繰り広げる・スーパーレーザーの破壊を試みる。
【3】地上で皆の戦いを見守る・友が、恋人が帰ってくるのを祈る。
■備考
この依頼は【4月1日限り】の募集となっております。
また【SHARK WARS】と名のついている依頼に参加制限は【ありません】
ご自由にご参加いただければ幸いです。
■このシナリオは嘘です【重要】
細けぇ事はいいんだよ!
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