シナリオ詳細
<青海のバッカニア>レッツ、クルージングキャンプ!
オープニング
●海を行くってえのはこういうことさ
「さあみんな、ついといで! デッカイ船でクルージングだよ!」
ヨナ・ウェンズデーはビールがたっぷり詰まった樽を担いでにっこりと笑った。
「ただし、家事は全部自分でするんだ。いいね!?」
ネオフロンティア海上王国女王イザベラが『大号令』を発してから、国中が官民問わずの大忙しである。
近海警備を強める者。この機に商売を仕掛ける者。訓練を重ねて力をつける者。露払いに猛進する者。
これまでの長い歴史で突破できなかった『絶望の青』がどれだけの難関であるか、皆身に染みて……否、”国に染みて”理解しているのだ。
「軍人さんに任せておこうなんてヤワなこたぁ言わないよ。人手はいくらあっても足りないんだ。
戦闘は専門家にまかせて、アタシらはアタシらの専門分野で勝負しようじゃないのさ!」
地図を参考に出すまでもなく、外洋遠征のためにかける航行距離はかなりのものだ。
たこ焼き喫茶『polpo』のマスターことチキンは大量の小麦とタコが積み込まれた木箱を馬車に乗せていく。
「ヒトってのは飯を食って寝るモンだ。
メシがうまけりゃ気合が出るし、よく眠れりゃ根性も出る。
ただ船ぇ浮かべてはしりゃあいいってもんじゃねえのさ。
戦士を120%働かせたきゃあ、120%のメシを食わせなきゃあな」
大量の酒が、食料が、寝具が、その他娯楽に関わる諸々が、大型船『クラーク号』へと積み込まれていく。
船へ積み込む物資をボードに印をつけてチェックしているのはレナード・クラークとレジーナ・クラークが指揮するクラーク商会である。
「安全で快適な航海は海兵を動かす上での基本だ」
「兵站を軽んじれば兵は痩せ剣は錆びる。当然ね」
更に商会が雇った水夫や、ヨナやチキンの声がけで集まったやけに海慣れた者たちが船へと乗り込み、モップやフライパンといったある意味での『己の武器』を広げていった。
そう、ここはもう一つの戦場。
海兵隊たちの『ホーム』という戦場である。
彼らは来たるべき遠征にむけて、大規模な『航海の訓練』を行おうとしているのだ。
●航海訓練
官民問わず才能ある者たちが集められた大型船では、数日間の航海訓練が行われる。
軍人、民間人、元海賊、現役海賊、そして肝心のあなた――つまりローレット・イレギュラーズ。
大いなる海を超えるには、彼らが一つの共同体(コミュニティ)となり、この大型船数隻での共同生活を維持していく必要があるのだ。
プルー・ビビットカラーはあなたへむけて、乗船チケットをかざした。
「海賊、軍人、民間人、正体を隠したギャングに怪盗……様々な人々が垣根を超えて協力するのは、いざとなってからでは遅いわ。パープルピンクな未来のために、あなたもどうかしら。一緒に訓練をしてみたら?」
これは未来ための訓練だ。
さあ、荷物をかかえ、船に乗り込もう。
きたるべき旅のために!
- <青海のバッカニア>レッツ、クルージングキャンプ!完了
- GM名黒筆墨汁
- 種別イベント
- 難易度VERYEASY
- 冒険終了日時2019年11月29日 23時35分
- 参加人数50/∞人
- 相談8日
- 参加費50RC
参加者 : 50 人
冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。
参加者一覧(50人)
リプレイ
●船旅に出よう
デッキブラシが甲板をこする音。ワタリオサシミが海上を滑るように飛び、スカイペンギンがそれを捕食するために海面から飛びあがる。それらをまるごと飲み干すようにベッコウクジラが通り抜けていく。
そんな風景が、海洋王国の航海だ。
「なんだなんだ?なってねぇな?
この程度の汚れを殲滅できないようじゃ海の男としてはまだまだだな。
こういった隅や角の汚れっていうのはだな――」
適当なタイミングでサボっちゃおうと甲板に出てきたエイヴァン=フルブス=グラキオールは、体と魂に染みついた癖からか新米水夫に掃除の仕方をたたき込んでいる。
その様子を横目に見ながら、ウィズィ ニャ ラァムとイーリン・ジョーンズもまた甲板掃除にせいをだしていた。
「う、海風が強い……寒い……!」
「ほら体動かしてあったまるわよ!」
しゃかしゃかやっていると案外身体が温まるものでクラーク商会から支給されたコートの内側では軽く汗をかくほどだった。
ちらりと遠い水平線を見やるウィズィニャラァム。
「海ってホント、ワクワクするよね。何も見えないこの景色の向こうを…溢れるくらい思い描いちゃう」
「そうね、本やダンジョンも一緒。知らないものを、思い浮かべたこと以上のものを求めて突っ走っちゃう」
イーリンの髪に手を伸ばす。
「ふふ、こういうのがロマンっていうのかな」
「ロマンに手を伸ばすなら――」
「先は長いわよ、どこまでついてこられる?」
「勿論。描いた夢の、その先まで!」
同じくシャカシャカという音がする、が。こちらはデッキブラシの音じゃない。
「レーさん気づいたっきゅ。
皆船に乗る前に地面を歩いて汚れた靴で船に乗るから。
泥や砂ぼこりとかで船の床が汚れて、掃除しても元凶の靴が汚れたままで。
ホコリ以外にも汚れが増えるっきゅ。
だから靴磨きするっきゅ!」
レーゲン・グリュック・フルフトバーは一生懸命船員たちの靴磨きをしていた。
その隣で同じように靴磨きをする秋宮・史之。
「はいはい! デッキ掃除でも靴磨きでも、なんでもやらせていただきましょう!
船上生活は海洋の基本。基本をおろそかにしては依頼の結果にも影響してくるからね、たぶん。どんな小さなことでも女王陛下のためになるなんて、なんて素敵な日々、大号令万歳! やるぞやるぞやるぞ、俺はやるぞ~!」
海洋活動には一家言(?)ある史之である。女王陛下の号令に応え率直に貢献ができるこの機会。今回は燃えに燃えていた。
一方で、作業を終え休憩に入った船員たちとキャッチボールをして遊ぶ清水 洸汰。
「よっし、遊びの事ならオレに任せろー!
楽しい遊びは円満な関係のきっかけづくりだかんなー!
とりあえずキャッチボールでもするか? それか、海に放っても問題ないやつ……魚の餌になるようなのを投げっ子するとか」
飛び交うボールを背に、仙狸厄狩 汰磨羈はおっとりしたタイプの船員たちと釣りに興じている。
「食料も確保できて、一石二鳥。
魚拓を取って、釣った魚の大きさでランキングとかやってもいい。
のんびり釣るも良し、競うも良し。賭けたい奴は賭ければ良い」
二十一世紀地球でも常識化していることではあるが、船や宇宙船といった閉鎖空間での生活にはコツがある。栄養と同じく正しく娯楽を摂取しなければ精神を病んでしまうのだ。
そして娯楽の向き不向きもまた、人によって異なるものである。おとなしい者にこそ、釣りという娯楽はよくあう。
「さて」
一足先にいい釣果を得たフロウ・リバーが魚をもってキッチンへとたつ。
「せっかくです。今日はこのまま調理場で捌いて『フロウ・リバー流 釣りたて鮮魚の活け作り』として提供しますよ」
「ほう」
釣り名人フロウの面目躍如、である。
というわけで、本日昼のメニューは魚中心の料理である。
フロウのやってきたキッチンの様子をご覧いただこう。
「私のスペシャル料理をご賞味あれ!
まずは大きな魚を塩焼きにでもしようかな?
できたら美味しいと言われてて、あんまり見た事がないやつで!」
スティア・エイル・ヴァークライトは仲間の釣ってきた異様にでかい魚を大胆に塩で焼いていく。
もちろん臭みをとるためにハーブやなにかを丁寧に使うのも忘れない。
最後にお皿にドーンてやって、完成である!
「魚の塩焼きスティアスペシャルバージョンを味わっていってね!」
食堂にはヘイゼル・ゴルトブーツがすでにいくつものメニューをテーブルに並べていた。
『ポテトを揚げる』『白身魚に衣をつけて揚げる』『チキンに小麦粉と香辛料を塗して揚げる』『切った麺麭に具材を挟む』……といった油を多めに使ったジャンクフードだ。
「長期の航海を行う軍艦と云うのは材料も労働もド真ん中に当て嵌まる職場。
と云う訳で、大量の油を喰らうが良いのです!」
彼女たちの料理に、船員たちは大盛り上がりだった。
食は生活の基本。
ヒィロ=エヒトは美咲・マクスウェルとともに夜の厨房に入って調理を進めていた。
「どうどう? 美咲さんと一緒にお料理したくて、ボクも毎日頑張ったんだ
二人で敵をバンバンぶっ潰してきたように、台所でもバッチリな連携見せちゃうよー!」
「ヒィロ……凄い、どんどん成長するね! 男子じゃなくても三日で刮目もんよ!」
キャベツをみるみる千切りにしていくヒィロにテンションをあげる美咲。
二人は絆パワーで大量の料理を作り上げていった。
「題して、鴨の二面カツ。鴨は皮の脂が魅力、そこ『だけ』油に浸けカリッと揚げる
他の部位は後からさっと揚げることでジューシーさを保つ
これが、ひとつの料理で二つの味と食感、二面性!」
「鮮度そのままの究極の下拵えと、素材を最高に活かす至高の仕上げ。きっと美食家も納得のお料理になるよ!」
と、女子力を発揮している二人の横で。
「僕は食料じゃないです……食べないでください……あっそうだデザート作ってお腹いっぱいにしてあげればきっと僕が食べられることはなくなるはず!!」
といいながらベーク・シー・ドリームが和菓子系のデザートをもりもり作っていた。
「なぁに、僕の匂いがすれば餡子や焼き菓子は上手いんですよ」
ザ・経験。
一方で、ヴァレーリヤ=ダニーロヴナ=マヤコフスカヤとエッダ・フロールリジが火花をちらしていた。
「ほとんど素材のままに貪り食べる南部人が言いますわね?
まあ、田舎者にはその程度の料理が丁度いいのかも知れないけれど」
「メタノることに定評のある北部人は、料理の手順も知らないようでありますな」
額をぶつけあう二人。
「お?なんだやんのか? お前もマッシュポテトと見分けが付かなくしてやろうか?」
「良くてよ。いつか貴女とは決着を付けなければと思っていましたの。塩樽に叩き込んで、塩漬けにして差し上げますわ」
ひとしきりにらみ合ったあとで、二人はフッと息をついた。
「シャイネンナハトに……頼みたいことがあるのだけれど宜しくて? 一杯、奢りますわよ」
「しょーがないでありますな。美味いヴォトカで手を打ってやるであります」
●衛生は命を救う
「長い航海になるのならゴミそのものをなるべく出さん事が望ましいのう
物資の節約のために繰り返し使える物はリサイクルじゃよ」
船内の通路やトイレ、各自の部屋や風呂場といったあらゆる場所を丁寧に清掃していく海音寺 潮とヨゾラ・エアツェール・ヴァッペン。
「船内の衛生もそうじゃが船員自身も清潔にしておかんとな。
何か作業をした際は必ず手洗い。汚れた衣服は定期的に洗濯じゃよ」
「広い船のあちらこちらをくまなく掃除掃除っと。
汚れひとつカビひとつでも後々厄介ごとになりかねない気がするし。
皆が心地よく過ごせるようにしないとね」
ひとが暮らしていく上で感染症や精神疲労はなかなかに大きい。
その重要性はナイチンゲールの伝説でわかる通りだ。そして、海のみならず砂漠や森でも同様である。
(土にも砂にも足を下ろせない生活か……だが同じ目的地へ向かう一団での生活と考えれば、キャラバンと通じだな)
ラダ・ジグリは仲間と手分けと時間分担をして掃除や洗濯をし、それによる肌の劣化がおきないようにとハンドクリームを配るなどの配慮をまわしていた。
「掃除も洗濯も、規模が大きいほど大変だ。これからの季節なら手荒れもするだろうか」
「ワタシに出来ることぉ…まぁ洗濯物の回収やゴミ拾いなどなら問題なくできるかもしれませんねぇ!」
「放って置くと、くっっっさくてヤバい物体に成り果てそうだし、しっかりと洗っていかねぇとな」
村昌 美弥妃と銀城 黒羽は船内を歩き回り、洗濯物やゴミを見つけたら即座に回収し、共同の洗濯場へと持って行った。
「船の生活は経験がねぇし、この機会に学べるのはありがたいな」
「戦士にとって健康を保つのは基本中の基本で大前提!
そして、健康とはしっかりとした食事と睡眠、そして清潔さによって保たれる!
……ですよね師匠!」
洗濯場では新道 風牙が一生懸命たらいと洗濯板で衣類を真っ白に洗っていた。
「地上と海の上では常識が違ったりするだろうしな。そこをしっかり勉強しなきゃ!」
掃除洗濯といえば。
「さぁ珠緒さん!
今こそボク達の真の力…数の暴力を発揮する時
ボクもうちの子達も準備万端よ!
行きましょう、めくるめく船室掃除の旅に!」
「蛍さん、力強いのです。これが、いいんちょうさん……。
すずきさん、こじまさん、一緒にがんばりましょう。
ゆりかさん、まひろさん、ひいろさんもですよ」
藤野 蛍と桜咲 珠緒はロボと一緒に船内を駆け回り、それぞれの合同部屋を素早く掃除していった。
(貴族に仕えるメイドは時に大人数の対応をする事があります。
わたしは今はローレットに所属していますが、経験を積む事は出来るのはよいですね)
そんな様子を横目に、自分も自分で配膳やベッドメイキングをしていくシルフィナ。
メイドらしく家事の手際は見事なものだった。
●ハッピークルージング
「食材の下拵えなら実は得意だったりするんだぜ。
まな板が無くたってタマネギみじん切りに出来るからな」
ぽんと投げたむきタマネギやキャベツをナイフで素早く細かく切ってみせるシラス。
「ふっ、俺ってば案外料理の才能あるんじゃねえの?」
「お~、たすかるたすかる」
橘花 芽衣は野菜を大きな鉄板にのせて豪快に炒めていく。
「船に乗る経験はあんまりないんだよね〜。ま、海の男っていうのはけっこうガッツリ食べるイメージがあるからここはソース焼きそばかな」
その横でレイヴン・ミスト・ポルードイとカイト・シャルラハは焼きそばに並ぶテッパンな料理に挑戦していた。
「食材は適宜確保していこう。船旅ってのは食材の確保が大変なんだ。海で取れるもんは海でとっていかないと積荷で一杯になっちゃうからな!
というわけで仲間と釣ってきた魚だ。ロケットサンマとか、海洋はうまいもんが多いぞ! エビチリとか得意料理だぜ!」
「流石はカイト。漁もお手の物であるか。
海軍にはカレーと相場が決まっている。カレールゥなら持ち込んであるぞ。
ところで……魚も良いがやはり、カレーには肉が欲しいよね」
「えっ?(←食材適正の鳥さん)」
武器商人は暗くした部屋にろうそくを立て、怪談話に花を咲かせていた。
(商人ギルド・サヨナキドリの顔役としては、クラーク兄妹に興味があるんだがねぇ……なぜだか顔を合わせない。巧妙に『誰か』との接触をさけているのかな?)
迫真の演技とともにおどろおどろしい話をする武器商人に、茅野・華綾やカンベエが夢中になる中……、リトル・リリーとデイジー・リトルリトル・クラークが入ってくる。
「こわいはなししてるの?」
「そのようじゃな?」
デイジーやリリーの手を借りて船内のマネージメントを行っていた。
あえて抽象的に言うと、船全体を把握して人員と物資の流れを効率化するという仕事である。
その過程で『かの兄妹』の動きも把握できたが、相手も相手でこちらを把握して接触を避けているのがわかった。というか、世界を舞台に行われていたことがこの船のなかでも行われたにすぎない。
「とはいえ、まあ、そのうち厄介ごとが舞い込んでくる気がするのじゃ……」
暖炉のばんをするクーア・ミューゼル。
(……飛び込んだはいいものの、家事とかは今でも苦手なのです。
まあ、折角ですしやれるだけのことはやっていきましょう。)
手をかざしてほこほこするクーアの横で、十夜 縁はいつも通りのらりくらりとサボりスポットを見つけて息抜きをしていた。
「そう気合入れねぇでも、航海なんて旨い酒をひっかけて横になってりゃぁ、その内終わってるモンだろ。……俺だけだって? そいつは失敬」
息抜きというのは必要だ。
振り返ってみれば、それがわかるだろう。
「炎堂焔ですっ! パルスちゃんのお歌を歌いますっ!」
「「イエーーーーーーー!!」」
焔がふりふりの衣装と炎のイルミネーションでアイドルライブを開催していた。
夜の甲板はライブ会場と化し、船員たちはサイリウムを振りビールジョッキを振り上げて楽しんだ。
「いぇーい!皆、楽しんでるー?今日はボクも全力で盛り上げていくから、楽しんでいってねー! それじゃあ次の曲、いっくよー!」
アクセル・ソート・エクシルが『演奏でお手伝いするよ!』とバイオリンを奏でライブを盛り上げていく。
一方で夢見 ルル家は甲板にトランプカードとダイスを持ち込んでライトカジノを開催していた。
「本職のディーラーではありませんが、拙者のギルドの地下ではカジノを経営しておりまして!
一流の仕事とはいきませんがそれなりのものを自負しておりますよ!
拙者のカジノが普通と違うのは、完全にヒラで打つというところです!」
アイドルライブやカジノが人々のストレスを軽減するという事実は様々な歴史からわかることであろう。
特設ステージでは、ライブに次いでカタラァナ=コン=モスカの歌が始まった。特に絶望の青のことをいっぱい歌うようだ。
歌に合わせて優雅に舞い始める鞍馬 征斗。舞うかたわらで演出として鳥を飛ばしたりといった工夫つきである。
「あんまり賑やかなのは得意じゃないけど…まぁ、出来る事があるならやらせてもらう…かな」
途中から彼の舞に加わる雪村 沙月。
(舞い嗜んでおりますのでそれを披露して楽しんで貰おうかなと)
彼女らしく優雅に角やかに、時として観客の空気に合わせて柔軟に。
「お酒を飲まれているならある程度時間が経ってからの方が……と思いましたが」
ふと見ると、プラック・クラケーンやアーリア・スピリッツたちが盛大に宴会を開いていた。
「クルーの皆さんを思いっきり労る宴会よぉー!
降ろす荷物は少ないに限るし、飲んで食べて騒ぐわよぉ!
ほらほら、ヨナちゃんも頑張ってきたんだし今日は飲んじゃいましょ、ね! うぇーーーい!!」
「「うぇーーーーーーーい!!」」
「皆さん、お疲れ様です!!! チキンのおやっさんもヨナさんも! お袋からパンをいっぱい貰ってきたんで食べてください!」
それまで食堂で働いていたチキンやヨナを呼び寄せて、同じテーブルでお酒を振る舞っていく。
「オイオーイ!飲んでるかーい諸君ー!?
盛り上がって行こうぜウェーーーーーーーーーーーイ!!
ティティーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッス!!」
伊達 千尋は全力でハッスル……したあと、アーリアへ振り返った。
「いつもの『お湯』を一つ」
「はいはぁい千尋くんお湯よぉ、火傷しないようにねぇ」
「あっ、やさしい……」
しゅいーんって滑るように現れるニル=ヴァレンタイン。
「酒と聞いて!! 妾も!! 来たのじゃ!!
うむ、美味い! 酒は美味い!」
とかいいながらすぐ顔を真っ赤にしてへなへなになった。
「今日はみんな色々頑張ったものね。
私も今日くらい羽目を外しちゃおうかしら? …ふふふ、なんて
あちらの方々もお酒は好きだし。外国のお酒は喜ばれる気がするわ。べ、別に知り合いの傭兵の方々よ? ええ、ええ!」
『あの方にも会えたらまぁ…お土産話はするけれども』と言いながらErstine・Winsteinも宴会に加わりワインをたしなみ始める。
「いやー、肉体労働の後の酒は、五臓六腑に染み渡りますねえ。
毎日週末亭は一度お邪魔しましたが、ビールが絶品でしたね。取り扱いや注ぎ方が丁寧だからこそという味わいです。是非また飲みに行かせてください」
新田 寛治もヨナにいい具合に絡みながらウキウキとした様子でビールを楽しんでいる。
「さあ、海洋と我らイレギュラーズの前途を祝して、乾杯といこうじゃありませんか」
酒は人をやわらげる。
そして人々のつながりを深くしていく。もちろん百パーセントってえわけじゃないが、海で豪快に生きる海賊たちが組織を超えて協力し合うにはぴったりのツールであり、宴会はそのテッパンとすら言えた。
宴会場にワッと歓声があがる。
鬼桜 雪之丞とリア・クォーツがコンビでステージに立ったためだ。
「リア様は、飲み込みが早いですね。やはり、慣れているからでしょう
正座も、大丈夫そうでしょうか?」
「大丈夫。それに弦楽器を扱う事なら、あたしは誰にも負けないもの」
二人は三味線を構え、和洋がうまく混ざり合った美しい音楽を奏で始める。
リアとしては雪之丞にレクチャーされたばかりだが、筋がいいのかすぐに上達したようだ。
美しい三味線のセッションに観客が酔いしれていると、黒い布が宙を舞った。
「あ、あれは……!」
誰かの声に応えるように、アンナ・シャルロット・ミルフィールがステージへと舞い上がる。
「せっかくだからご一緒させてもらおうかしら。振り付けはこんな感じかしら?」
アンナは笑いながら舞い踊り、たまにスカートを翻してきれいな足を見せつけてみたりした。
「お祖父様がみたらどんな顔をするかしらね。なんて……」
アンナはどこかくすぐったそうに笑って、夜の海へと跳ねた。
アルコールにほてった人々はグラスを掲げ声をあげ、音楽と踊る男女が交じり合う。
船は幸せそうに海をゆく。
きっと外洋遠征へゆくその時も、彼らは楽しく歌うだろう。
成否
成功
MVP
状態異常
なし
あとがき
お帰りなさいませ
船旅はいかがでしたか?
本番には、きっともっと素敵な思い出ができるでしょう。その日を、お楽しみに。
GMコメント
ごきげんよう! 大きな船に乗って旅に出ましょう!
他のみんなと一緒に、数日にわたる航海生活を送るのです!
●重要な備考
<青海のバッカニア>ではイレギュラーズ個人毎に特別な『海洋王国事業貢献値』をカウントします。
この貢献値は参加関連シナリオの結果、キャラクターの活躍等により変動し、高い数字を持つキャラクターは外洋進出時に役割を受ける場合がある、優先シナリオが設定される可能性がある等、特別な結果を受ける可能性があります。『海洋王国事業貢献値』の状況は特設ページで公開されます。
■パート選択とグループタグ
当シナリオでのプレイングには自分の役割(登場パート)を一行目に、グループタグを二行目に記載してください。
■パート選択
船ではそれぞれ役割を分担します。
みんな全般的にいろいろやりはしますが、その中で特にいっぱいやりそうなものを以下から選んでください。それがリプレイでの登場シーンに影響します。
・【料理】
たっくさんのヒトがご飯を食べるため、料理をするにも人手がいります。
自分の得意料理をここでは作ってみてください。
量を作ったり無限のリクエストに答える必要はありません。いろんな好みのひとがいるはずなので、あなたの得意分野を活かしましょう。
・【娯楽】
長い船旅に娯楽がないととっても退屈になってしまいます。
なので歌ったり踊ったり楽器を演奏したりファッションカジノを開いたりといった娯楽を提供してあげましょう。
得意分野が活きますね!!
・【家事】
掃除洗濯配膳その他諸々、やるべきことはいっぱいあります。
水夫に混じってあなたも家事をこなしましょう。
・【その他】
上のどれにも当てはまらないな。俺はこれだな。と本能が叫んだらこのタグでGOしましょう!
■グループタグ
お友達と一緒に行動したい場合はプレイングの1行目に【グループ名】って具合にタグを書き込んでください。
※注意!:キャラ名やIDでは察知できないおそれがあります。グループタグを必ず入れるようにしましょう。できるだけ気づくようにはしますが、タグがないとはぐれてしまうこともあるのでご注意ください。
■ゲストがいっぱい!
このシナリオには以下の人物が登場します。
船の食事を担当したり色んなものを納入したりチェックしたりといった役割を担っています。
・ヨナ・ウェンズデー
https://rev1.reversion.jp/guild/1/thread/4058?id=932121#bbs-932121
・チキン
https://rev1.reversion.jp/guild/1/thread/4058?id=1049976#bbs-1049976
・レナード・クラーク
・レジーナ・クラーク
https://rev1.reversion.jp/guild/1/thread/4058?id=1056042#bbs-1056042
https://rev1.reversion.jp/guild/1/thread/4058?id=1056043#bbs-1056043
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