PandoraPartyProject

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カドゥール割りの人形劇

「ハイペリオンさまー!」
 空を大きく旋回し、白いもふもふへと飛び込んでいく『太陽の翼』カイト・シャルラハ(p3p000684)
 小鳥が母に甘えるがごとくぼふっと全身でうまると、カイトはうっとり顔で脱力した。
 その様子をあらあらといった微笑みで眺めて、ハイペリオン(p3n000211)は次々に飛び込んでくる『花嫁キャノン』澄恋(p3p009412)『怪人暗黒騎士』耀 英司(p3p009412)をうけとめた。
「スゥーーーーーー……ッハー、とぶ」
「いかん、やめられねえ。もう一回、一回だけだから」
 ハーハーいってる英司たちをやや遠巻きに見て、『鋼鉄の冒険者』オリーブ・ローレル(p3p004352)は説明を求める顔(顔?)で英司を読んだ。
 何も言うなと言う顔(顔?)で振り返る英司。互いにフルフェイス型のヘルメットと仮面のせいで全然表情はわからないが、なぜだか感情は通じ合った。
「戦いの後は癒やしを求めるもの」
 『白百合清楚殺戮拳』咲花・百合子(p3p001385)がすごい分かったかんじのことを言うので、同じく遠巻きに見ていた『月下美人』雪村 沙月(p3p007273)がとりあえず『そうですね』と同意して見せた。
 この二人は立ってるだけで絵になるものだ。
 そこへ、これまた絵になる『性別:美少年』セレマ オード クロウリー(p3p007790)が歩いてやってくる。
「やあ、そっちは片付いたみたいだね。どう? 例の精霊は」
「例のって……ああ、黒冠のセレンディさんですね」
 一緒にやってきた『挫けぬ笑顔』フォルトゥナリア・ヴェルーリア(p3p009512)が挨拶するように手をあげてみせると、それまでぼうっと空を見ていた『剣に誓いを』ムエン・∞・ゲペラー(p3p010372)がふっと振り返り挨拶を返した。あんまりに脱力しすぎたせいて顔が(・∞・)になっていたが、彼女は無表情とこれの二択なので多分くつろいでるってことなんだとおもう。
「酷いダメージだったがな、なんとか倒すことに成功したようだ」
「へえ、あいつぁ倒せるようなモンだったのか。どっかに追い出すのが背一杯のクチだと思ってたぜ」
 『最期に映した男』キドー(p3p000244)が契約を踏み倒した妖精たちをテキトーに言いくるめて追い返すと、煙草をくわえて『火ある?』と横にいつのまにか立っていた『合理的じゃない』佐藤 美咲(p3p009818)へ振り返る。
 ポケットから出した百円ライターをシュッとこすって火を付けてやると、美咲はハイペリオンたちの方を振り向いた。
「セレンディって、確かここの遺跡に『神の盾』として記述が残ってた大精霊っスよね。なんていうか……こう……」
「想定より弱い?」
 言葉を選ぼうとしている美咲にかわって、『白騎士』レイリー=シュタイン(p3p007270)がいわんとすることを続けてくれた。『そうっス』と返す美咲。
「私がセレンディの立場だったら、アーカーシュをまるごと覆うようなバリアを作るだろうし、低位精霊の暴走だけで対処しようとは思わないわ。こういうのってむしろ、『有効な手がない時』のやりかたよね。悪あがきって言うか」
「だな。雑魚を放流して時間稼ぎってかんじだ」
 『蒼穹の戦神』天之空・ミーナ(p3p005003)がレイリーに軽くもたれかかりながら手をひらひらさせた。
「確かに……戦いの終盤には私の攻撃すらはじき返したのに、序盤の『抜け具合』は気になるのですよ」
 そのことを一番実感しているであろう『にじいろ一番星』ルシア・アイリス・アップルトン(p3p009869)が、むーんと唸って首を振った。
「序盤って、あの、わしが放ったハイパー香川ストリームのことかぇ?」
「急に知らない技名を出すな。なんでござるかそれは」
 バラッバラになった筈のうどん屋台を早くも修復してきゃりきゃりひいてくる『善なる饂飩屋台』御子神・天狐(p3p009798)。そこから出された釜玉うどんのどんぶりを手に振り返る『刀身不屈』咲々宮 幻介(p3p001387)
「ほら、あのわしが天を駆けてセレンディに突進したやつじゃよ。天翔ル饂飩ノ閃キじゃよ」
「あれでござるか。っていうか技名変わってるじゃねえか」
 つい現代口調でつっこんでしまった幻介。
 すると、素うどんをちっちゃいどんぶりにわけわけしてトリヤデさんに配っていた『ゴッドバード』ミスト(p3p007442)が『なんのはなし?』と首を突っ込んできた。
「セレンディの実力はもっと高いんじゃないかって話ですよ」
「たしかにー……」
「ヤデー」
 うどんちゅるちゅるしながら納得の声をあげるミスト&ヤデ。

 一方で、『蒼空』ルクト・ナード(p3p007354)『改造屋』ハンドレッド
 そして『拵え鋼』リュカシス・ドーグドーグ・サリーシュガー(p3p000371)の頭に可愛い髪留めをつけてニコニコしていたヒルディリド・サリーシュガーたちは花咲く芝生のうえに集まっていた。
「つまり、ハイアームズは地上の古代兵器に類似しているってこと?」
 『紅蓮の魔女』ジュリエット・ラヴェニュー(p3p009195)が興味深そうにその話を聞いている。
「そうですね。『ギア・バジリカ』って知ってますか? 少し前、鉄帝に出土して暴走した古代兵器なんですけど」
 姉に髪を編み込まれながら真剣な表情をするリュカシス。一番新しい記憶はR.O.O.の中で体験したギア・バジリカとギア・ブルグ。それに並ぶ複数のギアシリーズによる大激突だ。
 現実に発見されているのはギア・バジリカひとつだけだが、R.O.O.でそれが複数出現したことには、もしかしたら意味があったのだろうか。たとえば覇竜領域踏破や深緑の危機を再現したときのように。
「ここへ来るさいにハイアームズと戦闘になったんだが、回収した機体をハンドレッドに調べさせた。すると、ギア・バジリカ騒動の後に回収されたらしい兵器と構造が同じだということがわかった。
 乱暴な仮説だが、以前アイルが言っていた『アーカーシュのような島は複数あった』という話。そして『その殆どは地に落ち、このアーカーシュも例外ではない』という話。
 更にはギア・バジリカとの類似点。
 これらをあわせると、ギア・バジリカは空から落ちた古代の浮遊要塞だったのでは……と」
 対してジュリエットは人差し指を立てて見せた。
「なら、こういう仮設も成り立つわ。ハイアームズとセレストアームズはここアーカーシュを維持管理するためのゴーレム。
 けれどセレンディ起動の際に出現したのはロゴス式の非武装ゴーレムだったわ。ハイアームズに比べればずっと弱い。あの時点でセレンディは『アーカーシュの機能』を扱えなかったんじゃないかしら。かろうじて使用できる数機だけを自分達のもとに呼び出して、その時間稼ぎをしていたとも考えられるわね」
 『神の盾』としての実力を殆ど発揮していなかったセレンディ。
 彼女がもし全力をだせていたらと思うと……ジュリエットたちはのぼる怖気に僅かに振るえた。
「いずれにせよ、アーカーシュの深部への探索がもっと進めばより詳しいことがわかるはずよ」
「そうだな。『これからが楽しみだ』……というべきかもしれないな」

「なるほど……」
「それはすごいはなしですね……」
 『炯眼のエメラルド』マリエッタ・エーレイン(p3p010534)『ためらいには勇気を』ユーフォニー(p3p010323)が身を乗り出し、気象管理精霊のポポッカとフラペペも同じように身を乗り出す。
 『うそつき』リュコス・L08・ウェルロフ(p3p008529)もまた同じようにしようとして……ユーフォニーの頭上に咲いたお花(?)が『ムシャア!』と叫んだことにビクッとした。
「え……なに、これ……」
 ぷるぷるしてるリュコスをよそに、『白砂糖の指先』ジェック・アーロンが隣に立つチョコレートカラーの少女を指し示した。
「というわけで、こちらが『黒冠』セレンディ。『神の盾』としてブーク・カドゥールにいた大精霊だよ」
「……え、と。よろしく……おねがいします……」
 大勢(?)に囲まれてどうもやりずらそうにしている少女。頭の上でふたつのお団子を作った髪型で、胸の前で両手をあわせるさまは小動物を彷彿とさせる。
 元々小柄なこともありすごくちっちゃく見えるが、ポポッカ&フラペペを合わせても全然かなわないくらい強力な精霊である。
 対して、『神鳥の姉』アイル=リーシュは礼儀正しく頭をさげた。
「ようこそセレンディさん。お会いできて光栄です。噂は精霊達から聞いていますわ」
 上品に言われて、セレンディは目をそらしもじもじとし始めた。
 どうやら人と喋るのが苦手らしい。
 アイルは苦笑し、ジェックへと視線を向ける。
「まだお話をするには早そうですね。この場所で休んでもらって、すこし時間をおいてみましょう。それより……」
「うん。レビカナン・セントラルシティの先――魔王イルドゼギアの城……だと思う場所が見つかったよ」

※探検隊が魔王イルドゼギアの城を発見しました。
※アースマーンにて『黒冠』セレンディを倒し仲間にすることができました。
※アーカーシュ地下ダンジョンの深部への探索が始まっています。

※リミテッドクエスト『<太陽と月の祝福>Recurring Nightmare』が公開されています!

これまでの覇竜編深緑編

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