PandoraPartyProject

PandoraPartyProject

無意式怪談

 マザーコンピューターの暴走と竜の襲撃という大災厄を生き延び、見事に復興した再現性東京201X希望ヶ浜地区。
 しかし急激な復興には相応の対価が支払われていた。
 町のあちこちで大量に発生する強力な夜妖。そして壊れた結界とは?
 希望ヶ浜地区という箱庭のなかで物語が動き出す。
 さあ、怪談を始めよう。主役は君だ。

調査記録
 事実1
 希望ヶ浜学園校長、無名偲無意識は学園設立前に再現性東京1Q99街に居住していた。
 街の別名は『卯没瀬地区』。
 ある結界によって支配された地域であり、特定異世界日本におけるある特定の年代及び思想に合致した人間が集合し、その思想をもって結界を維持していた土地である。

 事実2
 卯没瀬地区は『今年中に世界が滅亡する』という思想によって維持され、住民は狂乱の日々をループし続けている。
 彼らは人生最後の七ヶ月を過ごした後滅亡を疑似体験し、リセットされた記憶のまま同じ七ヶ月をくり返している。

 事実3
 卯没瀬地区を維持するための環境装置として、『名も無き悪魔』がその全体に溶け込んでいる。
 滅亡のループと街の維持は『名も無き悪魔』による力であり、悪魔の力の影響下にあるかぎり住民達は『安心して』最後の七ヶ月を過ごすことが出来る。

 事実4
 およそ半年前、『名も無き悪魔』の影響力が消失。
 この時期は無名偲無意識校長が希望ヶ浜地区にて嘘世界にただひとり閉じ込められた日時と一致する。

 事実5
 滅亡の日を過ぎても主観世界の滅亡および住民の記憶のリセットが起こらなかったことで、住民は狂気に陥っている。

 卯没瀬地区の調査を継続するにあたり、『名も無き悪魔(※事実3)』の調査が並行して行われました。
 チームを三つに分け行われた調査の結果、以下の追加事実が判明しました。

 追加事実3-a
 『名も無き悪魔』には実体がなく、また名前もない。
 極めて抽象概念的存在である。よって直接的干渉が不能である。

 追加事実3-b
 『名も無き悪魔』は希望ヶ浜学園設立前に無名偲無意識が『契約』を果たしている。
 その際、無名偲無意識だったものはその名を失い、無名偲無意識という名を新たに名乗っている。
 喪失前の名前及びその他の記録は街から消失しており、確認は不可能。

 希望ヶ浜地区における調査にあたり、『名も無き悪魔の影響力喪失(※事実4)』についての追加調査が行われました。
 チームを十二に分けて行われた調査の結果、以下の事実が判明しました。

 追加事実4-a
 『名も無き悪魔』の影響は契約した無名偲無意識が別地区に移っても継続していた。
 しかし『嘘世界』に無名偲無意識が閉じ込められたことで影響が消失している。

 追加事実4-b
 『名も無き悪魔』の影響によって、希望ヶ浜地区内にいくつかの異空間ゲート(以降卯没瀬ゲートと呼称する)が発生している。
 それらには共通して『卯没瀬』という地名が入っており、現実との歪みが生じている。
 現実側への影響はイレギュラーズたちの『自発的及び偶発的遭遇』によって『全てが』阻止または抑制されている。

 追加事実4-c
 卯没瀬ゲートからの影響を阻止または抑制したイレギュラーズたちは、その切っ掛けが無名偲無意識校長からの依頼であると話している。

 名も無き悪魔による卯没瀬ゲート生成(追加事実4-b)について追加調査が行われました。
 合同チームによって行われた調査の結果、以下の事実が判明しました。

 追加事実4-b-1
 名も無き悪魔が希望ヶ浜地区内で及ぼせる影響はごく僅かなものであり、それは無名偲無意識との『契約』内容に由来するものである。

 追加事実4-b-2
 無名偲無意識と名も無き悪魔の間に結ばれた『契約』は、希望ヶ浜地区の日常を維持するための行動に際し力を行使するというものである。

 追加事実4-b-3
 契約における『日常の意地』は悪魔による主観的なものであり、希望ヶ浜内で起きる些細な変化や進歩を日常の破壊として受け取っている。
 現在の様々な事件が起きている原因と推測される。

 追加事実4-b-4
 『名も無き悪魔』による希望ヶ浜への干渉を防ぐべく、自身の主体的行動とならぬよう無名偲無意識は信頼するイレギュラーズ数十名に曖昧な依頼を発行することで対抗した。
 結果として『名も無き悪魔』の干渉は抑制されている。

 追加事実4-b-5
 『名も無き悪魔』はこれ以上の妨害を避けるため無名偲無意識と、新たに派遣されるであろうイレギュラーズを纏めて隔離する計画を実行した。
 定真理・ゆらぎのもつ特異性を利用し生成した『嘘世界』に閉じ込めるというものである。
 しかしこれは結果として、無名偲無意識と『名も無き悪魔』のみを嘘世界に閉じ込めるのみの結果となった。
 これは『名も無き悪魔』の隔離を意味し、卯没瀬地区のリセット及び希望ヶ浜地区への新たな干渉を不能とするものである。

登場人物

無名偲・無意式(p3n000170)
希望ヶ浜学園の校長。
素性も実力も一切が不明。学園が夜妖<ヨル>に対抗するすべを学園に提供・共有した人物と言われているが……。

※補遺1
希望ヶ浜地区で眠った日の夜、あなたは不思議な夢を見た。
夢の中で、あなたは黒くて怖くて大きくて理不尽なものの後ろを歩いていた。
それをあなたは、なぜだか『せんせい』だと思った。
『せんせい』はある場所に行けといった。それ以外の目的を、あなたには告げなかった。

これまでのあらすじ

PAGETOPPAGEBOTTOM