PandoraPartyProject

ギルドスレッド

【神と人が綴る頁】

夏の一頁~隣り合わせから、踏み込んで~

夏は盛りに、水面は飛沫。
神と人の逢瀬に、空も大地も相応しき。

___中天も斯くやと煌めく君の笑顔。
何が返せるのか、何を与えられるかと、選んだことを苦悩出来る暇などはありはしない。

ローレットも魔種も遂行者も、混沌の全てを「知ったことか」と置き去りに。
此処で神と人の静かなる想いをぶつけ合おう。

___そうして一日が始まった。
変わらぬままか、変わり往くのか……

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(__黙して佇む。鎧を吹き抜ける潮風は鋼を傷める事もなく、隙間を通り抜けては不思議な笛のような音色を奏でる)

(性別も、番う必要もなく「造られた存在」。まさか、好いたと言う感情が生まれるとは!)

(隣り合うだけでも幸せなのかもしれない。様として知れぬ、揺らめく焔の中に生まれた感情の名に答えは出ぬままにも、夏の日差しを二人受け止めて佇む……)
「おん?ウォリアさんどうしましたか?何かどこかに想い馳せているような雰囲気出しているっすけど」
(緩い潮の香りとさざめく波音。時折吹く風と太陽光の強さに目を細め、横にいるウォリアさんの雰囲気に不思議そうな顔を浮かべつつ)

「ま、折角の夏なんすよ。こうして二人……1人と1柱って方が正しい気がするっすけど。
楽しんでいくってもんが此処も喜ぶっすよー!
ほらほら、考えるよりも体動かしましょっすよー!」
(あまり深く気にせずに一足先に海へと駆け出す。
途中で振り返り、笑顔でウォリアの方へと手を振りながら。)
(如何なる花も玉石も霞む程の至宝とも言えるほどの存在…リサ・ディーラング。___本来ならば、道が交わる筈も無い相手。数多の世界を闘い続ける神と言えど、混沌に呼ばれねば「同じ目線で会話する」事すら叶わなかった筈、そして己にとって他と同じく「ニンゲン」の一言で片付くまでだった筈の彼女は___今や己にとって無くてはならない存在へとなっていたのだ)
「___」
(がしゃ、と鋼の擦れ合う音を立てて重々しくやおら立ち上がる。快活に笑うその姿はまるで少女の如く、されど彼女はそれとはまるで比べ物にならぬ「強さ」を秘めている)

「なんでもない。___日差しよりも眩しいものがあったのでな、少々遠くを眺めていただけだ」
(そう、今回は___ニンゲンの言葉で言うなら逢瀬。デエト。そういう風にも言えるものだろうか。いや、気が早すぎるかもしれない)
(楽しむ、喜ぶ、考えるよりも身体を動かす。どれも馴染みが無い…一番最後は別ベクトルでならば馴染みのある概念だが。こうして此方を気にしすぎず、どこかあっけらかんとしたその気風もまた愛しいところといえるのだろう___振り返る彼女を追いかけ、まずは海へとゆくのだった____)
「あー確かに今日も日差しは相変わらずっすからねー。
こんだけ眩しいと私もっすけど、全身鎧のウォリアさんはもっときつそうっすよねー。いや、中の炎からして暑いのは平気かもっす?」
(まー私も蒸気とかの蒸し蒸ししたのは慣れてるっすけどねー、なんて見当違いな事をぼやきつつ、追いかけてくるウォリアさんの動きに笑みがこぼれる。
それと共に脚は海へと)

「へっへー海には私が一番乗り、っすよ!ひゃー冷たぬるいー!丁度居心地の良い感じっすよー!」
(そうして波が乗り上げる浜辺へ。サンダルからでも伝わる熱が砂浜にはあった、しかし波と共に運ばれてくるこそばゆい感覚に先ほどとは違った笑いが出てくる)
「さーってと、まずは何からしたいっす?海に潜ったりでも遠泳でも、もしくは何か道具でも借りて遊んだりするっす?
それとも、デートらしく水の掛け合いでもするっすかー?……ひひ、まーなんちゃってっすけどねー」
(ウォリアが考えていることは露知らず、まずは精一杯楽しもうとすぐ頭に昇ってきた事を話しながら)
「(それといい加減、ウォリアさんに返事とかも考えないとっすからねー。
あの時からもう半年も経っちゃっているっすし、幾らウォリアさんが待ってくれているからとはいえ、どうするかちょっとは考えないとなー)」
(あれから仕事をしている時や普段の日常では気にしない程度にはなったが、寝床のコルクボードに張り付けてある手紙。
その内容について振り返り、さー切り出そうかーという思いを隠しつつ)
「暑さはそもそも感じる事が無いからな。ニンゲンは汗を分泌したり、水分を摂取して対策をとるようだが…オレからすればなんとも難儀な身体といえるだろう」
(やはり彼女は鈍感だ。「眩さ」など本来の意味では感じていない___日差しより眩い「リサ」が隣にいるから、此処に至るまでの感情を物思いにふける事で思い返していた事実を漏らしても、気づいた素振りがない。あるいは気づいているのか?どちらにしても、彼女のこのような気風こそが好ましいものなのだ)

「転ぶなよ」
(一番乗り!と少女のようにはしゃぐ彼女を追って、鉄柱を何本も束ねた様な太さの脚部で海に踏み込む____水飛沫が少し巻き起こるが、再び海は本来の在り方へ戻る。砂浜や日差しのそれらを感じなかったように、海からの冷たさ、温さ、心地良さもまた感じることは無いが___)

「潜水…遠泳…遊戯…なにぶんどれも「初めて」の事だ。リサこそ、何かやりたいことはないのか?なんでもやろう」
(創造された時から、破壊神としての本分を全うし続けた己に___そのような経験は無い。寧ろ、敬遠していたとさえ言うべきだろう)
「____水の掛け合い」
(なんちゃって、の言葉までは聞かず、そして考え込む彼女からの提案)

(巨大な鋼の腕をやおら海中に差込み___「ちゃぶ台をひっくり返すかのような勢い」で、一気に跳ね上げる!!!)
(ドバシャーーーーン!!とバケツを逆さにしたような大量の水が舞い上げられて___リサには当たる事無く、明後日の方向で凄まじい水飛沫をあがったのであった)

「___出力調整。…かなりやさしくやるべきか」
(軽く身じろぎをするだけでも、海面に泡が立つほどの圧力。彼からすればまるで蟻や蝶と触れ合うような緩やかな勢いで…ばしゃ!ばしゃ!と少しずつ溺れそうな勢いの水かけを調整しているのであった。前途は多難そうである…)
「…………うおー!あいっかわらずすげーパワーっすよね!めっちゃ浴びてみてーっすね!何か練達とかのパークとかにある、上からバシャーってするアトラクションみてーっすよ!」
(勢いよく舞う海水、それが落ちてくる飛沫を見て思わず声に力が入る。いやだって面白そうじゃん、溺れるかもだけど浴びれるなら浴びてみたいじゃん、あーしまった自分も水鉄砲持って来れば面白そうだったのに、という単細胞じみた事を考えつつも目はきらきらと)

「いやーそれはそれとして、やりたい事何って言ってもパッと思いつかないもんでしてねー
しいて言えばウォリアさんと一緒にやれる事が良いっすね。折角二人で来たんすから、別々になってやるのもどうかなーって。
うーん、となると遠泳とかっすかね?私も多少は泳げるっすけど、ところどころでウォリアさんに捕まってのんびりしたりとか。
あーでも、潜水したりするのも良さそうっすね。海の中の景色は、しっかりと二人で楽しんだりはしてなかったはずっすしね」
(いえーい!と足元から伝わる程よい冷たさを何度も味わうようにばしゃばしゃと足を動かしつつウォリアに近寄り、考えていることをどんどん話していく)

「私個人としてはさっき言った様に一緒にやれる事なら何でもっすよ!
……まーそれはそれとして、沖の方には行ってみたいっすけどね。
体力がある内にがっつり遊んだり綺麗な景色はみたいっすね。砂浜でゆっくりしたりするのはまた後でも出来るっすしね」
(それはそれとしてウォリアさんに体力という概念はあるんすかね?も呟きながら自分の意思を話す)
「___練達。……フ、ニンゲンの遊戯台風情程度は軽く超えてやるとも。……しかし浴びせるには少々量が多い」
(さてどうしたものか、剛力のままに水を叩きつけているのでは楽しいだろうが無闇にリサの体力を消耗させてしまう事にも繋がる、さりとて浴びてみたい様子____どうしたものか)

「___!」
(目を輝かせて無邪気に近寄ってくる彼女の言葉を聞いている内に、ある案を思いつく。水をかけあう…というよりかは二人して浴びる形になるだろうが、それもまた彼女は喜ぶだろう___そうと決まれば)

(___鎧の中から炎が抜け出し、同時に鎧が変形する。わざわざ遠泳用に準備してきた変形機構のある鎧…水着と呼ぶにはあまりに物々しいそれにガシャンガシャンと換装し終わると、再び炎が鎧に宿り…「それ」はちょうど船の如くリサの前に寝そべって浮かぶ)

「___乗れ、まずは沖だったな。時間は有限ならば、全身全霊で二人で楽しみ尽くす夏のオレを見せてやる」
(一緒にやれる事なら何でも。ならば、今日でそれを全て埋め切り。「またやりたい」、遺したものも「来年はこれを」と言えるような最上の想い出を作ろう。リサといるのならば、自分は無限に動ける気すらしてくるのだから)

(タラップ上のパーツからリサをその背に乗せてしっかりと捕まらせると、脚部ジェットから急速に水流を噴射し___一気に波打ち際から沖へと、海を突っ切っていく!水飛沫を上げたその後には虹がかかり、果たして彼女は景色を楽しめる余裕をもてるのか、激しいスピードで「まいなすいおん」の只中を行く様なクルージングが始まるのだった)


夏の頁、序「完」
______________________________________
(場所は先程の砂浜から──砂浜は既にリサの手よりも小さく見える程度の──数分の沖合。
風は僅かにある程度で波は穏やか、下を見れば色鮮やかに泳ぐ魚群。または岩にへばりつく海藻に磯巾着。太陽は相も変わらず灼かんとする程の光と熱量を放っている。)

「いやー依頼でも乗せてくださったりしたっすけど、まさかここまでとは思ってもなかったすよー。正直ロボットみてーな感じでびっくりしたっすよー!しっかもスピードも抜群っすし最高っすよ!」
(一方リサはそんな太陽に負けじと、興奮した様子を隠さずに熱く語りかけている。彼女にとっては『こういった』ものは職業柄としても、個人的趣味としても大好きだからこそであった)

「跳ねてくる波も気持ちよかったっすし、風切る感覚とかも生身で体験できるのはすっげー良かったっすよー!抜群のスピード、楽しかったっす!もうこれ自体が一種のアクティビティーって言われても納得っすよー!」
(相棒の気持ちもそう知らず、されどリサは楽しそうに話し続ける。満点の笑顔を隠そうとせず。『楽しい』という気持ちを前面に出しながら。)


「しっかしこれ、ウォリアさんの負担的に大丈夫っすか?私的には最高したっすけど、大分飛ばしてたっすけど……」
(波を切り裂いて、やって来た沖合いは未だ日が高い事もあってまさしく「ブルーオーシャン」そのもの。砂浜はもはや遥か彼方、このまま潮風と飛沫を感じるもよし、潜ってみるもよし。ひとまずはぐるりと首だけをそちらに向けて…)

「ふふん、そもそもの原理としては「そちら側」に近いからな。わざわざ「人」や「実物」に似せて中身を詰めなければならないのは不便だと思うが…物質世界では仕方がない事だからな」
(そう、本来は彼の存在の方が以上なのである。鎧とはいえ、中身が空洞ならばそれは本来「像」となんら変わりはないもの。だが彼は神話に在り、そして刻むべく生まれてきた存在。ある種の万能さを伴うのは当然の事だが、それでも喜ばれると面映い。やはり彼女にとってはこういった概念は好ましいものであるようだ)

「負担か?ふむ…単純にいってしまえば、本来戦いなどに向く「意思」などを切り替えれば済む話なのだ。リサもオレの無尽蔵の闘争本能は知っているだろう?」
(幾度か戦場を共に駆けた彼女ならば、その片鱗を見ているはずだ)

「ゆえにオレは戦う姿に最適化されて動く。だが、これを「こうしたい」という思考に切り替える事で「ギフト」が応え、本来は出来ぬ程の動きを可能とする」
(わかったようなわからないようなことをつらつらと語るが)

「___まあ、結局のところ。「楽しい」という顔を見ていれば、負担などというは瑣末なもの。惚れた女の前でもある事だしな。いい格好をさせるがいい」
(突如として爆弾発言をぶっこんだ)
「ぶふっ!?」
(そちら側という言葉や戦闘といつぞやのシャイネンナハトで姿を変えた事について思案していたりかなり仕事脳になっている。
そんな状態へのおもっきしな衝撃に噴き出す)
「あー、うん、ウォリアさんはそういう所ありますからねー、あははー……」
(正直な所告白を延期させて貰っている身として申し訳なさと、そこまで好いてくれている所に照れ臭さで頭が熱くなる)

「……ふぅー。さーってと、折角沖に来た感じっすけど何するっすか?遠泳って形だと此処まで来たっすし、今度は潜水してみるっすか?探検するのもいいっすし、潜って眺めるのも良さそうっすしねー。
……そういえばさっきの話っすけど、こちら側のに寄せられるって事は潜る方も問題ない感じっす?」
(ここで一旦話題を切り替えないとこのまま勢いに負けてしまう、という若干の悪女思考に嫌悪しつつ。
それはそれとして楽しみのイベントに胸を膨らませて)
「まあ、返事はいつでもいい。心が定まらぬ事、軽々しく決められはしない事だ…それを急いては、関係が歪になる」
(気が遠くなるほどの歳月をただ「機械」の様に使命一筋で貫いて来たその不死なる炎は、時を重ねる事をあまりにも苦にしない)

「幾度の世界を探しても、「リサ・ディーラング/オマエ/ニンゲン」に出会い…それを手放したくないという感覚に目覚め、同じ目線で在る事が出来る…それはこの「混沌」に辿り着かねば得られなかったものだ」
(感情は嘘偽り無く燃え盛り、冷静で淡々とした口調とは裏腹に真っ直ぐにぶつかってくる)

「こうして隣り合うだけでも、オレには余りあるほどの幸福だからな」
(そう、だがまだ後一押し。致命的に人間と「目線」を合わせる事を怠って来た彼には、まだ足りないものがある。彼自身も、それに気づいてはいる___愛しき人の感情と顔色がころころと移り変わるのを目にしながらも、待つのみではならないと炎がさらに急き立てるのだ)
「___うむ、問題ない」
(そして、よくぞ聞いてくれたとばかりに頷くと、再び鎧のパーツががしゃりと変形し___脚部が折り畳まれ、胴体が広がり___)

(リサを乗せた状態を保ちながら、潜水艇めいた形状となる。___リサは見るだろう、意外にも広い彼の「内部」を。炎は透明なパイプを「血液の様に循環」し、薄暗いイメージのある内部を仄かに照らしている。流石に電子盤まではまだ再現出来ないようだが、コックピットはしっかりとしたものが備え付けられていた。息苦しさもなく、視界も良好で、十分に海中探索が楽しめそうだ)

(操縦桿に小さいウォリアの兜がついており、そこから会話が出来るようだ)
「…では、「だいびんぐ」といこうか」
(シューーーッ、と蒸気を噴出すと、船体は深く深く潜水を始める)

(青い海の中、そこには珊瑚礁が広がり___色とりどりの魚たちが泳ぐ、海生生物の楽園を目にするだろう)
「いや確かにウォリアさんからそういう風に聞いてはいますが、それはそれとして待たせるってのは性に合わないんすよー……納期ナシとか仕事としてどうかって話っすし人間関係性的にこう、ね?」
(ウォリアさんの性格柄待ってくれるのは分かっているとはいえ、それはそれ。そこそこせっかちでもある為やや申し訳ない形で言葉を濁す。
それはそれとして「これ間違いなく口説いているっすよね?!ウォリアさん無自覚なのか自覚して言っているのか分からんねーっすけど!?」と熱烈な言葉にうーうー唸りながらかなり撥ねる心拍を聞きつつ。
正直な所、元居た世界では持ち合わせることのなかった熱情に対しては耐性がないと理解している。が故に言葉が出ずに詰まってしまうし脳が回らなくなる)

「……ふー、しっかしやっぱり体を移し替えられるってところはこういった利点があるんすね。さっきの形態と言い、こっちのもかなり面白いっすよね」
(海面に顔ごと突っ込んで冷やし、顔を上げれば刻々と姿を変えていくウォリアさんの姿。
職業病からか、先ほどとはまた表情もやや真面目そう観察していきどういった技術なのかを読み取ろうとしていく)

「ま、考え事はこれくらいにしておくっすかねー。今は楽しむ時間って事で!お願いします──うおおお!!なんすかこれおもしれー!」
(それはそれとして今は楽しむ時間なのだ。と解読しようとする思考を端に寄せておきウォリアさんの胴体に乗り込む。
尤も内部を見ただけでその思考は戻ってしまう残念っぷりは晒してしまうものの。だってロマンだもの)

「いえーい!いきまっしょー!うおー!この機体に興味も惹かれるっすけど、やっぱり海の中から見る世界は凄いっすねー……本当、綺麗」
(興奮も冷めやらぬまま海の中へ。呼吸の心配だとか怖くないかだとかは一切気にしてない。だってウォリアさんがやってくれた事だもの。
そうして眺める海の景色。海上を全力で進んでいたりだとか先ほど顔面ダイブしていた時にも見えていた物とはまた違う、まさしく『海中』。
戦闘の依頼だとかで水中戦闘をした事もあったかもしれない。ただ、それとはまた違う煌びやかな世界に普段の言葉遣いは消え、ある種の『素』が出てしまう)
(___固く考える事は無い、時間を気にする事は無いとどれ程言ったとしても、彼女の「気性」から来るそれを曲げる事は容易い事では無いだろう)
(…最も、一度好いた相手を___それも、「伴侶」などと言う本来有り得ざる関係性を見初めた相手を歪めるなど、この「神」が決してするはずも無いのだが)

(今こうして遊ぶ蒼海の果て無きが如くに深く、そしてその身体を駆け巡る焔の如くに熱く、弱まり消える事を知らぬ愛と同義の「執着心」)
「……」
(肝要な所は話さぬようでいて、案外に確信を突く事は常套手段と心得ている。___つまり、そういう事であった)
(広がる海中、其処に生きる生命が我が物顔で闊歩する水の世界。人間達が地上に都市を造る様に、魚達(かれら)にもそういった自我があればこの海は「一つの国」の様に見えているのかもしれないそこへ踏み入り、静かに二人は進む)

「こうして過ごす為にそもそも大元の鎧を特注で造ったものだからな……まあ、今後もこういう事は出来るし、さらにやれる事は増えるだろう」
(本来の世界では「強さ」の為に最適化する為の進化を「ギフト」が歪め、獲得した能力。「ガワ」となる「鎧」が必要とはいえ、それを特注で作らせて全力で「デート」に使う。その熱は兄妹達や仲間達が見れば呆れて天を仰ぐ様な「浮かれっぷり」だ)

「___さらに言うなら、「元の世界」のオレはこの比ではない」
(暗に「元の世界の」自分はもっとスゴい、と。そういうものを「ダシ」にして釣っている様でイマイチ好ましい事では無いが、期待を持たせるべく言っておく。また異なるメカニズムであるため、彼女が好むかは別だが…)

「……見たければ存分に見ていいのだぞ。多少なら触るのも構わん」
(赤くなった顔を今度は「技術者」の顔に変えてまじまじと観察している姿を見れば、「今こうして」はしゃぎながらもロマンにうずうずとしているその「魂」も解る)

(己の最も信頼する「エンジニア」として呼んだあの日もそうだったように、女としてだけではなくその人柄、性根、姿勢、様々なものに内心ゾッコンで惚れ込んでいるのだ)

「__座っているだけでは退屈もしようさ」
(景色を見るだけに留まらず、もっと互いに知り合う為に)

「___「美しい」。言葉としては理解していても、やはり「共有」してこそ良さが光るものかも知れん…テスト時に似た景色は見たつもりだが、幾分かそれより美しく見える。………この理由は」
(___共に見ているから。今、この瞬間…ヒトと神の視座は同じなのだ。異なる世界、異なる種族、異なる運命…それらが同じものを見て、合一している。優しく包み込むような海の中、全幅の信頼を「リサ/ヒト」は預け、「ウォリア/神」はそれを受け止め、守り抜く。心で繋がるその始まりは、まずは同じものを見る所からきっと始まるのだ。今日一番の、「むき出しの心」を見て…「焔」はその美しさに微かに笑った)
「本当、綺麗……この景色も、練達のアクアリウムだとか、竜宮城とかでも見れるかもだけど、そこで見たような物よりもとっても綺麗……そういった意味では、ウォリアさんと一緒だから、なのかも」
(とても、とても感慨深そうに眺める。呼吸をするだとか心臓の音が聞こえるだとか、そういったのを感じ取れなくなるほどに機構の中から見える煌びやかな「世界」。
口調も雰囲気も普段の溌剌としたものとは違う、いつか忘れていた臆病でうつむくだけだった本来の「彼女」。その言葉がぽろぽろと無意識で零れ落ち、)

「───ってー!何か私らしくねーっすね!しっつれいっす!」
(そうしてふと「らしくない」自分を客観視し、平常の「リサ・ディーラング」に戻す。
これはたぶんきっと、ウォリアが求めている物とは違うかもしれないし、あと単純に自分の恥部というべきか悪い意味で子供っぽいからこそ、ウォリアさんの前ではもうちっと気を引き締めないと。だなんて考えて)

「やーしかし、「元の世界」ってー事は神様としてのウォリアさんって事っすよね?そっちもどんな風なのか、見てみたいもんっすねー!
それはそれとして、私みたいな職人に触っていいよってのは禁句っすよ?なーにーせ、そう言われたら好き放題したくなってくるっすからね!」
(それでもたぶん、これくらいはきっと「彼」は許してくれるはず。今ですら色々と待ってくれている申し訳なさはある、
それでもきっと、と甘えるように周辺にある機器をペタペタと触っていく。尚多少という言葉はしっかりスルーしている)

「……そういえばっすけど、此処の綺麗な所もいいっすけど。深い所とか環境的に危なさそうなエリアって行けるっすか?
ウォリアさんの頑強さだとか凄さ的にそっちの方面も行けるなら行ってみたいっす。勿論今はデートっすし、後のイベント的に厳しいなら無理せずにっすけど……」
(そうしてまた一つ、また甘えるように頼みごとをする。その際心配しているのは時間の事だけであった。
それ以外の心配は一切していなかった。そこらの生物如きにウォリアさんがやられるわけがないし、しっかりと守ってくれるという信頼があるからこそと)
「…………それこそ、オレとて同じだ」
(戦士は真っ直ぐに答える。それは、抱え続けてきた想いだから)

「リサがいなければ此処まで来られなかった。何かのボタンやタイミングが一つズレていただけで、今日という日に辿り着くことは有り得なかっただろう」
(自分の中。彼女の外。互いに違うものなのに、まるで一つの生き物であるかのように。同じものを見て、お互いがお互いの存在する瞬間が大切で。それは、ただ星を浄める為に戦い続ける宿命を背負い造られた「神」には決して持ち得なかった「愛」。本来ならば目を向けることなど有り得なかったはずのそれに、混沌に墜ちて出逢った。今や好きで好きで、炎よりも熱く燃え滾る想い)

「オレにとってもこの景色は特別なのだ。どこで同じようなものを見ようと、それがどれ程心に刻まれようと。……リサ、オマエといる瞬間であるからこそ意味がある」


(だから、そう___)
「好きだ」
(もっと、踏み込んで。もっと、詞にしなければ伝わらない感情を放つ)

「隠さなくてもいい、取り繕わなくてもいい。取り繕って気丈にしている姿も愛らしいが」
(先程の目を輝かせる姿が好きだ、未知の機構に胸を躍らせる顔が好きだ、同じものを見て潤んだ少女の瞳が好きだ)

「……………………好きだ、愛している」
(海の中に漂う鋼の中で、確かに言葉は響いた)
「___うむぅ」
(真の姿は、果たして如何なるものなのか。「何」にでもなれるが、「肉の体」を持たぬ彼は……帰った時に己の姿がどうなるのかを少し考え)

「……身体を明け渡しているようなものだぞ。弄られるくらいはどうと言うこともない……というより、其処まで「許している」つもりだ」
(愛の詞を囁いた後は並の男ならば返事をしつこく求めるところだろうが、ウォリアにそのセオリーは通用しない。好きになった時点で一直線、全てを擲ち捧げる程の想いがあるのだ)
(触れられれば、確かな熱が彼女から伝わってくる。本当の顔を、「好き」を求めて覆い隠すとしても。この温もりは、隠せない)


(了解を返すこと無く、さらに岩礁や暗い深海に程近い深度まで潜って行く。彼女ならば多少はそういった危険やスペクタクルは望むところだろう、と進路上に入れておいたのだ……そして、それは事実成功し、深海に確かにその声は響く。神が人を拐うような、余人の立ち入らぬ領域で音が水に溶けてゆく)

「___それを許せる程に、オマエの全てが好きなのだ」
「~~~~~!!!だあああああ!あーもう!あいっかわらず!
からかって、いやウォリアさんの事だから真っすぐ言っているだけなんだろうっすけど、ああああああ!!!」
(先ほどの惚れた女発言からの好きだ、愛している発言にまた気が動転する。
声音からも恥じるだとか遊んでいるようなものは一切感じない、強く打ち付けられる言葉たちに思考が纏まらず言葉も荒げてしまう)

「私だってウォリアさんが居なけりゃこうして遊ぶ事も無かっただろうし、練達での行動とかROOでの活動とかもまた違ったりして色々変わったりしたっすけど。
やっぱりこうして一緒に居るってのが一番っすけど、なんというかこう、こう……!」
(隠さなくていい、取り繕わなくてもよい。
その奥深くに隠していた臆病さを感じ取られた「かも」しれないという事への少しの恐怖と苛立ちも、それ以上にそれも込みで「好きだ」と言ってくれる存在に頭が茹だる。
顔が熱い。下に向いた状態から顔を上げれない。ふと恋愛話を聞き馬鹿にしていた自分が頭によぎる。惚れた腫れたでそこまでだなんてあきれてたが、まさか此処までとは。)

(それはそれとしても、神に比べればちっぽけな──されど人間として二十数年しっかりと生きてきたプライドが、オーバーヒートしている脳を必死に動かし舌を綴る)
「さっきもいったとーりキャラじゃないんすよ……!いやだって私なんすよ、チビで肉体的な魅力とか……そーいやウォリアさん神様だからこういった関連のはあんま関係ないっすよねー!
ま、まぁ私的に格好つけくらいはしたいんすよ!さっきみたいな、よわよわした感じは今は封印!って事で!
熱烈にラブコールしてくれる方だからこそ、ちっとくらい格好良く楽しんでいたいんすよ!」
(もっともウォリアさんが好きになったのは自分が自虐ネタにしていたような弱点などではなく、それ以上にもっと、という事に気づいて自爆。
何を言っているか自分でも分からなくなってきた、という自覚があるというのに心は勝手に話していく)
「あー!!じゃあしっかり弄らさせてもらうっすよー!どんな風なのか色々触ったりするっすからね!遠慮なくいくっすよ!
深海もまー普段見ないような物もいっぱいあるっすから、どんなものかしっかり……わ、わぁ……」
(そうしてヤケクソ気味に内部を見ようとして顔を上げると、そこにはライトで照らされた岩礁と暗き深海の世界。
混沌らしい生物が多いとはいえ深海という特異な世界、住まう生物たちも奇怪な出で立ちのもあれば、不可思議な光を放つモノ。
どちらにせよ、彼女が写真やデータ上でしか知らないような不可思議な場所。)

「…………すごい」
(頭は先程の言葉たちで未だにクラクラとする。
それどもこうして視覚で認知された世界は、想定した以上の物だった。
ふと触れていた機械に意識が引き戻される。これは何か、あぁそうだウォリアさんだ。さっきの言葉を伝え、此処まで案内し続けてくれている方だ。)

(あぁ、だからこそ)
「────ウォリアさん、連れてきてくれて、ありがとうね」
(その言葉は、意識せずともこぼれた)
(その言葉が水の様に染み渡る。燃え盛る炎にも、まるで包み込む様に、行き渡る様に。そして、自分の中で「響き続ける」)
(_____生きていくとは、こういう事なのだろう。命として生まれてはいない己にも、そう認識出来る。あまりにも命に満ち満ちた「深海」で、自我を有しながら本来の「生命」とは程遠い自分が、まるで命を持っている事を気づかせられたように)

(立ち塞がる何もかもをも破壊する殺神ゼノ・ゴッズの一柱。よもや混沌に墜ちて、力を失って。こうして命の刻を脈打つ人の子を、確かに「愛している」己に辿り着こうとは)

(これは本来ならば、あったとしても気づかず、押し殺していくに留まっただけの感情こころだろう)

(だが、確かに自分はこれを抱きしめ___懐に、永劫とも言える時の中で刻み続ける事を誓ったのだ)

(いつかは別れも来るだろう。それは死によってかもしれないし、別の要因によるものかもしれない)
(それでも、今は「この手」にそれがある。だから、返す言葉は)

「___どういたしまして」
「何よりも愛する者と共にこの光景を見られる事が…オレも、きっと嬉しいのだな」
(これが、喜びなのだろう。この混沌に招かれ…恐れず、惑わず、それらとは無縁だったとはとても言えない。だが、今此処に生まれ出た感情の答えが、やっと見つかった)
「___そうだ、嬉しい。」
(…そして、その瞬間。鋼の船体からだに、数々の揺らめきが生まれる)
(___深海を映していたモニターに、次々と映し出されるのは…映像、そして声)

『君の熱意を戦場で見せてくれ』
(…小型船。そして、それに乗って勇者グッドクルーザーを助けに行く希望の戦士 リサの姿。すべてのはじまりは、ここから)

『ある意味ではグッドクルーザーは我らのキューピッド……という事になるのか』
(そして、並び立つ二人。時が過ぎた場面で、今度は二人が揃って向かってゆく)


『___オレを工房に?先日の礼とは…律儀な事だ』
『…酒が進み過ぎたようだな…何?酔っていない?…その赤ら顔ではな…』
(…もうひとつのはじまり。「あなた」のよく知る工房が映っている。炭に味がある筈など無いのだけれど、きっと自分はそんな心遣いが嬉しかった)

『……気安くする事ではなかったな……やはり、浮かれているようだ……』
(シャイネンナハトの夜に繰り出し、射的をする二人の姿。手を、心を暖める夜…炎である己が、ヒトである彼女に触れ合う事は、もう出来ていた)

『目指すは優勝だ』
(水鉄砲を構えて背中に乗るあなたの姿、二人で海中遊覧をした夏の想い出)

『輝かんばかりのこの夜に』
(透き通った花を摘み、交換したあの夜。少しずつ想いは、燃え盛って)

『炎の大精霊……その荒魂鎮め奉る』
(激を飛ばし、火器で援護するあなたの声を受けて、強大な敵に立ち向かう「戦士」)

『高度を上げる…しっかり掴まっていろ』
(オーロラを見に、空へ飛んでいく二人の姿)

『オレはオマエに、どのような姿であればいいのだろう』
(自分の姿に悩み、何にでもなれると手を変え品を変えてみても、「そのままのあなた」と笑う彼女に不思議なゆらめきが起こったあの日)

『メカニックと言えば、という事でオレが一番信頼しているリサを連れて来たが…』
(ロボットの組み立て。共に何かをしてみようと、さらに歩み寄って)

『___面倒だけど…アンジェラがいてくれるなら』
(ROO空間でも、変わらずに追いかけて来た繋がり)

『…これを着るのか…?ぎゃく、ばにー。むぅ』
(ROOではさらに無知な自分にも判るような扇情的な服を着る事になって、思わず口調が素に戻ったりして)

『人としての幸せを奪うかもしれない、と心に過ぎるのは――神であるが故の傲慢だろう』
(シトリンクォーツ。一度目の告白を「いくらでも待っている」と気長に待つ意思を示したあの頃。彩の花々よりも、己の心を捉えて離さない)

『リサ!前のお返しを考えていてな…浴衣だ!これを着て祭へ繰り出すぞ!』
(豊穣に縁が深くなった自分の、好きな場所を好きな相手に見てほしいと図案を見せる自分に、驚きながらも笑ってくれる「あなた」)

『勿論オレはこうなる。フフフ、手元をオレで照らすがいい』
(手持ちのランタンとなって、夜道を照らしながら歩いた夜。ヒトでない自分の愛を、向けるべきか悩んでいた最後の頃)

『やはり、芯から暖める必要があるな…オレに秘策あり、だ!』
(____そして、その手を握ったあの日。「ヒトを愛するということが、己をこうも変えるとは思わなかった」___水面を照らす程に輝く己と、驚きながらもはにかんで握り返してくる「あなた」)

(リサの笑顔。話しかけてくる声。数々の贈り物。映像の中に、まるで「スタンプの様に」浮かび上がるそれは___「ウォリアの心象」。魂に刻まれたと言ってもいい、彼の記憶から浮かび上がるもの)

(一つ一つは忘れそうなほどに小さな一日の想い出や、深く考えすぎる事もないと言われそうな「日常」で…そして、きっとこの混沌に来たから紡ぐ事の出来た「非日常」)

「____リサに導かれて、そして連れて来て。二人で此処へ来たんだ」
(海の中で船は輝く。そこに映し出されているのは、想い。今、ヒトと神の間に隔たりは無く。___そこにはただ、二人があった)
「えへへ……ってああああ!!!愛する……いや冷静になれっす。ここで何度も言うのも野暮ってもんっすよね、うん」
(茹だった頭のは変わらず、ウォリアさんの言葉にまた暴走しかける。

それはそれとしてと別方面の思考からの声にて、一度息を大きく飲んで一旦気を静める。
だってさっきから聞こえてくる相手の声からは、普段あまり感じた事の無いような穏やかな何かを感じたから。
それを邪魔して騒ぎ立てるのも何だか、野暮じゃないかと。
神様としての生についてはそう詳しく聞いたつもりではないけれども、元の厳格な性格からして一つの機構システムとしてあった存在だと推測していた。だからこそ、それを邪魔するのもなぁと。

……最終的には、相手は私が騒ぎ立てた所で気にするような存在ではないだろうけども、とも思考に浮かび)
「……あー成程、嬉しいって事も、ってんん?」
(そうして紡がれた言葉に納得。なんとなくだけども神様だからこそ、そういった感情は持ち合わせることはなかったのだろうしなぁ。
なんて頭に言葉を浮かべているとき、船内に灯る明かりが変わり音が聞こえてきた事で視界を映して)


「─────────」
(数多の映像に。いずれも見覚えがあるものの「あの時は楽しかった」とすぐに想起できるものもあれば、人間である以上こうした形で出された事で「あぁそういえばそんな事もあった」と忘却していたともいえるものまで。

毎年のように祝ったシャイネンナハトでは毎年別の場所で楽しみ、いつぞやの水着では二人してはしゃいで海を駆け、綺麗で幻想的な花畑で言葉の意味も分からずに渡した花。
ROOでは軽いノリで渡したものを着てて驚いたかと思えば素が垣間見えたり、手の中から伝わる硝子越しの暖かさに触れたり。
そして苦しさが残っていたからこそしっかりと自分の中で残っていた、戦場での頼もしい姿。

瞬きごとに移ろいゆく記憶と映像、ただただその量に声も出さずに圧倒された。
そして、ただただ、ここまでしっかりと憶えていてくれた愛してくれた事で、映像を見るために集中していたドライ気味の眼球が湿りだす)

「………………ふたりで、っすね。うん、いっしょに、来たんすよね」
(そうして紡がれた言霊に、同意の言葉をたどろうとして)

「あ、あれ。おかしい……いや、ウォリアさん、これは嫌だとかそういったものじゃなくて、たぶんサプライズが嬉しくてってものだと思うんで」
(一つ。また一つ。
目元を手の甲で拭ってもまた一つ。水の粒が金属質な床へと落ちる。
それを困惑と喜びが混じった声で返して、)

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