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シナリオ詳細

ローレットトレーニング・ビギナーズ
ローレットトレーニング・ビギナーズ

完了

参加者 : 217 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●ギルド・ローレットは今日も大賑わい
 マグカップから登る湯気に、コーヒーの香りが踊る。
 陽光の差し込むウッドデスクには名簿の束。否、名簿の山、塔、ないしは都市。
 積み上がった膨大な名簿を眺めるように、ギルド長レオン・ドナーツ・バルトロメイ(p3n000002)は椅子の背もたれに寄りかかった。
「世界一のギルド、か」
 この世界、無辜なる混沌(フーリッシュ・ケイオス)――通称『混沌』にたった二人の男たち始まったギルド・ローレットは、世界各国に太いコネクションを持つ巨大ギルドとなった。
 幻想(レガド・イルシオン)、鉄帝(ゼシュテル鉄帝国)、練達(探求都市国家アデプト)、傭兵(ラサ傭兵商会連合)、深緑(アルティオ=エルム)、天義(聖教国ネメシス)、海洋(ネオ・フロンティア海洋王国)……。
 名だたる大国全てから依頼を受け、そして各国(及び異世界)から集まった『特異運命座標(イレギュラーズ)』たちは日夜その依頼を達成し、名声をめきめきと伸ばしている。
 中でも今レオンが取りかかっているのが、ローレットのニューフェイスたちだった。
「あら、オーシャンブルーな顔ぶれね」
 常人にはおよそ理解しがたい形容詞を使って、『色彩の魔女』プルー・ビビットカラー(p3n000004)がおよそ数百人分の名簿タワーの一部を覗き込んだ。
「期待の新人さがしかしら?」
「そうでもなさそうだよ。昔から見る顔も沢山ある」
 そう言って反対側から覗き込んでくる『黒猫の』ショウ(p3n000005)。
 彼らの共通点を、どうやら二人は察したようだ。
「なるほどね、次の依頼は――」
「みなさーん! 大口の依頼が舞い込んだのです! それもビギナーさんにぴったりの依頼なのです!」
 依頼書の束を振りかざし、ギルドへ飛び込んでくる『新米情報屋』ユリーカ・ユリカ(p3n000003)。
「……あれ?」
 振り返ったままなんとも言えない顔をする三人に、ユリーカはかくんと首を傾げた。

●ビギナーズクエスト
 日を改めて、再びのギルド酒場。
 レオンは大勢のイレギュラーズを集めて手を翳した。
「よう、イレギュラーズ。よく集まってくれた。
 ここに集まってる顔ぶれから察しているかもしれないが、今から紹介するのは『初心者向け』の依頼だ。
 モンスターの駆除、動物の狩猟、飲食店の接客……どれもローレットには日常的に来るようなタイプの仕事だが、中でも危険の少ないものばかりを選んでる。
 これをあえて合同で行なうことで、大きな経験を得ることが出来るはずだ。
 三人の情報屋にそれぞれ説明の担当を分けたから、彼らから詳しい話を聞いてくれ」

・戦闘依頼:プチゴブリンの退治
 テーブルの一角座り、ショウは依頼書を数枚の写真をテーブルに広げた。
「やあ、いらっしゃい。ここではモンスターの駆除依頼を扱ってるよ。
 皆で一緒に丘に繰り出して、害のあるモンスターを一掃しようって依頼さ。
 そんなに身構えなくても大丈夫。この写真を見て」
 ショウが指し示したのは、目測でおよそ100~150センチ程度の亜人系モンスターだった。木を削ってこしらえたような棍棒や短い剣もどきを装備し集団で山羊を襲っている風景が撮影されていた。
「これは『プチゴブリン』といって非常に弱いモンスターなんだけど、数が大きく増えるとこうして家畜を襲って食べてしまうという害があるんだ。
 季節柄数がちょっとばかり増えてきたから、発生地帯に乗り込んで予め駆除して欲しい。
 相手は集団での戦闘を行なう習性があるけど、統率がとれるほど知能が高くなくてね、数を揃えれば充分に対応できるんだ。
 幸いこれだけの数がいる。自分の得意分野を活かして自由に戦ってみてね」

・狩猟依頼:キノコジカの狩り
 広い裏庭。木箱の上に立ったユリーカが自作のクレヨン画を翳していた。
 角の小さいシカ……の背からまだら模様の大きなキノコがにょっきり一個だけ生えているという、なんともヘンテコな絵である。
「これはキノコジカといって、幻想南部の森に現われる食材なのです。
 この季節が旬と言われていて、キノコ部分もシカ部分も油がのっててとっても美味しいのです!
 それに背中のキノコがミントみたいな香りを出したり暗い場所であわーく光ったりするので、見つけやすいのも特徴なのです。
 近々市場ではこれを大量に卸すので、たっくさん狩ってきて欲しいと依頼されているのです」
 シカを狩るには勿論、山に入らねばならない。
 そしてシカを見つけ出すか、罠をしかけるかして捕まえねばならないだろう。
 この依頼では戦闘能力よりも探索能力、ないしは罠を仕掛けたり息を潜めて待ち伏せたりする能力が活きてくる。
「キノコジカは攻撃を加えればすぐに倒せるので、上手に見つけ出して沢山ゲットしてくださいね!」

・接客依頼:飲食店でのアルバイト
 カウンターテーブルのそばに立ち、ワイングラスをゆらすプルー。
「幻想に限らないけど、あちこちのお店が人手を募集してるわ。
 中にはローレットに臨時のアルバイトを求めてくるお店も少なくないの」
 そう言って、プルーはテーブルにさらさらと複数の依頼書を並べていった。
「カフェ、酒場、レストランにオトナなバー……お店は違えど、みんなそういった接客アルバイトの依頼よ。
 こういった依頼は接客能力や礼儀作法、他にも料理や呈茶、他にも家事全般といったようなスキルが活きてくるわね。
 勿論、技術がなくったて充分に活躍できるわ。自分なりの接客プレイを見せつければいいのよ。
 お店のほうは……未成年にお酒を飲ませないっていうくらいで、特に年齢や性別に制限はないみたい。気に入ったお店に応募してみて頂戴」

 こうして広く募集された依頼たち。
 あなたは、どの依頼に応募する?

GMコメント

■■■注意■■■
・このシナリオはレベル12以下のPCだけが参加できます。
・通常入る経験に、特別にボーナス経験値が加算されます。
・シナリオの確定報酬に『レベル15以下制限のスキルリセットアイテム(譲渡不可)』が加わります。

■■■プレイング書式■■■
 迷子防止のため、プレイングには以下の書式を守るようにしてください。
・一行目:パートタグ
・二行目:グループタグ(または空白行)
・三行目:実際のプレイング内容

 書式が守られていない場合はお友達とはぐれたり、やろうとしたことをやり損ねたりすることがあります。くれぐれもご注意ください。

■■■パートタグ■■■
 【戦闘】【狩猟】【接客】のうちいずれかのパートタグを【】ごとコピペし、一行目に記載してください。

・【戦闘】
 ひろーい丘や洞窟に出かけてプチゴブリンの群れを退治します。
 プチゴブリンはとても弱いモンスターですので皆で一緒に戦えば危険はありません。
 ですので、自分なりの戦闘スタイルを試してみましょう。
 例えば防御を固めて仲間を守ったり、素早い動きで敵を翻弄したり、力強い攻撃で敵を粉砕したり、こまめな回復で味方を守ったり……いろんなスタイルがありますので、まずは自分の好みで戦ってみましょう!

・【狩猟】
 大きな森に入ってキノコジカを狩りましょう。
 この季節のキノコジカは足も遅く簡単な攻撃で倒せてしまいますが、そのためとっても臆病です。
 臭いや光、足音や痕跡をたどって見つけ出したり……
 または罠を仕掛けてじっと息を潜めたり……
 はたまたこっそり忍び寄ってスパッと素早く倒したり……
 と、色んな仕留め方があるでしょう。
 自分の得意なやり方を見つけて、自由に狩りを楽しみましょう!
 『自分のキャラクターならこのスキルをこんな風に使いそうだな』とロールプレイを想像して書いてみるのも楽しいかも知れませんね。

・【接客】
 給仕や料理、物売りやトーク。はてはショーダンサーやミュージシャンまで。いろんな接客のバイト募集がかかっています。
 自分のやってみたいアルバイトを書いて、早速トライしてみましょう!
 料理をするにも接客をするにも、キャラの個性は出るものですよね。
 スキルに礼儀作法があるひとも、どういう経緯で得たスキルなのかを考えると楽しいものですし、ロールに幅も生まれます。
 自分なりのロールを見つけて、アルバイトを楽しんじゃいましょう!

■■■グループタグ■■■
 一緒に行動するPCがひとりでもいる場合は【仲良しコンビ】といった具合に二行目にグループタグをつけて共有してください。
 この際他のタグと被らないように、相談掲示板で「【○○】というグループで行動します」とコールしておくとよいでしょう。
 うっかり被った場合は……恐らく判定時に気づくとは思うのですが、できるだけ被らないようにしてください。
 また、グループタグを複数またぐ行動はできません。どこか一つだけにしましょう。

  • ローレットトレーニング・ビギナーズLv:12以下完了
  • GM名黒筆墨汁
  • 種別イベントシナリオ
  • 難易度VERYEASY
  • 冒険終了日時2019年09月25日 17時10分
  • 参加人数 217/∞人
  • 相談7日
  • 参加費50RC

参加者 : 217 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(217人)

花房・てふ(p3p000003)
BBBA
ノアルカイム=ノアルシエラ(p3p000046)
絆魂樹精
エンヤス・ドゥルダーカ(p3p000069)
闇のコレクター
春津見・小梢(p3p000084)
グローバルカレーメイド
フェリシア=ベルトゥーロ(p3p000094)
うつろう恵み
はぐるま姫(p3p000123)
リラ・ギアハート
マリネ(p3p000221)
サンセットスワロウ
オリヴァー(p3p000222)
ディープスパロウ
ホロウ(p3p000247)
不死の女王(ポンコツ)
朱・夕陽(p3p000312)
渡烏は泣いてない
ラクタ(p3p000501)
邪神の祝福を齎しモノ
秋月・キツネ(p3p000570)
でっかいもふもふ
ロルフィソール・ゾンネモント(p3p000584)
金環蝕の葬儀屋
ケント(p3p000618)
希望の結晶
ティルティシア=モルダ=ダルバザルデ(p3p000678)
表情豊かな無表情
ヨゾラ・エアツェール・ヴァッペン(p3p000916)
ネコはたべない
ヴィンス=マウ=マークス(p3p001058)
冒険者
狗尾草 み猫(p3p001077)
舞猫
田中・E・デスレイン(p3p001381)
ゴブリン、マイ、フレンド
諏訪田 大二(p3p001482)
リッチ・オブ・リッチ
Adelheid・Klarwein(p3p001610)
軍人っぽい残念なお姉さん
DexM001型 7810番機 SpiegelⅡ(p3p001649)
クーゲルシュライヴァー
ジュディス・バルヒェット(p3p001757)
妹を救えなかった
リカナ=ブラッドヴァイン(p3p001804)
もふもふハンター
夕凪 こるり(p3p002005)
秋呼鳥
ロロ・ブランジュ(p3p002015)
フィールドワーカー
梔子(p3p002050)
絲斬
スティーブン・スロウ(p3p002157)
こわいひと
黒猫亭 平助(p3p002229)
お茶どうぞニャ
カレン・クルーツォ(p3p002272)
蝶かげろい
柩(p3p002276)
Gothic
ラァト フランセーズ デュテ(p3p002308)
紅茶卿
ティラミス・ノーレッジ(p3p002540)
どうぶつマジシャン
クリュエル・テュポネス(p3p002595)
誘惑する蛇
カシエ=カシオル=カシミエ(p3p002718)
tailor
アンファング=ティガークロス(p3p002957)
素直じゃない虎
ルディス(p3p003110)
特異運命座標
ニャー(p3p003147)
にゃーはにゃーだにゃ!
シャスラ(p3p003217)
電ノ悪神
リナ・ヘルキャット(p3p003396)
ツンデレモドキ
ヤタガラス(p3p003579)
ダークネスドクター
アルズ(p3p003654)
探偵助手
ロスヴァイセ(p3p004262)
麗金のエンフォーサー
ナバール・エルディア(p3p004267)
美少女?ハンター
クロサイト=F=キャラハン(p3p004306)
眼鏡占い
ラヴィエル(p3p004411)
愛の妖精
彼者誰(p3p004449)
メル・ディアーチル(p3p004455)
笑顔の仮面
アメリア アレクサンドラ(p3p004496)
願いを受けし薔薇
オカカ(p3p004593)
兎に角
シェリル・クリスフォード(p3p004598)
特異運命座標
アニュス・デイ(p3p004771)
聖別された
ベルベット・パイソン(p3p004793)
不確定の蛇
ヴァトー・スコルツェニー(p3p004924)
語るオートマタ
アンシア・パンテーラ(p3p004928)
静かなる牙
アレクシエル(p3p004938)
グレイト・マザー
ルチア=ウェンデル(p3p004943)
ハンドクロー最強
ヴァン・ローマン(p3p004968)
常闇を歩く
ティエル(p3p004975)
なぁごなぁご
札貫 リヒト(p3p005002)
タロットも任せとけ
新道 風牙(p3p005012)
帰ってきた牙
アラン=キャロル(p3p005017)
マキーニ=ヴェルツ=ベアール(p3p005033)
勝負師
ウィートラント・エマ(p3p005065)
Enigma
十鳥 菖蒲(p3p005069)
おまわりさん
リーゼロッテ=バーゼルト(p3p005083)
圧倒的KENZEN
Thusxy=Hgla=Azathdo(p3p005090)
形なく知られざるもの
烏丸 織(p3p005115)
はぐれ鴉
ティリー=L=サザーランド(p3p005135)
大砲乙女
音所 輪華(p3p005154)
死神使い
カシミア(p3p005160)
森の守護者
ローガン・ジョージ・アリス(p3p005181)
当たり前の善意を
ピュアエル(p3p005358)
実直天使
井水 戸子(p3p005696)
フィロソフィカルJK
美城・誠二(p3p006136)
元。
道頓堀・繰子(p3p006175)
怪猫
カリブ・アルカディア(p3p006198)
張・小雷(p3p006233)
ジオドリク(p3p006361)
フロストサウンド
パーフェクト・サーヴァント(p3p006389)
完璧な執事を目指す執事
バルザック(p3p006417)
プロ斥候
シャウラ(p3p006463)
清濁天使
スピカ(p3p006464)
София・Ф・Юрьева(p3p006503)
おっとりお嬢様ソフィーヤ
アイラ(p3p006523)
瑞花
微睡 睡(p3p006590)
ひとねむり
道子 幽魅(p3p006660)
覚悟を抱いて
椎名・美由紀(p3p006697)
真のメイド喫茶ガール
安里 真弓(p3p006709)
パステルフィルター
祇龍院・栞(p3p006728)
鬼獣転生
名馳 悠(p3p006735)
中二病お嬢様
湖宝 卵丸(p3p006737)
湖賊
リウィルディア=エスカ=ノルン(p3p006761)
イ = モウト(p3p006766)
特異運命的妹
マキナ・レヴァレア・サーヴィリアス(p3p006802)
テレンス・ルーカ(p3p006820)
零の射手
閠(p3p006838)
真白き咎鴉
ベッツィー・ニコラス(p3p006864)
ライゴーズ
ジョージ・ジョンソン(p3p006892)
特異運命座標
カナデ=ミナヅキ(p3p006911)
エルウィン・ロンド・ラースケス(p3p006912)
元聖騎士
プリス・ラトレイア(p3p006913)
サレリア・ハールフェルト(p3p006914)
観察者
カナデ・ノイエステラ・キサラギ(p3p006915)
帰ってきたベテラン
蘭 彩華(p3p006927)
アリル・スウェイス(p3p006929)
エレイン・クフィス(p3p006930)
クレセア・セディール(p3p006931)
フェルティス・ラウアール(p3p006932)
アレイス・ナルディン(p3p006933)
ミディ・アルマナーク・エルデルネ(p3p006967)
氷瀬・S・颯太(p3p006973)
影雷白狐
エラ・ヘリエス・フォンティール(p3p006974)
大黒柱
甘蜜 詩業(p3p006975)
鼠花
リラ(p3p006987)
はらぺこあくま
焛・アリシャ(p3p007007)
人生楽しく
ミュリエル(p3p007011)
知らない物語
鷲生 文(p3p007024)
商魂たぬき
依狐(p3p007032)
夜からの声
リック・ウィッド(p3p007033)
金波銀波
ネリ(p3p007055)
妖怪・白うねり
冬越 弾正(p3p007105)
七色の声
白嶺 絆楔(p3p007126)
白樺のかすがひ
秋月 誠吾(p3p007127)
紗恵・ヴォルグラート(p3p007134)
憧れを剣にして
アオ(p3p007136)
忘却の彼方
フィリア・クインラン(p3p007148)
肉食ハンター
古田 咲(p3p007154)
裏ファンドマネージャ
桐生 楪(p3p007157)
喪いしもの
月夜見 かけら(p3p007158)
LV -1
グランツァー・ガリル(p3p007172)
大地賛歌
ディアナ・クラッセン(p3p007179)
世界を知るための冒険
朝倉 桔梗(p3p007193)
天義の希望
ノエミ・ルネ・ルサージュ(p3p007196)
恩に報いる為に
リルカ・レイペカ・トワ(p3p007214)
クリムゾンペイン
ステラ・グランディネ(p3p007220)
小夜啼鴴
ジェラルド・ジェンキンス・ネフェルタ(p3p007230)
戦場の医師
ミザリー・B・ツェールング(p3p007239)
本当はこわいおとぎ話
アンジェラ(p3p007241)
働き人
ひつぎ(p3p007249)
ラブアンドピース
セルティ・ジーヴェン(p3p007265)
トンファー最強説
ヌト(p3p007269)
頂の骸
スピネル(p3p007274)
特異運命座標
ワン・FK・ワンダー(p3p007282)
百合烏賊キラー
ラース=フィレンツ(p3p007285)
特異運命座標
哀坂 信政(p3p007290)
暗殺者(母性)
トーラ・ファーレングッド(p3p007299)
ソリッド=M=スターク(p3p007305)
ぶたやろう
仄 火燐(p3p007317)
メインヒロイン
藤咲 燐音(p3p007323)
紫炎妖狐
ユメ(p3p007344)
箱庭の魔女
セレスチアル(p3p007347)
《節制(テンパランス)》
ピリム・リオト・エーディ(p3p007348)
《戦車(チャリオット)》
ルクト・ナード(p3p007354)
TACネーム:「ハンター」
陰陽丸(p3p007356)
じゃいあんとねこ
ニコラス・T・ホワイトファング(p3p007358)
手錠の男
アルヴァ=ラドスラフ(p3p007360)
静寂
フリウ・F・リースアール(p3p007367)
戦火の花
庚(p3p007370)
宙狐
ラピス(p3p007373)
揺蕩う瑠璃
イサベル・セペダ(p3p007374)
朗らかな狂犬
ドロシー・エメラルド(p3p007375)
正義を愛する騎士
エリクシア・ヘブンズフィール(p3p007376)
白の狩人
マリリン・ラーン(p3p007380)
おっちょこちょいな水神様
カイ・ハイ(p3p007387)
煙り揺らめく漆黒の堕天使
糸巻 パティリア(p3p007389)
ヒトデニンジャ
コルウィン・ロンミィ(p3p007390)
靡く白スーツ
レイ・ミーヴァ(p3p007391)
ライヤーテラー
フランク・ルドマン(p3p007401)
パーシ―・パーシング(p3p007402)
宮田・ラインバルド・遥華(p3p007403)
ファンディスクよ出ろ
マーヴィン・ハンクス(p3p007404)
アレクシス・ボルトン(p3p007405)
ティモシー・ヘッドリー(p3p007406)
バリー・ベインズ(p3p007408)
ロードリック・ヒンズリー(p3p007410)
パトリシア・ミルワード(p3p007411)
アリシア・ステラ・ロゼッタ(p3p007414)
特異運命座標
アウロラ・マギノ(p3p007420)
とっておきの弾丸
sorako*(p3p007426)
カラフルパレット
ソルドゥーロ・フシーロ(p3p007428)
特異運命座標
皇 雛乃(p3p007429)
あおちゃんといっしょ
狐鹵俚(p3p007430)
蟲遣い
アスカ・クローベル(p3p007434)
久世・清音(p3p007437)
京女の実力
メリー・フローラ・アベル(p3p007440)
躾のなってないワガママ娘
ヴァイオレット・ホロウウォーカー(p3p007470)
影を歩くもの
サーシス チャイネンシス(p3p007473)
ジェーン・ドゥ・サーティン(p3p007476)
へっちなアイドル目指します!
だいすけ(p3p007482)
きぐるみファイター
ドロシー・アイリス・エフィンジャー(p3p007491)
愚かな女
フェルネルの番犬(p3p007492)
女王のための杖
ロゼ・グランテリア(p3p007493)
黄昏の歌姫
ビジュ(p3p007497)
汚れた手
ライディス・クリムゼン(p3p007498)
人生のダイスロール
日車・迅(p3p007500)
ラド・バウD級闘士
ウィリアム・ウォーラム(p3p007502)
軍医
ククリ・P・ミストレイン(p3p007504)
看護(物理)系ナース
葛葉 文姫(p3p007506)
銀狐
七々扇・雪乃(p3p007507)
天之狐
シルフィナ(p3p007508)
はじまりはメイドから
ニル=ヴァレンタイン(p3p007509)
夢想の魔王
御剣 涼太(p3p007510)
プロ転生者
雨乃宮・飛鳥(p3p007515)
空之狐
マナ・板野・ナイチチガール(p3p007516)
まな板最強説
橄欖・オリヴィン・ペリドット(p3p007519)
エキストラ
ルヴラ・バガヴェーダ(p3p007520)
特異運命座標
伊佐波 コウ(p3p007521)
鋼の恩義
リンドウ(p3p007522)
明星の
結々崎 カオル(p3p007526)
死の香りを纏う守り人
ソフィリア・ラングレイ(p3p007527)
空旅鳥
ワッツ・レイドリック(p3p007528)
七五三掛・纒(p3p007530)
戦嫌い
アイリス・メルクーリ(p3p007533)
裸にコートの
ルゥチェ(p3p007539)
流界の剣士
カンベエ(p3p007540)
名乗りの
スフレ(p3p007541)

リプレイ

●ローレット・ハンターズ
 翼を畳み、太い木の枝へと着地するオリヴァー(p3p000222)
「……ん。狩りなら……何とか、やれそう。弓なら、そこそこ。使えるし」
「いいじゃんいいじゃん、めっちゃ狩ろうぜ! あーしも頑張るよ!」
 追って、同じ枝へとおりたつマリネ(p3p000221)。
 風や音にじっと集中していると、目的の足音と独特なにおいに気がついた。
 依頼の情報にあったキノコジカだ。こちらにはまだ気づいていないようだが……。
「リヴ」
「……任せて、リネ」
 オリヴァーは素早く矢を発射。
 キノコジカの胴体に刺さった瞬間、マリネが素早く飛びかかり跳び蹴りを叩き込んだ。
 ぐったりと倒れたキノコジカを押さえて、手を振るマリネ。
「こーいう敵はあーしよりもリヴのが向いてんだよなぁ。
 ま、うめーもん食べるためだもんね! いっぱい倒そーぜ!」
「……ん」

 世界の何でも屋ことローレットには日夜世界各国から様々な依頼が舞い込んでくる。
 畑を荒らすモンスターの退治やネコ探し。中でも目を引くのがこうした狩猟の手伝いである。
 純粋な戦闘力だけでなく、五感や知識といった様々な能力が活かされることからも人気の高い依頼だ。
「そういえばニャー……お前が猫でパーさんがP執事は分かるが、なんで俺が虎じゃなくカタカナのネコなんだ?」
 依頼書に登録する際の連名に【ネコ猫P執事】と書いたことをさして、アンファング=ティガークロス(p3p002957)がぽつりともらした。
 優れた嗅覚や聴覚でキノコジカを捕捉しながら、である。
「にゃーの経験と知識と勘がアンファングにゃんは強気受けと言ってるにゃ」
 なにか黒いことを考えていそうな顔で言うニャー(p3p003147)。
 アンファングの指示通りに、足音を殺してついていく。
「……冷静に考えると狩猟に両手で持たないといけない火器を持つ虎に
 知り合いとはいえ他人を受けと決めつける猫。
 ……常識人は我だけなのか」
 言っている意味が分かるらしいパーフェクト・サーヴァント(p3p006389)は、呪符を片手に地面や近くの木を調べた。
「木の皮をひっかいた跡があるな……それも新しい。この近くにいるぞ。多分食後だ。動きも遅い」
「ああ、そうみたいだ。見てみろ」
 アンファングの示した方向に小さくだが、キノコジカの姿が見える。
「行け、ニャー」
「にゃ」
 ニャーは肉球でうまく足音を消しながら、しかし素早くキノコジカへと接近。相手に気づかれる間もなく素早く魔力の籠もったネコパンチを顔面に浴びせた。
「フハハハハ今だー!」
「高笑いするな!」
 くらりとしたキノコジカへ、ここぞとばかりに三人がかりで襲いかかる。
 知識、感覚、技術。全てを活かした見事な連係プレーであった。

 森の中を密かに進む屈強なユキヒョウ。誰あろうアンシア・パンテーラ(p3p004928)の獣人形態である。
(荒事をさけて随分落ち着いてしまったが、そればかりでいるのもな……)
 今こそ動き出すとき。まずは獣のように狩り仕事からと、アンシアは古い感覚を少しずつ取り戻しながらキノコジカのにおいを探る。
『まぁ、お久しぶりです!
 アンシア様も狩猟依頼にご興味が?』
「……その声は」
 ふと見上げると、木の上に鳥形の式神がとまり、こちらを見ている。
 ハイテレパスによる中継通信とはいえ、覚えのある感覚。
 木の陰に隠れていた名馳 悠(p3p006735)がスッと姿を現わした。
「よろしければご一緒致しません?」
 言うやいなや、式神を飛ばして遠くのキノコジカを追い立て始めた。
 わけもわからず逃げ出すキノコジカ。アンシアは足音を殺して回り込み、気配を殺して待ち伏せし、そして――一瞬でキノコジカの喉を食いちぎった。
 言葉を交わすまでも無い優れた連携。
「久々のお仕事ですが、やはり充実感がありますわね。
 それに……感動を分かち合える方がいて下さると、異世界生活もより一層楽しくなりそうです」
「感動もいいが、質が落ちては報酬も下がりかねんぞ?」
 確かに、といって二人は倒したキノコジカを処理しはじめた。

 狩りには大勢のイレギュラーズが参加していた。
 それゆえ、優れた感覚や知識を用いなくても数の力で解決するという方法がとれる。
 ローレットでまれに発生する大規模な依頼では、しばしばこうした『インタラクティブな力の補い合い』が起きることがある。
 今回その中心になっていたのはパトリシア・ミルワード(p3p007411)をはじめとする【小隊】メンバーであった。約8人規模からなるチームで連携し、それぞれが発見したキノコジカを仲間のもとへ追い込むように追跡する。失敗したら腕立て腹筋背筋スクワットのおまけ付きである。
 メンバーはパトリシア以下、フランク・ルドマン(p3p007401)、パーシ―・パーシング(p3p007402)、マーヴィン・ハンクス(p3p007404)、アレクシス・ボルトン(p3p007405)、バリー・ベインズ(p3p007408)、ロードリック・ヒンズリー(p3p007410)、ティモシー・ヘッドリー(p3p007406)といった面々だ。
 出自が同じだったからだろうか、彼らは見事に連携しキノコジカを追い詰めていく。
 この鉄板かつ正統派な狩猟スタイルは、同じく依頼に参加していた面々にも伝わり、クレセア・セディール(p3p006931)、フェルティス・ラウアール(p3p006932)、アレイス・ナルディン(p3p006933)、スフレ(p3p007541)、朝倉 桔梗(p3p007193)、ヴァン・ローマン(p3p004968)、ルヴラ・バガヴェーダ(p3p007520)、蘭 彩華(p3p006927)も同じ8人構成でキノコジカを追い詰め始めた。
 黒髪を靡かせ、死霊術によって生み出した矢を次々に打ち込んでいく桔梗。
 一方でヴァンも仲間の生命力を適時活性化させながら剣を振りキノコジカを追い立てた。
 それを他の仲間と共に待ち構えるルヴラ。飛び込んできたキノコジカにツタのロープで作った罠を仕掛け、素早く組み付いた。更に仲間が次々と飛びかかり、キノコジカに確実なトドメをさしていく。
 このスタイルは誰でも容易に取り入れることができるということで、エリクシア・ヘブンズフィール(p3p007376)、ローガン・ジョージ・アリス(p3p005181)、シェリル・クリスフォード(p3p004598)、リンドウ(p3p007522)、リナ・ヘルキャット(p3p003396)、カイ・ハイ(p3p007387)、ヤタガラス(p3p003579)、橄欖・オリヴィン・ペリドット(p3p007519)の八人も同じような構成でキノコジカを追いかけ始めた。
 骨のような大鎌を振り上げ追いかけるエリクシア。それを鋼の拳をあえて打ち鳴らしながら支援するローガン。
 シェリルとリナ魔術がわざと乱射し、リンドウとカイが逃げ込んできたキノコジカへと飛びかかる。さらにはヤタガラスと橄欖も加わり、キノコジカを確実に仕留めた。

 ローレットはその場の空気を大事にするところがある、らしい。
 舞い込んだ依頼の参加メンバーがたまたまその場にいた者たちで決まるということもよくあり、こうした大規模な依頼ではたまたまその場に居合わせた数人がチームを組むということもある。
 マキナ・レヴァレア・サーヴィリアス(p3p006802)、井水 戸子(p3p005696)、ニコラス・T・ホワイトファング(p3p007358)、エルウィン・ロンド・ラースケス(p3p006912)、プリス・ラトレイア(p3p006913)、サレリア・ハールフェルト(p3p006914)、アリル・スウェイス(p3p006929)、エレイン・クフィス(p3p006930)の八人もそうした流れでチームを組み、同じキノコジカを追っていた。
 剣や盾をあえて鳴らしながら追いかけるエルウィンやプリス。
 魔術を打ち込むことで逃げ道を限定していくサレリア。
 待ち伏せしたニコラスが両手につながった鎖を首に回すことで組み付き、残る仲間たちも次々にキノコジカへと攻撃を加えていく。
(なるほど、ああいう風に協力するんですね……)
 藤咲 燐音(p3p007323)は他の仲間たちの様子を見ながらうんうんと頷いていた。
 狼やマタギの例をあげるまでもなく、狩りは連携が生きる仕事である。連携や協力姿勢を学ぶにはうってつけの環境だ。
(ええ、流石に何度も一緒に行動した仲ですから慣れてきました…ええ、その筈です。…だから、うん、大丈夫。二人きりでも、ちゃんと会話出来るはず…!)
 グッと拳を握り、燐音はノエミ・ルネ・ルサージュ(p3p007196)を振り返った。
「?」
 首を傾げつつもにっこり笑いかけるノエミ。
 燐音はぎこちなくも笑い返し、そして……ハッと顔をあげた。
 キノコジカ特有のツンとしたにおい。そして草を踏んであるく足音。
「近いです。ルーイ君も何か感じましたか?」
「そのようですね……」
 ノエミの頭上を飛んでいた小さな竜めいた生物、ルーイ君。キュウキュウとないて、自分もキノコジカの臭いをかぎつけたことを知らせてきた。知らせるついでにノエミの髪をはむはむしはじめるが、それをやんわりやめさせてノエミは剣をとった。
「燐音さんは私の居る方へ追い立ててください。近づいてきたら仕留めます」
「わ、わかりました」
 燐音は狐火を宙に浮かべ、キノコジカめがけて発射した。
 熱を持たず燃え広がることもない炎だが、臆病な動物を驚かせるには充分すぎるものだ。
 なきごえをあげて走るキノコジカを誘導するように、次々と炎を追加。
 そしてここぞというタイミングで、飛び出したノエミがキノコジカの喉を切り裂いた。

 さて、チームといえば道頓堀・繰子(p3p006175)。
「いえーいみんなおるー? うちだけやったらめっちゃ寂しいんやけど!」
「にゃぅ!」
「いるぞ」
「がんばるぞー!」
「かけらもいるぞ」
「さあロロ、いっしょにキノコ狩りですよ」
「賑やかですねえ」
「久々だー。捜索は任せていいかね雪乃」
「さて頑張って探そう、見つけたらこっちきてねぇ」
 繰子の集めたチーム、もとい企画した【狩1GP】はより大きな獲物をとってきた人が優勝のゲームである。賞品はないが、強いて『女神様(うち)のちゅーとかどない?』とか言ってはいるが。
「さてさて、早速……」
 繰子は暗殺家業で鍛えた聞き耳と忍び足、そして尾行能力を駆使してキノコジカを探し、そして独自に追跡していく。
「なーぅ」
 一方で陰陽丸(p3p007356)は水場を探し、近くに寄ってくるであろうキノコジカを待ち伏せた。
「ふうん…ま、予想通りだな」
 御剣 涼太(p3p007510)も同じように水場を訪れ、キノコジカの足跡を探し出す。ここで待ち伏せすれば仕留められそうだ。幸い、居合わせた仲間のステータスウィンドウを読み取る限りその辺りの能力をアテにできそうでもある。
「狩猟ってのも、別に難しくは無いな。競争の提案に乗った以上、負けるのはシャクだし……」
 本気を出すとしますかね、と枝を手に取る涼太。
 そのすぐそばでは、オカカ(p3p004593)が草や水をつまみ食いしながら耳を澄ませていた。すませるついでにお昼寝を始めているが、まあそのうち起きるだろう。
「む、来るぞ」
 月夜見 かけら(p3p007158)がキノコジカの足音を敏感に聞きつけ、弓を構えた。
(どんな結果になろうともこの経験はわたしの糧となり宝となろう)
 目を細め、予想通りに現われたキノコジカに矢を放つ。
 矢は首でもなく胸でもなく、まさかのキノコに突き刺さった。
「ピギー!」
「おお、痛いのか」
「なーう!」
 今だ、とばかりにキノコジカへ襲いかかる仲間たち。
 ……その一方、カレン・クルーツォ(p3p002272)とロロ・ブランジュ(p3p002015)は森の中をかき分けるように進んでいた。
「臆病な茸というのはとてもかわいいわ。
 だって愛らしいとは思わない? そうして過ごしてきたんですもの。
 けれど今日という日は無慈悲な狩人だわ。貴女の研究にだって丁度いいでしょう?」
「たしかに、これもよき経験ですしね。
 フィールドワークの足しになると言えばなるかもしれませんし……。
 『特異運命座標』という英雄の卵の物語、近くで拝見しましょう」
 カレンは飛ばした小鳥と五感を共有させ、森に流れるにおいをたどり始めた。
 一方で攻撃の準備をするロロ。
 二人はついにキノコジカを見つけ、協力して追い詰めていく。
 が、丁度そのキノコジカは雨乃宮・飛鳥(p3p007515)と七々扇・雪乃(p3p007507)が見つけたものでもあった。
「これ、焼いたら絶対美味いよなぁ。あ、シカ汁でも……なー、雪乃。こいつらの角を持って帰ったら怒られるかね?」
 真顔でしっぽを振りながら会話を交わす飛鳥。
「いいとおもうけど……まずは捕まえないとね」
 雪乃は作り出した式神に黒子の姿をとらせ、わざと音をたててキノコジカを追い立てていた。
 丁度別の仲間が飛びかかるのと同じタイミングで、飛鳥たちも飛びかかる。
 ……こんな具合でどれが誰の獲物かわからずに一等賞は決まらなかったが、同じ目標を一緒に追いかけることで連携や協力を学ぶよい機会になったようだ。

 にわかに活気づいてきた山中。
 水辺のみならずあちこちで協力しての狩りが行なわれていた。
 クリュエル・テュポネス(p3p002595)はナバール・エルディア(p3p004267)と協力してキノコジカの通りそうな獣道にシカ用の罠を複数仕掛け、茂みに隠れるようにして身を潜めていた。
「狩りの競争をしてる人たちの場所は……候補から外して別のポイントに置こう……邪魔しちゃ悪いもんね……」
 クリュエルがじっとしていると、ついにキノコジカがとことこと獣道を歩いてきた。
 ガツンという独特の音と共に罠が発動し、キノコジカの足を止める。と、その瞬間。
「先手必勝!」
 飛び出したナバールがナイフを繰り出し、キノコジカの喉を切り裂く。
 と、その様子を察知した別のキノコジカが反対方向へターンして逃げ出した。
「そっちへ行きましたよ、シュピーゲルさん!」
「お任せください」
 振り返ったナバールに応じて、DexM001型 7810番機 SpiegelⅡ(p3p001649)がチェイスを開始。ドライアイス煙のようなエネルギー体を噴射し凄まじいスピードでキノコジカを追いかけた。
「高機動なシュピならば動物を捕まえることなど造作もありません。
 この加速感。全てが音速か――」
 木の幹に激突し、むぎゅうといって転倒した。
「装甲を薄くしすぎました! あ、あとは頼みます!」
「いいけど、最初にもふらせてもらわね」
 気配を殺し待ち伏せをしていたリカナ=ブラッドヴァイン(p3p001804)が、ゆらりと現われてキノコジカの足を的確に打ち抜いた。
 転倒するキノコジカ。リカナは素早く近づき……。
「このキノコジカもいい毛並みだわ」
 早速なで回しはじめるのだった。

「たまにゃ一人で鹿狩りも悪くねぇな」
 バルザック(p3p006417)は木々の上を飛行しながら、枝葉の間にちらちらと見える動物たちの様子を観察していた。
 山には不思議な動物がごろごろと生息しており、目を引く動物はキノコジカに限らない。
 とはいえ。
「お、あれだな」
 早速見つけたキノコジカめがけ、ライフルを発砲。
 見事に柔らかい場所を打ち抜いたことでキノコジカは倒れ、そこへ身を隠していたウィリアム・ウォーラム(p3p007502)が駆け寄った。
 ウィリアムは手早くキノコジカを解体し、必要な外科手術的なナイフさばきがうまく、穴掘りが早い。彼の分とバルザックの分をそれぞれ確保すると、麻の袋へと詰めていく。
「悪いな、俺のぶんまで」
「なあに、持ちつ持たれつだ」
 優れた技術や才能をもつイレギュラーズも万能ではない。互いの特技を補い合うことで効率を格段に上げることができるのだ。
 そうした才能のパズルは現場のアドリブでこそ活きてくる。
 張・小雷(p3p006233)たちがその良い例でもあった。
「私が探すから、仕留める方をどんどんやってほしいな」
「分かった。それにキノコジカの特徴もだいぶ分かってきた所だ。捜索範囲を狭められるだろう。青い尻尾のお前、不安なら一緒に来い」
 図鑑をめくりながら木の幹や地面を調べるルディス(p3p003110)。
 声をかけられたアルヴァ=ラドスラフ(p3p007360)がほっとした様子で彼らについて歩き出す。
「助かりました……。キノコジカを探していたら迷子になってしまって……」
「あっ、においが近づいてくる。頼めるかな?」
 小雷とアルヴァはそれぞれ身を伏せて息を潜め、ルディスは気配を殺して木の陰に立った。
 そして話通りにキノコジカが出てきたのを見計らって、素早く奇襲攻撃を仕掛けた。
「やった、行くよ!」
「わん……」
 続いて飛び出していく小雷とアルヴァ。

「いえい! 狩りの時間なのです! ついでにピクニックも兼ねて!
 がんばるのですよローちゃん!」
 己の影から怪物を呼び出すミザリー・B・ツェールング(p3p007239)。
「どのような依頼でもお受けしましょう。それが強くなるためならば。赤染の腕の名に懸けて」
 魔法の弓と矢をかまえ、ゆっくりと進むテレンス・ルーカ(p3p006820)。
「キノコジカ料理、美味しそうだったわね〜。私も食べてみたいわ」
 しっぽをふりふりとしながら周囲の様子を探るフィリア・クインラン(p3p007148)。
「臭いの残った獣道をたどっていくといいみたい。キノコジカの集まる水場が見つかるわよ」
 なるほど、という風に茂みをかきわけていくと、情報通りに川の水を飲むキノコジカを発見した。
 相手に気づかれる前に、としっかり狙って矢を放つテレンス。
 矢は見事にキノコジカに命中したが、その周囲にいた別のキノコジカが一斉に逃げ始める。
「追いかけるのです、ローちゃん!」
 影を伝って長く伸びた黒き森の怪物がキノコジカの頭だけを食いちぎり、それよりも更に早く駆け抜けたフィリアが尻尾の先端部分でキノコジカの首を切り裂いた。
 ばたばたと倒れていくキノコジカたち。
 だがミザリーたちからも逃れ走って行ったキノコジカはというと……。
「生きる為、食う為の狩り、か」
 木陰で気配を消していた七五三掛・纒(p3p007530)がスッと姿を現わし、それに気づかなかったキノコジカに鋭い手刀を打ち込んだ。
(俺の国は周囲との小競り合いを「戦」などと持て囃しそれに興じていたがーーあれは到底理解など出来ないものだった。
 名誉が何だ、誇りが何だ。戦争など馬鹿のする事だ。
 ーーそれでも何故か、時々こうして国の事を思い返してしまうのは何故なのだろうな)
 ばたんと倒れるキノコジカ。
 それを飛び越えてまで逃げるもう一頭のキノコジカ――の首が、スパンと切断されて落ちた。
 別の木に身を隠し気配を消していた氷瀬・S・颯太(p3p006973)が、振り抜いた刀を納める。
「たまにはのんびり狩りも良い」
 そうだろう? という顔をされ、纒は苦笑して頷いた。
 確かに、こんな日常も悪くはない。

「人の匂いのしない、綺麗な森ですね……」
 画材道具一式を抱え、木の枝へととまるsorako*(p3p007426)。
 長い髪をいじりながら早速森の風景を……とペンをとった所で、風景の中に特徴的なキノコジカを発見した。
「風景を描きに来ただけ……というのも体裁が悪いですよね」
 空中に矢を描くと、『ごめんなさいね』と呟きつつスワイプ動作で発射。緑の矢がキノコジカへと突き刺さった。
 それを木の下から偶然みていた古田 咲(p3p007154)が、眼鏡をくいっとあげた。
「ほう、絵師さんでしたか。いいですね。私は背景と同化していますので描写は不よ――おっと」
 つい癖でテンプレート発注文を述べようとしてしまったのを自ら制して、矢の攻撃によって弱ったキノコジカへ拳銃で追撃。
 倒れたところに駆け寄ってsorako*へ『後処理は任せてください』のサインを送った。
 そんな様子を遠くから眺めていたサーシス チャイネンシス(p3p007473)。
「大規模トレーニング、か」
 花蘇芳柄の着物を纏い、刀をさして歩くサーシス。
 彼の肩から飛び立ったカラスがわざと大きな声を出し、近くに身を隠していたキノコジカを追い立て始めた。
(未来ある若者達の何らかの役に立てるなら……意義もある)
 逃げたキノコジカめがけ抜刀。距離を飛び越して切断された足のせいで、キノコジカは派手に転倒した。
 獲物を直接狩るための斬撃ではなく、味方にチャンスを作るための斬撃である。
 チャンスを上手に受け取った花房・てふ(p3p000003)はボウガンを放ってキノコジカを的確に仕留め、それまですっかり消していた気配を表わした。
「流石、異世界。思いもよらぬ動物……植物? イキモノが居るンだねぇ。いやいや吃驚さ! でも少し食べてみたくなっちゃうね」
 仕留めた獲物へと近づき、処理を始めるてふ。
「おっと、先に仕留められちゃったか」
 キノコジカの習性を読んで先回りしていたヨゾラ・エアツェール・ヴァッペン(p3p000916)が調理器具を手に現われた。
 手にはスローイングナイフ。そして一度さばいて血抜きをしたキノコジカ。
 既に一頭仕留めていたようで、そのついでに仕留められそうな場所を回っていたのだろう。
「食べたいなら、一緒に調理しようか。もう一頭とれそう?」

 ビギナー向けの依頼とはいえ、ニューフェイスばかりが参加しているわけでもない。
 かなーり前からローレットにはいたが、こうした機会にしか顔を見せなかったという者も存在する。ラクタ(p3p000501)がその良い例だ。
「わたしもついに、仕事というものをしようと思ったのだが……」
 日傘を差してふわふわと浮遊し、そして淡く発光する。
 『なんぞこれ』という風に近寄ってきたキノコジカと目が合ったところで――。
「騙して悪いが、わたしはシカではない。邪神だ」
 といって、キノコジカの脳を直接焼いて死亡させた。苦痛は最小限にとどめるのが良い、ということである。
 一方で、庚(p3p007370)は自らの五感を澄ましキノコジカの居場所を探り出す。
 足音、息づかい、におい。そして踏み固められた草や土。木の皮の具合。そういった色々なものを材料にして……ついに、水辺でゆっくりと水分補給をする二頭のキノコジカを発見した。
 回り込むべきは風上。
 ナイフを静かに構えた、その時。
「御免!」
 水中から海星綱を伸ばし、その伸縮性をもって素早く飛び出してきた糸巻 パティリア(p3p007389)。
 手刀によってキノコジカの首をすぱっと切り裂いた。
 倒れるキノコジカ。もう一頭が驚いて逃げだそうとするも、素早く飛び出した庚の強襲によってキノコジカは崩れるようにその場に倒れた。
「ほほう、お見事でござる。早速仕留めた獲物を依頼人の元へ」
「そうしましょう。狩りは持ち帰ってこそでございますから」

 こうして、イレギュラーズたちは無事に一人一頭以上のキノコジカを手に入れ依頼主の元まで届けることが出来た。
 その数およそ100頭。これで今年も、人々はキノコジカの旬を堪能できるだろう。
 その影で活躍していたイレギュラーズに、よって。

●ローレット・ウェイターズ
 ちまたのパン屋ですらそれなりの戦闘力があるというこの混沌世界。ローレットには戦闘力や関連技能を要する依頼が沢山舞い込むが、その中でも戦闘力がまるで役に立たないケースが多々存在する。
 その代表例ともいえるのがコレ。接客業である。
「いらっしゃいませ~!! あれ? カリブくん元気ないのかな?」
「いら、しゃ……ませ。カシミアさんは、元気ですね」
「笑顔の練習もしましょう。はい! にこにこ~!」
「……にこ」
 カシミア(p3p005160)とカリブ・アルカディア(p3p006198)は開店前のカフェで挨拶を笑顔の練習をしていた。
「次は飲み物を運ぶ練習だね! 僕こういうの苦手なんだよねえ、うわっ!」
 複数のお皿を同時に運ぼうとして取り落とすカシミアと、それを華麗にキャッチするカリブ。
「カシミアさんにもできない事があるんですね……」
「得手不得手は人それぞれなんだね。お互い、一緒にがんばろうね!」
「じゃあ、私も……頑張ってみましょう……」
 やがてカフェはオープンし、待ってましたとばかりに沢山の客が入店してくる。
「かしこまりました。少々お待ちくださいませ」
 ホール経験があるらしく秋月 誠吾(p3p007127)は手慣れた様子でオーダーをとっていたが……。
「いらっしゃいましぇ、メニューはお決まりです?…でしょうか?
 しょ、少々お待ちくださいましぇ!」
 一方でソフィリア・ラングレイ(p3p007527)は不慣れな様子で言葉を噛んだり手元が狂ったり。
「あー。そこの嬢ちゃん。こういう仕事は慣れてないのか?
「その…こうやって働くのは初めてなのです」
「そうか……小さいのに頑張ってるな。客は取って喰いやしねーから、気負わずに頑張れな」
「は、はいなのです! ありがとうございますです!」
 戦闘作業のようにスパスパできないのは当たり前。お互いに励まし合ったり教えあったりして、仕事そのものを楽しんでみるのも、こうした接客系依頼の醍醐味である。
 そして醍醐味と言えば……。

「接客するならみんなとご一緒がいいのだわ!」
 【花一匁】なグループを組んで、梔子(p3p002050)は八人がかりで一つのクラシックバーへとヘルプに入っていた。
「アンジェラちゃんさんにはご飯の下拵えをお願いするのだわ。
 分からないならわたしちゃんもお手伝いするのだわ!」
「雑用は得意分野です」
 一生懸命働き過ぎてしまうアンジェラ(p3p007241)を適度に(そしてたまに過度に)休ませながら、梔子はステージにあがって大道芸を披露していた。
「わたしちゃんはこういうお囃子ポジションが大っ好きなのだわ!」
「今日のリラは店員さんだー! いらっしゃいませお兄ちゃん! お姉ちゃんかな? 席へどうぞー?
 おすすめはねーこれ! とこれ! あとこれなんかも。う~美味しそう……。
 えっ! 奢ってくれるの!? やったー大好き!!」
 一方では、リラ(p3p006987)が上手にコミュ力を発揮して客と自分を楽しませている。
 その様子を見て……。
「接客か。人と話すのは苦手だ……まあ、そうは言ってらんないよな」
 接客業の短期アルバイトを見つけてやってきた結々崎 カオル(p3p007526)は、早くもこの賑やかさにまごつきはじめていた。
 見目麗しいせいか立っているだけでも仕事になりそうだが、働かざる者喰うべからずとばかりに彼もステージに上がって舞踏を披露しはじめる。
「いらっしゃいませお客様~♪」
 店内がいい具合に賑やかになってきた所で、微睡 睡(p3p006590)も持ち前の柔らかさというか暖かさというかお布団感を活かして接客をし始める。
「あらあら~大丈夫? これ使ってね~?」
 姉というか軽く地母神(おかあさん)感を出しつつ、客をほっこりさせていく睡。
 睡もそうだが、今回依頼を受けたメンバーの中には結構なベテランイレギュラーズも存在していた。カナデ・ノイエステラ・キサラギ(p3p006915)もそのひとりである。
「まー、リハビリしてて依頼に参加しなかったりしてたしねえ……」
 と言いつつ、案外手慣れた様子で客に色気を振りまいてみるカナデ。
「おさわりにストリップは追加料金になりまーす」
 なんて軽口を述べつつも、うまく接客をこなしていた。
 この辺りはレベルに関係ないというか、レベルでどうにかできないセンスや性格の分野である。
 かといって慣れてなければできないかといえば、そうでもない。
「不慣れで、申し訳ないのですけれど、ご指導、よろしく、お願いします」
 接客分野は素人という閠(p3p006838)。
 あえてこういった経験をしてみたいということで、接客業にチャレンジした次第である。
 しかし持ち前の素直さと笑顔を武器に、うまい具合に店になじんでいった。
「あちらのお客様は、グラスが、空ですね…メニューを開いて、いらっしゃいますし、おすすめを売り込む、チャンス、かもしれません」
 そんな彼女たちに接客指導を行なってくれていたのが、彼者誰(p3p004449)である。
「いらっしゃいませ、お客様。何名様でしょうか? それとも御予約でしょうか?」
 そつなくスマートな接客。そして低く落ち着いた声。熟達した接客テクニックで、彼は仕事をてきぱきと回していった。
 かくして【花一匁】チームは、バーでのアルバイトをキッチリとこなしたのであった。

(俺みたいな現実見てばっかのリアリストが占いってのも皮肉な話だが……。負けられねぇ奴の背中を追うために、今回のトレーニングはいい近道だ)
 依頼書に【占術紳士】のグループ名で参加登録を果たした六人のイレギュラーズ。
 その筆頭である冬越 弾正(p3p007105)はイベントスペースで人生相談を受け付けていた。
「ヒトの生は短いようで案外長ぇ。迷う時もあれば、活路を見出せる時もある。大事なのは歩みを止めない事だ。先に進みゃ何かある」
 巧みな発声術で相手の気持ちを癒やしていく弾正。
 彼と横並びになったボックス席では黒猫亭 平助(p3p002229)が新たな相談者と対峙していた。
(わっちも悩み全てが解決したとは言えニャイですが、娘とようやく向き合えましたからニャア。困っている人を助けてスキルアップでにゃんス!)
 平助は客に紅茶をいれ、それによって現われた相から心が落ち着くようなアドバイスをしていた。
(人が笑顔になるお茶の淹れ方、まだまだ追求していきますニャ。皆の幸せを願って!)
 ここまでの流れからも分かるとおり、彼らのいう占いというのはなにも未来予知やサイコメトリーのような超能力をさすものではなく、相談者の気持ちを落ち着け前向きになれるように修正する、いわば心のマッサージサービスである。
 ある意味リアリストな彼らにはそういった立ち回りが向いていたようで……。
(付け焼き刃な占いじゃお客さんを困らせちまうから、俺はもう正攻法でお悩み相談でもするぜ!)
「細かくて難しい相談は、正直俺もよく分かんね。だって人生って全部に答えがある訳じゃねーだろ?
 イエスかノーしかねえ人生なんてつまんねぇし、面白くないだろ。だから今抱えてる悩み、一緒に考えようぜ」
 ピュアエル(p3p005358)は持ち前のさっぱりした性格で相談者と会話を弾ませ、かと思えば――。
(私としては他人の悲劇やお悩みが聞ける事がとても嬉しい。嗚呼、貴方はどのような哀の色を見せてくださるのですか?)
 クロサイト=F=キャラハン(p3p004306)は持ち前(?)のしっとりした性格と眼鏡占いというなんだかかわったアプローチで相談者に接していた。
「フレームの型ひとつで読み解く願望、私が埋めて差し上げましょう。さぁ、もっと近くにお寄りなさい。悪魔の名を冠したギフト、必ずや貴方のお役に立つでしょう」
 勿論正統派な占いでアプローチをかける者もあり、札貫 リヒト(p3p005002)タロットカードを使っていた。
(タロットカードに触るのは何年振りだろうな。若い頃は運命だ何だと騒ぐ奴らがまわりに多かったから、気づいたらやり方くらいは手に馴染んでいた。理由は単純。モテるからだ)
 先に述べたように、ここでいう占いとはコミュニケーションとセンスによる心のマッサージである。そういった意味で、リヒトの接し方はきわめて適切だった。
「アンタの運命全てがこれで見える訳じゃない。むしろ、俺は運命を変えるためにここにいる。不吉な死神も、愚かに吊られちまった男も、崩れる塔も……変えるのはアンタ次第。俺はその助言をしよう」
 そしてリヒトとはある意味逆のアプローチによって相談を受けていたのが、ヴァトー・スコルツェニー(p3p004924)であった。
「むしろ占って欲しいのは俺の方だ。かつて飼育の手を逃れた男とこの世で再会した。彼とのこれからを思うと何故か身体に熱が篭る。
 俺の思い出話の方が気になる?記憶を読み上げる行為なら難しくはないが……」
 彼は逆に身の上話を聞かせることで気分を転換させるタイプの相談を行なっていた。
 一人一人アプローチは違えど、訪れた相談者たちはみなどこかスッキリした顔で帰っていったという。

「おかえりなさいませ、ご主人様。今日は如何しますか?」
 定番、といっていいのかはさておき。ラピス(p3p007373)とアイラ(p3p006523)はメイドカフェでアルバイトをしていた。
(って言うか、僕、一応男なんだけど……無理矢理着させられちゃった
アイラもなんだか、むっとしてるし……うう)
(ラピス“ちゃん”可愛いですし、ボクよりも女の子っぽくて、むむむ……わわ、いけない。今はお仕事に、集中、です!)
 なんだか二人の間に言いしれぬ空気が漂っていたが、やってくる客は純粋に癒やしを求めているのみである。
 アイラの魅力にメロメロになったり、ラピスの振る舞いにほっこりしたり、おおむね好感触といった具合であった。
「ご主人様も一緒に、せーの」
「「おいしくなーれ、もえもえ、きゅん」」
 こうしてもえにもえてるメイドたちの中で……。
(まさか異世界でメイド喫茶で接客する機会が与えられるとは……。
 こちらの世界にきて学んだ料理やお茶の技術を駆使してご主人さまに満足頂きましょう!)
 メイド姿でグッと気合いを入れ、そしてめっちゃ紅茶とかいれてみる椎名・美由紀(p3p006697)。
「お帰りなさいませお嬢様。何名様ですか?」
 一方で定番が定番のまま終わらないのが混沌の世である。
 キノコが歩いたりお刺身が空を飛んだりする世界。変なお店も多々あるもので……。
「ふむふむ、此処は『猫耳メイド忍居酒屋』。
 お客様はちら見えするしっぽや服の一部、そして鈴の音に興奮する…姿を見られないのがロマン、なのだね!」
 ロルフィソール・ゾンネモント(p3p000584)は業の深さがどうにかしちゃったカフェにやってきていた。
 古ロリババアを囮にフロアの仕事をこなしていたが……。
「このハンバーグ……まさか……君なのかい……?」
 それ死体ってカテゴリにはいるの? いいの?
 一方夕凪 こるり(p3p002005)はあえて自分の存在を見せつけることで囮の役目(?)をこなしていた。
 身体につけた鈴をしゃらしゃらと鳴らし、仲間が動く隙を作るのだ。
「これで本当に喜ぶんですか…ぼ、僕、新しい世界を見た気がします」
 持ち前のすばしっこさを武器に、隙を見せた客にサッと料理を運んでは逃げるを繰り返すアルズ(p3p003654)。
「そもそも猫耳メイド服が恥ずかしいのですが、それなのに忍びなので姿を見せてはいけないとは、変わったお店です、ね?」
 姿を見られないためにあえて暗くした店内を、同じく朱・夕陽(p3p000312)がササッと駆け抜けていく。
「猫、メイド、忍。何れも己の存在を気取られずに、されど主人と共にある存在と聞きました。
そげな栄誉ある存在の末席に置いてもらえるなんて、嬉しかですね!」
 『だるまさんがころんだ』と『かくれんぼ』を一緒にやってるような感覚で、夕陽は少しずつ客に接近してそっとコーヒーをだしてそして逃げる。
 メイド喫茶(?)は業の深い客たちによって今日もだいぶ盛況であったという。

 こちらはとある酒場。料理を運んだりオーダーをとったりと忙しく動き回るリウィルディア=エスカ=ノルン(p3p006761)をはじめとして、何人かのイレギュラーズが一緒にアルバイトをしていた。
(イノシシ退治の話とかは聞いたことあるけど、私に出来る気はあんまりしないわ。相手が魔物や魔種ならなおさら無理! だからせめて、こう……)
「酒場で明るく出迎えてあげるの。それで役に立てるならこれほどいいことはないわ。そうおもわない?」
 トーラ・ファーレングッド(p3p007299)のいうように、明るく出迎えることも大事なお仕事である。
 レイ・ミーヴァ(p3p007391)もやってきた客の話をあえて聞いてあげたり、うまく演技をしたりと上手に接客をこなしていた。
(誰か困ってる人がいたら助けたりはできるかな。治安は良さそうだし問題はなさそうだけど……)
 試しに見回してみると、看板書きの仕事をしていた安里 真弓(p3p006709)があわあわと依頼書の束を片付けていた。
「ふふっ 優しい店主さんに似合う包み込む青空のような看板にしてみましたっ。これで大丈夫ですか? ええっ、次のお仕事ですか? ひええ~っ」
 そうこうしていると、酒場のステージでティラミス・ノーレッジ(p3p002540)が手品めいたパフォーマンスを披露しはじめた。
 子犬やウサギをシルクハットから出しては酒場の客たちを盛り上げていくノーレッジ。
 化と思えばアイリス・メルクーリ(p3p007533)とジェーン・ドゥ・サーティン(p3p007476)の通称【へっち同盟】がオトナなスペースでオトナな接客業をしていた。
「ねぇ、お客さん…ジェーンちゃんのこのコートの下見たくない? 今ならこのお酒を頼んだら…サービスしちゃうよ☆」
「い、いらっしゃいませ♪ あの…お客様。私と一緒に…飲んで、遊んでくれません、か?」
 同じようなアプローチで同じように客に接する二人が、ハッとお互いを見た。
 ライバル誕生の瞬間である。
 かと思えば。
「チップちょうだいよお客さん!!サービスしちゃうからリゼちゃんにつよ~~い装備買うおかねちょうだぁい……? にゅっふっふっふ……」
 ギリギリな格好でギリギリなことをするリーゼロッテ=バーゼルト(p3p005083)もいた。こうみえて役職はウェイトレスである。

「グフフ…ヤングマンたちを鍛えるのに接客バイトとな。
 ワシはこの業界において一家言あるどころではないぞ。
 元の世界では接待など日常茶飯事であったからの」
 諏訪田 大二(p3p001482)が成り金ムーブの限りを尽くしていた。
 自前のコネクションからコンサルタントをつなぎ、仲間たち(?)の接客能力をアップさせていくというムーブである。あれ、案外有能なこのひと。
 その横ではウィートラント・エマ(p3p005065)がお店の調査を行なっていた。
「何がどれほどの注目を浴びていたか、どれほどの儲けがあったか、果ては客の要望にいたるまでさまざまに調査するでごぜーます。これをまとめて活かすのでござりんす」
「ヤングマンたちよ、これを機に自分を磨き、存分にキャリアアップを目指すがよい」
 そんな彼らがまず向かった先は酒場を中心とした小規模な店舗が複数入ったモールであった。
「ここ最近情勢が中々に不安定だ! これから先どうなるのかもわからん! 不安だろう! だからこそだ! こんな時こそ全部忘れて飲み明かそうではないか! そのための酒の場であろう! なんなら我がサービスするぞ!」
 大声で酒場の宣伝をしかけるホロウ(p3p000247)。
「あれ? あれれ?? おっかしぃなぁ〜? みんな変な顔しかしーひん。
 というより、わいの言葉全く信じてへん。むしろ料理に対して不信感募ってへん? 嘘やろ? あかん、こらあかんて」
 一方では同じように宣伝してるのになんでか客がスーッてスルーしていく焛・アリシャ(p3p007007)。
「諏訪田様、これは?」
「適材適所。うさんくささがあるならあえてワルそうに宣伝するとよいぞ。真実みが抜けることで逆に信用を得るのだ」
 酒場では柩(p3p002276)がディーラー仕事をこなしていた。
 いつもの綺麗な格好をしてポーカーテーブルにカードを並べていく。
(イカサマもバレなければ立派な技術よ。いい感じに相手に勝たせて乗ってきたところを一気に毟り取る……そして、お店に大量の利益を与えてあげるわ)
「諏訪田様、これは?」
「ギャンブルをよく分かっておる。分かっているけどやめられなくするのがプロのディーラーというものだ。グフフ……」
 残る店舗は魚屋、定食屋、カレー屋、スイーツ屋、呉服店である。
「お魚安いですよー!特別セールですよー!」
 元気に魚を売るマリリン・ラーン(p3p007380)。
「礼儀作法もきっちりお勉強したし何千年も豊穣神扱いされてたもん! 奉納されてた農産物や海産物もずっと見てたしいいものを見極めるのもバッチリ! 私は売る方だけどね……ちょっとお客さん!? どこ見てるんですか! 私は商品じゃないですよ!? 大きい? どこが!」
 一方ではカレーがカレーを作っていた。
 まちがえた。
 春津見・小梢(p3p000084)がカレーをつくっていた。
「今日も今日とてカレーをぐつぐつと煮るのである。
 そうだよねー、私が出来る事なんてカレーを作ってカレーを食べることぐらいさ。
 よし、お店に入る前に素振りでカレーを作らないと(使命感)。
 カレー・ジャスティス!!!」
 適材適所。
 というかあるべくしてあった組み合わせである。
 中にはあえて普段のイメージから外れてみた者もいるようで、十鳥 菖蒲(p3p005069)は普段の銃撃ちまくりスタイルから打って変わって、銃をフライパンにナイフを包丁に持ち替えて定食屋でアルバイトをしていた。
「肉じゃが、カレー、コロッケ、からあげ……『おふくろの味』を作ってみせるわ!
 胃袋を掴み、そしてわたし(の料理)無しでは生きられない身体の男性を作ってみせる。
 25で結婚、27で一人目、29で二人目の人生計画の為!」
 いや、案外イメージは外れてないのかもしれない。
 はずれてないと言えば、ジオドリク(p3p006361)もその一人。
 氷菓子のショップに立って、『ゆきおとこちゃんアイス』という看板を片手に仁王立ちしていた。
 体格が体格なので見た者がギョッとするが、いざ買ってみるとフルーツにフッてやって冷凍したかと思えば拳でがつんがつん削っていくという……見た目通りなんだけどできあがったものがとても繊細という不思議なアイスになっていた。
「いらっしゃいませーっ☆ どうぞご覧くださ~~~~~~~~~~いっ!」
 一方こちらは女性用の服を販売する店でショップ店員になりきっているワン・FK・ワンダー(p3p007282)である。
 声のトーンも二段階くらい高い。
「そちらのお色なら、こちらの色が合うかと思いますよ……えぇ、えぇ、御髪ともよく合っていますね」
 一緒に接客をしているのはカシエ=カシオル=カシミエ(p3p002718)。
 仕立屋の経験を活かして客の求める服を上手にチョイスしていった。
 彼らは(中には謙遜する者もいるが)自分の才能や性格を活かし、たくましく仕事をやり遂げていたのである。

 レストラン『ダイナミックダイク』。
 ふつうのウェイター業務と聞いてやってきた烏丸 織(p3p005115)は、ビシッと制服を着込みホールへと出陣した。
「愛想振りまくのは嫌いじゃないぜ、面倒事は好かねぇけどな」
 持ち前の人当たりの良さやハンサムっぷりと存分に発揮し、そつなくホール業務をこなしていく織。
 こうした仕事は荒事が苦手な者にも人気があるようで、久世・清音(p3p007437)も危なくなさそうな仕事やねと言ってウェイトレスの制服を着用してホールへと出てきた。
「愛想笑い浮かべて感情や性根を見せんと『にこにこー』すればええんやったら、少ぉしだけ得意やわぁ」
 持ち前の、というか地元仕込みの接客術(もとい誘惑術)で客にオススメを選ばせるチャレンジを独自にこなしていた。
 二人ともだいぶ店の売り上げとルックスイメージを引き上げていた……が、その一方。
「お兄ちゃん、いらっしゃい!
 お兄ちゃんなら、私に会いに来てくれるって信じてたよ!
 え? オムレツ? お兄ちゃん、確かオムレツ大好きだったよね? 実は私も、オムレツ得意料理なんだよ!
 はいどうぞ。ケチャップでハートマークも描いてあげたよ。
 …お兄ちゃん? どうしたの?食べないの? 大丈夫、私が食べさせてあげるから! あはは…お兄ちゃんにあーんして食べさせてあげられるなんて…嬉しい、すごく嬉しい! あはは、あはははは!」
 イ = モウト(p3p006766)が軽く客の正気度を奪っていた。
「オッケェーーーーイ!!今の俺はアルバイトマン!!店長の命令は絶対!!!ッシャア!!レジ行ってきます!!っしゃーせぇ!!!ラブライス100人前!!厨房急げオラッ!!少々お待ちくださいお客様!!ただいま大変ラブ混雑!お待ちの間にダイナマイトキックはいかが?? ワァオ!!ツンデレメイド喫茶な俺!!このキックはあんたのためじゃないのよ仕事なのよ!!きぃ!ツンツン!デレツン!デレツンツン!!お会計払えオラッ!帰れ!!チュ」
 ラヴィエル(p3p004411)は客どころか店の正気度も奪っていた。
 もうなんか軽く芸術みたいな接客テクを見せつける二人。甘蜜 詩業(p3p006975)はそんな彼らをよそに『いらっしゃいませ』から始まるテンプレートを唱える機械と化していた。
 これ俺の天職じゃね。極めるわ俺。とか思っていたが。
「お、なんかこの料理彩り少ねぇッ!
 俺の腕にブチ生えてた紫でクールな匂いのするヘンテコな花(ラベンダー)散らしとくかぁ!!
 うわめっちゃおしゃれぇ〜〜SNS映え〜〜〜!! そんで身体に良いぜぇ、きっと!」
 結局ノリで客の正気度を奪いにいった。

「さーて、あの子も頑張ってるのだから、頑張らないとね」
 秋月・キツネ(p3p000570)は腕まくりをしてバーのフロアへと入っていった。
(わたしの知らないような所だし、何か参考になる事も有るかもしれないわね。
 確かにお店はしてるけどこういう所でのわたしはただの素人。ちゃんとバイト先の人の言う事を聞かないといけないわね)
「さ、しっかり働くわよー。いらっしゃいませ!」
「ええしっかり働きましょう。わたくしは大人なので。なんでしたら歌の一つでも披露してみたり踊ったりもできます。大人なので」
 白嶺 絆楔(p3p007126)は大人部分を強調しながら店に入り、以前に聞いたという接客術を披露しはじめた。
 というのも。
「あちらのお客様からです」
 といって身に覚えの無い客を指さすというマッチングテクニック。別名無茶ぶりである。
 それを横目に、鷲生 文(p3p007024)は店にやってくるイケオジに酒を出しつつ、悩みを聞きつつ、そんなあなたにお勧めの商品がというノリで商売トークを持ちかけてみた。
 いずれもただでは働かぬたくましい少女(?)たちである。
 そんな中で母性を発揮しまくる哀坂 信政(p3p007290)。
「こんな服もこんな洒落た酒ってのも何も経験ねぇってのによ……ほら、オメェは飲みすぎだ。自分の力で帰る事が出来て初めて一人前なんだぞ?」
 信政の母性にヤられていく客たち。
 そんな彼らの心を更に癒やすべく、ティルティシア=モルダ=ダルバザルデ(p3p000678)はステージへと立った。
 彼女(?)の演奏する牧歌的なアコースティックギター演奏が店に流れはじめ、同じくステージに立った狗尾草 み猫(p3p001077)が美しい演舞を披露し始めた。
(うちは荒事は得意やあらへんし、かといって野山の事にもさして詳しゅうあらしまへん。
 せにゃから、うちは、お店を盛り上げる手伝いをさせてもらいましょう)
 二人の演奏と舞いは人々の心を癒やし、みなの気持ちが安らいだところで、フェリシア=ベルトゥーロ(p3p000094)がステージへと上がった。
(どうしてわたしが、こういうことを知っているのか、覚えてません、が……身体に染み付いているもの、ということでしょうか……?)
 演奏に合わせてうっとりと歌い始めるフェリシア。
 彼女の美しい歌声が、バーを満たしていく。
 まるで銀色の波にもまれるように。暖かい海に沈んでいくように。
 夜は、音色の中に閉じる。

 長い夜を優しく過ごすための場所。
 カフェ『ホワイトドール』のカウンターには、ジェラルド・ジェンキンス・ネフェルタ(p3p007230)が正装をして立っていた。
「あらちょっとアナタ、吹出物が出来てるじゃない! 折角の可愛い顔が台無し!
 ほら、お茶飲んで飲んで! この薬草軟膏あげるから寝る前に塗りなさいよ?」
 見た目の渋さに反してテンション強めのオネェ口調で、やってきた客へいい具合にからんでいく。
 その横ではラァト フランセーズ デュテ(p3p002308)が美しい手際で美味しい紅茶をいれていく。
「私常々思ってたんだけどさァ夜ってお酒を楽しめるとこは多けれど、お茶を飲めるとこって少なくない?
 だからバーとかでお酒を飲めない・飲まない・飲みたくない人達の為に紅茶を出したいなって。
 楽しいひと時を過ごして貰って……そして紅茶も好きになって貰えれば僥倖ね!」
 一方で店内を忙しく動き回る湖宝 卵丸(p3p006737)。
「卵丸、男、男なんだからなっ!」
 見た目のかわいらしさ(?)からかそれとも依頼主の趣味か、女性用の制服を着せられた卵丸は顔を赤くしながら店内のモップがけをしていた。
 その足下をとことこと横切るリック・ウィッド(p3p007033)とはぐるま姫(p3p000123)。
「ローレットにはこういった依頼も来るんだな、面白いぜ!」
 トレーにのったグラスがゆれるたび、リックになじみ深い波がおこる。
「おれっちは身体こそ小さいが、だからこそ出来ることは色々あるぜ」
「よくわかっているわね」
 トレー片手に歩くはぐるま姫(p3p000123)。
 しばらくローレットを離れているうちに仕事の幅は広がるはできることは増えるわでちょっぴりせわしないが、はぐるま姫の貫禄はそのままである。
「こういうお店にぴったりの礼儀作法をおしえてあげる。二つ名持ちは伊達じゃないんだから」
 そつなくこなしていく姫とは別に、シルフィナ(p3p007508)がてきぱきとコーヒーをいれたり運んだりという仕事をこなしていた。
 流石元プロメイドといった具合である。
(空中庭園に召喚されてローレットへと所属することになってしまった事、新しく決まっていた奉公先には申し訳ないですが……)
 できることをやっていく、というのも人生。これも何かの縁である。
 シルフィナたちは静かな夜を、素敵に楽しく彩っていった。

●ローレット・ファイターズ!
 ゴブリン退治。それはもしかしたらローレットイレギュラーズが最も多く受けるモンスター退治のジャンルではなかろうか。
 仮にそうでなかったとしても、味方との連携や力試しにはもってこいの相手として、ゴブリンは幻想各地でよく殴られている。
 中でも殴られランキングの高そうな『プチゴブリン』が、今回の討伐対象であった。
「番犬、さん? 不思議な名前ですね。よろしくお願い、します」
 プチゴブリンが発生しているという丘へ向かうドロシー・アイリス・エフィンジャー(p3p007491)と、フェルネルの番犬(p3p007492)。
「ど、ど、どっ、ドロシーさん。よ、よ、よろしく、お、おねがいします」
 どうも二人は初対面のようで、若干のぎこちなさはあるももの……いざ戦闘となれば否が応でも連携せざるをえぬもの。
 フェルネルの番犬はなじみの杖を高く掲げて花のようなエネルギー体をいくつも空中に咲かせた。
「っっ! ど、どっ、ど、どぉっ…!」
 杖を振り下ろし、プチゴブリンめがけてエネルギー体を発射するフェルネルの番犬。
「はい。ええと、どうしました?」
 一方で落ち着いた様子のドロシー。
 抜刀と同時にゴブリンへと詰め寄り、相手が棍棒を振り上げるよりも早く切りつけた。
 ほぼ同時に花形のエネルギー体がゴブリンにぶつかり、バラ色の爆発を起こしていく。
「丁寧な支援をしてくて、助かりました。早速次へ行きましょうね」
 二人のようなコンビプレイが今回はあちこちで生まれていた。スピカ(p3p006464)とシャウラ(p3p006463)もそのひとつである。
「シャウラ。俺が怪我したら治してよね? 貸しとか言わないでよ?」
「はいはい。治癒ならしてやるけど、後で美味い飯でもつくってくれな?」
 最近妙にやる気だな、と片方の翼を広げ始めるシャウラ。
 スピカは駆け寄ってくるゴブリンから距離を取りながら魔力銃を連射。ゴブリンの手から棍棒を取り落とさせ、更に呪いの力を込めた魔力弾を相手の額へと打ち込んでいく。タイミングを合わせて力の塊を矢のように打ち込んでいくシャウラ。
「久しぶりにいい運動になった、ね」
「まー、な」
 そんな二人の後方から新たなゴブリンたちが接近。
 回り込まれはした、が。
「マスター、魔女……!」
 飛び出していったフリウ・F・リースアール(p3p007367)が、ゴブリンめがけて跳び蹴りを繰り出す。
 彼女の軌跡を描くかのように幻の花弁が咲いては溶けていく。
 それをキッカケにして、ユメ(p3p007344)とアオ(p3p007136)がそれぞれの武器を手に砲撃を仕掛けていく。
「さあさあ始めようじゃあないか!楽しまなければ意味がない!」
「壁役のおいたんがいないから各自無理しないように。おいたん? レベル制限により不参加だよ」
「壁がないなら破壊するだけなの」
 アオは頭にのせた緋狐をそのままに、ゴブリンめがけて召喚岩石を叩き込む。
 一方のユメ(p3p007344)は毒々しい色をした炎を手のひらに浮かべ、ゴブリンめがけて発射していく。
 彼女たちの攻撃によってたちまち壊滅していくゴブリンたち。
 追撃をはかるためにミュリエル(p3p007011)と日車・迅(p3p007500)によるチーム【霊狼】のコンビネーションアタックが開始された。
「まあ、何て沢山の人でしょう。この人達全員が駆け出しなんですね……。
 プチゴブリンも数が多いとの事でしたが、これなら心配無さそうです」
「ですが囲まれたら危険でしょうから油断せずにいきましょうね、ミュリエル殿!」
 迅はゴブリンに開幕の跳び膝蹴りを食らわせると、相手の棍棒を奪って強引に殴りつけた。へし折れる棍棒。
「安全第一ですよ。怪我をしてはいけませんからね!」
 その一方でミュリエルはタクトに祈りを込めて治癒魔術を発動。ぼこぼこ敵と殴り合う迅を回復していく。
 そこへ。
「離れてな。巻き込んじまうからよぉ……。今だけは限界目指してぼこちゃするだけだ!」
 ぴょいーんと飛び込んでいくハムスター着ぐるみ。もといだいすけ(p3p007482)。
 オラーと言いながらきぐるみブレイクダンスを仕掛けると、周りのゴブリンたちがぽこぽこと吹き飛ばされていく。
 そこへ、Azathdo=Hgla=Thusxy(p3p005090)が……!
「z……z……」
 とみせかけて眠ったままジェット噴射でゴブリンへ激突。一撃離脱でそのままどっかに飛んでいった。
 なんだったんだアレという気持ちを一旦振り切って、カナデ=ミナヅキ(p3p006911)と、ルゥチェ(p3p007539)がゴブリンたちへと突撃。
 カナデは身体の固さを活かしてゴブリンとぶつかり合い、ルゥチェ(p3p007539)は無理なく立ち回るべく味方と協力してゴブリンへの攻撃を仕掛けていく。
「よし、今だー! おらー!」
 味方の攻撃がいい具合に重なったところで、ノアルカイム=ノアルシエラ(p3p000046)がマジックロープを放ってゴブリンの首を締め上げた。
「だいぶ分かってきた!」
「首締めるのばっかりうまくなってない?」
 ……といった具合にプチゴブリンを次々と倒していくイレギュラーズ。
 一方で、ただ飛び込んでいくだけでなく自分たちなりの作戦を立てる者もいた。
「この世界に来てから強い人たちの顔色を窺ってばかりでイライラしてたのよね。
 今回は弱い相手を沢山殺してストレス発散できそう。
 元の世界の口うるさい先生みたいに頭を消し飛ばしてあげるわ!」
 メリー・フローラ・アベル(p3p007440)はプチゴブリンがすみかにしているらしい洞窟の前まで来ると、持ち込んだ道具を一旦広げた。
 ばけつ。のろし。ランプ。たいまつ。そして式神札。
 ぽいっとなげた札を1mほどの木人形にかえると、松明とバケツを持たせて洞窟の中へGOさせた。
 そしてしばらくすると。
 もくもくと洞窟からわき出る煙。
 むせながら飛び出してくるプチゴブリン。
「出たわね! 今よ!」
「さぁさぁ、がんばっていこうか。雑魚ばかりらしいけど、数は多いようだ。油断は禁物だね」
 待ち構えていたラース=フィレンツ(p3p007285)がむせるゴブリンへ先制攻撃。
 予めちょっと掘って置いた浅い溝に足をとられて転倒したゴブリンを、ほぼほぼ一方的に殴りまくった。
「全てお掃除するまで気を抜かないようにね!」
 同じく戦いに加わったネリ(p3p007055)も、モップを振り上げてゴブリンの頭をどっかんどっかん殴りつける。
「ネリたちまで怪我したら本末転倒。無理せずいくのよ!」
 勢い余ってモップスイングでゴブリンを真っ二つにすると、急いでその場から離脱していった。
 とはいえ、奇襲作戦が通じるのは最初のうちだけだ。
 混乱がひいていき、ゴブリンたちが調子を取り戻してしまうまえに、一気にカタをつけなければならない。
「みんなーーー!!! 今日も元気かーい!!
 憎たらしいくらい元気だねーーー!!! ゴブリンはきもいから死ね」
 加勢にやってきたヌト(p3p007269)。大量の骸骨たちを呼び出して一緒に踊りながらゴブリンをべきべきに踏みつけていく。
「なぁごなぁご、なぁご! 暴れよー」
 ナイフに炎を纏わせたティエル(p3p004975)がゴブリンにナイフを突き立てる。
 最近鈍っている戦闘感覚を取り戻すため、今回は人形しばりである。
 更に、なんかいつの間にかしれっとゴブリンたちの間に立っていた宮田・ラインバルド・遥華(p3p007403)が『わたし宮田、よろしくね!』とか急に名乗り始めた。メッセージウィンドウつきで。
 あまりの奇抜さに、状況を立て直しはじめていたゴブリンたちがハッと振り返る。
「オォ……皆様を、お守りします」
 そこへうぎょっと現われるビジュ(p3p007497)。
「ゴブリンの群れよ、かかってくるが良い」
 身体のあちこちから眼球だらけの腕(?)をぼこぼこ伸ばし、その全てをゴブリンめがけてラッシュで叩き付けていくビジュ。
「私の芸術力、衰えてないといいけど……力のアート……!」
 そこへさらなる追撃を加えていくロスヴァイセ(p3p004262)。
 描き出した暴風の絵画がそのままエネルギー体の嵐となり、ゴブリンたちを一掃していく。
「まあ。こんなものかしら……?」
 ロスヴァイセの例に漏れず、長いブランクから帰ってきた猛者たちも少なくない。
「あら可愛い、一匹くらいペットとしてお持ち帰り出来ないかしら?」
 アレクシエル(p3p004938)は逃げだそうとするゴブリンを掴み取り、残るゴブリンたちめがけてエネルギーブレスを吹き付けた。
 吹き飛び、はじけ飛んでいくゴブリンたち。
「あーあー、んっんっ。よしっ、喉の調子も悪くないわ」
 そんな中でマイペースに戦う美城・誠二(p3p006136)。
「ほかにもできることがあればいいのだが、いかんせん不器用なものでな」
 そんな風にいいながら、自らゴブリンの囮となって次々にゴブリンの攻撃を弾いていく。
 そうして弱った所を、ソルドゥーロ・フシーロ(p3p007428)が的確に剣を突き刺して倒していく。
「まぁ、雰囲気をつかむにはちょうどいい依頼かもな。
 新人さんも多い見てーだし、肩の力抜いてやろうかね」
 特別な要素のからまない集団戦闘である以上、大体において数の多い方が勝つ。
「こうしてローレットの依頼として参加するのは初ですね!
 もう私の出来る事は仲間を癒す事なので!
 我が癒術を括目して見よ! …なんてね」
 ククリ・P・ミストレイン(p3p007504)は安全な所から透明なリボンを放ってゴブリンに巻き付けていく。
 そうして隙の出来たゴブリンに葛葉 文姫(p3p007506)が急速に接近。
 目にもとまらぬ速度で刀を放つと、ゴブリンの首を次々と落としていく。
「ふむ。色々と試せそうじゃ」

 洞窟を越えて更に奥。
 岩が多く戦いづらいエリアを、ルクト・ナード(p3p007354)は背部ユニットによる推進力で飛行していた。
「あまり高度を取り過ぎると戦闘精度が落ちるな。であれば――」
 ルクトはあえて地面すれすれまで高度を落とすと、前方に見えたゴブリンめがけて右腕部レーザーガンユニットからゴブリンめがけて連射。
 更に両腕ユニットをあわせた高出力レーザーを発射することで複数のゴブリンを一度に打ち抜いた。
 そこへ仄 火燐(p3p007317)が突入。
「僕の得意な戦闘は速さです! 移動距離こそないですが…」
 素早い動きでゴブリンを切り捨てると、そのまま素早く離脱していく。
 追いかけようとするゴブリンを見極め、ジュディス・バルヒェット(p3p001757)がライフルで的確に射殺。
(力をつける必要はあるけど、あまり他の者と慣れ合う気はしないのよね。
 私は一人で狙撃手に徹させてもらおうかしら)
 あえて大勢に混じらず、後方からの射撃支援に徹するメンバーもいた。
 シャスラ(p3p003217)はイエローのメットシールドの内側を淡く光らせ、槍上の装備をライフルのように構えた。
「集団戦を行うに当たって、前線に立つ者の負担を可能な限り減じよう。今はそれが……」
 古い記憶を、首を振って振り払い、逃げ出すゴブリンを狙撃によって倒していく。
 一方で、仲間を積極的に助けるべく前へ出て行くマキーニ=ヴェルツ=ベアール(p3p005033)。
「ゴブリンという奴はこれで案外凶暴で狡猾でな女子供をよく狙うからどんどんと駆除せねばならん」
 直感頼りで突撃し、ゴブリンに激しいタックルを浴びせるマキーニ。
 そんな彼の攻撃に遭わせるように、ケント(p3p000618)の鋭い剣がゴブリンを破壊する。
「なんだか可哀想な気もしてきてしまうな。
 だが、人に危害を与える存在には違いない。
 相いれないのならこうするしかないのかもしれないな」
 甲冑を装備した二人が、岩陰から飛び出してきたゴブリンの反撃へと対応する。
 そこへ、同じく飛び出してきたカンベエ(p3p007540)が手のひらを翳すようにして名乗りを上げた。
「さあさあさあ! わしが郷在のカンベエでございます! わしの命が欲しい奴はかかってこい!
 ひよっこも倒せんでは魔物の名も泣きましょう! 遠慮はいらぬ! 怯懦は許さぬ! わしを殺しに来なせえ!」
 カンベエの堂々とした名乗り文句に、ゴブリンたちは思わず注意をそらした。
 襲撃をかけるなら今である。
 ゴブリンがカンベエに集まったのを確認して、メル・ディアーチル(p3p004455)は安全戦闘高度まで下がり翼を広げ、魔術弾を次々にホーミング発射していった。
「僕ァ飛行種だし開けた場所の方が得意なんだよね。こういう状況はもっと得意♪」
 セレスチアル(p3p007347)はイーゼラーへの祈りを捧げ式神を呼び出すと、ゴブリンへと襲いかからせる。
「相手はゴブリン低俗な生き物……イーゼラー様に魂を捧げる必要はなさそうか。
 私もゴブリンの肉を口にいれる趣味はないからな
 まあ、戦いながら良い人材がいるなら『今後』で考えようか……」
「大人しく私に脚を寄越……イーゼラー様の元におかえりくださいねー」
 そこへさらなる追撃を仕掛けていくピリム・リオト・エーディ(p3p007348)。
 ゴブリンをたたきつぶすと足をもいで回収していく。
 途中でセレスチアルと目が合ったが、『今日はソロなんで』という具合に軽く会釈だけをして去って行った(脚をもって)。

 プチゴブリンの丘を七割方制圧したイレギュラーズたち。
 ついにプチゴブリンが最も多く潜んでいるという大洞窟へとやってきた。
「戦闘なんてめんどくせぇが……今回はちょいとやってみるか。ご褒美貰えるらしい、し」
 ふらりと洞窟へと足を踏み入れたスティーブン・スロウ(p3p002157)。
 奥から次々現われたプチゴブリンめがけ、自前の緊縛アイテムを次々に放ち、足や腕を縛りつけていく。
「亀甲、逆手、小手! ……やべぇハイになってきた」
「あぁ、日の光が差し込む世界に来られたと思ったら……まさか戦うことになるなんて」
 しかも味方がなんだかいかがわしい。
 ロゼ・グランテリア(p3p007493)は『ままならないものですね』と息をついて頬に手を当てた。
 そんなロゼめがけ襲いかかるゴブリン。
 が、飛びかかった時には既に魔術の歌が複詠唱術によって始まっていた。
 ロゼにふれることすらできず、内側から爆発するゴブリン。
「私、戦うのは好きじゃないのですけど……やらないといけない時もありますし……」
「チッス先輩方! 俺もトレーニングのためにプチゴブリンをぶちのめしに参加させてもら――美女!」
 ヨッシャーと言いながら飛び込んできたアスカ・クローベル(p3p007434)が秒で意識をもっていかれた。
 頭をぶんぶん振って気を取り直すアスカ。
「わかってるけどダメなもんはダメなんだ! でもこの先こういう機会が多いなら頑張んなきゃな! よし! やるぜオレ! みててくれよな美女!」
 後ろ向いたままのアスカ。
 飛びかかるゴブリン。
 裏拳で殴り落とすアスカ。
「うるせー! 今美女に話しかけてるとこだろーが!」
「楽しそうだね?」
 ポケットに手を入れたままのひつぎ(p3p007249)。ヘッドホンから小さく何かの音楽が漏れ聞こえている。
 それでも案外外の様子が聞き取れているようで、ヘッドホンの側面を指でくるくると操作しては選択したヒールミュージックを外部に開放していく。
「まあ、弱いゴブリンといっても数は多いし、油断しないようにね」
「ワシのいた世界にもおったが子鬼どもめが、木洩れ日の様な優しき口当たりの極上の乳酒を生み出す山羊を痛めつけ食うじゃと、許せん……絶対に許さぬ! 己らが行いがいかに愚かかを思い知らせてくれる!」
 そこへ猛烈な勢いで突っ込んでいくドワーフ、ワッツ・レイドリック(p3p007528)。
 鼻と頬を酒で真っ赤に染めながら、でっかいハンマーでゴブリンをぶったたく。
「泣いて平伏し山羊に謝らんかいっ!」
 更に依狐(p3p007032)の両足から影が伸び、炎となってプチゴブリンを包んでいく。
 たちまち燃え上がったゴブリンを眺め、ふうと息をつく依狐。
「ゴブリンを沢山殴る依頼って聞いたけど、思ったより沢山殴れるね!」
「かも、しれませんね。少々お下がりください」
 ポケットから緑色の試験管を取り出すステラ・グランディネ(p3p007220)。
 新たにやってきたゴブリンたちめがけて投げつけると毒の煙を展開させた。
「戦力差が明らかならば、速やかに殲滅させた方が被害は少ない。道理ですね。あとは頼みます」
「うむ、任されよう」
 いっちに、とラジオ体操をしていたニル=ヴァレンタイン(p3p007509)。
 胸を反らす体操を終えた所で、両手を腰に当ててゴブリンをにらみ付けた。
「この世界に来てロクに身体を動かしておらんかったからのう? ちっとは戦って、力を取り戻そうかや?」
 棍棒を構え、突撃してくるゴブリン。
 が、ニルは両手を腰に当てた姿勢のまま鋭い回し蹴りを繰り出した。
 更に頭についてるあの骨みたいな角みたいなやつが勝手に動いて周囲のゴブリンたちをざくざく刺していく。
「これくらい一人でこなせぬと、魔王の名が泣くからのう? クックック……ゴブリンども、どこからでもかかってくるが良いわ」
「おいおい、独り占めはよくねーぜ。俺にも分けてくれよ」
 ショーテルをくるくると回転させながら現われるライディス・クリムゼン(p3p007498)。
 ニルがよかろうと言って道をあけてやると、ライディスは素早くゴブリンに斬撃――と見せかけてショーテルを投擲。
 ゴブリンの腹に突き刺さった所で回し蹴りからの肘。目にもとまらぬ連続攻撃でゴブリンを完封していく。
これでも傭兵もやってたんでな、酒場でサイコロ転がすばっかじゃねぇんだよ!」
 そんな彼へと襲いかかるゴブリン。
 跳躍し、棍棒を振り上げた――ところで、桐生 楪(p3p007157)の銃撃がゴブリンを打ち落とした。
 両手でしっかりと銃を握り、足を肩幅に開いた姿勢で銃を構える楪。
「ふう……これを射的ゲームとでも思うようになったら、この世界に馴染んだという事なのかしらね?」
 それとも、リアルだと割り切れたら……なのかしらね。
 なんともいえない表情で呟く楪。
 伊佐波 コウ(p3p007521)はそんな彼女の横を抜け、猛烈なタックルを浴びせた。
「戦場に大小は関係ない。
 こやつらが村や街に下りれば一般人にまで被害が及ぶ。
 ここは鳳圏(故郷)では無いが、ここに暮らす人々に恩義はある。
 義を見てせざるは勇無きなり!
 小鬼共の屍を以て幻想の民への恩へ報いよう!」
 押し倒したゴブリンに毒矢を直接叩き付けると、別のゴブリンめがけてボウガンを放つ。
 音所 輪華(p3p005154)はそこへ加わるようにして、片手で顔半分を隠すように構えた。
「一切の慈悲はいらないわ。ゴブリンは蹂躙されるべき存在だものね……」
 フフフと笑いながらシャープに構える輪華の額に突然の投石。
「フフ……一度聞いてみたいわね。ゴブリンに伝わる死神も人間と同じすがげふう!」
 もんどりうって倒れる輪華。
 後からぶわーって浮かび上がった死神がびっくりして振り返る。
「む、無傷よ……」
 口と額からだらだら血を流しながらもっかい同じポーズをとる輪華。
 死神は『本当に? 大丈夫? 魂抜く?』って感じで心配そうに見ているが、ゴブリンが追撃しようとした途端にはいデスマーク。ゴブリンは死ぬ。
「戦いには自信がないですが、少しは戦う事にも慣れていかないといけませんよね」
 ジョージ・ジョンソン(p3p006892)がそこへ駆けつけ、倒れた仲間に自前のポーションをのませ始める。
 甘くて美味しくてなんかシュワシュワしたいいポーションであった。
 そんな彼にも容赦なく襲いかかるゴブリン。
 あわやジョージ……と思いきや。
「わ、ら、ライトニング!」
 ポケットから出したインスタントマジックカードを投げてゴブリンたちを一息に抹殺。
「うう、やっぱり攻撃役はいまいちなじみませんね……」

 洞窟の奥へと続く道。
 ルチア=ウェンデル(p3p004943)はツタでできた鞭をくるくるとやりながら、襲いかかってくるゴブリンを殴り倒していた。
「ふーむ。私は素手で殴った方が早いのだが、せっかく仕事で頂いた武器だからな……」
 といってぼこすか殴ってみての感想、であるが。
 自らを強化してちょいちょい自己回復しながら通常攻撃で殴り倒すルチアのスタイルに……案外合っていた。
「もっとこう、力強いストロングなパワフリャ武器に出会えればいいのだが。【致命】や【防無】がついていると尚よし」
 とかいいながら鞭を拳にぐるぐる巻きにし、ついでに女王蟻の首に手を突っ込んでゴブリンを殴る。
 最終的にハンドクロー主体のスタイルになるルチアであった。
 やはり己のスタイルを貫くのはよいもの。
 ティリー=L=サザーランド(p3p005135)もまた、己のスタイルを物理的に貫きにやってきた。
「自分の修練はもちろん、他の方との連携も考えることが出来る。
 それに、自分を見直すのにピッタリだわ」
 派手な大砲を肩に担ぎ、ゴブリンめがけて突撃を仕掛けるティリー。
 仲間が戦うその隙を縫うようにして砲撃を仕掛け、ゴブリンを次々に打ち倒していった。
「フハハハ!何だか知らないけど初依頼で大規模の依頼に入れたのは幸先良いわね!
 ここで目立って我が一族の有用性をアピールしてくれるわ!」
 そう、そしてここにもまた己のスタイルを物理的に貫く、ないしはえぐるマナ・板野・ナイチチガール(p3p007516)が!
「おう? 誰だ、今笑った奴。喧嘩売ってるの? 私のまな板の餌食になりた――おまえかーッ!」
 手に持ったまな板をゴブリンの頭にセイ!
 返す刀で別ゴブリンの脇腹にセイ!
「フフン! さあ、プチゴブリンが私の色気に惑わされてる間に皆で攻撃すればいいじゃ――まな板つったの誰だー!」
 まな板の角で更にセイ。
「面倒だー。ああ面倒だー。
 だけど、実家に帰っても面倒だしなぁ。
 ちょっとは頑張ってるって評価表、送らないとねー」
 そこにさも面倒そうにぐんにょりしたミディ・アルマナーク・エルデルネ(p3p006967)が、『そうはいっても武力は正直』なパンチによってゴブリンを殴り倒していく。
 そうしてふらついたゴブリンたちへ、紗恵・ヴォルグラート(p3p007134)が風のような踏み込み、そして抜刀。
 光のごとくまっすぐな斬撃によってゴブリンの首を落としていく。
「流石に数押しで家畜をやられるのは経済的に痛いですし此処で片付けましょう」
 更に奥へと進んでいくイレギュラーズたち。
 София・Ф・Юрьева(p3p006503)は両手にタクトを構え、それまで多少なりともダメージを受けた仲間たちに回復術の光を送っていた。
「私も戦闘はあまり得手ではありませんの。
 けどこんな依頼とはいえ弱った人を狙われては危ないですから、傷付いた人はすぐに癒しますの。他に怪我をした方はいらっしゃいますか?」
「怪我をした者は手を上げよ! このドゥルダーカ印の回復ポーションを無料で進呈しよう!」
 エンヤス・ドゥルダーカ(p3p000069)がニヤァってしながらポーションボトルを掲げて見せた。
 折角だから脳内を覗いてみよう。
(余は楽して強くなりたい!例えプチゴブリンだとしても我が手を汚すことは面倒でならん!
 そこでこのポーションをウブなビギナーズに提供! 怪我の不安も減り、ゴブリン退治も捗るというもの!)
 狙いはともかくなかなか嬉しい途中回復。
 イレギュラーズたちは体力を整え、洞窟の奥地へと突入していった。
「相手がどんな敵であれ、戦えるのは良いことです。
 私としては、戦えたら何でも良いのですが。他人が助かるならそれはそれで良いことですよね。殲滅出来たらいいですねぇ。そっちの方が楽しいですし……!」
 イサベル・セペダ(p3p007374)はにこおっと笑いながら襲いかかってくるプチゴブリンの棍棒と掴み取ると、相手の頭を鷲づかみにして岩壁に叩き付けた。
 その調子でがっつんがっつん振り回しながら、井戸端会議する主婦みたいに朗らかに笑う。
 加勢しようとしたゴブリンへ、スピネル(p3p007274)の掌底がきまり、周囲のゴブリンもろとも吹き飛んでいった。
「ふっふーん! ゴブリンぐらい、あたしなららくしょーらくしょー!
 数は多いけど、あたしにはこの秘伝書が…………ハッ、燃えた!」
 開いて読んでみたらぼわって燃えて無くなる秘伝書。
「技は書にあらず。心にあり、じゃ……」
 なんか意味深なことを呟くジジイ。
 誰このジジイという顔で振り返るスピネルとゴブリン。
 ジジイは『じゃっ』といって手を翳すと煙の如く消えた。
 スピネルはその隙にゴブリンに足払いをかけて転倒したところを足つかみーの振り回しーの投げとばしーのころしーのしていた。
「あっ、すごい! 秘伝書に書いてあった通りだ!」
「…………」
 ツッコミを入れたいが急に話しかけていいのかなって考えながらじっと見つめるAdelheid・Klarwein(p3p001610)。
 宝塚系の顔立ちと精悍な雰囲気も相まって、スピネルが『ひい』とか言い出した。
 クッと顔を背けるAdelheid。
(まあいい。コミュ力がなくても仕事の話はできるものと言う。ここは戦いの流れでノリをあわせるしか……!)
 腰から抜いた液体金属をたちまち剣にかえると、Adelheidはゴブリンめがけて斬りかかった。
 周囲から飛びかかるゴブリンを次々に打ち払うAdelheid。
 そんな彼女のもとへ!
 ベッツィー・ニコラス(p3p006864)が!
「遅れてすまない。ポジションはクラ――ハッ!」
 口に手を当てるベッツィー。
 肩越しに『ここはぱんぱーぷの世界じゃよ?』と語りかけてくるパンギャの幽霊。
「ええいわらわのキャラを壊すでない! ここはむしろわらわの独壇場! ゴブリンの洞窟ぞ!」
 ベッツィーは姫騎士オーラを限界までシュオンシュオンしスーパーベッツィーとなるとゴブリンの群れへあえてのダイブ。
 こいつぁ応えるっきゃねえぜとばかりに手足を押さえ鎧をぬがしにかかるゴブリン。よっしゃいいぞ挿絵の準備だ。
「くぅ、くっ……殺す!」
 ハイからのバックドロップ。
 砕け散るゴブリン。
「日ごろ、嫌々受けているお稽古の成果が発揮できるかもしれません。
 頑張らせて頂きますね!」
 刀を握り、キリッとする皇 雛乃(p3p007429)。
 その斜め上をふわーって浮いてるクラゲ。
「あおちゃん…心配してくれたんですか? 大丈夫ですよ――ゴブリンさんおかくごです!」
 クラゲと戯れる……とみせかけての振り向き斬り。
 ゴブリンを切りつけると、返す刀でさらなる突きを繰り出した。
「ちっちゃいと思って、油断したらだめですよ!」
 切りつけられたゴブリンが呻きながら下がったところで、アラン=キャロル(p3p005017)は槍によるチャージアタックを仕掛けた。
「練習みたいな戦闘だろうが、舐めてかかったりはしねぇよ、敵になった以上全力でぶん殴るだけだ。
 つってもまあ、しばらくは一人で勝手にやらせてもらうぞ」
 アランはゴブリンを振り払うと、更に洞窟の奥から無数に駆け寄ってくるゴブリンたちめがけて槍を回転させての飛翔斬を発射。
 ゴブリンの一体に命中し、転倒させる。
 そこへ重ねるように魔術の光が打ち込まれ、ゴブリンは派手に破裂した。
「まあそう言うな、私も初陣でな。力を合わせた方が練習にもなる」
 ドロシー・エメラルド(p3p007375)は持っていた缶コーヒーを一気に飲み干すと身体に書き込んだ魔術印を発光させた。
 タクトを柄として魔力剣が発生。
 襲いかかるゴブリンを切りつけると、更にその先のゴブリンまでもを破壊していった。
「うおー! まともにバトるの実に一年ぶりー! ……いちねん? あれ、一年って何日だ? たしかよんひゃく……」
 ゴブリンに突撃したなーと思ったら急に止まって両手の指で数をかぞえ始める田中・E・デスレイン(p3p001381)。
 そこへキシャーっていいながら飛びかかるゴブリン。
「うおー戦闘中だったやべえでゴザルゴザルー! 助けて妖刀魔剣ムラマサムネ3世ー!」
 刀に手をかける田中!
 しかし抜けない田中!
 ゴブリンのこんぼうスイング。田中に10のダメージ。
「ぐおー! いてー! よわよわゴブリンのくせによわ……よわ……おまえ……田中とおなじ……そうか……ゴブリンは……トモダ……」
 ゴブリンのこんぼうスイング。田中に10のダメージ。
「ぐおーーーーーーーー!!」
 頭を押さえてのたうちまわる田中。
 そこへ、フィートアンツの首を改造したビット兵器が飛来。ゴブリンを破壊して戻っていく。
「ふむ……余計な世話だったか? だったら、すまん。」
 ふらりと現われたのはコルウィン・ロンミィ(p3p007390)。
 両手をポケットに入れたまま、周囲を動き回るビット兵器に攻撃と防御を任せていた。
「風の吹くまま歩いてみたが、思いがけず奥まったところまで来てしまったか……ふむ」
 そんな風に言いながら、ビットをすりぬけてきたゴブリンをハンドポケットのまま蹴り殺す。
「奥、というより……そろそろ最深部のようですねえ」
 担いでいた杖を構え直すグランツァー・ガリル(p3p007172)。
 精霊力の強い葉を今も残した杖を振り、氷の鎖を出現させた。
「地を壊し、地を均し、道を作ることこそ我が力の本意なれば。
 現状じゃまだまだ力不足、ですねえ。
 なればこそ、一歩ずつ力を取り戻していかないと、ですよう」
 ゴブリンめがけて発射した鎖は、彼らの腕や足、首といった部位を縛り付けて拘束を試みた。
 それを脱しようと次々に引きちぎるゴブリンへ、祇龍院・栞(p3p006728)がすかさず接近。
 両手鎌を振り込むと、刃に走った暗黒の祝福によってゴブリンをたちまち真っ二つにしてしまった。
「簡単な依頼とはいえ気を抜かず参りましょう」
 更に奥へと続く道をひらくべく、栞は鎌から解き放った祝福でもってゴブリンたちを吹き飛ばした。
「確かに、数だけ多いとはいえ油断は禁物。手堅く皆様を支えましょう」
 エラ・ヘリエス・フォンティール(p3p006974)は周囲の仲間たちの陣形を整えながら、超分析やヒールを用いた支援を開始。
 倒し切れていないゴブリンたちへと歩を進めていく。
 やがてたどり着いたのは、洞窟内に広がる大きな空間であった。
 恐らくここで繁殖しているのだろう。巨大な女王ゴブリンを中心に、大勢のプチゴブリンが臨戦態勢で棍棒や粗末なナイフを構えている。
「依頼されての実戦はサソリの時以来、か」
 腰の銃を抜いたヴィンス=マウ=マークス(p3p001058)は雄叫びを上げて突撃してくるゴブリンたちに先制射撃。
「コチラの世界では、銃で撃っても中々死なないと言うのは悩ましい」
 接近してきたゴブリンの棍棒を横っ飛びと転がりによって回避すると、さらなる銃撃でゴブリンを射殺。
 解放したリボルバー弾倉から空薬莢を乱暴に落とすと、スピードローダーを当てて素早く弾を込めた。
「ま、それでも居ないよりはマシ程度には鍛えておかないとね。援護する、突っ込め」
「了解。ゴブリンは根絶やしにしないと」
 セルティ・ジーヴェン(p3p007265)は無表情のまま両腕のトンファーにエネルギーを流し、ゴブリンたちの群れめがけて突撃。
 ビームトンファーの殴りつけやカウンターアタックを駆使しゴブリンをはねのけると、一気に女王へと距離を詰めた。
 それを阻むように密集し壁となるゴブリンたち。
「ローレットでお世話になっているので、頑張ります。
 でも拙のような矮小者が出てきても何の役にも立ちませんよね。ごめんなさい。蟲様ががんばってくれますので、よろしくお願いします」
 大胆な謙遜をしながら錫杖を振り込む狐鹵俚(p3p007430)。
 体内の『蟲様』の命令通りに舞い踊り、どこからともなく蟲の群れを呼び出す狐鹵俚。
 呼び出された蟲の群れはおぞましい羽音をたててゴブリンを包み込み、見るも無惨な姿へと変えていく。
「蟲様、ありがとうございます……」
「よし!」
 ゴブリンの壁が一部食い破られたことで、小さな隙間へと飛び込んでいく新道 風牙(p3p005012)。
 それを追い払おうとゴブリンが棍棒を顔面めがけて打ち込むが、風牙はジャストタイミングの前転によってスイングを回避。
 その勢いをまるごと乗せたカウンター斬撃をゴブリンに浴びせてきりぬける。
 見上げると、巨大なゴブリンの女王はどす黒いオーラを放っているように見える。
 恐怖、憎悪、そして卑劣な感情が見て取れた。
「ここまで侵入できてラッキーだったな。こいつはここで倒しておこうぜ!」
 そうはさせまいと武器を構えるゴブリンたち。と、その瞬間。
 どこからともなく伸びた影がゴブリンの一体を覆い、吹き上がった毒液がゴブリンを包み込んでいく。
「――!?」
 暴れて振り払おうとするも、すぐに力尽きて倒れるゴブリン。
(しがない占い師のワタクシです、正面きって戦うなど恐ろしくてとてもとても……ヒヒヒッ)
 ろくに姿を見せること無くスッと身をひくヴァイオレット・ホロウウォーカー(p3p007470)。
 そうして出来た隙に、ベルベット・パイソン(p3p004793)とアメリア アレクサンドラ(p3p004496)が一気に攻め込んでいく。
「ほらほら、こっちに来ると危ないわよ〜?」
 ベルベットは右腕から現われた赤い蛇に炎を吐かせゴブリンへと浴びせかける。
 更にアメリアの振り込んだ剣が無数の花びらを作り出し、ゴブリンたちを薙ぎ払っていく。
「ローレットの先輩はもっと強い相手と戦っているんだね。
 ボク達に出来ることは、確実な数減らしと、そして何より、生き残ってこの先へと繋げる事。
 今は弱くても、生きていれば強くなれる。なんだってできる、なんだって目指せる!」
「アメリアちゃんはどこまでも強くなれるわ〜。
 とても真っ直ぐな心の持ち主だもの〜」
「一緒に頑張ろうね、おばあちゃん!」
「そうね、アタシも頑張るわ〜」
 次々と倒されていくゴブリンたち。
 一方でそんな状況をしばらくは黙って見ていた女王が、どっしりと地に手を突いて立ち上がった。
 見上げるほどの巨体。女王はゴブリンの一体を掴み上げると、イレギュラーズたちめがけて投擲してきた。
「な、なんて乱暴な……」
 ギリギリの所で攻撃をかわしたアウロラ・マギノ(p3p007420)。
 斧を構え直し、今こそあれの使い時だと女王をにらみ付けた。
 両手で『途中で折れた剣』を握って震える道子 幽魅(p3p006660)。
「ど、どう……しま……しょう。こんなに、強い敵が、いるなんて……聞いて、なかった、です……」
 イレギュラーズは世界各国から様々な依頼を受けつけ、そのたびにあらゆる戦場へと身を投じてきた。
 そんな中では、優秀な情報屋たちでも掴みきれなかった隠れた危険や未知の脅威と遭遇してしまうこともある。
 だがしかし。
「恐れることなんてないわ。例え自分よりも強い敵が現われたとしても、互いの個性を補い合えば……」
 ディアナ・クラッセン(p3p007179)が宝石剣を握り込み、いつでも突撃できるように身構える。
「め、メゥエエッ……!?
 死んで花実が咲くものか、とも言いますし!
 もう死にかけるなんてこり、ごりです!
 ……から。兄さまがいなくとも、ぼ、僕っ、頑張ります!」
 光の剣を握り、仲間とは別の方向から攻められるように展開していくアニュス・デイ(p3p004771)。
 この世界の戦いに『無敵の型』はない。
 きわめて高度に複雑化したじゃんけんのように、どれだけ優れたインパクトをもっていても攻略法が存在する。
 特に、何人もの才能が組み合わさった時ならば……解放は無限に広がっていくのだ。
「ちょっと昔ならこーゆーのは一掃できるほどの魔法も使えたんだわよ。
 ま、混沌の法則とやらに縛られて今じゃたいしたことはできないのよさ。
 けど今は一人ずつ倒していくしかないねぃ……」
 魔動機を握りしめ、取り囲もうと広がっていくゴブリンたちへと構えるリルカ・レイペカ・トワ(p3p007214)。
 カードは手元にあるだけしか使えない。しかしその全てをあわせたなら、状況を打開することは充分に可能だ。
「おもしれえ。つまり時間稼ぎだな!」
 ソリッド=M=スターク(p3p007305)はバシンと自らの胸を叩くと、ゴブリンたちへと自らをアピールした。
「ここは俺に任せて女王を叩け! そしてゴブリン共……俺を殴れ!!!!」
 目にハートを浮かべて『カモン』と叫ぶソリッド。
 控えめに言って変態だったが、これもまた才能。そして状況に対して有効な切り札だ。
「そういうことなら手を貸します!
 言って聞かない相手には、殴ってしっかり言い聞かせてやりましょう!」
 アリシア・ステラ・ロゼッタ(p3p007414)も両手の拳を打ち合わせ、ソリッドと共に身構える。
 四方八方から飛びかかるゴブリン。
 それを積極的に(かつ引くほど情熱的に)受け入れていくソリッド。
「殴るなら俺を殴れ。……いや、殴ってください!!! まだまだイケるぜェ!」
 彼がボコボコに殴られている間に、アリシアがゴブリンの後頭部におもむろな説得(こぶし)。
 更にソリッドの両足を掴んだジャイアントスイングでゴブリンたちをもろとも吹き飛ばしていった。
「お、俺を武器に!? やるなおま――アリガトウトザイマ゛ッ!!」
 なんか気持ち悪かったので最後は女王めがけて投擲。ソリッドはデカい腕でべしんと弾き飛ばされた。
 が、攻撃を加えるには充分な隙。
 アウロラは防御を完全に捨てた構えをとると、女王めがけて思い切り突撃した。
 女王の右腕が肘の部分で切断され、余った勢いでアウロラは女王に衝突。
 女王はアウロラを左手で掴み取り岩壁めがけて叩き付けるが、思い切って飛び込んだアニュスが自らの血を刃に纏わせ、大きな剣に変えて女王の右手首を切りつけた。
「え、えい……!」
 最優先事項は死なないこと。そのための手段は死なせないこと。
 力を合わせて生き延びるのだ。
 痛みによって開いた手から解放されるアウロラ。
「助かりました……」
 助け出されたアウロラへ、幽魅が急いで駆けつけた。
(私に…できる…のは……戦い…じゃなく…誰かを…癒す…くらい……だから…)
 手を翳して強力な治癒魔術を仕掛ける幽魅。
 そんな彼女を狙い、女王が手を伸ばす……が。
「こっ……こないで……!」
 目を瞑った幽魅に拒絶のフィールドが発生し、女王を一時的にはねのける。
 痛みこそないものの、女王は大きくバランスを崩した。
「今よ!」
 地を蹴り跳躍するディアナ。
(敵の身体が裂ける音。肉体の躍動。痛みや憎しみ。本では分からないリアルな知識。
 生傷が絶えない名家の娘なんて、お父様は厭な顔をするでしょうけれど……)
「知ったこっちゃないわ!」
「魔力を帯びた剣でどーんと一撃! だわさ!」
 同じく飛び上がったリルカ。深紅の機械刀から灼熱のオーラが走り、火花となって散り始める。
 リルカとディアナの剣が女王の胸へと突き刺さった。

 かくしてイレギュラーズたちは丘に出現するプチゴブリンの全てを駆除し、その女王までもを打ち倒して帰還した。
 彼らは互いの健闘をたたえ合い、そして依頼主や近隣住民から賞賛を浴びることとなる。
 この先に続くであろう、世界を賭けた大いなる戦いの歴史の一ページとして。

成否

成功

MVP

梔子(p3p002050)
絲斬

状態異常

なし

あとがき

 イレギュラーズの皆様、お帰りなさいませ。
 つい最近にイレギュラーズとなった方。長らく依頼から離れていたけれどローレットへ帰ってきてくださった方。皆様を歓迎いたします。
 いま世界は大きく揺れ動き、『世界の敵』とも言うべき強大な悪が世界の破滅へと着実に駒を進めています。
 そんな事態を打ち破り、絶望を希望に変えることができるのは皆様イレギュラーズのみです。
 皆さんが武器をとって戦う時、喫茶店でオムライスを作る時、野ウサギを狩るとき、ビーチでバカンスを満喫するとき、蒐集されていく『パンドラ』が、世界を救う鍵であります。
 これからもどうぞ、ローレットをご贔屓に、よろしくお願い申し上げます。

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