PandoraPartyProject

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カマルへの道程

「ネフェルストの戦況はどうだ!」
 叫んだハウザー・ヤーク(p3n000093)に傭兵団『凶(マガキ)』に育てられた娘・パドラは「耳元で叫ばないで!」と返した。
ウチは調査完了。リーディアを始め、皆に協力して貰ったんだけど……」
 体調が悪そうで心配なのだとパドラが眉を顰める。視線の先にはリーディア・ノイ・ヴォルク(p3p008298)アレクシア・アトリー・アバークロンビー(p3p004630)の姿があった。
「私達もリュシアンと共闘してなんとか勝利した――けれど……。
 実は、敵から『烙印』……? が刻まれたんだ。そう、呼んでいたから、私達もそう呼ぶしか無さそう」
「……ああ、この通り」
 傷付いた腕を掲げたリーディアは自身の腕から血の代わりに花弁が落ち、身体の何処かに花のような烙印が浮かび上がる事を示した。渋い表情を見せたアンナ・シャルロット・ミルフィール(p3p001701)は「こちらでもあったわ」と頷く。
 曰く、同行していた『殿』が可憐な花弁塗れになって居たのだというのだ。
アスリーヤと名乗る吸血鬼(ヴァンピーア)と戦ったのだけれど、勝利と言えども不安ね。
 ……どうやら、ネフェルストでは実質的指導者にあたる『赤犬』が姿を消して仕舞っているようだもの」
「ええっ!?」
 ぐりん、と首を向けたパドラにハウザーは「後で話す」と『娘』の頭を叩いてからメイ(p3p010703)に話を伺った。
博士の生徒さんと名乗る方でした。練達でも活動して居る方ですが……いえ、そちらより問題は!
 博士の生徒さん達は『烙印』について詳しそうでもあったのです。メイの傍でも涙が水晶に変わる方がいらっしゃいましたし……」
「詩的な変化でして! けれど、喜んでいられないのも確かなのです。
 ソルや『ガルトフリート』とはまた遭うかも知れないです。準備しておかなくては」
 ルシア・アイリス・アップルトン(p3p009869)はそう告げながらも自身達の側でも狙撃手の彼女達が喉が乾いたと『血』を求めたというのだ。
「まるで、吸血鬼ですね……。エーニュによる介入は抑えましたが……」
 深緑側の使者――つまりは『幻想種の誘拐事件』への騒ぎもこうなれば話が変わってきてしまう。アッシュ・ウィンター・チャイルド(p3p007834)は悩ましげに唸った。
「……ヌーメノンと名乗った吸血鬼は実験だと仰って居たのですよね?」
「うん。私達は『烙印』に耐える事が出来て有用だ、と。攫っていた幻想種達は実験材料にされているのかも……」
「『人を化け物に変える宝石』紅血晶――紛い物で不完全な賢者の石(ティンクトゥラ)か」
 ぼそりと呟くリーディアにハウザーは「ああ、まどろっこしい!」と叫んだ。
「簡単に言え!」
「ええと、待って。詰まり、『博士』と名乗った人はディルク団長を連れて行ってしまった『真紅の女王』と手を組んでいて、」
「おう」
「その二人が画策して、ラーガとか吸血鬼達が紅血晶を市場に流したり、幻想種を攫ってたの」
「おう」
 パドラは慣れた様子でハウザーに説明している。流石に、彼に育てられたの経験から『まどろっこしいことが嫌いな』ハウザーに説明するのも得意なのだろう。
「そしたら、晶竜が来たワケ」
「それは分かる」
「で、吸血鬼達はネフェルストを陥落させるのが一番の目的で、次が『実験』らしい」
「その実験が何だ!」
「だーかーら! 『烙印』を与えて吸血鬼のようにしてしまうって事!
 普通の人間はその力に耐えられなくって晶人のようになってしまうけど、ある程度の耐性があれば身体が抵抗してくれるの!」
「治ンのか!?」
「知るわけ無いでしょ!」
 叫ぶパドラにぱちくりと瞬いたメイが「ええっと!」と手を上げた。
「でも、時間が経てば経つほどに症状が進行するのですよね?」
「と、ヌーメノンは言っていたね。だから、タイムリミットまでに烙印の効果を消さなくちゃならない。
 ……推測するだけにはなるけれど、解毒剤は『博士』か『真紅の女王』の何方かだね。その全容も未だ分からないけれど」
 アレクシアは花弁舞い散るリーディアの治療を行ないながら答える。ルシアは「でも、何処に行けばいるのでしてー?」と首を傾げた。
「敵の本拠地にさっさと乗り込むべき……なのでしょうけれど、烙印が刻まれる可能性は増えていくわね」
「それでも、『吸血鬼化』が完了したらどうなるのか、それが分かりませんから……征くしかありません」
 アッシュは念のために『烙印が浮かんだ者』達から他のイレギュラーズに伝染するのかと問うた。ある程度のことは協力者と共に調査を行なったが、それは他者に移るような代物ではないらしい。
 飽くなき血液を欲する乾き。血潮が花に転じ、涙が水晶に変わる。
 現時点ではそれしか分かって居ないのだ。
「で、何処でぶっ潰す!?」
「カシラァッ! ラーガ・カンパニーに『変な陣』があったぜ!」
「カシラァッ! ヌーメノンって奴が落としてった変な赤い石を辿ったら遺跡についたぜ!
 そっちはレナヴィスカが先に調査してやがるが、変な陣があるらしい。内部に入ってみる為に調査隊を結成したいんだとよ!」
 ハウザーはアレクシア達が拾ってきた『赤い石』で敵の本拠を探り当てた。その鼻はそうしたときに有用だ。
 だが、何故『本拠地を知らせたか』――簡単だ、イレギュラーズが『烙印に耐えうる』事が分かった以上、更に多くの者を吸血鬼化させようとしているに過ぎない。
「ラーガ・カンパニー。エーニュに接触し、商人連合に不和を齎そうとしたのも彼らのようです」
 アッシュが言う。
「もしかしたら……彼こそが、ザントマンの遺産を手にし、その再興を狙っているものかもしれません」
「なら、すべての事件の根っこは一つにつながってるってことでいいな。単純じゃねぇか!
 相手の本拠地に乗り込むって事ァ、こっちはアウェイだ。だが、待ってる暇はねぇ。
 ファレンが少し時を置けばどうだとか言ってたが関係ねぇ! 討ち入りだ! 寒ィしな!!!」

 向かう先は『古宮カーマルーマ』――
 そこで待ち受けているのは未だ見ぬ砂牢と月の輝く地であることは未だ、知れず。

 ※ネフェルストの戦いが終了しました(<晶惑のアル・イスラー>)!

 イレギュラーズの手に入れている切り札が大いなる力を纏っています!
 スチールグラード帝都決戦が始まりました!!
 ※リミテッドクエスト『帝都決戦:Battle of Stahl Grad』が始まりました!!
 ※領地RAIDイベント『アグニの息吹』が始まりました!!

 ※帝政派、ザーバ派は連合軍を結成している為、勢力アイテムが『帝国軍徽章』へと変更されました!

鉄帝動乱編派閥ギルド

これまでの鉄帝編ラサ(紅血晶)編シビュラの託宣(天義編)

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