PandoraPartyProject

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Eisenbahn

 鉄帝各地で勢力は動いていた。
 己らが勢力を安定させる為、日々活発な議論もされており――そして。

「イレギュラーズよ、以前『不凍港の調査』や『鉄道』の話が出ておったの?
 ――この件に関して作戦本部より検討が成された。すなわち『不凍港』か『鉄道施設』か、どちらかならば将来的に確保できるやもしれぬ、と言う事じゃ……残念ながら現時点の我らの有する軍事力では両方の保持は厳しいがの」

 言うはバイル・バイオン(p3n000237)だ。
 帝政派――つまり先代皇帝ヴェルス――の治世をこそ良しとし、新皇帝派に抵抗する彼らはヴェルス帝の捜索だけでなく勢力の拡大も同時に計画していた。現状ではヴェルス帝を破った新皇帝やその配下たる者達を打ち破る事は叶わぬ故に。
 その結果として検討されたのが、イレギュラーズからも意見として提出されていた『不凍港の調査』や鉄帝各地に伸びている『鉄道施設』の確保である。
 不凍港ベデクトは鉄帝で貴重な『凍らぬ港』であり、あの地を抑える事は海のルートを開く事も叶う。冬に対する備えになろうし、ベデクトの保持は周辺地域の村や街への影響力も高いだろう――ただし。
「帝政派にとっての問題点は、サングロウブルクは西。ベデクトは東に在る事じゃ」
「――つまり保持するには距離がある、と」
「うむ。我らは他勢力よりも求心力が高いが故に、一度制圧すれば帝政派に協力してくれる民や軍人は多いと思うが……しかし保持し続けるには難儀よ。軍事力も多少以上割かねばならぬ」
 そう。エッダ・フロールリジ(p3p006270)に応えた様に物理的な位置の問題が大きいのである。
 これが帝政派にとって近い距離にあればまだ問題なかった。しかし西のサングロウブルクから東のベデクトまで往くは、軍事力が些か乏しい帝政派にとって大きな賭けとなる。サングロウブルクから防衛力を抽出し、ベデクトへ割く必要があるからだ。
 ベデクト占有に対する利益は大きくある――と見られる、が。
 それならばまだ近場の『鉄道』を確保した方が良いのでは、とも計画されている。
「サングロウブルクから東に『ボーデクトン』なる鉄道施設がある。
 それなりに大きい駅の一つなのじゃがな。ここを保有するはベデクトよりも負担が少なく、そして鉄道施設を得ることが出来ればそこまでの鉄道ルートも確保する事叶う――つまり勢力としての地域を大きく広げる事が出来る訳じゃ。以前から提言されている様に、他勢力とも接触しやすくなるかもしれんの。
 ただし……帝都に幾分も近付く故に新皇帝派の攻撃が苛烈になる事も想定されるがの」
 鉄道。平時であれば鉄帝各地を補給の面から支える施設だ――が。
 政変に伴う混乱によって各地の補給線は寸断されている。
 が。その中でもサングロウブルクに程近いボーデクトンなる地を抑えれば周辺領域の制圧が容易になりそうだと作戦本部は算出したのだ――此処を制圧すれば生産力や、近場の民の保護が容易になり求心力にも影響があると見られている――
 ただし。此方を優先すれば不凍港は後回しになるだろう。
 と言うよりも先述している様に帝政派の軍事力は潤沢とはいかない……どの道取る事が出来るのが一つだけであるのならば、調査の段階から片方に全力を注ぐのが最善だと作戦本部は算出している。
 不凍港か、それとも鉄道施設か。どちらを優先するか――
「さて。お主らはどちらを優先した方がいいと考えるかの? 意見が欲しい所じゃ」
 帝政派にとって大きな選択肢の一つが、今提示されようとしていた。


 同時。そう言った動きはノーザンキングス解放戦線でも議題に取り上げられていた。
 ローゼンイスタフの居城は鉄帝でも東側に位置しており、帝政派よりも不凍港に近い。そう言った意味では確保しやすいのだが――ただしこの地は西の新皇帝派、東のヴィザールと二つの勢力を警戒せねばならぬ事情を抱えている。
「どうしたものか。迂闊な動きを見せれば、シグバルドがどう動くか分からん」
「――ひとまず不凍港の調査を行うぐらいは良いかと思いますが。
 プラック達から議題としても挙がっています。放置する理由はないかと」
 語るはヴォルフ・アヒム・ローゼンイスタフ(p3n000288)ギルバート・フォーサイス(p3n000195)だ。一部のイレギュラーズ達からも案として出ている『不凍港』の件に関して話している――さて、どうしたものか、と。
 大胆に動きを見せるか、慎重に動くか。悩ましい表情の色を灯すヴォルフは、しかし。
「うむ……だがその前の動きとして西の鉄道拠点『ルベン』を抑えるという手もある」
「ルベン。たしか……不凍港と帝都に繋がる中間地点に存在する施設でしたか?」
「あぁ。あの地を奪取し要塞化すれば新皇帝派からの攻撃を抑える要にもなるだろうし、不凍港を保持しやすくもなるだろう。両方を狙うのであれば相応に軍事力の強化しておく必要はありそうだがな」
 不凍港制圧の為の一歩として、鉄道の確保を頭の片隅に入れていた。
 鉄道施設ルベン。交通網の要と言える地が近くに存在しているのである。
 今は新皇帝派の暴動により連絡が取れなくなっているが、しかし確保せしめれば新たなる拠点として活動も出来るだろうと……しかしヴィザール地方からいつシグバルドの勢力が来ないとも限らない。
 不凍港の調査を優先し、一気に不凍港の制圧を狙うか。
 それとも鉄道施設の調査を行い、足元を固めてから往くか。
 位置的に帝政派よりも付近であるローゼンイスタフの勢力であればうまく行けば双方の保持も可能かもしれないが。イレギュラーズ達にも意思を問うてみようかと――思案を巡らせるものであった。


 更にはアーカーシュに拠点を宿す軍部非主流派も不凍港に関しては気にしている所である。
「不凍港、ですか……確かにあの地は今、政変の混乱で詳細が掴めていません。
 ――調査を行うのは良いかもしれませんね。
 ただ。調査を行った後どうするか、と言う所はあります。
 不凍港ベデクトを確保するか、それとも……」
「他の派閥の動きに呼応して情報の提供を行うか――ですかね」
「規模が大きい話になると思うので、歯車卿の判断が欲しい所っスね」
 言を交わしているのはエフィム・ネストロヴィチ・ベルヴェノフ (p3n000290)マルク・シリング(p3p001309)佐藤 美咲(p3p009818)だ。空に拠点を持つ彼らであるが、やはり不凍港に関しては気になる所なのであろう――
 アーカーシュは全派閥中唯一の移動拠点だ。
 故にこそ不凍港に拠点ごと近付く事も可能である。ただし「保持」するに関してはまた別の話になるのだが。
「……保持となれば多大に軍事力を割く必要がありますからね。
 情報を他派閥に提供する。もしくはいずれかの動きを支援する。
 そう言った動きがやはり中心になるでしょうかね――
 それから、調査するにしても一応皆さんにも意思を確認しておきましょう。
 不凍港への調査は大きな一手となります。
 『他』に何かこの後手段や策を思いついたとしても、容易くそちらにも動く……とはいかなくなるかもしれません」
「確かに。慎重に事態を見定めるのも重要でしょうね」
「ええ。静観するのもまた一手です」
 不凍港の調査をするかしないか。新皇帝派の動きや不測の事態を警戒して静観するか。
 いずれの動きを取るべきか。彼らもまた、思案と判断が必要な局面に至っていた……


 ――一方で南部に勢力を宿すザーバ派は既に軍事目標を定めていた。
「鉄道の確保?」
「あぁ。知っている者もいるだろうが、鉄帝には国土を支える補給線の役割も兼ねて鉄道が存在している……尤も、今は政変に伴う混乱で連絡が取れなくなっているがな」
 イレギュラーズへと語るは南部戦線の英雄ザーバ・ザンザ(p3n000073)だ。
 彼もまた議題に挙がっていた一つである鉄道の確保についてイレギュラーズ達に語っている――彼の目標は、城塞バーデンドルフ・ラインより北上した地点に存在する『ゲヴィド・ウェスタン』
 これもまた帝政派らが狙うように鉄道施設の一つなのだが……しかし。
「お前達イレギュラーズの支援によりバーデンドルフ・ライン周辺の情勢には多少余裕も出てきた。大きく軍勢を動かすには準備が必要だが……ゲヴィド・ウェスタンを確保できれば更に周辺地域の制圧も容易になるだろう。
 それに。あの施設には……他にはない『大きな要素』が存在している」
「……と言うと?」
「――列車砲だ。軍事機密だからな、あまり外で喋ってくれるなよ?」
 列車砲。軍事車両が保管されている地なのだという。
 これは『ボーデクトン』や『ルベン』にはない強力な軍事兵器。
 確保できれば軍事力や技術力に大きな意味があるだろうと作戦本部は計画している。現時点においてゲヴィド・ウェスタンの状況は不明だが施設が害されていなければまだ残っているだろう……
 故にこそまずはその前段階として、鉄道施設への攻略ルートの確保。並びにゲヴィド・ウェスタンそのものの偵察作戦の準備が進められている。
 ザーバ派の軍事力は帝政派よりも大きく保持されておりゲヴィド・ウェスタン攻略に関してはそう難度は高くないだろうと作戦本部により算出されているが――それでも他勢力よりも生産力が低いザーバ派は大きな動きをするのであれば慎重を期したい所であるのだから。
憂炎ゴリョウ達のおかげで多少食糧事情は緩和しているが、な」
「生ハムの生成なら任せてくれ――少しでも改善できるように全力を尽くそう」
「ぶはは! ま、モノが少なくてもやり様は色々あるってな!!
 炊事管理者はもうちっと増やしてぇ所だが、そいつはまた追々って所か」
「頼もしいもんだ。ま、とにかく確実を期する為に進軍ルート上の地域確保が優先だ。それから諜報部を動かしゲヴィド・ウェスタン自体の偵察も近々行おう。可能であればお前達イレギュラーズにも同道してもらいたい所だ」
 鉄道施設の確保は重要である。今後、どう動くにしても。
 実際の偵察の折には、是非力を貸してもらいたいとザーバは紡ぐものだ。
 さて。各々の勢力の事情により練られている計画は如何様に進むものか。
 ラサのファレン・アル・パレスト(p3n000188)からの支援物資もあちこちに届いたのだ――これより各勢力の動きはより活発化していくと見られている。『ソレ』を新皇帝派に属する者達が黙ってみているとは限らないが……さて。

 大規模な動きに向けた準備が――今、始まろうとしていた。


 ※一部の勢力で『不凍港の調査』や『鉄道施設の調査』が検討されています――!
 ※『ザーバ派』において、イレギュラーズの行動とギフトなどにより『生産力』が上昇しています!
 ※リミテッドクエスト『<六天覇道>パレストからの支援』が終了し、アイテムが配布されています!

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