PandoraPartyProject
見えてきた「光」
地下より地上へと出てきたアダマンアントによるモンスターや亜竜への襲撃事件。
前代未聞の事態である一連の襲撃事件は、イレギュラーズによって阻止された。
「おっかねえ蟻だったが……やってやったぜ!」
「モンスターとの共闘……中々アツかったが、状況を考えると喜んでばかりもいられないな」
「アダマンアントの脅威から亜竜集落を守るためにも、連中の脅威は見逃せん。これで事態が鎮静化すればいいのだが……」
「しかし気になるのは連中の動きだな。あまりにも性急に過ぎる。企みは潰したが……ううむ」
幻夢桜・獅門(p3p009000)、『竜剣』シラス(p3p004421)、ゲオルグ=レオンハート(p3p001983)、仙狸厄狩 汰磨羈(p3p002831)……4人が仲間と共に解決した事件の共通性は、然程ない。
共通しているのは「アダマンアントが亜竜やモンスターを狙っていた」という点。
そして……アダマンアントは、対象の亜竜やモンスターを「確実に狩れる」戦力を派遣してきたという点だった。
単純に数で圧し潰すのではなく、必要数を計算し送り込むという戦略眼。
それはアダマンアントが軍隊じみた動きだけではなく、その軍を統率するだけの「頭」を持っているという証明でもあった。
アダマンアントクイーン……実在の確認されているソレは、それだけの知能を持っているという証明なのだろうか?
亜竜種の歴史においても、アダマンアントがこれほど超大規模の軍事行動を起こした記録はない。
亜竜集落イルナークの襲撃までは「有り得ること」ではあった。
フリアノン、ウェスタ、ペイト。
これらの集落が襲われた、あるいは襲われそうになったことだって、過去の例を掘り返せば存在する。
だが……何もかもを飲み干そうとするほどの大規模行動をこれ程迅速に行った記録は、存在しない。
「アダマンアントクイーンの思考は個体により異なる……だったか?」
「ああ。そうすると、今回のクイーンはかなり攻撃的な思考を持っていることになるな」
獅門とゲオルグは頷きあい、自分達が相対したアダマンアントのことを考える。
アダマンアントは死を恐れない。
アダマンアントは仲間の死を悲しまない。
アダマンアントは目的を忠実に遂行しようとする。
「そして……危険を恐れず、罠を張る知性が存在する」
汰磨羈は、自分が相対したアダマンアントのことを思い出す。
戦闘種に到らずとも、通常種の中にも簡単な統率と罠の実行を遂行できる個体が存在することもある。
そんな連中が無尽蔵に勢力を拡大すれば……それは、文字通りに全世界の危機になるだろう。
アダマンアントは簡単に増える。
アダマンアントは鎧纏う兵士であり、統率する戦士が存在する。
アダマンアントは地下を掘り進み、突然侵攻を開始する。
アダマンアントにより被害が出れば出る程……その勢力は強くなる。
だからこそ、4人は思う。
今回の一連の依頼に失敗していれば、どうなっていたか?
イレギュラーズを大量投入しても死傷者が続出するような……覇竜を越えて世界中にアダマンアントが広がり続ける、そんな最悪の事態になっていたのではないだろうか?
「だが、防いだ。これはかなりデカいはずだぜ」
シラスの言葉に、全員が頷く。
そう、その最悪の事態は防いだ。
モンスターや亜竜とも一時共闘し、その未来は防いだのだ。
それはこの一連の事件の中で見えていた……確かな「光」であっただろう。
※覇竜にてアダマンアントの散発的な襲撃作戦を阻止しましたが……
これまでの覇竜編|深緑編
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