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シナリオ詳細

<覇竜侵食>双炎、大地を焼いて

完了

参加者 : 10 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●ファイアードレイク
 ドレイク、と呼ばれる亜竜がいる。
 ワイバーンやワームに並ぶ亜竜の一種であり、その体躯は総じて巨大。
 高いタフネスと巨大な力。
 全てがそうというわけではないが、おおよその場合ドレイクといえばそうした存在だ。
 そして、当然だがドレイクにも種類がある。
 たとえばファイアードレイク。巨大な二足歩行のトカゲ、と呼ぶのが一番正しい表現のようにも思える。
 だがその丸太のように太く筋肉質の足と、全身を覆う鱗。巨大な口に太い腕。
 それらはトカゲには持ちえない代物だろう。
 全長20mに及ぶソレは、地球系の世界から来たものが見れば「腕強化型ティラノサウルス……」などと呟くかもしれない。
 まあ、そういう類の外見だ。パワーもその見た目に相応しく、その腕の一撃で岩山を削り取る程だ。
 それだけではなくその口からは強力なファイアブレスも放つという……まあ、控えめにいって敵に回したくはない亜竜だ。
 飛行こそしないが、それはドレイクの強さゆえに与えられた制限だ……と言われる程なのだ。
 ならば。ならば、だ。
 そのファイアードレイクは何故今戦っているのか?
 強烈なファイアブレスが大地を焼き、しかしその中から反撃のように火炎が放射される。
 焼け焦げてブスブスと黒煙を発しているアダマンアントの中に混ざっている、明らかに違う個体。
 アダマンアントナイトと呼ばれる上位個体にして戦闘種が、アダマンアントを盾にしながらファイアードレイクに攻撃を加えている。
 アダマンアントナイトの数は、たった1。しかしアダマンアントの数は60。いや、先程からの戦闘ですでに10減って50。その50とて無傷ではない。
 だが、それだけの数とアダマンアントナイトを繰り出してまでファイアードレイクを狩りにきている。
 強大な力を持つファイアードレイクの肉をアダマンアントが……アダマンアントクイーンが手に入れたならば、其処から「何」が生まれてしまうのか。
 それは正直……あまり想像したくない未来図だった。

●ファイアードレイクを守れ
「アダマンアント共が、また地上に出とる。それも今回は結構な数がな」
 黒鉄・相賀はいつもよりも深刻な表情で集まった面々にそう告げる。
「場所はイルナーク近郊。丁度荒野になっとる辺りじゃな」
 今回アダマンアントに襲われているのはファイアードレイク。
 ドレイクの中でも特に気が荒く、特に狂暴な……そんな亜竜だ。
 ネオサイクロプスでもファイアードレイクを見れば姿を隠すと言われる程度には狂暴な亜竜だが……そんな怪物にアダマンアントが60にも及ぶ軍勢を差し向けているようなのだ。
「まあ、ファイアードレイクはちょっと洒落にならんくらいに強いからの。蹴散らしてはいるようじゃが……何しろ数が数じゃ。しかも前回お前さん達が報告してくれた上位種……アダマンアントナイトも1体混ざっとるようでの。向こうが60全部、ナイトも合わせて61体を使い潰してでも仕留める気なら、どうなるか……ちょっと分からん」
 事実、今この時もかなりの激戦が繰り広げられているようだ。
 ファイアードレイクは他の亜竜の生き物と比べれば、かなり話にならない……元々話が通じない中でも、更に話の通じない性格で有名だ。
 ちょっと手助けした程度でイレギュラーズを味方と認識したりはしないだろうし、攻撃の1つでも当てれば完全に敵として認識してくるだろう。
 戦闘中も、諸共焼き殺されても何の不思議もない。
 それでも尚ファイアードレイクに利を示す事が出来れば、あるいは手下とか駒程度には認識してくれるかもしれないが……まあ、それとて気まぐれに近い何かだろう。
「それでもファイアードレイクを殺させるわけにはいかん。すまんが、行ってくれるかの?」

GMコメント

亜竜集落イルナーク(跡地)近辺でファイアードレイクとアダマンアントナイト率いるアダマンアントの集団が怪獣大決戦を繰り広げています。
ファイアードレイクが死んでしまうと肉を運ばれてしまう為、アダマンアントの戦力が大幅にアップしてしまいます。
故に、ファイアードレイクを何とか守る必要があります。
アダマンアントを全滅させた後に二連戦とならないよう、その辺りしっかりと作戦を立ててください。

※注意※
なお、今回アダマンアントの数がかなり多いです。
上手くファイアードレイクを利用するのは必須でしょう。

●モンスター
・アダマンアントナイト(1体)
アダマンアントの戦闘種。攻撃方法は強力な火炎放射と強靭な顎による振り回し&叩きつけ攻撃です。
通常種よりも更に強力かつ凶悪です。
ファイアードレイクとの戦いで傷を負っています。

・アダマンアント(40体)
嫌になる程硬い巨大アリ。攻撃方法は岩をも溶かす酸を弾丸のように飛ばす技と、強靭な顎による振り回し&叩きつけ攻撃です。
ファイアードレイクとの戦いで傷を負っています。

・ファイアードレイク
全長20mの腕強化型ティラノサウルスみたいな外見の亜竜。
腕による引き裂き攻撃、足による蹴とばし攻撃、超強力なファイアーブレス(範囲攻撃)を使います。
アダマンアントとの戦いで傷を負っています。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はBです。
 依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。

  • <覇竜侵食>双炎、大地を焼いてLv:5以上完了
  • GM名天野ハザマ
  • 種別通常
  • 難易度HARD
  • 冒険終了日時2022年03月26日 22時15分
  • 参加人数10/10人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 10 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(10人)

セララ(p3p000273)
魔法騎士
ココロ=Bliss=Solitude(p3p000323)
人生を贈ったのだから
郷田 貴道(p3p000401)
喰鋭の拳
武器商人(p3p001107)
闇之雲
ゲオルグ=レオンハート(p3p001983)
優穏の聲
イグナート・エゴロヴィチ・レスキン(p3p002377)
業壊掌
レイリー=シュタイン(p3p007270)
ヴァイスドラッヘ
恋屍・愛無(p3p007296)
暴食の黒
アーマデル・アル・アマル(p3p008599)
灰想繰切
ルシア・アイリス・アップルトン(p3p009869)
開幕を告げる星

リプレイ

●ファイアードレイクを援護せよ
 遠くにイルナークが見える。
 亜竜集落イルナーク。アダマンアントの襲撃により滅びたその場所は未だ廃墟のままだ。
 当然だ。アダマンアントの件がどうにかなるまでは、近づくことすら危険だ。
 だが外から見る限りは平和な頃のままのイルナークの姿が、なんとも痛々しい。
 そんな場所の近くに、アダマンアントが出てきている。この先にあるのは、その戦闘の現場なのだ。
「リベンジだよ! 負け……ってワケじゃなかったかもシレナイけれど、この前の借りは返さなきゃね!」
「大物二体の戦いに関われるなんて楽しみで震えちゃう。大丈夫よ目的は忘れない……ドレイクを護りアントナイトを倒し生きて帰る」
『業壊掌』イグナート・エゴロヴィチ・レスキン(p3p002377)と『白騎士』レイリー=シュタイン(p3p007270)がそう言い合うが……そう、今回は大物がいる。
 アダマンアントナイト。イルナーク内部からアダマンアント達の地下帝国へ侵入した際に相対した、アダマンアントの戦闘種にして上位種。
 前回の探索では3体が確認されたが……そのうちの1体が今、そこにいるのだ。
 これを倒すことが出来たなら、アダマンアントの勢力を確実に削る事が出来る。
 しかも今であれば、ファイアードレイクという破格の火力もそこにいるのだから。
「アダマンアントの脅威から亜竜集落を守るためにも、なんとしてもファイアードレイクを守り切らなければな」
『天穹を翔ける銀狼』ゲオルグ=レオンハート(p3p001983)もまた、そう気合を入れ直す。
 最悪の実例は、視線のその先にある。
 イルナークの悲劇を繰り返さない為には、この戦いに勝ちアダマンアントたちを倒すしかないのだ。
「数の暴力。命を惜しまず指揮官の命令は絶対か。実際、便利な駒だ。他他集落への襲撃を前提としているのだろうが。喰った物の形質獲得などもするのだろうか。キャラが被るのは困りものだ。疾く殲滅するとしよう」
『獏馬の夜妖憑き』恋屍・愛無(p3p007296)がそんな事を呟くが……もしそうであれば、より一層今回の企みを許さない理由となるだろう。
 ファイアードレイクもどきのアダマンアントなど、悪夢のようですらある。
 だからこそ、ファイアードレイクを守らなければならないわけだが……。
「腕強化型……成程。日々のトレーニングを怠らないと見える。練り上げられた金(Gold)と筋肉は世の中の大抵の事を解決する、マネーちからisパワーだ。そこに数の暴力が加わるとどうなるか……それがこれだ」
 情報を再確認していた『冬隣』アーマデル・アル・アマル(p3p008599)がそんな事を言うが、Goldの力に亜竜が頼っているかは不明である。さておいて。
「前に行ったアリと大きいのとの戦いとはまるで規模が違いすぎるのですよ……! そんなにあれのお肉がいいのでして? 実は栄養満点だったりするのですよ?」
『にじいろ一番星』ルシア・アイリス・アップルトン(p3p009869)もそう疑問符を浮かべるが、ファイアードレイクが美味しいかどうかは……どうだろうか?
「……でもそのお肉が欲しい理由は、止めようと考えるきっかけには十分すぎるのでして! 自分中心で欲張りが過ぎるとみんなから嫌われるものなのですよ!」
 ドレイク。そう聞いて、『喰鋭の拳』郷田 貴道(p3p000401)も「ふむ」と頷く。
「どーせなら、ドレイクの方とやりたいところなんだが……おっと、いけないな? あんまり殺気飛ばしてたらこっちにも火の粉が飛んできそうだ。依頼優先、分かってるわかってる!」
 もうファイアードレイクとアダマンナイト率いるアダマンアントたちとの戦いは、すぐそこだ。
 炎吹き荒れる戦場は、まさに地獄のようで。貴道は思わず喜びに筋肉が打ち震えるのを感じていた。
「生きていいのは蟻も竜も人もまた等しい。でも、アリの軍団を伸張させれば、覇竜での私たちの動きが難しくなります。竜蟻相搏つ、この状況を少しだけわたし達が得するように動かしてみましょう。でも、ファイアードレイクにわかってもらえるかな?」
「ドレイクさん、言葉が通じる可能性はあるんだよね。混沌には崩れないバベルもあるし。説得しながら言葉をかけよう。もちろん、彼のプライドを傷つけないようにね」
「それに言葉が理解できなくても、話が通じなくても、気持ちが通じればいいのです」
『医術士』ココロ=Bliss=Solitude(p3p000323)と『魔法騎士』セララ(p3p000273)が頷きあって。
「ファイアドレイクさん! 勝手だけれどボク達にキミの援護をさせて!」
「イレギュラーズ、あなたの応援に来ましたよ~!!」
 ココロは大きめの白い布に、口紅でハートマークを描いて、見せるように広げて友好をアピール。
「キミが負けるなんて思って無いよ。でも、これだけのアントを相手するのは流石に面倒でしょ? だからボク達にも少しだけアントを分けて貰えると嬉しいな!」
 セララもきっと通じると信じながら声を張り上げる。
(それにね、ドレイクさんって格好良いし強そうだからお友達になりたいの。この戦闘が終わった後に余裕があれば「友達になろう!」って誘ってみようかな?)
「なるほど、確かにシンプルだねェ。どれ、では我も」
『闇之雲』武器商人(p3p001107)もドレイクの強大な力は侮らず、その上であくまで数の利でアントが自分達にとっても脅威であり排除に協力したいことを強調するように説得して。
「オレたちもこのアリに用があるんだ! 手を取り合おうとまでは言わないけれど三つドモエは避けたい! ちょっとだけナカヨクしよう!」
「我の名はヴァイスドラッヘ! ファイアードレイクの助太刀に只今見参!」
 イグナートもそう叫び、レイリーも見栄を切る。
 その返答は……ファイアードレイクがアダマンアントに向かってブレスを吐く音。
 ただ一瞬、ジロリとこちらを睨んではいた。
「ヨシ! 話が通じたか微妙なとこだね! 出来るだけ狙われないように戦おう! 以上!」
 イグナートがそう結論づけるが、実際そんなところだろう。
 あとはもう、行動で示すしかない。
「なら行きましょう! さあ、私達が露払いします。ドレイク殿は存分に戦ってください!」
 レイリーがヴァイスドラッヘンホーンとヴァイスドラッヘンフリューゲルを手に名乗り口上をあげて。
 イグナートがファイアードレイクを狙うアダマンアントにH・ブランディッシュを放ちトモダチアピールする。
 そうして、アダマンアント地上進出事件以降、一番話の通じない亜竜「ファイアードレイク」との共闘が始まったのだった。

●アダマンナイトを倒せ
「てりゃああああああああ!」
 聖剣ラグナロクを携えたセララのギガセララブレイクがアダマンアントへと放たれる。
 続けて聢唱ユーサネイジアをココロが放ち、アダマンアントを削っていく。
 総勢41のアダマンアントナイト率いる軍団。
 それは通常であれば死をも予感する光景だが、今はファイアードレイクがいる。
 ゲオルグの幻想福音がファイアードレイクを癒したことで「とりあえず役に立つ」と認定されていたのかもしれないし、説得を聞いてくれていたのかもしれない。
 どのみち、ファイアードレイクが一応……本当に一応だが、セララたちを狙わないように放たれているのは、有難い話ではあった。まあ、ほんのちょっとの配慮なので、ゲオルグが常にブレスの範囲やブレス時の挙動はよく見て把握しておき惹きつけている仲間が巻き込まれないように、そして退避のタイミングを教えられるようにしておこうと目を光らせているのだが。
 愛無も同様に広域俯瞰により亜竜・蟻・座標の位置を上空から把握し、必要に応じ蟻に囲まれ孤立する者やブレスの射程に入る者が出ないように指示している。
 仲間同士の声の掛け合いもしっかりしているし、余程のことがなければ巻き込まれる確率は……まあ、三割以下だろう。
「HAHAHA、中々スリリングだな!」
 貴道はドレイクの死角や側面、それにちまちま遠距離から削ってるアントを優先し大蛇槍を打ち込んでいく。
 ファイアードレイクを見ていて、正面衝突なら数に差があっても範囲攻撃で自力で倒しそうだと、だからこそ刺激するのは避けて、便利な付属パーツとでも思ってもらう事にしようと判断したのだ。
(ま、礼儀だな、礼儀。強いやつにはそれなりに敬意は持ってるぜ?)
 とはいえ、と貴道は思う。
 アント殲滅後の為にも多少なり強さを見せておく必要もあるだろう、と。
(楽な相手だと思われたら負傷を押して、オヤツ感覚で襲われるかもしれねえ。敵対関係にならず、かつ戦えば面倒な火力を見せていきたいぜ)
「しっかし惜しいな、こんな強そうなのが居るのに今回は仲良くしなきゃいけねえんだからHAHAHA」
 笑う貴道だが、アダマンアントナイトも充分以上に強い相手だというのは分かっていた。
 だからこそ、隙は見せないように立ち回る。
 武器商人もまた、神気閃光でアダマンアントを攻撃していた。
 何しろ相手はこれだけの大軍だ。単体を確実に倒すよりも、とにかく数を仕留め、あるいは弱らせてファイアードレイクに燃やしてもらった方が確実であるように思えたのだ。
 そして事実、ファイアードレイクのファイアーブレスはアダマンアントを確実に葬っていく。
「この調子であればどうにか対処できそうだな……!」
 ダイヤモンドダストを放つゲオルグも、そんな考えを抱く。
 アダマンアントたちの数は、減りつつある。勿論戦闘種であるアダマンアントナイトは残っているが……まずは数の差という圧倒的不利を覆さなくては、どうしようもない。
「ああ、これなら倒し切れるね!」
 イグナートもH・ブランディッシュを放ち、アダマンアントを攻撃していく。
 硬い、強い。数が多く、連携が出来る。それだけのことが、こんなにも強い。
 だからこそ、ここで倒さなければならない。それを強くイグナートは感じていた。
「多少の範囲攻撃は巻き込んで構わないわよ!」
 だからこそ、レイリーもそう叫ぶ。遠慮をして勝てる戦力差ではない。
 装甲で身を護る相手の厄介さは、他ならぬレイリー自身がよく知っている。
「ファイヤ……違った、ファイアードレイク」
 何やら言い間違いをしながら、アーマデルはアダマンアントを攻撃していく。
 その動きは常にファイアードレイク、そしてアダマンアントナイトのブレスを警戒したものだ。
 ブレスを吐く方向について常に頭に入れながら考える頭脳プレイなのだが……どうにも余計なことも考えがちなようだ。
(吐きながらって言葉にするとちょっとだいぶアレだな、大丈夫ファイアーだぞ、虹じゃないぞ)
 遠くても前方扇状範囲からはなるべく離れ、近づく場合は側面へ。余計な事を考えるのも、この過酷な戦場で自分を見失わない為なのだろう。
(shiriを狙ってはいないが、背後に回ると無礼打ちされるかもしれないし)
 まあ、口に出さないのはアーマデルの間違いなく良心なのだろうが。
「ここ最近はあのアリばっかり撃ってるような気がするのです。だからどこを撃てばすぐ倒せるかが何となく分かってきたような気がするのですよ! それは! 「破式魔砲ならどこでも」でしてー!!」
 それはいつもでは、とはルシアに誰も突っ込む余裕はない。
 だが仲間を信じて放つルシアの破式魔砲は確実にアダマンアントを撃破し、見事なサポートとして機能していく。
 全員が各自の役割を果たしていく事、そしてファイアードレイクに最大限の配慮をすることで回る攻撃システムはこれ以上ないくらいに機能し、ついにはアダマンアントのその全てを撃破する。
 ……さが、それでも終わりではない。大きく傷ついたアダマンアントナイトの炎がセララ達を包み、未だその強力な力は健在だと知らしめてくる。
 すぐにゲオルグのコーパス・C・キャロルが発動して傷を癒していくが、積み重なった傷と疲労は大きい。
「絶対に倒れない、倒れなければ、わたしたちの勝ちよ!」
 レイリーはヴァイスドラッヘンフリューゲルを構え、叫ぶ。
 ここまで来て倒れて負けるなんて、出来るはずもない。
「そうだよね、ここがボクたちの正念場だ!」
 セララの聖剣ラグナロクを構える姿にも陰りはない。まるで傷ついてからが本番と言わんばかりだ。
「おっと、やはり強いな!」
 貴道は傷を負いながらもデンプシーロールを発動する。左右へのウィービングと共に全体重の乗ったフックを叩き込み続ける嵐のような大乱打。無限の軌跡を描く古のブローは見事にアダマンアントナイトへと叩き込まれ、ひび割れた装甲の傷を更に大きく広げていく。
「ここらが頑張り時ってやつさァ」
 武器商人の【夜明け前が一番暗い】……対峙した者の「最悪」を手繰り寄せて放つ“旧き夜”の一撃がダメージを与えて。
「そうだね! ここで、ブッ倒す!」
 鋼覇斬城閃の手刀をイグナートが叩き込み、愛無も享楽のボルジアを放つ。
(実はルシアはナイトと戦える時をちょっと楽しみにしてたのでして。硬いアリの中のさらに強くて硬くなったアリ、きっと戦う理由がこうじゃなかったら燃えていたと思うのです)
 ルシアは癒式魔砲をファイアードレイクへと放ちながら、思う。
(だから、終わったらせめて天の声として女王さまにこんなことしちゃダメだって一言言っておくのですよー!!)
 まあ、その声が届くかは不明だが。
「あとちょっとでして! もうひと踏ん張り頑張ってほしいのですよ!」
 そして、ファイアードレイクの強烈な蹴りがアダマンアントナイトにトドメを刺して。
 その残骸を踏みつけながら、ファイアードレイクは勝利の咆哮をあげる。
 四方八方へと響くようなその咆哮は……ドレイクという亜竜の強さを示すかのようであった。
 あるいは、イルナークを死しても守護していたサンダードレイクも……骨となる前は、そうした強さを持っていたのかもしれない。
 だがどちらにせよ、これで戦いは終わった。
 40にも及ぶアダマンアントの大軍を撃破し、アダマンアントナイトをも撃破した。
 これは充分すぎる成果であり、めでたし……のはずなのだが。
 問題はファイアードレイク自身だ。
 そもそも大きな亜竜が危険なのは常識であり、その中でもファイアードレイクは他の覇竜の生き物と比べれば、かなり話にならない……元々話が通じない中でも、更に話の通じない性格で有名だ。
 ここまで共闘していたのもかなり奇跡的なことなのだが……そのファイアードレイクは今、愛無たちをじっと見ていた。
 勿論、方針としては基本的に撤退をするつもりだ。
 だが愛無としてはファイアードレイクが自分達に敵対行動を取らない際は、刺激をしない様に、可能な限り蟻の死体処理。最低でもナイトの死体は処分したいと思っていた。
(蟻は仲間の死体も喰うらしい。亜竜が残らず喰ってくれりゃ楽だが)
 そう考えていた矢先、ファイアードレイクがその顔をクイッと何処かへ向ける。
 まるでどいていろ、とでも言わんばかりの動きに全員が後退すると……ファイアードレイクは凄まじいまでの火力のファイアーブレスで残った死骸を焼き尽くしていく。
 余程襲われたのが気に喰わなかったのだろうか。焦げて炭化したそれらは、もうどうやっても使い物にならないだろう。
 フンと鼻息荒く何処かへ歩き去っていくファイアードレイクにココロはさよならと手を振る。
「またね!」
 それに応える声はないが……荒野に、ファイアードレイクの咆哮が響いて。
 あるいはそれは、一時的にでも共闘した者たちへの労いなのかもしれなかった。

成否

成功

MVP

ゲオルグ=レオンハート(p3p001983)
優穏の聲

状態異常

セララ(p3p000273)[重傷]
魔法騎士
ココロ=Bliss=Solitude(p3p000323)[重傷]
人生を贈ったのだから
郷田 貴道(p3p000401)[重傷]
喰鋭の拳
イグナート・エゴロヴィチ・レスキン(p3p002377)[重傷]
業壊掌
レイリー=シュタイン(p3p007270)[重傷]
ヴァイスドラッヘ
アーマデル・アル・アマル(p3p008599)[重傷]
灰想繰切

あとがき

アダマンアントナイト1体、見事撃破しました!

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