シナリオ詳細
<グラオ・クローネ2022>梅のかほりとちょこれいと
オープニング
●あまい、おとぎばなし
それは深緑を発祥とした物語だという。そこに住まう幻想種たちが進行する大樹ファルカウと『最初の少女』のおはなし。
気づいた時から1人だった彼女は身体の自由も、五感さえも満足ではなかった。それでもファルカウと幸せに寄り添っていた彼女は、何時しか1人ではなくなったのだ。それはきっと、自然へ――ファルカウへあたたかな気持ちを贈った彼女への、贈り物。
何も映せなかった瞳には僅かばかりの光が。触れても判らなかった指には微かな触覚が。味を知らなかった舌はほんの少しだけ感じ取れるようになった。
そんな彼女が、初めての同胞である子供達へ贈ったもの。それが灰色の王冠(グラオ・クローネ)だ。
深緑秘伝の味こそ広まっていないが、その御伽噺と共に『大切な人へ贈り物をする』という風習は大陸のあちこちへと広まっている。故に、この時期は商人たちも抜かりない。
「大切な人に贈り物を! グラオ・クローネのチョコレイトはいかがかね!」
「鉄帝のスペンサー地方で作られたチョコレイトだよー!」
売れる時に売れる物を売る。ラサを経由する商人達はそういった情報を得ながら、各地でチョコレイトを売り捌いていく。その品物は段々とチョコレイトだけではなく、アクセサリであったり、花であったりと多種多様に増えていくわけだ。
●
「――で、こっちでもチョコレイトを使った菓子が広まりつつあるんだって」
これ美味しいよ、と生チョコ大福に目を輝かせる『色彩蒐集者』レーヴェン・ルメス(p3n000205)。チョコレイトが何処から来たのかと言えば、海洋王国との貿易船である。
カムイグラ、高天京。
鎖国状態にあった間、カムイグラにはチョコレイト菓子なる物が存在しなかったそうだ。代わりにかりんとう、もしくは類似した和菓子を贈って感謝を伝える日であったという。召喚バグによって訪れた者もいたため完全に知らぬ物ではなかっただろうが、輸入などという手段がなかったのだから致し方がない。
しかし交易があり、それも決して短いと呼べる機関ではなくなってきた昨今。霞帝や宮中だけではなく、市井にも普及してきていると言う。
「それでね、京の和菓子職人さんたちが新しい菓子を考案しているってわけさ。こういう和菓子とチョコレイトを組み合わせるやつ」
こっちはフルーツ入りなんだよ、と苺の入った生チョコ大福を齧るレーヴェン。幸せそうだ。
京の中ではこうしたスイーツを食べられる店が点在する他、美しい梅の見られる場所や、見事な庭園を散策できる観光スポットも期間限定で公開されているらしい。
「……それにしたってさあ、食べ過ぎじゃない?」
「ええ、じゃあシャルルも食べてごらんよ!」
呆れた眼差しを向けた『Blue Rose』シャルル(p3n000032)の口元にレーヴェンは生チョコ大福を突っ込んだ。むぐ、と一瞬眉を寄せるも、シャルルは与えられたそれをもぐもぐと咀嚼して、ほわりと頬を緩ませてから「美味しい」と呟いた。
- <グラオ・クローネ2022>梅のかほりとちょこれいと完了
- GM名愁
- 種別イベント
- 難易度VERYEASY
- 冒険終了日時2022年03月04日 22時40分
- 参加人数50/∞人
- 相談7日
- 参加費50RC
参加者 : 50 人
冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。
参加者一覧(50人)
リプレイ
●
冷たい空気は柔らかくなって、少しずつ木々の目覚めを促すよう。人々もまた足の速度を緩め、雑踏の忙しなさが幾らか減った。
「レイチェルさんとも、お出掛けするんは初めてです。嬉しいわ」
「うむ、俺も嬉しい!」
「ルルも!
にっと笑みを浮かべるレイチェルに、笑顔満開のルルディ。蜻蛉は微笑ましい2人に笑みを漏らす。
「ルルディちゃん、好きなものある?」
「欲しいもんあったら遠慮なく言うんだぞ」
「うん!」
2人の綺麗なお姉ちゃんに手を繋いでもらって、ルルディは桜大通りのあちこちをきょろきょろ。まだ少し肌寒いけれど、これくらいなんてことはない。
「もうちょい暖かくなったら、桜も咲きそうだなァ」
「本当に。蕾ができているものね」
レイチェルの言葉に蜻蛉の視線は桜へ。あの蕾が綻ぶのはもう間もなくのことだろう。
「そや、お父さんとお母さんの分も、買うて行こか?」
「お、いいな!」
「ルルも大賛成なのよ♪」
両親に何か美味しいものを買ってあげたい。色々な和菓子屋さんを回って、ルルディはチョコ大福を選んだ。きっとパパとママも好きだろうから、と。
「うちは、お抹茶ショコラを買うていこうかしらね」
「それなら俺は……チョコカステラにしよう」
甘そうな菓子に蜻蛉がちらりとレイチェルを見る。意外ではあったが、甘い物が好きらしい。ちゃんと覚えておこう。
その視線を受けたレイチェルは小さく笑い、片目を瞑る。
「『家族』の前で自分を取り繕う必要はないからな」
家族にも、自分にも。お土産を選んだなら、心行くまで散策しよう。折角のお出掛けなのだから!
「ラダ! 良く似合ってるね」
「ふふ、そうかな」
レーヴェンとラダは揃って着物を着て、飲み物なんかをシェアしながら梅大通りへと向かう。
「手紙も貰ってたけど、そっちは随分忙しそうだったね?」
「ああ、そうだな」
練達ではR.O.O、そして亜竜の襲来があったし、その後は覇竜領域でも忙しくしていた。こうしたひと時は随分と久しぶりだ。
「レーヴェンは――あ、そこ、花! 落ちる落ちる!」
「えっ? あっ、ああー!」
ラダの言葉にわたわたと手を伸ばすレーヴェン。そんな姿にラダは思わず笑みをこぼす。さて、散々な年明けの後には良いことがあるだろうか?
夜も更け、ぼんやりとした灯りの付いた、その中で。
「おや、アンタも花を見に?」
「……ええ、そんなところです」
寿馨の言葉にセスはぱちりと目を瞬かせ、梅大通りへ視線を巡らせる。この辺りの様子が分かれば良かったのだけれど、まあ花を見るのもその一環と言えばそうだろう。
「ここの梅は香りも良いね。春を感じるみたいだ」
「香り、ですか?」
聞けば、寿馨は調香師なのだとか。香りなど特に気にしていなかったセスは、梅を見上げる。
灯りに照らされた梅の花、そのずっと先に瞬く星。それらを眺めていれば、確かに香りが鼻を掠める。
「ひとはこうして、季節の移ろいを感じるのでしょうか」
「ああ、きっとね」
こうした平穏な日常こそ、守るべきものなのかもしれない。そのためには星を読まねばとセスは視線をずっと遠くへ向けた。
寿馨は温かなお茶を飲んで、ふとセスが何も飲み食いしていないことに気付く。試しに勧めてみれば、食事不要なのだということだった。
色んな種族が異国にはいるのだなと視線を巡らせる。この豊穣もまだまだ慣れないけれど、これからは少しずつでも交わっていけるだろうか。
人通りもまばらな梅大通りの時間は、ゆっくりと過ぎて行った。
●
来たる2月14日。この日は特に、他の日にも増して人通りが多い。
「成程、成程。これがぐらおくろーねか!」
神使の姿をよく見ると訝しんでいた黄龍がぱっと表情を輝かせる。黄泉津瑞神――瑞はシキと並び歩みながらふわりと微笑んだ。
「よもやお誘い頂けるとは思いませんでした。我が黄泉津、どうかごゆるりと」
「いや、瑞。シキは吾らを『えすこーと』してくれるのであろう?」
「うん、任せて! 美味しいお菓子が沢山あると聞いてきたんだ」
大福にお饅頭。お団子やおはぎ。飲み物などもあるのだと言う。
「黄泉津にも春が近づいて参りましたね」
瑞はほう、と感嘆の息を漏らす。梅が咲けば、時期に桜が。そして高天京も春に包まれるだろう。
「ここで何か買って、それから梅大通りに行こうか」
「うむ。シキ、先ほどから気になっていたのだがあれはなんだ?」
黄龍が指し示したのは形こそカステラだが、色は深い茶色。チョコレートのカステラだよと還せば黄龍の瞳が興味に輝く。
「ちょこれいと。それは甘いのか?」
「甘いのも、甘くないのもあるんだよ。買ってみようか」
そんな風に気になったものを買って、梅大通りのベンチへ腰かけたなら、少しずつ分け合いっこしよう。近くの甘味処で人数分のお茶とひざ掛けを貰っていく。並んでまったりと過ごす3人は、傍から見ればただの村娘たちだ。
「ふふ、梅の香を感じながら飲むお茶ってのも悪くないね?」
「ああ。この菓子も良い」
知らぬ事ばかりなのだなあ、と黄龍が感慨深げに菓子をまじまじと見る。そうですねと瑞は微笑み、大通りへ視線を向けた。他のイレギュラーズたちも各々楽しんでいるようだ。
自身の大切にする神威神楽を、こうして皆と見られること。親しい人と見ることが、こんなに嬉しいこと。これもイレギュラーズが瑞と積極的に関わり合った故の変化。
「ねえ、折角だから梅の花をキャッチしてみない?」
ひらりひらりと舞う花弁にシキが立ち上がり、2人を誘う。瑞と黄龍もまた、彼女の後を追って立ち上がった。
同じ大通りを歩くギルオスとハリエットは、未だ残る冬の気配に小さく身を震わせる。
「……まだ寒いけど、少しずつ春は近づいてるんだね」
ほら、とハリエットが指差す梅の花。この花が咲いたら春はもう間も無くだと2人とも知っている。
「季節が過ぎるのは早いね。もうそんな頃か」
何もかもがあっという間に過ぎ去っていく。だから、おざなりにならないように、ゆっくりと見て楽しまなければ。
「そうだ。梅の花をキャッチできると、良いことがあるみたい、」
そうハリエットが見上げた先には、そうなのかいと目を瞬かせる彼――と、頭上に乗った花弁。手を伸ばしてそれを取れば、ハリエットにもついてたらしいそれをギルオスが取る。
「はは、これはセーフかな?」
「うん、多分ね」
彼女が穏やかであるように。
彼にいいことが沢山あるように。
2人の間にあるのは『そういう空気』ではないけれど。お互いに幸あれと、願ってやまない。
「梅を見るのは久しぶりだな。こっちに来て初めてかもしれない」
「あまり馴染みがないよね。豊穣ならではってとこかな?」
ルナールとルーキスはぴとりと身を寄せ合い、同じ膝掛けを使って暖まる。どこでも変わらないのだな、と鼻を掠める梅の香りが思わせた。
「たまには花見もいいね。銀の森の方が近いけど、見飽きた頃合いだったし」
「流石に、雪がああも多いとな」
ルーキスの言葉にルナールは苦笑い。嫌いではないけれど、他のものを見たい時だってある。
「さて、そろそろ出店でも見て回る?」
「ううん……青い和傘が売ってる出店があれば見たいな。つきあってくれ」
「はーい」
膝掛けを返し、2人は歩き始める。一緒ならどこへ行くのだって楽しいから、目的のものが見つかるまでは色々な店を見て回ろう。
「和傘が買えたら、次はルーキスが食べたい物を食べに行こう」
「いいねえ。リサーチしておかないと」
そんな2人が青と赤で揃いの和傘に出会うまで、もう暫し。
「わ、わ、ほんとうに、見事な梅の花」
「ああ、美しく、芳しいな」
晴明がそう告げれば、メイメイはふんかふんかと香りを嗅いでぱっと表情を輝かせる。好きな香りのようだ。
彼はいつだって忙しい人である。だから、今日はゆったりと梅を眺めて過ごすつもりであった。
そんな晴明想いのメイメイに引かれたのか、風に乗った花弁がはらはらと彼女の手元に落ちてくる。
「あ。……捕まえて、しまいました。地面に落ちる前だから、とても綺麗、ですね」
また飛んで行かないように、両手を椀のようにして。そうして微笑む様こそ花咲くようであった。
「その花弁も、他ならぬメイメイ殿に捕まえて欲しかったのであろう」
「そう、でしょうか? それなら、とても嬉しい、です」
晴明の言葉にメイメイはそっと花を抱きしめる。帰ったら押し花にしようか。今日という日の記念に。
花をハンカチに包んだメイメイは、代わりにある物を取り出す。そして晴明へと差し出した。
「えと、ハッピーグラオ・クローネ、です」
「……これを、俺に」
「はい」
瑞たちの分もあるけれど、これは晴明の分。顔を見て渡したかったのだ。
「有り難い。贈り物も勿論だが、こうして誘ってくれた事も」
公務は大切だし、投げ出すことはないけれど。こうして憩いを作ってくれる者がいるから頑張れるというのも、また事実。
「メイメイ殿。また、黄泉津を案内させてくれ」
「! ……良いのですか?」
忙しいだろうに――そんな視線に晴明は微笑む。次は瑞や黄龍を誘うのも良い。そうすればきっと、彼女は喜ぶだろうから。
これが、その真心に返す感謝の形だ。
甘味処でお茶を購入し、揃って腰掛けたノルンとアリスは景色を楽しみながらチョコを摘む。いや、摘もうとしたのだ。
「ノルン……あーん……♡」
「ぁ、あーん……これ、とっても恥ずかしい……!」
恥ずかしいけれど、楽しそうなアリスに断るのは憚られる。故にノルンは顔を赤くしながらも言われるがままに口を開けてしまうのだ。ああ、周りからの視線が刺さる。
けれどもチョコの味を感じてしまえばそんなものも気にならない。美味しい、と笑顔を浮かべたノルンはチョコを摘み、自分が食べるのではなくアリスへ差し出す。彼女は思っても見なかったのか、目を瞬かせた。
「こっちもお返しです」
「あーん……んふ!」
ぱくり。彼女の唇に指が触れて、ドキッとしてしまう。寒いはずなのに体はぽかぽか暑いくらいだ。寒空を見上げると、風に運ばれる花弁が視界を横切る。もう少しで、こちらに落ちてきそうな。
(取れるかな)
ノルンは手を伸ばす。けれど風は悪戯で、キャッチできそうだったそれを別の場所へ運んでしまった。
「あっ」
残念そうな声と共に、くすりと笑うアリスの気配。一緒に取ってみようよとノルンは手を伸ばす。
こうやって一緒に遊んで、過ごして、出掛けて。沢山の思い出を重ねていこう。
「風牙は、洋菓子、よく知ってるの?」
「まあまあ知ってると思うぜ。和菓子も洋菓子もいけるしな!」
つづりの言葉に胸を張る風牙。瞳を輝かせたつづりはそそぎに良かったねと笑いかける。
「一緒に、教えてもらえるよ」
「前に食べたケーキは、美味しかったけど。別にわたしはつづりが行きたいって言ったからついて来ただけよ」
つんとして見せるそそぎだが、その顔はどう見ても『楽しみにしてました』と言っている。風牙は敢えてツッコむ真似はしないが――それなら思いきり楽しんでもらわなくては。
「財布なら心配するなよ! クレマァダさんが全部出してくれる! なんせ貴族のお嬢様だからな!」
「ほう?」
風牙はその言葉にひえっと肩を跳ねさせた。どうしようクレマァダの方見られない。自業自得なんだけども!
「嘘嘘嘘ちゃんとオレも出すよ! コンモス空手はどうか勘弁!!」
「え、やらんが」
きょとんとしたクレマァダは、それよりもと双子の肩へ手を回した。その表情は珍しくあくどいそれである。
「風牙よ、本当に良いのか? 我だけが甲斐性を見せてしまっても……」
「え。あ、そう言われると悔しくなってくる……!」
本当はお金なんて貯まってるし散財も気にしないのだが、出来心が仇になったか。悔しがる風牙につづりがおずおずと口を挟む。
「……あの、セイメイからお小遣い、貰ってきた」
「一応、一応よ。セイメイがどうしてもっていうから」
頷くそそぎ。曰く、外交費用だと。だからクレマァダにも風牙にも迷惑をかけないとつづりは告げる。
「違う、つづり。貸し借りがいやなだけ!」
ほんとうに、それだけだもん。小さく呟くそそぎに3人は目を瞬かせて、それから風牙がくすっと笑う。
「そうか。じゃあ今日は貸し借りなしで思いっきり楽しまないとな!」
「うむ。それじゃあ、行くか。1日はあっという間だぞ」
クレマァダの言葉に一同は歩きだす。人が多い所では4人で手を繋いで、気になる菓子は皆で少しずつ食べてみて。双子が仲良く分けっこする姿は何とも微笑ましい。
「我らの戦いは、この尊みを護るためにあるのじゃな……」
「……ああ、そうだな」
笑顔で双子が楽しんでいること。自分たちの腹を満たさずとも、その光景だけで胸はいっぱいだ。
「ねえ、あなたたちも一緒に食べましょうよ。そうしたいんだって、つづりが」
そそぎがふと振り返って2人を呼ぶ。愛らしい双子に呼ばれたなら行かないわけにはいかない。
「そそぎは違うのか?」
「別に……わたしは、そそぎが食べたいものを一緒に分けて食べたいだけ」
『別に』という言葉で本音を押し込んで。けれどその胸の奥は、ちゃんと知っているのだ――今、わたし、楽しんでる。
「こういうの、和菓子って言うんだっけ?」
「はい、でもこんなに精巧なものはなかなかお目にかかれませんよ」
すごい、と呟くリンディスにマルクは頷く。グラオ・クローネは大陸由来のものだが、すっかり自分たちのお祭りにしてしまったようだ。
並ぶのは誰も幻想では見ないような菓子ばかりで、中には本物の花と見紛うような練り菓子もあるようだ。
けれど、2人の目的は抹茶のかかったショコラ。たびたび目移りしながらも、目的の菓子を購入する。休憩処へ入ると、お茶を注文しつつ菓子を出した。
「他の町だとあまり見ない緑色ですよね」
突然出されたら身構えてしまうかもしれない。2人も恐る恐る口をつけてみる。リンディスの瞳がぱっと瞬いた。
「普通のチョコと……抹茶? なるほど、面白いお味です」
「渋いお茶がちょうど良く感じるよ」
マルクが配膳された茶にひと息つく。チョコレートと緑茶、一見すれば不思議な組み合わせだが悪くない。それに誰かとこうして食べるのはほっこりできて良いものだ。
菓子を食べてひと休憩したならば、次の目的地へ。それがどこなのかはリンディスしか知らない。
「ふふ、楽しみにしていてくださいね?」
行き先は内緒。マルクは楽しそうなリンディスへついていくのだった。
「文! お茶買ってきたよ!」
「ありがとう。はい、膝掛け」
温かなお茶を購入してきたイーハトーヴへ隣を勧め、文は膝掛をかけてやる。まだ少し肌寒いから、温かいものが身に染みるようだ。
「ふふふ、俺ね、これも買ってきたんだ」
じゃーん、ととっておき――チョコカステラを見せるイーハトーヴ。なんたってチョコレート色のスポンジの可愛さよ。これはおすすめするしかないと思ったのだ。
「それなら、遠慮なくいただいてしまおうかな。イー君、果物の入ったチョコレート大福はどう?」
「わ、頂こうかな! 中身は何だろう?」
お互いにわけっこしあって、ぱくり。イーハトーヴは苺の甘さにすっかり幸せ顔だ。対する文は意外や意外、和菓子とチョコレート、そしてお茶の組み合わせがしっくりきたもので。これは思わず手が進んでしまう。梅の香りとチョコレートの香りが混ざって甘さが濃くなるようだ。
「普段より美味しく感じるのは、イー君が一緒に食べてくれるからかな」
「俺も文お兄ちゃんと一緒で嬉しいよ。和菓子も美味しいし、梅も可愛くて綺麗!」
また来年も来ようね、なんて気が早いかもしれないけれど――楽しみだ。
「やあ、アーリア。時間通りだ。今日もたっぷり美人だね」
美人から誘われたレオンは、それを袖にするわけもなく。初めて豊穣の地へ足をつけていた。
「絶望の青を越えた先は、流石のレオン君も初めてなのですね」
「あらまぁ、レオンくんの初めてなの! 嬉しいわぁ」
微笑みを浮かべるアーリアの傍ら、ドラマはこの地特有の酒を入手しておこうかと頭の片隅で思う。帰ったら一緒に飲めるかも。
「それで、俺はどこへ連れて行ってもらえるのかね」
「梅の花見なのだわ!」
「綺麗な場所らしいですよ」
「両手の花は私たちで我慢して欲しいところだけど、ね?」
女性3人に囲まれて、辿り着いた通りにはピンクや白、黄色い梅の花が咲き乱れている。開いている席を見つけると、お昼にしましょうかと華蓮がお弁当の包みを見せた。
「お、いいじゃん。手料理?」
「ふふん、沢山作っただわ!」
レオンが座った横へ自然な流れでドラマが腰かけ、その隣へ華蓮を座らせようとアーリアがぐいぐい押す。
「ちょ、アーリアさん!」
「いいじゃない、折角だもの」
こんなチャンス中々ないわよ、という言葉にも押され、華蓮はレオンの隣へ、拳一つ分くらいの間を開けて座る。それもアーリアに気付かれて、ぐいぐいとその距離を詰めさせられてしまうのだけれども。
(頑張るのよ華蓮……!)
自らを鼓舞し、華蓮は「レオンさん!」と勢い混じりに彼を呼ぶ。
「はいはい、何?」
「これ、自信作だから食べて欲しいのだわ! あ、あーん……!」
もはや最後などは顔が真っ赤なのだが、レオンは気にせず華蓮の手から食べさせてもらう。そして小さく笑った。
「美味い。さすがだね」
「レオンくん、私も作ってきたのですけれど、食べて頂けますか?」
反対側からドラマも弁当箱を差し出す。そこまでの量はないが、こちらも自信作だ。
だが――華蓮の弁当は十分な量がある。これだけでも満腹になってしまうかも、などと言ってみれば、わかりやすく動揺するものだから。
「それじゃあさ。ドラマも自信作を俺に食べさせてよ」
「自信作ですね……!」
どれも自信はあるから迷ってしまうけど、とっておきを食べてほしい。吟味し始めたドラマにアーリアは目を細め、温かなお茶に口を付ける。
(いいわねぇ、のんびり過ごすのも)
「いいね、こういうのも」
似たような言葉が華蓮を挟んで反対側から飛んできて、アーリアは視線を向ける。レオンのそれとかち合って、アーリアはふふっと微笑みを浮かべた。
「ええ、そうでしょう? 温かいお茶にお弁当、それからはらはら落ちる梅の花――」
素直なグラオクローネは、時に甘ったるくなってしまうものだから。こうした時間を噛み締めるのも、悪くない。
(空観さんに誘われて来たけど、梅泉さんにこの面子って所謂……)
いややえておこう。花丸ちゃんは知らずに来たんだもん、何も分かんないっ!
「んふふ~♪ たまにはゆっくりと過ごすのも素敵ですね♪ 綺麗な庭園ですし……」
「ほんに、様々な木々が見えますね」
斬華に頷く空観。あまり植物には詳しくないが、見ればどのような物であるのか気になるのは人の性なのだろう。しっかりと手入れされた庭は一目でそう分かるものだと斬華は思いつつ、も。
(たてはちゃん遅いですね……)
絶やさぬ笑顔の下、ちょっと焦っていた。梅泉はきているのに、肝心のたてはが見当たらない。挙句の果てには既に女性陣に梅泉が囲まれているというこの状態。よろしくない。非常によろしくないのである。
「今年もお誘いありがとうございます」
「今年も皆様の元気な顔を拝見出来て嬉しい限りです」
まあ、良く顔を合わせる者もいるがとすずなは何人かチラ見する。その間にも梅泉の隣へ座ろうとする小夜に、すずなはあっと声を上げた。
「小夜さんは私の隣ですよ!」
「あら、そうなの? じゃあ今日はすずなの隣に座らせてもらいましょう。あんまり尻尾を振らないのよ」
「振りませんからっ!?」
そんな2人を仲が良い事、と微笑ましく見る舞花は、梅泉が小さくため息をついたことに気付く。
「彼奴らめにはわしがどう見えておるのかな。こんな男が、斯様な華やぐ催しに似合う筈もなかろうに」
「あら……ふふ、お世辞ではなく似合っていると思いますよ」
お前もか、というような目で見られるが気にしない。心からの賛辞である。育ちというのだろう。慣れている姿は実にさまになる。
「――では、御茶を一服差し上げます」
舞花が御茶をたて、梅泉へと出す。まさか元の世界で叩き込まれたことが役に立つとは思わなかったが、これもめぐりあわせだろう。
「ふむ。上手いものだ」
梅泉とて、常に刀を抜くわけではない。これだけの美人に囲まれていれば尚更。故に、茶が済めば先ほど斬華たちが気になっていた枝花の説明をしてくれたりと実に穏やかなそれであった。
「センセー詳しいね。異世界のニホンっていうところと似てるって聞くけど、植物も似た感じなんだ」
サクラが感嘆の声を上げる。見事な庭園だが、それをこれだけ話せるのだから流石だ。
「じゃじゃーん! 今日はチョコレイト和菓子を買ってきちゃいましたっ!」
すっかり馴染んだ様子の花丸が生チョコ大福にチョコ餡饅頭、抹茶ショコラと大量の和菓子を出し始める。これだけ集まっていたから良いものの、場合によっては惨事だ。
「私も色々買ってきたんだよね。センセーは抹茶のチョコレートがいいかな?」
「頂こう」
サクラに頷く梅泉。皆各々にチョコレートを楽しみ、庭園を彩る枝花を愛でていれば、いつの間にか時間は過ぎていくもので。
「そういえば、もう一方お誘いしていたのですが……」
「そういえばたてはちゃん、随分遅いね?」
空観の言葉にサクラは首を傾げる。もう来ても良い頃合いだが。
来られないのならば仕方ないですね、と空観は梅泉の隣を見る。不自然に空いたそこは、彼の隣にいつもいる彼女の為に開けておいたのだけれど。そのままでは寒く感じてしまうから、詰めた方が良いだろう。
悪気とか一切なく、空観が良かれと思って詰める。梅泉は詰められた隣から、ぐるりと見渡した。集まるは美しき女人ばかり。なれば、ここで一句も読みたくなるもので。
寒梅の
花弁一片
食い足りず
異国の花(きみ)の
艶見事なら
――君等、花より綺麗だね、と。
「――旦那はん、なんやの、その隣の女」
「あ! たてはちゃ~ん♪」
やっと到着したたてはに手を振る斬華だが、見えていないらしい。その視線は梅泉の両脇を詰めるに至ったサクラと空観、ついでに梅泉をじっとりとねめつけている。
「すっごく怒ってるように見えるんだけど! センセーなにしたの!?」
「む。わしのせいか」
憮然とした梅泉であるが、原因の一部、ではある。
「隣を開けてくれる言うから来てみたら! 道よう分からんわ! 旦那はん逃げるし遅刻してもうたやない!」
「まーた撒いてきたんですか、毎回よくもまぁ……」
思わずすずなはあきれ顔。隣では小夜が「何故かいつも怒っているのよね……」と首を傾げている。
「でも梅の花が綺麗やったから旦那はんもムード出して待ってくれとると思うとったのに! なんなの!!」
たてはが躊躇なく刀を抜き、流石に一同も焦る。が、有無を言わさぬ一閃が車座になっていた一同の中心を叩ききった。
「花丸さん、頼めますか?」
「無理だよ!?!?」
「たてはちゃん! この間も言いましたが、アレですよ、アレ!」
梅泉さんを落とすなら淑女ですよ、という言葉に暴れまわっていた――余波を受けたお菓子の残骸が転がっている――ぴしりとたてはが固まる。その間に斬華は必死に目配せし、梅泉の隣を開けて貰おうとしていた。
「気が済みましたら、貴女も一服如何ですか――彼も見ていますよ」
「う、ううぅぅ……!!」
舞花の言葉に、悔しそうに、非常に悔しそうにしながら――たてはは刀を収めた。
雑踏、人々の賑わい。グラオ・クローネというものを知ったからか、豊穣の民もまたそのご利益を得たいのだろう。ルル家は様々な縁に利益があるのだと知って一瞬真顔になる。
(恋愛……縁結び……いやいやいや)
そういうのはまだ早いだろうし今回はそういうつもりで来たのではないしこれからゆっくり育みたいと言うか神頼みから始まるのって良くないと思うんですよ!
という脳内テロップを上げるルル家の傍らで遮那が同じ文を見て「縁結びか」と呟いた。
「折角だから皆で結ばぬか? 貴方達が居たからこそ、私は此処に至っておるのだ。この縁が強く在れるのなら、こんなに嬉しいことはない」
「ええ、勿論! それなら組紐を選びに行きましょうか?」
朝顔は縁結びのおまじないができると大喜び。他の人に嫉妬はしてしまうけど、邪魔するような悪い子にはなったりしない。
「折角なので、遮那くんとだけじゃなくてみんなで紐を結びませんか?」
「おお、構わぬぞ」
「これもまたひとつのご縁ッスからね」
ルル家の提案に朝顔は2本の組紐を用意した方が良いのだろうか、と並ぶ紐と睨めっこ。傍らで遮那と鹿ノ子は同じ組紐に触れる。
「あ……っと、僕はこっちにするッスよ」
「良いのか?」
「良いも何も、同じ色ッス」
琥珀色の組紐を揃って手にした2人へ、ルル家と朝顔も決めました! と組紐を持ってくる。碧色と、天色。それらを一緒に結びに行く。
(どうか……結んだ紐が、解れてしまわないように)
この先、どんな事があってもと、今は祈る事しかできない。強く強く祈りを捧げる鹿ノ子の傍ら、朝顔は遮那の事を想って願いを込める。
彼の事を愛しているけれど、私は彼に似合う人だろうか? そうでないのならなりたい。どんな努力だってその為ならば越えて行けるだろう。
「これなら、私だけの力では到底辿り着けぬ果てまで行くことができそうだ」
「その時は拙者達も一緒ですからね!」
勿論だと微笑む遮那に微笑み返したルル家は、鹿ノ子の組紐を見てやっぱりいいなあと思った。今度は遮那と縁を結ばせてもらおう。皆の前では恥ずかしいから、2人だけの時に。
「ブラッド、いいにおいだね!」
サンティールが香と梅の香りを吸い込み、花が咲いたように笑う。行こう、と促されたブラッドは神社を物珍しげに見ながら境内へ踏み込んだ。
「これは…… この国の厄除けですか」
「かわいい! お清めした鉱石が入ってるんだって!」
これとかこれとか、とサンティールが出すものはデザインも違って、非常に興味深い。……今後予定にない効能ばかりであること、以外は。
「むぅ。じゃあこれ!!」
そんな彼女が出したのは、えにしを結わくもの。とこしえに近いだろう時を生きる彼からすれば、繋がり続ける縁などないのかもしれないけれど。それでもとサンティールは彼へ対の組紐を差し出す。
その組紐を、ブラッドは大事に受け取った。
生きる長さと、その価値観。2人の間には大きな壁が立ちはだかっている。ブラッドは生の長さ故に、人の心を理解するまでもっと時間がかかるだろう。
明るい彼女が別れを悲しまないわけがない。少しでもその心が軽くなるようにと思った発言は、どうしてか彼女を傷つけてしまった。
(それでも、この先もと受け取った縁を大切にはしたい)
彼女が此処にいること。いつかいなくなっても、此処にいたこと。その存在を示すようにブラッドのピアスが陽光を弾く。
忘れないよう、思い出をまたひとつ。
「なかなかの賑わいね」
「やっぱり特別な日だから」
アルテミアとウィリアムは結紐神社に溢れかえる人々を見て目を丸くする。イレギュラーズの姿もちらほら見えるようだ。
「皆、強く結びたい縁があるんだわ……」
「僕たちは……友情かな?」
彼の言葉に頷くアルテミア。家の事も色々あるし、恋人の縁というわけでもない。
(……ない、でしょう?)
だというのに、どうして胸が締め付けられるようなのか。
一方のウィリアムも友情というものに何故かモヤモヤする。それで良い筈なのにしっくりこないのは、もっと別の情があるということだろうか。
(もう少し考えてみようか)
何にせよ、組紐を選ぶところからだ。2人は選んだ組紐を持って桜の木の下へ向かう。
「いつまでも良縁が続くと良いわね」
「うん」
どうか、いつまでも。結紐に願いを込めて――。
「さ、ウィリアムさん」
「え? わっ」
急に手を取られ、引かれるウィリアム。アルテミアはグラオ・クローネを楽しもうと大通りへ誘う。
「いいね、行こうか。今日はやっぱり甘い物だよね!」
「ええ! 色々買って楽しみましょ!」
引かれていた手は、いつの間にか互いにしっかり繋いで。2人は結紐神社を後にした。
「たまには異国情緒も良いものですね」
「ええ。グラオクローネで初詣の機会があるとは思いませんでしたが」
レジーナにエスコートされるリーゼロッテは、賑やかな境内を一瞥する。幻想とは随分異なる、慣れない場所ではあるが実に荘厳だ。
「今、お時間よろしいでしょうか?」
そこへ声をかけてきた男にレジーナがぴくりと反応するが、彼――新田寛治は「大丈夫ですよ」と穏やかな声で告げた。
「1分ほど、お時間をお貸し頂ければ」
「……いいでしょう」
頷くリーゼロッテ。寛治は徐にその髪へ手を伸ばす。淡い香りが鼻腔を掠めて、リーゼロッテは視線を頭上へと移した。
「お嬢様と言えば青薔薇ですが、本日だけはこちらの花がお似合いでしょう」
大通りに咲き誇る梅の花。簪に通されたそれが愛らしく彼女の銀髪を飾っている。
「梅の香に 過る甘さと 銀の髪。――おっと、これではどこぞの剣客のようですね」
けれどこんな日があっても良いだろう、と。 寛治はレジーナにも一礼すると、用は済んだというように去っていく。
「……レナさん」
「なんでもございません」
知っている。彼女が彼女以外からの贈り物をされてに拗ねていることなんて、バレバレだ。可愛らしいその様子へ追い打ちをかけるように、オウェードがリーゼロッテと遭遇する。
「リ、リーゼロッテ様……奇遇じゃな」
「ええ、ごきげんよう」
ただ挨拶をして見せただけなのに、彼が普段見せる威勢はどこへやら。真っ赤になって視線をうろつかせて――落ち着かない。しかし何か決意をしたのか、リーゼロッテを真っすぐ見つめた。
「リーゼロッテ様、よろしければ、わ……ワシと縁結びして欲しいのじゃが……いいかね?」
後ろで「えっ」とレジーナの声が聞こえる。リーゼロッテは振り返って彼女を見る。なに、とは言わないけれど。
「……あとで、お嬢様と縁を結ばせて頂けますか?」
「ええ。それじゃあ、行きましょうか」
ちなみに、この『行きましょうか』は即ち『エスコートして』ということである。的確に理解したレジーナは彼女を先導し、多種多彩な組紐が並ぶ授与所へと。そこで選んだ紐を先ずはオウェードが結ぶ。
(これで縁が……)
「お嬢様、次は我(わたし)とお願いできますか」
思わず出かけた言葉がレジーナのそれで詰まる。さすが恋敵と言うべきか、付け入る隙を与えない。
「これでいいかしら」
「はい。……この縁がずっと続くためには、貴女が居なければ成立しませんよ、お嬢様」
だから、と少々照れが混じりながらも、レジーナはひとつの小箱を差し出した。大切な人へ、その身を守るための贈り物。幸運と奇跡を願った、青の薔薇と蝶があしらわれた指輪だ。
「如何でしょう。喜んで頂けましたか?」
「喜ばないわけがないでしょう?」
――だってあなたが私を想った贈り物だもの。
成否
成功
MVP
なし
状態異常
なし
あとがき
お疲れさまでした、イレギュラーズ。
また、遊びに来てくださいね。
GMコメント
●できること
カムイグラで過ごす事
●ロケーション
カムイグラ・高天京。
海洋から渡って来たチョコレイトが広く普及し、市井でも出回っています。
また、この時期限定で観光スポットが公開されているようです。
●プレイング書式
以下のように記載いただけますと幸いです。
1行目:パートタグ
2行目:グループタグ・同行者名+ID
3行目:これ以降プレイング
例:
【1】
シャルル(p3n000032)
食べ歩きしよう!
●パート【1】当日
来るべくして来た2月14日。
この日にお出掛けしたい、プレゼントを渡したいなど、ピンポイントにこの日が良い人向け。
●パート【2】当日以外
そんなピンポイントに誘ったら勘違いされちゃうでしょ!みたいな人や、日付を気にせず過ごしたい人。
あるいは、自分で作るけど参考にしたいから当日よりもっと前の日に来てみたい人向け。
●高天京観光スポット
複数箇所行くことも不可能ではありませんが、描写が非常に薄くなるため、1箇所に絞ることを推奨します。
また、此処に書いていない場所や、書いていない食べ物などもプレイングに記載頂ければ可能な限りリプレイに反映します。
・桜大通り
その言葉通り、春になれば満開の桜が咲き誇る大通りです。今はまだ蕾が付いた状態です。
この通りには和菓子の店が多く、チョコレイト和菓子を売り出しているようです。少量から購入可能で、食べ歩きもできそうです。
以下のようなお菓子が売られているようです。
・生チョコ大福
・チョコ餡饅頭
・抹茶ショコラ
・チョコカステラ
・かりんとうチョコレイト
・チョコレイト羊羹
……etc.
・梅大通り
その言葉通り、梅の咲き誇る大通りです。丁度見頃です。
小さく可愛らしい梅の花がたまに風で落ちてきます。地面に落ちる前にキャッチ出来たらいい事あるかも。
この通りでは梅を見に来た客が多く、多くのベンチが配置されています。ひざ掛けも近くの店に言えば貸してくれるそうです。
また、近くの店ではいたって普通のお団子や饅頭、温かいお茶を購入することができます。桜大通りで買ったものを持ち込むことも可能です。
・白舟家庭園
高天京に居を構える貴族邸です。冬咲きの花々が美しく咲き誇っており、目で楽しむことが出来るでしょう。
白舟現当主は厳めしい顔つきですが、話の分かるご老人です。大陸の植物に大層興味があるそうで、海洋との交易開始当初から花や種、苗木などを輸入して庭で育てています。今回は特別公開だそうです。
・結紐神社
縁結びの神社です。普通のお参りや御神籤などができます。
恋人同士の縁だけではなく、家族や友人の縁もしっかり結んでくれると評判です。
お守りは若い人向けのお洒落なデザインから、落ち着いたデザインまで様々あります。
また、お守りの授与所では組紐を受けることができます。2人で選んだ組紐を所定の場所に結ぶことで、よりその縁が強固になると言われています。
様々な色の組紐があるようですので、どれにするか悩むのも良いでしょう。
●注意事項
本シナリオはイベントシナリオです。軽めの描写となりますこと、全員の描写をお約束できない事をご了承ください。
アドリブの可否に関して、プレイングにアドリブ不可と明記がなければアドリブが入るものと思ってください。
同行者、あるいはグループタグは忘れずにお願い致します。
●ご挨拶
愁と申します。
豊穣なら比較的何でもできます。ステータスシートのあるNPCにつきましては、文通やメッセージ等でお誘いして見てください。
それでは、よろしくお願い致します。
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