PandoraPartyProject

ギルドスレッド

薬袋堂

【薬袋堂】

一軒の平屋。
暖簾を潜ると鼻に付くは、草木や薬品類の不快な匂い。
その更に奥へ歩みを進めると帳場机に座り出迎える口布の男。
どうやら乳鉢にて何かを調合中のようだ。

客人に気づいたのか、いらっしゃいの一声。
今日とて自身の心の赴くまま客人を持て成すべく
愛想の良い笑みを浮かべている。

――ええ、ちゃんと持て成しますとも…ちゃんと、ね。

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(暖簾を潜り、軽快な靴音を立てながら足早に帳場机の前へと迎う。表情といい歩く速度といい、何処か嫌々この店に来たという様な感じだ)(すぅ、と息を吸い)こんにちはじっちゃんからの薬を頼まれたからお願いしたいのだけど。(吐き出した)(目線を合わせず、早口で言い切る)
こんにちはー…(鼻をひくひくさせつつお店の中を不思議そうにきょろきょろしながら物珍しそうに店内を眺め)あ、えっと、えっと。(何のお店なのかな、と先客のお姉さんの行動をそっと邪魔にならないように伺っている)
(足早に訪れ早口で言い切る目の前の少女を見上げては、調合していた乳鉢を奥へ避難させ笑顔で出迎える)はら、砂埃立てながらの来店で何処の暴れ鳥が現れたのかと思えばプティお嬢じゃないですか…いらっしゃい。へえへえ、例の薬ならあるんで少々お待ちを。(用件を聞き調合済みの薬を取りに立ち上がりつつ、もう一人の客人へと目線をやりいらっしゃいと一言残し背を向けたかと思えば、足を翻し見下ろす形で目の前の少女へと呟く)ああ、それと…今度から来店の際はお静かに頼んます。アンタの爺様がどうなってもいいならお好きに、ですがね。(言い終えると今度こそ薬を取りに向かう)
あら、こんにちは。騒がしくてごめんなさいね。お使いか何かかしら?(もう一人の小さな真白の少女へとそう告げて、布瀬への対応とは真逆に微笑みを湛えた)……何よあいつ、えらっそうにっ!(聞こえぬ様、小さく呟いて腕を組んで不機嫌そうに。それから背を向けた店主に舌を出す。ついでに目の下も指で引っ張って追撃を忘れずに)
プティお嬢や、その舌引っこ抜かれたく無けりゃ早くしまうんだな。
これで踊り子ときた、世も末だ。躾はどうなってるんだか…モンペに請求してやろうかねえ。
(薬箪笥にある依頼の薬を取り出している間に、後ろでのやり取りが想像付いたのか品を手に振り返り踊り子の少女の頭に品を置く)

いやはや、新たな客人に見苦しいモン見せてしやいやしたねえ。
此処が何なのか知って訪れたようじゃなさそうだ…。
だが、やり取りで何となく知ってもらえたでしょうか。
(一仕事終えたというように清々しい笑みで先程から様子を伺っている客人へと向き直る)
(二人のやり取りを眺めてぱちくり、仲悪いのかな、と心配げにしてから、笑顔には笑顔でにっこり返して)
あっはい、あのあの。お薬屋さん、なんですね。
不思議な匂いのお店だなって、何だか気になって、入って来ちゃいました。
お邪魔しちゃってごめんなさい。
(何か買わないと、ときょろきょろ見回し)えっと…病気じゃなくても買えるお薬もありますか?
おい、余計な事は言うな、するな。そう言ったはずだが?
(入り口から唐突にあがった声、不機嫌をありありとその表情に浮かべながら戸に手をかけている大柄な男。言葉の行く先はどうやら先程悪態をついていた少女に向けてのもの。小柄な少女には気付いてなかった様で、不意に下ろした視線にその姿を捉えれば虚をつかれた様に動きを止める。)
…っと、すまねぇ。見えてなかった。
(今日の仕事は所謂”お使い”だった。地図の描かれた紙切れを片手に黒いスカート、メイド服の裾を揺らして歩く)
(この辺り、と検討をつけた店先は――翼で覆われていた)
(いや、それは大柄な翼を持つ先客の背中だ)
…もし、翼の方。わたくしこちらの扉をくぐりたいのですが。
(丁寧ではあるがぴりりと張り詰めた声色で声を掛ける)
(頭に置かれた薬を慌てて押さえる。何か言おうと口を開くが…)
……!!
(聞き覚えのある声。錆びた歯車の様にぎこちなく振り返れば、ほらやっぱり)
……大袈裟ね、まだ何もしてないわよ。
(溜息を一つ零し、それから。クラシカルな服を着た新たな客人に気付き)
サイ、後がつっかえてる。
あふぇっ…あ、大丈夫です(大きな翼を見上げて瞳を瞬いてから、ふるふると首を横に振って、ずい、と邪魔にならないように端に寄る)わたしこそ、邪魔しちゃってごめんなさい。
お客さん、いっぱい。人気のお店なんです、ね。
(後がつかえてる、の言葉に振り返ればそこにはいつのまにか給仕服を纏った人の姿。再び謝罪の言葉を添えながら戸の端へと移動する。翼を背に閉じていても元が大柄なせいか、どうしても場所をとってしまうようだ)
(移動ついでに、慌てて端へ移動した少女に止まる様促して、自身が更に隅、品の置かれていないスペースへと移動した)
いや、気にするな。オレは客じゃないからな。あいつの監視で来ただけだ。
(あいつ、と言って指差したのは頭に薬の入った袋を置かれた少女)
いや、人気って程ではない。ソコソコな感じですかね。
にしても、珍しく大渋滞してますな…
其処の客人や…入口近辺で留まってないでもっと中へどうぞ。
(問われた問いに答えようと口を開こうとしたら、店の出入り口の騒がしさが気になり視線をやると、いつの間にか人で詰まっている様子に苦笑い)
出入りの邪魔になるのは、此方としても困るんでね。
適当に店内見るなり、此処に腰掛けるなりお好きに。
(自身が立つ座敷を指を差し客人達に座るように促す)

(誘導し終わるやいなや、新たに訪れた給仕服を纏った客人に断りを入れてから、先程聞かれた質問に答えるべく口を開く)
患ってなくてもあるにはありやすが、別に今日無理して買わんでもいいですよ。
次回、本当に病で必要とされた時に是非とも他の店ではなく、薬袋堂を贔屓にしてくれれば嬉しい限りなんでね。
(たまたま通りかかった平屋。
 当てもない散策中の景色の一つとして認識した店は、その大きさの割に何やら人で賑わっていた)
(……何のお店なんだろう?
 「薬袋堂」と書かれた暖簾の奥からは、何やら不思議な匂いが漂っている。
 つうんと、鼻をついて……薬草の香りに、似ている?)

……あれ。この声。

(ふと、店内から聞こえる複数の声。
 その中に、幾つか聞きなれたものが混じっていた気がして。
 気を惹かれたが最後、己の足は無意識に店先へと向かっていた)
(暖簾をくぐり、視線を向けたその先には、)
……あ。やっぱり。
プティとサイード……あれ、ニコも、居る。

(幾度か袖振り合った顔ぶれ、知り合いの姿を見とめて声を上げる。
 ……揃っていた面子の共通点は、分からなかったけれど)
(結局ここはどういった店なんだろうか。と改めて店内を見渡してみる。
 鼻の奥をつく匂いは、相変わらず強く。何やら、不思議な印象の場所だった)
(奥にいるのが、ここの店主だろうか。口布を付けた彼へと、軽く会釈をする)
(気付いてくれた踊り子風の少女と、翼の男に軽く会釈をして店内へ)
ありがとうございます。

(店内へ招き入れる声に視線を向ければ)
………
(言葉にはしなかったが、射るような視線で見詰める店主の姿は中々に不思議なものだった)
貴方様がこちらのご店主でいらっしゃいますか。わたくしはニコ、従僕でございます。
今日は主人の命でこちらへ伺いました。

(と言ったところで、背後からゆるやかな声で名を呼ばれる)
(振り返ると見知った姿が目に入った)
レム様、お久しぶりでございます。
そしてなんとも不思議な巡り合わせでございますね。
いいえ、どう致しまして。
(差される指をガードするかの様に顔の前に掌を翳しつつ、女性の言葉に返答し)
邪魔なのはそこの大男…サイの方だから、気にしなくていいのよ、貴方……えっと、お名前は?
(なるべく怖がらせない様に優しく、愛くるしい真白の姿の少女に問う)
私はプティピエ。プティとでも呼んでくれたら嬉しいわ。

(ふと、耳に入った聞き覚えのある柔い声。現れた土肌の主に目を丸くし)
……驚いたわ。レムもこんな辺鄙な店に来るなんて。
(出来れば、ここの店主に会わせたくなかったが致し方ないと肩を落とす。平穏を祈るばかりだ)
監視、ですか?(指差した先を見、不思議そうにきょとん)

人気じゃないんです?(今度は反対側に首傾げ)
あ、ありがとうございます。薬袋堂、ちゃんと覚えました。
お薬が必要な時は絶対に来ますね…!
えっと、じゃあ…(座るか店内を見て回るかちょっと考えて、薬瓶に引き寄せられるように)
お店の中、見てみたいです…っ!

あ(合わせて貰った踊り子さんの視線に、にっこり笑って見せて)
ラヴ、です。ラヴィアンローズ。
プティねえさま、ですね。ちゃんと覚えますっ。
(覚えたと声にする少女に一つ笑みと共に【割れ物、扱い、注意】の壁の文字を指差す)
(どうやら新たに現れた褐色の男は此処にいる複数と知人なのだと理解する。
 同時に男が話に聞いてた"レム"だと気づく。ああ、コイツがと男の笑みが深まる)
どうも、いらっしゃい。褐色の客人は知人が多いようで。
俺も一方的にアンタの事は其処の踊り子から聞いて知ってたんですわ。
いやあ、本人に会えて嬉しいわ。是非とも色々と手助けして願いたい。

(機嫌の良いままに喋り掛けていると凛とした通る声の方へ向き直る)
――へえ、アンタが仰る通りに此処の店主。
薬袋布静と申しやす。以後、お見知りおきを。
命でって事は予め注文した品の受け取りですかねえ。
差支えなけりゃ主人の名を聞いても。それとも初めての利用で?
(定期購入や予約で依頼された品の他に受け取りがあっただろうか、と名簿を確認。
 が、目を通しても記憶になく思い浮かぶ限りの事を述べ問うてみる)
ああ、面倒事を起こされて余計な仕事が増えない様、監視だ。
(白の少女に聞かせる様に、改めて言い直した言葉は手で顔を隠す相手へと聞こえるようわざと単語毎に強調されていて。今のところはまだ問題を起こしていないからと店の隅に寄りじっと佇んでいる。と、不意に耳に届いた聞き覚えのある声に顔を向けた。土色の肌に眠たげな目。樹の麓で出会った青年だ。片手を上げ、軽く合図を)

レムか。こんな所で会うとは思わなかったな。
(「不思議な巡り合わせ」、給仕服の女が口にした言葉に確かにな、と一人思い。場所を移動した事に対しての礼にはすまなかったなと短く謝罪の言葉を返した。改め店の中を見返してみると、なんとも共通点の無い集団だ。店なのだから、別に共通点は無くてもいいのだろうけど)
うん、ニコは久しぶり。ここで逢うとは、思わなかった。
(偶然も偶然、ふらりと立ち寄った場所だから。
 狗鷲の彼の小さな合図を見止めて、真似をするように手をひらりと振る。……真白の彼女の落胆には、何故だろうと疑問を抱いたけれど。
 顔見知りの面々の様子を見ていれば、店主らしき男から掛けられる言葉。つと、視線を滑らせて)

? プティから聞いてたの、か。知り合い?
……ええと。じゃあ、改めて。
オレはレム。何か手助けできることがある、なら。手伝うけれど。
(一体何を手伝えるのだろうか、心当たりなどとんと思い浮かばずに首をかしげる。”薬袋 布
静”と言う――傍らの彼女へ受けた名乗り通りならば――男の意図が掴めずに、じぃとその動向を見つめていた)
(店主の返答に事情を説明する)
ええ、わたくしは初めてこちらに。
主人は何度か、とは言っても主人が直にここへ足を運んだことはないと思いますけれど。
(言いながらそっとエプロンの下から折り畳まれた紙を取り出し、店主へ手渡そうと腕を伸ばす)
こちらの処方をお願い致します。
本日受け取れるのであれば待ちますし、後日でもかまいません。
(紙には時折処方を求めて使いを送ってくる、足を痛めた老婦人から薬を願う言葉が綴られていた)

レムさまは、こちらの方々とお知り合いですか。
(先程から愛らしい白い少女と賑やかな会話をしている踊り子風の少女――プティピエと名乗っていた、と翼の男へ交互に視線を投げ掛けて)
(朗らかに返された笑み、交じる視線に喜色を見せ)

ラヴっていうの?名前も可愛いのね。
あははっ!お姉さまだなんて、柄じゃないけれど。
…ラヴにそう呼ばれると、悪い気はしないわね。

(一瞬目を見開いて、刹那。気恥ずかしそうに笑った。けれど嬉しさもあって何とも不思議な感じだ)
(次いで、改めて宜しくねと掌を差し出した)

……あぁ、頭が痛いわ。

(顳顬に指をやり、ぼそり。独りごちて。店主の深まる笑みに不安と危機感が募るばかりだ。どうにか出来ないかと一考。だが、早々に無理だと判断し考える事を放棄した。只々、心の中で平穏である事を祈り、願う)

レム、嫌な事があったらちゃんと嫌だっていうのよ?

(子供に言い聞かせる様に土肌の彼、レムにそう告げて。彼が店主の良い玩具にされてしまうんじゃないかと危惧しての発言だったが、杞憂に終われば良いと心底心の中で思う)
ああ、失礼。私はプティピエ、プティとでも呼んで頂戴な。
レムは私の知り合いでもあるけれど、貴方にとっても同じの様ね。
…名前は、ニコで合ってるかしら?

(此れも何かの縁と、クラシカルな衣装に身を包んだ、”ニコ”と呼ばれた女性に軽く挨拶して。耳は良い方だが、一応名前の確認も取った)
ああ、あの御婦人の。
その品でしたら直ぐに用意が出来るんで済むまで店内の品でも眺めてて下さいよ。
ニコお嬢の興味を唆る品があるかもしれやせんしねえ。
あー、此れは個人的な願いですが…御婦人に使いを変えるなら一報頼みます。
―――と、そう伝えて下さいな。
(差し出された紙を受け取り内容を確認すると筆跡や文脈から贔屓して頂いている婦人だと結び付き、人が悪いお方だと苦笑い。背にある薬棚から注文の品を紙を確認し取り出しつつ土肌の彼の言葉に頷く)
時折、爺さんの使いで営業妨害と言う名の使いで来るんですよ。其処の踊子。
その時に楽しげにアンタの事を耳が蛸になるほど聞かされたんで憶えてたってわけですわ。
いやはや、兄さん″珍しい体質″らしいやないですか。 其の″珍しい体質″にちょいと御協力願いたくて、ね。なあに、ちょいとアル物を服用して欲しいだけなんっすわ。
(踊子の不安を余所に土肌の彼の手伝うと言う言葉に反応し、品と手伝いに必要な″アル物″を手にし振り返ったかと思えば、それはもう楽しげに捲し立てるように言葉を紡ぎ手招きで呼び寄せる)
(壁の文字にふるりと震え、
 けれど興味には勝てずに色とりどりの瓶や薬を眺めに行く。
 揺れないようにぎゅっと耳を抱きしめて)

はい、宜しくお願いしますです(手をそっと握り返して)
はふ? 面倒…(首傾げてサイード兄様を見、プティ姉様を見)
プティ姉様は悪戯っ子さんなんですか?

(何だか賑やかなお店の中にそわそわ)
みなさんお友達さん、なんですね。
仲がいいのはとってもいい事ですっ

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