シナリオ詳細
<マジ卍文化祭2020>卍卍卍 超屋台村 卍卍卍
オープニング
●君の出展を待つ!
「ハイ、マジ卍!」
「「マジ卍からの卍!」」
頭にマジ卍と書かれたハチマキをつけ、卍からの卍ダンスをスマホで撮影する学生達。
後ろでは学生の作り上げたオブジェが廊下に広がり、教室の内側も派手に改装されていた。
今日は楽しい学園祭。
いや――。
「「マジ卍祭り!!!!!」」
●再現性東京いずなに
再現性東京2010希望ヶ浜。あまたの怪異が渦巻く非日常的日常の街。
彼らは自ら作り上げた日本風建築と無線電波およびインターネット網によって、ここが混沌世界であるにも関わらず『現代日本』さながらの生活を送っていた。
平和を脅かす怪異を掃除屋や祓い屋たちに任せ、怪異が存在することすら忘れて彼らは日常を謳歌する。
そんな中でも青春の代名詞ともいえる場所が、希望ヶ浜学園。
個性豊かな教員や生徒達が繰り広げる学園生活は、この街を怪異から守るという役目と日常を最大限に謳歌してみせるという『死と隣り合わせの青春』を作り上げていた。
そんな日常と青春をおくりには……やはりお祭りは必要だ。
●出店ストリート&オープンステージ、そして校長マジ卍ダンス
希望ヶ浜学園の校門は派手なアーチゲートに改装され、巨大な卍型オブジェを中心とした『マジ卍祭り』の文字が躍っている。
ゲートを潜れば最初に見えるのが出店ストリートだ。
クラス単位とは別に個人企画として持ち込まれた屋台が立ち並んでいる。
地元イベント会社協力のもと、わりと本格的に組み立てられたパイプ式屋台の列。
品揃えは多種多様で焼きそばやたこ焼きといったオーソドックなものから個性の際立つ特殊なものまで色々な屋台がずらりだ。
そこから中庭側へと抜けていけば、今回のために用意された特設ステージが見えるだろう。
学園祭に向けて演奏やダンス披露といったショーを企画している個人参加者がスケジュール確認のために集まっていた。
集まっていたが……。
「いいか。卍とはスヴァスティカ、ユンドゥンともいわれ多くの文化や宗教においてシンボル化した由緒正しい紋様だ。古く旧石器時代から用いられ主にボン教や大乗仏教のシンボルになったことから日本でも寺院を示すコードとして用いられていてだな――」
希望ヶ浜学園校長、無名偲・無意式。彼の額には『マジ卍』と書かれたハチマキが巻かれ、同じく『マジ卍』と書かれたハッピが着せられていた。
着せられたまま説明していた。
「いいですか校長。いまからやる動きをまねしてください」
そして説明をスルーされていた。
マジ卍祭り実行委員会、略して卍会(バンカイ)の少年は腕を十字に交差した後、両手両足を使い全身で卍型をとるダイナミックな動きをとってみせる。
「これが『卍からの卍』という振り付けです」
「卍からの卍……」
更に左右から交差する飛び込み前転によって卍型をとり中央のひとりがY字からの宙返り逆Y字へとうつるダイナミックな動きをとった。
「これがイェーイからのウェーイ卍です」
「イェーイからのウェーイ卍……」
「この一連のダンスを実行委員と雄志卍ダンサーによって昼の時間に披露します」
「ほう」
「センターは……」
流れるようにすっとタスキを取り出す卍会少年。
それを無言で校長にかけると、ゆっくりと後退した。
『俺がセンター卍』とかかれたタスキが、校長の胸に光る。
「校長です」
「なぜそうなる。学園祭の間は校長室にこもって一日中飲んだくれるという俺の計画はどうなる」
「滅び去ってしまえそんな計画!」
「あなたがマジ卍祭りにしようとか言うからでしょうが! 未来永劫毎年この月にマジ卍させられる僕らの気持ちわかりますか!」
「ナウな若者にばかうけなのでは?」
「十年後にチョベリグが解禁された元JK(25歳)の痛みを知れ!」
生徒達から囲んで卍で殴られ、命名の責任を負わされることになった校長。
さあ、マジ卍ダンスショーがはじまるぜ!
- <マジ卍文化祭2020>卍卍卍 超屋台村 卍卍卍完了
- GM名黒筆墨汁
- 種別イベント
- 難易度VERYEASY
- 冒険終了日時2020年10月10日 22時05分
- 参加人数47/50人
- 相談7日
- 参加費50RC
参加者 : 47 人
冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。
参加者一覧(47人)
リプレイ
●it all love マジ卍!
「マジ卍鯛焼き屋、開店なのじゃー!」
脚立の上にたってくるくるまわるデイジー・リトルリトル・クラーク。
「布陣は完璧なのじゃ。――鯛焼きのベーク!」
「そのまんま過ぎません?」
「鉄板のフラン!」
「鉄゛板゛の゛フ゛ラ゛ン゛だ゛よ゛!!」
屋台に配置されたベーク・シー・ドリームと両目かっぴらいたフラン・ヴィラネルがそれぞれ鯛焼き器をかまえた。
「これでマジ卍屋台村のトップセールスは妾達のものなのじゃ-、くーふっふっふ!
では、ベークよ客寄せの甘い香りを頼んだのじゃ!」
「ところでバナナを鯛焼きにいれるのはいいとして、タコも入れるんですか?
それってたい焼きじゃなくってたこ焼きなんじゃあ……」
「考えたら負けだよベーク先輩」
フランは焼き上がった鯛焼きを網の上にのせていきなりフランベすると、最後に卍型の焼鏝を押しつけた。
「これが卍たいやき卍。あれなんかサイズがおっきいけどこれでいいかな」
おめめぐるぐるしたフランが網のうえにのせたベークに焼鏝を振りかざした。
「やめてーーーー!」
ここは練達再現性東京2010希望ヶ浜学園。
今日は待ちに待った学園祭が開かれていた。
なんの因果か『マジ卍祭り』に決まってしまったこのお祭りに反応は様々だったがそれだけ『強いワード』だったのは間違いないだろう。
そのパワーに負けず劣らず、校舎正面に設けられた屋台村では様々な店舗が簡易屋台で出店していた。
「今回はおやつの売店だぞう。クッキーに加えて棒付きチョコケーキも出すさね」
緒形の屋台にはオシャレなクロスにアンティークケース。中には魅力的な焼き菓子がたくさん並んでいる。
今日は格好も特別仕様。上着は外し、内ベストにソムリエエプロンを着込んでの売り子スタイルだ。
「さあ! 学校祭! 張り切っていこうか!」
その隣では卍印のクレープを掲げる溝隠 瑠璃。味も様々、具材も沢山だ。
「学校祭って言ったらクレープだって父上も言ってたし! さあさあ、クレープをどうぞ!」
ここに限ったことではないが、祭りの名前がマジ卍だからってあちこちの商品名にいちいち卍がはいっていた。名前なり形なり焼き印なり。手軽に個性がついてお得ってなもんである。
「こういうのが再現性東京の流行りなのねー。……流行りなのかしらー? ともあれ、美味しい物作って楽しめばいいのよねー」
嶺渡・蘇芳は持ち前のセンスでカスタードアップルパイを並べ、看板には『マジ卍パイ卍』と豪快に書き付けていた。いい具合に韻を踏んでくる。
「学園祭は生徒が主導の物でしょー? わ、私も学生よーうふふふー♪」
希望ヶ浜学園あるある。17歳(+Xヶ月)がいっぱいいる。
「お祭り事の定番と言えば……! そう、卍苺飴卍!」
そのまた隣の屋台では天之 雪が『しっかり味見したので自信アリですよ!』といいながら苺飴を掲げてみせる。
「以前に沢山の出店を見て憧れてたんですよね、出店出来て嬉しいですっ!
お店を留守にできそうであれば他に出店しているお店も見て回りたいですね!」
かと思えば、少し離れた屋台では戌井 月美がまさかのラーメン屋台を開いていた。
「やってきました学園祭! 名前には驚いたけど、お祭りは思いっきり楽しむのが礼儀ってもんだよね!」
看板には堂々と『卍ラーメン卍』。これほど卍の似合うメニューもない。
「醤油、味噌、塩にとんこつ……大体のラーメンの味を網羅してるよ!
うん、ラーメン好きとしてはある程度拘りたいからね! 味は保証するよ!へい、らっしゃい! 毎度ありがとうね!」
こうしたがっつりご飯系の屋台も沢山あるもので……。
「マジ卍……趣深いのだわ…エモすぎて超アガるのだわ…でも実際の所どういう意味か分からないのだわ、ぴえん超えてぱおん」
華蓮・ナーサリー・瑞稀は『マジママ卍』という店名で心のほっこりするおにぎり&お味噌汁&肉じゃがという『強い』メニューを打ち出していた。あまりの強さに食べに来た一部生徒が急に泣いた程である。
「いらっしゃい、しっかり楽しめているかしら? 怪我には気を付けて、沢山楽しむのだわよ」
強いといえば彼も忘れてはならない。
「イレギュラーズいち豚汁を作ってきた腕を見せてやるぜ!」
ご飯と言えばこの人ってくらい有名になったゴリョウ・クートンが『おにぎり&豚汁』の屋台を繰り出していた。
「学生諸君は健啖だ。そして色んなもんを食いたいだろう。だが、資金には限りがあるし、割と屋台の食いもんは味が濃いめなのが多い。そこに出汁強めで塩分控えめな豚汁とおにぎりだ。間違いなくホッとできる一品だな」
再現性東京2010に暮らす者たちにとってこうした家庭的な和食は心に染み渡るものである。
ある意味突然故郷や親元から引き離された現代人たちにとって、やっぱ泣くほど嬉しいメニューだ。
「マジ卍アル! 出店卍ロシアン中華まん卍お祭りと言えばロシアンゲームアルヨ! メニューはロシアン中華まん1つ!」
その一方では咲野 蓮華がちょっとチャレンジャーなメニューを打ち出していた。
「値段据え置き種類は肉まん、豚まん、あんまん、カレーまん。カレーまんは辛さ五段階で加えてハバネロまん、からしまん……」
ロシアンのロシアンみがだいぶ強いラインナップである。
「5個に1個が激辛系ハズレになってるアル!」
そのまた一方でエミール・エオス・极光は『卍中華バーガー卍』屋台を出していた。
「割包っていうのが正式名称だけど、多分中華バーガーの方が言いやすいしわかりやすいでしょ?」
中華蒸しパンに豚角煮やエビチリといった中華な具材を挟んだもうこれ絶対うまいやつ。
そしてそのまた隣に出店したのが『卍メイの激辛屋台卍メイ特製の赤玉肉まん卍スペシャル』。激辛店に挟まれた。
店主はもちろんシティーガールのメイ=ルゥである。
実際自分で食べてみせると……。
「ん~♪ 焼けるような辛さが病み付きになるのですよ♪」
こんな甘いものから辛いものまでなんでもありの屋台ゾーンから西側にそれると今度は手芸ゾーン。
手芸部顧問の夕凪 恭介が『卍手作りマスコット』の手伝いに出ていた。
「店番の子が校長のダンスを見に行ったからね。アタシがしばらく店番よ」
店には可愛いウサギやクマのマスコット人形が並び、たまたま立ち寄っていた校長に校長人形を差し出していた。
「どうかしら?」
「なるほど、くたびれた感じが良く出てる。何万円だ?」
「そんなにしないわよ!」
ていうか取らないわよ! といいながら人形を押しつける恭介。
「クヒヒ! 始まりましたね、お祭りですよ、マジ卍!結局「マジ卍」ってどういう意味かいまいちわからない常識人な私ですですが、お祭りなので気にしません!」
隣の店では首塚 あやめが『卍首輪卍』を出していた。
「仮にも私(奴隷)商人の娘ですからね!商売をするのは得意ですさあ、この学園祭を象徴する『卍首輪卍』を付けて貴方もレッツ卍!」
手芸ゾーンに暗雲が立ちこめてきたところではいヴァレーリヤ=ダニーロヴナ=マヤコフスカヤ。
「うっうっ、悲しい学園祭でウォッカを売り出してはいけないだなんて…こんなに美味しいのに」
「もそもお酒を未成年には売れないッスからね……? 今日の主役は学生さん!学生さんに喜ばれるものを作りましょう、ね!」
イルミナ・ガードルーンがどうどうと言いながらカルメ焼きをテーブルに並べっていった。
看板には『未来科学部カルメ焼き』。
二人は(というかヴァレーリヤは)気を取り直して宣伝を始めた。
「こういうのこそ身近な科学ですからね! さぁ、どんどん作りますよ!」
「さすが! イルミナと組んでおいて良かったですわ! 特製カルメ焼き屋さんの開店開店でございますわー!」
思ったよりマトモな屋台ができあがった未来科学部。
なあんだまともな屋台群になりそうじゃんと思った矢先にはい襞々 もつ。
「まあ私にはよくわかりませんけどおにくの時間ですね。早速ですが『卍ベーコン卍』しますよ」
もつがベーコンにベーコンの限りを尽くしベーコンベーコンしていた。ベーコン。もうベーコンとしかいえない。
「この次は目玉焼きでも作りましょうか!!」
一方で矢都花 リリーは殻からうにょんと飛び出してバールを振りかざした。
「マジ卍祭りに投票したからってなんで出店とかしないといけないのさ…。
ギルティ……。労働の自由を守れだよねぇ…」
「卍はバール2つ組み合わせたっぽく見えるから……卍バール投げ卍」
輪投げのエキサイティングバージョンのようである。
立ち寄った客が困惑していると、その隣でしにゃこが『カモン!』と親指を立てた。
「この店だけ超絶美少女しにゃこちゃん祭りです!
凄いラインナップですよ!しにゃこフィギュアしにゃこ抱き枕しにゃこ写真集
こちらは文化祭らしくしにゃこ焼きしにゃこ飴!」
ここまで自分を売り出す屋台もそうそうない。
「この際だからお祭りの名前もしゃにこ祭りにしません? しにゃこ祭り実行委員なんて誰に誇っても恥ずかしくないですよ!」
そして学園祭といえば必ずと言っていいほどあるらしい占い屋台。
バスティス・ナイアが水晶に手をかざして顔の半分をヴェールで隠す定番のスタイルを繰り出していた。
「うんうん、相談事があるなら、聞いてあげるから何でも言ってよ、悪いようにはしないから。
って途中から人生相談みたいになってない?
まあいいか、人生は千夜の夢、青春は一夜の夢だよ。
楽しまないと損だよね。
死んでからが永い夜だった事だってあるんだからね」
洋風(?)な占いの一方で和風な占いも。
藤野 蛍と桜咲 珠緒は巫女服に身を包んでおみくじとお守りを販売していた。
「珠緒さん監修のおみくじ&御守り屋台なら、御利益も利益もきっとたっぷりよね!」
「売り上げは、そうですね。奉納金ということで……許可の通る慈善事業へ」
二人の手でしっかりと祈祷され包まれたおみくじやお守りがおごそかに並び、局所的に清らかな空気をかもしていた。
「巫女としてひとと接することは、もう無いと思っていましたが、蛍さんと揃いの装束で、多くの方の笑顔のために祈る。
自ら喜び、また人の為になる。
うぃんうぃん、というやつですね」
「ほんと。願を掛けておみくじ引いてるお客さん達の笑顔を見てるだけで、こっちも嬉しくなってきちゃうわね。この屋台を出来て、本当に良かったわ……」
さて手芸やちょっぴりスペシャルな屋台が並ぶ西側ゾーンとは対照的に、東側ゾーンはがっつりスペースをとってのコスプレカフェになっていた。
「路地裏カプリチオの出張版……学園カプリチオと言ったところかしら?」
九重 竜胆が華ロリ衣装に身を包み、コーヒーとパンケーキを運んでいる。
「アレクシア、ヴァイオレット、二人とも今日は改めて宜しくね。
ルル家はあの頃からどれだけ仕事を熟せるようになったかお手並み拝見よ」
「任せて下さいお師匠!
あれからも店を切り盛りしていた拙者の手並みご覧あれ!
つまみ食いもバレないようにやります!」
「しないで?」
「卍No1を目指して頑張りましょう!」
バニーバニーした夢見 ルル家がいえーいといってトレーを掲げる。
ヴァイオレット・ホロウウォーカーはといえばヒラヒラミニミニの水着かってくらいのメイド服に身を包んでいた。なんだこの服、たぢま作画か。
「こんなのを着ているメイドなど何処にも……」
「ロマンでござるよ」
「む、むう……」
「笑顔笑顔!」
「おかえりなさいませ、ご主人様」
スマホカメラを向けられ、精一杯の演技で満面の笑みをしてみせるヴァイオレット。
アレクシア・アトリー・アバークロンビーはそんな様子にほっこりしつつ、ディアンドル衣装でジューズジョッキをかざしていた。
「まあ、普段着てる服に近くて違和感もないからこれにするね!
露出もあんまりないから着やすいし!
竜胆君は綺麗な人だし、スマートな感じの衣装が似合いそうだよね!」
「そうかしら……?」
竜胆もちょっとだけ頬を赤らめつつ。ルル家に押し出される形でフロアへと出て行った。
「では皆様、頑張って参りましょう! 学園カプリチオ、ファイトー!」
「おー!」
クリスティアン=ベーレはそんなカフェゾーンをのんびりと歩きながら祭りの空気を楽しんでいた。
「マジ卍、まつり…? えっと、…不思議な名前のお祭りなんだね。
聞いた時はそれは言葉なのかどうか、迷ったものだけれど、今ではちょっと慣れたよ。
変わったものがあれば食べてみたいな。どんな味がするのかな、甘いのかな、しゅわしゅわするのかな」
そうしてたどり着いたのはラビィとゼファーのコスプレ喫茶エリアだった。
「で、これがキミの言う”稼げる仕事”かい?」
「ええ、ええ。命の危険なく楽しく稼げる、立派なお仕事ですわ?」
ラヴィはここぞとばかりにガチの燕尾服を着て、一方のゼファーはフリフリ多めのメイド服。
「色々と逆だろ、普通男装はそっちにが似合うだろ……」
「ふふ…いやいや、可愛いわよ。とっても」
こんな時ならではの逆転ファッションだが、それがちょっぴり愉快な二人だった。
更に奥へ進んでいくとベネディクト=レベンディス=マナガルムの主催する『卍ポメ太郎焼き卍』の大型屋台が開かれていた。
「可愛い犬の形をした卍ポメ太郎焼き卍、今なら出来立てだ、美味しいぞ」
ベネディクトのポメ太郎を摸した人形焼きが店頭にかわいらしく並んでいる。
「いらっしゃいいらっしゃい! 可愛くておいしい卍ポメ太郎焼き卍だよー!
ドゥネーブ領のマスコット、ポメ太郎をかたどった、おいしいおいしいお菓子だよー! 食べるのが可哀想になっちまう! でも食べたら止まらない!」
チラシをもって走り回ってくれた新道 風牙が戻ってくる。
「あの、イケメンで有名な領主みずからの手による、名物お菓子だよー! 興味のある人はついといでー!!」
「やっほやっほっ! 皆、売り上げはどうかな? 花丸ちゃんも売り上げに貢献しに来たよーっ!」
そこへ連れだってやってきたのは笹木 花丸だった。
「二つちょうだい。花丸ちゃん用と、後でひよのさん用にって!
ひよのさんも顔は広いだろうし、気に言ってくれたら宣伝してくれるかもしれないからねっ!」
「いらっしゃいませ。卍ポメ太郎焼き卍と緑茶一つお願いします、会計はお隣へどうぞ!」
笑顔で出迎えたリンディス=クァドラータがイートインスペースへ案内してくれた。
折角なのでモデルになったポメ太郎を抱っこしつつ。
「『卍ポメ太郎焼き卍』は5個入でチケット5枚、12個入でチケット10枚。鯛焼きタイプの『ポメ太朗焼きマークⅡ』は1個チケット2枚……よし」
マルク・シリングは別の客を案内しつつ注文を整理していた。
「こうやって気の知れた仲間とお店を出せるってところが、お祭りって感じがするよね」
「はい、楽しいですよね。頑張りましょう!」
調理を担当しているのはリュティス・ベルンシュタインたちである。
「ベビーカステラタイプの卍ポメ太郎焼き卍、たい焼きタイプのポメ太朗焼きマークⅡ……ご主人様の愛犬をモチーフにした可愛い食べ物ですし、これは大人気間違いなしですね」
そう言いながらボウルに粉を混ぜてしゃかしゃかやるリュティス。
できあがった粉を型に流し込み、アカツキ・アマギが片っ端から焼いていく。
「何だか青春してるって感じでいいのう、妾こういうのとっても好きじゃ。
火の番は妾に任せるのじゃ、火力と焼き加減は自由自在に操ってみせようぞ」
「ほれ、アカツキ。火の番は熱ぃだろ。汗拭いてやるからこっち向け」
でもってそんな彼女の世話をやいてくれるルカ・ガンビーノ。
メインで頑張るアカツキたちを細かくサポートしたり重いものを運んだりと男子パワーを発揮していた。
「ところで腹減ってないか。カレー買ってきたぞ」
「おお、いただくぞ! ……て! た、食べさせてもらうのはちょっと恥ずかしいが!?」
スプーンですくって突き出してくるルカに顔を赤くするアカツキ。
その横ではリュティスがこっそりポメ太郎に人形焼きをあげていた。首をかしげるポメ太郎。
リースリット・エウリア・ファーレルはそんな風景を微笑ましく見つつ、イートインコーナーへ暖かい緑茶をトレーにのせて運んでいく。
「マジ卍文化祭……ほんとにその名前でいくんですね……。
まあ、他に何処を探しても無さそうな名前ですし、唯一無二でいいのかもしれませんけど」
そのあおり(?)で商品名も『卍ポメ太郎焼き卍』。
「名前とインパクトはともかく、実際にはそういう形なだけの人形焼きですし、大丈夫かしら」
そんな風につぶやきつつ、自分の入れたお茶を客に振る舞っていった。
こうして複合されたカフェコーナーは大反響で、沢山の生徒や外部客がやってきては楽しげにくつろいでいる。
そんな中で、誰かが言った。
「お、そろそろダンスの時間かな」
屋台村のすぐそばに作られた特設ステージ。
ここではブレンダ・スカーレット・アレクサンデルが沢山のギャラリーの前でダンスを披露していた。
たまたまコスプレ喫茶の女子生徒が持っていたハットやステッキ、ジャケットなどをダンスの最中に投げて貰って次々に装着しながらダンスを見せつけるというテクニカルなショーだ。
「ふぅ、いい運動だった。ありがとう」
体育教師として女子人気も高いらしく、黄色い声をうけながらブレンダは手を振ってステージを下りていく。
そして、いよいよ……。
「マ ジ
━━━━ ┃
┃ ┃
┃ ┃
━━━━━━━━
┃ ┃
┃ ┃
┃ ━━━ しようではないか!」
リュグナーたちがステージ飛び出し、一斉に卍ポーズをとった。
ハッピとハチマキを装着しての気合いの入った卍ダンサーズが一糸乱れぬ『卍からの卍』を繰り出していく。
その中央でキメ顔卍をキメにきているのが無名偲・無意式校長である。
「にぎやかだねぇ、俺は嫌いじゃないよ、こういうやつ」
さらには大がかりな卍組み体操を披露するリュグナーと酒匂 迅子。
どこからともなく取り出してきた透明な瓶を校長にパスすると、校長はそれをいきなり一気飲みした。
「フン。責任者の仕事は責任をとることという。いいだろう見せてやる、ジュリアナを沸かせた俺のダンスをな」
「レッツ! アザラシダンシング! ダンス勝負だぜこーちょー!」
そこへ飛び込んできたワモン・C・デルモンテ。
ローリングアザラシタップダンスを披露し最後に荒ぶるアザラシのポーズを見せつけると、校長はバブル時代にバリバリ流行ったディスコダンスで対抗しナイトフィーバーポーズを見せつけた。
「おぉー! 校長すごい! 完璧なキレ! マジ卍!」
溜まらず飛び入りするハルア・フィーン。
「Showtime,Let's dance!」
エレクトロ・ポップミュージックと弾けるライトの中でアクロバティックに踊り出す。
両腕クロスの卍ポーズから宙返りをかけて身体全体の卍ポーズへうつるダイナミックなイェーイからのウェーイ卍。
「きゃー校長こっち見てぇ!! 卍ぃ!!」
楊枝 茄子子は『無意式くん』『見えたらバーンして!』の内輪を回しながら大声で声援を送っていた。
「校長かっこいい! キレてるよ!」
振り向きバーンする校長。
両腕を振り上げて喜ぶ茄子子。
そこへ加わった仙狸厄狩 汰磨羈の卍ダンサーズが腕が四本くらいに見える謎のぐるぐる卍ダンスを披露し最終的には二十一人くらいに残像を増やして卍ポーズを見せつけた。人間じゃねえこいつ。
最後に一条 夢心地が指を鳴らしながらステージイン。
「麿もかつてはおひげのダンスで一斉を風靡した男。
以降、心躍るフィーバータイムに恵まれなかったが、遂に機会は訪れた!
踊るのじゃ、マジ卍コンビネーション!」
夢心地と校長はそれぞれ卍ポーズをとると、アクロバティックな合体技を繰り出した。
そう、それはまさしく――!
\\\ マジ卍 ///
こうして、マジ卍祭りは過去イチ校長が弾けた日として記録されることになった。
人々の笑顔とハッピーに包まれて、カーニバルは続く。
マジ卍の名の下に。
成否
成功
MVP
状態異常
なし
あとがき
――マジ卍!
GMコメント
マジ卍祭りへようこそ。
これは希望ヶ浜学園で年に一度行われる学園祭の名前です。校長が最初にマジ卍祭りにしようとか言い出してそれを阻止すべく(?)公募と投票が行われた結果あろうことかマジ卍祭りが勝利してしまったという歴史の上になりたっています。なんだこの歴史は。
このシナリオでは出店を出したりショーを披露したりマジ卍ダンスに参加したりできます。
卍卍卍 プレイング書式 卍卍卍
迷子防止のため、プレイングには以下の書式を守るようにしてください。
・一行目:パートタグ
・二行目:グループタグ(または空白行)
・三行目:実際のプレイング内容
書式が守られていない場合はお友達とはぐれたり、やろうとしたことをやり損ねたりすることがあります。くれぐれもご注意ください。
卍卍卍 パートタグ 卍卍卍
シナリオ内には様々なお楽しみがあります。
ですが描写されるシーンはそのなかの一つに限られますので、どのシーンを描写してほしいかをこのパートタグを使って示してください。
(なので、パートタグから外れた部分のプレイングは描写されないことがあります。ご注意ください)
【出店】
屋台を使って自分のお店を出しましょう。
店は1人から出展可能で、よほどのモンじゃなければ何を売ってもOKとしています。
学園祭の出し物なので一旦雰囲気を寄せていってみましょう。
困ったら品名の前後に卍をつければ大体いける卍。卍たこ焼き卍。
【ショー】
特設ステージでショーができます。
学園祭でギターをかき鳴らして盛り上がるのとか青春ですよね。
音楽、ダンス、その他諸々。これまたよほどのモンじゃなければなんでもOKです。
【マジ卍ダンス】
このタグは『マジ卍ダンスに参加して踊り狂う』『踊ってる校長にヤジを飛ばす』『踊ってる校長を応援する』の三つが含まれます。
どうやら校長はダンスの心得があるらしく、あの顔のままキレッキレの卍ダンスを披露してくれるようです。センターで。
これに参加し一緒に踊る、ないしはダンスの中に演出を加えるなどしてOKです。
ステージ前にはベンチが並んでいるので、ヤジを飛ばしたり応援したりもできるでしょう。
■■■グループタグ■■■
一緒に行動するPCがひとりでもいる場合は【仲良しコンビ】といった具合に二行目にグループタグをつけて共有してください。
この際他のタグと被らないように、相談掲示板で「【○○】というグループで行動します」とコールしておくとよいでしょう。
うっかり被った場合は……恐らく判定時に気づくとは思うのですが、できるだけ被らないようにしてください。
また、グループタグを複数またぐ行動はできません。どこか一つだけにしましょう。
膨大なプレイングを【】タグで一旦自動整理していますので、今回同行者の名前とIDだけを指定していた場合、かえってはぐれやすくなってしまうかもしれませんのでご注意ください。
Tweet