シナリオ詳細
夏の餃子フェスティバル!!!
オープニング
●夏本番
『ふらり、ふらりと』青馬 鶇(p3n000043)はカフェに呼びつけた財産家のフィーネ・ルカーノ (p3n000079) を見つめる。フィーネはご機嫌な顔をしている。だからだろう。鶇が口を開く前にフィーネは話し出した。
「鶇さんに呼ばれるなんて今日は至福のコーヒータイムかしら」
微笑み、エスプレッソ・コンパナを飲む。一方で鶇は内心、うんざりしながらアメリカーノを一口飲み、重い口を開いた。
「あんた、餃子は好きかい?」
「うん? 好きだけどなにか? なに? あたくしとデートの約束をしたいわけ?」
目を丸くするフィーネ。
「……いや。最近、オープンした餃子店の店主がオープン記念に餃子フェスティバルを開催したいらしいのさ。大盤振る舞いで心配になるけど、店の宣伝にもなるし、ついでにあんたの顔も売れるしいいと思ってね」
「……ふぅん? 依頼の話ってわけね」
僅かにつまらなそうな顔をしつつ、フィーネはにっこりと笑った。
「勿論、そうだね」
ふんと鼻を鳴らす。
「そう……まぁ、いいわ。結局は鶇さんに頼られるわけでしょう? 充分よ。ただ──餃子と言えども種類があるわよね。どうするわけ?」
「それはもう、話してある。焼き餃子、水餃子、蒸し餃子、揚げ餃子の四種類を提供する予定らしい。で、餡は基本、豚ひき肉、キャベツ、ニンニク、ニラにするようだね」
「ふぅん。聞いてるだけで美味しそうだけど、ニンニクが苦手な方はどうするの?」
「……」
うーんと唸る鶇にフィーネは目を細める。
「そうね、あたくしだったら……基本の餡に加えて、餡の中身をその場でオーダー出来るようにするかしら。大変だけどね、その方が面白いと思わない? 特別な餃子って感じで楽しいでしょう?」
「そうだね。解った、依頼人に伝えておくよ」
「ありがとう。では、あたくしは公園の予約とサンドリヨンでも呼んできましょうか。きっと喜ぶと思うしね?」
●賑わいをみせる
晴天。むしろ、立っているだけで汗がふきだしてくる。笑い声。見渡せば、沢山の人々が餃子を楽しんでいる。
「ふわー!! フィーネさん、鶇さん、何から食べますか!!! 僕は大葉のエビ餃子にしてもらおうと思ってます」
おめめきらきら『ロマンチストな情報屋』サンドリヨン・ブルー(p3n000034)。餃子に彼は夢中になっている。
「いいわね、まずはそこにしましょ?」
フィーネはレモンサワーをぐいと飲みほし、ビールを飲んでいる鶇とそわそわしているサンドリヨンの手に触れ、笑う。天気もいいし今日は餃子日和だ。
- 夏の餃子フェスティバル!!!完了
- GM名青砥文佳
- 種別イベント
- 難易度VERYEASY
- 冒険終了日時2020年08月23日 22時15分
- 参加人数68/∞人
- 相談7日
- 参加費50RC
参加者 : 68 人
冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。
参加者一覧(68人)
リプレイ
●
嬉しそうなセララ。
「餃子はボクの故郷、地球の料理なんだよ」
「肉詰めのパイみたいな感じがしますね」
焼き餃子を見つめるハイデマリー。頷くセララ、混沌で餃子を混沌で流行らせそう。
「この水餃子美味しいよ。あ~ん」
セララの行動に素直に口を開けるハイデマリー。
「……味付け等やはり一風変わっていて独特の味がしますが美味しいです」
「へへ、でしょ~! どんどん食べよ!」
にっこにこのセララ。ハイデマリーは焼き餃子を不慣れな箸で掴み、ラー油が浮かんだタレに。
「どう?」
「んっ……焼き餃子はパリパリで蒸し餃子はちゅるんっといけますね。同じ餃子なのに不思議です」
「ね、ハマっちゃうでしょ? マリー、あ~ん」
セララは笑いながら口を開ける。ハイデマリーは蒸し餃子をフーフーしながら、セララの口へ。
「うん、美味しいね! 今度、マリーのおうちに遊びに行ったらボクが餃子を手作りしてあげるね」
(手作り? セララが?)
ハイデマリーは疑惑の眼を向けながらセララに顔を寄せ、キスをするように口を開ける。瞬時にあ~んされるハイデマリー。今日も幸福だ。サイズは華やかな声を聞きながら一人で餃子を食べている。平穏でとても居心地が良い。笑い合う人々を眺め、烏龍茶を流し込む。
(いったい、妖精郷はどうなるんだ)
ハッとしかぶりを振る。考えるな。今は英気を養っておかなければ。
「ああ、美味いや……」
また、人々を見つめる。
(楽しそうだな。妖精郷の問題が全部片付いたら、俺もばか騒ぎできるかな……? いや無理だな、性格的にバカみたいに騒げないや)
「あの」
「ん?」
「牛タン餃子、美味しいよ。だから、あげる!」
破顔する見知らぬ少女。
「フィーネ、今日は賑やかで楽しいお祭りですね」
「晴れて良かったわ。あたくし、ニンニクたっぷりの餃子にするの。弥恵は?」
「私はキムチ餃子にします」
「仲良くシェアしましょ」
「美味しいですね!」
「弥恵、こっちもどうぞ」
餃子をあーんするフィーネ。
「ニンニクがガツンときて良いですね」
「ね? 弥恵、あたくしにも良い?」
口を開けるフィーネ。
「ああ、美味しい……」
「幸せですね。そうそう、塩だけ付けて食べるのもあっさりしてて美味しいらしいですよ」
塩の瓶を掴み、弥恵が笑う。首を擦りながら慧は男に挨拶する。
「遠慮するなよ、お嬢ちゃんもな!」
「あっ、あの……えと、開店おめでとう、ございます」
メイメイの言葉に男は嬉しそうに笑った。
「餃子、美味いっすよね。何から食べるっすか?」
慧が言う。
「ええと……おススメの餃子を、全種。それから、海老とキノコの蒸し餃子をお願い、します」
「良いっすね。俺も普通の餃子を食ってから甘味餃子を食べるっす。しょっぱいもののあとに甘いもんも欲しくなるんすよ」
「兄ちゃん、甘味ってどんなやつ?」
「甘蕉とか焼いて、それ包んで焼くか揚げるかしたのとか、できますかね」
「いいな! 美味いわ、それ」
「冷えたレモネードが口の中をさっぱりさせるっすね」
「は、はい」
基本の餃子もかなり美味しい。
「お、蒸し餃子と甘味餃子来たっすね」
「りょ、両方、美味しそう、です。んっ」
酢醤油がぴったりだ。
「美味そうっすね、そっちのも少しいいっすかね?」
「ど、どうぞ」
「美味しいっすね。俺のもどうぞ」
「あ、ありがとうございます」
嬉しそうに甘味餃子を小皿にのせ、「一緒にアイスクリームも、どうですか?」とはにかむメイメイ。マッチョは甘味餃子を楽しむ彼らを見つめる。
(なるほど。これはプリン餃子もあるに違いない)
走り出そうとするマッチョ。肩にトンと何かが乗った。
(シロヲの足になるのである)
無言の訴え。黒いボタンの目がマッチョを見つめ、肩を踏み踏み。
「イイゾ! オレノ名ハ──マッチョ☆プリンダ!」
マッチョは全身でOKポーズをし「プリン餃子ハドコダァアア!」
走り出す。
「ヌオオオオオオオオッ!? コレ、シュークリーム!!」
キレ散らかすマッチョから飛び降りるシロヲ。トテトテと奏の方向に。
(揚げ餃子である)
「……」
奏は練達でよく食べていた餃子を懐かしそうに食べ、冷えたビールを豪快に飲み干し「……!!」
目の前の椅子に座ったシロヲに微笑む。
「プリン! オレハプリン餃子ガ食べタイ!」
ドラミングのマッチョ。賑やかだなと奏が楽しそうに目を細め、すぐに目を丸くする。シロヲの揚げ餃子が瞬時になくなり、口の周りが脂ぎっている。
(もう一皿である)
奏は頷き、にっこりと笑う。うん、揚げ餃子美味しいからね。奏は身振り手振りでシロヲと無音のコミュニケーションを楽しんでいると──
「ウオオオオオオオ、プリン☆キィィック!」
突然の叫び。見上げれば、巨大プリンとマッチョ。通行人の悲鳴、マッチョの笑い声。散るプリン。あれ、何だ、これ。
「最高ダ! オマエラ、オレとプリン餃子ヲ食エ!」
マッチョはべとべとの奏とシロヲを指差す。
「アアアア、美味イ! 流石、プリンダ!」
マッチョはプリン餃子をむしゃむしゃ。奏は微笑みながらロリババア餃子をテーブルにことり。シロヲは口元にプリンを付けたまま、パンパンに膨れうずくまっている。雪は瓶ラムネと揚げ餃子を買い、熱気溢れる会場を歩く。雪はちょうど空いた席に座り、ラムネを開けると溢れ出す炭酸。慌て瓶に口を付けると炭酸が口内を踊り、微笑む。
「では、揚餃子を醤油とラー油で頂きますっ! はふはふ……あちあち! あー、美味しいですっ。あれ? オリジナル餃子も頼めるんですね」
だが、思いつかない。一瞬、しゅんとしつつもすぐに少年が頼んだ餃子と同じものを頼み、タオルで汗を拭きながら餃子を頬張る。
「最高ですっ!」
聞こえる蝉の声。夏を感じた。偶然、立ち寄った街。ルクスは目を細めた。
「とても良い匂いがするなぁ……お腹も空いた気がするし……」
匂いに引き寄せられる。
「色々あるんだ……このまま、餃子に初挑戦だね」
餡を選ぶ。いちご、バナナ、梨に、生クリームを選ぶ。
「あ、コレ美味しい。チョコソースが合うかも!」
ルクスは笑い、歩き出す。とても楽しい。わくわくのユージェニー。今日、初めて餃子を食べる。
「この度はお招きいただきありがとうございます」
「ありがとうございます、楽しんでくださいね」
「ええ」
迷いながら、普通の焼き餃子を注文するユージェニー。
「――美味しい。わたくし、こんな美味しい食べ物を初めて食べましたわ」
飲みなれた水を飲む。
「こっちも食べてみて!」
目の前にルクス。
「ええと、いただきます。あっ……デザートのようで美味しい」
息を呑むユージェニー。
「好きなものを入れてみたんだ」
「偉ぶって素敵ですわ……では、わたくしも」
ユージェニーは時間をかけ、鶏肉が入ったレモン餃子を注文する。タレは酢と胡椒。
「爽やかだなぁ、美味しい!」
「ええ、本当に」
幸福の溜息を吐くユージェニー。物珍しそうに歩くヨゾラ。独特の香りが漂う。
「こういう時はビールなのかな」
皆、ビールを楽しんでいる。
「あの、餃子を食べたことがないのだけど餡の材料ってなにかな?」
「基本は豚ひき肉、キャベツ、ニンニク、ニラだ」
「あ、そっか。館に猫いるし、においが強いと警戒されちゃうかも」
服の匂いを確かめる。もう、服についてるかもだけど。だから、豚ひき肉とキャベツの餃子にしたんだ。届く帽子型の水餃子とスイカジュース。
「美味しい」
立ちながら静かな場所で餃子を味わうヨゾラ。ぶんぶんと尾を振りながら、四種の餃子をじっと見つめるイナリ。
「いっぱい食べるわよ! 心頭滅却すれば餃子もまた涼しい、って奴よ!」
相棒はノンアルコール飲料(梅酒)。
「まずは基本の餡から……ん、辛いけど黄身ワサビ醤油も良いわね」
汗を掻きながら様々な調味料を試し始め、今度はオリジナル餃子を一口。
「餡子を揚げ餃子にしてみたけど揚げ饅頭のような味なのね、甘いタレより甘酸っぱい方が合うかしら」
稲荷神の眷属として、食に関する事柄を探求するのも使命の一つなのだ(多分)
「トウモロコシとベーコンって餃子に合うんですね」
呟く紅葉。この空間を一人で楽しんでいる。
「ねね、僕も一緒に食べても大丈夫?」
ダナンディールがビニール袋を揺らし、にっと笑った。
「勿論です」
「嬉しい、ありがとう!」
大量の餃子をテーブルに。覗き込む紅葉。
「中身はね、卵の餃子だよ!」
「卵ですか?」
「そうそう! ゆで卵、うずらの卵! いくら、たらこの餃子!」
テンションMAXのダナンディール。長い身体をくねらせる。
「あと、ホワイトキャビア餃子をゲットしたんだ!」
「ホワイトキャビアですか?」
目を丸くする紅葉。
「うん、エスカルゴの卵でキノコみたいな味だって」
「そんな卵があるんですね」
「ね、凄い! で、そっちの餃子は?」
興味津々のダナンディール。
「これはトウモロコシとベーコン餃子です」
「え、美味しそうだね!」
「一緒に食べましょう」
笑い、紅葉は麦茶。ダナンディールはミネラルウォーターで乾杯する。フィーネは庚に微笑み、鶇を置き去りにする。
「んふふ、快うございます。己が選ばれるというのはいつだって至上の甘美であります。ただ、フィーネ様におかれましては媚薬をがぶ飲みさせて下さいましたご恩、忘れてはおりませんよ?」
「嬉しいわね」
水餃子を庚にさりげなく食べさせる。
「……よくも、よくもまあ、いけしゃあしゃあ、のうのうとー! お詫びの心や、慈愛の心はございませんのでしょうか。誠意を見せてくださいまし!」
「これでいい?」
フィーネは庚の頬をさらりと撫でふっと笑った。
「皆のアイドル☆ミリヤムちゃんっスよ! ……ハァ……病む……」
にやけ顔で鎮魂歌を歌い始めるミリヤム。驚き、餃子を片手に集まりだす人々。
「ねぇ、ミリヤムちゃんってだれ? 俺、全然、知らないんだけど。本当にアイドルなわけ?」
(あれ? なんだ? こんな辛辣なことを言うつもりはなかったけど……てか、ミリヤムちゃん知ってるし。餃子も好きなことも)
一方でミリヤムは汗を流しながら、餃子を皆にアピールする。
(そう、餃子は……亡き親友との大切な想い出っすから……)
焼き餃子を口いっぱい頬張るバステト。
「これが焼き餃子か、パリパリとしておる! バスティスは焼き餃子と水餃子と鶏肉ベースの紫蘇入り焼き餃子か!」
「うん。美味しいけど暑い」
顔をしかめるナイア。
「エジプトの炎天下に比べればこちらの気候はまだ涼しいものよ」
「それは大丈夫だけど」
舌先を氷水につけるナイア。
「舌はそうはいかぬな。同じ状態じゃ」
氷水を口に含みながら笑うバステト。
「そうじゃ。ふーふーするのがよいの。前、崇拝者(客)がふーふーすると喜んでおったしの」
「ふーふー? ああ、いたいたそーゆーの好きな人」
「そうであろう。しつこくせがまれたの」
「ね。バステトちゃん、でいいのかな?」
「うむ、バステトでありラーでありアヌビスでもある。どれで呼んでも構わぬぞ」
「分かった、バステトちゃんって呼ぶね。貴女は神様としての芯は維持してるから、健全な世界だったんだね。羨ましい限りだよ」
「ほほう、そちらは大変じゃったのじゃな。うむ、仲よくしようなのじゃ」
バステトは餃子をふーふーし、「そうだね、同じ神格のよしみだ」
ナイアは笑い、口を開ける。真っ赤な顔のクラウジア。
「あ~……暑いのじゃ……まずはさっき買ったミネラルウォーターで喉を潤すことから始めるのじゃ……何処か、何処か……おっ、良い場所を発見じゃ!」
木陰に座り込み、「んーー! 生き返る……やっぱり、こういう日は水じゃろ」
生きた心地がする。
「休息してから儂も餃子を楽しむとするのじゃ……色んな餃子があることだし、少しずつ食べんとじゃろ?」
クラウジアは目を細めると、隣にロバが座り込む。くるくる回るシェプ。
「よーし、ボクもたくさん食べル! でも、餃子って甘くないノ?」
「餃子は小麦粉の練り皮で餡を包んで加熱した料理らしい」
「アマルサン!」
「シェプ殿もどうだ?」
アーマデルの手には唐揚げ餃子。
「え、いいノ! ありがとう! わぁっ、塩唐揚げだナァ!」
「ああ、塩唐揚げだから調味料も必要ないし俺好みの味だ。シェプ殿はどんな餃子を?」
「八重サンが甘いのでも美味しいって言ったから……りんご!」
つやつやピカピカのりんごを見せびらかす。
「そうだな、入れたら美味いだろう」
頷くアーマデル。はしゃぐシェプ。
「本当にアップルパイの味がするノ。アマルサンの餃子のトマトスープ煮もね、酸味がいいノ!」
「ああ、美味しい。懐かしいな」
トマトスープ煮におススメの酢をかけるアーマデル。故郷の味に似ている。
「おや、フィーネ殿?」
気が付くアーマデル。
「ごきげんよう、ね、シェプさん?」
意地悪く耳打ちするフィーネ。
「えっ、ロバもあるなら羊……? もう、僕を食べてもおいしくないヨッ!!!」
飛び上がるシェプを見つめ、一瞬、想像するアーマデル。
●
「わぁっ! 人いっぱいだ! 凄いね!」
HMKLB-PMに大量の肉を乗せ、ロクは笑う。
「挨拶まわりをしよう! あ、メカ子ロリババアたちは周囲の清掃をしててね!」
ロクは駆け、メカ子ロリババアが動き出す。
「あ、ナンテン! 元気だった? ちゃんと食べさせてもらえてる?」
ロクが野ロリババアの周りを駆けまわり、その声にびくりとする寛治。眼鏡のブリッジを上げ、ロクとナンテンを見た。
「……そういうことでしたか」
「うん? 餃子食べる?」
「良いですね。ビール、当然ありますよね?」
「え、分かんない! サイダーにしたら? 餃子サイダー!」
焼きたてロリババア餃子が一皿。
「ねね、美味しい?」
「ふむ、脂は控え目、馬の赤身肉のようなしっかりした旨味と、牛のような柔らかい甘みを兼ね備えた肉、と評すべきですかね」
ビールを流し込む寛治。隣には餃子サイダー。
「汗を掻きながら餃子を食べ、昼間からビールとは……贅沢すぎて困りますね。おや、ナンテンは食べれませんよ。ほら、草たべていいから、草」
寛治は追い払い、試しに飲んだ餃子サイダーに顔をしかめた。
「こんにちはっす!」
レッドが笑う。隣には古ロリババアの若葉とHMKLB−PM。
「こんにちは、すごい、数の……餃子、いえ……ロバです、ね」
あえて言いなおすフェリシア。友達のゴリパンジーと、二人の山口さん、古ロリババアの砥草がいる。
「そうっすね。じゃあ、オススメのロバ肉入りのギョウザをお願いするっす!」
砥草を撫でるレッド。餃子を見るのも食べるのも初。始まる宴会(フェリシアだけ)ぐいぐいとシャンパンを飲んでいる。
「美味しいっす!」
レッドは烏龍茶で口をさっぱりさせ、鉄板の酢醤油×ラー油。
「美味しい、ですね……あ、味噌だれも良い、かもです」
酔っぱらいのフェリシア。場の雰囲気にも酔ったらしい。
「レッドさん、砥草ちゃんに、……ジュースやお菓子をあげたいのです、が……何をあげたら、良いでしょうか?」
「鹿せんべいと動物用ミルクでもどうっす?」
砥草の為に集めた虫食い葉っぱにメモするフェリシア。
「それにしてもロリババアの目の前でロバ肉を食べるなんてなんか背徳感ゾクゾク感じるっすね?」
悪い顔で若葉の口に餃子を押しつけるレッド。ランドウェラはご機嫌だ。
「紅葉! ムギ! 食べるぞ!!!」
野ロリババアと古ロリババアは、なんかかっこいいちゅーにびょーのポーズのランドウェラに唾を吐いた。そこに、通りかかるモモカと子ロリババアのリタ。不思議な夢に呼ばれたわけだ。それに、ロリババアの肉が美味しいことはもちろん知っている。ランドウェラはモモカを誘う。リタは闇よりも深い瞳を餃子に向けたまま、キャベツを食べている。
「リタ、キャベツ美味いか?」
涙目で餃子を食べているモモカ。美味い、美味いぞ。そして、ごめんな。目の前で仲間を食べて。箸が止まらない。
「彼女のように沢山食べるんだぞ!」
紅葉には古ロリババアの餃子、ムギには野ロリババアの餃子を。
「ロリババアと言えども同品種の餃子が勿論、いいよね?」
くすくす笑うランドウェラ。二人ともこんなにおいしくて素敵な子たちの同類だから互いに大事にしあうんだよ?
「そんなに噛みあっちゃって仲良いなぁ。距離が縮まっててとても嬉しいよ。あ、口直しにこんぺいとうはいかがかな? それとも、餃子かな?」
リタに微笑むランドウェラ。チャロロは優雅に歩いている子ロリババアのツヴァイと餃子を見つめる。
「ハカセ、オイラ達……」
これこそ、罪悪感である。ねぇ、ツヴァイ? まさか──
「勿論、食べるわよ、ババアの餃子。珍しいもの」
そんな、ばばあの○酒みたいな言い方しなくても。
「ロバの変種かしらね……おいしいの?」
「ハカセ、止めて! な、何でもないよ、ツヴァイ!」
チャロロはツヴァイに愛想笑いをしつつ、餃子を見てしまう。まぁ、食欲には抗えないよね。
「焼き餃子おいしい!」
目を見開くチャロロ。
「あー! 冷えたビールと餃子は最強ね……ほんと、おいしいー! ビールがいくらでも進むわ!」
叫ぶミシャ。定番の酢醤油とラー油で優勝する。
「最高の休日よ」
おかわりを頼むミシャ。その視線の先には。
「ちょっとハカセ、オイラのツヴァイをじっと見ながら餃子食べるのやめてくれる?」
「おいしくてつい」
「この子は買い出しの荷物運びも手伝ってくれるし食べるつもりはないからね?」
「いや、さすがにね。ただこのロバのどこにこんな旨味が…って気になっただけよ」
ぺたべたとツヴァイを触るミシャ。アルペストゥスの背には子ロリババアと古ロリババア。
「……グ」
──ア"ア"ア"ア"!
何だ。さっきから喋ろうとする度に彼女達に何度も妨害される。アルペストゥスはハッとしHMKLB-PMが運ぶ肉の塊に咬みつく。
「!!……グゥウッ!」
──ア"ア"ア"ア"ア"ア"!
顔を上げ、批難顔のヘレンと双葉の首根っこを咥え、何度も木陰に。
「……グゥ?」
いつの間にかに咥えていたコヨーテをぶん投げ、見つけた巨大餃子に食らいつく。見れば、彼女達も狂ったように餃子を食べ始めていた。古ロリババアの白露に導かれたローダー。
「ちょっと、白露……良い水たまりがあったからって虫を落としたら駄目です」
どうにか席に着くと先客。そう、鼻に洗濯ばさみを付けたグドルフと真顔の野ロリババア。
「おう、こいつのお陰で餃子もエールも死んでるわ……」
ロリババアを指差すグドルフ。目がどぶ川だ。
「勝手に着いて来るしよ。あ、おめえもいるか、洗濯ばさみ」
「いえ」
丁重に断り、餃子を一口。
「ロクさんの持ってきた肉、豚肉とは違った味わいのある餃子になっていていいですね」
違いの分かるローダー。
「来るな! ぎょ、餃子食わして死なれたら嫌だし……」
びくつき、ロリババア二匹を追い払うグドルフ。呪われそう。
「ん? 白露も食べたい感じ?」
悪魔の囁き。ローダーすら知らぬ禁断の餃子。
「戴いた食べ物をペットにやるのはマナー違反なんですが……仕方ないな、隅の方で少しだけだよ」
気に入ったのか催促する白露。
「駄目ですよ、今日はこれだけ。ところで、何の肉だったんでしょう?」
「勿論、ロバ肉だよ!」
ロクがテーブルの下から現れ、失神するグドルフ。夏子は公園の空気をすーはー。
「夏に混じる餃子とロバの香り。良いねぇ。僕ぁ夏が好きでねぇ…だって見てよ、どこ見たって素敵女性とロバ! 急ぐなシランよ、あっはっは!」
ハッとする。うっ、頭が急に。
「何処だココ、僕は何でロバを」
それでも──
「んんっ、餃子美味い!」
一気に飲む発泡麦酒。
「カ――ッ! 美味い! ん~マジで合うじゃん、サイコー! あ! 店長さん、これ、何の餃子?」
は? ロバ?
「ははははは……いや、まさか……はは、いや、ねえ……?」
そう、シランがいない。
「あっ、ダリアだ! 良い毛並みだね、よくブラッシングされてるのかな?」
ロクがダリアの周りを駆け周り、ジェイクは大量のロリババアを感じながら、餃子を味わっている。まさしく、今日はロリババア日和。
「ありがとうロクちゃん。ダリアと共に過ごした日々は俺にとってかけがいのないものさ。ダリアは俺にとってもはや家族だ。本当にありがとう。それとこの餃子は本当に美味い!」
「でしょ?」
もう、感情がぐちゃぐちゃだよ。ロリババア餃子を食べながら家族愛を語るジェイク。その言葉に目を潤ませるロク。子ロリババアのカルシャンはそれが仕事のように歩き回るロリババア達に自らの餃子を運ぶ。
「カルシャンはとても慈悲深いコだねぇ」
武器商人はジュースを飲み、のんびりと風車型の水餃子を摘まむ。
「ヒヒヒヒ! ほら、カルシャンもぽん酢とラー油と薬味を乗せるとさっぱりするよ?」
カルシャンは澱みのない瞳で武器商人を見つめたあと、皿を咥え、何処かに消えていった。
「……本能的に避けてるのかな。まあ、どっちにしろ本ロバが楽しそうだしいいんじゃないかな」
口元を拭う武器商人。炎天下でも百合子は元気だ。むしろ、グレースの方が参っている。
「グレースの姉妹がいっぱいいるのである! これが最後になるかも知れぬ故、しかと皆に挨拶しておくのであるぞ!」
さ い ご !! 百合子はお構いなしにロリババア餃子を咀嚼。
「うむ、餃子になったことで癖を抑え旨味を引き出しておる。どうしたグレース、プルプル震えて。腹が減ったのなら、これを食うがよい。将来の自分の姿を味わうことも勉強である!」
百合子は誇らしげに叫び、グレースの口に餃子をシュートする。古ロリババアの昴(スバル)が歩く。
「スバル、ここになにかあるの?」
「どうやら、ロリババアを持っている人が集まって餃子を食べる催しが開催みたいです」
クリスティアンの言葉に反射的に答えるミズキ。隣には古ロリババアの緑。
「ぎょーざ……?」
食べたことがない。
「ええ、一緒に食べませんか?」
「うん、行くよ。楽しそうだしね」
スバルと緑を撫でるクリスティアン。
「美味しいね、初めて食べる味かな!」
「うん、美味しいね」
皆がこれを美味しいと思うのならきっと、そうなんだろう。にこにこと微笑み、ざわめきを見つめ、今度は蟹や和牛を詰め込んだ特製餃子をするクリスティアン。
「緑、自由に遊んでて良いですよ。ってあれ?」
見れば、緑もスバルも穴が開くほど餃子を見つめている。ふっと笑い、冷ました餃子を差し出す二人。
「美味しい? 緑。うんうん、皆美味しそうに食べてるね。え? あ!? 待って、緑! 中身が! あっ、あっ! 共食いは駄目、駄目だからーッ!!」
驚き、むせるミズキ。
「大丈夫?」
すぐにギフトで甘くてさっぱりとした水を作り出すクリスティアン。ラクリマはロリババアの体臭を感じながらサクサクと歩く。勿論、子ロリババアはお留守番だ。ちなみに筆者がラクリマにインタビューしたところ、自分の仲間が食われてるんですよ!! 無理ですよ!!!と言われてしまった。そうか、そうか、麻痺してたな。反省。ん、ただ、リディアが野ロリババアのマキを連れて、ラクリマの方に向かっている。
「ああ、美味しいですね」
焼き餃子を食べ、微笑むラクリマ。酢醤油と味噌だれ半々で作ったタレがよく合う。その様子をじっと見つめるリディアとマキ。
「どうしたんです?」
「媚薬は入ってませんか?」
信頼されていないフィーネ。
「大丈夫そうですよ」
今度は一味醤油マヨ。
「良かったです」
安堵し、焼き餃子に酢とラー油を垂らす。口に運び、無意識に息を漏らすリディア。
「美味しくて何個でも食べれそうです」
冷えた水を飲み、リディアは20個ほど食べながら食べすぎないよう注意する。一応うら若い女子だからね。
「ふふ、お腹いっぱいで寝てしまったようだね……」
ラクリマはマキに微笑む。リディアはマキに寄りかかり、うとうとしている。真は元気に歩き回る野ロリババア、ノギクを見た。強靭な足腰にキラキラの歯。好物の歯磨き粉が香る。
「餃子を食べたらお掃除してあげるよ」
目を輝かせるノギク。可愛くて仕方ない。
「待って、餃子は逃げないよ」
ぐいぐい引っ張られる手綱。
「ゆっくり急がず食べてねー」
自らもまた、餃子を食べ、通りすがりのロクから餃子の中身を知る。
「マジかよ、ロクさん!! 最高じゃん!! あれ!? ノギクは友食いになる!? それ以上食べちゃダメー!」
慌てて止めるもそこにはとろけ顔のノギク。
「オーホッホッホ! 今日は子ロリババアのアオイと一緒に餃子フェスティバルというものに参加しにきましたわ!」
ガーベラは胸を張るが、実際はそう、悪夢を見たのだ。化物みたいなロバ……そのロバに飴みたいに舐められる蝉……暑いのに震えるガーベラ。アオイと踊っていると到着するロリババア餃子。ちなみに今日はワインではなくビール! 見開く目。
「まあまあ! これはこれは……そして、すぐに餃子を! んまあ! 何とも美味しい組み合わせですわ! アオイ、貴女も食べてみなさいな!」
「まず、定番の水餃子をいただきたいです」
男にオーダーする雨紅。
「おう、喜んで! ゴリョウさん、お願いするよ」
「勿論だぜ! で、次は追加の海老餃子だろ?」
にっと笑うゴリョウ。今日は餃子作りの手伝いをしている。
「そうそう。次はロリババア餃子!」
「はっ、そりゃあ、いい!」
「ゴリョウ、スープとりんご餃子も任せた!」
別のところから男が叫ぶ。
「ああ、解ったぜ!」
てきぱきと動くゴリョウ。
「凄いですね、あっという間に餃子が出来ます」
感心する雨紅。
「ゴリョウ様のお手伝いのお陰ですね」
「なぁ、包み方もお祭りっぽくしてみてもいいか?」
「種類があるのですか?」
「風車、三方、ドレープ、薔薇、帽子や金魚なんてのもあるぜ」
ゴリョウは雨紅に笑う。雨紅はスープに浮かぶ水餃子の金魚を見た。まさしく、夏にぴったりだ。そのあとは、ロリババア達に混じり、ロリババア餃子をおっかなびっくりで楽しみ、甘味餃子を味わう。
「美味しいです、ブラウンシュガーとラズベリー、レモンが入ってるんですね」
薔薇の形の水餃子を食べ、驚く雨紅。ロリババアがいる。もはや、ほとんどの者は何故、此処に立っているのか理解出来ていないし、古ロリババアの冬野が唖然とするStarsの裾を咬んでいる。
「ウリちゃんと山口さん、ほら、美味しそうな餃子だね!」
振り返ると、虚之香が野ロリババアのウリに跨がり、その手綱を握る山口透。明らかに操られてそうだが、彼女達は自分達の意思で餃子を食べに来ている。
「餃子に温泉卵をとろりとかけてラー油と出汁醤油でどうかな! うん~! 美味しいね、あ、山口さんのフランスパン少し貰っていい?」
楽しんでいる。
「……訳が解らないが餃子を食べる俺は美しい」
稔は考えることをやめ、餃子を頬張る。
「これは! 奇妙な風味が餃子にぴったりだ!」
驚いてしまう。塩辛いものが苦手な甘党の箸が止まらない。それに、キンキンに冷えたジンジャーエールが美味すぎる。冬野が見ているような気がしたがそれどころではなかった。
「楽しいね!」
微笑む虚之香。頷く稔。そして、山口がフェリシアの山口さんをちょっとだけ気にしている。サングラス姿のルフナ。子ロリババアのシェスカを手招きし、頬を撫でる。
「ほら、君のことが大好きな仲間がいるよ。鉄仮面が鉄板のように熱くなってるけど」
「よぉ、今日は特に暑いな」
汗だくハロルドと邪ロリババア。
「だね、君もロリババアを連れてきたんだ」
「いや、俺のは勝手に付きまとってるだけだ……げっ……」
イチャイチャロリババア。
「まぁ、その……餃子でも食うか? 味は悪くないらしいし」
「うん、そうしようかな」
頷くルフナ。ロリババアは餃子の美味しいタネであり、可愛くて自慢の僕らの娘でもあるのだ。餃子を頬張るハロルド。
「言うとおり、味は美味いわけだが……」
苦々しい顔で餃子を咀嚼するハロルド。邪ロリババアの視線が痛い。
「瞬きしてるのか、あれ……てか、食った気がしねぇ……」
ハロルドは視線をそらし、気分転換の辛口ジンジャーエール。ルフナはいつも通りのシェスカに話し掛ける。
「何か、君でも食べられる、野菜や果物の餃子を探しに行……ああ、もうあんな所まで。本当に君って、現金というか、自分に都合がいいと素早いよね」
幻介は口酸っぱく言う。
「いいか、睦月……この餃子は絶対に食べてはいけないで御座るよ。分かったか、分かったならお手をするで御座る……よしよし、いい子だ。って、あーー!!」
秒で餃子をパクつこうとする睦月。手綱を引っ張る。
「そっちも大変そうだな。それにその様子だと餃子の中身は……」
うんざりマカライトにロリババアが二匹。
「禁断の餃子で御座るよ」
「ああ……」
悟りの溜め息。ただ、ロリババアの肉は美味いのだ。
「ロバを飼っている者は結構いるので御座るなぁ」
「もはや、公園を占拠しかけてるくらいに多いな」
ミスラとアヤメは興味津々で睦月に近づいていく。息を吐き、複雑な気持ちで互いを見つめるマカライトと幻介。せっかくだし、食おうか。幻介は睦月が背負っていた大量の酒をマカライトに見せ、酒盛りをする。餃子はやっぱり美味かった。だから、だろうか。それとも、彼女達は餃子の真実を知った上で餃子に食らい付く。あー!
「困ります!! 困ります、ロリババア様!! あー!!」
慌て出すマカライト。
「ぎゃあ! と、共食いで御座るよ!?」
悲鳴の幻介。ちゃんは暑さで運動不足気味の古ロリババアの氷柱を見た。
「良い天気だしいい機会よね。では、いただきます! んっ、凄い。ロバ肉って本当に美味しいのね。もう、食べるの止まらなくなっちゃいそうね♥️」
大満足。だが、氷柱がテーブルに潜り、ガーベラの脚をぺろぺろ。
「ああ、ごめんなさいね。氷柱ったら甘えたがりで」
引き剥がし、そういえばと飲み物を取りに。
「いい? 知らない人の脚にしゃぶりついたりしないでね?」
まぁ、氷柱はロクのメカ子ロリババアの脚をしゃぶっていましたよね。フランは遠くにいるマブダチのロク先輩に手を振っていると、古ロリババアの木立が木の枝を齧り始めた。
「にんにく! にら! おにく! 栄養をつければお胸も大きくなるよね」
「あら、あなたも牧場主さんから不思議なお手紙を?」
そこにはハルと都ロリババアのマカロン。
「うん! あれ? その子白目を剥いてるよ?」
「まあ! さっきからずっと白目なのよ! 私は叱っていないわ。マカロン、なにか不満でもあるのかしら?」
「う~ん、おむねが欲しいとか!」
「え?」
「え?」
見つめ合い、何事もなかったかのように微笑む。
「いただきまぁーす! あー、美味しいー!」
辛味オイルと醤油、そして、お酢と胡椒にもトライ。
「癖になる味だわ」
頷くハル。
「マカロン、白目を剥くのはおやめなさい。もしかして……? この餃子が食べたいのね!」
ハルはあ~んの体勢で微笑み、フランはロリババアをナンパする木立に注意し、確認するように両手をおむねに。きっと、そろそろだよね! たくさん食べてお腹いっぱいになったらきっとおむねも……大きく……! ガーン! か、変わってない……
「ロリババの餃子って!! ぜっっっっったいやばいやつじゃん!!」
秋奈は普通の餃子(だと思った)をパクリ。走る稲妻。この餃子の効果はシナリオにタイトなハレーションをもたらすフィジビリティが存在するがイレギュラーズのドラスティックなイシュー解決力によりゼロベースであった対応状況がリバイズされ成功することがコミットメントされるのは実際のエビデンスとなるだろう。この餃子は是非携行品として商品化するべきだ。は、何言って?
見るも、秋奈は足でろくろを回しながら気絶している。
「霜月、会場は此処ですね」
フィーアは古ロリババアを見た。
「アンタも餃子を食べに来たのか?」
ニコラスと古ロリババアの四葉。頷くフィーア。見れば、ニコラスの手にはビールと餃子。
「餃子とビールの組み合わせは最高だろ?」
にっと笑うニコラス。
「そうですね。では、いただきます、あっ」
ロリババア餃子をゆっくりと口に運び、ニコラスを見るフィーア。
「美味いのか?」
「美味しいです……牛肉の様な味わいです。と言っても、この世界に来てから牛肉を食べましたので評論家の様に言えませんが美味しいです」
「へぇ? 牛肉餃子でも追加で頼むか?」
言いながら、一口。
「……っ!! うっっまっ!? え、まじか。こんなに美味いのかよ!? うまっうまっうまっ」
すかさず、ビール。幸福顔のニコラス。
「でも、見られている前で食事をするのは……ちょっと」
四つの虚無がフィーアを見ている。
「あ? なんだ、四葉。お前も食べたいのか? あ、やめ。服の裾に噛みつくんじゃねぇ!! てか、霜月も俺の靴を食うんじゃねぇ!!」
慌てながら、牛肉餃子と通常の餃子を頼みだすニコラス。
「何か、変なロバさんに呼ばれてきたんすけど……なんっすかね、此処」
リサは古ロリババアの文月に問いかける。
「こんにちは、いい匂いだね」
明らかに散歩してますよ的な誠司と古ロリババアの真冬。
「こんにちはっす! この匂いは餃子っすよ」
「ああ、餃子。ん? 真冬、気になるの? そっか、真冬はご飯まだだもんね」
「え? この子達、皆ロバなの?」
目を丸くする花丸。
「え、ロリババア……? 花丸ちゃん、初知りだよ。あ、今日は餃子を食べに来たんだった!」
圧倒され、本来の目的を忘れていた。
「これが例のお肉っすね。餃子自体も初めまして状態っすけど、どんな味っすかね!」
餃子とご対面し、そわそわのリサ。誠司は食べたそうにしている真冬に気が付く。ロバって餃子食べても大丈夫なんだっけ?
「何はともあれジュースでカンパーイっ!」
花丸の言葉に乾杯し、餃子を食べる。
「思った以上に行けるっすね? 少なくともスラム……昔食っためっちゃ不味いのとは比べ物にならないくらいっすねー!」
喜ぶリサ。
「んーっ、\美味しいっ!/」
笑顔の花丸。
「真冬、餃子美味しい? よかったね。あ、ロクさん、ご馳走様! ちなみになんの肉使ってるんですか?」
「私も気になる。普通の餡とちょっと違うような……」
花丸が言う。
「ロリババアだよ!」とロク。
「ロバ肉っすよ」とリサ。
「ちょ、真冬、ストップ!! ストップ!! 食うな!! それ以上はだめだって!!
お前、それ共食いになってる!! やめろ、ほんっとに!! バカ、それ最後の1個!」
「食肉用ロリババア? お、美味しいなら兎に角、ヨシっ! あっ、ロリババア餃子のお代わりーっ!」
笑う花丸。
「ロバニクマシマシニンニクナシハクサイマシマシとエビニクマシマシニンニクナシハクサイマシマシオオバマシマシとアカワインシロワインヒトツをお願いいたします」
秘密の呪文を唱える幻。
「今日は両手に花ならぬ、両手にワインと餃子で御座います」
ロバ肉餃子×赤ワイン。エビ餃子×白ワイン。最高だ。匂いにつられ現れるサンドリヨン。
「では、こちらの方に、ロバニクマシマシニンニクマシマシハクサイマシマシエビニクマシマシオオバマシマシを」
得意げな幻とびっくり顔のサンドリヨン。レストは会場を見た。
「餃子ぱーちー……? 邪ロリババアちゃんはこれが目当てだったのね~? 紐を引っ張るからおばさん、反抗期かと思って心配したわ~。あら? 貴方の子も反抗期~?」
ベルナルドと目が合う。隣には古ロリババア。
「いや、俺は手紙を貰って」
「そうなの~?」
「嗚呼、仲間の居そうな集まりに参加すりゃ、時雨の気も紛れると思ってな」
「この子達は癒しよね~」
「居つかれちまって最初は驚いたが、独り暮らしが長く続くと、こう……ペットを飼ったら寂しさが紛れるっつーか……」
「もう家族よね~」
「そう思うよ……それにしてもいい味だな。こんなに肉いっぱいの餃子食ったのは久しぶりだ。食べた瞬間から身体が元気になる。やっぱ、シリアルばかりじゃ駄目か」
餃子を頬張るベルナルド。一方、レストは邪ロリババアの前に餃子の皿を置き、立ち上がった。
(いつもどうやって食べているのかしら?)
パッと視線を戻すが、既に餃子は見当たらない。
「ま、細かい事は気にしないでいいわよね~」
レストは邪ロリババアの頭を撫でながら、仮面の下から鳴り響く咀嚼音を耳にする。
●
夜。煌めく。
「これがアイスキャンドル! まるで水の中で炎が泳いでいるみたい」
面白そうに笑うヴァレーリヤ。
「泳いでるって表現、なんだか素敵! 面白いし綺麗だね」
マリアは触れ、冷えた指先をヴァレーリヤの首に。目を見開くヴァレーリヤ。笑うマリア。じゃれ合う。
(私、彼女の楽しそうな姿を見ることに一番の幸せを感じてる……召喚前の私なら考えられないね)
「君が楽しそうで良かった! ね、会場までだけど、手繋がないかい?」
「ええ、喜んで!」
ご機嫌な鼻歌。歌うのはマリア。そして──
「ビールは最高ですわねー!」
「ヴァリューシャヴァリューシャ……口元に泡が付いてる。折角の美人さんが台無しだよ?」
微笑みハンカチで拭うマリア。
「納豆アボカド餃子、ビールにぴったりな味ですわよー! マリィマリィ、良かったらシェアしませんこと?」
「うん! たこ焼き風餃子も美味しい!」
「全種類制覇でございますわー! でも、明日はお出掛けできませんわね。匂いが」
口元を押さえるヴァレーリヤにマリアは笑う。
「お互い同じ匂いなら気にならないさ!」
足元に煌めく淡い路。薫は男に微笑む。
「蒸餃子を頂こうかと存じます。ただ、あまり香りの強いものは、その……恥ずかしいので、大蒜を抜いて頂いて、香菜とエビを入れて頂きたく存じます」
「塩にライムとラー油を少し入れたエスニック風のタレにしますね」
冷えた紅茶を飲んでいると、目の前にアルフィンレーヌ。
「ね、わたしの蒸し餃子はどうよ?」
「あら、まんまるで可愛らしいフォルムで存じます」
ナイフとフォークを使い、薫は驚きながら餃子を味わう。洋食メインの薫にとって餃子と言われたらそれは餃子だが、食べたのは小倉あんが詰まった蒸し餃子。
「餃子お待たせ致しました! あれ、饅頭?」
「おまんじゅうじゃないわよ? ほら、てっぺんが『~~~~』ってなってるでしょ?」
胸を張るアルフィンレーヌにきょとんとする男。
「では、わたくしの餃子を一緒に頂きたく存じます」
頷き、勢いよく、食べるアルフィンレーヌ。衝撃が走る。
「え? これは餃子? え? わたしが食べてきた餃子ってなんだったっけ?」
薫が餃子を楽しむ一方で、ゲシュタルト崩壊のアルフィンレーヌ。
成否
成功
MVP
なし
状態異常
なし
あとがき
すみません、ロリババア餃子一皿ください。あれ、私は何を……? そして、餃子最高ですね!! 皆様にとって飯テロイベシナになりますように!!
GMコメント
ご閲覧いただきましてありがとうございます! 今日は餃子フェスティバル!! 餃子をお楽しみください! 今日のためにビールとレモンサワー、その他アルコール、ノンアルコール、ジュースの用意があります。ちなみに【年齢がUNKNOWNの方にアルコールの提供は致しません】といつも、伝えていたのですが、UNKNOWNでも年齢が分かる場合、アルコールの提供を今回から致します。
●情報精度
このシナリオの情報精度はAです。
想定外の事態は絶対に起こりません。
●場所
晴天の公園(市民公園)
昼間からシチュエーションは夜まで。広い公園。テーブルにはパラソルがありますが、立ち食いでも大丈夫ですよ! 常に餃子の匂いがします。夜になると、アイスキャンドル(氷で作られたキャンドル)が皆様の足元を照らします。
★餃子
焼き餃子、水餃子、蒸し餃子、揚げ餃子の四種類の提供 基本の餡は、豚ひき肉、キャベツ、ニンニク、ニラになっています。ただ、餡の中身をご指定いただけると、あなただけの特別な餃子が出来上がります。
★調味料
酢、ラー油、醤油、こしょうなど様々な調味料があります。お好みで食べてください。ちなみにサンドリヨンは酢にこしょう派です。
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【注意】イベントシナリオなので、描写は全体的に軽くなります。青砥NPCもおりますので、絡んでくださいー! アドリブは頑張れたら入れます。お一人の場合、他の方と一緒になる可能性がございます。もし、お一人で行動したい場合は必ず、明記ください!!
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