PandoraPartyProject
Artillerie und Bombenangriffe
『竜剣』シラス(p3p004421)は手にしていた鍵をケースから取り出していた。
宝石のはまった、簡素な形の鍵だ。
使い方は、なぜだか手にした瞬間に理解できた。
奪い取ろうと考えてかせまるギルバディアをキック一発で沈める。
「『竜剣』のシラス……まだ我々に立ち向かうか」
そんな彼に、ぼろぼろになったヘルマンが呼びかけた。
「考えてみろ。我々は弱い。バルナバス陛下がただ腕を振るだけで、我々も、その家族も命を落とすことになる。決起した難民たちを見ろ。彼らをバルナバス陛下や、グロース閣下が襲えばどうなる。
だが恭順し、忠誠を誓えばどうだ。グロース閣下も身内には寛大だ。冬を越す蓄えもくれる。バルナバス陛下にいたってはまるで手を付ける様子すらない。強者に従うことは、弱者が生きるすべなのだ」
熱心に語りかけるヘルマン。シラスは彼が人格者といわれるゆえんを知ったような気がした。
彼は、弱者のために戦っていたのだ。これでも。
「なあヘルマン。あんたの言ってることは……なるほど正しいのかもな」
シラスは鍵を天に掲げて見せた。
そして、まるで銃口をむけるかのように、ヘルマンたちやその後方から迫る大部隊へと突きつける。
「けどどうだ? お前たちに立ち向かう難民たちこそ、『強者』だ。難民たちも、俺たちも、あのアミナでさえ。もうここに弱者はいない。
頭を垂れて殺さないでくださいと祈ることしかできない『弱者』は……お前たちだけだ」
シラスからのオーダーは、遠く離れたギアバジリカの中央聖堂へと伝えられた。
元は動力路として無垢なる生贄や反転した聖女がおさめられたその場所は、綺麗に整えられ厳かな聖堂へと変わっている。
集まった人々は手を合わせ、そしてこう祈った。
「僕たちは戦う」
銃をとり引き金をひくばかりではない。
子供を育て。
野菜を育て。
水をくみ、魚をさばき。
時に笑い合い、語り合い、明日に夢を見る。
生きることは、戦うことだ。
生き抜くことは、戦い抜くことだ。
シラスもまた、そうであったように。
「祈りなんかに期待するのは初めてだぜ」
神様に人格はない。確かアミナはそんなことを言ったんだったか。
その上でこの世界に神という現象があるなら、祈りとはすなわち……。
「『俺たちは戦う』」
シラスの『祈り』が、砲撃となる。
ギアバジリカから放たれた光線が空に大きなラインを描き、ヘルマンとその部隊へと直撃した。
まるで弱き堕落を、すべて焼き払うかのように。
ギアバジリカからの砲撃と同時、遠方から次々と大砲による援護射撃が始まった。
それは鉄帝国の激戦区。首都参謀本部前。
「シラス、ついに撃ったのね」
「それにこれは……海洋と豊穣からの支援砲撃!」
長月・イナリ(p3p008096)と『レジーナ・カームバンクル』善と悪を敷く 天鍵の 女王(p3p000665)が見上げれば、砲撃によってグロース師団による第一陣は決定的な崩壊を迎えていた。
地下を通じ地上へと侵攻を果たした、革命派を中核とした連合軍は、ついに新皇帝派の軍部を牛耳るグロース・フォン・マントイフェル将軍とその師団の本拠地まで攻め入る段階へと至っていた。
アントーニオ・ロッセリーノとベルナルド=ヴァレンティーノ(p3p002941)が更なる攻撃を加え道を切り開いていく。
「やはり君たちは優れたトラブルシューターだったな」
「まだ結論を出すには早い。例の将軍を倒してないぞ」
「独立党アーカーシュからの援軍も更に増えています。あれはゴーレムでしょうか?」
「北辰連合も負けちゃいないぜ。合流したヴィーザル戦力だの鳳圏だのがごろごろ来てる」
「元々血の気が多い人達だからねえ。戦となれば勇んで参加してくるのさ」
「ローレットが繋いできた人脈でもあります。この先もどんどん増えるでしょうね」
『北辰より来たる母神』水天宮 妙見子(p3p010644)が笑いながら扇子を広げれば、ルナ・ファ・ディール(p3p009526)は仲間を背に乗せて走りながら援護射撃を継続。
時任 零時(p3p007579)が刀を抜いて敵を切り裂けば、『刑天(シンティエン)』雨紅(p3p008287)がヒュンと槍を回して残った天衝種たちを狩っていく。
「帝政派や南部戦線からの援軍も駆けつけるようです」
「こうなるともう、兵力ではこちらが上なんじゃないかしら」
『鋼鉄の冒険者』オリーブ・ローレル(p3p004352)はその卓越した射撃で更なる攻撃を加え、アンナ・シャルロット・ミルフィール(p3p001701)が美しく舞い踊り敵を翻弄する。
「いや、まだ油断はできないよ」
オニキス・ハート(p3p008639)が空を指させば、大量の飛行型天衝種が編隊を組んでこちらへ飛んできているのが見えた。
彼らは抱えていた球状の物体をはるか頭上で手放し、投下。それがなんであるかを、ムサシ・セルブライト(p3p010126)が見抜いて叫んだ。
「爆撃であります! 皆さん退避を!」
彼の言った通りに、地面へと落下したのは爆弾であった。次々とおこる爆発に革命派の僧兵たちが治癒に回る。
「空で倒して爆発させちゃうしかないね! こっちは任せて!」
アクセル・ソート・エクシル(p3p000649)が空へと舞い上がり、飛行可能なイレギュラーズたちやアーカーシュから派遣された飛行戦闘ゴーレムたちが飛んでいく。
「ということは……わたしたちは『こっち』の対応ですか」
澄恋(p3p009412)が見やると、はるか遠くから奇怪な軍団が迫っていた。
「本当に――本当に本当に本当に忌々しい!」
走る戦車の上に立ち、ガリッと指を噛む幼女。グロース・フォン・マントイフェル将軍。
ついに前線へと現れた彼女が従えているのは、憤怒のオーラによって操られた何十台という戦車。そして歯車仕掛けのサーカス団であった。
大回天事業零号と呼ばれるそれは、かつて首都で猛威を振るった凶器のサーカス団が身につけていた義手や義足たち。それらを全て『組み合わせた』狂気の自動人形だ。
それが恐ろしい数になって歩兵として揃えられ、戦車の随伴戦力となっている。
更には、ハウグリン一族最後の戦士となったキルケ・ハウグリンの姿もある。彼女以外にも、グロース師団最精鋭部隊に直接配属された歴戦の兵たちが波のごとく迫るのだ。
「兵士たちよ、ここが最後の砦だと思え。貴様等の失敗に次はない。特にキルケ……分かっているだろうな?」
剣のような古代兵器シュヴァインを抜いたキルケが、はいと小さく呟いてアデュナトンを召喚。騎乗し、ゆっくりと宙へと上がる。
「わたしたちに次なんてないんだ。だからお願い、イレギュラーズ。ここで死んで」
※グロース師団との戦いが進展しました。新皇帝派参謀本部への攻撃に参加しましょう!
※豊穣・海洋連合軍が援軍として到着しました! 城内の攻略が始まっています。
※イレギュラーズの手に入れている切り札が大いなる力を纏っています!
※スチールグラード帝都決戦が始まりました!!
※リミテッドクエスト『帝都決戦:Battle of Stahl Grad』が始まりました!!
※領地RAIDイベント『アグニの息吹』が始まりました!!
※帝政派、ザーバ派は連合軍を結成している為、勢力アイテムが『帝国軍徽章』へと変更されました!
※ラサでは『月の王国』への作戦行動が遂行されています!
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