PandoraPartyProject

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Love Begets Love

「『好きな女だか友人だかの為に頑張る』ねぇ」
 口にするだけで面映ゆい。
 自分自身に一分も関係が無くても、嫌になる位に嫌になる。
 レオン・ドナーツ・バルトロメイは合理主義者である。
 同時に――少なくとも自分では――非常に冷淡な人間であると承知している。
 大抵の事を損得で考えるし、そういった判断で失敗した事は殆どない。
 時に他人が眉を顰める位に酷い判断を下した事もあるし、死んだら天国を望むのは難しいとも思っている。
(第一が現在進行形で、連中をいいように使ってるからなあ)

 ――世界を救う為だから仕方ない。

 成る程、そのお題目が本当本気に一番ならそれはその通りだろう。
 大を生かす為に小を殺す事は恐らく『大義』ではままある事だろうから。
 だが、レオンなる嘘吐きは他人を騙すのは上手いが自分を騙すのは存外に下手である。
『一流の詐欺師の最低条件が自分に嘘を吐ける事なら、彼は悲しい事に二流以下に違いなかった』。
(興味ねぇんだよな、世界の救済)
 いや、別に世界が嫌いな訳ではない。
 旨い飯もいい景色も気取った芸術も可愛い女の子も大好きだ。
 しかし、レオンの場合、その大好きは上滑り。傷だらけの人生の空虚な幻のようなものだった。

 俺が、本当に欲しかったのはあの夏の――

「最悪」
 頭を振った彼は「やめやめ」と無駄な考えを振り払った。
 こうなった以上、彼の仕事は何とか責任を取ってやる、だけだ。
 他ならぬ事情ならすげなく却下しなくもないが、今回の『これ』はレオンが拒否しては語るに落ちる。
「……本当、俺には分かんねぇ。だが諦めた。後は何とかするからやりたいだけやってこい

 ――そんな独白は、当然自分自身を騙せない。

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