シナリオ詳細
<Jabberwock>phreatic explosion
オープニング
●『探求の塔』防衛戦線
『緊急警報発令。周辺住民は速やかに避難用のシェルターへ。戦闘可能な者は戦闘準備。対空防衛火器管制のオートメーション稼働率30アンダー。手動管制可能な技術者は速やかに管制室まで連絡を要求する。繰り返す――』
練達首都セフィロト、『探求の塔』近傍にて。練達全土に発令された警報は、各地の状況に合わせ内容、そしてその重要度にあわせて発令されていた。
だが、練達のどこにあっても、ひとつだけ言えることがある。……これから迫りくる『怪竜』達を仮にでも退けなければ、練達は終わるということだ。
「話は練達の連中やローレットから耳タコで伝わってる筈だから詳細は省く……ところだけど改めて説明すゆ。現在、『怪竜ジャバーウォック』がこっちに向けて絶賛侵攻中。そいつが一緒に連れてきた亜竜、まー自分を竜だと思い込んでる強い不審トカゲの連中が押し寄せてきてゆ。『三塔』のひとつであるこの『探求の塔』には、かなりでけえ亜竜1体とちょっとサイズは落ちるけど赤と青の鱗を持った奴が3体ずつ迫ってきてゆ」
パパスはいつもの口調を崩さず、しかし焦りと緊張がありありと伝わる声音で語る。いきなりの事態、最悪のタイミングで横っ面を殴られる格好となった練達の状況は最悪といっていい。不幸中の幸いがあるとすれば、ローレットが未だ復興半ばの練達を注視していたこと、そして復帰道半ばの『マザー』に代わり、その兄として作られた『クリスト』が主導する形でセフィロトの制御を受け持ち、彼なりに力を尽くしていることにある。
「とはいえ、頭が動いても手足が痺れていればパフォーマンスは大きく落ちます。つまりはインフラや防衛機構も、先日の一件で使えるものが大きく減っています。多少の援護は期待できますが、やはり皆さんのお力添えが非常に重要になるかと思います」
ドロッセルはそう結ぶと、イレギュラーズをじっと見つめた。
<ダブルフォルト・エンバーミング>の余波残る練達に襲い掛かる予想外の火の粉は払わねばならぬ。
そして――この防衛線が突破されれば、マザーにも危険が及ぶことになる。さきの戦いをすべて反故にされるような事態は、なんとしても避けねば。
●炎獄と氷晶の亜竜
遠くで、巨大な黒竜がより大きな翼を広げ、威圧的にセフィロトに己の姿を誇示する。
後続のワイバーン達――紫と緑の混色の鱗を持つ『クレピタス』は、先陣を切るのは我だと言わんばかりに高らかに咆哮を上げた。
咆哮の勢い余って、瘴気の激しい吐息(ブレス)が漏れるが構いはしない。遥か遠くを飛ぶ鳥が、その瘴気で群れごと海に落ちようと。
クレピタスは顎をしゃくって後続のワイバーン達を煽った……ようにみえた。それらも咆哮にまじり、炎と冷気とを撒き散らす。
行け、往け、そして我々ではないものはことごとくが逝け。
世界の恨みを体現するかのように、悪意ある翼がはためいた。
●抗う槍として
『迎撃システム、手動動作補正+20。稼働率45オーバー到達。引き続きオートマトンの出動調整を――』
警報と迎撃の進捗を告げるシステム音に混じって、練達に残された戦闘要員の姿が幾つか見える。その中には、到底戦闘ができると思えぬ者もいた。
「まったく、この間の騒ぎの次がさらに大きく翼を広げた。
あれこそが目当てである、とでもいうかのように。
それを目にした紫の鱗を持つワイバーンは、自分こそが先陣を切るのだと言わんばかりに咆哮を上げた。
勢いあまってか、口の端から瘴気を纏ったブレスがちらつく。ワイバーン・クレピタスと呼ばれる個体は、後ろに続く2種のワイバーンに対し顎をしゃくった、ようにみえる。
亜竜達は海上に鎮座するセフィロトに向けて鎌首をもたげ、我らここにありとばかりに様々な方向へと『軽く』ブレスを放った。
セフィロトには到底届かぬまでも、遠巻きには十分すぎる威圧行為。
今や遅しと接触を待つ敵の強大さは、イレギュラーズをして心胆を寒からしめる悪意を湛えていた。
は亜竜ですって? あなた達も大変ね、鶫」
「その声は……デス――」
「だぁれがデス・マルチーズかッ!?」
「まだ全部言ってないじゃないのに……『サーベラス』が手伝ってくれるなら心強いわね」
弓削 鶫(p3p002685)の友人であり、練達の自警団『サーベラス』に所属するマリー・ウィル・リミッツ。近接戦での実力はイレギュラーズの手練にまさるとも劣らない。
「あれ、全部ワイバーンよね? なのにあそこまで外見が違うなんてどうなってるのかしら!? ねえティスル!」
「テンションが上がってるのは分かるけど、戦うよりも役に立つ手段があるからそっちで手伝ってよ、カイラ……」
ティスル ティル(p3p006151)がその腕をとって慌てて制止しようとしているのは、カイラ・スミスという。練達の腕の立つ鍛冶師で、亜竜に似た存在が闊歩する世界の出身で、大型生物に目がない。彼女は戦いたがっているが、今回ティスルが声をかけたのはその熟達の鍛冶師の腕。一時的にしろ、各々の武器を強化してくれる手があると踏んだからだ。
「大体話は分かりましたにゃ。こういうときのために……皆上に上げちゃいますにゃ」
「一方通行だと危ないよ、何か妥協案はないの?」
「それだと出力が大分落ちますにゃ……」
ミニュイ・ラ・シュエット(p3p002537)に止められつつ輝く目を隠しもしないのは、彼女の知人で研究者のウォルシュ。高く飛ぶことに一家言あるのだが、危険性などを度外視する傾向にある。……こういう時だからこそ、役に立つとも言えるだろう。
イレギュラーズ達だけではない。
この国を守るため、皆が拳のみならぬ『力』を掲げる時なのだ――!
- <Jabberwock>phreatic explosion完了
- GM名ふみの
- 種別決戦
- 難易度HARD
- 冒険終了日時2022年01月31日 22時10分
- 参加人数50/50人
- 相談5日
- 参加費50RC
参加者 : 50 人
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参加者一覧(50人)
リプレイ
●氷亜竜撃滅戦(1)
『探求の塔』の上空へと到達したワイバーン、その数16体。他の雑多な個体とは明らかに異なる外見は、それだけで脅威とわかる。外周を襲う個体群はイレギュラーズの積極的応戦によって大幅を数を減らし、攻勢に転じた『クリスト』の活躍もあって当初の『数の暴力』を保ち難くなっている。
「あの日儂らドワーフの谷を滅ぼした竜と、かような形で再度見えようとはのう」
「もう、あなたたちはお話しする気なんてなかったかしら? ここで暴れるのはやめてほしいのだけれど」
ゲンリーにとって、竜の形を取る者は仇敵となんら変わりなく。ヴァイスは少しでも亜竜達に語る口があればと想ったが、周囲の激戦を経てなお凶暴性を失わぬ姿に、最早退っ引きならぬ状況だと理解する。
「……竜とついていれば何にでもキレるようなタイプではないですよ、ええ。いたって冷静ですよ。ただちょっと、我が物顔で頭上を飛び回られているのが気に食わないだけです。ええ、それだけですとも。……ブッ殺してやる」
竜に強い感情を抱いているのはクリムとて同じだ。他者に害をなし、そしらぬ顔で飛び回るアレを放っておく義理はない。
「最近は正念場続き……だけど、折れてたまるものですか! カイラ、準備はできてる?」
「勿論! こんな機会を無駄にするワケにはいかないからね!」
「屠竜に特化し過ぎて使用者が使いにくかったら本末転倒だからな、調整なら任せろ」
ティスルは亜竜達を興奮気味に見やるカイラに問う。彼女の手で改造を受ければ、少なくとも厄介な鱗による妨害は避けられる。輪をかけて幸いだったのは、鍛冶に長けた錬がいたことだ。ともすれば、カイラの改造以上の成果を上げ得る人物であることは異論なかろう。
「一撃でも多く、倒れるまで馳走した後は、この体と命を盾にするまでよ……この火砲ごとのう!」
ゲンリーは火砲を空に掲げると、氷亜竜達が隊列を組んで移動する区域目掛けて撃ち放つ。鮮やかに身を翻した氷亜竜は、しかし鱗の一部を焼き焦がされた事実に憤慨の叫びをあげた。
「ちょろちょろと人の頭上を飛んでんじゃねぇ! 叩き落として後悔させてやる!」
「暴れてるのを放っておく気はないわ。御免なさいね」
感情のままに吠えるクリムは当たるを幸いに魔砲を撃ちまくり、氷亜竜の隊列を乱しにかかる。避けてバランスを崩すくらいなら、とばかりに堂々と受け止める個体もいるが、イレギュラーズを甘く見ている証拠だ。
表面で爆ぜた攻撃に苛立ちを覚えた氷亜竜が身を捩ると、既に待ち構えていたヴァイスの放った暴風が叩きつけられる。バランスを崩した個体は、つづくゲイリーの火砲を避けることもかなわない。
さりとて、一連の攻撃の苛烈さをして氷亜竜は高度を上げることなく鉤爪を擦り付けるように地面に叩きつけ、ブレスを吐きながら上昇する……かと思われたが、おもむろに転身すると、一人のイレギュラーズへと対峙する。屍だ。
「同じ旅人として同胞たちが虫けらのように蹂躙される姿は見ていられません。……ですから、刺し違えてでも」
「刺し違えるだなんて勿体ないことを言うでない! 練達の二度目の危機、音に聞く亜竜の暴虐なら立ち向かうに不足なし! 全てを賭して参る! そして勝つ!」
己を的に掛け、自己犠牲すら厭わぬ屍の姿勢に、蓮華は強い敬意を抱いた。だがいけない。賭すことと捨てることはまるで違う。だから、屍に突っ込んでくる氷亜竜に光柱を叩き込む。二人がかりで受け止めた突進は、一撃で体力を大きく削ってくる。……だが、足を止めた。浮上までのいっときを稼いだのだ。
「今なら勝て……いえ、下がって! 氷亜竜1、炎亜竜1、落ちた個体の直掩に回ってます!」
佐里は勝利への道筋が見えた一瞬、快哉を叫びかけた。だが、即座に手を振り叫ぶ。一体がこうも集中攻撃を受ける中、他の個体が無視する筈がない。
ただのホバリングだけで一同を後退させ、傷を生む翼をどうすべきか。
そして、炎亜竜と氷亜竜が同軸上に敵を据えた場合の危険度。
全てに『最悪』が作用していることを見て取った彼女は、治療の手を止めずに声を振り絞った。
「仰角20、射出は全力。大丈夫ですかぁ?」
「心得ましたにゃ。大怪我ご勘弁」
だからこそ、複合ブレスが届く位置に体ごとぶつかる勢いで鏡が――ウォルシュの射出機でほぼ水平射出された体で――突っ込んでいったのは、「馬鹿げてる」以上の言葉が出ない。
狙いは一つ、氷亜竜の翼。根本でなくとも先でいい。切断できずとも飛翼が膾になればいい。飛べなくすれば、まずひとつ。
「落ちたアイツに目が行ってるのは、俺達もあいつらも一緒だ。その連携、崩させてもらう」
「ブレスを押し戻すなんて冗談みたいですが……弱ってる相手は倒したいよね」
氷のブレスを刻み、炎が重なる寸前、火球と魔砲がその軌道を逸らす。錬の式符とルネの魔砲だ。逸れた火線がそのまま両者の付近を薙ぎ払ったのは悪い冗談が過ぎるが、さりとて被害の軽減という意味では十分な成果を挙げたといえた。
「皆さん無理しますねぇ。でも、嫌いじゃないですよぉ」
「凄……、って、言ってる場合じゃないですね! 鏡さんも錬さん達も、出来るだけ此方に!」
身を捨ててこそなんとやら、鏡は全身に霜の残滓を散りばめながら、刀を振るった。背後では片翼を失った氷亜竜の咆哮が無惨に響く。呆然としかけた佐里の思考が解凍するまでに数秒を要したのも無理はない。
「『サーベラス』! 倒れた相手に一斉攻撃!」
「じゃあ、そいつら借りるぜ! 指揮は俺に任せな!」
「私が皆を癒やすわよ! 悪いことする鳥さんよりも、私達の心がビッグだってことを見せてやりましょう!」
「若輩者ですが、及ばずながら助力します」
あまりの激戦に一瞬思考が漂白されたティスルはしかし、直後にマリーと『サーベラス』に号令をかける。そこに駆けつけたのはオランとトリーネだ。両者はある程度の指揮統率の覚えがあるだけに、ティスルが意識を割くリスクを避けられる。少し離れた位置に陣取ったP・P・Pも、サーベラスの隊員へと治療を向ける。安全地帯などこの戦場にはない。なら、自ら切り拓くしかないのだ。
「俺の世話ンなってるホストクラブ・シャーマナイトもあるし、練達はぜってぇ守んねえとな! 攻撃は出来るだけひきつけてやる!」
「それじゃあ上へ参りますにゃ……御武運を!」
オランはさらに、自ら打ち上げられることで高高度に居座る氷亜竜を引きつけて落下する。ウォルシュが浮遊装置を作ってなければ無謀だったろうが、彼にとってそれは大したリスクでもないのだ。……後ろから氷亜竜が襲いかかってくること以外は。
「この盾も、初めての戦いで暴れまくりたい、するよな……ボクの後ろ、絶対いかさない……」
カルウェットは辛くも着地したオランの前に回り込むと、白百合の盾を大きく掲げて鉤爪を正面から受け止める。盾の初陣がこの大一番、無様に倒れる義理はないとばかりに、強く踏ん張り、全身に力を込めた。
「ボクの、後ろ、安心させる……そうなれるよう頑張る、してきた。今日、やるぞ!」
●炎の帳、毒の壁
「はれま、壮観やこと。竜なんて初めて見たわあ」
「珍しいのは事実なんですが、放っておくと被害が拡大するんです……! 急いで倒さないと!」
秘巫は次々と襲来し、イレギュラーズと激戦を繰り広げる亜竜の姿に感心したような視線を向けた。どこかのんびりとした口調は、治療のために前に出ているドロッセルの焦りの色をより濃くさせる。無論、秘巫はこの状況を甘く見ていない。氷亜竜に混じって炎亜竜が複合ブレスを狙いに来る時点で、緩く構えれば負けると理解していた。
「戦闘には不得手であるが、あれらを退かせねばならんのだな。承った」
「汝(あんた)は妾(わたし)が引きつけた火竜を狙ってな。妾以外が狙われると被害が増えるやろ?」
「吾輩に指図か。いいだろう、亜竜を地に引きつけねば戦いもままならぬゆえに」
「……ところで」
ダーク=アイが秘巫と単純明快な結論を出すに至り、ウォルシュに声をかけようかと言うタイミングで、ミニュイは二人に問いかけるように手を上げた。
「人間を青空片道切符で送り出すより、砲弾とか爆弾とか打ち上げた方が効果的だと思わない?」
「空中で焼かれた時に落ちるだけなのが砲弾、一矢報いるのがイレギュラーズですにゃ」
ウォルシュのイレギュラーズへの信頼が異常だ。
「そーいうことなら、あなたが引っ張ってきた相手に叩き込むよ。その方が楽しそう」
ミニュイの言葉に、秘巫は意味ありげな笑みを返す。直後に大きく打ち出された秘巫が高高度に留まっていた炎亜竜達に誘いをかけ、落下していく己へ狙いを絞らせる。
有効射程まで追ってきた炎亜竜は、下方で待ち構えていたダークとミニュイの猛攻にさらされることとなる。無論、それだけで倒せるほど弱敵ではないが……真価は秘巫の死ににくさ。
次々と炎と火球が乱れ舞い、或いは鉤爪に引き裂かれながら一向に倒れる気配がない。ローレットの者達には『ありふれた』光景は、しかし多くの者にとって異常である。だからこその価値、ともいえるが。
「……あれが、竜。空を舞う竜を直に見るのは初めてだな」
「竜なんて初めて見たよ、間近で見るとすっごい大きいんだね! こんなのが練達に沢山来てるんだもんね、考えるだけで凄く怖い話だよ……」
挑み、超えるべき敵。そして、恐怖を想起するもの。ルクトとカナメにとって、他の亜竜の動きを観察し、今や遅しと構える毒亜竜の姿は背筋が凍る存在感を放っている。
「じ、冗談じゃあない! 何をしたらこれだけの数の竜だの亜竜がやってくる事態になるのさ!」
「骸骨にエルフに幽霊に、色んなもんを見てきたがそりゃあ竜もいるよなぁ……いやぁ本当、ピンチだわ」
ベルナデッタは目の前で繰り広げられる状況に理解が追いついていない。窮鼠の姿も、『一見すれば』理解を超えて声もない、という体にみえる。
だが、ベルナデッタは追いつかぬなりに『仕方ない』と己を鼓舞し、窮鼠は追い詰められた現状に興奮を覚えている。箍の外れ方、外し方に関して、思考の切り替えという意味で二人は似通っていた。
「個として強い種族が群れとしてやってくるって、それはもう厄介よね」
「でも、雑魚散らしやクリストが奮闘した分士気は確実に落ちてますよ。一発ずつ確実に当てつつ、此方から視線を離さないようにしましょう」
イリスは毒亜竜を倒せるなどとは微塵も想っていない。されど、それは必要とされていない。やりようはある。ラクリマの言葉通り、確実に減りつつある敵方の士気を思えば、死力を尽くせば十分対応圏内なのだ。
「ドラゴン相手は初めてですわ! 狙うは最強格、そこに強き者がいれば挑む、それでこそのワタクシでしてよ!」
「……えぇ、圧倒的な暴力に心身共にやられてはいけないのが看守なんだもの! 絶対に負けないわ!」
シャルロッテのあまりに猪突猛進な考え方は、しかし周囲の気力の底上げを容易とする。セチアは強大な暴力、その象徴を前にして怖気づかぬだけの決意を持つが、それと同じくらいには、仲間の姿が目に焼き付いているのだ。
だから、ラクリマの嘆きの聖歌が毒亜竜に届き、膨大な殺意と悪意が地上に向いた時点で、並の戦士なら失神していておかしくなかった。
「ラクリマさん、シャルロッテさん、相手の攻撃は私の後ろでやりすごしてね。それから、一気にぶっ叩いて」
「御言葉に甘えますわ! 淑女式の肉弾戦というものをお見せして差し上げます!」
「心強いですね。俺も負けてられ」
イリスはシャルロッテとラクリマをかばう格好で前に立ち、毒亜竜の攻撃を受け止めにかかる。引きつけ、受け止める。単純だが有効な戦い方で、一同は勝利へと身構え。
「そーゆラクリマ。おまえの頑張りで【闘竜隊】の命運は六割くらい決まゆ。せいぜい気張るゆ」
「……ってなんでパパスさん最前線にいるんですか!?」
「おまえ達の治療のために決まってゆ。ドロッセルは冷たい方で飛び回ってゆからな」
ラクリマは、しれっと支援部隊に混じって治癒術を施しているパパスに目を剥いた。
「仲間のこともだけどよ、アンタが死ぬと寝覚めの悪い奴がいるんだ。無茶すんなよ」
「……、……わかってゆ。エルディン、おまえは今度キノコでも持ってくるがいいゆ」
支援に回っていたエルディンがパパスを気遣うと、彼女はその『顔見知り』に仏頂面で返してみせた。無理を見抜かれた腹いせか、エルディンのギフト由来かは分からぬ不機嫌さ。
カナメやシャルロッテが果敢に毒亜竜へと攻撃を重ねる中で、両者はあらためて治癒術の準備にかかった。
「仕方ない。ああそうだ、仕方がない! 僕に今できるのは回復だけ! なら、前線で戦う連中の支援くらいはきっちりとやってあげるよ! 感謝してよね!」
心臓を掴まれたような恐怖を振り切り、ベルナデッタは構えをとる。二人で癒せぬなら三人で、或いはそれ以上の仲間で支える。
強大な亜竜を前に、その影は如何にも小さい。だが、糸が束ねれば綱となるように、人の力は束ねることでより強固なものとなるのだ。汎ゆる悪鬼羅刹を退けるほどに。
●氷亜竜撃滅戦(2)
「随分でかいトカゲじゃの。大陸にゃあこんなのもおるんか」
「なぁ支佐よ。あれはトカゲなのかえ? わしは違うと思うんじゃが! 圧が凄いのじゃが!」
支佐手が楽しそうに亜竜を指差すと、五十琴姫は身を震わせつつ相手の不見識を指弾する。あれ絶対トカゲじゃないって! 準備は出来てるけど!
氷亜竜はそんな二人を標的に据え、ブレスを叩き込もうとする。……が、両者の攻撃が飛翼を叩くのが早い。些かも態勢を崩さないのは流石だが、機先を制された格好だ。
「支佐も地上のほうが楽じゃろう! まず引きずり下ろすぞ!」
支佐手と五十琴姫は氷亜竜のブレスを避けつつ、時に受けつつ反撃に転じる。
これが直線的なものだったからまだいい。炎亜竜相手なら、仲間が多数巻き添えになっていたはずだ。
「琴、わしもおんしも限界が近いぞ! おんしの方が先に落ちるじゃろうが!」
「言うな支佐、治療はわしの領分じゃ! 少しは場もたせをしてやろうぞ!」
ぎゃあぎゃあと騒がしく応戦する二人は、傍目にも目立つ。目立つということは――加勢するに足る状況である、ということ。
「あれの攻撃を引き受ければいいんだね。任せておいて」
アイザックは両者を背に、氷亜竜お前に立ちはだかる。直線的だが破壊力抜群のブレスはしかし、アイザックの踏ん張りによって四方に散らされ、アイスバーンを形成。
直後にロードヒーティングで溶かされたそれに憤る間もなく、氷亜竜はアイザックに激しい敵意を惹起された。
「やはり、君達のような無差別な相手とは相容れないね。ここで僕と遊んでもらうよ」
「あいつら、魔王の言うことすら聞かんし。魔界に居た頃から厄介だったのよな。とっととおかえりいただこうか」
アイザックの影からひょこりと顔を出したトルテは、怒り狂って鉤爪を露わにする氷亜竜に顔を顰めた。氷の力を持つ者に氷結術式は通りが悪いという苛立ちもあろうが、そうでなくても動きが中々鈍らない、飛び上がればなかったも同然の動きをするから厄介極まりないのだ。
「皆で集中攻撃して逃げ道を塞いで、少しずつ不利だと分からせるしかないにゃ。クラリスがおやすみできるように頑張るにゃ! ……ところで、他のドラゴンはどうなってるにゃ?」
遠巻きに電撃術式で氷亜竜を牽制していたちぐさも、地上に降りた個体とみて勝負所と見たらしい。『三塔』以外にも多数の竜種や亜竜種が観測されていることを、彼も理解している。
「竜種は状況が読めませんが、亜竜はかなり減っているようですよ」
そして、アイザックの回答通り。さきの氷亜竜一体の撃破、そして炎亜竜が引き離された状態での戦闘は、空中戦が先程より立ち回りやすい状態へと進んでいる。
「なら、クラリスのおやすみのためにもう一息にゃ! あいつも倒しちゃうのにゃー!」
ちぐさが拳を掲げると、居合わせた面々もそれぞれ頷き合う。足止めなら出来る。勝利だって遠くない。勝つことだけを、胸に。ただ死なぬ為だけに。
「まだまだブースターで打ち上げられますにゃ! どんどん使ってくださいにゃ~~!!」
ウォルシュの危険なブースターは、その扱いの難しさゆえに使用者が限られる。というか、使われているが用意された数が多い。ダダ余りもいいところだった。だが、捨てる神あればなんとやら。膠着し始めた氷亜竜への対策とばかりに、次々とイレギュラーズがブースターを使い、戦場に切り込んでいく。
「あっちで使ってた空戦装備がありゃ楽なんだが……まあ無いモノをどうこう言ってもしょうがねえ、借りるぜ!」
ルビィは半ばふんだくる形でブースターを受け取ると、一息で空へと打ち上げられる。凄まじい風圧に身を叩かれつつも、加速をそのまま氷亜竜にぶつけ、空中で態勢を整える。確かな手応えに快哉を叫ぶ間もなく反撃が来るが、彼女にそれが当たるよりも追撃がなお早い。
「……元の世界では御伽噺の類であったが、まさか実際に見る事になろうとはわからんものだな。だが敵であることに変わりはない」
『ネメルシアス』にまたがったオライオンが、ルビィを狙った個体ごと複数体に新規閃光を放ったのだ。宛ら白馬の王子様ならぬ、獅子の隠者様といった装いだが、サマにはなっている。そのまま対空し、次の機を狙うところは猛禽のそれを思わせる。
「貴方達には、私と一緒に地上に降りてもらいますよ」
サルヴェナーズは、オライオンの攻撃で鈍った個体に向けて魔眼を解き放ち、亜竜達のより原始的な嗜好を惹起させる。引っ張られるよに落下していく彼女の姿は見るものに不安を与えるほど自然で、まるで地上へ向けてレーンがあるかのように真っ直ぐに。……が、激突するかと思われた刹那、彼女は宙を舞った。飛行能力を持ち得ない筈の彼女が、だ。
「わしが居る戦場で、地面とお見合いなどさせるわけがないじゃろう! どんどんブチかましたれぃ!」
その秘密は、天狐の存在にあった。
彼女の『出前魂』を分け与える技能により、周囲のイレギュラーズ達はブースターの不利を被らずに(限定的だが)空中戦闘が行える――というわけだ。普通に飛べば狙われやすいから、ウォルシュのブースターとの組み合わせあっての奇策である。
「天狐、貴方も……往くのでしょう?」
「サルヴェナーズ殿にお膳立てしてもらって否やはなかろう! 穿け、わしの出前魂!」
着地したサルヴェナーズにけしかけられては、天狐も逃げる選択肢は持っていない。降りてきた氷亜竜目掛け、爆発的な加速でリヤカーごとぶつかっていくその姿は、ひとりだけ空気感が完全に左側に振れている。
「竜! 竜! 本物ですぞ!! え、竜じゃなくて亜竜?」
「ワイバーンだよ! どっちにしても練達の敵! 全員生きて戻るために、まずこいつらを倒そう!」
興奮気味に氷亜竜に視線を注ぐ成龍に、メイは即座に訂正を入れる。二人は周囲の遠距離攻撃に覚えのある面々に強化を行い、あちらこちらへ集中砲火をけしかける。斃れた氷亜竜から流れてきた『サーベラス』の射撃部隊も合流し、【氷竜狩】内の遊撃部隊といっていい立ち回りに終始する。
「交渉の席に、着けないのなら、お帰りいただきましょう」
閠は成龍達と合流する形で、仲間達に周辺警戒を呼びかける。翼ひとつ、息ひとつで乱されかねぬ陣形が、先手先手で立ち回れているのは誰あろう閠のお陰だ。
亜竜達とて堅牢無比とは程遠い。混乱もすれば意思の混濁だってある。
「不調の緩和が出来るって話はどうしたのさ? この改造された杖相手じゃあ無理だったかな!」
「苦しめば苦しむほど強くなるならもっと苦しめばいいさ!強くなった自分の能力でな!」
「敵も味方も分からねえんじゃ、さっきまでの好き勝手も無理だよなぁ……!」
アウレリア、アデル、そしてトキノエの三名は、ノーマークの亜竜目掛け次々と術式を叩き込んでいく。改造された武具による攻撃を緩和する手段は、氷亜竜にはない。そして、不調を重ねるほどに強くなるという冗句じみた特性も、敵に向けられなければ意味がない。つまるところが、彼らは同士討ちへの道を着々と進んでいるといえるだろう。
「このアデル様の天才っぷりに怯えつつ逝くがいいさ!」
「アタシだってこう見えて水を司る精霊種だからね、水流のブレスなんかに負けてられないよ! 我が真名ネモピレマの名のもとに、空駆ける翼竜、絡めとってきなさいな。刺すが如く冷たき水流!」
アウレリアは氷亜竜とブレスと魔術の打ち合いとなり、その負傷を免れない。畢竟、『ネモピレマ』としての姿を晒し、己の誇りでもってあいてを倒すという決意に変わる。
アデルはアデルで、己の実力への自信と誇りを捨てず、その上で戦闘以外、伝令などにリソースを割く徹底ぶり。いついかなる形で戦局が変わるかわからない。秘巫の不死性に裏打ちされた炎亜竜対策が、いつ必殺の一撃の前に砕けるかもわからない。いわんや毒亜竜も。
「――!!!!」
そのとき、氷亜竜はビルの一角に鋭く頭をもたげ、ブレスでもって倒壊させる。その影から飛び出す形で奇襲をかけんとしたオニキスが、まともに命中する形で肉体が氷結し、崩れ落ちていく。まるで幻のようだ、などという表現は陳腐だろうか?
「かかったね。そんなに怖かった?」
マジカルゲレーテ・アハトから放たれた光軸が、氷亜竜の翼の付け根へと叩き込まれる。奇襲、衝撃、威力の大きさは仲間達のものと比しても圧倒的と言え、それのみが決定打には遠いが、さりとて無事とは言い難く。
「このまま、ぶち抜く!」
トキノエの絞り出すような声とともに、一同は氷亜竜へと集中攻撃を叩き込んでいく。
まだ、まだ、まだまだまだまだ、倒すには遠いが、倒されるまで時間はある!
●毒と光の輪舞
「さあ飛竜さん、アタシとダンスはいかがかしら?」
「あら、この方はワタクシと踊りたいそうですわよ?」
深白は毒亜竜に遠巻きに斬りつけると、そのまま一気に距離を詰めて攻勢をかける。斬撃に動揺をみせた亜竜は、足元から叩き込まれるシャルロッテの拳打で動きを乱され、反撃の威力もやや落ちる。互いに牽制するような言葉を投げあいつつ、根底にあるのは双方への信頼。イレギュラーズは、即興で連携をやってのける。
「俺は倒れるまで殴り続けてやる、足んねぇところは任せた!」
「任されましたよー、あの亜竜の脚は興味深いですが、そうもいってられねーですねー」
一撃一撃に追い込まれた者の魂を乗せ、窮鼠は毒亜竜を殴りつける。シャルロッテの逆方位からの猛攻は、命を死に晒しつつもなお輝きを増してすらいた。ピリムは仲間の脚に興味はないが、亜竜の魅力的な脚を崩しうる窮鼠の攻勢には、多少なり感心があった。……それより何より亜竜の脚だが。両断できぬまでも、試し斬りはできよう。
(正直、頑然にクレビタスがいるのは怖いです……けれど、皆さんが力の限り戦っているのだから、此方も全力で助けないと)
兼続の手に握られた神秘媒体は、未だ十分に馴染んではいない。けれど、仲間を癒やし、毒を祓い、一分一秒の戦闘継続へ資することは明らかだ。恐怖をまえに尚動くのは、その心の強さゆえだ。
「もう! お散歩にしては暴れすぎだよ! 早くお家に帰りなさーいっ!」
兼続が立っていられる理由のひとつに、仲間達の勇猛さを間近でみているからというのもある。Meerなどその最たる例で、支援に回り、熾烈な戦いに巻き込まれる状況でなお、元気と賦活の術を仲間に振りまいているのだから恐れ入る。どころか、仲間達の限界も見抜く思考の鋭さ、知識の多さ。
「シエルさん、倒れた人達を後ろに運んで!」
「任せとけ、ワイバーンなんぞに追いつかれる前に運んでやるぜ!」
Meerから引き継ぐ形でぐったりした仲間を抱えたシエルは、その重さに閉口しつつも翼を全力で震わせる。大言壮語と笑うなかれ。その機動力は、嘗てワイバーンから卵を奪わんとしたイレギュラーズの速度に比肩するそれだ。荷物一つで逃げ切れぬ道理がない。
「助けにきましたよー……」
リネットは激戦のなかをかいくぐり、『サーベラス』の隊員にひっそりと近付くと、その体を掴んで後方へと引きずっていく。治療能力はない、亜竜に有効な戦闘手段もない。だが、隠れ潜むことに関して、彼女をおいてこの場で巧みにこなせるものもそうおるまい。隊員の死者が限りなく少ないのは、彼女の助力もあるだろう。
「……我が名はルクト。ルクト・ナード。生まれ持った翼が無くとも、空に挑む事ができると証明しよう」
ルクトは高らかに宣言することで自らを追い詰め、全戦力で以て毒亜竜に打ち掛かる。何十回何百回かかってでも足を止めさせ、周囲に意識を割かせない。
全て此方で引きつける。すべてのリソースを燃やし尽くす。
毒亜竜は、イレギュラーズの決死の勢いに……動きを鈍らせた。ほんの寸毫、それにとっては痒いものを払い落とす程度の隙だ。
「これが私の心……看守の精神を乗せた一撃だあッ!!」
セチアは渾身の一撃で、打ち上げるように叩き込む。窮鼠、シャルロッテ達の攻撃も同調することで、僅かにだが亜竜の体が『浮かされる』。
「ほれ、励めよ。この羽虫どもさえ追い払えばなんとでもなる。そのためにわしらはここにおるのじゃろう?」
「逃さないデスよ。飛んで逃げようとか思っても、もう少し付き合ってもらいます」
瑞鬼はここぞとばかりに攻勢を仕掛ける仲間達の魔力を、気力を賦活させるべく死力を尽くす。ゆるりと構えながら、その実膝が笑いそうなほどに限界は近いのだ。砂織もまた、治癒を主に行いつつ、この機を逃すまいと魔力を振り絞って毒亜竜の動きを鈍らせる。姿勢制御の一瞬に、その妨害は強く効く。
「ガアアアアアアアアッ!!」
「ここはカナが受け止めるよ! ……うぇへへ、亜竜の一撃を受け止める体験、見逃せるワケないじゃん……♥」
命はともかく、『まずい』と判断した毒亜竜が自傷も顧みずブレスを放とうとする。だが、イリスに代わって前に出たカナメがそれを全身で受け止め、恍惚とした顔を見せた。彼女にとってはこれが本懐、これが目的の全て。たとえその身が千切れるほどに痛めつけられても、それだけは捨てられない。
「脚は……斬れませんねー。でも、これで十分ですねー、シャルロッテたそ?」
ピリムはダメ押しとばかりに、宙に浮いた鉤爪に刃を突き立てた。爪切り程度の役割は果たしただろうか? そして、彼女が誰あろうシャルロッテに繋井田理由は唯一つ。
右の飛翼、その根本の骨に腕を回し、シャルロッテは叫ぶ。
「これが、ワタクシのぉ……淑女式パワーボムッッッ!!」
自由落下と全筋力、そしてその莫大な自重をもって叩きつけられるプロレス技。混沌有志以来、あるやなしやの超重量差マッチのフィナーレに相応しい一撃だった。
毒亜竜は落下の衝撃で周囲を暴れ、毒を撒き散らす。辺り一面が見えなくなるほどの毒煙を巻き上げ、それは命惜しやと逃げていく……当然、僅かなアクアリスと、五体満足のボルカノン達も。
毒が晴れた『探求の塔』周辺に、一陣の風が吹く。
それが自然現象か、セフィロトの防衛機構かは今はわからない。
だが、これが彼らの勝利であることは、誰はばかることなき事実であった。
成否
成功
MVP
状態異常
あとがき
白紙ゼロというのは、決戦であることを抜きにしても非常に素晴らしいものと評価できます。
また、此方での導線が無いなかで自律的に統率され、行動出来たことは素晴らしく思います。
皆様お疲れ様でした。ゆっくりお休みください。
GMコメント
いきなりの緊急事態、風雲急を告げる練達の防衛です。
『探求の塔』防衛は私、ふみのがお送りいたします。
●成功条件
ワイバーン達の撤退
※最低討伐数:2、努力目標:3~5。『ワイバーン・クレピタス』はこれに含まない
●ワイバーン(共通)
『怪竜ジャバーウォック』とともに練達に襲来した亜竜(竜種ではないが非常に強い個体)。
亜竜としての特性として、『飛行戦闘にデメリットを被らない』『非常に堅固な肉体』『飛行中は確定2回行動、反応・機動・回避上昇』などの厄介な能力満漢全席みたいな存在。
空の王者である竜種の模造品のような存在だけに、空での強さは比類なく、地上に降りても相当に強い。
・翼による風をまきおこす。出血系BS、【飛】、その他BS数種。
・その他、爪や牙などの攻撃は非常に強力。それらを使用する場合のみ地上10m程度まで降下するが、それ以外は大抵20~30mぐらいの高さにいる。
●ワイバーン・クレピタス
『探求の塔』側の襲撃に向かってきた亜竜のボス格。爆発や崩壊のシンボル。他のワイバーンと比較しても頭2つ分抜けた性能を持つ。
・竜鱗(偽):個々の攻撃に対して確率でダメージを無効化する。
・竜血(偽+):ターン終了時のBS付与数に応じて、次ターンのステータスが上昇
・連鎖統率:戦場にいる限り、すべての味方が「連鎖行動」を所有している扱いになる
・強力な毒性を持つガス状のブレスを撒き散らす。範囲が広く、着弾地点に近いほど強い毒性を被る。
・トリゾナス・バースト(アクアリス、ボルカノ各2との3種連鎖時稀に発動。超威力)
●ワイバーン・アクアリス×6
『クレピタス』の配下。純粋な竜種やクレピタスには遠く及ばぬまでも、イレギュラーズが戦うなかではかなり強力。
・竜鱗(偽-):個々の攻撃に対して、確率で1段階低下(業火→火炎など)。
・竜血(偽):ターン終了時の被付与BS数3個以上で能力向上
・主に高圧の水、及び強烈な冷気のブレスを吐く。強烈だが、やや直線的。ボルカノの攻撃範囲内での攻撃は威力向上。
・トリゾナス・バースト(クレピタス、ボルカノ×2との3種連鎖時稀に発動。超威力)
●ワイバーン・ボルカノン×6
アクアリスに同じ。イレギュラーズが複数でかからねば勝つことは難しいだろう。
・竜鱗(偽-):個々の攻撃に対して、確率で1段階低下(業火→火炎など)。
・竜血(偽):ターン終了時の被付与BS数3個以上で能力向上
・広範をカバーする非常に苛烈な炎を吐く。アクアリスと同一範囲の攻撃時、威力向上。
・トリゾナス・バースト(アクアリス×2、クレピタスとの3種連鎖時稀に発動。超威力)
●カイラ・スミス
ティスル ティル(p3p006151)さんの関係者。友軍。
出身世界では亜竜種に近い相手とやりあっていたこともあり、ワイバーンに対する対抗心が非常に高い。
今回は戦闘ではなく支援で参加。「武具改造(自分中心に2レンジ・常時発動スキル扱い)」により、対象者の攻撃に対し『竜鱗(偽)』の発生を阻害する。
(偽→偽-、偽-→無効化)
●ウォルシュ
ミニュイ・ラ・シュエット(p3p002537)さんの関係者。練達の(自称)天才的発明家。
空に『打ち上げる』ことは得意だが、それ以外は大抵度外視している。
戦闘中、1~2回程度彼の用意した『ブースター』を使って1ターンだけ高度30m程度の空中戦闘(デメリットなし)が可能となる。
なるが、そのあと自由落下となるので『フィジカル+テクニック』の数値が一定以下だと落下ダメージが大きくなり実用的ではない。
(なお彼のいる戦場では任意で『簡易飛行』が可能になるブースターが用意されちゃいる)
●『犬嵐武踊』マリー・ウィル・リミッツ
弓削 鶫(p3p002685)さんの関係者。
攻撃範囲が広い技が主体で、物理攻撃力もかなり高い。反面、空中を狙う攻撃手段が希薄なためR3以上の空中にいるワイバーンを落とす場合、前述のウォルシュに『打ち上げて』もらうことになる。
落下時のケアとか空中でピックアップできれば、戦闘でも有意に運用できるだろう(無論、地上迎撃に専念してもらうのもアリだが)。
●傭兵部隊『サーベラス』×20
マリーの祖母(関係者)は別の戦場に向かっています。
一騎当千の旅人の傭兵部隊。イレギュラーズ中位程度の実力はあると見てよいでしょう。
タンク役多めの布陣です。
●パパス+ドロッセル
遠距離攻撃手段もあるが、今回は治療に専念する。どちらもそれなりに実力はあるため、治療で足を引っ張ることはあまりないだろう。
●情報精度
このシナリオの情報精度はCです。
情報精度は低めで、不測の事態が起きる可能性があります。
●Danger!
当シナリオにはパンドラ残量に拠らない死亡判定が有り得ます。
予めご了承の上、参加するようにお願いいたします。
●決戦シナリオの注意
当シナリオは『決戦シナリオ』です。
<Jabberwock>の決戦及びRAIDシナリオは他決戦・RAIDシナリオと同時に参加出来ません。(EXシナリオとは同時参加出来ます)
どれか一つの参加となりますのでご注意下さい。
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