PandoraPartyProject

ギルドスレッド

未来超仰天実験室

four of a kind

●あらすじ
キミ達はそれぞれの理由でローレットを訪れた。
キミ達はそれぞれの事情で時間を持て余している。
キミ達はそれぞれの思惑でもってカード遊びに興じるだろう。

●今回のカードの特徴
それは高価そうに見える。
それは色付き硝子のように薄く透通っているが、裏の模様を見透かせない。
それは『語り手』の敗北を検知すると曇ってしまう。
それは『聞き手』の敗北を検知すると淡く輝く。
それは誰かが勝利すると、全てのカードが勝者の手元で束になる。

●ルールへのリンク
https://rev1.reversion.jp/guild/818/thread/14878

●特別ルール:カード指定
自PCが引くカードを、乱数に頼らずPL自ら指定してよい。
これは各PLごとにゲーム中1回まで使用できる。

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セレマの勝ちだな。
えーと、決定権を君に委ねよう。
ああ、異論はないよ。
じゃあ、カード引くよ。
(そっと、山札に手を伸ばす)
18
(一枚捲ると、そこには、見覚えのあるカード。それもそのはず。だって、これは)

【05.狡猾】……これ、さっき、セレマが引いてたやつか。

……狡猾、ネ。こんな短時間で2回も出るたァ……。
……譲ってよかった。
ボクが引くところだった。
先程ハ、『大地』が舌をようく動かしていたからナ。
もう少シ、俺が働くとしよウ。

でハ、先程ハ、『赤羽』と『大地』ガ、如何に混じり合い『赤羽・大地』と成ったカ。
それを話したナ?

でハ、それよりずうっと前。
『大地』を知るよリ、昔々の『赤羽』を語るとしよウ。

……『大地』の生まれた場所ヲ、平穏無事の日の本と言い表すなラ。
『赤羽』の産み落とされた場所ハ、地獄のドン底。
ド直球に言っテ、クソみてぇな場所だったヨ。
子供は端した金で売らレ、若人は薬や酒や喧嘩や快楽に溺レ、中年は何もかもを諦メ、老人はなけなしの財を奪われル。
どいつもこいつモ、嵐でも来ようモンならすぐに崩れル、家とも言えねぇレベルの家ニ、暮らしてル。
そしテ、近所の連中モ、軽く言葉を交わした翌日モ、生きてる保証すら無ェ。

俺がガキん時に居たのハ、そういう場所ダ。
……大地の生まれた国から遠い遠い遠い……スラム、ってヤツサ。

俺の両親ハ、やれ自分達は貴族の生まれだノ、一族の謀略でこんな底辺にまで叩き落されただノ、そう宣って居たガ。
嘘だネ、絶対。

身体だのの相性が良かったかラ、たまたまくっついテ、形だけは夫婦になっタ、先を考えねぇ馬鹿共。
さりとテ、最悪の暮らしから地道に稼ぐでもなけれバ、奇跡を願う訳でもなク……底から這い上がろうともしねェ、ただの怠惰なド屑サ。

……これが俺を産んだ親だなんて認めるくらいなラ、こいつ等に黙って殴られてる方がずっとマシだったヨ。
まア、でモ、そんな俺にもただ一人、『家族』と認める者が居タ。

青刃。
……同じ女の腹から産まれタ、俺の『弟』ダ。
その頃の青刃と俺ハ、まァ……とにかく昼間はがむしゃらに働いテ、安い賃金デ、なんとか食ってたヨ。
少なくとモ、俺ハ、青刃が飢え死ぬのは嫌だっタ。
青刃の方モ、そう思っていてくれたらしいからナ。

もっとモ、ただでさえ安い稼ぎなんザ、クソ親に殆ど絞られてたかラ、蓄えなんざ作れなかったがナ。

朝は家をさっさと出テ、昼飯もろくに食わずに働キ、夕はどう考えても腹の満たされない飯を食イ、夜は小さい毛布で二人で眠ル。
そんな日々の繰り返しダ。

まあでモ、俺には青刃が居たからナ。
金を奪われても飯がろくに食えない日でモ、ここじゃ言えねぇぐれぇ酷い目に遭ったっテ、気だけは狂わずに済んだヨ。

だガ、青刃の方ハ……限界ガ、近かったらしイ。

……ある日の事ダ。
俺と青刃ハ、この日は別々の場所に働きに出ていタ。
……俺の方ガ、帰りが遅くなっタ。

家中ガ、赤く紅く朱ク、染まっていタ。
慌てテ、家へ入ってみれバ。

……ガラスの破片を手ニ、馬乗りになっテ、青刃が父を刺していタ。
母モ、その脇で息絶えていタ。

……犯人が誰かなんテ、分かりきって居タ。
俺ハ、後ろから青刃を抱きしめタ。
そこでようやク、あいつも我に返ったらしイ。
今にも消えちまいそうナ、細い声だったヨ。
「……ごめん、兄さん。父さんと母さん殺しちゃった」、だト。

「大丈夫」、そう言っテ、俺達は二人で眠っタ。
あァ、だけド、その晩。

青刃ガ、寝言で言ってたんダ。
「兄さん、とうとうやったよ、僕が、あいつらを、」
……そウ、言っていタ。

青刃ガ、寝言を言うのは何もこの日が初めてじゃなイ。
気づけば夜な夜ナ、「僕と兄さんは、自由になるんだ」「あいつらさえ居なければ」「殺してやる、殺してやる、殺してやる」
朝目が醒めれバ、嘘みたいに「おはよう」って笑っちゃ居たけド。

……俺はそれに気付きながラ、青刃に何もしなかっタ。
青刃ガ、両親に殺意を抱いていると知りながラ、何も言わなかっタ。

……その結果ガ、これサ。
俺達二人が眠りに落ちるまデ、ずうっと血の匂いト、酒の匂いが漂って居たヨ。
……そウ、俺にとっても勿論、青刃にとってモ、両親は消し去りたい人間だっタ。

……だからこソ。青刃の殺意ヲ、俺は放任しタ。
膨らむままに任セ……弾けるまデ、ずっとずっとずっと待っていタ。

俺ハ、青刃という凶器を使っテ、親殺しを成し遂げたのサ。
狡猾ニ、この俺の指ハ、一本たりとも汚さずにナ。

……この話ハ、これで終いダ。

……おヤ?
結局俺ハ、何故今、その青刃と一緒に居ないのカ。
『大地』に会うまで一体全体何をしてたカ、これじゃあ足りないなァ?
……それはまタ、別の時に話すとしよウ。
(手にしたカードは、『赤羽』の談が『真実』であることを示している)
……いやな。別にいいんだけど。
それ、このゲームで喋っていい話題かい。
いや、ボクぁこれっぽっちも気にしないけどもね。
……あァ、血腥い話になりすぎたかネ。
気を悪くしたならすまなイ。

……俺も初めて、『赤羽』からこの話を聞いた時、流石に、ちょっと、ビビったからな……。
旅人組は転移前の事は因縁切れたようなもんであるからなぁ。
クハッ、吾は気にせぬぞ。荒れた世であればままある事であろう。

(ぬるくなった湯割りを舐めるように口付けて、それとなく朋子の方をちらと伺った。
 聞く限り彼女は荒れた世の中の出身ではなかったはずだが)
一応あたし元一般人なんですけどー!?
こんなゲロ重い家庭事情聞かされてどういう反応すればいいのかわかんないんですけどー!?
いやまぁ経歴どころか種族も世界も違う人達がもりだくさんなイレギュラーズ界隈だし、そういうこともあるかとは思うけどね?
いやでも人生経験未熟なJKにはリアクションむずい……むずいよバネチくん!!

……えっ、バネチくんって?
赤羽くんと大地くんの二人で一つなんでしょ?
なら両方とも呼ばなきゃ。でもフルネームだとなんか仰々しいし、あか"ばね"とだい"ち"でバネチくん!
可愛くない? どう?
まぁでもあれだよね。
自分で手をかけるのはマジで疲れるし。面倒だし。寝覚め悪いし。
気持ちはわかるよね。自分がやらないに越したことないよ。

いっそ『ネッチー』くらい気さくでもいいんじゃね?
ボクは呼ばないけどさ。
「「バネチ!!!!!???」」
『『ネッチー!!!????』』
(この卓において恐らく一番大きな声で赤羽・大地は叫んだ。)
(一応、既に勝敗が決まっていた段だから良いにしろ。今日一、この男が感情を表に出したのはこの場面だろう。)

……くソ、確かニ、俺の事を『バネっち』とかいう舐めた呼び方するJKガ、一人いたけド。

百合子、朋子。
まさかお前らまデ、そう言うとは思わなかったゾ……。
まあ良イ、勝手にしロ……。
(拗ねたような物言いだが、言葉に怒気は含まれない。諦観か、寛容か、その両方だろう)

ネッチーもネッチーでこう、湖に出て来る恐竜みたいな。独特な響きだな……。

まあ、でも、うん。あだ名をつけてくれんのは俺も良いよ、別に。
(大地の声音は、赤羽のように不貞腐れた様子はない)
ああくソ、セレマ。
トリはお前だったナ?

この俺がカロリーたっぷりに話してやったんダ、2回目も面白い話しろよナ……!
(照れ隠しか否か。赤羽は口早にそれを急かす)
はいはい……。
つってもなぁ……勝ち負けが絡まないとどーも張り合いがないって言うか……
まあ、いいや。適当に流そう。

 (そうぼやきながら山札の一番上を、自分にだけ見えるように持ち上げ……)


……。
このカードについては、まだ説明してなかったね。
(公開されたカードは黒枠。
 描かれている絵柄は……………ない。全くの無地。
 一見ブランクカードにしか見えないが、そこには確かに名前と番号が振られている。
 カードナンバーは00m指定された命題は『虚偽』。)

いまから説明しよう。
(語気が、僅かに喜悦に弾む。)
【カード指定→00.虚偽】

このカードを引いた『語り手』は好きな命題で『真実』を語ってよい。
しかし、そこには必ず『虚偽』が混ざっていなければ『語り手』の敗北となる。

無事語り終えたとき、『聞き手』たるキミ達は通常通りの問答とは別に、先述した『真実』の中にあった『虚偽』を指摘していい。
もし、その指摘がまさしく『虚偽』を射抜いていれば『語り手』であるボクの敗北となる。
しかし『虚偽』を射抜くことに失敗すれば、指摘した『聞き手』の敗北となる。
膠着したゲームを揺るがす一発逆転の特殊ルールってわけさ。
面白いだろう?

始める前に確認することがなければ…このまま『真実』を語ろうじゃないか。
……最後の最後に、面白いカード、持ってきたじゃねぇノ。
(口の端を釣り上げる)

確認する事、カ。俺としてハ、このままお前が喋り始めてもいいが……。

百合子達ト、『大地』はどうだ?
俺が……聞きたいことは……えっと。
『虚偽』を見抜くために、他の聞き手……今回の場合は俺と百合子と朋子で、相談したりするのはありなのかなー、と。

あと、相談は可能だとしても、相談に割いて良い時間はどれくらいかな、とか。
無理なら無理でいいんだけど。

あ、あと、指摘していいのは、聞き手の代表誰か一人だけなのか、3人が順番に指摘して良いのか、とか。
よいぞ。そのルールは知っておる。
(明らかにやる気を出したセレマを面白そうに見ながらそう返した)
むしろ、三対一になるがよいのか?
ルール上は各自1つずつまで指摘を行っていい。そこは問題ない。
ただし『自分以外の全員が敗者となる』ことで勝ち負けがつくから、「誰が最後に指摘するか」はよくよく考えたほうがいい。

ただ……相談ね。ルール上は禁じられてはいないよ。
ボクが相談の中にあった些細な疑問を、『質問』として受け取って答えることで、無理矢理に勝ちを奪い取るという手法もあるにはあるが…………まぁ、今回はそういう揚げ足取りはなしにしよう。
鮮やかな勝ち方じゃないだろう?

でも、ただただ見逃すってのもなんだから。こうしよう。
(鞄から小さな砂時計を持ち出して、テーブルの上に寝かる。)

この砂時計はきっかり5分の砂時計だ。
この砂が落ちきるまでは、好きに相談してくれて構わない。
揚げ足を取るような真似もしない。

その代わり、相談までするなら全員に指摘をしてもらおうじゃないか。
そしてボク自身にもきっかり5分。
キミたち全員に対して勝利するだけの『真実』を練る時間を貰うことにする。
どうだい?悪い提案じゃあないと思うよ。
ゲーム慣れしているボクと、3人分の洞察力の対決だ。
それに自慢じゃあないが、『虚偽』のルールが絡んだときは一度も負けたことがない。
これくらいのハンデがあったほうがボクもやる気が出る。

だから、そう。
是非ともこの提案で受けて立ってほしいね。
……はぁン?
大地。この卓の主ハ、どうやら俺達の勝ち逃げを許さねぇとヨ。
しかも随分ト、このカードにゃあ自身があると見えル。どうすル?

洞察。洞察か……。
ミステリーでも、ミスリードに引っ掛かりやすいからなあ、俺は。
今一つ、嘘を見抜く自信はないけれど……赤羽も皆も乗り気なら、俺が降りる理由は無い。
付き合うよ。
貴殿、勝ち方にやたらこだわるよな。
ふふん、よいぞ。その時間ありがたく使わせていただこう。
負けるつもりの勝負はせんが……。
貴殿がどのような脚本を描くのか、楽しみにさせてもらうのであるよ。
ほぉん? なんだか自信たっぷりじゃーん!
そこまで言ったからには見事騙してもらおうか!!
よっしゃこいやー!!!!!!
合意は得たね。
それじゃ、まずは5分貰う。

(指先で砂時計を起こすと音もなく砂がこぼれ始めた。
 指先を組み、チェス盤を見下ろすようにテーブルを眺める視線が「どうやって詰もうか」と考えている。)
(………いや、実のところ。
 全員に指摘を強いる段階で勝ち筋は十分にあるのだ。
 あとはどこに罠を仕込み、どうやって踏ませるかである。

 例えば、朋子と大地。この2名は常識的で良識的なほうだ。
 朋子は挑発に乗せやすくゲームを積極的に楽しもうとする。
 大地はやや慎重であるが、赤羽の存在もあって意見交換を積極的に行うだろう。
 露骨な難解さを帯びた釣り餌で誘導できればいいが。

 ゲーム的に警戒すべきは赤羽。
 ルール確認と周知の徹底を行う用心深さは油断し難い。
 前のゲームで話した『真実』の傾向からの推察も織り交ぜてくるだろう。
 恐らくは指摘とはまた別に『質問』1回を行使しつつ、こちらの粗をあぶりだそうとする。
 こちらは好奇心で意識を逸らすべきか?

 そして百合子だ。
 以前のゲームで立場は逆だが似たようなことをやって見せたのがどう響くか。
 少なくとも思考の導線は見せてしまった。一手分経験の有利が出ているだろうか。
 こいつに関しては仕込みが機能するかどうかによる。



 ……つまり勝てるということだ。)
(………砂が落ち切る、直後。)


何を話そうかと考えていたが。
ボクはキミ達よりもずっと、ずっと、このゲームで遊んだ経験があるだろうと推測する。
先も言ったが、いづれのゲームにおいても『虚偽』のカードが絡んだときは負けたことがない。
ここまで大口を叩いてしまったからには「では実際にどうやって勝ったのか」を語って聞かせてもいいだろう。

(芝居がかったようにゴブレットの中身を干し、唇を舐めて潤す。)

……これはボクの『成し遂げた真実』だ。
といっても、聞いててあまり面白い話とは思わないけどね。

ある日のボクはすさまじく機嫌が悪かった。
なのである男を憂さ晴らしのためにどうにかしてしまうことにした。
そいつはボクの行きつけの盛り場で店員をやっていた。
美丈夫で快活で盛り上げ上手で……まあいわゆる盛り場向きの男であったが、一方で自意識過剰で礼儀知らずな男だった。
ボク自身、男から品のない言葉を面白半分に浴びせかけられることが幾度もあったが、まあそこはボクも大人だ。
わざわざそんなことで場を乱す理由もないと、寛大な心で許してやった。

許してやったが、まあその時のボクはひたすらに機嫌が悪かった。
それこそ人間の一人くらい無茶苦茶にしてやりたい気分だったんだ。
たまにあるだろう。そういうこと。
誰だって理性的で善良な自分と、醜悪で邪悪な自分がいる。
ボクだってそうだ。

違うのはその日のボクは極めて醜悪で邪悪だったということだよ。
恐らく、道義的に見るならね。
でもなぁキミ達。
人間を陥れるってやるというのは大きなリスクが伴うのさ。
「ボクがそうしてやった」という事実が広まれば、それは確実にボク自身の損害になる。
世間に対して実害が出る形で現れれば、それを調べた奴らがやがてボクに行きつくかもしれない。
簡単じゃあないのさ。何より自分の手は綺麗な方がいい。

わかるだろう?

 (誰にあてたわけでもなく同意を求める。

                   求めて、続ける。)

だけどね。誰の目にも触れないのもそれはダメなんだ。
個人の内で隠し通せる損害なんて、そんなのは『無茶苦茶にしてやった』なんて言えない。
傷は目に見える形がいい。憂さ晴らしってそういうものさ。


…………まあ、ここはあくまで個人の感想だ。
聞き流してくれていいよ。
でまぁ、ボクは男をどうにかする手段にゲームを選んだわけさ。
そのゲームというのが、まさにこの『真実』というゲームだ。

で、ここからがどうやって勝ったかという話だね。
仕込みは終えていた。
そして奴をゲームに引き込んでやる必要があった。
5人ほど誘っての『真実』のゲーム。
『語り手』は山札を1枚引くたびに金貨を1枚場に支払う。
敗北すれば追加で1枚支払う。そして勝った奴が総取りする……というルールでね。
盛り上がるだろう?面白そうだろう?奴ものってくれたさ。
その肉体を生かして多くの『経験』ってやつをモノにしていたんだろう。
勝つ気でいたようだよ。実際なかなか強かった。

そこからは適当にゲームを4周くらい。
気を付けて場を回しながらも、最終的にはボクと奴の一騎打ちだ。
場には金貨の山がたんまり。
勝負の行く末にギャラリーがざわめき、欲望にぎらつく。
奴はボクに対して品のない言葉で余裕を主張した。勝った気でいるらしい。
だが残念ながら勝つのはボクだ。

その時、尽きかけた山札の中からボクが引きあてたのが『虚偽』さ。
話の内容はおおよそこんなものだよ。

「別の町で仕事をしていた時の話だ。
 たまさか関わった情婦を助けてやったことがある。
 亜麻色の髪と、青い瞳。天義のシンボルを大事そうに抱える妙な情婦だった。
 見た目はともかく情婦にしてはやや老いており潔癖な節がある。
 なぜ情婦をしているかと問えば、遠い地で勉学に励む息子の為に学費を稼いでいるらしい。
 定期的に送られる手紙には、己が学院の首席であるとかどうとかの成果が記されていて、より良い学科に進むためには金が必要なのだと。
 研修生として成果を残すことができれば、大手を振って母さんを迎えにいけるだとか。」
          ――――「…。」

「ついでだからボクは小金を稼ぐことにした。
 働き手を選ばないようなそういう『特別な店』を知っていてね。そこを紹介した。
 怯えさせてしまうと悪いから内容は伏せてやったんだ。
 いいことをしてやったと思う。ボクも紹介料に金貨を何枚かもらえた。
 あとでまた尋ねに行ったらロザ……いや、彼女もそこでの仕事を堪能しているようだった。
 最近もらった手紙には感謝の旨と、見受けの相手が見つかった旨が記されていたよ。
 いやあ、本当にいいことを―――」

          ――――「…おい。」

「どうしたんだい怖い目をして。
 …おっと、カードはキミの敗北を示しているようだけど。」

          ――――「その…!その女の、女性の、名、名前は!」

「ゲームはボクの勝ちだ。」

          ――――「答えろよぉ!」

「……ロザリーと、そう言っていた気がするね。
 そんなに年老いた売女のことが気になるかい?
 なんだったらキミに貸してやるように掛け合ってあげようか?
 具合は悪くないと聞いていたよ。素質があったんだろうね。」

          ――――「う、うそ、嘘をぉ!嘘をつくなぁ!!」
まぁーーーーーそこから先は殴られるわ血が出るわ骨が折れたわ。
最低限身を守るように動いたけど痛いもんは痛いよねやっぱ。
で……怪我が治ってからまた後日盛り場に行ったが。
奴はいなくなっていたよ。さすがに解雇されたらしい。町からも出たそうだ。

以上。

(ブランクカードには一切の異常が現れていない。

    ………セレマ オード クロウリーは、『虚偽』を語っている。)
……はァ、確かになァ。
物理的に直接やっちまったラ、後片付けが面倒くせぇシ。

ソイツをハメる為の準備ヲ、抜かりなくやったんなァ。
なるほどなるほド……。
(ひとまずの感想を言っておく。ここまでですっかりゲームの流れが身についたのもあるが。思考に徹するあまり、相手に何も感想を言わぬのも無礼だろう)

うーん……で、今のどこかに嘘があるんだよな。
4択クイズだったら、2個目か3番目に正解を入れる、って事も多いんだけど……。
じゃあ話の最序盤と締め括りは無視していい……?
いや、そこにはないと思わせてからの嘘を混ぜ込む、っていう風に考えさせる事も無きにしもあらず……?

(ちら、と砂時計の動くのを確かめてから、皆の表情を確かめる。
女性陣が『どこ』に引っ掛かっているかを気にしているようだ)

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