PandoraPartyProject

ギルドスレッド

未来超仰天実験室

four of a kind

●あらすじ
キミ達はそれぞれの理由でローレットを訪れた。
キミ達はそれぞれの事情で時間を持て余している。
キミ達はそれぞれの思惑でもってカード遊びに興じるだろう。

●今回のカードの特徴
それは高価そうに見える。
それは色付き硝子のように薄く透通っているが、裏の模様を見透かせない。
それは『語り手』の敗北を検知すると曇ってしまう。
それは『聞き手』の敗北を検知すると淡く輝く。
それは誰かが勝利すると、全てのカードが勝者の手元で束になる。

●ルールへのリンク
https://rev1.reversion.jp/guild/818/thread/14878

●特別ルール:カード指定
自PCが引くカードを、乱数に頼らずPL自ら指定してよい。
これは各PLごとにゲーム中1回まで使用できる。

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いまの! いまのナシ! ノーカン、ノーカン!!
もう一周! もう一周だけやろ? ね? ね!?
あー……………
(先を越された。いろんな意味で。
 その有用さも含めて質問を投げかけるところであったのだが。
 これだからやたらと感情的なやつは……
 ……いや、これは先の一回でゲームを終わらせられなかった己の落ち度である。
 仕方ない。負けを認めるべきで………)

お、おう。
ボクは別に構わないけどさ。
(ぱちり、赤い瞳が瞬く。……カードと朋子を、交互に見比べて)
おウ、まさかまさかだナ。
大地に結構語りは任せテ、俺は割と楽してたんだけどナ。
(悪びれもせずさらっと言ってのける)

……もう一周?俺も良いよ。
時間はたっぷりあるし、皆の話ももっと聞きたい。
クハッ、朋子が驚くのも無理はない、引き込まれる語り口であったからな。
吾も驚いた。二人で一人、そういう事であったか。
どちらも正しいという事であったが、今度からは赤羽・大地殿と呼ぶことにしよう。
名は正しく使う方が良い。
(驚いた、と口にするがその割には態度が鷹揚である。
 果たして朋子がこのテーブルに居なかった際にカードは輝いたかは分からない)

うむ、良いぞ。もう一巡であるな。
丁度全員終わったので次は吾からか……
40
【10.名声】
名声か。
ふーん、この場合名声を得た話をすべきか、名声によって成し遂げた話にすべきか……。
そもそも名声とは土地や文化によって変わるものであるが……。
んー、生徒会長になった時の話にするか。分かりやすいであろうし。
先に話した通り、生徒会長とは現生徒会長を弑した者が成る美少女最強の称号である。

と、言えば名誉の様に聞こえようが、実際の所殺す方法で価値が変わってくるのである。
一対一の決闘であればその名誉は至上のものになろう。
多対一で袋叩きにした末に倒したとなれば一対一で倒す能力もないのにその座を奪った未熟者と誹られる。
毒殺や不意を突いての暗殺など言うべくもない……。

吾の時は多対一で袋叩きにした結果、トドメの一撃が吾だったので吾が生徒会長になった。
故にまぁ、不名誉な方でな。
不名誉の何が悪いといえば「栄光ある称号を相応しきものの手に取り戻さん!」などという輩が大量に湧くのよ。
本当に浮塵子の様に湧く。
召喚直前の吾であったら対処のしようもあったのだが、当時の吾では100回殺されてもお釣りがくるほどの戦力がずらずらと生徒会長の称号を求めてやってきてな……。
それでもすぐに死ななかったのは、吾が名もろくに知られていないような弱小流派の出身でツラが割れていなかったというのが大きい。
運よく名誉を奪い取ったネズミを探すために自然と他の流派同士が争う形になったのもな。

かといって、簡単に脱出して里に帰る事が出来るほど甘くもない。
常に何かしらの手のものの目があって、下手に動けば容易く見つかってしまったであろう。
故に、吾は死体に偽装して逃げる事にした。
生徒会長というものは戦いを挑まれれば必ず受けねばならぬ。
この場で戦いを挑まれれば一対一を永遠に繰り返して削り殺されるのは明白であったからな。
幸い美少女の集まる場所は死体の名産地である。それほど難しくは内容に思えた……。

だがまぁ、その程度の事は他も考える。
武力衝突が起こっている最前線からは逃げられても、途中でバレて結局戦うことになった。
それからは移動しながら戦いの日々よ。
可能な限り伏兵を置きにくい場所、待ち伏せしにくい場所、後を付けられにくい場所、その様な場所を選んで進んだが確実に体力は削られ、もはや里に着くのも絶望的であると吾は確信した。
それでも、吾には他に目指す場所もない。ただひたすら故郷を目指して歩いたのである。
だが、後1日歩けばと言うところで戦闘になった。

戦えばその内に確定された未来を見る事がある。
相手の動きを見続けた事での高度な予測の一種なのであろう。
それで吾はあと30秒で死ぬと分かった。

相手が顔だったかもう覚えてはおらぬが、内臓を攻撃する手立てに優れた奴だったのは覚えている。
何度考え直しても吾の死のタイミングがそれより先には伸びてはくれぬ。
肝臓が弾けてあるいは肺腑が潰れて、もしくは心臓が痺れて……死ぬ。

だが吾は今生きているな?
結論から言えば、学園長の助け舟である。
里の方も襲撃をうけたようで、主戦力はほぼ戦死という惨憺たる有様の敗走集団であったが、通りそうな道にあたりを付けて拾いに来てくださったのだ。
あいつは身内に甘い。お陰で今生きている訳だが……。

……あいつは本来学園長になる器ではなかった。それは今も思う。
だが、規範を守り、仁を成し、恵愛の心を示す様は誉れ高いものであった。
引っ張ってきた兵も少しでも戦えるものは参列せよと引退したものまで引っ張り出してきている様子であったが、奴らの目に憂いはなく覚悟のみがあった。
名誉に従うものはこの様になるのかと感心したのを覚えているのである。
これが吾が【名誉】に助けられて生還を成した話である。
吾自身の名誉はこのあとめちゃくちゃいっぱい死体積み上げて作った!
……なるほど。
先の話といい、今の話といい。

本当に、学園長と百合子は、深い絆……という言葉が適切かはわからないけど、助け合ってきたんだな。

少なくとモ、利益云々は抜きに付き合ってるように見えるゾ。
しかシ、有名人ってのも大変なんだなァ。
そういやア、百合子。
お前は先代の生徒会長を倒した折リ、『多対一で袋叩きにした』と言ったガ。

『お前自身が望んデ、袋叩きという手法を取ったのカ?』

バレた時に追われる覚悟もないのニ、わざわざ混ざるたぁ思わねぇガ。
望むものか。
多対一で袋叩きにするといっても、結局一人になるまで殺し合わねばならぬのだぞ。

ちょっと戦場で殿をやった時に先代の生徒会長が出てきてな。
逃げられもせぬし、逃がしてもくれぬので腹をくくった次第である。

(偽りはないのだろう【名誉】のカードに変化はない)
あァ……じゃア、生徒会長含めテ、周りは結局、皆敵だった訳だナ。
前門の虎、後門の狼ってヤツカ。
そりゃア、一周回って腹括るしかねぇわなァ。

(カードに変化のないことを見届けると、ウンウンと首を動かす。これ以上の問は無いようだ)
……どうせ仕切り直しだ。
質問を出し惜しむ必要もないか。
『それが真当な一対一なら負けなかったか?』
生徒会長ってそうやってなるんだ……(戸惑う朋子)
ていうか意外だなー、会長のことだからてっきり一対一で文句なしの勝利を収めたもんとばかり思ってたや。
会長にも苦労した時期があったんだねぇ……美少女は一日にしてならず、ってことか。
学園長さんも度胸があるよね、会長の言う「強さ」ってのが少しはわかった気がするかも。

そんで質問はどうしよっかな……聞きたいことは先に聞かれちゃったし……あ、そうだ!
ねぇねぇ、完全に興味本位で聞くんだけどさ、『当時の会長と今のあたし、どっちが強い』のかな!?
負けなかった。

(断言した。それ以上必要ないとばかりに口を閉じ、ややあってから)

100度やれば100度勝つ。
ただ1000戦した後の1戦なら負ける事もある。そういう手合いよ。

(流石に説明不足を感じたのかそう付け足した)
そ。ならいい。
(納得と満足を得たように素っ気なく返すと。
 ようやく糖蜜酒の入ったゴブレットに手を付けた。)

で、次どうする。
順当に解決するならボクの手番だけど、この一周は余興みたいなもんだろ?
朋子君から先にやってもいいんじゃないかい。
またうっかり負けてもう一周とごねられても困る。
吾がなったのは交通事故みたいなものであるからな!
クハッ、よいぞよいぞ。そういう無謀は好きである。

答えはな、少なくともレベルが2倍以上違うぞ。
種族美少女は背中にオーラを纏う。吾は今点描であるが、これがレースになり最終的には花……吾の場合は白百合になる。
当時でも白百合背負ってたので、今の吾よりもはるかに強いぞ。
ふぅん?まぁ吾の手番は全部終わったからな。
朋子が良いならよいのでは?
俺も、そのままの順番でも、変えるでも。どっちでも良いよ。
会長すげー!! 今でも強いのにもっと強くて、それでも全盛期より全然弱いのか!!
はわー……文字通り別世界の話だぁ……! うーん、あたしもそれくらい強くなりたい!!
あ、あたしに手番譲ってくれるの? やったー! ならありがたく先に引かせてもらうね!
11
ええっ、魔術!?
(引いたのは【11.魔術】のカード)
(ここにきて痛恨の一手。言うまでもないが魔術とは無縁の脳筋戦士が朋子である)
(戸惑う朋子。記憶を総浚いして物語を探すも、悲しいかなそれらしきエピソードは見当たらない)
(……そっとカードを山札に戻した)
よし! それじゃあ引くぞ~~~~~~~~!!(不正はなかった)
…………お、おう。
そうだな。泣きの一回だからな。
あたしのログには何もないな!
そして引いたカードは……これだぁ!!
(特殊ルール実行、【12.怪物】のカードが運命的に引かれた)
……うん。(何も見なかった。そっと目を伏せた)
お? 怪物のカードか……ふんふん、ふぅん?
……これならあの話を語れるかも? ちょうど前の手番でデルさんの話したところだし……
えっとねー、さっきデルさんのおかげであたしは戦えてるって話したでしょ?
じゃあそのデルさんはどこで拾ったのかって話なんだけど……今にして思えばあれが初めての死闘だったなぁ……
(天井を仰ぎ、記憶を思い出しながら朋子は語りだした)
あたしが生まれ育った場所はあちこちに山が並んでて、猟師のおじーちゃんと二人で暮らしてたんだよね。
学校へ行くにも山を越えなきゃいけないくらいのド田舎で、少し山奥にいけば野生の獣がたくさんいるような……所謂秘境っていうのかな。
ちょくちょく山に入って獣を狩るおじーちゃんに狩り方とか喧嘩の仕方とか教わったりして暮らしてたんだけど……

ある日突然、山の一つが妙に騒がしいというか、異様な雰囲気になってたんだよね。
運悪くそのときおじーちゃんは健康診断でいなくて、家にはあたし一人っていう状況。
でも家の中にいても山がおかしいっていうのはすごく分かって、放っておいたら絶対ろくでもないことになるって予感はあった。
あたし一人で山奥に入るなっていうおじーちゃんの言いつけはあったけど、それを悠長に守ってる余裕も無いなって思って、おじーちゃんのナタを握って山に入ったんだよね。

一歩踏み入ったらすぐわかったよ。
普段狩りで見かける動物が一匹もいなくて、すごくしんみりとしてた。
と思ったら奥に進むたびになんだか騒々しくなっていって……その音を追うようにして辿り着いたのが山頂。
そこにはなんと、本来山にはいないはずの猿の群れが大勢集まっていて、すごく興奮した様子だった。
そしてその猿に取り囲まれるようにして――――ソイツはいた。
あたしよりもずっと大きな、それこそ大人よりもずっと体格の良い猿が二足歩行で立ってた。
ゴリラみたいだけど、ゴリラよりずっとスマートで、だけどすごいマッシブっていうか。
そしてその手には石斧……デルさんを握ってて、明らかに知性を宿した目であたしを見てた。
やがてソイツはゆっくりとした動作で石斧を担いでこう言ったんだ……

「来たか、愚かなる旧人類よ」

あたしよりも日本語上手くてびっくりした!
なんかあれこれ喋ってた気もするけど、あたしはスマートゴリラが喋ったことにびっくりしてあんま覚えてないや。
でもソイツが敵だってことは明らかだったし、いつの間にか周囲を猿が包囲してて一対一の決闘みたいになってた。
こりゃ逃げられないなってあたしも察して……そこからは命懸けのバトルだよ!
正直なこと言うとはっきりしたことは覚えてないんだよね。
だって必死も必死、超必死だったから、死にものぐるいで戦って全身傷だらけだったもん。

だけどトドメのことだけははっきりと覚えてるよ。
ナタを犠牲にソイツの腕を狙って……そう、石斧を取り落とさせたんだ。
向こうは手首にちょっとした傷を負っただけ。一方あたしは満身創痍。
けどあたしはそれが最期のチャンスだと悟って、転がった石斧を拾った。
普通に考えてどうやっても持ち上がりっこない巨大な石斧なんだけど、不思議とあたしの手に馴染んで……それを見たソイツはびっくりしてたかな?
それを隙ありと見て、振りかぶった石斧をソイツのドタマに叩き込んでやったんだよ!
そしてそれが決着だった。
ソイツが群れのボスだってのは明らかだけど、すごいのはソイツが死んだ瞬間あれだけいた猿が一匹残らず散っていったんだよね。
あれだけギャアギャア騒がしかったのが嘘みたいな静けさの中で、勝ったはいいけど死にかけのあたしは半分あきらめモードだったんだけど……そのとき声が聞こえたんだ。

『我が名はネアンデルタール。コンゴトモヨロシク』

それがデルさんとの出会い。
ひいてはそれに繋がる怪物との戦いってわけ!

いやー、思えばあのときが一番しんどかったなー。
こっちに来てからも戦いはいくらでもあったけど、しんどさっていうか、必死さでいうとあのときが一番だったよ!

(誇らしげに語り終え、ジュースを飲み干す朋子)
(冗談のような話だが、カードはそれが『真実』であることを示していた)
やべーじゃん地球。
再現性東京にもそんなんいるの?
いや……夜妖は別として……いないと思う……普通。

それが朋子と、デルさん……の、始まりだったんだな。
(彼女の明るい語り口に、嘘は見えない。カードを介さずともそう思えた。)

……ええっと、デルさん?質問良いか?
朋子が倒したっていうゴリラめいた人間……というか、『朋子より以前にデルさんを所有していた人物は、どんな人物だったんだ?』
初陣はとはいつまでも記憶に残るもの。
朋子の最初は「そう」であったのであるなぁ……。

ところで『その猿結局何だったのである』?
おや、質問が被ってしもうたな。まぁ余興であるし、質問2ということでよいぞっ!
『当機に返答義務は存在しない』
『しかし、既に当機の検証から外れた個体の情報を秘匿する必要性も存在しない』
『故に、機密に抵触しない範囲で返答する』

『かの個体には期待していた』
『ホモ・ネアンデルターレンシスとも、ホモ・サピエンスとも異なる、緩やかな停滞期にあった地球文明人類に代わる新たなる霊長と見込んでいた』
『大型類人猿から生じたイレギュラー個体は極めて高確率で特異点と成り得る』
『……しかし、イレギュラーを淘汰するのもまたイレギュラーであった』
『極めて稀有な事例である。この事象は観測を継続するに値する』
『根源座標たる当該世界での活動はその最たる例』
『――以上。返答を終える』
要するに前のよりも朋子が好きというわけであるな!わかった!
????????
(以上の発言は、質問者たる『聞き手』にのみ開示された)
(所有者たる朋子にはまったく聞こえていない)
(というよりは、その質問があったこと自体が有耶無耶になっている)
(……そういう手合いか。
 これは組み敷くのも使いこなすのも、取り入るにも苦労しそうだ。)
いや、思った以上に面白い話を聞けたよ。本当に。
……次、どっちから行く?
(勝ち負けが関わらなくなったせいか、当初ほどの貪欲さを見せず。大地にそう問う。)
ん?んー……俺はどっちでも良いぞ。
最初みたいに俺が最後でも、セレマがトリに来るんでも。
(根からこだわっていないのか、さらりと『大地』はそう語り)

何ならジャンケンでもするカ?
(と、冗談めかして赤羽が笑う)

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