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シナリオ詳細

サラスヴァ霊樹に温泉がわきまして

完了

参加者 : 30 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●ひらかれた秘湯
「ヨッ、みんな! 深緑通ってっか! なんかチョットした旅行気分でポンポン来るけど、よく考えたらこの前までほぼほぼ鎖国してたんだよな! ココ!」
 からっから語るは出亀炉 スイカ(p3n000098)。こう見えて深緑生まれファルカウ育ちのハーモニアである。
「でさ、こんなチケットあんだけど……」
 スイカが扇状に開いて見せた金色のチケットには、『サラスヴァ霊樹温泉宿』と書かれていた。
 料金表示はおろか地図もなく、名前すら誰も聞いたことがないというヒミツの温泉宿に、なんとローレットだけを限定ご招待いただける……というらしい。

 いちど背景を語るべきだろう。
 サラスヴァ霊樹とは深緑森林迷宮の一角に存在する小規模霊樹型集落である。
 巨大な樹木である『サラスヴァ』の幹を中心に、太い枝枝へ植物を編んだ頑丈なロープと大樹から削り出した材木が橋のようにかかり、どんぐりに穴を開けたような形をした家々がぽつぽつと並んでいるという風景が特徴だ。
 家々は花を愛でるのを好むようで、軒先には木製の植木鉢が並び清らかな花が植えられ、そんな花の様子を眺めることが彼らの日課であるという。
 だがそんな木の根元にある日温泉が湧き出し、これをローレットの人々を受け入れたことで霊樹が恵みをもたらしたのだと考えた集落の長たちはより深く彼らを受け入れるべく温泉宿を開設。
 とはいえこれまで百年単位で人を受け入れてこなかった彼らに客商売は難しく、まずはローレットのみなさんだけをお客様として招待しようと相成ったわけである。

 温泉宿は石と木の柵で仕切られた露天風呂と大きなロビーハウスでできており、客室として集落でも一般的に使われるどんぐり型のツリーハウスが用いられている。
 ベッドはふわふわとした感触がやさしい特別なハンモックで、夜には七色の魔術灯がぽつぽつと灯りうつくしい風景をみせるという。
 食事は主に野ウサギやブモラム(ここらでは一般的な家畜。牛と豚とラムの中間くらいの味)を使ったステーキをはじめ一通りの懐石が設けられるらしい。
「霊樹にお泊まりってだけでもワクワクするのに、温泉とごちそうまでついてくるなら……こりゃ行くっきゃねえよな! な!」
 スイカはチケットを差し出し、あなたにニカッと笑いかけた。
 さあ、お出かけの準備をしよう!

GMコメント

■■■プレイング書式■■■
 迷子防止のため、プレイングには以下の書式を守るようにしてください。
・一行目:パートタグ
・二行目:グループタグ(または空白行)
・三行目:実際のプレイング内容

 書式が守られていない場合はお友達とはぐれたり、やろうとしたことをやり損ねたりすることがあります。くれぐれもご注意ください。

■■■パートタグ■■■
 シナリオ内では風景を楽しんだり温泉につかったりご馳走を堪能したりお部屋でくつろいだりと一通りのレジャーを楽しむことができます。
 ですが描写されるシーンはそのなかの一つに限られますので、どのシーンを描写してほしいかをこのパートタグを使って示してください。
(なので、パートタグから外れた部分のプレイングは描写されないことがあります。ご注意ください)

・【温泉】
 本日のメイン、温泉でございます!
 基本露天。世間のニーズに合わせて男湯・女湯・無性湯・個室湯にわかれております。お好きなパターンをお選びください。
 効能は実はわかんないのですが、ひたすら気持ちよくてうっとりすることだけは確かなようです。
 深緑の美しい森の風景をながめながら露天風呂をお楽しみください。

・【風景】
 サラスヴァ霊樹の非日常的な風景をながめます。風にあたったりのんびりと散歩したり、ゆったりした時間をお楽しみください。

・【ご馳走】
 フルコースの料理をお楽しみいただけます。さすがにプレイングがパンクするのでメニューはぼやかしますが、お肉と野菜とスープとパンが基本です。
 もりもり食べたり料理を評価したり、誰かと一緒にご飯の時間を楽しんだりしましょう。

・【お部屋】
 あのどんぐりハウスでくつろぎます。ハンモックでゆーらゆらしたり、お友達と語らったりしましょう。

・【その他】
 一応用意しておきますが、極端にかわったことだと通らないことがあります。ご注意ください。
 
■■■グループタグ■■■
 一緒に行動するPCがひとりでもいる場合は【仲良しコンビ】といった具合に二行目にグループタグをつけて共有してください。
 この際他のタグと被らないように、相談掲示板で「【○○】というグループで行動します」とコールしておくとよいでしょう。
 うっかり被った場合は……恐らく判定時に気づくとは思うのですが、できるだけ被らないようにしてください。
 また、グループタグを複数またぐ行動はできません。どこか一つだけにしましょう。
 膨大なプレイングを【】タグで一旦自動整理していますので、今回同行者の名前とIDだけを指定していた場合、かえってはぐれやすくなってしまうかもしれませんのでご注意ください。

  • サラスヴァ霊樹に温泉がわきまして完了
  • GM名黒筆墨汁
  • 種別イベント
  • 難易度VERYEASY
  • 冒険終了日時2020年02月28日 22時10分
  • 参加人数30/30人
  • 相談7日
  • 参加費50RC

参加者 : 30 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(30人)

猫崎・桜(p3p000109)
魅せたがり・蛸賊の天敵
クロバ・フユツキ(p3p000145)
深緑の守護者
ドラマ・ゲツク(p3p000172)
蒼剣の弟子
シフォリィ・シリア・アルテロンド(p3p000174)
白銀の戦乙女
ツリー・ロド(p3p000319)
ロストプライド
シャルレィス・スクァリオ(p3p000332)
蒼銀一閃
ニーニア・リーカー(p3p002058)
辻ポストガール
ゴリョウ・クートン(p3p002081)
ディバイン・シールド
寒櫻院・史之(p3p002233)
冬結
フルール プリュニエ(p3p002501)
夢語る李花
ヒィロ=エヒト(p3p002503)
瑠璃の刃
リディア・ヴァイス・フォーマルハウト(p3p003581)
木漏れ日のフルール
藤野 蛍(p3p003861)
比翼連理・護
ヴィエラ・オルスタンツ(p3p004222)
特異運命座標
ラクリマ・イース(p3p004247)
白き歌
アーリア・スピリッツ(p3p004400)
キールで乾杯
桜咲 珠緒(p3p004426)
比翼連理・攻
美咲・マクスウェル(p3p005192)
玻璃の瞳
Melting・Emma・Love(p3p006309)
溶融する普遍的な愛
アルメリア・イーグルトン(p3p006810)
緑雷の魔女
フラン・ヴィラネル(p3p006816)
ノームの愛娘
ワモン・C・デルモンテ(p3p007195)
生イカが好き
ベルフラウ・ヴァン・ローゼンイスタフ(p3p007867)
雷神
冬宮・寒櫻院・睦月(p3p007900)
秋縛
春宮・日向(p3p007910)
春雷の
夏宮・千尋(p3p007911)
千里の道も一歩から
ゲンセイ(p3p007948)
七星御剣
リンディス=クァドラータ(p3p007979)
ただの人のように
アカツキ・アマギ(p3p008034)
焔雀護
長月・イナリ(p3p008096)
狐です

リプレイ

●サラスヴァ霊樹温泉
 深緑森林迷宮の中でも比較的オーソドックスな暮らしをしていることで知られるサラスヴァ霊樹集落。この集落がオーソドックスから外れ始めたのはしばし前ローレットの受け入れを決めた時からであった。霊樹はそれに応えてか地の底より温泉を湧き出させ、集落の民はこれを霊樹の意思であると考えより広く外の人間を受け入れることとした。
 こうして開かれたサラスヴァ霊樹初の観光施設『サラスヴァ温泉』に、ローレット・イレギュラーズたちがやってきた。
 と言うことでお客様第一号。ばーんと客室の扉を開けるフラン・ヴィラネル。
「あたしたち、深緑に居てもまだまだ知らないところがたくさんだね……!」
「本当に知らないことだらけよね、わが故郷は」
 スイカもなにげにハーモニアだったし、とつぶやいてアルメリア・イーグルトンはハンモックを確認した。
「ハンモックに揺られながら愛読書を堪能し幸せな夜を……」
「がびーん、並んでお喋り計画が! アルちゃん床に寝ようよー!」
「ハンモックでもおしゃべりはできるでしょ!」
 せっかくだもんね……と言いながらフランはハンモックに寝転んだ。
「ゆらゆらして揺れて、なんだかねむ……はっ一瞬意識飛んだ!」

 どんぐり型の客室から出れば、宿のメインである温泉へと入ることができる。
 その途中にある展望台で、長月・イナリはのんびりと景色を楽しんでいた。
 通りがかる人たちはみな友達同士らしく、イナリは首を振った。
「……ボッチじゃないもん、一匹狼なだけだもん、まだ友達が出来てないだけなの……。そうだわ、友達は作ればいいのよね」
 そう言って、式神を起動しはじめた。

「ふー、あったけえ〜生き返る〜」
 子猿の豆吉と一緒に湯に肩まで浸かるゲンセイ。
 露天風呂から霊樹のダイナミックな光景が広がっているのが、このサラスヴァ霊樹最大の特徴である。ゲンセイはそれを見上げてほうと息をついた。
「あれ、桃華の神樹と似てるよな。なんだか懐かしくならないか?」
「キュー!」
「文化が全然違っても、世界ってどっか繋がってんのかなー」
「ぶははあ゛ぁー……染みわたるねぇ。お、先客か」
 ざぷざぷと露天風呂へやってきたオークことゴリョウ・クートンは、頭に手ぬぐいを乗せて肩まで湯に沈めた。
 ぽへぇと息をつき、軽くデフォルメされるゴリョウ。
「温泉はいいよなぁ。幻想にも鉄帝にもいい温泉があったが、深緑にもあるもんなんだなあ」
 とかやってると、ラクリマ・イースが二人の間からざっぱんと顔を出した。
「「うおっ!?」」
「やっぱり足をのばせる大きなお風呂は最高ですね」
「おう……?」
「今年はグラオクローネで公衆の面前でいちゃつき始める不埒な輩共(リア充)を爆破できずに終わりましたが、来年こそは手作りの爆弾でごぼぼぼぼぼ」
 これ以上聞くと危なそうなので、ゴリョウたちは一旦ラクリマを沈めてみた。

 賑やかな男湯の一方、こちらは女湯(煙と光多め)。
 リディア・ヴァイス・フォーマルハウトは長いみみをぴこぴことさせていた。
「深緑にもこのように温泉を楽しめるところがあったのですね。イレギュラーズになる前は温泉というものを知らなかったので、ここの事も知らなかったのですがいい所ですね」
 とかいいながら、ちゃぷんと伸ばした足を水面から出してみる。
 その脚線美を見て、猫崎・桜が両手をシャッて掲げた。
「マッサージ、しようか? しようか? 身体が柔らかくなって気持ちいいって評判だよー?」
「わーい露天風呂ー!」
 羽根をぱたぱたやってすいーっと石床の上を進むと、ニーニア・リーカーはちゃっぷんと湯に浸かった。
「深緑もあなどれないね! もう、こんな温泉があるなんて知ってちゃったら、他にどんな温泉があるのか気になっちゃうよ~。
 今度は深緑の温泉巡りをしに来ないとだね! ……はっ、湯から上がったら牛乳のまなきゃ! なにかの!」
「そう、なにかの! 腰に手を当てて一気飲みー♪」
 興味がうつったようで、桜が目を光らせて振り向いた。

 女湯の賑やかさはこれにとどまらない。
 リンディス=クァドラータとアカツキ・アマギがゆっくりと温泉に浸かっていた時のことである。
 何気なく入ってきたベルフラウ・ヴァン・ローゼンイスタフが急にアカツキやヴィエラ・オルスタンツに話しかけてきた。対応しない理由もないので自己紹介をしてみると……。
「アカツキ……卿が新緑でボヤを起こして追放されたと言うあの」
「しーっ、小火の件はしーっじゃ!他の幻想種に聞かれたら妾また追い出されてしまう」
「大丈夫、アカツキさんは今私の知る限り良い人ですよ?」
「いいかの、妾はよい幻想種じゃ。わるい幻想種はここには居らん。リンちゃんもこの通り証明してくれる」
「…というか、ちょっと気になる言葉が聞こえたのだけど。大丈夫なの?小火とか追放とか」
 たいへん不穏になってきたところで、アカツキがばたばたと手を振った。
「ほ、ほれ、女子会なり食事なり行くとしよう。折角出会ったのじゃし、親睦を深めたいぞ」
「あまり長く話しすぎるといけませんね、仰られる通り食事にすると致しましょう」
「分かった、その辺りの誤解を解く為にもこの後我が部屋で話をしよう」
「お話くらいなら私は全然付き合っても良いわよ? お食事も美味しいらしいし、楽しみね!」
 こうして、女子四人はそのままご馳走をまじえた女子会へともつれこんだのだった。

●個室風呂にはドキドキがつきもの
「…………」
 露天風呂にて全裸で正座する男、クロバ=ザ=ホロウメア。
 からからと開く引き戸の音に、彼は耳をぴくりとやった。
「おまたせしました」
 シフォリィ・シリア・アルテロンドの声である。
 素足の近づく音。
「背中を流しますね。一度、こういうのやってみたかったんですよ」
「俺もそういう事をしてくれる相手が出来たって訳だな……」
 なんだかしみじみしてから二人は結局のところ湯に肩を並べて風景を眺めた。
「また来たいよな……贅沢言うとここだけじゃなくて色んな所に行きたいかな。勿論君と、だが」
「そうですね」
 シフォリィはこてんと頭を、クロバの肩に預けた。

 ぴこーんと耳が跳ね上がるドラマ・ゲツク。
「ッ――!? いや、気のせいですね」
 スッと肩を下ろし、湯に再び浸かり直すドラマ。
(人前で肌をさらすののは気が引けてしまいますので個室湯で……と思いましたが、なかなか乙なモノですね)
 流れてくるトックリ盆に手をやって、ドラマはほっと息をついた。

(妖精の国アルヴィオンとその国に向かうためのゲートを壊す妖精嫌いの魔種には随分やられたな……)
 一方別の個室風呂ではサイズがしょりしょりと何かやっていた。
「これからを考えると集中攻撃によるコアである鎌の耐久値の連続減少があり得るから、しっかり修理して回復せねば」

 一方こちらは美咲・マクスウェルとヒィロ=エヒトの個室風呂。
「み、美咲さん……お耳と尻尾は、優しくてね。
 この髪、何も心配しないで伸ばせるようになった幸せのシンボルみたいなものなんだけど……洗うの大変で」
「ええ、長く綺麗な髪は、たくさんの努力で輝くの。
 付加価値は様々だけど、綺麗カワイイはそれだけで価値があるから。
 ヒィロの金髪だって、間違いなくキラキラになるからね」
 二人は互いを丁寧に洗いっこしたあと、並んで湯に浸かった。
「ね、美咲さん。手繋いでいい?」
「いいよ。手繋ぎでも、背中合わせでもお好きなように
 大丈夫だよ、私はヒィロの傍にいるから」
「心もあったまれそう……えへっ」
 二人は心も体もぴかぴかになった。

「そういえば、出会って間もない頃にもこういうことあったわよね。
 あの時は、珠緒さんと親しくなりたくて、スキンシップ代わりに流させてもらったんだけど……。
 今はね、少し違うかも」
 個室風呂にて、桜咲 珠緒の背に触れて藤野 蛍はつぶやいた。
「……珠緒さんの温もりを感じたくて、珠緒さんがここにいてくれるんだって実感したくて、少しでも触れ合っていたいなって」
「最初は蛍さんの気遣いを理解するまで時間がかかったものですが。
 今はこうして、身を任せることに安らぎを感じるようになりました」
 目を瞑り、苦笑する珠緒。
「一緒にいることが幸いであるなら、素敵な場所で割増しになるのは納得ですよ……それと、上がったら蛍さんの髪を整えさせてくださいね」
 触れられてばかりはずるいですよ、と。小さく振り向いて笑った。

「ふふ、深緑の風景を眺めながら浸かる温泉は気持ち良いわね。Loveはお湯とか温かさとかわかる? お湯に溶けたりしない? 大丈夫なら良いのだけど」
 Melting・Emma・Loveとフルール プリュニエは同じ個室風呂に入り、遠い深緑の景色を眺めていた。
『お湯とか人肌が暖かいのはよく知ってるの。お湯に溶けたりはしないから大丈夫なの』
「ふふ、他人に裸を見られるのは少し恥ずかしいのだけど、ここなら他に人はいないから大丈夫ね♪」
『ここにはLoveしかいないから大丈夫なの。フルールは可愛いの』
 二人はタオルはいらないわよねと肩を並べ、今夜の食卓を楽しみにしていた。
『風景を見ながらゆっくりするのもとっても気持ちいいの。確かに食事も楽しみなの』

「…風呂で大の字になるか普通?貴様は本当に女か?」
「なして風呂で水着!? ありえんっしょ!温泉大国コウコクジンなら裸っしょ裸、海外かっつーの! 海外どころか異世界だけどー!」
「混浴だからです。人にたかったあげく丸投げしておいてその言い草はどうかと思います。あと君らの裸見ても、ちーとも来ません。俺が好きなのは年上なの、同年代は興味ないし、年下は論外!」
 夏宮・千尋、春宮・日向、秋宮・史之という四家のゴタゴタの集大成みたいな子らが個室風呂でわちゃわちゃしていた。
「おまたせー。旅館の人が「えっ、どっち?」って顔でおろおろしてた」
 そこへ加わるゴタゴタのトップ冬宮・寒櫻院・睦月。
「ところで史之、最近金遣いが荒いようだが大丈夫か?ただでさえ私たちの面倒まで見てくれているのに」
「死に花咲かせようかなーって」
「お、しのにい死ぬの? やったね、人生最高の見せ場じゃん! 気合気合! バチバチにいい男になってこー!」
「僕はしーちゃんが死んだら後追いするだけだから大丈夫だよ」
「カンちゃん、そういうのはやめてくれる?」
 いろいろ、思うことはある。
 が……。
「ところでみんな、聞いていい? 俺んち『どう』なった?」
「秋宮から離れて須賀家の系列会社になっている。問題はひきこもりの妹君だが」
「妹ちゃんは秋宮の当主のとこいるよん。
 腕どころか太ももまでパイナップル
 隙あらば根の国ダイブしようとするから、さすがに保護したって聞いたわー」
「泥舟を必死で補修してた船頭がいなくなったらそうなるよね、ってかんじ」
「そっか……」
 今のところ帰るすべは、ないらしいが。
 もし帰れるのだとしたら、どうするだろうか。
 いや……。
「今俺がやるべきことは、ひとつだ」
 ちゃぷんと湯から手を上げ、空にかざした。遠い遠い水平線にも届くように。

●ごちそうはココロの栄養
「いっただっきまーす!」
 シャルレィス・スクァリオとスイカはテーブルに並んだコース料理にパチンと手を合わせた。
「うわぁ! お肉もスープもみんな美味しいっ!」
「だな!」
「ねえねえスイカさんってスイカなんだよね? ……じゃなかった! ハーモニアなんだよねって聞こうと思ったのにスイカオーラについ…!」
「そらそーよ、先祖代々スイカ農家のハーモニア。ファルカウ生まれのスイカ育ちよ」
 ほれほれといって髪の間に隠れていた長耳を見せてくる。
 一方。ワモン・C・デルモンテとアーリア・スピリッツが宴会を開いていた。
「あざらし!!!!」
「一人で食べるより誰かと食べる方がうめーもんな! オイラも一緒に食べるぜー!」
「もふもふ!」
 ワモンに顔を埋めたままこたえるアーリア。ぶはあと顔をあげて早速ご飯に振り返った。
「野菜にお肉に、きっとシンプルだけどまさに森の恵み!」
「オイラ肉より海鮮の方をよく食べるんだけど、肉もたまに食べるとうめーもんだな! ねーちゃんは飲みすぎには注意だぞー」
「そうね……けど呑むわぁ!」
 深緑の樹液と果実でできた果樹酒をガッて振りかざすアーリア。今日は朝まで呑んでやるのだ。宴会とは、そういうものだ!

 こうして、イレギュラーズはサラスヴァ霊樹温泉をたっぷり堪能し、すがすがしく目を覚ました。
 また来たいと思えるような、そんな、穏やかで優しい温泉宿であった。

成否

成功

MVP

なし

状態異常

なし

あとがき

 またのお越しを!

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