PandoraPartyProject
幸運を。後輩たち
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「明日を、掴む。生きて、掴む! 勝つのは――私達よ!」
イーリン・ジョーンズ(p3p000854)。騎兵隊の行く末を彼女は示そう。
『全員生存』それが皆に課した絶対条件。
その上でナイトハルトに肉薄し、奴を真正面からぶちのめす――
言い訳ナシの完全敗北を叩きつけてやるために!
「『それをキミが望むなら』、皆何処までも行くさ」
「目指すは首魁の首。馬骨だろうがなんだろうが、やってやらぁな!」
「旅人の大先輩を殴ってやる時がついにやってきたな。切り伏せさせてもらうとしよう」
「騎兵隊の先駆け! 赤備のお通りだ! 道を空けやがれ!!」
であればと騎兵隊の面々が終焉獣の群れを突き破りて進もう。
武器商人(p3p001107)が、バクルド・アルティア・ホルスウィング(p3p001219)が、エーレン・キリエ(p3p009844)が……そしてエレンシア=ウォルハリア=レスティーユ(p3p004881)がイーリンの旗の示す先へと照準を定める。あちらにナイトハルトがいるのだと。ならば何が待ち受けようと食い破るのみ。
「進め進め、食い破れ! 運命の一手はいつでも進んだ先にある!」
「英雄譚の物語も佳境。ハッピーエンドはすぐそこに」
「騎兵隊の本領、見せてあげないとね!」
「チェックメイトだ、ナイトハルト。潔く白旗を挙げてもらおうか」
そして騎兵隊となれば他にもシャルロッテ=チェシャ(p3p006490)に夢野 幸潮(p3p010573)、刻見 雲雀(p3p010272)やシェンリー・アリーアル(p3p010784)も続こう。終焉獣の布陣を見抜き一点突破。
「たっく、散々寄生タイプをけしかけてきやがって『管理人』の野郎……!
料理人的には寄生虫は天敵なんだからマジで止めろや!」
「んまーナイトハルトに対しては想う所がある人が多いみたいスね」
「『最初の旅人』俺達の大先輩ってワケなら、まぁ現イレギュラーズとしては――な!」
「だが少し強かろうが関係ねぇ。行かせて貰う」
更にゴリョウ・クートン(p3p002081)と佐藤 美咲(p3p009818)が道を抉じ開け、ミヅハ・ソレイユ(p3p008648)とカイト(p3p007128)がナイトハルトへと撃を紡ぐ。
邪魔立てする終焉獣がいるならば全て纏めて。
当然ナイトハルトからも魔術による反撃が来るが――
「我々はまだ、生きている!」
リースヒース(p3p009207)が剣を掲げ、叫び続けよう。
騎兵隊は此処に在りと。我らの槍は未だ健在だと――!
「我々が切り開くより他はない。個の力はともかくとしても。
軍の力ならこちらも負けることは無いぞ……!」
「言い訳を許さない完全な勝利をいただくよ!」
「騎兵隊は、イレギュラーズは、人はここまでやるのだと、見せつけてあげましょう」
止まらない。レイヴン・ミスト・ポルードイ(p3p000066)が隕石の術式を顕現し敵を払いフォルトゥナリア・ヴェルーリア(p3p009512)はナイトハルトからの砲撃に備えノルン・アレスト(p3p008817)は治癒の力をもってして皆の命を繋ごう。
「強すぎたあまり、普通のひとも出来る《死を受け入れる》という事ができなかったのですね。絶望から這いずり出る事も出来なかった、とお気の毒様」
「未来に絶望した者と未来に希望を持つ者。
どっちが勝つかなんて今までの歴史を辿れば明らかやんなあ!」
「だけど同情はしない。キミが大切な人を守りたかったように、私はこの世界に生きる人たちを守りたいんだ――これで終わらせるよ」
そして志屍 志(p3p000416)に火野・彩陽(p3p010663)も、騎兵隊としての絶対条件に従いながらナイトハルトを討たんと猛進していく。仕舞にはオニキス・ハート(p3p008639)の砲撃がナイトハルトを捉え――遂にその身へと撃を届かせようか。
「――面白い。面白い! やはり最高だ君達は! 最高に――邪魔だッ!!」
さすればナイトハルトが歓喜のような、憤怒のような声を零しながら。
イレギュラーズ達を迎撃。ナイトハルトの周囲に無数の魔法陣が浮かび上がる。
一瞬。一瞬の事だった。直後に生じるは、まるで機関銃の如く打ち出される神秘の杭。
先の天より堕とされし砲撃が大砲であったのならば、小回りを利かせた刃とでも言おうか。
肉など容易く抉り。大地を高速に削り落としていく。
音の壁を突き破っているのか射出される度に破裂するような音も響き渡る――
奏でる音色は真に機関銃の如く。只人ならば容易く屠られて終わりだろう。
だが。
ここにいるは誰しもが一騎当千の英雄達。
剣を。槍を。盾を。旗を。神秘を。
数多の武器を携えナイトハルトの杭を――討ち落としていくッ!
金属音にも似た響きが戦場に鳴り響こう。無数たる死と抗いの音色が此処にある!
「――突撃ィ!!」
さればイーリンは吼える。ナイトハルトの迎撃に負けぬ、と。
私達はただ選んだだけ。
過去でもない、現在でもない。ただ今、そしてその一歩先にある明日を。
センパイ。本来ならあんたも見る資格があるわよ。
「それが『イレギュラーズ』よ!」
「悪いが、その名は返上したつもりでね――!」
激化する戦場。
生か、死か
存続か、滅亡か。
多くの者が願うのは前者であろう。
それでも一部の者達は後者を願い、戦い続ける。
意思と意志のぶつけ合い。魂と魂の交差。
それは永遠ではなく――やがて終局を迎える。
騎兵隊などのイレギュラーズの突撃を始めとし、ナイトハルトへの道は開かれ。
彼への圧は極限まで高まり。ナイトハルトを超え始める。
始原の旅人。始まりの存在を。
――超えるのだ。
「馬鹿な」
驚愕。今までに一度もなかった事だ、と。
焦燥。このままでは負けてしまうかもしれない、と。
歓喜。あぁ――僕の後輩達は。
「なんて素晴らしいんだ!」
全身を迸る痛みこそ心地よい。
この世に存在するイレギュラーズ全員が『レベル1』の混沌法則からスタートするのなら、僕に勝てる道理なんてない筈なのに。彼らは超えていってくれるのか。もしかしたら彼らなら僕のたどり着けなかった所まで行ってくれるだろうか。
神を直接ぶん殴る所にまでだって――
「なんだか嬉しそうだねえ、ボクたちも今とても愉しいよ」
「今日は素晴らしい催しを大変愉しませて頂いたよ。本当に、ありがとう」
そして、往く。ソア(p3p007025)とマルベート・トゥールーズ(p3p000736)が。
ナイトハルトの終焉獣操作も最早おぼつかなくなってきているのだろう。彼らの動きには一切の統制が見られない……であれば『お終い』が近いのだとソアは感じ取っている。故に。
「先輩だって言うなら、ボクたちが貴方を終わらせてあげる。それが後輩の役割だもの。
いつだって先人を超えていくのが、後に続くボク達の成すべき事だよね」
「さあ、愛すべき世界に! 闘争に! 共に祝杯を挙げようじゃないか!
宴が終わるのは名残惜しいが、だからこそ盛大に! 終焉に相応しい音色を奏でよう!」
戦場に二つの軌跡が生じた。
ソアとマルベートが至高たる速度をもって戦場を駆け抜ける。
狙うはただ一点。ナイトハルトの命のみ。
「ハハハ――ハハハハハハ!!」
されば歓喜と共に迎えよう。ナイトハルトの背後に浮かびし無数の魔法陣より迎撃の神秘が放たれる。虚空穿つ不可視の杭。轟音響かせる雷撃。万物焼き尽くさんとする炎渦。呪いを宿した黒霧――古今東西の神秘が襲い来るようだ。
が。ソアもマルベートも止まらない。
本能の儘に駆け抜け。まるで一匹の獣のように……
「その血肉――喰らわせてもらう!」
「逃がさないよ。メインディッシュは――命なんだから」
数多の撃に身を灼かれながらもマルベートは致命傷だけは躱し切り。
呼応するソアも傷を厭わず――跳び込んだ。
死の雷として。その爪を首に突き立てる――ッ!
――血飛沫、舞う。
世界が紅く染まる。あぁ、なんだか、懐かしい感覚だ。
「――――」
そうだ。妹を喪った時だ。
憤怒の感情に支配されるかの如き感覚に似ている。ハハハ。
「ァあ」
永く、歩いてきた。
神をぶん殴る為だけに生きてきた。
その為には何を犠牲にしても良いと思っていたし、実際そうしてきたが。
ここで終わるとは。
「あァ……」
抉られた首筋。出血を右の手で押さえながら、地に座り込もうか。
丁度背中を預けられそうな岩もある。
まぁ血は止まらない。致命傷だしそれはそうか。
吐息、零す。
あと何十秒か。このクソったれな世界にまだ生きていられるのは。
「よ。まだ生きてる? まぁ、あんたは強かったよ。ホントちょっとだけね」
その時。まだ耳が通じる内に言を零しにきたのは、茄子子か。
どうせ笑顔で死ぬのなら、こっちだって笑って看取ってやる。
世界はちゃーんと救っとくから。
「精々恨んでなよ」
「ハ、ハハ――そうだね、恨んでおこう、うん。君達なら出来るだろう……」
「ナイトハルトさま、貴方の道は、認められません、でした、が……
貴方の想いも、祈りも……繋いでいきます」
「もう十分やりきったでしょう。神への怒りも。復讐も。
あなたの本来の使命は私達が担う。だからもう休んで」
続け様にはメイメイ・ルー(p3p004460)も祈りを捧げる様に。
先輩を乗り越えていくのだから後輩の務め――いや権利だからと。
貴方の旅の終わりを見届ける。そして先に……進む為に。
同様にアンナも告げるものだ。後輩として先輩を超えていくと。
イレギュラーズとしての使命は、私達が全て持っていく。
さすればナイトハルトは口端に笑みの色を灯し、応えと成そうか。
「誰も、死んでいませんね。誰も、失われていませんね。
皆さんが無事で、良かった。守れて、良かったです」
そしてグリーフ・ロス(p3p008615)も、薄れていく戦場の殺意を感じ取りながら呟こうか。
イレギュラーズ達は生き残ったのだ。無論、最後にして最強たるイノリが残ってはいる、が。
この場の戦いは、終わったのだ。
……目が霞んできた。いよいよ終わりか。
イノリ。妹の事を想う君には共感すべき所が多かった。
君に出会わなければ、もしかすれば怒りの心を抱きつつも僕は彼らと共にあったかもしれないが。
(まぁ、詮無き事か)
さぁて終わろうか――と、想ったその時。
「ナイトハルト。わたしの全てをあげるわ」
メリーノ・アリテンシア(p3p010217)が、告げた。
刹那。視界に広がるは……なんだ? 草木の生い茂る大地――
「せめて良いゆめを」
「メリーノ様、どうか届かせましょう」
「だけどよさっきも言ったろ、絶対帰るぞ――!」
それはメリーノに宿りしギフトの一端。それを奇跡によって拡大せんとしているのか。
だって苦しいものね。大切なものをなくしたまま生きているのは。そうして死んでいくのは。
水天宮 妙見子(p3p010644)や紅花 牡丹(p3p010983)も力を貸さんとしている。セレナ・夜月(p3p010688)やマリエッタ・エーレイン(p3p010534)も共に背負わんとして。
ずっとずっと楽しかった。羨ましかった。だからいなくなるなんてセレナは嫌だから。
あしたの事を語りたいから。綺麗な月を見上げたいから。
ナイトハルトに幸福な最後を見せながら――生き残らんとする。
(やぁれやれ、誰も彼も馬鹿だなぁ……終わる者の最期に賭すのか……)
奇跡を割るなど出来ない。奇跡は容易くない。
そもそも満身創痍の者もいる。恐らく数人命を落とすかもしれない。
帰れないだろう。帰れない、だろう――から。
「神様になんて、あげてやれるものか」
紡がれる奇跡の代償は、ナイトハルトが踏み倒した。
インバーテッドクロス。最後の力をもってして……
神様になんてなにもくれてやらない。
――精々幸せに生きてから、死ね。
「ナイトハルト……」
「ナイトハルトパイセン、逝くのか。足元照らす太陽になってやりたかったけどな」
「来世があったら、予約で頼むよ」
ま、僕は一足先にお暇させてもらうが。
茶屋ヶ坂 戦神 秋奈(p3p006862)にも最後の言葉を交わして……そして。
「待テ」
刹那。言を紡いだのは……フリークライ(p3p008595)
一つ。一つだけ最後に質問があるのだ。
「妹ノ名前 覚エテイルカ?」
答えろ。息絶える前に……墓守だからこそ問わねばならぬことだ。
我ヤDr.フィジックと同様に
(敢エテ 語ラズ 自分達ダケノ 思イ出トシテイルノナラ――)
それでも良い。だが頼むならば。祈るならば。
即答してほしい。
もしも忘却の彼方にあるのならそれはとても、悲しい事だから。
「無論だ。忘れるものか。根源を忘れるものか。
ソラ。ソラだ――ソラ・セフィロト。僕の愛しい妹……」
同時。ナイトハルトは中指の指輪をさすろうか。
それは本来、他の指輪が宿すそれぞれの強大なる神秘を暴発させず、完全なコントロール下に置く協調の役目も担っていた。五つの中心。制御の要として……が。それ以外にもう一つナイトハルトにとっては別に重要な意味もあった。
元々は――妹が持っていたモノなのだ。ある日、託されたモノ。
遺品とも言おうか。家族との最後の繋がり。
精密な制御を気にしなければナイトハルトにとって必要ない代物なのだが。
これを使うたび、妹がそこにいるように感じられて……
――兄さん。兄さんは魔術気ままに使いすぎです。下手くそなんですか? コレ持っててください。
――わぉ辛辣ぅ♪
あぁ。一瞬見えたソレは走馬灯かな?
いよいよお時間が来たようだ。全くもう……
「僕は君達の味方にはなってやれないけれど死に際ならば祈ってあげられる」
瞼を閉じる。最後は見せてくれた懐かしの光景と共に。
終焉の者ではなく。イレギュラーズとして語ろう。
君達の行く末に幸あれ。
幸運を。後輩たち。
※<終焉のクロニクル>始まりのレクイエムにて勝利しました――!
※最終決戦が進行中です!
※各国首脳が集結し、一時的に因縁と思惑を捨て、ローレットと共に決戦に臨む事で一致しました!
※幻想各地にダンジョンが発見されたようです。
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