PandoraPartyProject

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竜宮城から来た少女

「あたし、マール。マール・ディーネー!
 竜宮城から来ました!」
 そう言って、少女――マールはにこっ、と笑う。
 シレンツィオ・リゾート。かつて絶望の青と呼ばれた海域に築かれた、海洋・豊穣、そして鉄帝を始めとする様々な国家の金と人材の集まる、南国のリゾート地。
 平和を取り戻したかに見えたこの海は、しかし近頃は『深怪魔』を始めとする謎の怪物たちの跋扈が起こり、にわかに平穏を崩されつつあった。
 そんな中、『ダガヌ海域』調査中の『白の荒熊号』よりの救助通信を受けたイレギュラーズ達は、当該船舶を救助。襲い来る深怪魔を撃破し、『重要人物』を保護することに成功した。
 そして――その重要人物こそが、目の前の、マールと名乗る少女なのだった。
「えーと、ちょっと待って」
 Я・E・D(p3p009532)がマールに抱き着かれたまま、頭に手をやる。
「竜宮城、って言った? あの?」
「うん、言った」
 にこっ、とマールは笑う。
「知ってるの? やばたん、もしかしてあたし達、けっこーゆーめ―?」
「すまない、多分、私たちの知っている竜宮城と、キミたちのいう竜宮城は違うものだと思う」
 黎明院・ゼフィラ(p3p002101)がそう告げるのへ、マールは「そっか」と呟いた。
「もしかして、外でもそういう伝説があるのかな……?
 えっとね、あたしたちは、豊穣の深海にある、竜宮城に住んでるの」
「豊穣に、そんな場所が?」
 小金井・正純(p3p008000)が驚いた様子でそういうのへ、マールは笑った。
「うん! でも、知らなくてもしょうがないよ。あたしたち、基本的に海から出ないし、買い物とかする時も、あたし達がどこから来たのか隠してるから」
「なるほど、隠れ里なのだな」
 『戦飢餓』恋屍・愛無(p3p007296)がそう言った。
「それで、マールさんはどうして、竜宮城の外へ?」
 リディア・T・レオンハート(p3p008325)が尋ねるのへ、マールは頷いた。
「そう! 実は、あたしたちは『深き魔』……皆が『深怪魔』って呼んでいる怪物たちと、そのボスの邪神を封じ込めるのが使命の一族なの。
 今まで『深怪魔』と邪神は封じ込められていたんだけど、何故か最近、封印が綻んじゃって……。
 で、メーア……あ、あたしの妹で、『乙姫』なんだけど、メーアが再封印の儀を行った時に、深怪魔に襲われちゃって……」
「メーアさんはご無事なのですか?」
 ユーフォニー(p3p010323)が尋ねるのへ、マールは頷いた。
「うん。でも、封印に必要な神器、『玉匣(たまくしげ)』が壊されて……その力の欠片が、ダガヌ海域とか、シレンツィオ・リゾートの方に飛び散っちゃったみたいなの」
 そういうと、マールは胸元から、コインのようなものをとりだした。
「これが、その欠片の一つ。『竜宮幣(ドラグチップ)』って言って、これを集めれば、玉匣が修復できるの!」
「なるほど、読めてきたっすよ」
 『赤々靴』レッド・ミハリル・アストルフォーン(p3p000395)が言った。
「つまり、ボク達がやるべきは……『竜宮幣(ドラグチップ)』の収集っすね?」
それが集まれば、玉匣を修復でき、深怪魔を再度封じることができる……!」
 ルーキス・ファウン(p3p008870)がそういうのへ、マールが頷いた。
「竜宮幣がだいたいどこにあるかとかは、あたしが調べられるの。お願い! 手伝って!」
「そうだね。此方としてももちろん、と言いたい所だけど」
 モカ・ビアンキーニ(p3p007999)が言うのへ、ヴェルミリオ=スケルトン=ファロ(p3p010147)が頷いた。
「はい。少し大きな作戦になりそうですからな! スケさんたちの一存でOKと安請け合いするわけにはいかないのですぞ。
 ……ただ、不安な顔を為されるな。こう言っては何ですが、利害は一致しております。シレンツィオ・リゾートの面々も、協力してくれるでしょう!」
 その言葉に、マールは、ぱぁ、と顔を輝かせた。
「ありがとう! じゃあ、早速、フェデリアに行こう! 偉い人に、協力をお願いしなくちゃ!」
「では、急いで戻りましょう。この知らせを、はやく持ち帰らないと」
 ルーキスの言葉に、仲間達は頷く。
 かくて、シレンツィオ・リゾートを巡る一つの事件、その解法が、イレギュラーズ達によってもたらされることとなる――。

 ――フェデリア島へ、竜宮城よりの使者、マール・ディーネーが到着しました!


 ※アーカーシュ完全攻略のため、鋼の進撃(Stahl Eroberung)作戦が開始されました。
 ※突如、特務派の軍人達がイレギュラーズへ攻撃を始めました。
 ※特務派の軍人達も、状況に納得出来ていないようです……。

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