PandoraPartyProject

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Die Tür in den Sommer II

 その時、遠く宙空に浮かぶ少女の周囲に、無数の魔方陣が出現したではないか。
「――!?」
 直後に無数の魔術が暴風雨のように炸裂し――けれど二重のバリアフィールドがそれを相殺する。
「ヴィヴィ、まさか。来てくれて……」
「ふふん。ボクを敬い賜えよ、クロバっ子。これでも神霊の端くれだからね。フェニックスとは思い切ったものだけど、森の延焼だって見過ごせないし、全てここで止めきってあげよう。拝んでくれて結構だとも。いっそあがめ奉りたまえ、信仰というものが足りないからね」
 どこか呆然としたクロバ・フユツキ(p3p000145)の呟きに、水の大精霊ヴィヴィ=アクアマナが笑った。
「で、聞いておかなきゃならないと思うから言うけど。なんで居るのよ。三度目よ、これ」
「友が喜ぶ顔が見たくてな」
 イーリン・ジョーンズ(p3p000854)の問いに、ヴィヴィと同じく笑ったのは、冬の王オリオンであった。
「???? い、いえ。来ていただけて光栄なのですが!?」
 夢見 ルル家(p3p000016)もまた驚きを隠せないでいる。
「不服か?」
「い、いえ滅相もないのですが!!」
「そこな愚弟も久しいな」
「おいおい、ウソだろ兄さん。いやどうしてまた」
「よくわからないけど、味方は多いほうがいいに決まっているの」
 ストレリチア(p3n000129)はともかく、ライエル・クライサー(p3n000156)も戸惑っている。
「余は盟友殿に力を貸し与えている、これは外さん。冬の檻もまた盟友が助ける存在に頼まれてのもの、故にこれも解かん。我が家臣達も向こうの陣営で戦うだろう。だが貴様等もまた余の友であり、竜なる存在に困っていると聞くではないか! 友のために竜と諍うのは、禁じられておらん。もっとも、王たる余に禁ずるなどという真似は、誰にもさせんがな!」
「ちょっと滅茶苦茶なんじゃない?」
 イーリンの言葉に、オリオンは高笑いをあげた。なんというか、オリオンはあまりにガバすぎる。
「貴様等とは、いずれ近く剣を交えることになろう。だが今ばかりは友等よ、その背を余に預けよ!」
「大精霊が二柱とは、これは――」
 リースリット・エウリア・ファーレル(p3p001984)が呟く。
 理由はともあれ、大精霊の二柱という存在が味方というのは、余りに大きな『嬉しい誤算』だ。

「ようやく戻りました。今こそ、皆様へ恩を返す時」
 禁書捜索の際に、ラサ側へ逃がしていたジョゼッフォという守人が、ラサの傭兵達と共に深緑へ戻ってきたのである。ラサは深緑の同盟国であり、精強な傭兵達も味方となってくれるらしい。それにハーモニアの中で戦える者達も、参戦を決めている。
(あの人は答えていない。知るのが怖い。でも、放っておくことなんて出来ない)
 胸中で呟いたココロ=Bliss=Solitude(p3p000323)の背はひどく小さく見えていた。
「ボク達にも、ハーモニアの皆にも、ヴィヴィにも、オリオンにも、戦う理由があるんだね」
 セララ(p3p000273)がぽつりと零した。
「なら、竜はどうして戦おうとしているのかな?」
 だって、それを知ったなら、何か別の可能性だって見えてくるかもしれないから。
 誰もが『あの生物をどうするか』いかにして『殺すか』と考えていた。けれどセララは話し出す。
 勇者にとって、竜種(動物)は魔種(天敵)と違うのだと。
 すなわち世界を滅ぼす存在とは相容れず、あくまで調和(ハーモニクス)の内に、あるのではないか。
 可能性の化身(イレギュラーズ)――主人公は、何かを成し遂げるかもしれない事を予感して。

 ならばこそ、まずは灰のビロードを踏み越え、冬のヴェールの向こう側へと進撃しよう。
 やがて来る『絶対の滅び』と向き合うなら、打破するならば――『私達』は、どうしたらいい。
 絶望の全てを打ち砕くために、見据えるのは夏への扉――


 ※『冬の王』『ヴィヴィ』二柱の大精霊が味方として参戦します!
 ※ラサの傭兵団が加勢に来てくれました!
 ※深緑のハーモニア達も、武器を手に立ち上がりました!
 ※状況は目前です。今すぐ進撃の準備を整えてください!
 ※鉄帝国の方では祝賀会が開催されることとなりました。


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