PandoraPartyProject

ギルドスレッド

海色の箱庭

【雑談】海色の唄

緩やかに折り重なる波。柔らかな光が包む砂浜。
鬱蒼と木々が生い茂る山の中を抜け出せばそこに広がるのは水平線を望む切り取られた海。

大小様々な岩が切り立った海には時折来訪者が現れる。
歩き進むには整われていない獣道を抜けてくる、人や、人でないもの。

それらを招き入れるのは海と戯れ太陽に語り掛ける人魚の少年。
海の世界しか知らぬ少年は時折訪れる訪問者に自ずから近付くであろう。
地に足をつけ"歩く"外の世界が果たしてどういうものなのか、夢にしか見たことのない世界の話を聞く為に。


アンタの世界と、俺の世界

それはどれほど違うのだろう

考えるだけでこんなにも、心が躍るんだ


~~~

●RP専用、雑談場所

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(ひとり、訪れるは灰の髪を靡かせた真白の翼を持つ人。重ねられた民族風の装いから覗く肌は白く、陽光の下にはあまり縁の無さそうな印象を受ける。僅か伏せられた目で見る世界は果たしてどんな世界なのか)

(そしてひとり、訪れたのは同じ真白の翼を持った小柄な人。ふわり風に遊ぶ短めの髪が柔らかに紫を主張する。あの獣道を、抜けてきたのだろうか…?一見するとそんな獣道を通ってくるとは思えない程の華奢な体躯。けれどその瞳には見目に反した強さがあるのだろうか)

…人だ。

(岩陰から覗きながらそわり、心が躍る。この人達はどんな世界を見てきたのだろう。少しばかりの意味のない警戒を携えながら、その二人を少年は眺めていた。邂逅まで、あと数歩…―)
(獣道を踏みしめ木々を抜けた先。眼前に飛び込んできた景色に、青年は幾度か瞬きをした。穏やかな青が陽光に照らされ、波打つ様子は美しく感じて。仄かに心を弾ませた様子で、砂浜へ足を踏み入れてみせる)

(さくり、さくりと心地良い音が耳に伝わる。やがて海辺の近くで足を止めてみせると、再び目前の海原へ目を向ける。最後に海へ訪れたのは幾日、幾年――それよりもずっと前だったような。記憶から抜け落ちてはいるものの、久方振りという事は何と無く理解出来ていた)

……?

(――ふと。自分以外の誰かがいる気配と視線に気づいて、きょろきょろと周囲を見渡す。視界に移るのは広大な海と砂浜、そして切り立つ岩の群。認識出来ぬ"誰か"の存在に疑問を覚えてそっと、口を開いてみせ)

……ん、と。…誰か、いるのかな。
(眺めていれば風に音がのる。灰の御髪を揺らす人の声だ。端から聞けば控えめな声であろう青年の声でも届いたのは、少年の耳が音が発せられた時に発生する空気の揺れに突出して敏感だったからだろう。ぴくり、と肩が揺れ触れていた岩陰から手を離すとゆっくり、相手の視界に映る様に前に泳ぎ出た。海面からは肩から上が見えている状態で、露のある紺青の髪が海水の雫を帯びながら揺れている)

(近付いて初めて、灰の髪の人の目が橙を宿している事を知った。髪の色に比例してか、とても鮮やかに映えているその色に少年は感動を覚える)

こんにちは。…迷子、か?

(こんな人里からは切り離された場所へ来るのは迷子か、「洞窟」への明確な目的を持ったならず者ばかりだった為、第一声は大体いつも同じだった)
(水面が揺れる気配を感じたのも束の間。姿を現した少年を視界に捉えると、少し驚いた様子に目を見開いてみせる。靡く紺碧の髪は海原の青を映したかの様だ、と。心中に言葉を浮かべてから、青年は再度口を開いた)

ん…。こんにち、は。えと、迷子かもしれない…し。…そうじゃない、かもしれない。さっき、あの…木がいっぱいの所から歩いてきて、此処に着いた。
…君は、ここに住んでる、人?

(掛けられた問いの声に少し首を傾げ、思うままの言葉を紡ぎながら、先程自身が歩んできた獣道を振り返る。こう尋ねるという事は、此処へ迷い込んで来た者が他にもいたのだろうか。少年の方に向き直ると、浮かんだ疑問をそのまま。口に乗せてみせようと)
(「迷子かもしれないし、そうじゃないかもしれない」。その人の返答には答えが無くて首を傾げてしまった。迷子で無いのなら、目的があるはず。でもその目的も言わず迷子かもと言うのであれば、何か別の目的をもって此処に来たのか…どちらにせよ、改めて問い掛けてもしっかりとした答えは得られそうにないので話を進めようと)

人がまともに通れるような道じゃないから、大変だったろ?
俺は住んでるわけじゃないけど、ここはお気に入りの場所だから一日の大半はここで過ごしてるから似た様なものかな。

(だからここに迷い込んで来ちゃった人ともよく鉢合わせするのだ、と続けながら、もうひと泳ぎ。距離はまた少し縮まる)
(少年はいつだってこの箱庭に一人。だからこそ此処への来訪者には率先して話しかけていた。来訪者から運ばれる陸での話、此処ではない国の話はいつだって少年の心を湧き立たせたから)

アンタは、どこから来たんだ?
(話していると増えた影がもうひとり、ゆらり進みゆくその人影は何処か物憂げな印象を受けるも反面、隙が無いようにも見えて。言い表しようのない不思議な雰囲気を纏うその人がこの海へ足を向ける目的は果たして気紛れか、意図あってのものか。会話をしている端でそちらに視線をちらりと向けながら)
(仕事終わりに、釣竿を持って訪れた海。たいした感慨もなく、その青と熱砂を目に焼きつけたところで
 ゆるりと周囲を見回すと、ディープシーの少年から自分に視線が向けられていたことに気づく。
 会話の最中のようだが――視線の意図は定かではないが、不審者と怪しまれていては厄介かもしれない。
 打算が働き、友好的に振舞いつつ耳寄りな話を仕入れられれば儲けものか――と、二人に歩み寄る。)

どうも。僕の顔に、何かついていましたか?
それとも、僕のようなカオスシードが物珍しかったのか。
まあ、どちらでも構いませんが。――良い海ですね、ここは。

(二人の会話を邪魔しない様に話しかけながら、釣竿を海に放り。
 浅瀬で魚がつれるはずもないが、漁師の気分をなかなかよく味わえた)
(少年が不思議そうな様子を見せると、つられた様に首を傾げる。偽り交えず返答をしてみたものの、困らせてしまったかもしれない。思考を巡らせてみるも彼の話がより興味深く思え、上の空へと傾きそうになった意識を戻す)

うん。少し暗かったり…とか、葉っぱがたまに、くっ付いたり…。ちょっと、大変だった…かも。
此処に来る前は…街。建物も人も、そこそこな場所…に、いた。

(先程の返答よりも、幾許か自信を込めた声色で応えた。賑やかな街並みの光景、喧騒の声は脳裏へ鮮明に焼きついている。それは漣の音が響く、この空間の心地良さに何処か似ていて。彼のお気に入りの場所、という事にも頷ける様な気がした)
(ふと――耳に飛び込んできた声に、ほんの少し驚いた後。声の主の方へ目を向ける。謹厚そうな口調、風貌の反面――雰囲気には陰がある様に思える。けれど、おそらくきっと。悪い人では無い…かもしれない。確証も無いまま胸中でぽつりと零し、声を掛けてみようと)

…わ。こん…にちは?
えと…、釣りのお兄さんも、あの山…獣道から、ここに?
(ちらりと見ていれば不意にかち合う視線に思わず驚いて身体を一瞬固める。けれど友好的に振舞われればすぐに肩の力は抜けていった。垂れ下がる糸の先を眺めながら彼の言葉に返そうと声を紡いで)

いや、この場所へ人が来る事自体が珍しい事だったから、今日はたくさんの人が来ていて驚いただけなんだ。
海を泳いで人の暮らす街も見に行ったことがあるし、人間種もその時に見た事があるから。
もし俺の視線が不快に思えたのなら、ごめん。

(気分を害してしまっていたなら申し訳ない事をしてしまったと、謝罪の言葉を。けれど続く言葉には途端嬉しそうに口元を緩める)

だろう?ここは俺もお気に入りの場所なんだ。

(自分と同じようにこの磯を気に入ってくれるのは素直に嬉しい。その言葉が真であろうと無かろうと紡がれた言葉は素直に受け取っていた)
(波間を揺れる糸の先は水深が浅く魚も泳がぬ位置。海種である自分にとって海に住む者は言わば同種。彼が魚を釣るつもりでいたのであれば辞めてもらわなければと思ってもいたのだが、どうやらそういうわけでは無さそうに見えたのでそのままにしておく事にする)

(そして視線は元あった場所へと。投げ掛けた返答に返ってきた言葉の通りに灰の髪の彼の姿を想像すれば、容易にその光景が目に浮かぶ様で思わず笑ってしまう。けれど街の話になれば興味は一気にそちらへ。瞳を輝かせながら無意識に身体は前のめり。一言も聴き逃すまいと自然に、また距離は近くなっていく)

へえ、街から来たんだな。建物も人も多い街か…きっと賑やかで楽しいんだろうなぁ…!

(想像すれば心は躍り、人々の声が行き交う陸の地へと思いを馳せる。"釣りのお兄さん"へと声をかける灰髪の彼の言葉を聞きながら、もっと街の話を聞きたいとついそわそわと身体は揺れて)
いえ、特に不快ではありません。視線を向けられるとどうにも面映いもので。
良い海がある、と聞いたもので、寄ってみたのですが。
まさかディープシーの方に……そちらの、スカイウェザーの方とも会うとは思いませんでした。

(スカイウェザーの彼にもどうも、と挨拶して。
 獣道から来たのかと問われれば、その通りだと肯定した。)

お二人は、元から知り合い――という風でもなさそうですか。
街の話で盛り上がっているようですが。出身は、どちらに?

(釣果のない釣りを続けながら、二人の話に耳を傾け)
(挨拶に軽く会釈を返し。彼の言葉にそうなんだ、と短く呟いてみせる。先程少年が述べていた――迷い込んできた者が来ちゃったという話にも、納得の意を込める様に。そして問われた事に目を丸くすると、小さく思案し唸り。数秒経てやや自信無さげながらも、懐かしむような声音で)

……ん。小さい頃、住んでたところ。…名前は、思い出せない。……最後に帰ったの、いつだろう。…でも、今…お話してた街、みたいに。…楽しい場所では、あったかな、って。
俺みたいに、羽。生えた人、それなりにいた……かも?

(曖昧に塗り潰された故郷について話し終えると、少年の方へ顔を向ける。期待と好奇が入り混じる瞳は、まるで幼子みたいだと感じさせて。次第に、表情が緩んでいく)

…うん。楽しくて、結構好きな街…だった。
人も親切で、怖いところもそんなに…なかった、かな。
美味しい…ご飯のお店も、あったりして。

(控えめながら、街の光景を思い返し謳う様に)
それなら良かった。
俺気になったものはじっと見過ぎちゃう癖があるみたいでさ、やな時は言ってな!
出身はこの海から少し遠く離れた場所かな。
ここにも負けず劣らず透き通った海で、同じディープシーの仲間もたくさんいるよ。

(申し訳無さそうに髪をくしゃりと掻きながらも安堵した様子で問い掛けに答えようと口を開く。我が家と言えども海で住んでいる彼にとってはその境目は広い。うやむやに距離だけを上げて答えた。そして答えながらも、出身の街やここに来る前にいた街の事を懐かしそうに話す灰翼の彼の話には終始落ち着かぬ様子で)

そっか、そっかぁ…。
いいなぁ~街。楽しそう。

(思い浮かべながらも尾は楽しげに水を跳ね飛沫をあげる。
有翼の彼との事を問われればきょとんと瞳を丸くして当人へと振り返り笑みを浮かべ)

アンタと同じ、この人とも今出会ったばかりだよ。
同じく獣道を抜けてきたんだって。
(懐かしむような、妙に不安げな物言いと、落ち着かない様子に、不必要に詮索しすぎたか、と思い)
ああ、すみません。立ち入ったことを聞くつもりはありませんでしたが。
しかし、聞く限りではどうやらどちらも、良い街、場所のようで。
美味しい食事に、良い景色、親切な人に大勢の仲間。
人間種であることが惜しいくらいで。僕も翼や水中への適正があれば――と。
まあ、無いものねだりかもしれませんが。

(釣りに飽きたのか、竿を担いで)
なるほど、まあ、僕も似たようなものではありますが。
――お名前、聞いても? ああ、僕のことは、ラバン、とでも。
無いものねだり、かぁ。確かにあるかもな。
自分が持ってないものを欲しがるって、抗えない性でもあるだろうし。
例えば俺だってアンタ…ラバンを見てて羨ましく思う所があるかもしれないだろ?
(不意に流した視線の先は彼の足元、けれど悟られぬ速さですぐに目線は元に戻っていく)

っと、そうだった。自己紹介まだだったな。
俺の名前は胤・嵐。ここは俺の遊び場なんだ。
荒らすのはタブーだけど、それ以外なら好きに、自由に寛いでいってくれよな!
(両手を広げ背に広がる海へ一度跳ねる。飛沫を上げて再び海面から顔を出せばその表情は楽しそうに笑顔を浮かべていた)
ん…見てきた街は色々あった、けれど。あそこは本当に、いい所…だから、案内してあげたい、かも。
海の中の世界も、楽しそう。…おれも、行ってみたいって思う、けれど。…羽、重くなっちゃうと思う、から。…泳げる体に憧れる、羨ましいなって思う気持ちは、わかる気が…する。
(それぞれの言葉へ肯定の意を示したと同時に。少年の話に興味を惹かれたのか、目を輝かせ)

そいえば、二人の名前…まだ聞いてなかった。
おれは、チック。チック・シュテル。
嵐と、釣りのお兄さんの…ラバン。ん、覚えた。よろしく…ね。
(名を呼んだ順に、二人へ視線を巡らせる。柔らかな翼を小さく揺らしてみせてから、そっと穏やかな笑みを浮かべてみせて)
いつか案内を受けられるのなら、楽しみにしています。
僕の住んでいる街も――といいたいところですが、あそこは雑然としすぎているので
誇らしく案内できないことが残念ですね。

(流された視線には気づけずに、何のことかと首を傾げ)

僕は単なる人間種ですが……他種族からすれば
人間種の持つ何かが羨ましいと思うこともある訳ですか。
何というべきか――互いに間々なりませんね。

嵐さんと、チックさんですか。どうも、よろしくお願いします。
釣りのお兄さんと認識されても仕方なくはありますが……
漁師への転職は老後にしておきましょう。それも、嵐さんの許しが出れば、ですが。
それまでは、真っ当な仕事に就いていたいですね。

(海に片足を入れれば、ひんやりと心地良い感覚)
…なんかさ、身体全体を空気?泡?で包めばどんな種族でも海の中に入れるし呼吸もできるって魔法はあるみたいだって噂は小耳に挟んだ事あるけどな。
海に入りたいなら、その魔法探してみるってのも手かも?
(見るのも聞くのも初めての事柄はすべからく心を掻き立て感情を浮き立たせるもの。男である以上一度は冒険にも憧れるものなのだろう。話に聞く街への反応も、記憶から引っ張り出した魔法の噂にも終始少年は楽しそうに語らった。穏やかに笑う彼につられるように目元が和らぐ)

チックとラバン、だな。うん、覚えた!
漁師かー。なんだかラバンが漁師ってのも大分イメージ違う気もするけど、俺は止められる立場でもないしラバンがやりたいならいいんじゃないか?
あっ、でもせめて俺の見えるところではやめてな…!
(冗談だとも気付かずに真面目に想像してみれば彼の見目からは随分と想像し難い漁師というものに、これまた真面目に考えた答えを返す)
……!泡で海に入れる、魔法…凄いね。もし本当にあって、使える様になったら…皆で海の散歩とか、してみたい…な。
違う場所を旅してみたら、見つけられたり…するかな。
海の先輩の嵐に、おれ…色々教えて貰いたい。
(語られた未知の話に、瞳に灯る好奇の熱はより色を帯びていく。柔い泡に包まれ青の世界を巡る――きっと素晴らしいものに違いない。いつか魔法を見つけ体験する日に思いを馳せつつ、目を瞑り微笑を浮かべてみせ)

…?ラバンは漁師じゃ、なかったんだ…?てっきり、そうなのかな…って思ってた、けれど。
(担がれた竿を見やり、不思議そうに首を傾げてみせ)
前に街で話してるやつがいたんだ。その魔法で海の中を"歩いた"んだって。
世界は海よりも広い。きっと違う場所には違う文化とか、違う魔法が散りばめられているんだろうなって思っただけでわくわくしちゃうよな。
(泳ぐという概念しかなかった頭の中に「海の中を歩く」という言葉が飛び込んできたその一瞬がひどく印象的だったのを覚えている。この海の水平線の向こうにもまた違う世界が広がっている。この森の奥にも。)
あっ、それを言うならチックだって街の先輩!だろ?俺にもいろいろ教えてくれよ。それが交換条件!へへっ。
(目の前の顔が笑みを形作ればつられる様にこちらも頬を緩めて見せた)

(竿の先を海から引きあげた彼が触れた足先。その周りを、どこから出てきたのか小魚たちがくるりと一回りしていった)
(続く会話の音に紛れて聞こえた、風に逆らう木の葉が弾き合う音。
視線を投げればそこにいたのはおおよそ海には似つかわしくない眩い炎の翼を携えた男。
黒の装束を纏い炎の紋様に抱かれた片腕。風が吹けばその男の熱を攫ってくるのか、僅かに温度をあげたそよ風が頬を撫でていく。

その熱を冷まそうとするかのように、海面にあげていた身体を少しだけ深く沈めたまま姿を現したその炎翼の人を眺めていた)
(彼らがいる場所より少しだけ空に近い岩場で足を揺らしていた。声をかけるのもどうかと、さざめく波音。心地良い声に耳に流していたのだが、視線の先重なった蒼玉の瞳に柔く目を細めてひらひらと手を振る。しかし表情とは裏腹、水に深く沈んだ様子にからかいの意味も込めて背の炎をより大きく燃やし揺らせば、とん。と砂に足をつけ彼らの方へと足を進め)

興味深い話、聞いた。水中歩ける魔法なんて、最高に浪漫じゃん。

オレは朱王。嗚呼、君らの名前は大丈夫。聞かせてもらってたんで。

(ちゃっかり。馴れ馴れしく会話に紛れて、へらり。ぴーすをちょきちょきと動かした)
(行動範囲が海だけだとは言え、炎の翼など見た事が無い。この世界の者ではないのだろうか。視線が合い手を振られたかと思えば翼の揺らめきをさらに大きくしながら降りてくる様子に先程よりもはっきりとした熱が肌に触れる。驚いて一気に頭まで海の中へ沈め、しとりと浸った所で再び海面へ)

わざとだ…今の絶対わざとだ…

(ぶつくさと呟きながら眉を寄せて相手の顔を見遣る。フランクに話しかけてくる相手に文句の一つでも投げつけてやろうかと思ったが、初対面での第一声が文句というのはさすがに失礼だろうと我慢をする)

朱王、だな。宜しく!海への来客としては珍しい人が来て驚いた。
その翼じゃ、魔法でも使わなきゃ海には入れなそうだもんな。

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