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海色の箱庭

【雑談】海色の唄

緩やかに折り重なる波。柔らかな光が包む砂浜。
鬱蒼と木々が生い茂る山の中を抜け出せばそこに広がるのは水平線を望む切り取られた海。

大小様々な岩が切り立った海には時折来訪者が現れる。
歩き進むには整われていない獣道を抜けてくる、人や、人でないもの。

それらを招き入れるのは海と戯れ太陽に語り掛ける人魚の少年。
海の世界しか知らぬ少年は時折訪れる訪問者に自ずから近付くであろう。
地に足をつけ"歩く"外の世界が果たしてどういうものなのか、夢にしか見たことのない世界の話を聞く為に。


アンタの世界と、俺の世界

それはどれほど違うのだろう

考えるだけでこんなにも、心が躍るんだ


~~~

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それなら良かった。
俺気になったものはじっと見過ぎちゃう癖があるみたいでさ、やな時は言ってな!
出身はこの海から少し遠く離れた場所かな。
ここにも負けず劣らず透き通った海で、同じディープシーの仲間もたくさんいるよ。

(申し訳無さそうに髪をくしゃりと掻きながらも安堵した様子で問い掛けに答えようと口を開く。我が家と言えども海で住んでいる彼にとってはその境目は広い。うやむやに距離だけを上げて答えた。そして答えながらも、出身の街やここに来る前にいた街の事を懐かしそうに話す灰翼の彼の話には終始落ち着かぬ様子で)

そっか、そっかぁ…。
いいなぁ~街。楽しそう。

(思い浮かべながらも尾は楽しげに水を跳ね飛沫をあげる。
有翼の彼との事を問われればきょとんと瞳を丸くして当人へと振り返り笑みを浮かべ)

アンタと同じ、この人とも今出会ったばかりだよ。
同じく獣道を抜けてきたんだって。

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