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海色の箱庭

【雑談】海色の唄

緩やかに折り重なる波。柔らかな光が包む砂浜。
鬱蒼と木々が生い茂る山の中を抜け出せばそこに広がるのは水平線を望む切り取られた海。

大小様々な岩が切り立った海には時折来訪者が現れる。
歩き進むには整われていない獣道を抜けてくる、人や、人でないもの。

それらを招き入れるのは海と戯れ太陽に語り掛ける人魚の少年。
海の世界しか知らぬ少年は時折訪れる訪問者に自ずから近付くであろう。
地に足をつけ"歩く"外の世界が果たしてどういうものなのか、夢にしか見たことのない世界の話を聞く為に。


アンタの世界と、俺の世界

それはどれほど違うのだろう

考えるだけでこんなにも、心が躍るんだ


~~~

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(獣道を踏みしめ木々を抜けた先。眼前に飛び込んできた景色に、青年は幾度か瞬きをした。穏やかな青が陽光に照らされ、波打つ様子は美しく感じて。仄かに心を弾ませた様子で、砂浜へ足を踏み入れてみせる)

(さくり、さくりと心地良い音が耳に伝わる。やがて海辺の近くで足を止めてみせると、再び目前の海原へ目を向ける。最後に海へ訪れたのは幾日、幾年――それよりもずっと前だったような。記憶から抜け落ちてはいるものの、久方振りという事は何と無く理解出来ていた)

……?

(――ふと。自分以外の誰かがいる気配と視線に気づいて、きょろきょろと周囲を見渡す。視界に移るのは広大な海と砂浜、そして切り立つ岩の群。認識出来ぬ"誰か"の存在に疑問を覚えてそっと、口を開いてみせ)

……ん、と。…誰か、いるのかな。

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