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海色の箱庭
(「迷子かもしれないし、そうじゃないかもしれない」。その人の返答には答えが無くて首を傾げてしまった。迷子で無いのなら、目的があるはず。でもその目的も言わず迷子かもと言うのであれば、何か別の目的をもって此処に来たのか…どちらにせよ、改めて問い掛けてもしっかりとした答えは得られそうにないので話を進めようと)
人がまともに通れるような道じゃないから、大変だったろ?
俺は住んでるわけじゃないけど、ここはお気に入りの場所だから一日の大半はここで過ごしてるから似た様なものかな。
(だからここに迷い込んで来ちゃった人ともよく鉢合わせするのだ、と続けながら、もうひと泳ぎ。距離はまた少し縮まる)
(少年はいつだってこの箱庭に一人。だからこそ此処への来訪者には率先して話しかけていた。来訪者から運ばれる陸での話、此処ではない国の話はいつだって少年の心を湧き立たせたから)
アンタは、どこから来たんだ?
人がまともに通れるような道じゃないから、大変だったろ?
俺は住んでるわけじゃないけど、ここはお気に入りの場所だから一日の大半はここで過ごしてるから似た様なものかな。
(だからここに迷い込んで来ちゃった人ともよく鉢合わせするのだ、と続けながら、もうひと泳ぎ。距離はまた少し縮まる)
(少年はいつだってこの箱庭に一人。だからこそ此処への来訪者には率先して話しかけていた。来訪者から運ばれる陸での話、此処ではない国の話はいつだって少年の心を湧き立たせたから)
アンタは、どこから来たんだ?
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鬱蒼と木々が生い茂る山の中を抜け出せばそこに広がるのは水平線を望む切り取られた海。
大小様々な岩が切り立った海には時折来訪者が現れる。
歩き進むには整われていない獣道を抜けてくる、人や、人でないもの。
それらを招き入れるのは海と戯れ太陽に語り掛ける人魚の少年。
海の世界しか知らぬ少年は時折訪れる訪問者に自ずから近付くであろう。
地に足をつけ"歩く"外の世界が果たしてどういうものなのか、夢にしか見たことのない世界の話を聞く為に。
アンタの世界と、俺の世界
それはどれほど違うのだろう
考えるだけでこんなにも、心が躍るんだ
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