シナリオ詳細
<夏祭り2018>おいでませ楽園島
オープニング
●楽園島
ネオ・フロンティア海洋王国(通称:海洋)の首都中央島から船路で1時間程度、そこに海洋でも観光地として名高い楽園島は位置している。
どこまでも続く白い砂浜、澄みきったコバルトブルーの海。クリアすぎる空気、まるで作り物の世界に迷い込んだかと錯覚させられる透明感が満ち溢れたピュアな島。
楽園島ビーチは中央島周辺という利便性もあいまって、シーズンともなれば国内外から観光客が押し寄せる一大リゾート地だ。
身ぐるみ剥いでいく蛸賊も、ごくごく一部で有名である。
●7/16は海洋サマーフェスティバル。楽園島でもお祭りだ
「喜べお前ら。海洋(ネオ・フロンティア)から夏祭りにご招待だ!」
ギルド『ローレット』に集まったイレギュラーズを前に情報屋『酔っ払い』ジュリエット・ノックス(p3n000036)が缶ビール片手にハイテンションで告げる。
「海洋で行われる夏祭りに是非にとイレギュラーズご招待なんだぜ! 海洋各地で行われる夏祭り、俺は楽園島に行くつもりだ。夏祭りといえばBBQ大会! 肉焼いて喰って海鮮焼いて喰って、それを肴にキューッと飲むキンキンに冷えたビール。たまんねえなあ!」
仕事中に飲むなよ……。
ギルド・ローレットがソルベ・ジェラート・コンテュール卿の依頼を受けて海洋王国の近海警備をしていた話がイザベラ・パニ・アイス女王の耳にも届いたようだ。海洋は海種である現国王のイザベラと貴族派筆頭の飛行種であるソルベによる海種と飛行種の権力闘争が行われているお国ではあるが、それはそれとして国家として今後もローレットと繋がりを保つのが国益に繋がるということなのだろう。そういう事情もあり、慰労も兼ねての今回の夏祭り招待だ。
「細かいことはいいんだよ! 折角お祭りに招待してくれるんだ。パーっと楽しむに限るぜ」
喰って飲むことしか考えてないジュリエットだが、楽園島での夏祭りの愉しみ方は勿論BBQ大会だけではない。
海遊びを満喫するもよし。
楽園島では、ドルフィンスイムなどのふれ合いツアーも行われているようだ。
「ああ、だけど未成年の飲酒はナシだぜ。未成年に飲ませるくらいなら、俺が飲むからな」
- <夏祭り2018>おいでませ楽園島完了
- GM名茜空秋人
- 種別イベント
- 難易度VERYEASY
- 冒険終了日時2018年07月27日 21時15分
- 参加人数50/50人
- 相談7日
- 参加費50RC
参加者 : 50 人
冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。
参加者一覧(50人)
サポートNPC一覧(1人)
リプレイ
●
燦々と照りつける太陽。いつもは暑いだけの陽射しも、今日は嬉しい楽園島ビーチ。
招かれたイレギュラーズ達は、仕事を忘れて夏の海を思う存分満喫する気満々だ。
「夏! 海! お友達とスイカ割り!」
お友達と海なんて夢みたい……べ、別に普段こうやって遊べるお友達がいないなんて、そんなことないんだからねっ! レンゲが序盤からツンデレる。
『スイカ割りやろうぜ』とスイカを用意してきたのはメルト。スイカを意識したデザインの水着、武器のようなナニカと気合いはバッチリだ。スイカ好きすぎるだろ!
「必勝法を聞いてきたの! 目隠ししてから軽くぴょんぴょんジャンプすると、方向感覚が狂いにくくなるのよ」
「ぐるぐる回して……ゴー!」
メルトの掛け声で、レンゲが自分の感覚を信じて、まっすぐずんずん突き進む。
「スイカ割りって簡単なのね。初めてやるあたしでもきっと楽勝だわ!」とドヤ顔を決めたまではいいが、
「って、なんでこんなところに小石が!?」
ドグシャァッ! 頭から砂浜にダイブが決まる。
「……そういえば元の世界でやったことないなぁ……零! やってみようよ!」
『面白そうだなぁ! よしやろうぜ!』
それを見ていた霧玄が零夜を誘う。
じゃんけんに負けた零夜がスイカの側で待機し誘導する。が――
『霧玄! ちょっ! 危ねぇ! まっ! おい!』
霧玄は零夜に当たるか当たらないかの距離でわざと外す。ちょっとした悪戯だ。
『このヤロォ後で覚えてろよぉ……!』
「あらあら。みんなの仇はとらないとですね」
次の挑戦者はメイド姿のSuviaだ。メイド服が逆にビーチで目立っている。
Suviaもスイカ割りは初挑戦。
「まっすぐよ!」
レンゲの誘導に従い、ゆっくりと歩を進める。
「えいっ」
ポコッ! 小気味いい音をだして割れるスイカ。歓声があがった。
「やったね、皆で食べよう」
「特製スイカティーはいかがでしょうか?」
Suviaがその場で特製アイスティーを作り全員に振る舞う。最初の一杯を受け取ったレンゲはとても嬉しそう。
企画してよかった。皆、きっといい思い出になるはず。スイカを食べながらメルトも微笑んだ。
●
「海といやぁ海種のいいとこ見せる格好の場所だ! って訳でアルクを連れてきた筈なんだが、おい! 何でそんな岩場に隠れてんだ?」
隠れてるわけではない。雪豹のアルクは暑さに弱い。パーカーを羽織っているが、それでも真夏の太陽にバテて岩陰で休んでいるのだ。
「やぁ、偶然だね。折角だから僕も一緒に行かせてよ」
岩場に近づいたトカムに、無理やりアルクに付いてきたランベールが笑顔で現れる。
(間違いなく僕の事務所からグレシアムを引き抜こうとしてるようだ。探偵の嗅覚を甘く見ないで欲しいね!)
(こいつは面倒なライバルまでついて来ちまったな)
水面下で火花を散らす二人。
「岩場で一日過ごす訳にもいくまいよ。よーし、こっち来い!」
「おい、ちょ、引っ張んな、あぶね……!?」
トカムにアルクを連れ去られまいと、ランベールがアルクを海中に引きずりこむ。
どっぽーん!
アルクは咄嗟にトカムの腕を掴んで仲良く三人海の中に。
「俺が楽しませてやるよ!」
トカムがシャチに変化する。
「シャチの背中に乗れる日が来るなんてね」
「海のギャングの本気を見せてやらぁ!」
二人を乗せて、本領発揮で泳ぐトカム。シャチスイムを愉しむ三人。
(君とこうして平和な時間を過ごせる日々が、僕は嬉しい。これからもよろしく、グレシアス )
(最後の方は当初の目的を忘れちまってたが、楽しかったなぁ)
(日焼けで肌が真っ赤になんの確定だけどな……)それでもアルクも、いい休日になったと思うのだった。
●
ジャッパーン!
水しぶきがあがった。イルカだ!
イルカと遊ぼうとボートで出発したイレギュラーズ達が目的地に着いたようだ。
「いやあ、こっちにもイルカは居るか」
10頭ほどのイルカの群れを見つけ、悠が口を滑らす。
……。空気が凍った。
「夏だから多少寒いくらいの冗談でいいと思ったんだ!」
無言の空気から逃げるように、悠は海に飛び込んだ。慰めるように、イルカが近づいてくる。
「遊ぼう! 当方呼吸要らずの睡眠要らず、イルカが疲れるまで構い倒してくれる!」
「イルカさんイルカさん! 泳ぎ方教えて! 犬かきじゃないやつ教えて!」
「おいらもぉ、一緒に泳ぐんですよぅ」
どうみても犬もといコヨーテとトドがそれに続く。ロクと北斗だ。
「イルカさんかわいいね! わたし、ロク! よろしくね!
ねえ、イルカさんってギョルイなの? それとも……ホニュールイ?」
犬かきを駆使し、ハイテンションでぺろぺろ、しゃぶしゃぶとイルカにじゃれつくロク。ガブッと甘噛みも、とても微笑ましい。
(とにかくいい機会だし、軽く遊ぶんですよぅ)
トドの姿でイルカとともに泳ぐ北斗。イルカの群れに可愛いトドが加わり正に可愛さシーパラダイス!
『キュイ?』
クロバの持つイルカの浮き輪が気になったのか、イルカが近づいてくる。
「……絶対これからは離れないからな」
「大丈夫だよクロバ。もし何かあっても溺れないようにシグが支えてあげるから!」
カナヅチのクロバは、浮き輪に命を預けている。シグルーンは、そのおニューの浮き輪を見て記念にと誘ったのだから皮肉な話だ。
(だって一緒に遊びたかったんだもん!)
そんなことはお構いなしに、イルカはクロバ(浮き輪)にまとわりついてくる。
「わわわ、よせ!」
必死に浮き輪にしがみつくクロバ。
割と強引に誘った手前、溺れさせるわけにはいかないとクロバのサポートにまわるシグルーンも、とてもいい笑顔だ。
「七色イルカなら見た事があったが、七色じゃないイルカなんだな」
しばしイルカと戯れた後、ボートに戻るクロバ。
「ま、悪くはないな……」
今まで海に行くことが殆どなかったためそれなりに新鮮で、最初こそ気乗りしなかったもののそれなりに楽しんでいた。
「よかった。誘った甲斐があったよ」
「一緒に遊ぼうよ」
ヨルムンガンドが動物疎通を使って一緒に泳いでいるイルカに声をかける。
『キューキュー』
背中に乗せてもらえないかとのお願いに、イルカも乗り気で応える。
「やったね、ヨルありがとう!」
ヨルムンガンドと共にアトリが抱き着くと、イルカはしぶきをあげて海を迅る。
「はやいよー!」
「えへへ、何だか私達も魚になって泳いでるみたいだな……!」
イルカと友達になれるかヨルムンガルド次第だったけど、仲良くなれて良かったとアトリはヨルに感謝しつつ、楽しいなあとイルカの頭を撫でる。
と、そこに悪戯好きのイルカが一匹、後ろから突っついてきた。
「あわわ……」
ざっぱーん!
「やったなー!?」
落とされた二人だが、悪戯好きも愛嬌のうち。その後もイルカと遊ぶのを楽しんだ。
「すごい! ねぇねぇ、イルカがこんな近くに居るよ!」
「こういう訓練ならフル装備のほうがよいのでは? 何? 訓練ではない?」
テンションMAXなセララと、ちょっと勘違いしているハイデマリー。
軍用水着を用意していたがセララに却下され、ハイデマリーはセララとお揃いのウサギ耳つきワンピースだ。そんな自分に疑問を抱くも、何故かそれを受け入れている。
「エサ貰ってきたよ。一緒にあげよー!」
「エサでありますか……まずは餌付けからとはやりますね」
イルカは頭がいいから訓練すれば軍事転用できるのでは? なんて考えるハイデマリーをよそに『二人でエサあげ。えへへー。イルカ触っちゃった!』とセララはご満悦だ。
エサのお礼にと、イルカに乗せてもらった二人は
「イルカに乗って海を泳ぐ。メルヘンで魔法少女っぽいでしょ?」
「メルヘン……ね。振り落とされたくはないでありますな」
セララの後ろにひっついてハイデマリーは応えるのだった。
(賢い生き物だっていうのは本で読んだことはあるんだけれど……他の動物さんに接するみたいな感じで大丈夫だよね?)
泳げないアレクシアは、ボート上から近寄ってきたイルカに手を伸ばし、おそるおそる撫でてみる。
『キュイキュィ』嬉しそうにイルカがアレクシアに反応した。
「ふふ、海で遊べればいいなあと思ってはいたけれど、まさかイルカと触れあえるなんて思ってもみなかったよ! とても楽しいね」
「んん……鳴き声も、甘え方も、可愛らしいっ……」
イルカを初めて目にしたLumiliaも興奮を隠せない。
(とても愛らしくて、それに人懐っこくて。素直で従順で、生息域が私たちとは異なってしまっているのがすごく惜しいくらいです。今後またここまでお近づきになれる機会があるとも限りませんし、いっぱい堪能させていただきますっ!
……これだけ賢そうだと、フルートの演奏で歌ったり踊ったりもするのでしょうか?) Lumiliaの奏でるフルートの音色が場に響く。
『ピューイ、ピュイッ♪』
明るい曲調に合わせ、イルカが唄いだす。
「あはっ!」
アレクシアが音に合わせて拍手をする。皆が音楽を介してイルカたちと一つになる。
妖精を召喚したエリーナが、イルカと一緒に泳ぎ始めた。白のビキニとパレオが青い世界によく映える。
「きゃっ! ……ふふっ、こちらのイルカは人懐っこくて可愛らしいですね 」
イルカがエリーナにくっついて、曲に合わせて併泳する。
シャルロットもノリノリで飛行しながらイルカと踊っている。
「……イルカに初めて触れたけれど、こんな感触なのね」
触れることに慣れた竜胆が、大胆にイルカに抱きつきながら泳ぐ。
「ホント、この子達って頭が良いわよね。ソレに可愛いし。こんな滅多にない機会を優先的に紹介してくれる辺り、イレギュラーズ様々って言ったところかしら?」
「あ……」
ヴァンパイア・ルーラーは陽光の下ではきつかったのか。水面に落下したシャルロットを助けるようにイルカが群がる。
「ありがとうイルカたち」
もう一度飛行できるか試すも、夜じゃないと厳しいみたいだ。しかし空の上からじゃなくても、シャルロットも充分にイルカとの一時を堪能するのである。
やがてツアー終了の時間が訪れる。
「イルカさん、ありがとぉ! 今日はとても楽しかった!」
ヨルムンガンドがアトリの分もお礼を伝えると、イレギュラーズが口々に感謝の言葉をイルカに投げかける。
イルカが、また来てね、とでも言いたげにジャンプした。
セララは今日の思いでを漫画に残す。
――ありがとうイルカさん。さようならイルカさん。
●
「さ、流石にこれはあぶなすぎるかも……」
ビーチ用ボートでのんびり回遊してたら、いつの間にかうとうとと。目が覚めたら絶体絶命、セリカとリオは蛸賊たちに囲まれていた。
お互いを守るようにギュッと抱きしめあう二人だったが――
触手がぬるりとビキニに忍び寄る。
「きゃうぅ!? それとったらいけないとこ見えちゃいますぅー!」
ぬるぬると水色ストライプに触れる。
水着とられちゃう!? 見えちゃう!?
「ホントに見えちゃうから、それ以上はダメぇー!」
全裸にされた二人は、大事なとこを隠すようさらにお互いを強くギュッとするが触手の追撃は止まらない。
「やめて下さいー! それ以上はホントにアウトですのでぇー!」
(助けが来る……はずっ)
リオの願いに呼応するように、イヴ号は進撃する。蛸賊を殲滅するために。
「オーッホッホッホ!」
船上にタントが颯爽登場!
『そう、わたくし達こそがッ』(指を鳴らすタント)
『\きらめけ!/ \ぼくらの!/ \タント様!/』(拍手喝采大歓声)
「と。イヴ様の! ファビュラス煌めきコンビですわー!」(超絶イカしたポーズ)
「派手に行くですよ、タント」
片口を笑みで歪ませイブが蛸賊の群れを狙って撃つ。この昂揚感こそが壊れた殲滅人形として得た意味!
「ノリノリですわねー! わたくしも……って、いつの間にかすっぽんぽんですわー!?」
所詮多勢に無勢、一瞬で脱がされた二人。
「いえっ、負けません! 服が脱げても堂々としていますの! タント様の体に恥じるところなどありませんわー!」仁王立ちで女を見せるタント。
(えらく輝いて見えやがりますね。どんな状況でも堂々としている者は美しいのです)
まじまじと見つめあうイブとタント。
「ん? 私の体に変な所でもあるですかタント?」
「………とっても素敵ですわ(ポッ)」
「ははははっ! カチコミだオラァ!」
イブ号に遅れること数分、ハロルド率いるカチコミ本隊が到着する。
「浜辺の平和を乱す輩は根絶やしにしてやろうじゃないか。全裸に剥かれようが俺たちが止まることはない。なにせ肉体自慢な奴らばかりだからな!」
蛸賊の群れめがけて聖剣をブンまわしながら突入するハロルド。触手に水着を盗られ、全裸になりなお止まらない攻勢は鬼気迫る。
「どうしてこうなった!? なんだよ!?」
イルカと戯れられると聞いてた桜。どこでどう間違えたのか、コースが違う。
過去にも蛸賊と戦ったことのある桜。白の超ミニビキニでバニーさん、おまけに煽りスキルの三重苦。狙ってくれと言わんばかりで、あっという間の触手地獄。ぬるぬる。
「にゃー!? やっぱり変態だった!? でもギフトを使えば安心だよ!」
脱がされても大丈夫とギフトを発動する桜。残念、発動してません。
「変態すべからく滅殺すべし! 君が! 倒れるまで! 蹴るのを! 止めないよ!」
蹴りを入れまくる桜。全裸で。(物凄いデジャブ)
「クレイジーシットなタコどもをぶっ飛ばすぜ!」
「オラァ死ねぇ!」
貴道とアランも蛸無双。水着を奪われても高火力の大セールだ。
「これ誰得? ってかそれよりも他の男性陣の裸だわ! 郷田の裸とか俺にとっちゃ目に毒だぜマジで!?」
星条旗のブーメランパンツを脱がされるも、鋼の肉体を惜しむことなく晒している貴道の姿がアランの目に入る。もっとも――
「腹筋すげえな……って、くっ!!(ってか無駄に相手の攻撃も激しいなオイ!?)」触手の猛攻の中、黒エプロンと短パンを奪われ着替える暇をみつけられないアランも、お互い様なのだが。
『……? なんか強そうな人たちが集まってる。……戦いの予感』
行く先も内容も知らず、野生の本能で戦いの匂いを感じしれっとついてきた衣。
船上でぼけーっと煙草を燻らしていたら問答無用の触手パーティーに巻き込まれた次第。
「ヒーロー見参ッ!」
衣に襲い掛かる触手に、グレンが身を挺して割って入る。
「大丈夫か? (来るの男だけだと思ってた……)」
「ん……ありがと」
「コイツら身包み剥ぐって、マジで脱がしにくんのか!? 野郎のヌードなんざ誰が得するんだよオイ!? いやだからって女はガチでやべえだろぉおお!?」
衣の身代わりに赤い海パンを奪われるグレン。ぽろり。君の勇士は忘れない!
「……!?」
目前のぽろりに硬直する衣、アホ毛だけがぴょこぴょこ揺れ動く。その隙を逃さずに触手が襲う。一糸纏わぬ狼少女になった衣は、フサフサした尻尾で大事な部分を隠す。
「……許さない」
顔を真っ赤にし、八つ当たりという逆襲をするのだった。
「人の衣服を剥ぎ取る蛸賊……僕の美しい裸体を晒すチャン……コホン、懲らしめなければ!」
無暗に突っ込むのはクリスティアン。
「ウワーッ! 装飾が奪われてしまったーッ! み、水着もーッ!」
一瞬で真っ赤なビキニパンツと神々しい装飾を奪われてしまう。
(……ああ、僕の美しい姿……さあ、みなしかと見るがいい!)
イケメンナルシスト王子のテンションが最高潮に達し、キラキラと輝くオーラがクリスティアンを包むように現出する。王子に憧れてる子にも是非見せてあげたい。大事なところも、キラキラ光って見えないから安心だ!
「な、なんだかものすごい所に来ちゃったかな……!?」
よく判らないままついてきた不幸な子がここにも一人。風迅である。
「!? な、何か絡んで……ああ、しまった!」
繰り広げられる男性諸氏の裸に目が釘付けになった、その油断を突かれて触手の不意打ちを喰らう。ぬるぬる。
「すすすとっぷ、すとっぷですっ! 私の水着の下なんか見ても面白くないですのでー!」
それはどうかな? 抵抗虚しく風迅もまた裸の仲間入りを果たすのだった。
「脱がすとは不届きな蛸賊ですね! 成敗してやりますとも! 一匹残らず殲滅してやりますとも! ふぁいとーいっぱつ!」
紺色のビキニで体育会系魔法少女の渓が突貫する。
触手がにょろり。
「あっちょっ、私は脱がしてもしょうがないんですよ!」
ぬるり。
「やーなのです! 好きな人とかいないので誰にも見せてないんですよー!」
ずるっ!
「あっだめー! 」
辺りに渓の悲鳴が響き渡る。合掌。
「とってもすごいことになりそうなのっ、どきどきなのー……! 二人で一緒にいればきっと怖くないの! だから離れないようにするのっ!」
「少々不安ですが、焔宮様と一緒ならきっと大丈夫なはずです……」
麦わら帽子とビキニにパレオを合わせた鳴とマナがしっかりと手を繋ぐ。
「普通のふれ合いツアーではなく裏ツアーとのことですが……」
多分、来るべき場所を間違えてる二人に、触手の群れが覆い被さる。
「ぴゃぁっ、触手さんぬめぬめぬるぬるなのっ! 水着持っていっちゃだめなのーっ! 脱がされるのに頑張って抵抗するのっ、恥ずかしくなっちゃうのっ……!」
「わわ……! こ、この触手は……蛸賊……ですか……? とてもぬるぬるしてい……!
ほ、焔宮様の水着が……! 持って行っては……!
あぁ……いつの間にか私の水着まで……うぅ……ご、ご迷惑……おかけします……恥ずかしくてうずくまってしまいます……」
「水着返してなのー! かーえーしーてーなーのーっ!! 見えちゃいけない所を隠さなきゃ、なのっ……!」
二人して凄いことになってた。
「はぁ、なんとも似合わないところに迷い込んだわね? どういう状況なわけ?」
『状況は分からないが好みの事態ではないか?』
誤乗船して辿り着いたイーラに、少女の呪具ゴルヌが応える。
「あぁ、そうね! 遠慮なく暴れさせてもらうわよ!」
イーラは蛸賊の群れ目がけ、飛び込んだ。脱がされたが裸を見られることにあまり忌諱感はなく、だから構わず縦横無尽に暴れまわる。
『災難だが……まぁ、楽しそうで何よりだ』
「蛸……あれは美味しかった。これも美味しいだろうか」
蛸が食べたくて参加したリジア。『だが、これは壊しても良い生き物なのだろうか。謎だ』と倒すべきか思い悩むところに触手が襲い掛かる。
「危ない!」
大事な人を守ろうと、悠凪が触手に迷わず身を投げ出す。
「なあ、冬葵。……何故捕まっている? ……庇う必要、あったのか?」
絡め取られて凄いことになっている悠凪に問いかける。
「ッ!?」悠凪に答えを返す余裕などない。
「確かに、服は着ねばならぬと教わった。天使は服を着る必要などなかったからな。ここに来て初めて……聞いているか?」
(私が時間を稼げば、それだけリジアは……)
半ば脱がされかかり最後の抵抗を試むも、悠凪は虚しく――
「まあいい。お前の肢体も恥ずべきものではないと思う。むしろ誇るが良い。
……ああ。そうだな、倒さねば食べれないか。そうだな、そうしよう。生は駄目? ……ふむ、難しいな」
イレギュラーズの縦横無尽な活躍により、蛸賊は壊滅状態だ。
おめでとう、依頼は……もとい夏を楽しんだ!
「大丈夫、ミーの故国ならコメディアンで通る。バラエティを舐めるな」
往路の船上、訳の分からない言い訳をしながら股間を大きな葉っぱで隠している貴道。半数以上が女性の中で、とても針の筵だったという。どっとはらい。
●
「はぁい、夏といえばなんでしょ~?
海、お祭り、ひと夏の恋! はい、全部正解だけど不正解!
大正解は『ビール』よぉ!」
全くもって。アーリアはお肉もそこそこにビールを飲みまくる。
「うふふ、乾杯!」
同じく豪快に飲んでいるジュリエットを見つけると、挨拶代わりにジョッキ片手に乾杯アタック。そのまま飲み干した。
「おう、乾杯!」
負けじと飲み干すジュリエット。
「いい飲みっぷりねぇ貴女、いいお友達になれそうねぇ~! 一度乾杯した人は皆もう友達よぉ、今日はこの楽園で飲み倒しましょ~!」
アーリアの髪は、いい感じでビール色に染めあがっていた。
「お、お前。そんなとこで一人で何やってんだ?」
ジュリエットは所在無げにポツンと立ってるメイメイに目をつけると絡み始める。
「めぇ、めぇ?」
「っかー、何してんだよ。楽しまないと損だぜ」
強引にテーブルにメイメイを引張る。
「お、お嬢ちゃん。さぁ皿を出せ! 好きなものを言え! 存分に焼いて渡してやろうじゃねぇか!」
浴衣を着た相撲取り……いいえ、オークです。焼き物奉行のゴリョウだ。
「おぅ、こっちは焼けてるぜ! そっちはまだだ。生焼けで腹壊すぞ! これにしとけ!」「美味しぃ……」
強引に押し付けられたメイメイが、嬉しそうに頬張る。
「うむ。人生は、メシが美味けりゃ大体よし!」
「のんびり飲むビールが美味いぜ」
焼きながら合間合間に飲み食いを愉しむゴリョウ。飲み友達の義弘も飲み食い、愉しんでいる。
「(休む事は悪い事じゃねえ。次の戦いへ英気を養う為のものだからよ)しかし、海なんてとんと来る機会が無かったぜ。俺の場合、刺青を背中に背負ってるからな」
鮮やかな桜が彫ってある義弘。任侠道もなかなか大変だ。
「なるほど、これがBBQですか。肉を焼いて、海鮮を焼いて……なるほど」
BBQ初体験のノエルは興味津々だ。
「それではドンドン焼いていきますね。食べるのも楽しいのですが、こうしてお肉を焼いたりするのもまた楽しいと言いますか。あ、これとか良い感じですね、どうぞ」
焼くのを満喫したノエルは、自分の分を焼き始める。
「お肉も海の幸も、こういった環境で食べるといつもより美味しいですね。それに、お酒も」
「んー、いい匂い♪ 甘いものもいいけど、しょっぱいものもいいものだね☆
お肉の焼ける匂い、海鮮の焼ける音、お野菜だって美味しそう! どれから食べるか目移りしちゃうね♪
あ! そのお肉はボクが目をつけてたやつ! うう、先をこされちゃったかー、バーベキューは戦場だね!
よーし、周りに負けないようにいっぱい食べるぞー!」
争いごとの嫌いなミルキィが、今日は別とばかりに戦場に飛び込んだ。
(まあしかし、焼けるのを待つのも時間がかかるのは事実だ)
待たずに、マルベートは生肉を刻みタルタルステーキを作る。
「美味い! 火を通した肉もいいけど、生肉の魅力も抗いがたいからね」
それでも炎天下の生肉は衛生的に危ないからと、作ったものは責任もって全部食べるマルベート。……決して独り占めしているわけではないよ? 本当だよ?
「そろそろ肉も焼けたかな? まだまだ楽しいパーティーは続くのさ」
「いいの、俺は焼くの楽しいから」
調子に乗りすぎて、すぐお腹いっぱいになったシラスが誰かの為に肉を焼く。
BBQの雰囲気が好き。焼くだけでも満たされる感じがするしね。ジュースもすすむ!
「野菜も食べないとダメですよ」
野菜に全く手を付けなかったシラスに、アグライアが声をかける。ガッツリ系の肉や海鮮よりも野菜が好きなのだ。
ひたすら野菜エリアを作って焼いては食べるアグライア。
「ふぅ、満足です。好きなものを遠慮せず、いっぱい食べられるのは良いですね」
「人種が雑多な以外は、見事に見知った夏の海って感じだね。BBQ、参加しよっと」
冷たいお茶を片手に、美咲は色々焼くのを手伝う。
食材を一通り確認し焼き加減の練習を終えると、切り上げて念願の食事たいむ満喫だ。
「いただきまーす」
鼻歌交じりにレッドロブスターに齧りついた。
「それはそれとして、蛸賊ん所にいったヤツらは今頃どうなってるかねぇ。無事だと良いんだが」
途中、そんなことを思ったゴリョウだったが。
「食える奴を殺したからには血肉に変えるのが筋というものだろう」
ハロルド達からの差し入れ――蛸が届く。
「むー……」
蛸賊から帰ってきた彼らを見たシラスが、みんな筋肉モリモリだなあと一人対抗意識を燃やす。
「お腹はいっぱいだけれど、もう一皿食べてみようかな。詰めれば入る……うっぷ」
イレギュラーズの夏祭り――楽園はまだ終わらない。
成否
成功
MVP
なし
状態異常
なし
あとがき
お疲れ様でした。
白紙以外、全員描写できたと思います。抜けがあったらお知らせください。
まさか、裏コースの蛸賊が一番人集まるとは思いませんでした(笑)。
それではまた、ご縁がありますように。
GMコメント
夏です。水着、浴衣の季節です。ってことでこんにちは、茜空秋人です。
せっかくだし、水着で海を楽しみませんか?
●目的
楽園島で夏を楽しもう。
●お願い
水着や浴衣着用の場合、ご記入下さい。
●出来ること(例)
・【BBQ】
海岸で行われる大BBQパーティー。
肉! 海老! 蛸賊! そしてビール! お好みで各種カクテルもございます。
ただし未成年者はソフトドリンクになります。
・【海遊び】
泳ぐのも、ビーチバレーも、スイカ割りも。夕焼けを楽しむのも、夜遊びも自由です。
・【ふれ合いツアー・ドルフィンスイムコース】
船に乗ってイルカの生息地にGOGO!
イルカと遊びましょう。
・【裏ふれ合いツアー・蛸賊コース】
船に乗って蛸賊残党の生息地に……。
触手と戯れましょう。このコースを選んだ場合、問答無用で全裸描写が行われます。
ただし全年齢版の範囲内です。
・【その他】
リゾート地の海で出来そうなことは、一通りできます。
●NPC
絡まれた分程度しか描写されません。
呼ばれれば何処にでも行きます。
・『酔っ払い』ジュリエット・ノックス(p3n000036)
BBQでビールに夢中です。
●その他
繰り返しますが、未成年の飲酒喫煙は出来ません。
同行者が居る場合、フルネームとIDを記載して戴けると非常に助かります。
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